JP2008159811A - Soiウェーハの製造方法ならびにsoiウェーハ - Google Patents
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Abstract
【課題】部分SOIウェーハ、埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ、埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハ、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】SOIウェーハ上に保護膜を形成する工程と、引き続き保護膜の一部分をエッチングによって除去して開口部を設ける工程と、引き続きウェーハを熱処理炉内に導入して埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理工程を含む部分SOIウェーハおよび埋め込み酸膜化段差パターン付SOIウェーハの製造方法であり、前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理雰囲気には塩素を含有する気体ならびに酸素が含まれ、さらに前記熱処理雰囲気は、当該熱処理温度においてウェーハ表面に表面酸化膜が成長する範囲の酸素分圧を有することを特徴とする部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】SOIウェーハ上に保護膜を形成する工程と、引き続き保護膜の一部分をエッチングによって除去して開口部を設ける工程と、引き続きウェーハを熱処理炉内に導入して埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理工程を含む部分SOIウェーハおよび埋め込み酸膜化段差パターン付SOIウェーハの製造方法であり、前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理雰囲気には塩素を含有する気体ならびに酸素が含まれ、さらに前記熱処理雰囲気は、当該熱処理温度においてウェーハ表面に表面酸化膜が成長する範囲の酸素分圧を有することを特徴とする部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、部分SOI(Silicon On Insulator)ウェーハ、埋め込み酸化膜の上部に段差パターンが形成された構造を有する埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ、ならびに第1の埋め込み酸化膜の上部に段差パターンが形成され、前記第1の埋め込み酸化膜の上部に半導体結晶膜を介して第2の埋め込み酸化膜が形成された構造を有する埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハの製造方法である。さらに本発明は、埋め込み酸化膜の上部に段差パターンが形成された構造を有する埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ、ならびに第1の埋め込み酸化膜の上部に段差パターンが形成され、第1の埋め込み酸化膜の上部に半導体結晶膜を介して第2の埋め込み酸化膜が形成された構造を有する埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハである。
近年、SOIウェーハが、電子デバイスの高速性、低消費電力性、高耐圧性、放射線耐性などの性能向上に極めて有効であることから、高性能LSI用の半導体ウェーハとして注目されている。広義のSOIウェーハには、埋め込み酸化膜の上部にSiGe結晶膜ならびに歪シリコン膜が形成され、これによりMOSデバイスの高速性をより促進することのできるSGOI(SiGe On Insulator)ウェーハ、埋め込み酸化膜の上部に直接歪シリコン膜が形成され、SGOIウェーハと同様にMOSデバイスの高速性をより促進することのできるSSDOI(Strained−Si Direct On Insulator)ウェーハ、パワーデバイスや大口径GaN結晶薄膜用のウェーハとして注目されているSiC on insulatorウェーハ、あるいはこれらの要素を組み合わせたウェーハなどが含まれる。本発明におけるSOIウェーハは、上記広義のSOIウェーハを指すものとする。
SOIウェーハの更なる発展形として、ウェーハ内部に埋め込み酸化膜の存在する領域と存在しない領域を有し、それぞれの領域にMOSデバイスを形成することでバルクMOSデバイスとSOI/MOSデバイスの利点を効率的に利用することのできる部分SOIウェーハ、ウェーハ内部の埋め込み酸化膜に段差を有し、段差部を挟む領域でのSOI構造の膜厚構造変化によりMOS−LSI回路の性能を向上させる段差パターン付SOIウェーハ、さらに上下2層の埋め込み酸化膜を有し、2層の埋め込み酸化膜で挟まれた半導体層の上下界面のいずれかに約10nm以上の高さの溝状の段差パターンを有し、前記溝状の段差パターンを光導波路として利用する、埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハが注目を浴びている。
SOIウェーハを製造する代表的な方法としては、貼り合わせ法やSIMOX(Separation by IMplanted OXygen)法がある。貼り合わせ法は、シリコン結晶またはシリコンを含有する結晶から成る2枚の半導体ウェーハの片方にシリコン酸化膜を形成し、その酸化膜を介して上記2枚のウェーハを貼り合わせた後、片側のウェーハを薄膜化することによって、SOIウェーハを製造する方法であり(非特許文献4参照)、後述するSIMOX法にくらべて実現可能な埋め込み酸化膜の膜厚範囲が広いという特長がある。その一方で、ウェーハ同士を完全に接着するためには、2枚のウェーハの貼り合わせ面がそれぞれウェーハ全面に渡って平坦である必要があるため、原理的に部分SOIウェーハや段差パターン付SOIウェーハの形成には不向きである。上記理由により、貼り合わせ法を利用した安価かつ大量生産に向いた部分SOIウェーハ製造プロセスはこれまで実現していない。また、貼り合わせ法を利用した段差パターン付SOIウェーハの製造プロセスはこれまで実現していない。
SIMOX法は、シリコン結晶またはシリコンを含有する結晶から成る1枚の半導体ウェーハの少なくとも一方の表面から酸素イオンを注入した後、引き続き高温熱処理によって、注入された酸素イオンから埋め込み酸化膜を形成することによるSOIウェーハの製造方法である。酸素イオンのイオン注入は、通常ウェーハを500℃以上に加熱した状態で行われ、また注入エネルギーは通常150〜200keVが用いられる。また、高温熱処理は通常、アルゴンや窒素などの不活性ガス雰囲気に2torr以上の分圧の酸素を添加した雰囲気下において1300℃以上の高温で行われる。
このような標準的な方法で作製したSIMOX法によるSOIウェーハ(SIMOXウェーハ)では、高品質な表面半導体結晶膜(SOI膜)と連続した埋め込み酸化膜を両立して実現するためのイオン注入ドーズ量範囲が、約3×1017/cm2以上かつ約5×1017/cm2以下に限定される。このために前記の一般的な注入条件では、イオン注入ドーズ量に比例する物理量である埋め込み酸化膜の膜厚が、約80nm以上約130nm未満に限定される(非特許文献1参照)。
そこで、SOIウェーハを高温の酸素雰囲気中で酸化処理することにより埋め込み酸化膜に向けて酸素を内方拡散させ、これにより埋め込み酸化膜を厚膜化する、内部酸化(Internal Thermal Oxidation: ITOX)技術が提案された(特許文献1参照)。しかしながらITOX処理では、一般に埋め込み酸化膜を高々40nm程度しか厚膜化できないため(特許文献1参照)、SIMOX法によるSOIウェーハにITOX処理を適用しても、その埋め込み酸化膜の膜厚は、約80nm以上約170nm未満に限定される。
その一方で,SIMOX法では図4(a)に示すように、ウェーハ表面に酸素イオンの侵入を完全に防ぐことのできる厚い保護膜パターンを予め形成し、これを介して酸素イオン注入することにより、図4(b)に示すような、ウェーハ内部の一部に埋め込み酸化膜の存在しない領域を有する部分SOIウェーハを簡便に形成できる(特許文献3参照)。
また図5(a)に示すように、上記保護膜パターンをウェーハ内部へ注入イオンが浅く進入できる程度に薄く形成することにより、図5(b)に示すような、埋め込み酸化膜に段差を有する段差パターン付SOIウェーハを形成することができる(特許文献4参照)。さらには、上述方法によって得た埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハを利用して、段差を有する第1の埋め込み酸化膜上にさらに第2の埋め込み酸化膜を形成した、埋め込み酸化膜段差パターン付の2重SOI構造を有するSOIウェーハ(埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハ)を作製することも可能である。
上述の、酸化膜パターン形成工程ならびにSIMOX法を利用した埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハでは、パターン境界部の両側で埋め込み酸化膜厚は変化せず、SOI膜厚のみが変化する。しかしながらパターン境界部の両側で、SOI膜厚のみならず埋め込み酸化膜厚も変化させることが可能であれば、SOI構造変化のバリーションがより広がり、MOS−LSI回路の性能向上マージンも広がる。このため図1(f2)に示すような、埋め込み酸化膜の上部には段差パターンが形成されているものの、埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、パターン境界部の両側で、SOI膜厚のみならず埋め込み酸化膜厚も変化させることが可能な、新しい埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハが求められている。
同様に、SIMOX法を利用した埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハでは、パターン境界部の両側で第1の埋め込み酸化膜厚は変化しない。しかしながらパターン境界部の両側で、第1の埋め込み酸化膜厚も変化させることが可能であれば、光導波路の構造バリーションが広がり、導波路性能の改善マージンも広がる。このため図2(f)に示すような、第1の埋め込み酸化膜の上部に段差パターンが形成され、第1の埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、第1の埋め込み酸化膜の上部に半導体結晶膜を介して第2の埋め込み酸化膜が形成された、新しい埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハが求められている。
また、部分SOIウェーハ、埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ、埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハのいずれにおいても、求められる埋め込み酸化膜厚ならびにその上部のSOI厚は、その利用用途により様々である。このため、SIMOX法にくらべて実現可能な埋め込み酸化膜厚範囲の広い貼り合わせ法によるSOIウェーハ(貼り合わせSOIウェーハ)の製造技術も適用可能な、新しい部分SOIウェーハ、段差パターン付SOIウェーハ、段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハの製造技術が求められている。
このような産業上の要請により、SOIウェーハのSOI膜表面に保護膜を形成し、該保護膜を部分的に除去して活性層の一部を露出させる開口部を形成し、さらに不活性ガスまたは還元ガスの雰囲気でSOIウェーハを高温アニールし、前記開口部を通して、前記埋め込み酸化膜の一部を消滅させた後、前記保護膜を除去する部分SOIウェーハの製造方法が提案されている(特許文献5参照)。この方法は、SOIウェーハの埋め込み酸化膜を水素ガス、Arガス、またはこれらの混合ガス雰囲気下で1000℃以上の温度で熱処理することにより、埋め込み酸化膜を薄膜化できるという発明(特許文献2参照)に基づくものであり、貼り合せウェーハをスタート材料として利用することにより、SIMOX法では実現できない範囲の埋め込み酸化膜厚を有する部分SOIウェーハも製造可能である。
しかしながら、特許文献2や特許文献5に記載の処理では、例えば埋め込み酸化膜を減ずる熱処理を、真空ロードロック機構や不活性ガスのパージ機構といった高価な付帯設備が設けられていないオープン熱処理炉で行った場合、ウェーハを熱処理炉にロードする際に、熱処理雰囲気中に微量の酸素が混入して、化学反応式 2Si+O2→2SiOで表される昇華型の化学反応が発生し、SOI膜が昇華する問題があった。上記の昇華型反応は、「活性酸化」あるいは「継続酸化」の名称でよく知られており、熱処理雰囲気中の酸素分圧が極めて低い場合に反応が活性化する点が特徴である(非特許文献2および非特許文献3参照)。活性酸化は、熱処理温度が高くなる程反応が活性化し、SOI膜が昇華しやすくなることが知られている。
一方非特許文献2および非特許文献3に示される通り、熱処理雰囲気中の酸素分圧がより高い場合には、化学反応式 Si+O2→SiO2で表される堆積型の化学反応が発生し、熱処理中にウェーハ表面酸化膜が成長する。上記の堆積型反応は、「保護酸化」との名称でよく知られている。先程述べた通り、SIMOXウェーハ製造における高温熱処理は、通常アルゴンや窒素などの不活性ガス雰囲気に2torr以上の分圧の酸素を添加した雰囲気下において1300℃以上の高温で行われるが、雰囲気に2torr以上の分圧の酸素を添加する理由は、保護酸化を優勢にして、活性酸化によるSOI膜の昇華、ならびにこれに伴うSOI膜の消失を防ぐためである。
特許文献2や特許文献5に記載の方法では、埋め込み酸化膜を減ずる熱処理工程において、熱処理温度が高くなる程埋め込み酸化膜の薄膜化速度が上昇するため、埋め込み酸化膜の薄膜化が有効に進む高温域では、熱処理雰囲気中に微量の酸素が混入しただけでも活性酸化が激しく進行し、SOI膜が極めて昇華しやすいという問題があった。
このため特許文献2においては、活性酸化を防ぐために熱処理雰囲気中の酸素濃度を10ppm以下とすることが望ましいと記載されている。
しかしながら熱処理雰囲気中の酸素濃度を10ppm以下とするためには、ウェーハを熱処理炉にロードする際に、熱処理雰囲気中に微量の酸素が混入することを防ぐ必要があり、このためには熱処理炉に真空ロードロック機構や不活性ガスのパージ機構といった高価な付帯設備を設ける必要があった。これらの機構は高価であるため、ウェーハの製造コストアップにつながるという問題があった。さらに特許文献2や特許文献5に記載の方法では、埋め込み酸化膜を減ずる熱処理中に、保護膜に設けられたパターン開口部においてはウェーハ表面に表面酸化膜が存在しないため、ウェーハの内部に金属汚染が入りやすくなり、このため金属汚染に起因した表面欠陥が発生しやすいとの問題があった。また熱処理中のウェーハ表面には一般に、熱処理雰囲気中に微量に含まれた微小パ−ティクルが付着するが、特許文献2や特許文献5の方法では、埋め込み酸化膜を減ずる熱処理中に、保護膜に設けられたパターン開口部においてはウェーハ表面に表面酸化膜が存在しないため、ウェーハの表面に保護膜を介さずに直接微小パ−ティクルが付着し、溶着してしまう。このため、ウェーハの表面に溶着した微小パ−ティクルを、熱処理処理後の表面酸化膜除去によって表面酸化膜ごと除去(リフトオフ)することが難しくなり、この点もウェーハ上付着に付着したパ−ティクル数を許容レベル以下に低減化する上で問題であった。
さらに特許文献2や特許文献5に記載の方法では、最適化された条件でも埋め込み酸化膜の減少スピードの平均値は約4nm/hと低く(特許文献2参照)、ウェーハの生産性低下要因となる点が問題であった。このため例えば、低ドーズSIMOXとよばれる、イオン加速エネルギーが150〜200keV、ドーズ量が4×1017/cm2の酸素イオン注入条件を利用し、埋め込み酸化膜の膜厚が約80nmの一般的なSIMOXウェーハの埋め込み酸化膜を消滅させるためには、約20時間という長時間の熱処理を要する問題があった。
特許第3036619号公報
特開2004−00157号公報
国際公開第00/48245号パンフレット
米国特許第6756257号明細書
特開2006−49725公報
Material Research,Vol.8,No.3,pp.523−534
耐火物、耐火物技術協会、昭和62年、第5号、pp.44−49
Oxidation of Metals,Vol.4(3),pp.181−201(1972)
Proceedings of 1995 IEEE International SOI Conference ,pp.178−179(1995)
上述のように、図1(f2)に示す埋め込み酸化膜の上部には段差パターンが形成されているものの、埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、パターン境界部を挟む領域で、SOI膜厚のみならず埋め込み酸化膜厚も変化させることが可能な、埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハはこれまで実現していない。
同様に、図2(f)に示す第1の埋め込み酸化膜の上部に段差パターンが形成され、第1の埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、第1の埋め込み酸化膜の上部に半導体結晶膜を介して第2の埋め込み酸化膜が形成された、新しい埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハもこれまで実現していない。
一方部分SOIウェーハについては、特許文献5に示された、SOI膜とシリコンバルク層との間に埋め込み酸化膜が形成されたSOIウェーハのSOI膜表面に保護膜を形成し、該保護膜を部分的に除去して活性層の一部を露出させるパターン開口部を形成し、さらに不活性ガスまたは還元ガスの雰囲気でSOIウェーハを高温アニールし、前記開口部を通して、前記埋め込み酸化膜の一部を消滅させた後、前記SOIウェーハの活性層側の面から保護膜を除去する部分SOIウェーハの製造方法が提案されており、SIMOXウェーハにくらべて埋め込み酸化膜厚の自由度がより高い、貼り合わせSOIウェーハを利用した、部分SOIウェーハの製造も可能となっている。
しかしながらこの方法では、埋め込み酸化膜を減ずる熱処理の際に、活性酸化による昇華反応、金属汚染、またウェーハ表面へのパーティクル溶着等が起こる上、埋め込み酸化膜厚の減少速度も遅いため埋め込み酸化膜の薄膜化を安定的に高い歩留で実現することは困難である。この問題を解決するためには、次の要件(a)〜(c)を満たす埋め込み酸化膜を減ずる熱処理を利用した部分SOIウェーハの製造方法が必要であるが、これまで実現していない。(a)埋め込み酸化膜の薄膜化を高歩留で実現するために、活性酸化による昇華反応が起きない。(b)熱処理中のウェーハの金属汚染ならびに表面パーティクル汚染を防ぐために、熱処理中にウェーハの表面に保護膜となる表面酸化膜が成長する。(c)埋め込み酸化膜厚の減少速度が速く、高生産性である。
本発明はかかる要求を満たすべくなされたものであり、その第1の目的は、上記(a)、(b)、(c)の要件を満たす埋め込み酸化膜を減ずる熱処理を利用することにより、活性酸化による昇華反応を抑えつつ埋め込み酸化膜の薄膜化を高歩留且つ高品質に高速で実現でき、熱処理中のウェーハの金属汚染ならびに表面パーティクル汚染を防ぐことも可能であり、さらにはSIMOXウェーハのみならず、埋め込み酸化膜厚の自由度がより高い、貼り合わせSOIウェーハも利用することのできる、部分SOIウェーハ、埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ、埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハの製造方法を提供することである。
また本発明の第2の目的は、図1(f2)に示すように、埋め込み酸化膜の上部には段差パターンが形成されているものの、埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、パターン境界部を挟む領域で、SOI膜厚のみならず埋め込み酸化膜厚も変化させることが可能な、埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハを提供することである。
さらに本発明の第3の目的は、図2(f)に示すように、第1の埋め込み酸化膜の上部に段差パターンが形成され、第1の埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、第1の埋め込み酸化膜の上部に半導体結晶膜を介して第2の埋め込み酸化膜が形成された、新しい埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハを提供することである。
上述の課題を解決するため、先ず本願発明者らは、活性酸化による昇華反応の起きない安価かつ高歩留な埋め込み酸化膜の薄膜化技術について鋭意検討を加え以下の考察及び知見を得た。
活性酸化を抑制するには、先に述べた通り、熱処理雰囲気に酸素を積極的に加え、保護酸化と呼ばれる化学反応式 Si+O2→SiO2 で表される酸化反応を優勢にして、ウェーハ表面に表面酸化膜を成長させることが有効である。しかしながら酸素を積極的に加えた雰囲気での熱処理では、通常の熱力学の範囲では、雰囲気中の酸素の一部がウェーハ内部へ内方拡散し、むしろ埋め込み酸化膜の膜厚を増大させる方向に働くことが知られている。この現象を積極的に活用したものが、先に述べた、特許文献1に開示されているITOX処理である。このように一般的には、酸素を積極的に加えた熱処理雰囲気で、埋め込み酸化膜内の酸素を外方拡散させ、薄膜化することは不可能と考えられていた。
しかしながら本願発明者らは、熱処理雰囲気への各種ガスの添加、ならびに熱処理温度の最適化により、酸素を積極的に加えた熱処理雰囲気によって活性酸化を抑制し、保護酸化を優勢としながらも、かつ埋め込み酸化膜内の酸素を外方向拡散させ、これによって埋め込み酸化膜を溶出させて薄膜化せしめるという、従来知見では相反する2つの要請を両立させることを試みた。この結果、酸素を積極的に加えた熱処理雰囲気に、塩素を含む気体を添加することで、上記2つの要請を両立できることを新たに見出した。
本発明者らはこの熱処理技術をさらに、SOIウェーハ上に保護膜を形成する工程、また保護膜の一部分をエッチングによって除去して開口部を設ける工程等々と組み合わせることにより、本発明を完成させたものである。
本発明は以下のように構成される。
(1) SOIウェーハ上に保護膜を形成する工程と、引き続き保護膜の一部分をエッチングによって除去して開口部を設ける工程と、引き続きウェーハを熱処理炉内に導入して埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理工程を含む部分SOIウェーハおよび埋め込み酸膜化段差パターン付SOIウェーハの製造方法であり、前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理雰囲気には塩素を含有する気体ならびに酸素が含まれ、さらに前記熱処理雰囲気は、当該熱処理温度においてウェーハ表面に表面酸化膜が成長する範囲の酸素分圧を有することを特徴とする部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法。
(2) 前記塩素を含有する気体がHCLまたは1−,2−トランスジクロロエチレンの揮発ガスであり、さらに前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理が1200℃以上シリコン融点未満の温度で行われ、前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理の開始から終了までの間における開口部直下の埋め込み酸化膜厚の平均減少速度が4nm/hを超えることを特徴とする(1)に記載の部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法 。
(3) 前記保護膜が、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、あるいはこれらの膜の少なくとも1つを含む積層膜であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法。
(4) 前記開口部を設ける工程の実施後、前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理工程を実施する前に、ウェーハをエピタキシャル炉に導入して前記開口部直上にシリコンエピタキシャル膜を成長させることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法。
(5) 前記開口部直上に成長させるシリコンエピタキシャル膜厚をt1、前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理において前記開口部に成長する表面酸化膜厚t2として、t1とt2が t2− 100nm ≦ 2.25 x t1 ≦ t2 を満たすように、前記エピタキシャル堆積時間ならびに前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理時間を調整することを特徴とする(4)に記載の部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載の方法の方法で作製した部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの表面を、引き続き機械研磨または化学機械研磨により平坦化することを特徴とした部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法。
(7) 埋め込み酸化膜の上部に段差10nm以上の段差パターンが形成され、埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、さらにSOIウェーハの最表面に転写したパターン段差量が、前記埋め込み酸化膜上部に形成されたパターン段差量未満であることを特徴とする埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ。
(8) 表面に酸化膜を形成し、さらにその下部のシリコン結晶層に水素イオンを注入した半導体ウェーハと、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法で作製した埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハまたは(7)に記載の埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハとを、表面同士貼り合せる工程と、引き続き熱処理を行って貼り合せ強度を増す工程と、引き続き前記水素イオンの注入領域を破断せしめる工程を含むことを特徴とした、埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハの製造方法。
(9) (1)〜(6)のいずれかに記載の方法で作製した埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハまたは(7)に記載の埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハに酸素イオン注入を行う工程と、引き続き高温アニールを行うことによって段差パターン付埋め込み酸化膜の上部に半導体結晶膜を介して第2の埋め込み酸化膜を形成する工程を含むことを特徴とした、埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハの製造方法。
(10) 第1の埋め込み酸化膜の上部に段差10nm以上の段差パターンが形成され、第1の埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、第1の埋め込み酸化膜の上部に半導体結晶膜を介して第2の埋め込み酸化膜が形成され、ウェーハ最表面に転写したパターン段差量が50nm未満であることを特徴とする埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハ。
本発明の部分SOIウェーハ製造方法、埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法、埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハの製造方法は、いずれも埋め込み酸化膜の膜厚を減ずる熱処理の雰囲気中に塩素を含有する気体ならびに酸素が含まれ且つ当該雰囲気が、前記埋め込み酸化膜の膜厚を減ずる熱処理温度においてウェーハ表面に表面酸化膜が成長する範囲の酸素分圧を有する構成としたことにより、活性酸化による昇華反応を抑えつつ埋め込み酸化膜の膜厚を減ずる熱処理を実施することが可能となり、また埋め込み酸化膜の薄膜化を高歩留で高品質にしかも高速に実現でき、さらに薄膜化処理中にウェーハの表面に保護膜となる酸化膜が成長するので、熱処理中のウェーハの金属汚染ならびに表面パーティクル汚染を防ぐことができる。
本発明の部分SOIウェーハ製造方法、埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ製造方法、埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハ製造方法では、いずれもパターンの形成されていない任意のSOIウェーハをスタート材料として利用する構成となっているため、スタート材料として埋め込み酸化膜の膜厚自由度に優れた貼り合せウェーハを利用することにより、埋め込み酸化膜の膜厚自由度に優れた、部分SOIウェーハ、埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ、埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハを実現可能となる。
本発明の部分SOIウェーハ製造方法、埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ製造方法、埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハ製造方法は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、あるいはこれらの膜の少なくとも1つを含む積層膜を保護膜としてウェーハ上に形成し、引き続き埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理を行う構成とすることで、保護膜直下の埋め込み酸化膜の厚みが埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理中に減少することを抑制可能であり、保護膜直下の埋め込み酸化膜の絶縁品質を損なうこともない。
本発明の部分SOIウェーハ製造方法、埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ製造方法、埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハ製造方法は、保護膜に開口部を形成した後さらにシリコンエピタキシャル層を堆積し、このエピタキシャル層のみが、埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理においてほぼちょうど酸化される構成となっており、さらに機械研磨または化学機械研磨の利用により、開口部とそれ以外の部分におけるSOI膜表面の高さが、埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理後にもほぼ揃った状態で維持される。このため、ウェーハ最表面における段差量が極めて少ない高品質なウェーハを提供可能となる。
本発明のSOIウェーハ製造方法によれば、図1(f2)に示すような、ウェーハ最表面における段差量が極めて少ない高品質な埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハに、さらにエピタキシャル成長とSIMOX工程、あるいは他のSOIウェーハとの貼り合せ工程を適用することにより、図2(f)に示すような、第1の埋め込み酸化膜の上部に段差パターンが形成され、第1の埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、第1の埋め込み酸化膜の上部に半導体結晶膜を介して第2の埋め込み酸化膜が形成された埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハを形成することが初めて可能となる。
本発明の埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハは、図1(f2)に示すように、埋め込み酸化膜の上部には段差パターンが形成されているものの、埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、パターン境界部を挟む領域で、SOI膜厚のみならず埋め込み酸化膜厚も変化させることが可能であるため、SOI構造変化のバリーションが広がり、SOIなどに適した先進MOS−LSI回路の設計自由度を広げることが可能となる。
本発明の埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハは、図2(f)に示すように、埋め込み酸化膜の上部には段差パターンが形成されているものの、埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、パターン境界部を挟む領域で、SOI膜厚のみならず埋め込み酸化膜厚も変化させることが可能であるため、光導波路の構造バリーションが広がり、導波路性能の設計自由度を広げることが可能となる。
以下に、本発明の実施の形態を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
先ず、本発明における部分SOIウェーハ、埋め込み酸化膜の上部に段差パターンが形成された構造を有する埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法を図1を用いて説明する。
最初に図1(a)に示すように、SOIウェーハを準備する。準備するSOIウェーハはSIMOX法、貼り合わせ法その他製法を問わない。
次いで図1(b)に示すように、準備したSOIウェーハ上に保護膜を形成する。この保護膜は、次工程である埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理工程において、保護膜直下の埋め込み酸化膜厚が減ずるのを防ぐための膜であり、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、あるいはこれらの膜の少なくとも1つを含む積層膜であることが好ましい。保護膜にシリコン酸化膜のみを用いる場合には、その膜厚は500nm以上であることが望ましい。シリコン窒化膜を用いる場合には、ウェーハ表面の応力を緩和する観点から、その下地としてシリコン酸化膜をあらかじめ形成しておくことが望ましく、またシリコン窒化膜厚は300nm以上であることが望ましい。しかしながら、保護膜の材質および膜厚は特に上記に限定されるものではなく、埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理工程において保護膜直下の埋め込み酸化膜厚が減ずるのを防ぐことができる膜であれば良い。保護膜の形成方法としては、例えば熱酸化、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、スパッタリング法などを採用することができるが、これも特に限定されるものではない。
次いで図1(c)に示すように、形成した保護膜の一部に、フォトリソグラフィおよびエッチング等を利用して、SOI膜の上面が露出するような開口部を設ける。開口部の形成方法は、特に上記に限定されるものではない。エッチングを用いる場合でも、ドライエッチング、RIE(Reactive Ion Etching)、各種のウェットエッチング等、保護膜の素材に応じて様々な方法を選択することができる。
次いで図1(d1)あるいは図1(d2)に示すように、開口部を設けたウェーハ上に、シリコンエピタキシャル膜を堆積する。これにより開口部の上部にシリコンエピタキシャル膜が形成され、一方保護膜上には、前記シリコンエピタキシャル膜とほぼ同じ膜厚のポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜が形成される。エピタキシャル堆積厚は、次工程となる埋め込み酸化膜を減ずる処理の条件に依存し、一般に50〜400nm程度が好ましいが、特に上記に限定されるものではない。シリコンエピタキシャル膜の堆積方法にも特に制約は無く、例えば減圧エピタキシャル成長法、常圧エピタキシャル成長法のいずれを用いても良い。あるいは他の方法を用いても良い。エピタキシャル成長時のソースガスも、モノシラン、トリクロロシランあるいは他のソースガスを適宜選択可能である。また、ウェーハ表面の凹凸があまり問題とならない用途向けの場合は、本シリコンエピタキシャル膜堆積工程を省くことも出来る。
次いで図1(e1)あるいは図1(e2)に示すように、これらのウェーハを熱処理炉に投入し、開口部直下の埋め込み酸化膜の厚さを減ずる熱処理を行う。熱処理投入前には、ウェーハ上の金属汚染の除去ならびにウェーハ上の微小パーティル除去の観点から、一般にウェーハを炉前洗浄する。炉前洗浄には、SC1洗浄、SC2洗浄などが一般的に用いられる。しかしながら洗浄の方法は特にこれらに限定されるものではなく、さらに熱処理投入するSOIウェーハ自体の清浄度が高い場合や、熱処理炉の管清浄度が低い場合などは、必ずしも炉前洗浄を行わなくてもよい。
熱処理炉は、ウェーハの生産性を確保し、埋め込み酸化膜の均一性を確保する意味合いからバッチ式の縦型炉が望ましい。しかしながら熱処理炉の形式は特に前記に限定されるものではなく、横型炉、あるいは枚葉炉などであっても問題はない。また常圧炉、減圧炉、加圧炉のいずれを用いることも可能である。また本発明では、埋め込み酸化膜の厚さを減ずる熱処理工程が、真空ロードロック機構や不活性ガスのパージ機構を有さないオープン熱処理炉で行われることが、製造コスト削減の観点から望ましい。しかしながら熱処理炉の形式は特に上記に限定されるものではなく、真空ロードロック機構や不活性ガスのパージ機構を有する熱処理を用いても問題はない。
炉内にロードしたウェーハを1200℃以上の温度まで昇温し、塩素を含有する気体と酸素との混合気体を含む雰囲気を炉内に導入する。雰囲気中の酸素分圧は、当該炉内温度に於いてウェーハ表面に表面酸化膜が成長する分圧範囲となるように設定する。非特許文献2ならびに非特許文献3によれば、ウェーハ表面に表面酸化膜が成長するために必要な熱処理雰囲気中の下限酸素分圧Pthは、熱処理温度Tの関数となり、以下の近似式で表される。
Pth[atm]〜10(8.43−17600/T[K])
従って、例えば熱処理温度が1200℃、1300℃、1400℃の場合には、上記の式から、雰囲気中の酸素分圧がそれぞれ約3.0x10−4atm以上、約1.7x10−3atm以上、約8.2x10−3atm以上となるように、雰囲気に添加する酸素の供給流量を設定すれば良い。尚、ウェーハ表面に表面酸化膜が成長するために必要な熱処理雰囲気中の上限酸素分圧は存在しないため、雰囲気中の酸素分圧は、上述の下限酸素分圧Pth以上の分圧であれば自由に設定することができる。酸素分圧の制御は、例えば塩素を含有する気体と酸素の混合気体をアルゴンや窒素などの不活性気体で希釈し、希釈率を制御することで容易に可能である。また減圧炉を用いる場合は、炉内圧の制御によっても酸素分圧の制御が容易に可能である。尚、熱処理炉によっては、炉内への酸素の供給系と他のガスの供給系が独立しており、熱処理炉内で初めて各種のガスが混合される場合もある。しかしながらこの場合でも、炉内で混合した熱処理雰囲気中の酸素分圧が上述の下限酸素分圧Pth以上となるように調整することは容易であり、さらに前記調整によって本発明の効果を得ることができる。このように、炉内への酸素の供給系と他のガスの供給系が独立しており、熱処理炉内で初めて各種のガスが混合される場合も本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
昇温後、炉内雰囲気を上述のように設定すると、雰囲気中の酸素により、ウェーハ表面のシリコンエピタキシャル膜上にSiO2から成る表面保護膜が成長するとともに、雰囲気に添加された塩素の作用により、表面酸化膜/SOI膜界面での酸化反応による酸素消費量が著しく増大し、このために表面酸化膜/SOI膜界面近傍のSOI膜中の格子間酸素濃度を、当該熱処理温度に於けるシリコン結晶中の格子間酸素の固溶限界濃度よりも著しく下げる作用が生ずる。一方、SOI膜/埋め込み酸化膜界面近傍のSOI膜中の格子間酸素濃度は、同界面で酸素の平衡が成り立つことから、シリコン結晶中の格子間酸素の固溶限界濃度を維持する。このため保護膜に設けられた開口部の直下では、エピタキシャル膜とSOI膜の深さ方向に格子間酸素濃度の勾配が生じ、Fickの法則にしたがって、格子間酸素が表面酸化膜/SOI膜界面に向かって拡散する作用が生ずる。この拡散により、SOI膜/埋め込み酸化膜界面近傍のSOI膜中の格子間酸素濃度も、当該熱処理温度に於ける格子間酸素の固溶限界濃度よりも若干低下する、しかし、同界面での酸素の平衡を保つように、埋め込み酸化膜から酸素が溶出してSOI膜/埋め込み酸化膜近傍のSOI膜中の格子間酸素を補充するので、SOI膜/埋め込み酸化膜界面近傍のSOI膜中の格子間酸素濃度は、当該熱処理温度に於ける格子間酸素の固溶限界濃度よりも若干低下した状態を維持する。この状態が続くことにより、埋め込み酸化膜からSOI膜中への格子間酸素の酸素溶出と、溶出した格子間酸素の表面酸化膜/SOI膜界面への外方拡散、さらには埋め込み酸化膜から溶出した格子間酸素の表面酸化膜/SOI膜界面での消費が連続的に行われることになる。これにより、熱処理中に表面酸化膜が成長するにもかかわらず、埋め込み酸化膜の膜厚もまた減少するという、従来知見とは矛盾する新しい現象が発現する。
一方開口部以外の場所では、保護膜によりSOI膜の深さ方向に格子間酸素濃度の勾配が生じることが妨げられ、埋め込み酸化膜の膜厚が維持される。このため本熱処理時間を調整することにより、図1(e1)に示すように部分SOIウェーハ、あるいは、図1(e2)に示すように埋め込み酸化膜の上部にのみ段差パターンが形成された構造を有する埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハを製造することができる。
本発明における埋め込み酸化膜を減ずる熱処理に於いては、塩素の作用を受けた酸化反応に伴う表面酸化膜/SOI膜界面での酸素消費量はアレニウス型の熱活性型の挙動を示し、熱処理温度が高くなると前記酸素消費量が急激に増加する。このため1100℃未満の低温熱処理の場合には、塩素を含有する気体と、ウェーハ表面に表面酸化膜が成長する分圧範囲の酸素との混合気体を含む雰囲気下でも、埋め込み酸化膜の減少は観測できないほど小さい。一方、熱処理温度を1100℃以上とすることにより埋め込み酸化膜の減少は顕在化し、シリコン融点である約1400℃までの範囲で温度を上げれば上げるほど、埋め込み酸化膜の減少スピードは急激に増大する。このため、本発明における埋め込み酸化膜を減ずる熱処理に於いては、熱処理温度を1100℃以上シリコン融点未満とすることが望ましい。前記温度範囲の中で、雰囲気への塩素添加量を調整することにより、1nm/h以上の平均速度で埋め込み酸化膜の膜厚を減ずる処理が可能である。
より望ましくは、本発明における埋め込み酸化膜を減ずる熱処理に於いては、熱処理温度を1200℃以上シリコン融点未満とすることが望ましい。前記温度範囲の中で、雰囲気への塩素添加量を調整することにより、4nm/hを超える平均速度で埋め込み酸化膜の膜厚を減ずる処理が可能である。このように、本発明における埋め込み酸化膜を減ずる熱処理においては埋め込み酸化膜の薄膜化速度が速いため、開口部直下の埋め込み酸化膜酸化膜を数nmの厚さまで薄膜化すること、あるいは開口部直下の埋め込み酸化膜酸化膜を消滅させることが容易に可能である。
埋め込み酸化膜を減ずる熱処理雰囲気中の塩素原子を含有する気体としては、清浄度、安全性、取り扱いおよび入手の容易性から、HCLが望ましい。さらに望ましくは、清浄度、安全性、取り扱いおよび入手が容易であるとともに、常温で金属腐食性を有さない、1−,2−トランスジクロロエチレンが望ましい。しかしながら、本発明の範囲は上記のガス種に限定されるものではなく、例えばCL2、CCL4、CH2CL2、C2HCL3、C2H3CL3、あるいはCL原子を含む各種有機ガス等、塩素を含有する他のガスも本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
なお、1−,2−トランスジクロロエチレンは常温では揮発性を有する液体であるため、1−,2−トランスジクロロエチレン液相中にArなどの不活性ガスをバブリングして、前記不活性ガス中に揮発した1−,2−トランスジクロロエチレンを含ませ、前記揮発した1−,2−トランスジクロロエチレンを含む不活性ガスを炉内に導入する。1−,2−トランスジクロロエチレンを用いる場合、1−,2−トランスジクロロエチレンが炉内で完全燃焼し、かつウェーハ表面に表面酸化膜が成長するのに必要な分圧の酸素が炉内に導入されることが望ましい。
なお、塩素以外のハロゲンを含有する気体と、ウェーハ表面に表面酸化膜が成長する分圧範囲の酸素との混合気体を含む雰囲気を炉内に流した場合でも、酸化反応に伴う表面酸化膜/SOI膜界面での酸素消費量が著しく増大するため、埋め込み酸化膜の薄膜化がやはり起きる。このため、開口部直下の埋め込み酸化膜の厚さを減ずる熱処理においては、塩素以外のハロゲンを含有する気体と、ウェーハ表面に表面酸化膜が成長する分圧範囲の酸素との混合気体を含む雰囲気を用いても良い。
さらに、上述の開口部直下の埋め込み酸化膜の厚さを減ずる熱処理においては、前記開口部直上に成長させるシリコンエピタキシャル膜厚をt1とした場合、前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理において前記開口部に成長する表面酸化膜厚t2が、t2− 100nm ≦ 2.25 x t1 ≦ t2 を満たすように、埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理時間を調整することが望ましい。このように酸化時間を調整することで、埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理中に、シリコンエピタキシャル層のみがほぼちょうど酸化される。これにより開口部とそれ以外の部分におけるSOI膜表面の高さを、埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理後にもほぼ揃った状態で維持することが可能であり、ウェーハ最表面における段差量が極めて少ない高品質なウェーハが提供可能となる。しかしながら本発明は上記に限定されるものではなく、ウェーハ表面の凹凸があまり問題とならない用途向けの場合は、t2が、t2− 100nm ≦ 2.25 x t1 ≦ t2を満たさなくても良い。
尚、開口部を設けたウェーハ上に堆積するシリコンエピタキシャル膜厚、ならびに埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理時間を設計する際には、先ず、最初に準備したSOIウェーハの埋め込み酸化膜と、図1(e1)、図1(e2)等の目標構造から、開口部直下で埋め込み酸化膜をどれだけの厚み分減ずれば良いのかを算出し、次いでこれに対応した埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理の熱処理時間を求め、次いで予め取得した酸化膜厚と酸化時間の関係から、当該埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理時間においてエピタキシャル膜上に成長する酸化膜厚t2を求め、さらにt2− 100nm ≦ 2.25 x t1 ≦ t2を満たすように、シリコンエピタキシャル膜の堆積厚t1を設定すればよい。
上記埋め込み酸化膜を減ずる熱処理後、ウェーハを熱処理炉のスタンバイ温度まで降温し、熱処理炉から取り出す。次いで図1(f1)あるいは図1(f2)に示すように、シリコンエピタキシャル膜が酸化された表面酸化膜、ならびに保護膜を除去する。保護膜の除去方法は特に限定されるものではないが、例えば表面酸化膜は希釈フッ酸等によって除去可能である。保護膜の除去には、例えば図1(c)で保護膜に開口部を設けた際と同様の方法を用いればよい。
ウェーハ最表面の平坦性をさらに改善する場合には、引き続き機械研磨または化学機械研磨を用いて、得られたウェーハの最表面を研磨する。研磨によるSOI膜の取り代は、一般に10〜50nm程度が好ましいが、特にこれに限定されるものではない。研磨布やその加重圧、添加エッチング材、研磨粒子等の研磨条件は特に限定されるものではなく、取り代やウェーハ口径に応じて適宜選択する。
図1に示した本発明のプロセスにより、図1(f1)あるいは図1(f2)に示すように、高品質な部分SOIウェーハ、あるいは従来実現できなかった、埋め込み酸化膜の上部に段差10nm以上の段差パターンが形成され、埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、さらにSOIウェーハの最表面に転写したパターン段差量が、前記埋め込み酸化膜上部に形成されたパターン段差量未満であることを特徴とする埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハが容易に得られる。
このようにして得られた本発明の埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハによれば、従来実現できなかった、パターン境界部の両側でSOI膜厚のみならず埋め込み酸化膜厚も変化させる構造制御が可能となり、MOS−LSI回路のより一層の性能向上へ向けた、従来にないSOI構造変化のバリーション実現が可能となる。
次に、第1の埋め込み酸化膜の上部に段差パターンが形成され、第1の埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、第1の埋め込み酸化膜の上部に半導体結晶膜を介して第2の埋め込み酸化膜が形成された埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハの、本発明による第1の製造方法を、図2を用いて説明する。
先ず図2(a)に示すように、埋め込み酸化膜の上部に段差10nm以上の段差パターンが形成され、埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、さらにSOIウェーハの最表面に転写したパターン段差量が、前記埋め込み酸化膜上部に形成されたパターン段差量未満である埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハを準備する。前記埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハは、図1の本発明の方法で作製したものが望ましい。より好ましくは、図1の本発明の方法で作製した埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハであって、さらに機械研磨または化学機械研磨を用いて、ウェーハ最表面の平坦性を改善したウェーハが望ましい。
さらに上記ウェーハとは別に、図2(b)に示すように、表面にシリコン酸化膜の形成された半導体ウェーハを別に用意する。前記半導体ウェーハは、平坦度に優れ、反りも小さいものが望ましいが、特に限定されるものではない。酸化膜の形成法としては、例えば熱酸化、CVD法などを採用することができるが、特に限定されるものではない。酸化膜の膜厚は5nm〜1μmがよく用いられるが、特に限定されるものではなく、ウェーハの用途に応じて適宜選択される。
次いで図2(c)に示すように、表面に酸化膜の形成された半導体ウェーハに、水素イオンをイオン注入する。水素のドーズ量は、1x1016〜5x1017cm−2が好ましい。イオン注入時の加速エネルギーは、水素が表面酸化膜の下の半導体領域に注入されるように調整する。
次いで、図2(d)に示すように、上記2枚のウェーハの表面同士を貼り合せる。貼り合せは一般に室温で行われるが、特に限定されるものではない。次いで、貼り合せたウェーハを350〜650℃の温度領域でアニールする。これによって、図2(e)に示すように、水素注入部に生じたマイクロキャビティー層が破断される。次いで貼り合せ強度を増すため、貼り合せたウェーハを高温アニールする。アニール温度は、1000℃以上が好ましい。
さらにウェーハ表面を化学機械研磨する、あるいは900℃以上の非酸化性雰囲気でアニールすることにより、図2(f)に示すようにウェーハの表面を平坦化する。化学機械研磨を用いる場合、研磨布やその加重圧、添加エッチャント、研磨粒子等の研磨条件は特に限定されるものではなく、取り代やウェーハ口径に応じて適宜選択する。非酸化性雰囲気のアニールを用いる場合、雰囲気は水素、またはArであることが好ましいが、特にこれに限定されるものではない。
次に、第1の埋め込み酸化膜の上部に段差パターンが形成され、第1の埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、第1の埋め込み酸化膜の上部に半導体結晶膜を介して第2の埋め込み酸化膜が形成された埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハの、本発明による第2の製造方法を、図3を用いて説明する。
先ず図3(a)に示すように、埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハを準備する。前記埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハは、図2(a)と同様の要件を満たすものであればよい。
次いで図3(b)に示すように、前記埋め込み酸化膜段差パターン付ウェーハ上に、シリコンエピタキシャル膜を堆積する。エピタキシャル堆積厚は、目標とする膜厚構造に応じて設定する。目的となる膜厚構造によっては、本シリコンエピタキシャル膜堆積工程を省くことも出来る。シリコンエピタキシャル膜の堆積方法に制約は無く、例えば減圧エピタキシャル成長法、常圧エピタキシャル成長法のいずれを用いても良い。
次いで図3(c)に示すように、前記埋め込み酸化膜段差パターン付ウェーハに酸素イオンをイオン注入する。酸素イオンのイオン注入は、ウェーハを500℃以上に加熱した状態で行われることが好ましい。また注入エネルギーは通常150〜200keVが用いられ、本注入においては、段差パターン付埋め込み酸化膜よりもよりウェーハ表面に近い領域に酸素イオンがイオン注入されるように設定する。酸素のドーズ量は、一般に約3×1017/cm2以上約3×1018/cm2以下が用いられるが、特にこれに限定されるものではない。
次いで、イオン注入された酸素から第2の埋め込み酸化膜を形成するために、ウェーハを高温熱処理する。前記高温熱処理は、アルゴンや窒素などの不活性ガス雰囲気に2torr以上の分圧の酸素を添加した雰囲気下において1300℃以上の高温で行われることが望ましいが、特にこれに限定されるものではない。次いで、高温熱処理時にウェーハ表面に形成された酸化膜を除去する。除去方法は、希釈フッ酸等を用いるのが好ましいが、特にこれに限定されるものではなく、ドライエッチング等を用いても良い。
図2〜3に示した本発明のプロセスにより、図2(f)あるいは図3(d)に示すように、従来実現の難しかった、第1の埋め込み酸化膜の上部に段差10nm以上の段差パターンが形成され、第1の埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、第1の埋め込み酸化膜の上部に半導体結晶膜を介して第2の埋め込み酸化膜が形成され、ウェーハ最表面に転写したパターン段差量が50nm未満であることを特徴とする埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハが容易に得られる。
このようにして得られた本発明の埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハによれば、従来実現できなかった、パターン境界部の両側でSOI膜厚のみならず埋め込み酸化膜厚も変化させる構造制御が可能となり、埋め込み酸化膜段差パターンを利用した光導波路構造のより一層の性能向上へ向けた、従来にないSOI構造変化のバリーション実現が可能となる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
直径が200mmのp型チョコラルスキーシリコンウェーハに、ウェーハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量4×1017cm2で酸素イオン注入を行った後、縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar/O2雰囲気中で高温アニールならびにITOX処理を行うことにより、SOI膜厚が245nm、埋め込み酸化膜厚が95nmで直径が200mmの低ドーズSIMOXウェーハを複数作製した。
直径が200mmのp型チョコラルスキーシリコンウェーハに、ウェーハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量4×1017cm2で酸素イオン注入を行った後、縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar/O2雰囲気中で高温アニールならびにITOX処理を行うことにより、SOI膜厚が245nm、埋め込み酸化膜厚が95nmで直径が200mmの低ドーズSIMOXウェーハを複数作製した。
これらのウェーハをバッチ洗浄装置を用いてSC1洗浄およびSC2洗浄した後、縦型高温熱処理炉に投入し、1100℃のドライ酸化(酸素100%雰囲気)によって、ウェーハ表面に100nm厚のシリコン酸化膜を形成した。
次いでこれらのウェーハを縦型LP−CVD炉に投入し、780℃のジクロロシラン/アンモニア混合雰囲気中で、前記シリコン酸化膜上に300nm厚のシリコン窒化膜を形成した。次いでスピンコータを用いてウェーハ上に1μm厚のレジスト膜を塗布した後、1μm配線用のステッパーを用い、リソグラフィーによって前記レジスト膜にパターン開口部を形成した。
次いでパターン開口部に露出したシリコン窒化膜をドライエッチングによって除去した。ドライエッチングは0.5torrのCF6/O2混合ガス中で行い、温度は80℃、RFパワーは200Wとした。
次いでバッチ洗浄装置を用いてウェーハをフッ化アンモニウム溶液(40%NH4F:50%HF=10:1)に浸漬し、シリコン窒化膜下部のシリコン酸化膜を除去した。シリコン酸化膜が完全に除去されたことは、パターン開口部の疎水性により確認した。
次いでバッチ洗浄装置を用いてウェーハを硫酸加水洗浄し、レジスト膜を除去した。これによって、SIMOXウェーハ上に、SOI膜がシリコン窒化膜/シリコン酸化膜により保護された領域と、SOI膜が露出したパターン開口部とを形成した。
次いでこれらのウェーハを減圧エピ炉に投入し、モノシランガス中、900℃でパターン開口部に150nm厚のシリコンエピタキシャル層を形成した。分光エリプソメトリによる膜厚解析により、パターン開口部以外の場所では、150nm厚のポリシリコン層が形成されたことを確認した。これらのウェーハをSC1洗浄およびSC2洗浄した後、縦型高温熱処理炉に投入し、1350℃ 6時間の熱処理を行った。熱処理は常圧で行い、熱処理雰囲気は、20℃に保持した1−,2−トランスジクロロエチレン中をバブリングしたArガス(分圧11torr)と酸素(分圧75torr)と純化Ar(分圧674torr)の混合雰囲気、あるいは、HCL(分圧19torr)と酸素(分圧75torr)と純化Ar(分圧666torr)の混合雰囲気とした。熱処理後、分光エリプソメトリによる膜厚解析を行ない、両雰囲気による熱処理とも、ウェーハ最表面のパターン開口部に約350nm厚の表面酸化膜が形成されたことを確認した。
引き続き、バッチ洗浄装置を用い、2%の希釈フッ酸にウェーハを浸漬して表面酸化膜を除去した後、さらに160℃の熱燐酸にウェーハを浸漬してウェーハ上のシリコン窒化膜を除去した。さらに、2%の希釈フッ酸にウェーハを浸漬してシリコン窒化膜直下の表面酸化膜を除去した。
得られたSIMOXウェーハのパターン端部を断面透過電子顕微鏡観察によって測定した。この結果、1−,2−トランスジクロロエチレン含有雰囲気中で熱処理したSIMOXウェーハでは、パターン開口部直下のSOI膜厚、埋め込み酸化膜厚は、それぞれ205nm、37nmであった。
また、それ以外の領域直下のSOI膜厚、埋め込み酸化膜厚は、それぞれ175nm、95nmであった。
一方、HCL含有雰囲気中で熱処理したSIMOXウェーハでは、パターン開口部直下のSOI膜厚、埋め込み酸化膜厚は、それぞれ202nm、39nmであった。
また、それ以外の領域直下のSOI膜厚、埋め込み酸化膜厚は、それぞれ175nm、95nmであった。
いずれのウェーハにおいても、パターン端部においては、埋め込み酸化膜厚上部にのみ段差パターンが形成され、埋め込み酸化膜厚下部には段差パターンは形成されていなかった。次いで得られたSIMOXウェーハのパターン開口端部付近の表面段差を、原子間力顕微鏡を用いて測定した。この結果、パターン開口部直下のSOI膜表面は、それ以外の領域にくらべて凹んでいるものの、前記段差はいずれのウェーハにおいても、40nm以下であることが判明した。
以上より、上記のプロセスフローによって、埋め込み酸化膜の上部に約55〜60nmの段差パターンが形成され、埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、さらにSOIウェーハの最表面に転写したパターン段差量が40nm以下の埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハが実現することが判明した。
(実施例2)
実施例1の方法で作製した埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの内、埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理を1−,2−トランスジクロロエチレン含有雰囲気中で行ったウェーハを選び、その表面を引き続きバッチ式のポリッシャーを用いて機械研磨により平坦化した。研磨にあたっては研磨粒子は用いず、純水中で研磨を行った。研磨によるSOI膜の取り代は、50nmとした。研磨後、ウェーハを洗浄し、得られたSIMOXウェーハのパターン開口端部付近の表面段差を、原子間力顕微鏡を用いて測定した。この結果、パターン開口端部付近のSOI膜表面には、段差が見られなかった。また、得られたSIMOXウェーハのパターン端部を断面透過電子顕微鏡観察によって測定した。この結果、パターン開口部直下のSOI膜厚、埋め込み酸化膜厚は、それぞれ182nm、37nmであった。また、それ以外の領域直下のSOI膜厚、埋め込み酸化膜厚は、それぞれ127nm、95nmであった。
実施例1の方法で作製した埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの内、埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理を1−,2−トランスジクロロエチレン含有雰囲気中で行ったウェーハを選び、その表面を引き続きバッチ式のポリッシャーを用いて機械研磨により平坦化した。研磨にあたっては研磨粒子は用いず、純水中で研磨を行った。研磨によるSOI膜の取り代は、50nmとした。研磨後、ウェーハを洗浄し、得られたSIMOXウェーハのパターン開口端部付近の表面段差を、原子間力顕微鏡を用いて測定した。この結果、パターン開口端部付近のSOI膜表面には、段差が見られなかった。また、得られたSIMOXウェーハのパターン端部を断面透過電子顕微鏡観察によって測定した。この結果、パターン開口部直下のSOI膜厚、埋め込み酸化膜厚は、それぞれ182nm、37nmであった。また、それ以外の領域直下のSOI膜厚、埋め込み酸化膜厚は、それぞれ127nm、95nmであった。
(実施例3)
SOI膜厚が245nm、埋め込み酸化膜厚が95nmで直径が200mmのSIMOXウェーハを複数用意した。
SOI膜厚が245nm、埋め込み酸化膜厚が95nmで直径が200mmのSIMOXウェーハを複数用意した。
これらのウェーハをSC1洗浄およびSC2洗浄した後、高温熱処理炉に投入し、1100℃のドライ酸化によって、ウェーハ表面に100nm厚のシリコン酸化膜を形成した。
次いでこれらのウェーハをLP−CVD炉に投入し、前記シリコン酸化膜上に300nm厚のシリコン窒化膜を形成した。
次いでウェーハ上に1μm厚のレジスト膜を塗布し、リソグラフィーによって前記レジスト膜にパターン開口部を形成した。次いでパターン開口部に露出したシリコン窒化膜をドライエッチングによって除去した。次いでウェーハをフッ化アンモニウム溶液に浸漬し、シリコン窒化膜下部のシリコン酸化膜を除去した。次いでウェーハを硫酸加水洗浄し、レジスト膜を除去した。これによって、SIMOXウェーハ上に、SOI膜がシリコン窒化膜/シリコン酸化膜により保護された領域と、SOI膜が露出したパターン開口部を形成した。次いでこれらのウェーハを減圧エピ炉に投入し、モノシランガス中、900℃でパターン開口部に170nm厚のシリコンエピタキシャル層を形成した。パターン開口部以外の場所では、170nm厚のポリシリコン層が形成された。これらのウェーハをSC1洗浄およびSC2洗浄した後、高温熱処理炉に投入し、1350℃8時間30分の熱処理を行った。
熱処理は常圧で行い、熱処理雰囲気は、20℃に保持した1−,2−トランスジクロロエチレン中をバブリングしたArガス(分圧11torr)と酸素(分圧75torr)と純化Ar(分圧674torr)の混合雰囲気とした。熱処理後、ウェーハ最表面に約390nm厚の表面酸化膜が形成された。引き続き、希釈フッ酸にウェーハを浸漬して表面酸化膜を除去した後、さらに熱燐酸にウェーハを浸漬してウェーハ上のシリコン窒化膜を除去した。さらに、希釈フッ酸にウェーハを浸漬してシリコン窒化膜直下の表面酸化膜を除去した。
得られたSIMOXウェーハのパターン端部を断面透過電子顕微鏡観察によって測定した。この結果、パターン開口部直下では埋め込み酸化膜厚が消失していることが確認された。また、それ以外の領域直下のSOI膜厚、埋め込み酸化膜厚は、それぞれ175nm、95nmであった。次いで得られたSIMOXウェーハのパターン開口端部付近の表面段差を、原子間力顕微鏡を用いて測定した。この結果、パターン開口部直下のSOI膜表面は、それ以外の領域にくらべて凹んでいるものの、前記段差はいずれのウェーハにおいても、55nm以下であることが判明した。
以上より、上記のプロセスフローによって、ウェーハの一部分のみ埋め込み酸化膜の存在しない部分SOIウェーハが実現することが判明した。
(実施例4)
実施例2の方法で作製したウェーハと、1100℃の熱酸化によって200nm厚の表面酸化膜を形成した直径200mmのシリコンウェーハを準備した。
実施例2の方法で作製したウェーハと、1100℃の熱酸化によって200nm厚の表面酸化膜を形成した直径200mmのシリコンウェーハを準備した。
次いで、表面に酸化膜の形成された半導体ウェーハの表面に、水素イオンをイオン注入した。水素イオンのドーズ量は8x1016cm−2とし、イオン注入時の加速エネルギーは、150keVとした。
これらのウェーハをSC1洗浄およびSC2洗浄した後、ウェーハ張り合せ装置を用い、実施例2の方法で作製したウェーハと、水素イオンをイオン注入したシリコンウェーハの表面同士を室温で張り合せた。
次いで横型熱処理炉を用い、貼り合せたウェーハを500℃のAr雰囲気中でアニールした。これによって、次いで水素注入部に生じたマイクロキャビティー層を破断させることにより、図2eに示すようにウェーハを剥離した。
次いで貼り合せ強度を増すため、縦型熱処理炉を用い、貼り合せたウェーハを1100℃のAr雰囲気中でアニールした。さらにウェーハの表面を、引き続き機械研磨により平坦化した。研磨にあたっては研磨粒子は用いず、純水中で研磨を行った。研磨によるSOI膜の取り代は、200nmとした。研磨後、ウェーハを洗浄した。
得られたSIMOXウェーハのパターン端部を断面透過電子顕微鏡観察によって測定した。この結果、実施例2のウェーハ構造の上部に200nm厚の第2の埋め込み酸化膜が形成され、さらにその上部に900nm厚の単結晶シリコン層を有する埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハが実現することが判明した。
(実施例5)
実施例2の方法で作製したウェーハを減圧エピ炉に投入し、モノシランガス中、900℃で440nm厚のシリコンエピタキシャル層をウェーハ表面に堆積した。
実施例2の方法で作製したウェーハを減圧エピ炉に投入し、モノシランガス中、900℃で440nm厚のシリコンエピタキシャル層をウェーハ表面に堆積した。
次いでウェーハに酸素イオンをイオン注入した。酸素イオンのイオン注入は、ウェーハを550℃に加熱した状態で行われ、注入エネルギーは180keV、酸素のドーズ量は一般に約4×1017/cm2とした。次いでウェーハをAr中に0.5vol%の酸素を含有した雰囲気中で1350℃ 6時間アニールした。次いで、前記アニール時にウェーハ表面に形成された酸化膜を2%の希釈フッ酸で除去した。
得られたSIMOXウェーハのパターン端部を断面透過電子顕微鏡観察によって測定した。この結果、実施例2のウェーハ構造の上部に85nm厚の第2の埋め込み酸化膜が形成され、さらにその上部に335nm厚の単結晶シリコン層を有する埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハが実現することが判明した。
本発明により、部分SOIウェーハ、埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ、埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハを安価かつ高歩留で製造提供することが可能となる。
本発明における部分SOIウェーハ製造方法および部分SOIウェーハは、埋め込み酸化膜の膜厚自由度が高い貼り合せSOIウェーハにも適用可能であるため、これまでにない高性能なSystem on Chipの製造に広く適用可能である。
また本発明における埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOIウェーハの製造方法、ならびに埋め込み酸化膜段差パターン境界部を挟む領域で、SOI膜厚のみならず埋め込み酸化膜厚も変化させることが可能であるため、従来に無い高性能な光導波路の製造に広く適用可能である。
さらに本発明における埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法、ならびに埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハは、たとえばウェーハ面内でしきい値の異なるトランジスタ、あるいは完全空乏形トランジスタと部分空乏トランジスタ等を簡易に混載できる基板構造を提供するため、例えば従来に無い低消費電力System on Chipの設計にも広く適用可能である。
1 保護膜パターン
2 半導体ウェーハ
3 酸素イオン注入層
4 表面酸化膜
5 表面半導体結晶膜(SOI膜)
6 埋め込み酸化膜
7 埋め込み酸化膜の存在しない領域
8 埋め込み酸化膜段差パターン
9 保護膜
10 保護膜開口部
11 シリコンエピタキシャル膜
12 埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ
13 表面にシリコン酸化膜の形成された半導体ウェーハ
14 水素イオン注入領域に生じたマイクロキャビティー層
15 マイクロキャビティーによる破断部
16 第2の埋め込み酸化膜
2 半導体ウェーハ
3 酸素イオン注入層
4 表面酸化膜
5 表面半導体結晶膜(SOI膜)
6 埋め込み酸化膜
7 埋め込み酸化膜の存在しない領域
8 埋め込み酸化膜段差パターン
9 保護膜
10 保護膜開口部
11 シリコンエピタキシャル膜
12 埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ
13 表面にシリコン酸化膜の形成された半導体ウェーハ
14 水素イオン注入領域に生じたマイクロキャビティー層
15 マイクロキャビティーによる破断部
16 第2の埋め込み酸化膜
Claims (10)
- SOIウェーハ上に保護膜を形成する工程と、引き続き保護膜の一部分をエッチングによって除去して開口部を設ける工程と、引き続きウェーハを熱処理炉内に導入して埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理工程を含む部分SOIウェーハおよび埋め込み酸膜化段差パターン付SOIウェーハの製造方法であり、前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理雰囲気には塩素を含有する気体ならびに酸素が含まれ、さらに前記熱処理雰囲気は、当該熱処理温度においてウェーハ表面に表面酸化膜が成長する範囲の酸素分圧を有することを特徴とする部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法。
- 前記塩素を含有する気体がHCLまたは1−,2−トランスジクロロエチレンの揮発ガスであり、さらに前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理が1200℃以上シリコン融点未満の温度で行われ、前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理の開始から終了までの間における開口部直下の埋め込み酸化膜厚の平均減少速度が4nm/hを超えることを特徴とする請求項1に記載の部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法。
- 前記保護膜が、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、あるいはこれらの膜の少なくとも1つを含む積層膜であることを特徴とする、請求項1または2に記載の部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法 。
- 前記開口部を設ける工程の実施後、前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理工程を実施する前に、ウェーハをエピタキシャル炉に導入して前記開口部直上にシリコンエピタキシャル膜を成長させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法。
- 前記開口部直上に成長させるシリコンエピタキシャル膜厚をt1、前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理において前記開口部に成長する表面酸化膜厚t2として、t1とt2が t2− 100nm ≦ 2.25 x t1 ≦ t2を満たすように、前記エピタキシャル堆積時間ならびに前記埋め込み酸化膜厚を減ずる熱処理時間を調整することを特徴とする請求項4に記載の部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の方法の方法で作製した部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの表面を、引き続き機械研磨または化学機械研磨により平坦化することを特徴とした部分SOIウェーハおよび埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハの製造方法。
- 埋め込み酸化膜の上部に段差10nm以上の段差パターンが形成され、埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、さらにSOIウェーハの最表面に転写したパターン段差量が、前記埋め込み酸化膜上部に形成されたパターン段差量未満であることを特徴とする埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハ。
- 表面に酸化膜を形成し、さらにその下部のシリコン結晶層に水素イオンを注入した半導体ウェーハと、請求項1〜6のいずれかに記載の方法で作製した埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハまたは請求項7に記載の埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハとを、表面同士貼り合せる工程と、引き続き熱処理を行って貼り合せ強度を増す工程と、引き続き前記水素イオンの注入領域を破断せしめる工程を含むことを特徴とした、パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の方法で作製した埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハまたは請求項7に記載の埋め込み酸化膜段差パターン付SOIウェーハに酸素イオン注入を行う工程と、引き続き高温アニールを行うことによって段差パターン付埋め込み酸化膜の上部に半導体結晶膜を介して第2の埋め込み酸化膜を形成する工程を含むことを特徴とした、埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハの製造方法。
- 第1の埋め込み酸化膜の上部に段差10nm以上の段差パターンが形成され、第1の埋め込み酸化膜の下部には段差パターンが形成されておらず、第1の埋め込み酸化膜の上部に半導体結晶膜を介して第2の埋め込み酸化膜が形成され、ウェーハ最表面に転写したパターン段差量が50nm未満であることを特徴とする埋め込み酸化膜段差パターン付2重SOI構造を有するSOIウェーハ。
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