JP2010098167A - 貼り合わせウェーハの製造方法 - Google Patents

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功 横川
Nobuhiko Noto
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【課題】犠牲酸化により薄膜表面のダメージを低減すると共に、ウェーハ表面粗さの悪化や結晶欠陥等を防止しながら、貼り合わせ界面の結合強度を十分に高めることができる貼り合わせウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してウェーハ内部にイオン注入層を形成し、ボンドウェーハのイオン注入された側の表面とベースウェーハの表面とを貼り合わせた後、ボンドウェーハの一部をイオン注入層で剥離することにより、ベースウェーハ上に薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製し、その後、二段階熱処理を行う貼り合わせウェーハの製造方法であって、二段階熱処理において、950℃未満の温度で酸化熱処理を行った後に、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で、1000℃以上の温度で結合熱処理を行う貼り合わせウェーハの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、イオン注入剥離法を用いた貼り合わせウェーハの製造において、貼り合わせ界面の結合力を高める熱処理に関するものである。
イオン注入剥離法を用いた貼り合わせウェーハの製造では、イオン注入法などにより半導体からなるウェーハ内部に、例えば水素イオンを注入する事で、ウェーハ内部に水素高濃度層を形成する。水素高濃度層を持つウェーハと土台となるウェーハを室温で貼り合わせ、これを熱処理や外力を加えたりする事で、水素高濃度層でウェーハを剥離し、土台となるウェーハの表面に薄膜の半導体層を形成する事が出来る。
ここで、熱処理によって剥離する場合であっても剥離熱処理温度は500℃前後と低い為、貼り合わせ界面の結合強度が低く、このままではHF処理時にHF水溶液が貼り合わせ界面に染み込み、膜剥がれやパーティクル汚染を引き起こしてしまう。このため、貼り合わせ界面の結合強度を高める為、1000℃以上の温度で結合熱処理(安定化熱処理)を行っている(特許文献1、特許文献2参照)。
しかし、この1000℃以上の温度で行う結合熱処理によって、結晶欠陥やウェーハの表面粗さを悪化させてしまうという問題があった。
また、予め950℃未満の温度で酸化熱処理を行った後に、1000℃以上の温度で熱処理を加えることによって、犠牲酸化を行うと共に、結合強度を高める方法が用いられることがある(特許文献3、特許文献4参照)。
しかし、これらのいずれの熱処理方法でも、ウェーハの表面粗さの悪化や結晶欠陥が発生してしまうことがあった。
特開平11−111839号 特開2007−149907号 特開2004−259970号 特開2008−28070号 半導体シリコン結晶学、志村、丸善、1993年、P.232
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、犠牲酸化により薄膜表面のダメージを低減すると共に、ウェーハ表面粗さの悪化や結晶欠陥等を防止しながら、貼り合わせ界面の結合強度を十分に高めることができる貼り合わせウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも、ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してウェーハ内部にイオン注入層を形成し、前記ボンドウェーハのイオン注入された側の表面とベースウェーハの表面とを、絶縁膜を介して、又は、直接貼り合わせた後、前記ボンドウェーハの一部を前記イオン注入層で剥離することにより、ベースウェーハ上に薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製し、その後、二段階熱処理を行う貼り合わせウェーハの製造方法であって、前記二段階熱処理において、950℃未満の温度で酸化熱処理を行った後に、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で、1000℃以上の温度で結合熱処理を行うことを特徴とする貼り合わせウェーハの製造方法を提供する(請求項1)。
このように、まず950℃未満の温度で酸化熱処理を行うことにより、格子間シリコン原子の発生を抑えてOSF等の結晶欠陥の発生を防止しながら、貼り合わせウェーハの薄膜表面に酸化膜を形成することができる。これにより、薄膜の機械的ダメージが残っている領域が酸化されて、後工程で膜厚均一性を保持しながら効率的に除去することができる。
そして、この酸化熱処理後に5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で1000℃以上の温度で結合熱処理を行うことにより、酸化膜のエッチングと成長の両方を抑えて、表面の面荒れを防止しながら貼り合わせ界面の結合強度を十分に高くすることができる。
このような本発明の二段階熱処理を行うことにより、研磨工程での研磨取り代を低く抑え、平坦化熱処理工程での熱処理条件を緩和でき、さらに表面粗さが良好で、結晶欠陥が低減された貼り合わせウェーハを製造することができる。
このとき、前記酸化熱処理を、パイロジェニック法により行うことが好ましい(請求項2)。
このように、パイロジェニック酸化であれば、酸化速度が速く、比較的短時間で機械的ダメージが形成されている領域が酸化されるため、生産性良く、結晶欠陥の発生をより低減することができる。
このとき、前記二段階熱処理において、前記貼り合わせウェーハの薄膜表面に形成される酸化膜厚を300nm以下とすることが好ましい(請求項3)。
このように、本発明の二段階熱処理中に形成される酸化膜厚を300nm以下に調整することで、格子間シリコン原子の生成をより抑制することができるため、結晶欠陥の発生をより効果的に防止することができる。
以上のように、本発明の貼り合わせウェーハの製造方法によれば、貼り合わせ界面の結合強度が十分に高いとともに、表面粗さの悪化と結晶欠陥の発生が抑制され、さらには薄膜に残されたダメージ領域が効率的に除去されて膜厚均一性の高い貼り合わせウェーハを製造することができる。
貼り合わせウェーハの結合強度を高める熱処理を行うと、表面粗さが悪化したり、結晶欠陥が発生する等の問題があった。
このような問題に対して、本発明者らが以下のように鋭意検討を行った。
非特許文献1によると、貼り合わせ界面の結合強度は、結合熱処理温度に依存し、その結合状態は、
I相:<200℃ SiOH:(HO):(HO):HOSi
II相:>200℃ SiOH:HOSi+(HO)
III相:>700℃ Si−O−Si+H
IV相:>1000℃ SiO
であり、貼り合わせ界面を最も強くする為には、1000℃以上の温度で結合熱処理を行い、貼り合わせ界面にSiO結合を形成する必要がある。
しかしながら、イオン注入剥離法で剥離を行った後の貼り合わせウェーハの剥離面(薄膜表面)には、剥離時に発生した機械的ダメージや、水素イオン等を注入する際に発生した注入ダメージが存在する。このため、950℃以上の温度で酸化性雰囲気にて結合熱処理を行うと、酸化時に発生した多量の格子間Si原子が、剥離時に発生したダメージに集まり、OSF(酸化誘起積層欠陥)などの結晶欠陥を引き起こしてしまう。
一方、比較的低温で酸化して薄い酸化膜を形成した後に非酸化性雰囲気で結合熱処理を行うと、100%窒素雰囲気ではウェーハ表面に窒化膜が形成され、その後のHF水溶液による洗浄で表面の窒化膜及び酸化膜を除去するのに時間がかかってしまう。また、100%Ar雰囲気では、表面の薄い酸化膜がエッチングされ、局所的に露出した表面半導体原子がエッチングされ、ウェーハの表面粗さを悪化させてしまう。
本発明者らは、上記のような検討を重ねた結果、イオン注入剥離法におけるウェーハの貼り合わせにおいて、結合強度を高めるための熱処理時の熱処理温度、および、熱処理雰囲気を最適化することで、本発明を完成させるに至った。
以下、本発明の貼り合わせウェーハの製造方法について、実施態様の一例として、図1を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、図1は本発明の貼り合わせウェーハの製造方法の実施態様の一例を示すフロー図である。
まず、図1の工程(a)では、ボンドウェーハ10とベースウェーハ11として例えばシリコン単結晶からなるベアウェーハ2枚を用意する。
ベアウェーハとしては、ポリッシュドウェーハ、エピタキシャルウェーハ、熱処理ウェーハ等、様々なウェーハが存在するが、その種類に関係なく本発明に適用することができる。また、ボンドウェーハとしては、例えばシリコン単結晶ウェーハ上にSiGe層を形成したウェーハを用いることができる。そして、ベースウェーハ材料としては、シリコン単結晶以外に、例えば石英、アルミナ等も用いることができる。
このとき、図1では、ボンドウェーハ10にだけ予め絶縁膜12が形成されているが、絶縁膜12はベースウェーハ11にだけ形成されていてもよいし、両ウェーハに形成されていてもよく、また両ウェーハともに形成されていなくてもよい。
次に工程(b)では、ボンドウェーハ10の絶縁膜12の表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入して、ウェーハ内部にイオン注入層13を形成する。この際、注入エネルギー、注入線量、注入温度等その他のイオン注入条件を、所定の厚さの薄膜を得ることができるように適宜選択することができる。
次に工程(c)では、ボンドウェーハ10のイオン注入された側の表面とベースウェーハ11の表面とを密着させて貼り合わせる。
なお、貼り合わせる前に、ウェーハの表面に付着しているパーティクルおよび有機物を除去するため、両ウェーハに貼り合わせ前洗浄を行ってもよく、また、貼り合わせ界面の結合強度をより高めるため、ウェーハ表面にプラズマ処理を施してもよい。
次に工程(d)では、貼り合わせたウェーハのボンドウェーハ10の一部をイオン注入層13で剥離することにより、ベースウェーハ11上に薄膜14を有する貼り合わせウェーハ15を作製する。
剥離する方法としては、例えば、窒素雰囲気で500℃程度まで昇温しながら熱処理を行うと、ボンドウェーハ10内のイオン注入層13に、キャビティと呼ばれる欠陥層が形成され、この欠陥層がボンドウェーハ10内部で水平方向に繋がることにより、ボンドウェーハ10の剥離が行われる。また、他の剥離する方法としては、熱処理を行わずに、あるいは、剥離しない程度の低温の熱処理を加えた後に機械的に剥離する方法も適用することができる。
次に工程(e)では、作製された貼り合わせウェーハ15に対して、二段階熱処理を行う。
まず、一段階目の熱処理として、950℃未満の温度で酸化熱処理を行う。
950℃未満の温度で酸化熱処理を行うことにより、格子間シリコン原子の発生を抑えてOSF等の結晶欠陥を防止しながら、貼り合わせウェーハの薄膜表面に酸化膜を形成することができる。これにより、薄膜の機械的ダメージが残っている領域を酸化して酸化膜中に取り込み、後工程でこの酸化膜を除去することで、膜厚均一性を保持しながら効率的にダメージ領域を除去することができる。
このとき、酸化熱処理を、パイロジェニック法により行うことが好ましい。
パイロジェニック酸化であれば、酸化速度が速く、比較的短時間で機械的ダメージが残っている領域が酸化されるため効率的である。
パイロジェニック法による酸化熱処理では、例えば、水素を燃焼させて水蒸気を発生させ、その水蒸気と酸素の雰囲気で、約700℃〜900℃の温度で酸化膜を形成することができる。
次に、二段階目の熱処理として、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で、1000℃以上の温度で結合熱処理を行う。
このように、微量の酸素を含む不活性ガス雰囲気で1000℃以上の温度で結合熱処理を行うことにより、酸化膜のエッチングと成長の両方を抑えて、ウェーハ表面の面荒れを防止しながら貼り合わせ界面の結合強度を十分に高くすることができる。
なお、この二段階目の熱処理は、一段階目の酸化熱処理に続いて、同じ炉内で雰囲気と温度を変えて行うことが効率的である。
不活性ガス雰囲気中に含まれる酸素の量としては、5%以下であればよく、わずかでも酸素が含まれていれば表面の面荒れ防止の効果は発揮されるが、例えば1%以上含まれていれば、より効果的である。
また、不活性ガスとしては、窒素ガスやアルゴンガスあるいはこれらの混合ガス等を適宜用いることができる。
この二段階熱処理において、貼り合わせウェーハ15の薄膜14の表面に形成される酸化膜16の厚さを300nm以下とすることが好ましい。
本発明の二段階熱処理中に形成される酸化膜厚を300nm以下に調整することで、格子間シリコン原子の増加をより抑制することができるため、結晶欠陥を効果的に防止することができる。
以上のように、製造した貼り合わせウェーハ15の酸化膜16を、HF水溶液等によりエッチング除去して、膜厚均一性を保持しながらダメージ領域を効率的に除去することができる。なお、酸化膜16と薄膜14を研磨して所望の厚さの薄膜としてもよく、また、上記二段階熱処理に加えて1200℃以上の高温で平坦化熱処理を行ってもよい。
本発明の二段階熱処理を行うことにより、このような研磨工程での研磨取り代を低く抑え、平坦化熱処理工程での熱処理条件を緩和できる。
以上のように本発明の貼り合わせウェーハの製造方法であれば、貼り合わせ界面の結合強度が高く、表面粗さが良好で、結晶欠陥が低減された貼り合わせウェーハを生産性良く製造することができる。
以下、本発明を実施例、比較例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1)
まず、ボンドウェーハ及びベースウェーハとして、直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを用意した。この用意したボンドウェーハに200nmの酸化膜を形成した。ボンドウェーハに、加速電圧80keV、注入量7×1016/cmで水素イオンを注入し、貼り合わせ前洗浄を行った後、室温にてベースウェーハと貼り合わせを行った。剥離熱処理は500℃で行い、ベースウェーハ上に酸化膜(BOX層)とSiとからなる薄膜層を転写した。
続いて、本発明の二段階熱処理を行った。熱処理条件は、まず、900℃にてパイロジェニック酸化を行い、200nmの酸化膜を形成後、1100℃、2時間で結合熱処理を行った。この結合熱処理では、Arを主体とした雰囲気に、それぞれ1%、2%、4%、5%の酸素ガスを導入した4条件で行った。SOI層表面に形成されたトータルの酸化膜厚は、それぞれ201nm、202nm、204nm、205nmであった。
この後、SOI層表面の酸化膜をHFで除去し、混酸エッチングによるSOI層中の欠陥評価を行った結果、いずれの酸素ガス濃度条件(1%、2%、4%、5%)の場合においても、欠陥密度は80/cm以下と高品質であることが確認された。
(実施例2)
まず、ボンドウェーハ及びベースウェーハとして、直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを用意した。この用意したボンドウェーハに200nmの酸化膜を形成した。ボンドウェーハに、加速電圧80keV、注入量7×1016/cmで水素イオンを注入し、貼り合わせ前洗浄を行った後、室温にてベースウェーハと貼り合わせを行った。剥離熱処理は500℃で行い、ベースウェーハ上に酸化膜(BOX層)とSiとからなる薄膜層を転写した。
続いて、本発明の二段階熱処理を行った。熱処理条件は、まず、925℃にてパイロジェニック酸化を行い、200nmの酸化膜を形成後、1100℃、2時間で結合熱処理を行った。この結合熱処理では、Arを主体とした雰囲気に、それぞれ1%、2%、4%、5%の酸素ガスを導入した4条件で行った。SOI層表面に形成されたトータルの酸化膜厚は、それぞれ201nm、202nm、204nm、205nmであった。
この後、SOI層表面の酸化膜をHFで除去し、混酸エッチングによるSOI層中の欠陥評価を行った結果、いずれの酸素ガス濃度条件(1%、2%、4%、5%)の場合においても、欠陥密度は100/cm以下と高品質であることが確認された。
以上の結果より、イオン注入剥離法でウェーハを剥離後、一度、950℃未満の温度で酸化後、微量酸素に不活性ガスを主とした雰囲気で1000℃以上で熱処理したところ、SOI層中の欠陥密度が低い、高品質のSOIウェーハが作製出来た。
(比較例1)
ボンドウェーハ及びベースウェーハとして、直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを用意した。ボンドウェーハに200nmの酸化膜を形成した。ボンドウェーハに、加速電圧80keV、注入量7×1016/cmで水素イオンを注入し、貼り合わせ前洗浄を行った後、室温にてベースウェーハと貼り合わせを行った。剥離熱処理は500℃で行い、ベースウェーハ上に酸化膜(BOX層)とSiとからなる薄膜層を転写した。
続いて、二段階熱処理を行った。熱処理条件は、まず、900℃にてパイロジェニック酸化を行い、200nmの酸化膜を形成後、1100℃、2時間で結合熱処理を行った。この結合熱処理では、Arを主体とした雰囲気に、20%の酸素を導入した。SOI層表面に形成されたトータルの酸化膜厚は、218nmであった。
この後、SOI層表面の酸化膜をHFで除去し、混酸エッチングによるSOI層中の欠陥評価を行った結果、欠陥密度は10000/cmと非常に悪化した。
(比較例2)
ボンドウェーハ及びベースウェーハとして、直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを用意した。ボンドウェーハとベースウェーハの双方に200nmの酸化膜を形成した。ボンドウェーハに、加速電圧80keV、注入量7×1016/cmで水素イオンを注入し、貼り合わせ前洗浄を行った後、室温にてベースウェーハと貼り合わせを行った。剥離熱処理は500℃で行い、ベースウェーハ上に酸化膜(BOX層)とSiとからなる薄膜層を転写した。
続いて、二段階熱処理を行った。酸化膜同士貼り合わせの場合、十分な結合強度を得るためには1200℃以上の高温での結合熱処理が必要であるため、熱処理条件は、まず、900℃にてパイロジェニック酸化を行い、200nmの酸化膜を形成後、1250℃、2時間で結合熱処理を行った。この結合熱処理では、Arのみの雰囲気とした。この結果、表面の酸化膜がエッチングされ、SOI層表面の面粗さが悪化し、クモリが発生した。
(比較例3)
まず、ボンドウェーハ及びベースウェーハとして、直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを用意した。この用意したボンドウェーハに200nmの酸化膜を形成した。ボンドウェーハに、加速電圧80keV、注入量7×1016/cmで水素イオンを注入し、貼り合わせ前洗浄を行った後、室温にてベースウェーハと貼り合わせを行った。剥離熱処理は500℃で行い、ベースウェーハ上に酸化膜(BOX層)とSiとからなる薄膜層を転写した。
続いて、本発明の二段階熱処理を行った。熱処理条件は、まず、950℃にてパイロジェニック酸化を行い、200nmの酸化膜を形成後、1100℃、2時間で結合熱処理を行った。この結合熱処理では、Arを主体とした雰囲気に、それぞれ1%、2%、4%、5%の酸素ガスを導入した4条件で行った。SOI層表面に形成されたトータルの酸化膜厚は、それぞれ201nm、202nm、204nm、205nmであった。
この結果、作製されたSOIウェーハのSOI層表面にOSFが多発した。
(比較例4)
まず、ボンドウェーハ及びベースウェーハとして、直径300mmのシリコン単結晶ウェーハを用意した。この用意したボンドウェーハに200nmの酸化膜を形成した。ボンドウェーハに、加速電圧80keV、注入量7×1016/cmで水素イオンを注入し、貼り合わせ前洗浄を行った後、室温にてベースウェーハと貼り合わせを行った。剥離熱処理は500℃で行い、ベースウェーハ上に酸化膜(BOX層)とSiとからなる薄膜層を転写した。
続いて、本発明の二段階熱処理を行った。熱処理条件は、まず、900℃にてパイロジェニック酸化を行い、200nmの酸化膜を形成後、1100℃、2時間で結合熱処理を行った。この結合熱処理では、100%の酸素の雰囲気とした。SOI層表面に形成されたトータルの酸化膜厚は、320nmであった。
この後、SOI層表面の酸化膜をHFで除去し、混酸エッチングによるSOI層中の欠陥評価を行った結果、欠陥密度は10000/cmより大きく、非常に悪化した。
以上の結果より、イオン注入剥離法でウェーハを剥離後、950℃未満の温度で酸化後、多量の酸素が含まれた雰囲気で1000℃以上の熱処理したところ、SOI層中の欠陥密度が高く、品質の悪いSOIウェーハが作製されてしまうことが確認できた。
また、一段目の熱処理として950℃以上の温度で酸化熱処理を行うと、SOI層表面にOSFが多発してしまうことが確認できた。
また、酸化膜同士貼り合わせ時のように、高温で結合熱処理をしなければならない条件で、Arガス雰囲気で熱処理を行ったところ、表面酸化膜が無くなり、SOIウェーハの表面面粗さが悪化する事が確認された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の貼り合わせウェーハの製造方法の実施態様の一例を示すフロー図である。
符号の説明
10…ボンドウェーハ、 11…ベースウェーハ、 12…絶縁膜、
13…イオン注入層、 14…薄膜、 15…貼り合わせウェーハ、
16…酸化膜。

Claims (3)

  1. 少なくとも、ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してウェーハ内部にイオン注入層を形成し、前記ボンドウェーハのイオン注入された側の表面とベースウェーハの表面とを、絶縁膜を介して、又は、直接貼り合わせた後、前記ボンドウェーハの一部を前記イオン注入層で剥離することにより、ベースウェーハ上に薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製し、その後、二段階熱処理を行う貼り合わせウェーハの製造方法であって、
    前記二段階熱処理において、950℃未満の温度で酸化熱処理を行った後に、5%以下の酸素を含む不活性ガス雰囲気で、1000℃以上の温度で結合熱処理を行うことを特徴とする貼り合わせウェーハの製造方法。
  2. 前記酸化熱処理を、パイロジェニック法により行うことを特徴とする請求項1に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  3. 前記二段階熱処理において、前記貼り合わせウェーハの薄膜表面に形成される酸化膜厚を300nm以下とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
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