JP7251419B2 - 貼り合わせsoiウェーハの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、貼り合わせSOIウェーハの製造方法に関する。
SOIウェーハの製造方法、特に先端集積回路の高性能化を可能とする薄膜SOIウェーハの製造方法として、イオン注入したウェーハを接合後に剥離してSOIウェーハを製造する方法(イオン注入剥離法:スマートカット法(登録商標)とも呼ばれる技術)が注目されている(例えば、特許文献1)。
このイオン注入剥離法は、以下のような方法である。まず、二枚のシリコンウェーハの内、少なくとも一方に絶縁膜を形成すると共に、一方のシリコンウェーハ(ボンドウェーハ)の上面から水素イオン又は希ガスイオン等のガスイオンを注入し、ボンドウェーハ内部に微小気泡層(封入層)を形成させる。その後、イオンを注入した方の面を、絶縁膜を介して他方のシリコンウェーハ(ベースウェーハ)と密着させる。その後、熱処理(剥離熱処理)を行って微小気泡層を剥離面(劈開面)としてボンドウェーハを薄膜状に剥離し、さらに熱処理(結合熱処理)を行って強固に結合してSOIウェーハとする。この段階では、剥離面がSOI層の表面となる。
イオン注入剥離法による貼り合わせSOIウェーハの作製において、剥離後にSOIウェーハの表面粗さ(SOI層の表面粗さ)を改善する為に、水素RTA処理(水素ガス含有雰囲気下での急速加熱・急速冷却熱処理)を行う場合がある。これは、水素RTA処理ではSOI層表面の自然酸化膜は水素RTA処理中に還元されて消失し、むき出しになったSiの原子が移動することによる効果である。
一方、水素RTA処理によりウェーハ表面の酸化膜が消失するために、RTA処理後の炉からの取り出し時においては、ウェーハの表面には自然酸化膜が成長しておらず、炉からの取り出し後の空気中の酸素と反応によって、自然酸化膜が形成される。
特開平5-211128号公報 特開2015-177150号公報 特開2019-87617号公報
水素RTA処理後の炉からの取り出し時においては、スループットを向上させるため、ウェーハ温度が室温まで低下するのを待たずにウェーハハンドリングロボットにて取り出し、クーリングステージに移される。この際、ウェーハの温度は下がり切っておらず、ウェーハを回収するロボットとの接触部、例えば裏面チャック方式のロボットの場合、ウェーハの中央部では、ロボットとの接触により、ウェーハ温度がロボットと接触しない非接触部よりも低くなる。
ウェーハに形成される自然酸化膜は、ウェーハ温度により成長速度が速くなる。このため、ウェーハとウェーハハンドリングロボットとの接触部に形成される表面酸化膜は、非接触部よりも薄くなる。水素RTA処理の直後のウェーハはパーティクル除去を目的としたRCA洗浄をした後に次工程の処理が行われる。
RCA洗浄とは、SC1溶液(水酸化アンモニウムと過酸化水素の水溶液)とSC2溶液(塩酸と過酸化水素の水溶液)を使用した洗浄方法として、シリコン単結晶ウェーハの洗浄に広く用いられている。SC1溶液は、ウェーハ表面のパーティクル除去性能が非常に優れており、Siと酸化膜のエッチングを伴う洗浄液である。一方、SC2溶液は金属不純物除去の役割を担った洗浄液であり、Siと酸化膜はほとんどエッチングされない。
この際、表面酸化膜が部分的に薄くなったウェーハをRCA洗浄すると、図4(a)、(b)に示すように、ウェーハ面内の酸化膜が薄い箇所(図4(a)の例ではウェーハ中央部)ではSC1によるエッチングが先行してしまうため、SOI層の膜厚が部分的に薄くなり、膜厚均一性が悪化する問題があった。なお、図4(b)は、図4(a)中の矢印で示した方向のSOI層の膜厚を示したグラフである。SOI層の膜厚均一性が悪化すると、特に、SOI層の膜厚が20nm以下のFDSOI(Fully Depleted Silicon-On-Insulator:完全空乏型SOI)のような、SOI層の厚さが直接的にデバイスの閾値に影響するようなSOIウェーハではデバイス歩留が低下するという問題があった。
なお、特許文献2には、RTA処理とその後の洗浄を行った後も薄膜の面内膜厚均一性を良好に維持できる貼り合わせウェーハの製造方法を提供することを目的とした技術が開示されている。特許文献2に記載された技術は、RTA処理の最高温度から降温して熱処理炉から貼り合わせウェーハを取り出すまでの間に、熱処理炉内で薄膜の表面に保護膜を形成することによりその課題を解決するものである。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、貼り合わせSOIウェーハの製造方法において、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行い、その後の洗浄を行った後もSOI層の面内膜厚均一性を良好に維持できる貼り合わせSOIウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してウェーハ内部にイオン注入層を形成する工程と、前記ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを絶縁膜を介して貼り合わせる工程と、前記イオン注入層で前記ボンドウェーハを剥離させることにより、前記ベースウェーハ上に前記絶縁膜とSOI層とを有する貼り合わせSOIウェーハを作製する工程と、該貼り合わせSOIウェーハに対し、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行うことによって前記SOI層の表面を平坦化する工程とを有する貼り合わせSOIウェーハの製造方法において、さらに、前記RTA処理を行った直後の前記貼り合わせSOIウェーハをオゾン水で洗浄することにより、前記SOI層の表面に酸化膜を形成する工程と、前記酸化膜及び前記SOI層のエッチングが可能な洗浄液を用いて前記貼り合わせSOIウェーハを洗浄することによって、前記SOI層の膜厚調整を行う工程とを有することを特徴とする貼り合わせSOIウェーハの製造方法を提供する。
このような貼り合わせSOIウェーハの製造方法であれば、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行っても、その後オゾン洗浄により表面酸化膜を十分に成長させてから表面酸化膜及びSOI層のエッチングを伴う洗浄を行うことができるため、表面酸化膜の膜厚分布を均一とした上で洗浄が行われてSOI層の膜厚調整を行うことができ、該洗浄を行った後もSOI層の面内膜厚均一性を良好に維持できる。
またこのとき、前記SOI層の表面に形成する酸化膜の厚さを1.0nm以上とすることが好ましい。
このようにすれば、表面酸化膜の成長が十分であり成長速度が飽和に近く、表面酸化膜の膜厚分布をより均一にすることができる。
また、前記SOI層の膜厚調整を行った後の膜厚を20nm以下とすることができる。
本発明はこのようなSOI層の膜厚の貼り合わせSOIウェーハにおいて特に好適であり、SOI層の最終膜厚が20nm以下のFDSOIのような、SOI層の厚さが直接的にデバイスの閾値に影響するようなSOIウェーハにおいてもSOI層の膜厚分布をより均一にすることができる。
また、前記酸化膜及び前記SOI層のエッチングが可能な洗浄液として、アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液を用いることが好ましい。
本発明は、このようなアンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液を用いた洗浄、いわゆるSC1洗浄の前にオゾン水洗浄を行ってSOI層の表面に表面酸化膜を成長させることが好ましい。
このとき、前記アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液の温度を40℃以上60℃以下とすることが好ましい。
アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液による洗浄を、このような温度での洗浄とすれば、SOI層の取り代を少なくして制御が容易である。
また、前記アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液を用いた洗浄による前記SOI層のエッチングの取り代を0.3nm以下とすることが好ましい。
このような取り代であれば、SOI層の膜厚分布をより均一にすることができる。
以上のように、本発明の貼り合わせSOIウェーハの製造方法であれば、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行っても、オゾン洗浄により表面酸化膜を十分に成長させてから表面酸化膜及びSOI層のエッチングを伴う洗浄を行うことができるため、表面酸化膜の膜厚分布を均一とした上で洗浄が行われてSOI層の膜厚調整を行うことができ、該洗浄を行った後もSOI層の面内膜厚均一性を良好に維持できる。
本発明の貼り合わせSOIウェーハの製造方法の一例を示すフロー図である。 (a)は(b)のグラフ中の測定位置を示すウェーハ概略図であり、(b)は水素RTA処理後の貼り合わせSOIウェーハにおける酸化膜の厚さ分布(○)と、水素RTA処理後にオゾン水洗浄を行った貼り合わせSOIウェーハにおける酸化膜の厚さ分布(△)を示すグラフである。 フッ酸洗浄後に行ったオゾン水洗浄時間とSOI層上の表面酸化膜の厚さの相関関係を示すグラフである。 (a)は従来の水素RTA処理後に洗浄した貼り合わせSOIウェーハにおけるSOI層の膜厚分布を示した測定図であり、(b)は(a)の矢印の部分におけるSOI層の膜厚分布を示すグラフである。
上記のように、SOI層の表面酸化膜が部分的に薄くなった貼り合わせSOIウェーハに対して酸化膜及びSiのエッチングを伴う洗浄を行うと、ウェーハ面内の酸化膜が薄い箇所でエッチングが先行してしまうため、SOI層の膜厚が部分的に薄くなり、膜厚均一性が悪化する問題があった。本発明者が上記問題点について検討を行ったところ、以下のような知見が得られた。
イオン注入剥離法により貼り合わせSOIウェーハを作製して水素RTA処理を行った後の貼り合わせSOIウェーハの表面酸化膜を測定した結果を図2(b)中の丸プロットとして示した。なお、図2(a)は(b)のグラフ中の測定位置を示すウェーハ概略図である。その結果、RTA装置のウェーハハンドリングロボットが真空吸着のために裏面側のウェーハ中央部に接触する部分で表面酸化膜が薄くなっていることが分かった(図2(b)の丸プロット参照)。
そのため、本発明者は、貼り合わせSOIウェーハの水素RTA処理後にRCA洗浄等の酸化膜及びSiのエッチングを伴う洗浄を行う際に、その前段にオゾン洗浄を行い、ウェーハ面内の表面酸化膜の厚さばらつきを低減した後に表面酸化膜及びSiのエッチングを伴う洗浄を行うことによりSOI層の厚さばらつきを低減できることに想到した。
表面酸化膜は、その厚さが厚くなるほど成長速度が遅くなり飽和していく為、水素RTA後にオゾン洗浄を行うと、ロボットとの接触部と非接触部とで形成された表面酸化膜の表面酸化膜厚差が低減される(図2(b)の三角プロット参照)。これによってオゾン洗浄により表面酸化膜を十分に成長させてからRCA洗浄(SC1洗浄及びSC2洗浄)を施した場合、RCA洗浄後に形成されるSOI層の面内膜厚差が小さくなることが分かった。
水素RTA処理後のロボットハンド接触部による表面酸化膜の膜厚不均一性は真空チャックによる裏面接触に限らず、エッジクリップであってもウェーハとの接触部があれば外周の接触部近傍で発生する。
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものである。即ち、本発明は、ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してウェーハ内部にイオン注入層を形成する工程と、前記ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを絶縁膜を介して貼り合わせる工程と、前記イオン注入層で前記ボンドウェーハを剥離させることにより、前記ベースウェーハ上に前記絶縁膜とSOI層とを有する貼り合わせSOIウェーハを作製する工程と、該貼り合わせSOIウェーハに対し、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行うことによって前記SOI層の表面を平坦化する工程とを有する貼り合わせSOIウェーハの製造方法において、さらに、前記RTA処理を行った直後の前記貼り合わせSOIウェーハをオゾン水で洗浄することにより、前記SOI層の表面に酸化膜を形成する工程と、前記酸化膜及び前記SOI層のエッチングが可能な洗浄液を用いて前記貼り合わせSOIウェーハを洗浄することによって、前記SOI層の膜厚調整を行う工程とを有することを特徴とする貼り合わせSOIウェーハの製造方法である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明の貼り合わせSOIウェーハの製造方法の一例を示すフロー図である。以下、図1のフロー図に沿って本発明の貼り合わせSOIウェーハの製造方法について説明する。
本発明の貼り合わせSOIウェーハの製造方法では、まずボンドウェーハ及びベースウェーハを準備し、ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してウェーハ内部にイオン注入層を形成する(図1の工程S1)。
ボンドウェーハ及びベースウェーハとしては、特に限定されないが、例えば鏡面研磨されたシリコン単結晶ウェーハを好適に用いることができる。ただし、次の工程においてボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを絶縁膜を介して貼り合わせるため、ボンドウェーハ及びベースウェーハの少なくともいずれか一方は、表面に絶縁膜を形成したものを準備する。この絶縁膜を有するウェーハとしては、ボンドウェーハ及びベースウェーハのいずれか一方に、熱酸化によりウェーハ表面に酸化膜(絶縁膜)を形成したものを好適に用いることができる。ただし、絶縁膜は熱酸化膜に限定されず、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜やその他の絶縁膜であってもよい。
ボンドウェーハにおけるイオン注入層の形成は、ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入して、ウェーハ内部にイオン注入層を形成すればよく、公知の方法で行えばよい。このとき、ボンドウェーハの表面に絶縁膜を形成した場合は、ボンドウェーハの表面上の絶縁膜を通過してイオン注入が行われる。
次に、ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを絶縁膜を介して貼り合わせる(図1の工程S2)。
次に、イオン注入層でボンドウェーハを剥離させることにより、ベースウェーハ上に絶縁膜とSOI層とを有する貼り合わせSOIウェーハを作製する(図1の工程S3)。このボンドウェーハの剥離は、特に限定されないが、例えばAr等の不活性ガス雰囲気下での熱処理(剥離熱処理)によって行うことができる。なお、工程S2において、貼り合わせる面に予めプラズマ処理を施して貼り合わせることによって、室温で密着されたウェーハの結合強度を高め、工程S3において熱処理による剥離処理を行わずに(あるいは、剥離が発生しない程度の低温熱処理のみを行って)、機械的に剥離することもできる。このようにしてイオン注入層でボンドウェーハを剥離させることで、ベースウェーハ上に絶縁膜とSOI層を有する貼り合わせSOIウェーハが得られる。
次に、得られた貼り合わせSOIウェーハに対し、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行う(図1の工程S4)。この工程では、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理(水素RTA処理)を行うことによって、SOI層の表面を平坦化する。なお、RTA処理の前に、貼り合わせSOIウェーハの結合強度を高めるための結合熱処理(例えば、900~1,000℃、30分~2時間、酸化性雰囲気)を行うこともできる。
工程S4の水素RTA処理における水素ガス含有雰囲気は、例えば100%Hガス雰囲気や、HとArの混合ガス雰囲気とすればよい。また、水素RTA処理の最高温度は1,100℃以上、処理時間(最高温度の保持時間)は1~60秒程度とすることが好ましい。
本発明の貼り合わせSOIウェーハの製造方法では、工程S1~S4で貼り合わせSOIウェーハを作製した後、さらに、工程S4のRTA処理(水素RTA処理)を行った直後の貼り合わせSOIウェーハをオゾン水で洗浄する(図1の工程S5)。このオゾン水の洗浄により、SOI層の表面に酸化膜を形成する。
なお、水素RTA処理の「直後」とは、他の処理を行うことなくという意味である。特許文献3に記載されているように、SOIウェーハのSOI層表面をオゾン水で洗浄することは知られている。ただし、特許文献3に記載された技術は、本発明のように、水素RTA処理の直後で酸化膜及びSOI層のエッチングが可能な洗浄液による洗浄(SC1洗浄等)より前の洗浄に適用するものではない。
本発明の貼り合わせSOIウェーハの製造方法では、工程S5の後、酸化膜及びSOI層のエッチングが可能な洗浄液を用いて貼り合わせSOIウェーハを洗浄する(図1の工程S6)。酸化膜及びSOI層のエッチングが可能な洗浄液による洗浄によって、SOI層の膜厚調整を行う。
このとき、酸化膜及びSOI層のエッチングが可能な洗浄液として、アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液を用いることが好ましい。本発明は、このようなアンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液を用いた洗浄、いわゆるSC1洗浄の前にオゾン水洗浄を行ってSOI層の表面に表面酸化膜を成長させることが好ましい。
本発明であれば、アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液(SC1洗浄液)を用いて洗浄を行った場合も、洗浄後のSOI層の面内膜厚均一性を良好に維持することができる。酸化膜及びSOI層のエッチングが可能な洗浄液としては、アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液の他、例えばKOH、NaOH、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)などのアルカリ水溶液、バッファードフッ酸、混酸などを用いることもできる。また、SC1洗浄液等の酸化膜及びSOI層のエッチングが可能な洗浄液による洗浄の後、その他の洗浄液、例えば非エッチング性の洗浄液(例えばSC2(HClとHの混合水溶液))による洗浄と組み合わせて洗浄を行うことも可能である。
また、本発明者の検討によると、RCA洗浄におけるSiの取り代を少なくすることでSOI膜厚の不均一性の絶対値を低減することができる為、例えばSC1洗浄を低温や短時間にした上で、オゾン洗浄によるSOI膜厚均一性の改善効果と組み合わせることで更に効果が見込めることが分かった。
工程S6の洗浄において、アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液を用いる場合、その温度を40℃以上60℃以下とすることが好ましい。アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液による洗浄を、このような温度での洗浄とすれば、SOI層の取り代の制御が容易である。
また、このアンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液を用いた洗浄によるSOI層のエッチングの取り代を0.3nm以下とすることが好ましい。このような取り代であれば、SOI層の膜厚分布をより均一にすることができる。
また、工程S5のオゾン水洗浄工程においてSOI層の表面に形成する酸化膜の厚さを1.0nm以上とすることが好ましい。このような表面酸化膜の厚さであれば、より効果的に表面酸化膜における膜厚差が低減される。
図3には、フッ酸洗浄により自然酸化膜を除去した後のオゾン水洗浄時間とSOI層上の表面酸化膜の厚さの相関関係を示すグラフを示した。工程S5においてオゾン水を用いた場合、オゾン濃度12ppm、液温23℃であれば、1分で約1.1nm、2分で約1.2nm、3分で約1.3nmの酸化膜を形成できる(図3参照)。
また、本発明の貼り合わせSOIウェーハの製造方法においては、膜厚調整を行った後のSOI層の最終膜厚を20nm以下とすることができる。このような膜厚のSOI層は、工程S1のイオン注入層の形成の際のイオン注入層の深さや剥離後のSOI層表面に形成する犠牲酸化膜厚を調節することにより容易に調整することができる。
本発明はこのようなSOI層の膜厚の貼り合わせSOIウェーハにおいて特に好適であり、SOI層の膜厚が20nm以下のFDSOIのような、SOI層の厚さが直接的にデバイスの閾値に影響するようなSOIウェーハにおいてもSOI層の膜厚分布をより均一にすることができる。
また、上述の洗浄を行った後に、必要に応じて、バッチ炉(抵抗加熱式熱処理炉)を用いた犠牲酸化処理や、非酸化性雰囲気下の熱処理(例えば高温Arアニール処理)等を行ってもよく、これらは特に限定されず、公知の方法で行えばよい。
以上のように、本発明の貼り合わせSOIウェーハの製造方法であれば、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行っても、オゾン洗浄により表面酸化膜を十分に成長させてから表面酸化膜及びSOI層のエッチングを伴う洗浄を行うことができるため、表面酸化膜の膜厚分布を均一とした上で洗浄が行われ、該洗浄を行った後もSOI層の面内膜厚均一性を良好に維持できる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
直径300mmのシリコン単結晶から切り出したボンドウェーハを準備し、このボンドウェーハに膜厚25nmとなるように酸化膜(熱酸化膜)の成長を行い、その後水素イオンを注入した。次に、直径300mmのシリコン単結晶から切り出したベースウェーハを準備し、ボンドウェーハとの貼り合わせを行った。その後、貼り合わせたウェーハに剥離熱処理を行い、貼り合わせSOIウェーハを作製した。
このようにして、イオン注入剥離法により、SOI層膜厚/BOX層膜厚=12nm/25nmのSOIウェーハ(直径300mm)を作製した。その際、剥離後のSOIウェーハに水素RTA処理(1200℃、30秒)を行い、表面粗さを改善した。水素RTA処理の直後に、本発明の方法に従ってオゾン洗浄を行って、表面酸化膜厚を1.3nmとした後、RCA洗浄(SC1+SC2)を行い表面のパーティクル等を除去した。
RCAのSC1洗浄としては、液温80℃、3分の洗浄を行った。RCA洗浄前後のSOI層の膜厚をウェーハ面内41点で測定し、取り代の面内分布(差分面内Range:最大値と最小値の差)を比較した。
(実施例2)
まず、実施例1と同様に、イオン注入剥離法により、SOI層膜厚/BOX層膜厚=12nm/25nmのSOIウェーハ(直径300mm)を作製した。その際、剥離後のSOIウェーハに水素RTA処理(1200℃、30秒)を行い、表面粗さを改善した。その後、オゾン洗浄をRCA洗浄(SC1+SC2)の前段に組み合わせた洗浄を行い表面のパーティクル等を除去した。
RCAのSC1洗浄としては、液温50℃、3分の洗浄を行った。RCA洗浄前後のSOI層の膜厚をウェーハ面内41点で測定し、取り代の面内分布(差分面内Range:最大値と最小値の差)を比較した。
(比較例1)
まず、実施例1と同様に、イオン注入剥離法により、SOI層膜厚/BOX層膜厚=12nm/25nmのSOIウェーハ(直径300mm)を作製した。その際、剥離後のSOIウェーハに水素RTA処理(1200℃、30秒)を行い、表面粗さを改善した。その後、RCA洗浄(SC1洗浄及びSC2洗浄)を行い表面のパーティクル等を除去した。即ち、SC1洗浄の前にオゾン洗浄を行わなかった。
RCAのSC1洗浄としては、液温80℃、3分の洗浄を行った。RCA洗浄前後のSOI層の膜厚をウェーハ面内41点で測定し、取り代の面内分布(差分面内Range:最大値と最小値の差)を比較した。
実施例1、2、比較例1における上記の各処理の条件及び結果を表1にまとめた。
Figure 0007251419000001
表1に示されるように、水素RTA処理を行った直後の貼り合わせSOIウェーハをオゾン水で洗浄することでSOI層の表面に酸化膜を形成した場合、オゾン洗浄により表面酸化膜を十分に成長させてからRCA洗浄(SC1洗浄液が酸化膜及びSOI層のエッチングが可能な洗浄液である)を施すので、RCA洗浄後に形成されるSOI層の面内膜厚差が小さくなることがわかった。
また、実施例1と実施例2の比較から、RCA洗浄中のSC1洗浄を低温とすることで、SOI層のSi取り代が小さくなり、かつ、更にSOI層の面内均一性向上の効果が得られた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (6)

  1. ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してウェーハ内部にイオン注入層を形成する工程と、
    前記ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを絶縁膜を介して貼り合わせる工程と、
    前記イオン注入層で前記ボンドウェーハを剥離させることにより、前記ベースウェーハ上に前記絶縁膜とSOI層とを有する貼り合わせSOIウェーハを作製する工程と、
    該貼り合わせSOIウェーハに対し、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行うことによって前記SOI層の表面を平坦化する工程と
    を有する貼り合わせSOIウェーハの製造方法において、
    さらに、前記RTA処理を行った直後で、ロボットハンド接触部による表面酸化膜の膜厚不均一性を有する前記貼り合わせSOIウェーハをオゾン水で洗浄することにより、前記SOI層の表面に前記表面酸化膜を成長させる工程と
    前記表面酸化膜及び前記SOI層のエッチングが可能な洗浄液を用いて前記貼り合わせSOIウェーハを洗浄することによって、前記SOI層の膜厚調整を行う工程と
    を有することを特徴とする貼り合わせSOIウェーハの製造方法。
  2. 前記SOI層の表面に成長させる前記表面酸化膜の厚さを1.0nm以上とすることを特徴とする請求項1に記載の貼り合わせSOIウェーハの製造方法。
  3. 前記SOI層の膜厚調整を行った後の膜厚を20nm以下とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貼り合わせSOIウェーハの製造方法。
  4. 前記表面酸化膜及び前記SOI層のエッチングが可能な洗浄液として、アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液を用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の貼り合わせSOIウェーハの製造方法。
  5. 前記アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液の温度を40℃以上60℃以下とすることを特徴とする請求項4に記載の貼り合わせSOIウェーハの製造方法。
  6. 前記アンモニア水と過酸化水素水の混合水溶液を用いた洗浄による前記SOI層のエッチングの取り代を0.3nm以下とすることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の貼り合わせSOIウェーハの製造方法。
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