JP5522175B2 - Soiウェーハの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン注入剥離法を用いたSOIウェーハの製造において、SOIウェーハの表面を平坦化するための熱処理を行うSOIウェーハの製造方法に関する。
イオン注入剥離法を用いたSOIウェーハの製造では、例えば水素イオンや希ガスイオンをイオン注入したウェーハ(ボンドウェーハ)と、もう一方のウェーハ(ベースウェーハ)とを酸化膜を介して貼り合わせ、その後イオン注入したウェーハをイオン注入層で剥離することで、膜厚均一性の高いSOI層を有するSOIウェーハを製造することができる。
この際、貼り合わせ界面に、異物、有機物、傷、あるいは、ウェーハ起因の微小な結晶欠陥等が存在すると、貼り合わせ界面に微小な空洞等を形成し、ウェーハを剥離した時点においてSOI層表面にボイドやブリスターと呼ばれる欠陥が形成される。
ボイドとは、SOI層表面に穴があき、BOX層(埋め込み酸化膜層)を通してベースウェーハまで穴が貫通した凹み形状の欠陥を言い、ブリスターとは、SOI層に穴は形成されていないが、貼り合わせ界面に微小な空洞が形成され、これによりSOI層が膨れ上がって観察される部分である。
また、剥離直後のSOIウェーハは表面の面粗さが大きく、そのままではデバイス回路を形成することが出来ない。このSOI層表面の面粗さを改善する方法の一つとして、アルゴン含有雰囲気で高温熱処理を行うアニール法がある。このアニール法によれば、SOI層表面を平坦化しつつ、イオン注入剥離法により得られたSOI層の膜厚均一性を高く維持することが出来る(特許文献1参照)。
国際公開第2003/009386号パンフレット
しかしながら、SOIウェーハの平坦化のためにアニール法を用いた場合、直径が100μmを越える大きなボイドが形成されることがあり、ウェーハ製造歩留まり、および、デバイス製造歩留まりが大きく低下するという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、SOIウェーハの製造において、平坦化熱処理によるボイドの巨大化を防止しながら高平坦度で膜厚均一性が高いSOI層を有するSOIウェーハを歩留まり良く製造できるSOIウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも、シリコン単結晶からなるボンドウェーハの表面から水素イオン又は希ガスイオンのうち少なくとも1種類のガスイオンをイオン注入してイオン注入層を形成し、前記ボンドウェーハの前記イオン注入した表面とベースウェーハの表面とをシリコン酸化膜を介して貼り合わせた後、前記イオン注入層で前記ボンドウェーハを剥離することにより、前記ベースウェーハ上にBOX層とSOI層とを有するSOIウェーハを作製し、該SOIウェーハに対してアルゴンガス含有雰囲気で平坦化熱処理を行うSOIウェーハの製造方法において、前記平坦化熱処理を行うSOIウェーハの前記SOI層の厚さが前記BOX層の厚さの1.4倍以上になるように、前記SOIウェーハの作製条件を設定し、かつ、前記平坦化熱処理を行ったSOIウェーハの前記SOI層に対して犠牲酸化処理を行って前記SOI層の厚さを前記BOX層の厚さの1.4倍未満にまで減ずることを特徴とするSOIウェーハの製造方法を提供する。
このように、作製条件を設定して、平坦化熱処理を行うSOIウェーハのSOI層の厚さをBOX層の厚さの1.4倍以上とすれば、平坦化熱処理中にボイド内壁に露出しているBOX層及びSOI層の端面がエッチングされて消滅することを効果的に抑制することができるため、平坦化熱処理によるボイドの拡大を防止できる。そして平坦化熱処理を行うことで、SOIウェーハのSOI層の膜厚均一性を高く維持しながら表面を効率的に平坦化することができる。
また、本発明において、平坦化熱処理後のSOIウェーハのSOI層に対して犠牲酸化処理を行うことで、SOI層の膜厚均一性を維持しながらSOI層の厚さを所望の厚さに調整することができる。さらに、平坦化熱処理後のSOIウェーハのSOI層に対して犠牲酸化処理により所望厚さまで減ずることにより、SOI層の厚さをBOX層の厚さの1.4倍未満にまで減ずる場合にも、膜厚均一性を悪化させることも無く、平坦度も十分に高くなる。
以上のように、本発明のSOIウェーハの製造方法であれば、平坦化熱処理によって膜厚均一性高く平坦化され、デバイス歩留まりに影響するような大きさのボイドが無いSOI層を有するSOIウェーハを効率的に製造できる。
このとき、前記平坦化熱処理を行うSOIウェーハの前記SOI層の厚さが前記BOX層の厚さの1.4倍以上になるように、前記SOIウェーハの作製条件として、前記イオン注入の注入条件及び前記シリコン酸化膜の厚さを設定することが好ましい。
このように、SOIウェーハの作製条件として、イオン注入の注入条件及びシリコン酸化膜の厚さを設定することで、得られるSOI層とBOX層の厚さを簡易に調節することができるため、本発明の製造方法をより容易に実施できる。
このとき、前記平坦化熱処理を行ったSOIウェーハの前記SOI層に対して犠牲酸化処理を行って前記SOI層の厚さを50nm以上減ずることが好ましい。
このように、本発明において、犠牲酸化処理でSOI層の厚さを50nm以上減ずることで、表層部に残留しているイオン注入ダメージを確実に除去することができる。
このとき、前記犠牲酸化処理を行ったSOIウェーハの前記SOI層の表面にエピタキシャル層を形成することが好ましい。
このような、本発明の製造方法において、平坦化熱処理、犠牲酸化処理を行って高平坦度で膜厚均一性が高く、巨大化したボイドが無いSOI層であれば、その表面に欠陥の少ない高品質のエピタキシャル層を形成することができる。
このとき、前記BOX層の厚さが200nm以上になるように前記シリコン酸化膜の厚さを設定することが好ましい。
このように、BOX層の厚さが200nm以上になるようにシリコン酸化膜の厚さを設定すれば、剥離時の薄膜(SOI層+BOX層)の剛性が高いため、ボイドやブリスターの発生を低減して、より歩留まり良くSOIウェーハを製造できる。
以上のように、本発明のSOIウェーハの製造方法によれば、平坦化熱処理及び犠牲酸化処理によって膜厚均一性を高く維持しながら平坦化され、デバイス歩留まりに影響するような大きさのボイドが無いSOI層を有するSOIウェーハを効率的に製造できる。
本発明のSOIウェーハの製造方法において、平坦化熱処理時のSOIウェーハのボイドの変化を示す模式図である。 従来のSOIウェーハの製造方法において、平坦化熱処理時のSOIウェーハのボイドの変化を示す模式図である。 本発明のSOIウェーハの製造方法の実施態様の一例を示すフロー図である。
SOIウェーハの製造において、剥離時に生じる微小なボイドがその後拡大して、デバイス歩留まりが悪化するという問題があった。
このような問題に対して、本発明者らが鋭意検討した結果、平坦化熱処理中にボイドが巨大化していることを見出した。
図2は、従来法における平坦化熱処理時のボイドの変化を示す模式図である。図2に示すように、SOIウェーハ25の剥離後のSOI層22表面を観察した場合、ボイド21はSOI層22表面に穴が開き、さらにBOX層23を通してベースウェーハ24まで穴が貫通して、ボイド21の内壁にはBOX層23の端面が剥き出しの状態になっている(図2(a))。この状態で、アルゴン含有雰囲気での平坦化熱処理を行うと、剥き出しになったBOX層23中の酸素がSOI層22のSiと反応することでエッチングされてSOI層22とBOX層23の端部が共に消滅して行き(図2(b))、熱処理後にはボイド21がデバイス歩留まりに影響するほど大きくなってしまう(図2(c))ということを本発明者らは見出した。このSOI層とBOX層が失われた部分には面荒れしたSiが残される。また、ボイドの大きさは平坦化熱処理時間が長くなるほど大きくなってしまう。
これに対して、本発明者らは、SOIウェーハの作製条件を設定して、平坦化熱処理するSOIウェーハのSOI層の厚さがBOX層の厚さの1.4倍以上になるようにすることで、当該SOIウェーハを平坦化熱処理しても、ボイドが巨大化しないことを見出し、さらに、その後犠牲酸化処理を行ってSOI層の厚さをBOX層の厚さの1.4倍未満になるまで減ずることで、ボイドの巨大化を防止しつつ、所望の膜厚を有するSOI層を膜厚均一性を高く保ちながら平坦化できることを見出して、本発明を完成させた。
図1は、本発明のSOIウェーハの製造方法において平坦化熱処理時のボイドの変化を示す模式図である。
図1に示すように、本発明の製造方法で作製条件を設定して作製したSOIウェーハ14(図1(a))を、平坦化熱処理すると、熱処理初期(図1(b))にはわずかながらBOX層12の消滅はあるが、SOI層11が厚いためボイド10の内壁のBOX層12端面がSOI層11で覆われてBOX層12端面がそれ以上平坦化熱処理雰囲気にさらされることを防止し、SOI層及びBOX層端面での反応速度を急速に低下させることが出来る。これにより、平坦化熱処理により、ボイド10はほとんど大きくならない(図1(c))。このため、ボイド10底面のベースウェーハ13表面が面荒れすることも無く、さらにデバイス歩留まりに影響するような巨大なボイドは形成されない。
以下、本発明のSOIウェーハの製造方法について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図3は、本発明のSOIウェーハの製造方法の実施態様の一例を示すフロー図である。
まず、図3(a)に示すように、ボンドウェーハ30とベースウェーハ32を準備する。この際準備するウェーハとしては、ボンドウェーハ30がシリコン単結晶からなるものであれば、特に限定されず、ポリッシュドウェーハ、エピタキシャルウェーハ、熱処理ウェーハ等を準備することができる。
また、この際、例えば熱酸化処理やCVD等により、ボンドウェーハ30の表面にシリコン酸化膜31を所望の厚さで形成する。このシリコン酸化膜31は、ベースウェーハ32のみに形成されていてもよく、または、両ウェーハに形成されていてもよい。
このとき、後工程で形成されるBOX層34の厚さが200nm以上になるように、ボンドウェーハ30に形成するシリコン酸化膜31の厚さを設定することが好ましい。
このように、厚さ200nm以上のシリコン酸化膜がBOX層として形成されていれば、後工程での剥離時に剥離される薄膜(SOI層+BOX層)の剛性が高いためボイドやブリスターの発生を低減することができる。また、従来では、BOX層が200nm以上と厚い場合には、平坦化熱処理の際に平坦化熱処理雰囲気にさらされるボイド内壁のBOX層端面の面積が大きくなるため、BOX層が薄い場合に比べてボイドの巨大化が顕著に生じていた。しかし、本発明の製造方法であれば、上記の厚さのBOX層に対して十分に厚いSOI層とすることで剥離時のボイドやブリスターの発生を低減しながら、平坦化熱処理時のボイドの巨大化を防止できるため、好適である。
次に、図3(b)に示すように、ボンドウェーハ30の表面から水素イオン又は希ガスイオンのうち少なくとも1種類のガスイオンをイオン注入してイオン注入層33を形成する。
イオン注入条件としては、特に限定されず、注入量、加速電圧等は適宜設定することができる。
この際、平坦化熱処理を行うSOIウェーハ36のSOI層35の厚さがBOX層34の厚さの1.4倍以上になるように、SOIウェーハ36の作製条件として、イオン注入の注入条件及びシリコン酸化膜31の厚さを設定する。
図3(a)の工程で形成するシリコン酸化膜31の厚さが後工程でBOX層34の厚さとほぼ同じになり、図3(b)の工程でのイオン注入条件である加速電圧により決まるシリコン単結晶表面からのイオン注入深さが後工程で剥離直後のSOI層35の厚さとほぼ同じになる。従って、形成するシリコン酸化膜31の厚さとイオン注入条件(加速電圧)を設定することで、SOIウェーハ36のSOI層35の厚さ及びBOX層34の厚さが上記条件になるように容易に調節することができる。この際、シリコン酸化膜31の厚さやイオン注入条件の設定に際しては、剥離後、平坦化熱処理前のSOI層35の研磨、エッチング、犠牲酸化処理等による取り代を考慮して設定する。
次に、図3(c)に示すように、ボンドウェーハ30のイオン注入した表面とベースウェーハ32の表面とをシリコン酸化膜31を介して例えば室温で貼り合わせる。
この際、貼り合わせ工程の雰囲気や、ウェーハを保管したボックスから、パーティクル汚染および有機物汚染を受ける場合があるので、貼り合わせ前洗浄を行うことが好ましく、洗浄後出来る限り早く貼り合わせることが好ましい。
次に、図3(d)に示すように、剥離熱処理を行うことにより、ボンドウェーハ30内に形成されたイオン注入層33に欠陥層が形成され、それが水平方向につながることで、ボンドウェーハ30が剥離して、ベースウェーハ32上にBOX層34とSOI層35とを有するSOIウェーハ36を作製する。
この剥離の際に、デバイス歩留まりに影響しない直径数10μm以下の微小なボイドが形成される。
この剥離後のSOIウェーハ36に対して、例えば非酸化性雰囲気で1000℃以上の結合熱処理を行い貼り合わせ界面の結合強度を高める。
または、剥離後のSOIウェーハ36に対して1000℃未満で犠牲酸化を行って、その後非酸化性雰囲気或いは酸化性雰囲気で1000℃以上の結合熱処理を行って、その後HF水溶液で酸化膜を除去することもできる。これにより、SOI層表面のイオン注入ダメージを十分に除去することが可能となる。
次に本発明では、図3(e)に示すように、作製条件を設定することでSOI層の厚さをBOX層の厚さの1.4倍以上にしたSOIウェーハ36に対してアルゴンガス含有雰囲気で平坦化熱処理を行う。
このように作製条件を設定してSOI層の厚さをBOX層の厚さの1.4倍以上にしたSOIウェーハを平坦化熱処理することで、ボイド内壁に露出しているBOX層端面がわずかに消滅してもすぐにSOI層により覆われてBOX層及びSOI層のさらなる消滅を効果的に抑制することができる。これにより、平坦化熱処理によるボイドの拡大を防止でき、イオン注入剥離法により得られたSOI層の膜厚均一性を高く維持しながら表面を平坦化することができる。
この平坦化熱処理条件としては、特に限定されず、熱処理温度としては十分に平坦化するために1100℃以上で行うことが好ましく、また、アルゴン含有雰囲気としては、100%アルゴン雰囲気や、アルゴンと他の非酸化性ガスの混合ガスの雰囲気或いは、アルゴンに微量酸素を含む雰囲気とすることもできる。
次に、図3(f)に示すように、平坦化熱処理を行ったSOIウェーハ36のSOI層35に対して犠牲酸化処理を行ってSOI層35の厚さをBOX層34の厚さの1.4倍未満にまで減ずる。
このように、犠牲酸化処理により所望厚さまで減ずることにより、所望の薄い厚さのSOI層を得ることが出来るとともに、BOX層の厚さの1.4倍未満の厚さを有するSOI層を作製する場合にもボイドの拡大を防止でき、膜厚均一性を悪化させることも無く、平坦度も十分に高くなる。
この際、犠牲酸化処理で減ずるSOI層35の厚さ(取り代)は、表層部に残留しているイオン注入ダメージを確実に除去するため、50nm以上とすることができ、好ましくは100nm以上、より好ましくは150nm以上とすることができる。
次に、図3(g)に示すように、SOIウェーハ36のSOI層35の表面にエピタキシャル層37を形成することができる。このエピタキシャル層37のドーパント濃度、膜厚、導電型等としては、適宜変更して成長させることができる。
本発明の製造方法により得られた高平坦度で膜厚均一性が高く、巨大化したボイドが無いSOI層であれば、その表面に欠陥の少ない高品質のエピタキシャル層を形成することができる。このようなエピタキシャル層形成により、イオン注入剥離法のみでは形成不可能な、例えば厚さ5μm以上のSOI層を有する高品質の厚膜SOIウェーハを製造できる。
なお、上記の実施形態では、本発明において、イオン注入の注入条件とシリコン酸化膜の厚さを設定することで、平坦化熱処理を行うSOIウェーハのSOI層の厚さがBOX層の厚さの1.4倍以上となるようにしたが、この条件に限定されず、適宜研磨、エッチング、犠牲酸化処理等を行って、その取り代を設定することで、SOI層とBOX層の厚さを本発明の条件に合うように作製することが可能である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを、100枚ずつ2組準備し、一方のウェーハ(ボンドウェーハ)を熱酸化処理して表面に150nmの酸化膜を形成した。ついで、このウェーハに水素イオン注入(加速電圧40keV、注入量7×1016/cm)を行い、他方のウェーハと貼り合わせた。
この際、水素イオン注入の加速電圧(40keV)は、平坦化熱処理(Arアニール)を行う際のSOI層の厚さが250nmになる様に、ボンドウェーハ表面に形成した酸化膜の膜厚(150nm)と、剥離後から平坦化熱処理までの間に除去されるSOI層の取り代を考慮して設定した。
その後、この貼り合わせたウェーハに対して、500℃、30分の剥離熱処理を行い、ボンドウェーハを剥離してSOIウェーハを得た。剥離時において、100枚中5枚のウェーハにブリスター不良が発生していた。
得られたSOIウェーハのうち、ブリスター不良のない95枚について、貼り合わせ界面の結合強度を高めるため、酸化性雰囲気で900℃に続いて非酸化性雰囲気(N)で1100℃の結合熱処理を行った。その後、HF洗浄によりSOI層表面の酸化膜を除去し、SOI層厚250nm、BOX層厚150nm(膜厚比:SOI層/BOX層=1.67)のSOIウェーハを作製した。
この段階では、SOI層表面の面粗さは剥離時の影響を引きずっており十分な平坦性が得られていないため、Arアニール1200℃、2時間の平坦化熱処理を行った。この後、SOI層表面を犠牲酸化し、HF洗浄にて酸化膜を除去して、SOI層厚100nm、BOX層厚145nm(膜厚比:SOI層/BOX層=0.69)のSOIウェーハを形成した。
得られたSOIウェーハのボイド個数をパーティクルカウンターにて調査したところ、ボイドとして検出された個数は、95枚平均で2.1個/waferであった。
得られたSOIウェーハ10枚のボイドの実サイズを顕微鏡にて調査した結果、ボイド1個当たりの平均直径は23μmであった。
この後、トリクロロシランを用い、1100℃にて3μmのエピ成長を行ってSOI層膜厚が3μm以上のSOIウェーハを作製した。そのときのボイドのサイズを顕微鏡にて調査したところ、エピ成長前とほぼ同じ大きさであった。
(実施例2)
直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを100枚ずつ2組準備し、一方のウェーハ(ボンドウェーハ)を熱酸化処理して表面に200nmの酸化膜を形成した。ついで、このウェーハに水素イオン注入(加速電圧55.5keV、注入量7.5×1016/cm)を行い、他方のウェーハと貼り合わせた。
この際、水素イオン注入の加速電圧(55.5keV)は、平坦化熱処理(Arアニール)を行う際のSOI層の厚さが320nmになる様に、ボンドウェーハ表面に形成した酸化膜の膜厚(200nm)と、剥離後から平坦化熱処理までの間に除去されるSOI層の取り代を考慮して設定した。
その後、この貼り合わせたウェーハに対して、500℃、30分の剥離熱処理を行い、ボンドウェーハを剥離してSOIウェーハを得た。剥離時において、100枚中いずれのウェーハにもブリスター不良は発生していなかった。
得られたSOIウェーハについて、貼り合わせ界面の結合強度を高めるため、酸化性雰囲気で900℃に続いて非酸化性雰囲気(N)で1100℃の結合熱処理を行った。その後、HF洗浄によりSOI層表面の酸化膜を除去し、SOI層厚320nm、BOX層厚200nm(膜厚比:SOI層/BOX層=1.60)のSOIウェーハを形成した。
この段階では、SOI層表面の面粗さは剥離時の影響を引きずっており十分な平坦性が得られていないため、Arアニール1200℃、2時間の平坦化熱処理を行った。この後、SOI層表面を犠牲酸化し、HF洗浄にて酸化膜を除去して、SOI層厚170nm、BOX層厚195nm(膜厚比:SOI層/BOX層=0.87)のSOIウェーハを形成した。
得られたSOIウェーハのボイド個数をパーティクルカウンターにて調査したところ、ボイドとして検出された個数は、100枚平均で1.9個/waferであった。
得られたSOIウェーハ10枚のボイドの実サイズを顕微鏡にて調査した結果、ボイド1個当たりの平均直径は22μmであった。
この後、トリクロロシランを用い、1100℃にて3μmのエピ成長を行ってSOI層膜厚が3μm以上のSOIウェーハを作製した。そのときのボイドのサイズを顕微鏡にて調査したところ、エピ成長前とほぼ同じ大きさであった。
(実施例3)
直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを100枚ずつ2組準備し、一方のウェーハ(ボンドウェーハ)を熱酸化処理して表面に200nmの酸化膜を形成した。ついで、このウェーハに水素イオン注入(加速電圧54keV、注入量7.5×1016/cm)を行い、他方のウェーハと貼り合わせた。
この際、水素イオン注入の加速電圧(54keV)は、平坦化熱処理(Arアニール)を行う際のSOI層の厚さが310nmになる様に、ボンドウェーハ表面に形成した酸化膜の膜厚(200nm)と、剥離後から平坦化熱処理までの間に除去されるSOI層の取り代を考慮して設定した。
その後、この貼り合わせたウェーハに対して、500℃、30分の剥離熱処理を行い、ボンドウェーハを剥離してSOIウェーハを得た。剥離時において、100枚中いずれのウェーハにもブリスター不良は発生していなかった。
得られたSOIウェーハについて、貼り合わせ界面の結合強度を高めるため、酸化性雰囲気で900℃に続いて非酸化性雰囲気(N)で1100℃の結合熱処理を行った。その後、HF洗浄によりSOI層表面の酸化膜を除去し、SOI層厚310nm、BOX層厚200nm(膜厚比:SOI層/BOX層=1.55)のSOIウェーハを作製した。
この段階では、SOI層表面の面粗さは剥離時の影響を引きずっており十分な平坦性が得られていないため、Arアニール1200℃、2時間の平坦化熱処理を行った。この後、SOI層表面を犠牲酸化し、HF洗浄にて酸化膜を除去して、SOI層厚160nm、BOX層厚195nm(膜厚比:SOI層/BOX層=0.82)のSOIウェーハを形成した。
得られたSOIウェーハのボイド個数をパーティクルカウンターにて調査したところ、ボイドとして検出された個数は、100枚平均で2.5個/waferであった。
得られたSOIウェーハ10枚のボイドの実サイズを顕微鏡にて調査した結果、ボイド1個当たりの平均直径は23μmであった。
この後、トリクロロシランを用い、1100℃にて3μmのエピ成長を行ってSOI層膜厚が3μm以上のSOIウェーハを作製した。そのときのボイドのサイズを顕微鏡にて調査したところ、エピ成長前とほぼ同じ大きさであった。
(実施例4)
直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを100枚ずつ2組準備し、一方のウェーハ(ボンドウェーハ)を熱酸化処理して表面に200nmの酸化膜を形成した。ついで、このウェーハに水素イオン注入(加速電圧52.5keV、注入量7.5×1016/cm)を行い、他方のウェーハと貼り合わせた。
この際、水素イオン注入の加速電圧(52.5keV)は、平坦化熱処理(Arアニール)を行う際のSOI層の厚さが300nmになる様に、ボンドウェーハ表面に形成した酸化膜の膜厚(200nm)と、剥離後から平坦化熱処理までの間に除去されるSOI層の取り代を考慮して設定した。
その後、この貼り合わせたウェーハを、500℃、30分の剥離熱処理を行い、ボンドウェーハを剥離してSOIウェーハを得た。剥離時において、100枚中1枚のウェーハにブリスター不良が発生していた。
得られたSOIウェーハのうち、ブリスター不良のない99枚について、貼り合わせ界面の結合強度を高めるため、酸化性雰囲気で900℃に続いて非酸化性雰囲気(N)で1100℃の結合熱処理を行った。その後、HF洗浄によりSOI層表面の酸化膜を除去し、SOI層厚300nm、BOX層厚200nm(膜厚比:SOI層/BOX層=1.50)のSOIウェーハを作製した。
この段階では、SOI層表面の面粗さは剥離時の影響を引きずっており十分な平坦性が得られていないため、Arアニール1200℃、2時間の平坦化熱処理を行った。この後、SOI層表面を犠牲酸化し、HF洗浄にて酸化膜を除去して、SOI層厚150nm、BOX層厚195nm(膜厚比:SOI層/BOX層=0.77)のSOIウェーハを形成した。
得られたSOIウェーハのボイド個数をパーティクルカウンターにて調査したところ、ボイドとして検出された個数は、99枚平均で1.6個/waferであった。
得られたSOIウェーハ10枚のボイドの実サイズを顕微鏡にて調査した結果、ボイド1個当たりの平均直径は21μmであった。
この後、トリクロロシランを用い、1100℃にて3μmのエピ成長を行ってSOI層膜厚が3μm以上のSOIウェーハを作製した。そのときのボイドのサイズを顕微鏡にて調査したところ、エピ成長前とほぼ同じ大きさであった。
(実施例5)
直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを、100枚ずつ2組準備し、一方のウェーハ(ボンドウェーハ)を熱酸化処理して表面に205nmの酸化膜を形成した。ついで、このウェーハに水素イオン注入(加速電圧52.5keV、注入量7.5×1016/cm)を行い、他方のウェーハと貼り合わせた。
この際、水素イオン注入の加速電圧(52.5keV)は、平坦化熱処理(Arアニール)を行う際のSOI層の厚さが293nmになる様に、ボンドウェーハ表面に形成した酸化膜の膜厚(205nm)と、剥離後から平坦化熱処理までの間に除去されるSOI層の取り代を考慮して設定した。
その後、この貼り合わせたウェーハに対して、500℃、30分の剥離熱処理を行い、ボンドウェーハを剥離してSOIウェーハを得た。剥離時において、100枚中1枚のウェーハにブリスター不良が発生していた。
得られたSOIウェーハのうち、ブリスター不良のない99枚について、貼り合わせ界面の結合強度を高めるため、酸化性雰囲気で900℃に続いて非酸化性雰囲気(N)で1100℃の結合熱処理を行った。その後、HF洗浄によりSOI層表面の酸化膜を除去し、SOI層厚293nm、BOX層厚205nm(膜厚比:SOI層/BOX層=1.43)のSOIウェーハを作製した。
この段階では、SOI層表面の面粗さは剥離時の影響を引きずっており十分な平坦性が得られていないため、Arアニール1200℃、2時間の平坦化熱処理を行った。この後、SOI層表面を犠牲酸化し、HF洗浄にて酸化膜を除去して、SOI層厚243nm、BOX層厚200nm(膜厚比:SOI層/BOX層=1.22)のSOIウェーハを形成した。
得られたSOIウェーハのボイド個数をパーティクルカウンターにて調査したところ、ボイドとして検出された個数は、99枚平均で2.3個/waferであった。
得られたSOIウェーハ10枚のボイドの実サイズを顕微鏡にて調査した結果、ボイド1個当たりの平均直径は25μmであった。
この後、トリクロロシランを用い、1100℃にて3μmのエピ成長を行ってSOI層膜厚が3μm以上のSOIウェーハを作製した。そのときのボイドのサイズを顕微鏡にて調査したところ、エピ成長前とほぼ同じ大きさであった。
上記したように、実施例1−4におけるボイドの平均直径の方が、実施例5におけるボイドの平均直径に比べ、より小さかった。このため、ボイドの拡大抑制のためには、平坦化熱処理を行うSOIウェーハのSOI層厚とBOX層の膜厚比(SOI層/BOX層)が1.5以上である場合が、より好ましいことがわかる。
(比較例1)
直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを100枚ずつ2組準備し、一方のウェーハ(ボンドウェーハ)を熱酸化処理して表面に200nmの酸化膜を形成した。ついで、このウェーハに水素イオン注入(加速電圧46keV、注入量7×1016/cm)を行い、他方のウェーハと貼り合わせた。
その後、この貼り合わせたウェーハに対して、500℃、30分の剥離熱処理を行い、ボンドウェーハを剥離してSOIウェーハを形成した。剥離時において、100枚中いずれのウェーハにもブリスター不良は発生していなかった。
得られたSOIウェーハについて、貼り合わせ界面の結合強度を高めるため、酸化性雰囲気で900℃に続いて非酸化性雰囲気(N)で1100℃の結合熱処理を行った。その後、HF洗浄によりSOI層表面の酸化膜を除去し、SOI層厚250nm、BOX層厚200nm(膜厚比:SOI層/BOX層=1.25)のSOIウェーハを作製した。
この段階では、SOI層表面の面粗さは剥離時の影響を引きずっており十分な平坦性が得られていないため、Arアニール1200℃、2時間の平坦化熱処理を行った。この後、SOI層表面を犠牲酸化し、HF洗浄にて酸化膜を除去して、SOI層厚100nm、BOX層厚195nm(膜厚比:SOI層/BOX層=0.51)のSOIウェーハを形成した。
得られたSOIウェーハのボイド個数をパーティクルカウンターにて調査したところ、ボイドとして検出された個数は、100枚平均で1.8個/waferであった。
得られたSOIウェーハ10枚のボイドの実サイズを顕微鏡にて調査した結果、ボイド1個当たりの平均直径は120μmと巨大化していた。
この後、トリクロロシランを用い、1100℃にて3μmのエピ成長を行ってSOI層膜厚が3μm以上のSOIウェーハを作製した。そのときのボイドのサイズを顕微鏡にて調査したところ、エピ成長前とほぼ同じ大きさであった。
(比較例2)
直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを100枚ずつ2組準備し、一方のウェーハ(ボンドウェーハ)を熱酸化処理して表面に300nmの酸化膜を形成した。ついで、このウェーハに水素イオン注入(加速電圧74keV、注入量8.5×1016/cm)を行い、他方のウェーハと貼り合わせた。
その後、この貼り合わせたウェーハに対して、500℃、30分の剥離熱処理を行い、ボンドウェーハを剥離してSOIウェーハを形成した。剥離時において、100枚中いずれのウェーハにもブリスター不良は発生していなかった。
得られたSOIウェーハについて、貼り合わせ界面の結合強度を高めるため、酸化性雰囲気で900℃に続いて非酸化性雰囲気(N)で1100℃の結合熱処理を行った。その後、HF洗浄によりSOI表面の酸化膜を除去し、SOI層厚370nm、BOX層厚300nm(膜厚比:SOI層/BOX層=1.23)のSOIウェーハを作製した。
この段階では、SOI層表面の面粗さは剥離時の影響を引きずっており十分な平坦性が得られていないため、Arアニール1200℃、2時間の平坦化熱処理を行った。この後、SOI層表面を犠牲酸化し、HF洗浄にて酸化膜を除去して、SOI層厚220nm、BOX層厚295nm(膜厚比:SOI層/BOX層=0.75)のSOIウェーハを形成した。
得られたSOIウェーハのボイド個数をパーティクルカウンターにて調査したところ、ボイドとして検出された個数は、100枚平均で2.3個/waferであった。
得られたSOIウェーハ10枚のボイドの実サイズを顕微鏡にて調査した結果、ボイド1個当たりの平均直径は160μmと巨大化していた。
この後、トリクロロシランを用い、1100℃にて3μmのエピ成長を行ってSOI層膜厚が3μm以上のSOIウェーハを作製した。そのときのボイドのサイズを顕微鏡にて調査したところ、エピ成長前とほぼ同じ大きさであった。
(比較例3)
直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを100枚ずつ2組準備し、一方のウェーハ(ボンドウェーハ)を熱酸化処理して表面に250nmの酸化膜を形成した。ついで、このボンドウェーハに水素イオン注入(加速電圧45keV、注入量7×1016/cm)を行い、他方のウェーハと貼り合わせた。
その後、この貼り合わせたウェーハに対して、500℃、30分の剥離熱処理を行い、ボンドウェーハを剥離してSOIウェーハを形成した。剥離時において、100枚中いずれのウェーハにもブリスター不良は発生していなかった。
得られたSOIウェーハについて、貼り合わせ界面の結合強度を高めるため、酸化性雰囲気で900℃に続いて非酸化性雰囲気(N)で1100℃の結合熱処理を行った。その後、HF洗浄によりSOI表面の酸化膜を除去し、SOI層厚200nm、BOX層厚250nm(膜厚比:SOI層/BOX層=0.80)のSOIウェーハを作製した。
この段階では、SOI層表面の面粗さは剥離時の影響を引きずっており十分な平坦性が得られていないため、Arアニール1200℃、2時間の平坦化熱処理を行った。この後、SOI層表面を犠牲酸化し、HF洗浄にて酸化膜を除去して、SOI層厚50nm、BOX層厚245nm(膜厚比:SOI層/BOX層=0.20)のSOIウェーハを形成した。
得られたSOIウェーハのボイド個数をパーティクルカウンターにて調査したところ、ボイドとして検出された個数は、100枚平均で3.2個/waferであった。
得られたSOIウェーハ10枚のボイドの実サイズを顕微鏡にて調査した結果、ボイド1個当たりの平均直径は140μmと巨大化していた。
この後、トリクロロシランを用い、1100℃にて3μmのエピ成長を行ってSOI層膜厚が3μm以上のSOIウェーハを作製した。そのときのボイドのサイズを顕微鏡にて調査したところ、エピ成長前とほぼ同じ大きさであった。
(比較例4)
直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを100枚ずつ2組準備し、一方のウェーハ(ボンドウェーハ)を熱酸化処理して表面に200nmの酸化膜を形成した。ついで、このウェーハに水素イオン注入(加速電圧50keV、注入量7.4×1016/cm)を行い、他方のウェーハと貼り合わせた。
その後、この貼り合わせたウェーハに対して、500℃、30分の剥離熱処理を行い、ボンドウェーハを剥離してSOIウェーハを形成した。剥離時において、100枚中1枚のウェーハにブリスター不良が発生していた。
得られたSOIウェーハのうち、ブリスター不良のない99枚について、貼り合わせ界面の結合強度を高めるため、酸化性雰囲気で900℃に続いて非酸化性雰囲気(N)で1100℃の結合熱処理を行った。その後、HF洗浄によりSOI層表面の酸化膜を除去し、SOI層厚275nm、BOX層厚205nm(膜厚比:SOI層/BOX層=1.34)のSOIウェーハを作製した。
この段階では、SOI層表面の面粗さは剥離時の影響を引きずっており十分な平坦性が得られていないため、Arアニール1200℃、2時間の平坦化熱処理を行った。この後、SOI層表面を犠牲酸化し、HF洗浄にて酸化膜を除去して、SOI層厚225nm、BOX層厚200nm(膜厚比:SOI層/BOX層=1.13)のSOIウェーハを形成した。
得られたSOIウェーハのボイド個数をパーティクルカウンターにて調査したところ、ボイドとして検出された個数は、100枚平均で2.1個/waferであった。
得られたSOIウェーハ10枚のボイドの実サイズを顕微鏡にて調査した結果、ボイド1個当たりの平均直径は120μmと巨大化していた。
この後、トリクロロシランを用い、1100℃にて3μmのエピ成長を行ってSOI層膜厚が3μm以上のSOIウェーハを作製した。そのときのボイドのサイズを顕微鏡にて調査したところ、エピ成長前とほぼ同じ大きさであった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (5)

  1. 少なくとも、シリコン単結晶からなるボンドウェーハの表面から水素イオン又は希ガスイオンのうち少なくとも1種類のガスイオンをイオン注入してイオン注入層を形成し、前記ボンドウェーハの前記イオン注入した表面とベースウェーハの表面とをシリコン酸化膜を介して貼り合わせた後、前記イオン注入層で前記ボンドウェーハを剥離することにより、前記ベースウェーハ上にBOX層とSOI層とを有するSOIウェーハを作製し、該SOIウェーハに対してアルゴンガス含有雰囲気で平坦化熱処理を行うSOIウェーハの製造方法において、
    前記平坦化熱処理を行うSOIウェーハの前記SOI層の厚さが前記BOX層の厚さの1.4倍以上になるように、前記SOIウェーハの作製条件を設定し、かつ、前記平坦化熱処理を行ったSOIウェーハの前記SOI層に対して犠牲酸化処理を行って前記SOI層の厚さを前記BOX層の厚さの1.4倍未満にまで減じ、前記BOX層の厚さが200nm以上になるように前記シリコン酸化膜の厚さを設定することを特徴とするSOIウェーハの製造方法。
  2. 前記平坦化熱処理を行うSOIウェーハの前記SOI層の厚さが前記BOX層の厚さの1.4倍以上になるように、前記SOIウェーハの作製条件として、前記イオン注入の注入条件及び前記シリコン酸化膜の厚さを設定することを特徴とする請求項1に記載のSOIウェーハの製造方法。
  3. 前記平坦化熱処理を行ったSOIウェーハの前記SOI層に対して犠牲酸化処理を行って前記SOI層の厚さを50nm以上減ずることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のSOIウェーハの製造方法。
  4. 前記犠牲酸化処理を行ったSOIウェーハの前記SOI層の表面にエピタキシャル層を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のSOIウェーハの製造方法。
  5. 前記SOI層の厚さを前記BOX層の厚さの0.87倍以下にまで減ずることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のSOIウェーハの製造方法。
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