JP2005005674A - 基板製造方法及び基板処理装置 - Google Patents

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寛 宮林
Takaharu Moriwaki
隆治 森脇
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Abstract

【課題】薄いSOI層を有するSOI基板の製造方法を適用する。
【解決手段】まず、厚いSOI層を有するSOI基板を準備する。その後、SOI層を1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位として目標膜厚になるまで薄化する。このような薄化は、SOI層の表面を1格子分又はそれ未満の所定厚さだけ酸化させる酸化工程S31と、酸化により形成された酸化シリコンを選択的に除去する除去工程S32とを含む単位薄化工程を繰り返すことにより行なう。
【選択図】図6

Description

本発明は、基板製造方法及び基板処理装置に係り、特に、精密に調整された膜厚のシリコン層を絶縁層上に有する基板の製造に好適な基板製造方法及び基板処理装置に関する。
絶縁層上にシリコン層を有する基板は、SOI(Silicon On Insulator)基板として知られている。SOI基板の製造方法としては、SIMOX(Separation by IMplantation of OXygen)法やはり合わせ法(結合法)などが知られている。
SIMOX法は、シリコン基板中の所定深さに酸素イオンを打ち込み、その後に高温アニールを実施することにより埋め込み酸化シリコン層を形成する技術である。
はり合わせ法は、分離層上に単結晶シリコン層を有し、その上に絶縁層を有する第1基板を第2基板にはり合わせてはり合わせ基板(結合基板)を作製し、その後、はり合わせ基板を分離層の部分で分割する方法である。ここで、分離層として多孔質シリコン層を形成し、その上に単結晶シリコン層をエピタキシャル成長させる方法は、ELTRAN法(ELTRANは登録商標)として知られている。一方、分離層としてイオン注入層を使用し、はり合わせ基板を熱処理により分割する方法は、Smart Cut法(Smart Cutは登録商標)として知られている。
ELTRAN(登録商標)法では、典型的には、はり合わせ基板(結合基板)の分割後にSOI層の表面に残存する多孔質シリコンを選択エッチングする。この選択エッチングの後において、SOI層の表面が荒れていることがある。特許文献1には、SOI基板を水素アニールすることにより、SOI層の表面を極めて平滑にする技術が開示されている。
最近になってSOI層の薄膜化が急速に進んでいる。SOI層の薄膜化に関連する技術が特許文献2に開示されている。特許文献2には、シリコン薄膜の製造において、絶縁性表面上に設けられたシリコン薄膜をウェット洗浄することにより、100nm以下の膜厚になるまで該シリコン薄膜の膜厚を減少させることが開示されている。また、特許文献2には、洗浄液としては、SC−1洗浄液(NHOH、H、H0の混合液)が好適であり、また、有機アルカリ系溶液や、フッ化水素酸及び硝酸の混合液の使用が可能であることが開示されている。
特開平5−218053号公報 特開2001−168308号公報
現在のところ、SOI基板におけるSOI層の膜厚均一性は十分に許容レベルにあると考えられる。しかしながら、今後は、基板間における膜厚均一性の許容レベルが±1nm程度になるものと考えられる。イオン注入を用いる方法では、イオン注入深さのばらつきにより基板間におけるSOI層の膜厚にばらつきが生じうる。エピタキシャル成長を用いる方法では、エピタキシャル成長によって形成される単結晶シリコン層の膜厚ばらつきがSOI層の膜厚ばらつきとなって現れうる。
基板間におけるSOI層の膜厚ばらつきを低減するために、研磨工程又はエッチング工程を採用することができる。しかしながら、研磨は機械加工であるため、例えば、目標膜厚に対して±1nm以内の高い精度で研磨を停止することは、現在のところ困難であると考えられる。また、SC−1洗浄液、有機アルカリ系溶液、又は、フッ化水素酸及び硝酸の混合液によるシリコンエッチング速度は、薬液温度や濃度に敏感であるため、シリコン薄膜の厚さを高い精度(例えば、±1nm)で制御するためには、それらの条件を極めて高い精度で制御する必要がある。
また、SOI層の薄膜化の側面においては、SOI層の膜厚が薄くなるほど貫通孔(ピンホール)等の欠陥が増大する可能性を考慮する必要がある。具体的には、SOI基板の製造工程では、例えば、SOI層となるべき層に機械的な応力が加わりうる分割工程及び/又は研磨工程などが採用されうる。これらの工程で生じうる応力は、SOI層となるべき層が薄くなるほど、欠陥を発生させ易くなる。
そこで、SOI層の薄膜化の要求に応えるために、欠陥が生じ得ない程度に十分に厚いSOI層を形成した後に、最終工程においてそのSOI層を所望の膜厚まで薄膜化する方法が有効であると考えられる。薄膜化の方法としては、研磨、犠牲酸化(熱酸化及び熱酸化膜のエッチング)、SC−1洗浄液によるエッチング等が考えられる。しかし、研磨においては、機械的ダメージによって欠陥が生じうる。犠牲酸化においては、例えば、熱酸化速度がシリコン層中にドーピングされている不純物の種類やドーピング量に依存するので酸化量(酸化される厚さ)にばらつきが生じ易いという問題や、ドーピング量が熱拡散によって変化するという問題がある。また、犠牲酸化及びSC−1洗浄液によるエッチングのいずれにおいても、SOI層の表面ラフネスが劣化しうる。
更に、多品種への対応を考慮する必要がある。SOI層の膜厚仕様値は、多くの場合、ユーザーであるデバイスメーカーによる用途別の要求に応じて決定される。そのため、多数の要求に対応するためには、要求膜厚に対して柔軟性が高いSOI製造プロセスを確立する必要がある。例えば、イオン注入を用いたSIMOXプロセスによってSOI層膜厚が10,20,30,40,50,60,70,80,90,100nmの10品種を製造するためには、それぞれに対応した10種類のイオン注入条件を含めたプロセス条件を確立し、これを管理しなければならない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、例えば、SOI層の厚さ制御を容易化すること、及び/又は、SOI層の欠陥要因を削減すること、及び/又は、高い表面平坦性を保証すること、及び/又は、要求されるSOI層の仕様に対する柔軟性を向上させることを目的とする。
本発明の第1の側面に係る基板製造方法は、絶縁層上にシリコン層を有する基板を準備する準備工程と、前記絶縁層上の前記シリコン層を所望厚さまで薄化する薄化工程とを含む。前記薄化工程では、前記シリコン層の表面を所定厚さだけ酸化させる酸化工程と、前記酸化工程により形成された酸化シリコンを選択的に除去する除去工程とを含む単位薄化工程を2回以上実施する。
本発明の第2の側面に係る基板製造方法は、絶縁層上にシリコン層を有する基板を準備する準備工程と、前記絶縁層上の前記シリコン層を所望厚さまで薄化する薄化工程とを含む。前記薄化工程では、前記シリコン層の表面を実質的に1格子分又はそれ未満の所定厚さだけ酸化させる酸化工程と前記酸化工程により形成された酸化シリコンを選択的に除去する除去工程とを含む単位薄化工程を、少なくとも1回実施する。
ここで、前記酸化工程では、前記シリコン層の表面に対して、例えば、オゾン含有ガス、オゾン含有水、過酸化水素水、硝酸のいずれかを提供することが好ましい。或いは、前記酸化工程では、前記シリコン層の表面が1格子分又はそれ未満の所定厚さだけ酸化されるように酸素量が調整された雰囲気中において前記シリコン層を酸化させてもよい。或いは、前記酸化工程では、酸素又はオゾンを含む雰囲気中に前記シリコン層をさらし、かつ、前記シリコン層の表面に紫外線を照射してもよい。
前記除去工程では、前記酸化工程により形成された酸化シリコンをフッ化水素(HF)含有溶液を使って除去することが好ましい。
また、前記除去工程では、前記酸化工程により形成された酸化シリコンを完全に除去することが望ましい。
更に、前記除去工程では、前記酸化工程により形成された酸化シリコンンを剥離する前に、前述の酸化工程で用いた薬液、ならびに気体を被処理基板上から完全に除去することが望ましい。
本発明の好適な実施の形態によれば、本発明の基板製造方法の1つの実施形式は、前記シリコン層を所望の厚さまで薄化するための必要な前記単位薄化工程の繰り返し回数を決定する決定工程を更に含みうる。この場合において、前記決定工程で決定された繰り返し回数に従って前記単位薄化工程が繰り返されうる。
或いは、本発明の基板製造方法の他の実施形式は、前記シリコン層の厚さを測定する測定工程と、前記測定工程における測定結果に基づいて、前記シリコン層を所望の厚さまで薄化するために必要な前記単位薄化工程の繰り返し回数を決定する決定工程とを更に含みうる。この場合において、前記決定工程で決定された繰り返し回数に従って前記単位薄化工程が繰り返されうる。ここで、前記測定工程は、例えば、前記単位薄化工程の1回目の実施に先立って実施されうる。
或いは、本発明の基板製造方法の他の実施形式は、前記シリコン層の厚さを測定する測定工程と、前記測定工程による測定結果に基づいて、前記シリコン層が所望の厚さであるか否かを判定する判定工程とを更に含みうる。この場合において、前記判定工程で前記シリコン層が所望の厚さであると判定されるまで、前記単位薄化工程が繰り返して実施されうる。
或いは、本発明の基板製造方法の他の実施形式は、前記単位薄化工程が所定回数だけ繰り返して実施された後に実施される工程として、前記シリコン層の厚さを測定する測定工程と、前記測定工程による測定結果に基づいて、前記シリコン層が所望の厚さであるか否かを判定する判定工程とを更に含みうる。この場合において、前記判定工程で前記シリコン層が所望の厚さであると判定されるまで、前記単位薄化工程が繰り返して実施されうる。
本発明の好適な実施の形態によれば、本発明の基板製造方法は、前記薄化工程の実施に先立って、前記シリコン層を還元性雰囲気中で熱処理する熱処理工程を更に含むことが好ましい。ここで、前記還元性雰囲気は、例えば、水素、又は、水素及び希ガスを含みうる。
本発明の好適な実施の形態によれば、前記準備工程は、多孔質シリコンを含む第1部材の上に形成されたシリコン層を絶縁層を介して第2部材に結合させて結合体を作製する工程と、前記結合体から前記第1部材を除去することにより絶縁層上にシリコン層を有する基板を作製する工程とを含みうる。或いは、前記前記準備工程は、絶縁層が形成されたシリコン部材にイオンを注入しその内部にイオン注入層を形成する工程と、前記シリコン部材を他の部材に結合させて結合体を作製する工程と、前記結合体を前記イオン注入層を境界として分割することにより絶縁層上にシリコン層を有する基板を作製する工程とを含みうる。或いは、前記準備工程では、絶縁層上にシリコン層を有する基板を、例えば市場から入手してもよい。
本発明の第3の側面に係る基板処理装置は、絶縁層上にシリコン層を有する基板を処理するために好適な基板処理装置に係り、該基板処理装置は、前記基板に酸化剤を供給して前記シリコン層の表面を酸化させる酸化剤供給機構と、酸化シリコンを選択的にエッチングするためのエッチング剤を前記基板に供給して、前記酸化剤の供給により前記シリコン層の表面に形成された酸化シリコンを選択的に除去するエッチング剤供給機構と、前記シリコン層の表面を酸化させて酸化シリコンを形成しその酸化シリコンを選択的に除去することにより前記シリコン層を薄化する単位薄化工程が繰り返して実施されるように、前記酸化剤供給機構及び前記エッチング剤供給機構を制御する制御部とを備える。
本発明の好適な実施の形態によれば、前記制御部は、前記シリコン層が所望の厚さまで薄化されるように前記単位薄化工程の繰り返しを制御するように構成されうる。
本発明の好適な実施の形態によれば、前記基板処理装置は、前記シリコン層の厚さを測定する測定器を更に備えることが好ましい。前記制御部は、前記測定器による測定結果に基づいて、前記シリコン層が所望の厚さまで薄化された時点で前記薄化工程の繰り返しを停止するように構成されうる。或いは、前記制御部は、前記測定器による測定結果に基づいて、前記シリコン層を所望の厚さまで薄化するために必要な前記薄化工程の繰り返し回数を決定するように構成されてもよい。
本発明によれば、例えば、SOI層の厚さ制御を容易化すること、及び/又は、SOI層の欠陥要因を削減すること、及び/又は、高い表面平坦性を保証すること、及び/又は、要求されるSOI層の仕様に対する柔軟性を向上させることができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明の好適な実施の形態としてのSOI基板の製造方法を概略的に示す図である。この製造方法では、まず、準備工程S10において、原始SOI基板を準備する。ここで、原始SOI基板とは、薄化工程S30の実施によってSOI層(シリコン層)の膜厚が調整される前のSOI基板として定義される。原始SOI基板は、種々の方法、例えば、ELTRAN(登録商標)法、Smart Cut(登録商標)法、SIMOX法等によって製造することができる。なお、SOI基板において埋め込み絶縁層を支持する支持体は、あらゆる形態を採りうる。支持体は、典型的には、シリコン基板等の基板であるが、例えば、プラスチックやガラス等の部材であってもよい。すなわち、SOI基板は、絶縁層上にシリコン層を有し、面方向に広がりを有する構造体として考えることができる。
次いで、熱処理工程S20において、原始SOI基板を水素、又は、水素及び希ガスの混合ガス、等の還元性雰囲気中で熱処理することによりSOI層の表面を平坦化する。
次いで、薄化工程S30において、原始SOI基板のSOI層を所望膜厚(目標膜厚)まで実質的に1格子分又はそれ未満の所定厚さ(1〜数原子層分の厚さ)を単位とする単位薄化工程を少なくとも1回実施して薄化する。ここで、単位薄化工程は、SOI基板のSOI層の表面の1格子分又はそれ未満の所定厚さを酸化させる酸化工程と、該酸化工程で形成された酸化シリコンを選択的に除去する除去工程とを含む。なお、薄化工程において、典型的にはSOI層が所望膜厚に調整されるまで単位薄化工程が複数回にわたって繰り返されるが、1回のみの単位薄化工程によってSOI層が所望膜厚に調整される場合には単位薄化工程は1回のみ実施される。また、1回の単位薄化工程における薄化量は、実質的にシリコンの1格子分の厚さであることが好ましいが、1格子分の厚さ未満の厚さに調整してもよい。
以下、原始SOI基板の準備工程(S10)、熱処理工程(S20)、薄化工程(S30)について順番に説明する。
まず、原始SOI基板の準備工程(S10)について説明する。原始SOI基板の準備、作製或いは製造の方法としては、前述のように、ELTRAN(登録商標)法、Smart Cut(登録商標)法、SIMOX法等を採用することができる。ここでは、ELTRAN(登録商標)法及びSmart Cut(登録商標)法を適用した例について説明する。
まず、図2を参照しながらELTRAN(登録商標)法による原始SOI基板の作製方法を例示的に説明する。
まず、図2(a)に示す工程では、P+単結晶シリコン基板(例えば、0.01〜0.02Ωcm)201を用意する。この基板201は、シード基板又はシードウエハと呼ばれることがある。この基板201に陽極化成により、その表面側に単層構造又は複数構造の多孔質シリコン層202(202a,202b)を形成する。陽極化成とは、基板をフッ化水素酸(HF)溶液中の一対の電極間に浸漬し、該基板に直流電流を流した際にマイナス電極側に面したシリコン表面で起こるシリコンのエッチング反応である。このエッチングは「蟻の巣」状の構造が形成されるように起こり、結果として多孔質構造が形成される。この陽極化成工程の際に、印加電流を変化させることにより多孔質構造を変化させることが可能である。例えば、化成反応の途中で電流を変化させることにより、構造(例えば、多孔度)が異なる多孔質シリコン層202aと202bを形成することができる。次に、多孔質シリコン202a表面にエピタキシャルシリコン層203を成長させ、次いでエピタキシャル層203の表層を酸化させてシリコン酸化層204を形成する。このようにして、多孔質シリコン層202の上に単結晶シリコン層203及び絶縁層204が形成された第1基板210が得られる。ここで、単結晶シリコン層203は、後にSOI層となる層である。
次に、第1基板210と第2基板205とを、それぞれ洗浄した後に、互いの表面同士を密着させて、結合基板(はり合わせ基板)を作製する。ここで、第2基板205は、ハンドル基板又はハンドルウエハと呼ばれことがあり、例えばシリコン基板が用いられる。結合基板の作製において、典型的には、第1基板210及び第2基板205を密着させた後に、結合面における結合強度を高めるために、900〜1100℃の温度で熱処理が施される。
次いで、図2(b)に示す工程では、結合基板からシード基板201を除去する。以上の工程により、シード基板201上に形成された単結晶シリコン層203及び絶縁層204がハンドル基板205上に移設される。ここで、結合基板からシード基板201を除去する方法としては、多孔質シリコン層202において結合基板を分割する方法が好適である。このような分割は、例えば、多孔質シリコン層202又はその付近に楔を挿入する方法や、多孔質シリコン層202又はその付近に流体を打ち込む方法などによって実現されうる。このような外力を多孔質シリコン層又はその付近に作用させることにより、図2(b)に模式的に示すように、第1多孔質シリコン層202aと第2多孔質シリコン層202bとの界面付近で劈開性分離が起こる。
分離或いは分割された第2基板205の表面には、典型的には多孔質シリコン層202a又はその一部が残っているので、これを選択的に除去する必要がある。残留多孔質シリコン層202aは、例えば、フッ化水素酸及び過酸化水素水を含む溶液などを用いてエッチングすることによって除去されうる。
以上の工程により、図2(c)に模式的に示すような原始SOI基板が得られる。原始SOI基板は、埋め込み絶縁層としての絶縁層204の上にSOI層としての単結晶シリコン層203を有する。なお、この状態では、SOI層の表面にラフネスがある。
次に、図3を参照しながらSmart Cut(登録商標)法による原始SOI基板の作製方法を例示的に説明する。
まず、図3(a)に示す工程において、表面に酸化膜304を有する単結晶シリコン基板301を用意し、基板301の表面を通して基板301中に水素イオン306を注入する。この際、イオンの加速エネルギーを適切に制御することにより、シリコン基板301の目標深さに微小気泡層(イオン注入層)302が形成される。このような工程において、元のシリコン基板301の表層部分は、単結晶シリコン層303となる。このようにして、微小気泡層302の上に単結晶シリコン層303及び絶縁層304を有する第1基板310が得られる。この方法では、単結晶シリコン層303が後にSOI層となる層である。
次に、図3(b)に示す工程において、第1基板310と第2基板305とを、それぞれ洗浄した後に、互いの表面同士を密着させて、結合基板(はり合わせ基板)を作製する。第2基板305は、ハンドル基板又はハンドルウエハと呼ばれることがあり、例えばシリコン基板が用いられる。
次いで、結合基板を450〜550℃の範囲の温度で熱処理することにより、微小気泡層302で劈開性分離を起こさせる。これにより、第2基板305側は、図3(c)に模式的に示すようなSOI構造となる。ただし、この状態では、表面に微小気泡層302の痕跡がラフネスとして残存している。
以上のように例示的に説明した製造方法によって得られる原始SOI基板は、その表面に比較的大きなラフネスを有する。このラフネスが存在すると、例えば数10nm程度の薄いSOI層を、多孔質シリコン層上への単結晶シリコン層の形成段階又は微小気泡層(イオン注入層)の形成段階で決定する場合に、次のような問題を生じさせうる。
この問題を図4及び図5を参照しながら説明する。ELTRAN(登録商標)法においてもSmart Cut(登録商標)法においても、数10nm又はそれ未満の膜厚のSOI層がSOI層の表面ラフネスの大きさ(深さ)と同程度になってくると、ラフネス自体が孔等の膜欠陥を引き起こしうる。図4は、絶縁層402上のSOI層403の厚さが十分に厚い場合(例えば、100nm以上)において、SOI基板を還元性雰囲気中で熱処理することによってSOI層403を欠陥なく平坦化することができることを模式的に示している。
図5は、絶縁層412上のSOI層413のラフネスが図4に示す例と同程度であるがSOI層413の膜厚が非常に薄い場合(例えば、数10nm)において、SOI基板を還元性雰囲気中で熱処理することによって孔(ピット)が発生しうることを模式的に示している。なお、図5では、孔が発生する領域が矢印で示されている。矢印で示す領域は、SOI層が厚い場合(例えば、100nm以上)には欠陥が生じないが、SOI層が薄い場合(例えば、数10nm)には欠陥が生じうる領域である。還元性雰囲気下で熱処理を実施すると、SOI層413が局所的に薄い領域(矢印を付した領域)において、シリコン(413)とシリコン酸化膜(412)とが、
Si+SiO2→2SiO↑
の反応で消失し、孔(ピット)が発生しうる。
そこで、本発明者等は、SOI層の薄膜化の1つの解決策として、目標膜厚よりも厚いSOI層を有する原始SOI基板を作製し(S10)、該原始SOI基板を還元性雰囲気中で熱処理し(S20)、その後、該原始SOI基板のSOI層を目標膜厚になるまで薄化すること(S30)、を見出した。ここで、SOI層の薄化に先立って原始SOI基板を還元性雰囲気中で熱処理することは、必ずしも必須の工程とは言えないものの、このような熱処理を通してSOI層の表面を平坦化することにより、高い平坦性を有するSOI層を有する最終SOI基板を得ることができる。これは、後述の薄化工程S30によれば、薄化前におけるSOI層の表面平坦性がほぼ完全に維持された状態でSOI層が薄化されるからである。
ここで、原始SOI基板の作製工程(S10)で形成するSOI層の厚さは、熱処理工程(S20)及び薄化工程(S30)において前述のような孔等の欠陥が生じないように十分に厚い厚さとして、例えば、原始SOI基板における表面ラフネスの振幅(ピーク/バレー)よりも十分に厚い厚さとして決定されうる。なお、原始SOI基板の準備工程(S10)で形成するSOI層の厚さを厚くすることは、薄化工程(S30)において薄化すべき量を増大させるので、該準備工程(S10)で形成するSOI層の厚さは、孔等の欠陥が生じない範囲において薄くすべきである。
還元性雰囲気中における原始SOI基板の熱処理(S20)は、続く1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位とする薄化工程(S30)との組み合わせにおいて優れた効果を提供する。1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位とする薄化工程は、原始SOI基板の表面の平坦性が忠実に維持されながら進行する。原始SOI基板の表面の平坦性が悪い場合には、薄化工程(S30)においてその悪い平坦性がそのまま維持され、ある程度薄化が進んだ段階でSOI層に孔等の欠陥が生じうる。一方、熱処理により表面平坦性が高められた原始SOI基板を薄化する場合には、その高い表面平坦性がそのまま維持されながらSOI層の薄化が進行し、薄化工程における欠陥の誘発が最小化されうる。
熱処理(S20)における還元性雰囲気としては、例えば、a)水素100%、b)水素と希ガスの混合ガス、などが好適である。熱処理(S20)の温度は、約900℃以上であることが好ましく、この範囲においてSOI層の平坦化が起こる。還元性雰囲気下で平坦化されたシリコン表面は、原子層レベルでの平滑性が得られる。
最終SOI層の目標膜厚を20nmとする場合、熱処理工程(S20)を施すべき原始SOI基板のSOI層を20nm以上の厚さにすることが好ましく、30nm以上の厚さにすることが更に好ましい。
図6は、還元性雰囲気中での熱処理工程(S20)の実施前における原始SOI基板のSOI層(シリコン層)の膜厚に対して、熱処理工程(S20)の実施後の膜欠陥(孔)密度を表わしたグラフである。このグラフによると、熱処理工程(S20)の実施前のSOI層の膜厚が30nmを下回ると、急激に熱処理工程後の欠陥が増加し、更に膜厚が20nmを下回ると許容値を越える。したがって、原始SOI基板のSOI層の膜厚を30nm以上とすることに高い優位性を見出すことができる。ただし、熱処理後におけるSOI層中の孔密度は、熱処理前の原始SOI基板の表面ラフネスに対する高い依存性を示すので、プロセス安定性を考慮すると、原始SOI基板のSOI層を40nm厚以上とすることを考慮すべきであるかもしれない。しかしながら、原始SOI基板のSOI層が50nm厚以上になると、極薄(例えば、20nm又はそれ以下)の最終SOI層を得るための薄化工程(S30)における負担が大きくなるので、量産性の観点においては好ましくない。
次に、薄化工程(S30)について説明する。この薄化工程では、熱処理が実施されて表面が平坦化された原始SOI基板のSOI層を所定厚さ(例えば、1〜数原子層分の厚さ)を単位として薄化する。所定厚さを単位とする薄化は、SOI層を1格子分又はそれ未満の所定厚さだけ薄化する単位薄化工程を、SOI層が所望膜厚になるまで繰り返して実施することにより達成されうる。
図7は、薄化工程(S30)の詳細を示す図である。薄化工程(S30)では、SOI層の表面の1格子分又はそれ未満の所定厚さ分のシリコンを酸化させる酸化工程(S31)と、該酸化工程によって形成された酸化シリコンを選択的に除去(エッチング)する除去工程(S32)とを含む単位薄化工程を、SOI層が所望膜厚になるまで(S33でYes)、繰り返して実施する。
ここで、目標膜厚のSOI層を得ることを保証する方法としては、薄化工程の開始前において、又は、薄化工程の実施中において、SOI層の膜厚を測定し、その測定値と目標膜厚との差分及び1回の単位薄化工程の実施による膜厚減少分に基づいて単位薄化工程の繰り返し(例えば、必要な全繰返し数、残りの繰返し数、又は、繰り返しの終了)を制御する方法が好適である。
ここで、1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位とする薄化工程の比較例として、犠牲酸化(熱酸化及びそれに続く熱酸化シリコンのエッチング)、又は、フッ硝酸若しくはアルカリによって熱処理後のSOI基板のSOI層を1回で薄化する例を考える。このような方法では、還元性雰囲気中での熱処理(S20)により一旦平坦化されたSOI基板の表面のラフネスが再び増大しうる。
一例を挙げると、還元性雰囲気中で熱処理を実施した後のSOI層の表面ラフネスを原子間力顕微鏡(AFM)で測定すると、1μm×1μmの測定領域におけるrms値は0.09nm程度である。これを80℃のアンモニア/過酸化水素水/水の混合液(いわゆるSC−1液)で洗浄すると、約0.4nm/分のレートでシリコン膜がエッチングされる(ただし、アンモニア濃度に依存する)。10分間の洗浄により約4nmエッチングされたSOI層の表面ラフネスを測定すると、1μm×1μm領域におけるrms値が0.15nm程度にまで劣化する。この値は、研磨して得られる表面性と殆ど同なじであり、現在のところ問題になるレベルではないものの、還元性雰囲気下での熱処理によって得られる平坦性に比べて相当に悪いと言える。
一方、図7に示すような1格子分又はそれ未満の所定厚さ分のシリコンの酸化とそれによって形成される酸化シリコンの除去を1つのサイクル(1つの単位薄化工程)として該サイクルを繰り返す方法によれば、薄化開始前のSOI層の表面平坦性がほぼ完全に維持される。すなわち、前述の比較例と比較して説明すると、1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位とする薄化工程によれば、薄化開始前のrms値が0.09nmである場合において、薄化後のrms値は0.09〜0.10nmであり、殆ど平坦性の劣化が認められない。
1〜数原子層の範囲内の所定厚さの酸化(S31)を実現する方法としては、例えば、SOI基板(又はその表面)を酸化性の液体(液体酸化剤)に浸漬する方法、SOI基板(又はその表面)を酸化性の液体の蒸気(気体酸化剤)に曝す方法が好適である。SOI基板を液体に浸漬する方法は、室温で実施されることが好ましい。加温された酸化性液体を用いると、SOI層が酸化される厚さが不特定になってしまう可能性があるので好ましくない。酸素を含む雰囲気中における熱酸化では、1格子分又はそれ未満の所定厚さの酸化を制御するのは到底不可能であり、単位薄化工程には適用できない。酸化性の液体(液体酸化剤)としては、オゾン水のような中性の液体、過酸化水素水のような弱酸性液体、硝酸、塩酸、硫酸などの強酸性液体などが好適である。また、強酸性の液体に関しては、室温におけるその蒸気でも1格子分又はそれ未満の所定厚さの酸化が可能である。また、1格子分又はそれ未満の所定厚さの酸化は、SOI層の表面の1格子分又はそれ未満の所定厚さだけが酸化されるように供給酸素量が調整された雰囲気中において該SOI層を酸化させることによっても実現されうる。また、1格子分又はそれ未満の所定厚さの酸化は、酸素又はオゾン(気体酸化剤)を含む雰囲気中にSOI層をさらし、かつ、SOI層の表面に紫外線を照射することによっても実現されうる。
酸化膜の選択除去(S32)の方法としては、フッ化水素酸(HF)溶液を使ったエッチングが好適であるが、その他、プラズマエッチングやリアクティブイオンエッチングを適用することもできる。
酸化工程S31でSOI層の表面に形成された酸化膜をHF溶液でエッチングする際は、酸化膜を完全に除去することが好ましい。これは、酸化膜の一部がエッチングされずに残っていると、SOI層の表面粗さが増加してしまうためである。とりわけ、単位薄化工程を繰り返す方法では、単位薄化工程の繰り返しに伴ってSOI層の表面粗さが増加してしまう。
更に、酸化工程S31でSOI層の表面に形成された酸化膜をHF溶液でエッチングする際、酸化工程S31で使用された酸化剤(例えば、液体酸化剤、気体酸化剤)を被処理SOI基板上から完全に除去することが好ましい。これは、被処理SOI基板上に、酸化工程S31で用いた酸化剤とHF溶液とが共存すること、また、それらの混合比が被処理SOI基板表面において不均一になることにより、被処理SOI基板の面内均一性が劣化してしまうためである。単位薄化工程を繰り返す方法では、単位薄化工程の繰り返しに伴ってSOI層の表面粗さが増加してしまう。
とりわけ、被処理SOI基板のサイズが300ミリ以上の大きさとなると、酸化膜の残りや酸化剤の残りによる面内均一性の劣化が顕著になるので、各サイクルにおいて、酸化膜のエッチングに先立って酸化剤を完全に除去するとともに、その後のエッチングによって酸化膜を完全に除去すべきである。
単結晶シリコンの(100)面の格子間隔は0.543nmであり、原子層間の距離は0.543/4=約0.135nmである。実際に、1格子分の厚さを単位とするように調整された薄化工程(S30)を実施しながらSOI層の厚さをエリプソメーターで測定したところ、1回の単位薄化工程で膜厚が0.60nmだけ減少することが確認された。この例では、実質的に4原子層すなわち1格子分の厚さを単位とする酸化及びエッチングの制御が極めて正確かつ再現性よく起こっていることが分かる。つまり、実質的に1格子分の厚さを単位とする薄化によれば、薄化量は、温度、薬液濃度などのパラメータに依存しない。
以上のような実質的に1格子分を単位とするSOI層の薄化は、目標膜厚のSOI層を得るために極めて有用である。上記の例によれば、SOI層の膜厚を0.60nm単位で極めて高精度に調整することができる。また、1格子分未満の厚さを単位とする薄化によれば、薄化の単位が更に小さいので更に高い精度でSOI層厚を制御することができる。
次に、上記の極薄膜SOI基板の製造方法の例及びその製造方法に好適な装置について説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態としての極薄膜SOI基板の製造方法を示す図である。ここでは、55±1nm厚のSOI層を有するSOI基板を製造する例を説明する。
まず、準備工程S71では、原始SOI基板を準備する。原始SOI基板は、図1のS10として説明した工程で形成された原始SOI基板(還元性雰囲気中での熱処理が施されていないもの)であってもよいが、図1のS10及びS20として説明した工程で形成された原始SOI基板(還元性雰囲気中での熱処理が施されたもの)であることが好ましい。
ELTRAN(登録商標)法、Smart Cut(登録商標)法、SIMOX法等に従って製造される原始SOI基板は、エピタキシャル成長工程又はイオン注入工程におけるプロセスばらつきにより、基板間で±5nm程度のSOI層の膜厚ばらつきを有しうる。
ここで説明する例では、最終的(すなわち、薄化後)に55nm(±1nm)厚のSOI層を得ることを目的とするので、原始SOI基板の準備工程(S71)では、SOI層厚がプロセスばらつきによってばらついた場合においても54nm未満とならないように、SOI層厚の目標値を決定すべきである。例えば、プロセスばらつきが±5nmであると仮定すると、準備すべき原始SOI基板のSOI層の目標膜厚を59nm以上にすべきである。この場合、製造される原始SOI基板のSOI層の厚さは、最も薄い場合で54nmになる。
なお、この例は、本発明のより深い理解を提供するための1つの適用例に過ぎない。本発明において、原始SOI基板のSOI層厚及び薄化工程後のSOI層厚は、任意に決定することができる。例えば、100nm厚程度のSOI層を有する原始SOI基板を準備し、そのSOI層を55nm厚まで薄化してもよいし、55nm厚程度のSOI層を有する原始SOI基板を準備し、そのSOI層を20nm厚まで薄化してもよい。
次いで、膜厚測定工程S72では、SOI層の厚さを測定する。この測定は、例えば、光学干渉式の膜厚計を用いて非破壊・非接触で実施することができる。
次いで、判定工程S73では、膜厚測定工程S72で得られた測定値と判定基準値(この例では、55+1=56nm)とを比較する。比較の結果、測定値が判定基準値以上である場合は、単位薄化工程S74を少なくとも1回実施する必要があることを意味するので、処理を単位薄化工程S74に進める。一方、測定値が基準値未満である場合は、既にSOI層が最終目標膜厚の許容範囲(ここでは、55±1nm)に入っていることを示しているので、この段階で処理を終了する。
なお、判定工程S73は、人間によって実施されてもよいし、予め基準値が設定された判定装置によって自動で実施されてもよい。
単位薄化工程S74は、SOI層を1格子分又はそれ未満の所定厚さだけ薄化する工程であって、図7を参照して説明した1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位とする酸化工程S31及び酸化シリコンの除去工程S32を含む。図9は、単位薄化工程S74の実施に好適な枚葉式処理装置(枚葉式膜厚調整装置)の構成を概略的に示す図である。個々の原始SOI基板のSOI層を個別に調整するためには、枚葉式の処理装置が好適である。なお、バッチ式の処理装置を使用することも可能であるが、この場合は、例えば、複数枚の原始SOI基板のSOI層厚を測定し、これらの原始SOI基板を測定結果に基づいてグループ分けし、グループごとに処理する必要がある。
以下、図9に示す枚葉式処理装置800の構成及びそれを使用した単位薄化工程について説明する。処理装置800は、SOI基板Wを保持するホルダー(ウエハチャック)850とそれを回転させる回転機構840を備えており、SOI基板Wを回転させることができる。更に、処理装置800は、ホルダー850上に保持されたSOI基板Wに対してオゾン水、フッ化水素酸溶液、純水をそれぞれ提供する第1、第2、第3ノズル811、821、831を備えている。第1ノズル811にはオゾン水供給装置810が接続され、第2ノズル821にはフッ化水素酸供給装置820が接続され、第3ノズル830には純水供給装置830が接続されている。回転機構840及び供給装置810、820、830は、制御装置860によって制御される。制御装置860は、予め設定されたプログラム(処理レシピ)に従って回転機構840及び供給装置810、820、830を動作させることにより単位薄化工程S74の実行を制御する。
ホルダー850上には、例えば不図示の搬送機構によってSOI基板Wが置かれる。ホルダー850上にSOI基板Wが置かれると、回転機構840は、制御装置860からの指令に従ってSOI基板Wを矢印Aで示す方向に回転させる。回転速度は、典型的には、800-1000rpm程度である。
まず、SOI層の表面の単位層を酸化させる工程(単位層酸化工程S31)を実施するために、制御装置860による制御の下、オゾン水供給装置810から第1ノズル811を通してSOI基板Wの表面にオゾン水を供給する。オゾン水のオゾン濃度は、例えば10ppmであることが好ましく、オゾン水の供給時間は、例えば20秒程度であることが好ましい。この処理によりSOI基板Wの表面の1格子分又はそれ未満の所定厚さ分のシリコンが酸化されて酸化シリコン層となる。設定された供給時間が経過した後、制御装置860による制御の下、オゾン水供給装置810はオゾン水の供給を停止する。
次いで、オゾン水によって形成された酸化シリコン層を除去(エッチング)する工程(酸化シリコン層除去工程S32)を実施するために、制御装置860による制御の下、フッ化水素酸供給装置820は、第2ノズル821を通してSOI基板Wの表面にフッ化水素酸溶液を供給する。フッ化水素の濃度は、例えば1.5%であることが好ましく、フッ化水素酸溶液の供給時間は、例えば15秒程度であることが好ましい。この処理により、SOI基板Wの表面の酸化シリコン層がエッチングされる。つまり、1格子分又はそれ未満の所定厚さ分のシリコンの酸化及びそれによって形成された酸化シリコンのエッチングを通して、SOI層が1格子分又はそれ未満の所定厚さだけ薄化される。設定された供給時間が経過した後、制御装置860による制御の下、フッ化水素酸供給装置820はフッ化水素酸溶液の供給を停止する。
次いで、SOI基板W上の薬液を除去するために、制御装置860による制御の下、純水供給装置830は、第3ノズル831を通してSOI基板Wに純水を供給する。その後、制御装置860による制御の下、純水供給装置830は純水の供給を停止し、回転機構840はSOI基板Wの回転速度を1200rpm程度に上昇させてSOI基板をスピン乾燥させる。
上記の手順では、フッ化水素酸でSOI基板を処理した後に、これを水洗し乾燥させるが、異物付着防止等の目的で親水性の表面を得るために、SOI器基板を再度オゾン水で処理した後にこれを水洗し乾燥させてもよい。
また、上記の判定工程S73で用いられる判定基準値を適宜変更することにより、上記以外の種々の膜厚を有するSOI層を得ることができる。例えば、判定工程S73における判定基準値を51nmとすれば50±1nm厚のSOI層を得ることができるし、該判定基準値を6nmとすれば5±1nm厚のSOI層を得ることができる。
図10は、本発明の第2の実施形態としての極薄膜SOI基板の製造方法を示す図である。ここでも、55±1nm厚のSOI層を有するSOI基板を製造する例を説明する。
まず、準備工程S91では、第1の実施の形態における準備工程S71と同様に、54nm上のSOI層を有する原子SOI基板を準備する。
次いで、膜厚測定工程S92では、SOI層の厚さtを測定する。この測定は、例えば、光学干渉式の膜厚計を用いて非破壊・非接触で実施することができる。
次いで、繰り返し数の計算工程S93では、測定工程S72で得られた測定値と予め設定されたSOI層の最終目標膜厚(薄化工程の後に得るべきSOI層の目標膜厚であり、この例では55nm)とに基づいて、単位薄化工程の繰り返し回数(実施回数)Nを算出する。ここでは、1回の単位薄化工程の実施によりSOI層の厚さが0.60nm(1格子分の厚さ)だけ減少するように単位薄化工程が調整されている。したがって、繰り返し回数Nは、(1)式によって計算することができる。
N=(t−55)/0.6 ・・・(1)
なお、(1)式において”55”(nm)は、最終目標膜厚である。最終目標膜厚を任意に設定する場合は、最終目標膜厚tfinalとすると、繰り返し回数Nは、(2)によって計算することができる。
N=(t−tfinal)/0.6 ・・・(2)
次いで、薄化工程S94において、単位薄化工程をN回にわたって繰り返して実施することにより、SOI層を最終目標膜厚(この例では55±1nm)まで薄化することができる。
この実施の形態においても、単位薄化工程の繰り返しにおいて、図9に示されるような処理装置800を使用することができる。この場合において、オゾン水による1格子分の厚さの酸化及びフッ化水素酸溶液による酸化シリコンのエッチングからなる処理を1サイクル(単位薄化工程)として、このサイクルをN回繰り返して実施した後に、最後に、水洗及び乾燥工程を実施することが効率的である。
単位薄化工程の繰り返す回数Nの算定は、必ずしも(1)式又は(2)式で厳密に規定されるものではなく、外乱要因を考慮した補正項を(1)式又は(2)式に付加することができる。また、数式によることなく、予め実験的に求められたテーブル(単位薄化工程の繰り返す回数Nと薄化量との関係を記述したテーブル)に従っても良い。
更には、上記第1と第2の実施形態における方法を組み合わせることも有効である。例えば、第2の実施形態において、t=61nmのSOI層を最終目標膜厚まで薄化するための単位薄化工程の繰り返し回数Nは、(1)式に従えば10回である。しかし、繰り返し回数Nが大きくなると、最終的に得られるSOI層の膜厚が最終目標膜厚からずれる可能性がある。この原因は、1回当たりの単位薄化工程による薄化量を一定値(例えば0.6nm)として見積もっていることによる誤差の累積による可能性がある。そこで、単位薄化工程をM(M<N)回繰り返した後に、第1の実施形態の手順を実施することで、より精度の高い膜厚調整が実現される。この場合、当初から実施形態1の手順によって膜厚調整を実施する場合と比べて、膜厚測定工程の回数を減少することができるという利点を有する。
次に、図11を参照しながら本発明の実施に好適なもう1つの枚葉式処理装置(枚葉式膜厚調整装置)について説明する。なお、図9及び図11において、共通する構成要素には共通の符号が付されている。ここでは、図9における構成要素と共通する構成要素については、説明を省略し又は簡略化する。
この処理装置1000は、SOI層の膜厚を測定する測定装置が組み込まれている。測定装置は、待避可能な膜厚センサヘッド871及び膜厚センサ本体870を有し、ヘッド871は光ファイバ872を介して本体870に接続されている。ヘッド871は、不図示の駆動機構によって回転駆動される回転軸874に対して支持アーム874を介して連結されている。
膜厚センサ本体870は、光源を内蔵しており、該光源から出た光が光ファイバ872を通してセンサヘッド871に導光されSOI基板Wに照射される。SOI基板Wからの反射光は、再びセンサヘッド871及び光ファイバ872を通して膜厚センサ本体870に戻る。SOI基板Wから戻ってくる光には、シリコン薄膜(SOI層)による干渉信号が含まれており、膜厚センサ本体870は、この干渉信号をSOI層の膜厚に換算する。
センサヘッド871は、膜厚測定時には、図11に模式的に示すように、SOI基板Wの表面近傍に配置される。また、センサヘッド871は、SOI基板Wの搬送時や薄化工程の実施時(酸化、エッチング、水洗、乾燥時)は、待避位置に待避させられる。センサヘッド871の移動は、この実施の形態では、不図示の駆動機構により回転軸874を回転させることによりなされる。しかしながら、センサヘッド871は、例えば、上下方向又は水平方向に直線駆動されてもよい。
SOI基板Wの搬送時や薄化工程の実施時(酸化、エッチング、水洗、乾燥時)にセンサヘッド871を待避させることにより、SOI基板Wの搬送時におけるSOI基板Wとセンサヘッド871との接触や、酸化やエッチングの際に薬液がセンサヘッド971に付着することを防止することができる。
膜厚測定装置(膜厚センサ本体870)で得られた膜厚測定値は、制御装置860に送られる。制御装置860には、例えば、図8のS72〜S74、又は、図10のS92〜S94に示す処理を自動で実行するための制御シーケンス(典型的には、制御プログラム)が組み込まれている。すなわち、制御装置860は、SOI層の厚さ測定結果に基づいて薄化工程を制御する装置、或いは、SOI層の厚さ測定結果に基づいて単位薄化工程の繰り返しを制御する装置として構成されている。また、制御装置860は、SOI層の最終目標膜厚などの情報を取り込むユニット(例えば、外部装置から通信線を介して情報を受信するユニット、操作パネル等)を備えている。
制御装置860は、典型的には、CPU、メモリ(RAM、ハードディスク装置等)、入出力装置(キーボード、マウス、ディスプレイ、ネットワークインターフェース等)等を備えるコンピュータに図8のS72〜S74、又は、図10のS92〜S94に示す処理を制御するための制御プログラムを組み込むことにより構成されうる。
制御装置860及び膜厚センサ本体870は、回転機構840、供給装置810、820、830等を収容する筐体900に組み込まれてもよいし、筐体900から離れた位置に配置され通信ケーブルで筐体900内の各機構に接続されてもよい。
[実施例1]
この実施例は、本発明に係る1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位とする薄化工程と他の方法とを比較した結果を提供する。図12は、本発明に従って薄化工程を実施した場合(図中において”本発明”)、熱酸化後に酸化膜エッチングを実施した場合(図中において”熱酸化/酸化膜エッチング後”)、SC−1によるエッチングを実施した場合(図中において”SC−1エッチング後”)について、薄化後に得られるSOI基板の表面のrms値(1μm□、2μm□、5μm□、10μm□、20μm□)を比較した図である。
本発明に従った1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位とする薄化工程によれば、薄膜によるマイクロラフネスの劣化が極めて小さいことが分かる。
[実施例2]
この実施例は、本発明に従った1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位とする薄化工程の実施前及び後におけるSOI層の膜厚分布を提供する。
図13は、本発明に従ってSOI層を1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位として40nm薄化する前及び後におけるSOI層の膜厚分布をSOI基板の面内17点(Position=1〜17)について測定した結果を示している。本発明に従った薄化工程によれば、薄化後においてもSOI基板の面内における膜厚ばらつきが極めて小さく維持されていることが分かる。
[実施例3]
この実施例は、本発明をELTRAN(登録商標)法に適用した例を提供する。
まず、ELTRAN(登録商標)法に従って図2(c)に模式的に示すような原始SOI基板を作製した(S10)。この原始SOI基板は、SOI層203を45nm厚、埋め込み酸化膜204を50nm厚とすることを目標として作製した。この原始SOI基板の表面ラフネスは、AFMによる1μm×1μm領域測定の結果、rms値で10.5nmであった。
次いで、この原始SOI基板に対して100%水素雰囲気中で1050℃、1時間の熱処理(すなわち、平坦化)を実施した(S20)。平坦化後のSOI層の表面ラフネスは、AFMによる1μm×1μm領域測定の結果、0.09nmにまで改善していることが確認された。また、平坦化後のSOI層の膜厚は、エリプソメーターによる測定で44nmであった。
次いで、平坦化後の原始SOI基板を図9に示す枚葉式処理装置800にセットし、500rpmで回転させながら10ppmのオゾン水を10秒間提供(1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位とする酸化工程)し、続いて、1.0%のフッ化水素酸溶液を10秒間提供(酸化シリコン層の除去工程)するサイクル(単位薄化工程)を40サイクルにわたって連続して行なった(S30)。その結果、SOI層の膜厚は20nmになり、rms値は、AFMによる1μm×1μm領域測定の結果、0.09nmのままであった。また、SOI基板全体の膜厚分布のレンジ(最大値−最小値)の変化はなかった。
次いで、薄化後のSOI基板を濃フッ化水素酸溶液に15分間浸し、欠陥を拡大させた上で顕微鏡観察する方法で欠陥密度を測定したところ、SOI層に形成された穴として確認される欠陥の密度は0.05個/cm2であり、極めて低欠陥密度で、且つ表面平坦性の良いSOI基板であることが確認された。
[実施例4]
この実施例は、本発明をSmart Cut(登録商標)法に適用した例を提供する。
まず、Smart Cut(登録商標)法に従って図3(c)に模式的に示すような原始SOI基板を作製した(S10)。この原始SOI基板は、SOI層303を145nm厚、埋め込み酸化膜304を200nm厚とすることを目標として作製した。この原始SOI基板の表面ラフネスは、AFMによる1μm×1μm領域測定の結果、rms値で15.0nmであった。
次いで、この原始SOI基板のSOI層を20nm厚にするために、第1段階の処理として、熱酸化及びそれによって生じる熱酸化シリコン膜のエッチング(いわゆる犠牲酸化法)を行ない、SOI層を50nmにした。この犠牲酸化法によるエッチング後の表面ラフネスは13.5nmであった。この原始SOI基板に対して80%アルゴン+20%水素の混合ガス中で1000℃、3時間の熱処理(すなわち、平坦化)を行なった(S20)。その結果、平坦性は、rms値で0.10nmまで改善した。また、平坦化後のSOI層の膜厚は50nmであり、変化が認められなかった。
次いで、平坦化後の原始SOI基板を図9に示す枚葉式処理装置800にセットし、500rpmで回転させながら5%の硝酸溶液を7秒間提供(1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位とする酸化工程)、続いて、純水を7秒間提供し、続いて、1.0%のフッ化水素酸溶液を10秒間提供(酸化シリコン層の除去工程)するサイクル(単位薄化工程)を50サイクルにわたって連続して行なった(S30)。その結果、SOI層の膜厚は20nmになり、rms値は0.11nmと良好なものであった。
次いで、薄化後のSOI基板を濃フッ化水素酸溶液に15分間浸し、欠陥を拡大させた上で顕微鏡観察する方法で欠陥密度を測定したところ、SOI層に形成された孔として確認される欠陥の密度は0.07個/cm2であり、極めて低欠陥密度で、且つ表面平坦性の良いSOI基板であることが確認された。
[実施例5]
この実施例は、本発明をELTRAN(登録商標)法に適用した例を提供する。
まず、ELTRAN(登録商標)法に従って図2(c)に模式的に示すような300ミリ径の原始SOI基板を1枚準備した(S10)。次いで、この原子SOI基板に対して、実施例3と同様の条件で、水素雰囲気で熱処理を実施した(S20)。
熱処理後のSOI基板について、SOI層の膜厚を市販の光学干渉式膜厚計を使って測定した。SOI基板の中心を原点として、X軸上30点測定を実施したところ、平均膜厚は67.2nmであった。
次いで、図9に示す枚葉式処理装置800として市販の枚葉式ウェット洗浄装置を使ってSOI基板のSOI層を薄化した(S30)。
薄化工程では、図9に示す枚葉式処理装置800を500rpmで回転させながら10ppmのオゾン水を40秒間提供(1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位とする酸化工程)し、続いて、0.7%のフッ化水素酸溶液を15秒間提供(酸化シリコン層の除去工程)するサイクル(単位薄化工程)を96サイクルにわたって連続して行なった(S30)。その結果、SOI層の膜厚は21.7nmとなった。また、SOI基板全体の膜厚分布のレンジ(最大値−最小値)は、薄化工程前と比べ1.2nm増加した。
[実施例6]
この実施例は、本発明をELTRAN(登録商標)法に適用した例を提供する。
まず、ELTRAN(登録商標)法に従って図2(c)に模式的に示すような300ミリ径の原始SOI基板を1枚準備した(S10)。次いで、この原子SOI基板に対して、実施例3と同様の条件で、水素雰囲気で熱処理を実施した(S20)。
熱処理後のSOI基板について、SOI層の膜厚を市販の光学干渉式膜厚計を使って測定した。SOI基板の中心を原点として、X軸上30点測定を実施したところ、平均膜厚は60.5nmであった。
次いで、図9に示す枚葉式処理装置800として市販の枚葉式ウェット洗浄装置を使ってSOI基板のSOI層を薄化した(S30)。
薄化工程における単位薄化工程では、図9に示す枚葉式処理装置800を250rpmで回転させながら12ppmのオゾン水を60秒間提供(1格子分又はそれ未満の所定厚さを単位とする酸化工程)し、続いて、純水を40秒間供給して被処理SOI基板上のオゾン水を完全に除去する。そして、0.7%のフッ化水素酸溶液を50秒間提供(酸化シリコン層の除去工程)し、オゾン水処理によって形成された被処理SOI基板表面のシリコン酸化膜を完全に除去する。そして、純水を40秒供給して被処理SOI基板上のフッ化水素酸溶液を完全に除去する。
このようなサイクル(単位薄化工程)を64サイクルにわたって連続して行なった(S30)。その結果、SOI層の膜厚は32.7nmとなった。また、SOI基板全体の膜厚分布のレンジ(最大値−最小値)は、薄化工程前と比べ3nm減少し、実施例5においてみられたSOI層薄化工程によるレンジ増加すなわち被処理SOI基板のSOI層面内膜厚均一性の劣化はみられなかった。
[実施例7]
この実施例は、本発明をELTRAN(登録商標)法に適用した例を提供する。
まず、ELTRAN(登録商標)法に従って図2(c)に模式的に示すような原始SOI基板を225枚準備した(S10)。
次いで、図9に示す枚葉式処理装置800として市販の枚葉式ウェット洗浄装置を使って図8に示す手順に従って225枚の原始SOI基板のSOI層を薄化した(S30)。ここで、SOI層の膜厚測定には、市販の光学干渉式膜厚計を使用した。
薄化工程における処理条件は、図9に示す枚葉式処理装置800の説明において述べた例を採用した。薄化工程において使用する薬液は、前記枚葉式ウェット洗浄装置に付属の機構を使って通常の手順で調合した。薬液の温度制御はしなかったが、概ね室温(23℃)程度に維持されていた。
図14は、上記の薄化の前後におけるSOI層の膜厚の測定結果を示す図である。この実施例において、SOI層のウエハ間膜厚ばらつきは、11.5nmから1.8nmに減少し、55±1nmの高い膜厚均一性を有する225枚のSOI基板が得られた。ここで、各SOI基板の面内に厚均一性の劣化量(原始SOI基板に対する劣化量)は、平均で0.1nm未満であり、面内均一性の劣化は極めて少なかった。
以上述べたように、市販の枚葉式ウェット洗浄装置を用いて、特段の濃度・温度制御を実施することなく、高い膜厚均一性を有するSOI層が得られることが確認された。
[実施例8]
この実施例は、本発明をELTRAN(登録商標)法に適用した例を提供する。この実施例では、図15に示す手順に従ってSOI基板を製造した。
まず、工程S1301(S10に相当)において、ELTRAN(登録商標)法に従って図2(c)に模式的に示すような原始SOI基板を準備した。ここで、原始SOI基板のサイズを8インチ、SOI層の膜厚を約60nmとした。
次いで、工程S1302において、図9に示す枚葉式処理装置800として市販の枚葉式ウェットエッチング装置を使って原始SOI基板に対して単位薄化工程を91回繰り返して実施した。ここで、枚葉式処理装置1000に複数枚の原始SOI基板を収容したカセットをセットし、予め設定したプログラムに従って自動運転で複数の原始SOI基板のSOI層を連続的に薄化した。なお、この連続的な処理では、カセットからの原始SOI基板の取り出し・搬送、薄化、カセットへの薄化後のSOI基板の格納を複数枚のSOI基板について繰り返した。SOI基板の移動には、自動搬送機構が使用された。
オゾン水のオゾン濃度は10ppm、1回当たりのオゾン水の提供時間は10秒とした。フッ化水素酸溶液としては、濃度0.7%の希フッ化水素酸を使用し、1回当たりのフッ化水素酸容器の提供時間は8秒とした。単位薄化工程中のSOI基板の回転速度は500rpmとした。SOI基板の温度、薬液の温度については、特段の温度制御は行なわず、室温に維持した。91回の単位薄化工程の実施後に、SOI基板を純水でリンスし、次いで該SOI基板を高速回転(1500rpm)させて乾燥させた。
このようにして、カセットに収納された全ての原始SOI基板に対して91回の単位薄化工程を実施した。
次いで、工程S1303において、カセットを膜厚測定装置に移動させて、各SOI基板のSOI層厚を測定した。この膜厚測定では、ウエハ搬送機構を備えた自動式のエリプソメーターを用いた。エリプソメーターに複数のカセットをセットし、予め設定したプログラムにより、自動運転で搬送機構によりカセットからSOI基板を1枚ずつ取り出して測定した。測定は、各SOI基板の面内の17点で実施した。測定が終了したSOI基板をカセットに戻した後に次のSOI基板をカセットから取り出して測定を行なった。
カセットに収納された全てのSOI基板の膜厚測定が終了した後、工程S1304において、測定結果をコンピュータで処理し、各SOI基板の((最大値+最小値)/2)を算出し、これを判定対象膜厚とした。また、判定基準値を21nmとした。この実施例では、判定対象膜厚が判定基準値以上のものをNG、判定基準値未満のものをOKと判定した。
なお、各SOI基板の面内における測定点数、判定対象膜厚の決定方法、判定基準値等については、製造するSOI基板の仕様に応じて適宜変更されうる。
例えば、判定対象膜厚は、面内の複数点で測定された膜厚の平均値としてもよい。
この実施例では、工程S1304において、カセットに収容された全てのSOI基板について個別に膜厚判定を実施した後、該カセットを枚葉式自動移載装置に移動させ、OKと判定されたSOI基板(以下、OKウエハ)を1枚ずつ自動移載機構によりカセットから取り出し、別のカセット(以下、OKカセットに収納した。
全てのOKウエハを「OKカセット」に移載した後、NGと判定されたSOI基板のみが残った元のカセットを枚葉式ウェットエッチング装置に移動させ、最終調整用の単位薄化工程S1305を実施した。最終調整用の単位薄化工程S1305では、単位薄化工程を1回のみ実施して膜厚測定工程S1303に移動される点で、91回繰り返して単位薄化工程を実施する連続的な単位薄化工程S1302と異なる。その他の処理条件や処理手順については、最終調整用の単位薄化工程S1305は、連続的な単位薄化工程S1302と同様に実施される。
以後、各SOI基板は、判定工程S1304でOKウエハと判定されるまで、すなわち、SOI層厚が21nm未満になるまで、単位薄化工程が繰り返される。
このようにして、全てのSOI基板が「OKカセット」に収納されると、複数枚の原始SOI基板に対する薄化工程が完了する。
上記の手順で薄化を実施した38枚のSOI基板の面内各49点の膜厚を測定した。総測定点数1862点について、平均膜厚20.1nm、最大値21.0nm、最小値19.1nm、標準偏差0.3nmを得た。
また、上記の手順を実施したSOI層の表面ラフネスを原子間力顕微鏡で測定したところ、平均二乗ラフネス(Rms)は、0.11nm(1μm□)、0.11nm(2μm□)、0.14nm(10μm□)であった(かっこ内は原子間力顕微鏡のスキャンエリア)。
また、上記の手順を実施した3枚のSOI基板のSOI層全面の欠陥密度をHF欠陥評価法で評価したところ、HF欠陥密度は0.23〜0.30/cm2であった。
このように、本発明の実施により、膜厚均一性、表面ラフネス、欠陥密度の優れた極薄膜SOI基板を作製することができた。
また、この実施例の製造工程は、55nm以下の膜厚範囲であれば、軽微な変更で任意の膜厚仕様値に対して±1nm範囲の精度を有するSOI層を製造することが可能な工程である。すなわち、連続的な単位薄化工程S1302における繰り返し回数と膜厚判定工程S1303における判定基準値の設定値を変更するのみで、原始SOI基板の製造工程における工程条件を何ら変更することなく、55nm以下の任意の膜厚のSOI層を有するSOI基板を製造することができる。
本発明の好適な実施の形態としてのSOI基板の製造方法を概略的に示す図である。 ELTRAN(登録商標)法による原始SOI基板の作製方法を示す図である。 Smart Cut(登録商標)法による原始SOI基板の作製方法を示す図である。 絶縁層上のSOI層の厚さが十分に厚い場合における熱処理の前後の状態を模式的に示す図である。 絶縁層上のSOI層の厚さが薄い場合における熱処理の前後の状態を模式的に示す図である。 還元性雰囲気中での熱処理工程の実施前における原始SOI基板のSOI層(シリコン層)の膜厚に対して、熱処理工程の実施後の膜欠陥(孔)密度を表わしたグラフである。 薄化工程の詳細を示す図である。 本発明の第1の実施形態としての極薄膜SOI基板の製造方法を示す図である。 単位薄化工程の実施に好適な枚葉式処理装置の構成を概略的に示す図である。 本発明の第2の実施形態としての極薄膜SOI基板の製造方法を示す図である。 単位薄化工程の実施に好適な枚葉式処理装置の構成を概略的に示す図である。 本発明に従って原子層単位の薄化工程を実施した場合、熱酸化後に酸化膜エッチングを実施した場合、SC−1によるエッチングを実施した場合について、薄化後に得られるSOI基板の表面のrms値を比較した図である。 本発明に従ってSOI層を原子層単位で40nm薄化する前及び後におけるSOI層の膜厚分布をSOI基板の面内17点について測定した結果を示している。 薄化の前後におけるSOI層の膜厚の測定結果を示す図である。 極薄膜SOI基板の製造方法を示す図である。

Claims (22)

  1. 基板製造方法であって、
    絶縁層上にシリコン層を有する基板を準備する準備工程と、
    前記絶縁層上の前記シリコン層を所望厚さまで薄化する薄化工程とを含み、
    前記薄化工程では、
    前記シリコン層の表面を所定厚さだけ酸化させる酸化工程と、
    前記酸化工程により形成された酸化シリコンを選択的に除去する除去工程と、
    を含む単位薄化工程を2回以上実施することを特徴とする基板製造方法。
  2. 基板製造方法であって、
    絶縁層上にシリコン層を有する基板を準備する準備工程と、
    前記絶縁層上の前記シリコン層を所望厚さまで薄化する薄化工程とを含み、
    前記薄化工程では、
    前記シリコン層の表面を実質的に1格子分又はそれ未満の所定厚さだけ酸化させる酸化工程と、
    前記酸化工程により形成された酸化シリコンを選択的に除去する除去工程と、
    を含む単位薄化工程を少なくとも1回実施することを特徴とする基板製造方法。
  3. 前記酸化工程では、前記シリコン層の表面にオゾン含有ガス、オゾン含有水、過酸化水素水、硝酸のいずれかを提供することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板製造方法。
  4. 前記酸化工程では、前記シリコン層の表面が1格子分又はそれ未満の所定厚さだけ酸化されるように酸素量が調整された雰囲気中において前記シリコン層を酸化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板製造方法。
  5. 前記酸化工程では、酸素又はオゾンを含む雰囲気中に前記シリコン層をさらし、かつ、前記シリコン層の表面に紫外線を照射することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板製造方法。
  6. 前記除去工程では、前記酸化工程により形成された酸化シリコンをフッ化水素含有溶液を使って除去することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  7. 前記除去工程では、前記酸化工程により形成された酸化シリコンを完全に除去することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  8. 前記除去工程の実施に先立って、前記酸化工程で使用された酸化剤を前記酸化シリコン上から完全に除去することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  9. 前記シリコン層を所望の厚さまで薄化するための必要な前記単位薄化工程の繰り返し回数を決定する決定工程を更に含み、前記決定工程で決定された繰り返し回数に従って前記単位薄化工程を繰り返すことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  10. 前記シリコン層の厚さを測定する測定工程と、
    前記測定工程における測定結果に基づいて、前記シリコン層を所望の厚さまで薄化するために必要な前記単位薄化工程の繰り返し回数を決定する決定工程と、
    を更に含み、
    前記決定工程で決定された繰り返し回数に従って前記単位薄化工程を繰り返すことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  11. 前記測定工程を前記単位薄化工程の1回目の実施に先立って実施することを特徴とする請求項10に記載の基板製造方法。
  12. 前記シリコン層の厚さを測定する測定工程と、
    前記測定工程による測定結果に基づいて、前記シリコン層が所望の厚さであるか否かを判定する判定工程と、
    を更に含み、前記判定工程で前記シリコン層が所望の厚さであると判定されるまで、前記単位薄化工程を繰り返して実施することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  13. 前記単位薄化工程が所定回数だけ繰り返して実施された後に実施される工程として、
    前記シリコン層の厚さを測定する測定工程と、
    前記測定工程による測定結果に基づいて、前記シリコン層が所望の厚さであるか否かを判定する判定工程と、
    を更に含み、前記判定工程で前記シリコン層が所望の厚さであると判定されるまで、前記単位薄化工程を繰り返して実施することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  14. 前記薄化工程の実施に先立って、前記シリコン層を還元性雰囲気中で熱処理する熱処理工程を更に含むことを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  15. 前記還元性雰囲気は、水素を含むことを特徴とする請求項14に記載の基板製造方法。
  16. 前記還元性雰囲気は、水素及び希ガスを含むことを特徴とする請求項14に記載の基板製造方法。
  17. 前記準備工程は、
    多孔質シリコンを含む第1部材の上に形成されたシリコン層を絶縁層を介して第2部材に結合させて結合体を作製する工程と、
    前記結合体から前記第1部材を除去することにより絶縁層上にシリコン層を有する基板を作製する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  18. 前記準備工程は、
    絶縁層が形成されたシリコン部材にイオンを注入しその内部にイオン注入層を形成する工程と、
    前記シリコン部材を他の部材に結合させて結合体を作製する工程と、
    前記結合体を前記イオン注入層を境界として分割することにより絶縁層上にシリコン層を有する基板を作製する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  19. 絶縁層上にシリコン層を有する基板を処理するために好適な基板処理装置であって、
    前記基板に酸化剤を供給して前記シリコン層の表面を酸化させる酸化剤供給機構と、
    酸化シリコンを選択的にエッチングするためのエッチング剤を前記基板に供給して、前記酸化剤の供給により前記シリコン層の表面に形成された酸化シリコンを選択的に除去するエッチング剤供給機構と、
    前記シリコン層の表面を酸化させて酸化シリコンを形成しその酸化シリコンを選択的に除去することにより前記シリコン層を薄化する単位薄化工程が繰り返して実施されるように、前記酸化剤供給機構及び前記エッチング剤供給機構を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  20. 前記制御部は、前記シリコン層が所望の厚さまで薄化されるように前記単位薄化工程の繰り返しを制御するように構成されていることを特徴とする請求項19に記載の基板処理装置。
  21. 前記シリコン層の厚さを測定する測定器を更に備え、
    前記制御部は、前記測定器による測定結果に基づいて、前記シリコン層が所望の厚さまで薄化された時点で前記薄化工程の繰り返しを停止するように構成されていることを特徴とする請求項19に記載の基板処理装置。
  22. 前記シリコン層の厚さを測定する測定器を更に備え、
    前記制御部は、前記測定器による測定結果に基づいて、前記シリコン層を所望の厚さまで薄化するために必要な前記薄化工程の繰り返し回数を決定するように構成されていることを特徴とする請求項19に記載の基板処理装置。
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