JP2021166267A - 貼り合わせsoiウェーハの製造方法 - Google Patents

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徹 石塚
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【課題】SOI層の面内膜厚均一性を良好に維持できる貼り合わせSOIウェーハの製造方法を提供する。【解決手段】貼り合わせSOIウェーハの製造方法は、水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してウェーハ内部にイオン注入層を形成する工程と、ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを絶縁膜を介して貼り合わせる工程と、イオン注入層でボンドウェーハを剥離させることにより貼り合わせSOIウェーハを作製する工程と、貼り合わせSOIウェーハに対し、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行う工程とを有する。RTA処理後の貼り合わせSOIウェーハを、ウェーハ搬送ロボットを用いてRTA処理炉から取り出す際、ウェーハ搬送ロボットのウェーハ保持部の温度を室温よりも高温に調整した状態で取り出す。【選択図】図1

Description

本発明は、貼り合わせSOIウェーハの製造方法に関する。
SOIウェーハの製造方法、特に先端集積回路の高性能化を可能とする薄膜SOIウェーハの製造方法として、イオン注入したウェーハを接合後に剥離してSOIウェーハを製造する方法(イオン注入剥離法:スマートカット法(登録商標)とも呼ばれる技術)が注目されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
このイオン注入剥離法は、以下のような方法である。まず、二枚のシリコンウェーハの内、少なくとも一方に絶縁膜を形成すると共に、一方のシリコンウェーハ(ボンドウェーハ)の上面から水素イオン又は希ガスイオン等のガスイオンを注入し、ボンドウェーハ内部に微小気泡層(封入層)を形成させる。その後、イオンを注入した方の面を、絶縁膜を介して他方のシリコンウェーハ(ベースウェーハ)と密着させる。その後、熱処理(剥離熱処理)を行って微小気泡層を剥離面(劈開面)としてボンドウェーハを薄膜状に剥離し、さらに熱処理(結合熱処理)を行って強固に結合してSOIウェーハとする。この段階では、剥離面がSOI層の表面となる。
イオン注入剥離法による貼り合わせSOIウェーハの作製において、剥離後にSOIウェーハの表面粗さ(SOI層の表面粗さ)を改善する為に、水素RTA処理(水素ガス含有雰囲気下での急速加熱・急速冷却熱処理)を行う場合がある。これは、SOI層表面の自然酸化膜が水素RTA処理中に還元されて消失し、むき出しになったSiの原子が移動することによる効果を利用するものである。
一方、水素RTA処理によりウェーハ表面の酸化膜が消失するために、RTA処理後の炉からの取り出し時においては、ウェーハの表面には自然酸化膜が成長しておらず、炉からの取り出し後の空気中の酸素との反応によって、自然酸化膜が形成される。
特開平5−211128号公報 特開2019−87617号公報 特開2015−177150号公報
水素RTA処理後の炉からの取り出し時においては、スループットを向上させるため、ウェーハ温度が室温まで低下するのを待たずにウェーハハンドリングロボットにて取り出し、クーリングステージに移される。この際、ウェーハの温度は下がり切っておらず、ウェーハを回収するロボットとの接触部、例えば裏面チャック方式のロボットの場合、ウェーハの中央部では、ロボットとの接触により、ウェーハ温度がロボットと接触しない非接触部よりも低くなる。
ウェーハに形成される自然酸化膜は、ウェーハ温度により成長速度が変化する。例えば、ウェーハ温度が低くなると成長速度が小さくなる。このため、ウェーハとウェーハハンドリングロボットとの接触部に形成される表面酸化膜は、非接触部よりも薄くなる。水素RTA処理の直後のウェーハは、パーティクル除去を目的としたRCA洗浄した後に、次工程の処理が行われる。
RCA洗浄とは、SC1溶液(水酸化アンモニウムと過酸化水素の水溶液)とSC2溶液(塩酸と過酸化水素の水溶液)を使用した洗浄方法として、シリコン単結晶ウェーハの洗浄に広く用いられている。SC1溶液は、ウェーハ表面のパーティクル除去性能が非常に優れており、Siと酸化膜のエッチングを伴う洗浄液である。一方、SC2溶液は、金属不純物除去の役割を担った洗浄液であり、Siと酸化膜はほとんどエッチングされない。
この際、表面酸化膜が部分的に薄くなったウェーハをRCA洗浄すると、図4(a)、(b)に示すように、ウェーハ面内の酸化膜が薄い箇所(図4(a)の例ではウェーハ中央部)ではSC1によるエッチングが先行してしまうため、SOI層の膜厚が部分的に薄くなり、膜厚均一性が悪化する問題があった。なお、図4(b)は、図4(a)中の矢印で示した方向のSOI層の膜厚を示したグラフである。SOI層の膜厚均一性が悪化すると、特に、SOI層の膜厚が20nm以下のFDSOI(Fully Depleted
Silicon−On−Insulator:完全空乏型SOI)のような、SOI層の厚さが直接的にデバイスの閾値に影響するようなSOIウェーハではデバイス歩留が低下するという問題があった。
なお、特許文献3には、RTA処理とその後の洗浄を行った後も薄膜の面内膜厚均一性を良好に維持できる、貼り合わせウェーハの製造方法を提供することを目的とした技術が開示されている。特許文献3に記載された技術は、RTA処理の最高温度から降温して熱処理炉から貼り合わせウェーハを取り出すまでの間に、熱処理炉内で薄膜の表面に保護膜を形成することにより、その課題を解決するものである。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、貼り合わせSOIウェーハの製造方法において、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行い、その後の洗浄を行った後もSOI層の面内膜厚均一性を良好に維持できる、貼り合わせSOIウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してウェーハ内部にイオン注入層を形成する工程と、前記ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを絶縁膜を介して貼り合わせる工程と、前記イオン注入層で前記ボンドウェーハを剥離させることにより、前記ベースウェーハ上に前記絶縁膜とSOI層とを有する貼り合わせSOIウェーハを作製する工程と、該貼り合わせSOIウェーハに対し、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行うことによって前記SOI層の表面を平坦化する工程とを有する貼り合わせSOIウェーハの製造方法において、前記RTA処理後の前記貼り合わせSOIウェーハを、ウェーハ搬送ロボットを用いてRTA処理炉から取り出す際、前記ウェーハ搬送ロボットの前記ウェーハ保持部の温度を室温よりも高温に調整した状態で前記貼り合わせSOIウェーハを取り出す貼り合わせSOIウェーハの製造方法を提供する。
このような貼り合わせSOIウェーハの製造方法によれば、ウェーハ搬送ロボットのウェーハ保持部の温度を室温より高温に調整した状態で貼り合わせSOIウェーハを取り出すことで、高温の貼り合わせSOIウェーハとウェーハ搬送ロボットのウェーハ保持部の温度差が小さくなるため、ウェーハとウェーハ保持部との接触部と非接触部のそれぞれに形成される表面酸化膜厚さのバラツキが小さくなり、水素ガス含有雰囲気下でのRTA処理に続けて洗浄を行った後の、SOI層の面内膜厚均一性を良好に維持できる。
このとき、前記ウェーハ保持部の温度を50℃以上400℃以下とすることができる。
これにより、SOI層の面内膜厚均一性をさらに良好に維持できる。
以上のように、本発明の貼り合わせSOIウェーハの製造方法によれば、ウェーハ搬送ロボットのウェーハ保持部の温度を室温より高温に調整した状態で貼り合わせSOIウェーハを取り出すことで、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行い、その後にRCA洗浄を行った後も、高温の貼り合わせSOIウェーハとウェーハ搬送ロボットのウェーハ保持部の温度差が小さくなるため、ウェーハとウェーハ保持部との接触部と非接触部のそれぞれに形成される表面酸化膜厚さのバラツキが小さくなり、水素ガス含有雰囲気下でのRTA処理に続けて洗浄を行った後の、SOI層の面内膜厚均一性を良好に維持できる。
本発明に係る貼り合わせSOIウェーハの製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明に係る貼り合わせSOIウェーハの製造方法で用いる熱処理装置の一例を模式的に示す、概略上面図である。 (a)は、本発明に係るSOIウェーハの製造方法により得られた貼り合わせSOIウェーハにおける、SOI層の膜厚分布を示した測定図である。(b)は、(a)の矢印で示した部分におけるSOI層の膜厚分布を示したグラフである。 (a)は、従来のSOIウェーハの製造方法により得られた貼り合わせSOIウェーハにおける、SOI層の膜厚分布を示した測定図である。(b)は、(a)の矢印で示した部分におけるSOI層の膜厚分布を示したグラフである。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してウェーハ内部にイオン注入層を形成する工程と、前記ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを絶縁膜を介して貼り合わせる工程と、前記イオン注入層で前記ボンドウェーハを剥離させることにより、前記ベースウェーハ上に前記絶縁膜とSOI層とを有する貼り合わせSOIウェーハを作製する工程と、該貼り合わせSOIウェーハに対し、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行うことによって前記SOI層の表面を平坦化する工程とを有する貼り合わせSOIウェーハの製造方法において、前記RTA処理後の前記貼り合わせSOIウェーハを、ウェーハ搬送ロボットを用いてRTA処理炉から取り出す際、前記ウェーハ搬送ロボットの前記ウェーハ保持部の温度を室温よりも高温に調整した状態で前記貼り合わせSOIウェーハを取り出す貼り合わせSOIウェーハの製造方法により、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行い、その後の洗浄を行った後もSOI層の面内膜厚均一性を良好に維持できることを見出し、本発明を完成した。
以下、図面を参照して説明する。
図2に、本発明に係る貼り合わせSOIウェーハの製造方法で用いることが可能な熱処理装置の一例を示す。
図2に示す熱処理装置1は、ウェーハWを熱処理するための熱処理チャンバー5と、熱処理後のウェーハWを冷却するための冷却チャンバー6、熱処理装置1内へのウェーハWの搬入、熱処理装置1外へのウェーハWの搬出を行うためのロード・アンロード用ポート7とを有している。また、熱処理チャンバー5と冷却チャンバー6の間には、開閉可能なゲートドア9を配置することができる。ロード・アンロード用ポート7には、ウェーハWの取り出し、収納ができるFOUP等の収納容器11を設置しても良い。ウェーハWを搬送するために用いるウェーハ搬送ロボット2は、ウェーハ保持部3及び温度調整機構4を具備している。ウェーハ搬送ロボット2のウェーハ保持部3は、一般的に、アルミナなどのセラミックスやアルミニウムやステンレス鋼などの金属製部材(フッ素樹脂、DLCなどによる表面コーティングあり)から構成されている。図2の例では、ウェーハ保持部3はウェーハ搬送ロボット2のアームの先に設けられ、ウェーハ保持部3に連結するように、ウェーハ保持部3の温度を室温より高い温度、特に、50℃以上400℃以下の温度に調整することのできる温度調整機構4を備えている。なお、熱処理装置1は、図示しない制御部によって制御されてもよい。
温度調整機構4は、ウェーハ保持部3の温度を室温より高い温度に調整することができれば、上記の例に限定されない。例えば、ウェーハ保持部3自体に温度調整機構4を備えても良いし、ウェーハ搬送ロボット2が待機している場所で、ウェーハ保持部3を外部から加熱して所定の温度に調整可能な温度調整機構4としても良い。
図2に示す熱処理装置1を用いて、例えば、この収容容器11からウェーハ搬送ロボット2によりウェーハWを熱処理チャンバー5へ搬送し、加熱部10で熱処理を行い、次いで熱処理が終了したウェーハWをウェーハ搬送ロボット2により冷却チャンバー6へ搬送し、冷却ステージ8で冷却し、最後に、冷却後のウェーハWをウェーハ搬送ロボット2により収容容器11へ搬送することで、ウェーハの熱処理及び冷却を完了することができる。
次に、本発明に係る貼り合わせSOIウェーハの製造方法について説明する。本発明に係る貼り合わせSOIウェーハの製造方法は、上述のように、例えば図2に記載の熱処理装置1を用いて行うことができる。
図1は、本発明に係る貼り合わせSOIウェーハの製造方法の一例を示すフロー図である。以下、図1のフロー図に沿って、本発明に係る貼り合わせSOIウェーハの製造方法について説明する。
本発明に係る貼り合わせSOIウェーハの製造方法では、まずボンドウェーハ及びベースウェーハを準備し、ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してウェーハ内部にイオン注入層を形成する(図1の工程S1)。
ボンドウェーハ及びベースウェーハとしては、特に限定されないが、例えば鏡面研磨されたシリコン単結晶ウェーハを好適に用いることができる。ただし、次の工程においてボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを絶縁膜を介して貼り合わせるため、ボンドウェーハ及びベースウェーハの少なくともいずれか一方は、表面に絶縁膜を形成したものを準備する。この絶縁膜を有するウェーハとしては、ボンドウェーハ及びベースウェーハのいずれか一方に、熱酸化によりウェーハ表面に酸化膜(絶縁膜)を形成したものを好適に用いることができる。ただし、絶縁膜は熱酸化膜に限定されず、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜やその他の絶縁膜であってもよい。
ボンドウェーハにおけるイオン注入層の形成は、ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入して、ウェーハ内部にイオン注入層を形成すればよく、公知の方法で行えばよい。このとき、ボンドウェーハの表面に絶縁膜を形成した場合は、ボンドウェーハの表面上の絶縁膜を通過してイオン注入が行われる。
次に、ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを、絶縁膜を介して貼り合わせる(図1の工程S2)。
次に、イオン注入層でボンドウェーハを剥離させることにより、ベースウェーハ上に絶縁膜とSOI層とを有する貼り合わせSOIウェーハを作製する(図1の工程S3)。このボンドウェーハの剥離は、特に限定されないが、例えばAr等の不活性ガス雰囲気下での熱処理(剥離熱処理)によって行うことができる。なお、工程S2において、貼り合わせる面に予めプラズマ処理を施して貼り合わせることによって、室温で密着されたウェーハの結合強度を高め、工程S3において熱処理による剥離処理を行わずに(あるいは、剥離が発生しない程度の低温熱処理のみを行って)、機械的に剥離することもできる。このようにしてイオン注入層でボンドウェーハを剥離させることで、ベースウェーハ上に絶縁膜とSOI層を有する貼り合わせSOIウェーハが得られる。
次に、得られた貼り合わせSOIウェーハに対し、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行う(図1の工程S4)。この工程では、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理(水素RTA処理)を行うことによって、SOI層の表面を平坦化する。なお、RTA処理の前に、貼り合わせSOIウェーハの結合強度を高めるための結合熱処理(例えば、900〜1,000℃、30分〜2時間、酸化性雰囲気)を行うこともできる。
工程S4の水素RTA処理における水素ガス含有雰囲気は、例えば100%Hガス雰囲気や、HとArの混合ガス雰囲気とすればよい。また、水素RTA処理の最高温度は1,100℃以上、処理時間(最高温度の保持時間)は1〜60秒程度とすることが好ましい。
次に、RTA処理後の貼り合わせSOIウェーハを、ウェーハ搬送ロボットを用いてRTA処理炉から取り出す。この際、ウェーハ搬送ロボットのウェーハ保持部の温度を室温よりも高温に調整した状態で、貼り合わせSOIウェーハを取り出す(図1の工程S5)。
工程S5で調整するウェーハ保持部の温度は、室温よりも高温であればよく、ウェーハ保持部がウェーハと接触する際のウェーハの温度と同一温度とすることが好ましい。ただし、接触時のウェーハの温度は熱処理条件によって異なるため、所定の熱処理条件毎に実験的に求めることが好ましいが、概ね、50℃以上400℃以下の範囲に設定しておくことによって、安定して十分な効果を得ることができる。
上述のように、ウェーハ搬送時の温度低下を抑制する効果を安定して十分に得るためには、50℃以上に調整することが好ましい。また、400℃以下とすれば、(自然)酸化膜の成長速度を適度な範囲に維持でき、安定的にSOI層の膜厚均一性を高くすることができる。さらに、ロボットアームのタイミングベルト等の部材の熱的な損傷による、ロボット故障等の恐れもより低減することができる。
以下、実施例を挙げて本発明について具体的に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
(実施例1)
直径300mmのシリコン単結晶から切り出したボンドウェーハを準備し、このボンドウェーハに膜厚25nmとなるように酸化膜(熱酸化膜)の成長を行い、その後水素イオンを注入した。次に、直径300mmのシリコン単結晶から切り出したベースウェーハを準備し、ボンドウェーハとの貼り合わせを行った。その後、貼り合わせたウェーハに剥離熱処理を行い、貼り合わせSOIウェーハを作製した。
このようにして、イオン注入剥離法により、SOI層膜厚/BOX層膜厚=12nm/25nmのSOIウェーハ(直径300mm)を作製した。剥離後のSOIウェーハに水素RTA処理(1200℃、30秒)を行い、表面粗さを改善した。この際、ウェーハ取り出し時のウェーハ搬送ロボットのウェーハ保持部の温度は50℃に調整した。
水素RTA処理の直後にRCA洗浄(SC1+SC2)を行い、表面のパーティクル等を除去した。RCA洗浄のSC1洗浄としては、液温80℃、3分の洗浄を行った。
(実施例2)
ウェーハ保持部の温度を200℃に調整した以外は、実施例1と同様にイオン注入剥離法によりSOIウェーハを作製し、RTA処理を行い、RCA洗浄を行った。
(実施例3)
ウェーハ保持部の温度を400℃に調整した以外は、実施例1と同様にイオン注入剥離法によりSOIウェーハを作製し、RTA処理を行い、RCA洗浄を行った。
(比較例1)
ウェーハ保持部の温度を室温(25℃)としたこと以外は、実施例1と同様にイオン注入剥離法によりSOIウェーハを作製し、RTA処理を行い、RCA洗浄を行った。
実施例1〜3、比較例1において、RCA洗浄前後のSOI層の膜厚をウェーハ面内41点で測定し、取り代の面内分布(差分面内Range:最大値と最小値の差)を比較した。
実施例1〜3、比較例1におけるウェーハ保持部の温度の条件及び結果を表1にまとめた。
Figure 2021166267
表1に示されるように、水素RTA処理を行った直後の貼り合わせSOIウェーハを、ウェーハ搬送ロボットを用いてRTA処理炉から取り出す際、ウェーハ搬送ロボットのウェーハ保持部の温度を室温よりも高温に調整した状態で貼り合わせSOIウェーハを取り出す場合、高温の貼り合わせSOIウェーハとウェーハ保持部の温度差が小さくなるため、ウェーハとウェーハ保持部との接触部と非接触部のそれぞれに形成される表面酸化膜厚さのバラツキが小さくなり、RCA洗浄によるSOI層の取り代の差分面内Rangeが小さくなることが分かった。これにより、RCA洗浄後に形成されるSOI層の面内膜厚差が小さくなることがわかった。
また、図3(a)に、実施例3で示したウェーハ搬送ロボットのウェーハ保持部の温度を400℃に調整した場合の、RCA洗浄後のウェーハ面内のSOI層の膜厚分布を示す。図3(b)は、図3(a)中の矢印で示した方向のSOI層の膜厚分布を示したグラフである。また、図4(a)に、比較例で示したウェーハ搬送ロボットのウェーハ保持部の温度を室温(25℃)とした場合のRCA洗浄後のウェーハ面内のSOI層の膜厚分布を示す。図4(b)は、図4(a)中の矢印で示した方向のSOI層の膜厚分布を示したグラフである。
図3(a)、(b)と図4(a)、(b)とを比較すると明らかなように、図4の比較例では、ウェーハ中央部のSOI層の膜厚が薄くなった部分が薄膜化しているのが見られるが、図3の実施例3では、ウェーハ面内のSOI層の膜厚分布が均一になっていることがわかる。これは、表1で示したように、RCA洗浄によるSOI層の取り代の差分面内Rangeが、比較例では0.30nmであったのに対し、例えば実施例3では0.05nm程度まで抑制されたことにより、結果としてSOI層の膜厚の均一性が大きく改善されたことがわかる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…熱処理装置、 2…ウェーハ搬送ロボット、 3…ウェーハ保持部、
4…温度調整機構、 5…熱処理チャンバー、 6…冷却チャンバー、
7…ロード・アンロード用ポート、 8…冷却ステージ、 9…ゲートドア、
10…加熱部、 11…収納容器。
W…ウェーハ。

Claims (2)

  1. ボンドウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入してウェーハ内部にイオン注入層を形成する工程と、
    前記ボンドウェーハのイオン注入した表面とベースウェーハの表面とを絶縁膜を介して貼り合わせる工程と、
    前記イオン注入層で前記ボンドウェーハを剥離させることにより、前記ベースウェーハ上に前記絶縁膜とSOI層とを有する貼り合わせSOIウェーハを作製する工程と、
    該貼り合わせSOIウェーハに対し、水素ガス含有雰囲気下でRTA処理を行うことによって前記SOI層の表面を平坦化する工程と
    を有する貼り合わせSOIウェーハの製造方法において、
    前記RTA処理後の前記貼り合わせSOIウェーハを、ウェーハ搬送ロボットを用いてRTA処理炉から取り出す際、前記ウェーハ搬送ロボットの前記ウェーハ保持部の温度を室温よりも高温に調整した状態で前記貼り合わせSOIウェーハを取り出すことを特徴とする貼り合わせSOIウェーハの製造方法。
  2. 前記ウェーハ保持部の温度を50℃以上400℃以下とすることを特徴とする請求項1に記載の貼り合わせSOIウェーハの製造方法。
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