JP2011201212A - 熱転写用インクリボン及び画像形成物の製造方法 - Google Patents

熱転写用インクリボン及び画像形成物の製造方法 Download PDF

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JP2011201212A JP2010072236A JP2010072236A JP2011201212A JP 2011201212 A JP2011201212 A JP 2011201212A JP 2010072236 A JP2010072236 A JP 2010072236A JP 2010072236 A JP2010072236 A JP 2010072236A JP 2011201212 A JP2011201212 A JP 2011201212A
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Abstract

【課題】ポリオレフィン基材に対しても優れた接着性を有し、画像形成物の画線部の耐水性及び非画線部の撥水性に優れ、かつ、高い意匠性を長期間維持できる転写層を有する熱転写用インクリボン及び当該熱転写用インクリボンを用いた画像形成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】基材の一面側に、転写性を有する転写層110が設けられた熱転写用インクリボン1であって、転写層は、基材側60から、視覚効果発現層90及び接着層100を含み、接着層は、少なくともポリオレフィン樹脂を含み、かつ、接着層の融点Mが70〜115℃であることを特徴とする、熱転写用インクリボン。(i)前記熱転写用インクリボンを準備する工程、(ii)被転写体を準備する工程、(iii)被転写体の一面側に、熱転写用インクリボンの転写層を熱転写し、画像パターンを形成する工程、を含むことを特徴とする、画像形成物の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱転写用インクリボン及び当該熱転写用インクリボンを用いた画像形成物の製造方法に関する。
ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン基材からなる柔軟なフィルムは、安価で、無極性で電気的に安定であり、そして撥水性に優れるため、食料品包装材、日用品包装材、パウチ材及び飲料容器のラベル等の軽包装材用途で広く使用されている。
従来、顔料及び染料等の色材を熱溶融性のワックスや樹脂等のバインダーに分散させた色材層を含み転写性を有する転写層を、基材に担持させた熱転写インクリボンを用いて、サーマルヘッド等の加熱デバイスにより画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙又はプラスチックシート等の被転写体上に色材層を含む転写層を転写する熱転写方式が知られている。
しかし、上記ポリオレフィン基材は電気的に安定であるため、上記熱転写方式による転写層の転写が困難、すなわち、ポリオレフィン基材上への転写層の接着が困難という問題がある。
ポリオレフィン基材上への転写層の接着性を向上させる方法として、被転写体であるポリオレフィン基材表面をコロナ処理してポリオレフィン基材表面に親水性を付与し、接着性を向上させる方法がある。
しかし、上記包装材上に形成される画像には、耐擦過性及び耐水性が要求される。
コロナ処理したポリオレフィン基材は親水性を帯びるため、ポリオレフィン基材上に転写した転写層(画線部ともいう。)の耐水性が不十分となってしまう問題があった。
耐水性が不十分であると、包装材表面が結露して包装材表面に形成された画像の視認性が低下したり、形成された画像(画線部)が包装材から剥離して意匠性が低下するという問題があった。
特許文献2には、不揮発性水性化助剤を実質的に添加していないためポリオレフィン樹脂の特性を損なうことがないポリオレフィン樹脂水性分散体が開示されている。
特許文献3には、優れたヒートシール性と耐ブロッキング性を備える水性分散体を提供するために、水性媒体中に特定のポリオレフィン樹脂と、脂肪酸アミドとを特定の割合で含有する水性分散体が開示されている。
特許文献4には、塩化ビニル樹脂と他の材料と貼り合わせる際のヒートシール強度を改善するために、水性媒体中にポリオレフィン樹脂と、特定の酸価のポリエステル樹脂とを特定の割合で含有する塩化ビニル基材用水性接着剤が開示されている。
特許文献5には、ポリウレタン樹脂基材と異種基材との貼り合わせの際の密着性とヒートシール性を改善するために、水性媒体中に酸変性ポリオレフィン樹脂と、ポリウレタン樹脂と、ポリエステル樹脂とを特定の割合で含有する水性分散体が開示されている。
特許文献6には、金属蒸着フィルムの蒸着面に熱可塑性樹脂基材をヒートシール法によって積層化する場合の接着強度や防錆性を改善するために、水性媒体中に酸変性ポリオレフィン樹脂と、粘着付与剤と、シリカとを特定の割合で含有する水性コート剤が開示されている。
しかし、特許文献2〜6の水性分散体、水性コート剤又は接着剤の用途は、一般的な基材の接着剤であり、微細なパターン等により画像を形成する必要のある熱転写用インクリボンにこれらの水性分散体等を用いる旨の記載はない。
また、図1に示すように、ポリオレフィン基材10の一面側の全面に、これらの水性分散体を塗布し、その塗膜20上に所望の画像パターン30を設けると、ポリオレフィン基材10の厚み方向において画像パターン30の形成されていない部分(非画線部分)40も水性分散体の塗膜により被覆されてしまう。このようにポリオレフィン基材の画像パターン30を形成する部分50は、ポリオレフィン基材に対する画像パターンの接着性向上のため塗膜20が形成されている必要がある。
しかし、ポリオレフィン基材10は塗膜20よりも優れた撥水性を有しているため、ポリオレフィン基材10の非画線部分40も塗膜20により被覆されると、ポリオレフィン基材の有する撥水性が得られなくなってしまう。
このように、ポリオレフィン基材等の柔軟なフィルムに対しても優れた接着性を有し、画像形成物の画線部の耐水性及び非画線部の撥水性に優れ、かつ、高い意匠性を長期間維持できる転写層を有する熱転写用インクリボンが要求されている。
特開2006−309205号公報 特開2003−119328号公報 特開2006−131882号公報 特開2006−348078号公報 特開2008−088332号公報 特開2008−266446号公報
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、ポリオレフィン基材等の柔軟なフィルムに対しても優れた接着性を有し、画像形成物の画線部の耐水性及び非画線部の撥水性に優れ、かつ、高い意匠性を長期間維持できる転写層を有する熱転写用インクリボン及び当該熱転写用インクリボンを用いた画像形成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者が鋭意検討した結果、転写層のうちポリオレフィン基材に接着する接着層にポリオレフィン樹脂を含有させ、当該接着層の融点を70〜115℃とした熱転写用インクリボンを用いることにより、上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る熱転写用インクリボンは、基材の一面側に、少なくとも転写性を有する転写層が設けられた熱転写用インクリボンであって、当該転写層は、当該基材側から、少なくとも視覚効果発現層及び接着層を含み、当該接着層は、少なくともポリオレフィン樹脂を含み、かつ、当該接着層の融点Mが70〜115℃であることを特徴とする。
熱転写用インクリボンの転写層に含まれる接着層が、ポリオレフィン樹脂を含み、かつ、融点Mが70〜115℃であることにより、ポリオレフィン基材に対して優れた接着性を有する。また、当該熱転写用インクリボンは、画線部の耐水性及び非画線部の撥水性に優れ、かつ、高い意匠性を長期間維持できる画像形成物を得る熱転写方式の印刷に好適に用いることができる。
なお、接着層の融点はDSC(Perkin Elmer社製の商品名DSC−7)を用いて昇温速度10℃/分で測定した値をいう。
本発明に係る熱転写用インクリボンは、前記接着層の融点Mが80〜115℃であり、かつ、前記ポリオレフィン樹脂が、酸変性ポリエチレン樹脂であることがポリエチレン基材への接着性に優れる点から好ましい。
本発明に係る熱転写用インクリボンは、前記接着層の融点Mが70〜115℃であり、かつ、前記ポリオレフィン樹脂が、酸変性ポリプロピレン樹脂であることがポリプロピレン基材への接着性に優れる点から好ましい。
本発明に係る熱転写用インクリボンの好適な実施形態では、前記接着層を、少なくともポリオレフィン樹脂及び水性媒体を含む水性組成物を乾燥させて得られる態様とすることも可能である。
本発明に係る熱転写用インクリボンは、前記水性組成物が、不揮発性水性化助剤を実質的に含まず、前記ポリオレフィン樹脂の数平均粒径が1μm以下であり、当該ポリオレフィン樹脂が不飽和カルボン酸又はその無水物(A1)、エチレン系炭化水素(A2)及び下記一般式(I)〜(IV)で表わされる化合物よりなる群から選択される1種以上の化合物(A3)とから構成される共重合体であり、かつ、当該(A1)〜(A3)の質量比が、下記式(1)及び(2)を満たすことが好ましい。
0.01/100≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}<5/100・・・式(1)
1/100≦(A3)/{(A2)+(A3)}≦45/100・・・式(2)
Figure 2011201212
(一般式中、Rは水素又はメチル基、Rは炭素数1〜10のアルキル基及びRは水素又は炭素数1〜10のアルキル基で表わされる基であり、一般式(II)及び(III)のR及びRはそれぞれ、同じでも異なっていても良い。)
本発明に係る熱転写用インクリボンは、前記水性組成物が、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、さらに脂肪酸アミド0.1〜50質量部を含有し、当該ポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸単位(A4)、エチレン系炭化水素(A5)及びアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(A6)とから構成され、かつ、当該(A4)〜(A6)の質量比が、下記式(3)及び(4)を満たすことが好ましい。
0.01/100≦(A4)/{(A4)+(A5)+(A6)}≦5/100・・・式(3)
5/100≦(A6)/{(A5)+(A6)}45/100・・・式(4)
本発明に係る熱転写用インクリボンは、前記水性組成物が、さらに酸価2〜40mgKOH/gのポリエステル樹脂を含有し、前記ポリオレフィン樹脂と当該ポリエステル樹脂の質量比(ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂)が100/2〜100/50の範囲であることが好ましい。
本発明に係る熱転写用インクリボンは、前記水性組成物が、さらにポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂を含有し、前記ポリオレフィン樹脂が酸変性ポリオレフィン樹脂であり、当該酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、当該ポリウレタン樹脂を10〜60質量部、当該ポリエステル樹脂を5〜40質量部含むことが好ましい。
本発明に係る熱転写用インクリボンは、前記水性組成物が、さらに粘着付与剤及びシリカを含有し、前記ポリオレフィン樹脂が酸変性ポリオレフィン樹脂であり、当該酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、当該粘着付与剤を5〜50質量部、当該シリカを5〜50質量部含むことが好ましい。
本発明に係る熱転写用インクリボンの好適な実施形態においては、前記視覚効果発現層が、前記基材側から、レリーフ形成層及び反射層からなることも可能である。
本発明に係る熱転写用インクリボンの好適な実施形態においては、前記基材の前記転写層が設けられている面とは反対側の面に、さらに耐熱滑性層が設けられている構成とすることも可能である。
本発明に係る画像形成物の製造方法は、(i)上記熱転写用インクリボンを準備する工程、
(ii)被転写体を準備する工程、
(iii)当該被転写体の一面側に、当該熱転写用インクリボンの転写層を熱転写し、画像パターンを形成する工程、を含むことを特徴とする。
本発明に係る画像形成物の製造方法によれば、前記被転写体が、ポリオレフィン基材であっても良好な画像形成物を得ることができる。
本発明に係る熱転写用インクリボンの転写層は、ポリオレフィン基材等の柔軟なフィルムに対して優れた接着性を有する。当該熱転写用インクリボンは、ポリオレフィン基材への熱転写に好適に用いることができる。また、当該熱転写用インクリボンを用いてポリオレフィン基材等の被転写体に画像を形成することにより、優れた画線部の耐水性及び非画線部の撥水性を有し、高い意匠性を長期間維持できる画像形成物が得られる。
図1は、従来の水性分散体を塗布後に画像パターンを形成した画像形成物の構成の一例を示した模式図である。 図2は、本発明に係る熱転写用インクリボンの層構成の一例を示した模式図である。 図3は、本発明に係る熱転写用インクリボンの層構成の他の一例を示した模式図である。 図4は、本発明に係る熱転写用インクリボンの層構成の他の一例を示した模式図である。 図5は、本発明に係る熱転写用インクリボンを用いた熱転写の一例を模式的に示した図である。 図6は、本発明に係る画像形成物の構成の一例を示した模式図である。 図7は、本発明に係る熱転写用インクリボンを用いずに、接着層と視覚効果発現層を別個に被転写体上にパターン状に形成した場合の画像形成物の構成の一例を示した模式図である。
以下、本発明に係る熱転写用インクリボン及びそれを用いた画像形成物の製造方法について説明する。
本発明において、(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートを表す。
また、本発明の光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、電磁波と粒子線を総称する放射線及び電離放射線が含まれる。
本発明において樹脂とは、モノマーやオリゴマーの他、ポリマーを含む概念である。
(熱転写用インクリボン)
本発明に係る熱転写用インクリボンは、基材の一面側に、少なくとも転写性を有する転写層が設けられた熱転写用インクリボンであって、当該転写層は、当該基材側から、少なくとも視覚効果発現層及び接着層を含み、当該接着層は、少なくともポリオレフィン樹脂を含み、かつ、当該接着層の融点Mが70〜115℃であることを特徴とする。
なお、接着層の融点はDSC(Perkin Elmer社製の商品名DSC−7)を用いて昇温速度10℃/分で測定した値をいう。
図2は、本発明に係る熱転写用インクリボンの層構成の一例を示した模式図である。
熱転写用インクリボン1は、基材60の一面側に、レリーフ形成層70と反射層80からなる視覚効果発現層90と接着層100からなる転写層110が設けられている。
図3は、本発明に係る熱転写用インクリボンの層構成の他の一例を示した模式図である。
熱転写用インクリボン1は、基材60の一面側に、基材60側から、剥離層120、レリーフ形成層70及び反射層80からなる視覚効果発現層90並びに接着層100からなる転写層110が設けられている。そして、基材60の転写層110が設けられている面とは反対側の面には耐熱滑性層130が設けられている。
図4は、本発明に係る熱転写用インクリボンの層構成の他の一例を示した模式図である。
熱転写用インクリボン1は、基材60の一面側に、基材60側から、剥離層120、色材層140からなる視覚効果発現層90及び接着層100からなる転写層110が設けられている。そして、基材60の転写層110が設けられている面とは反対側の面には耐熱滑性層130が設けられている。
以下、本発明に係る熱転写用インクリボンの必須の構成要素である基材及び転写層並びに必要に応じて適宜設けることができるその他の層について説明する。
(基材)
基材は、本発明に係る熱転写用インクリボンの必須の構成要素である。
基材としては、サーマルヘッド等の熱に耐える耐熱性、機械的強度及び耐溶剤性等があれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、特開2009−145901号公報に記載のポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂及びセルロース系フィルム等を用いることができる。基材としては、耐熱性及び機械的強度が良いポリエチレンテレフタレートが最適である。
基材は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂若しくは混合体(ポリマーアロイを含む)又は複数層からなる積層体であっても良い。
基材は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良い。強度を向上させる点から、一軸方向又は二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。
基材は、剥離層塗工面側に易接着処理を施していることが望ましい。
基材の厚さは、特に限定されず、従来公知の熱転写インクリボンの厚さとすることができる。基材の厚さは、例えば、0.5〜50μmとすれば良く、2.5〜12μmが好ましく、4〜6μmがより好ましい。厚さが50μm以下であれば、熱転写時にサーマルヘッドの熱を十分に伝達できる。厚さが0.5μm以上であれば、十分な機械的強度が得られる。
(転写層)
転写層は、転写性を有し、少なくとも視覚効果発現層及び接着層を含む層である。
以下、本発明の転写層の必須要素である視覚効果発現層及び接着層並びに必要に応じて適宜転写層に含めることができる剥離層について順に説明する。
(視覚効果発現層)
視覚効果発現層は、転写層が被転写体に転写されたとき、主に視覚効果の発現を担う層である。
視覚効果発現層は、図2及び図3に示したように、従来公知のホログラム熱転写リボンに用いられているレリーフ形成層及び反射層からなるものであっても良いし、図4に示したように、カラーインク等の色材を含む色材層であっても良い。
ホログラムを形成できるレリーフ形成層及び反射層からなる視覚効果発現層を用いることで、本発明に係る熱転写用インクリボンを用いて熱転写を行って形成された画像形成物は、高い意匠性を長期間維持できるという利点がある。
以下、視覚効果発現層を構成するレリーフ形成層、反射層及び色材層を説明する。
(レリーフ形成層)
レリーフ形成層は、基材の一面側に、直接又は後述する剥離層を介して設けられる。
視覚効果発現層として、レリーフ形成層と後述する反射層を用いる場合は、図2及び図3に示したように、基材側からレリーフ形成層及び反射層を設ける。
レリーフ形成層は、表面に凹凸のレリーフとして記録されているレリーフ型ホログラム等の周知の光回折画像を具備する。レリーフ形成層の材料は特に限定されず、公知のレリーフ形成層の材料を用いることができる。
レリーフ形成層を形成するための材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタアクリレート等のアクリル樹脂、ポリスチレン及びポリカーボネート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート及びトリアジン系アクリレート等が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、例えば、不飽和エチレン系モノマー、不飽和エチレン系オリゴマー、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。
この他、ウレタン変性アクリレート樹脂としては、賦型性に優れ、適度な耐熱性を有する点から、特開2009−096115号公報に記載の電離放射線硬化性樹脂組成物A及び電離放射線硬化性樹脂組成物Bも好適に用いることができる。
上記光硬化性樹脂は、ガラス転移温度が70〜100℃であることが好ましい。この範囲であることにより、適度な賦型性と優れた耐熱性がレリーフ形成層に付与され易い。
上記樹脂は1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
レリーフ形成層を形成する際に、紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、上記紫外線硬化性樹脂を含む組成物に光重合開始剤や光増感剤を加えても良い。
また、レリーフ形成層に後述する剥離層に含まれるノルボルネン系樹脂等の熱可塑性樹脂を含有させることにより、レリーフ形成層に剥離性を付与し、図2に示すように基材の一面側に直接レリーフ形成層を設けても良い。このような構成にすることにより、熱転写用インクリボンの層構成が簡略化される利点がある。
(レリーフ)
レリーフ形状は、凹凸形状であれば特に限定されず、従来公知のホログラム熱転写シートに用いられているレリーフ形状とすることができる。
レリーフは、例えば、特開2009−096115号公報に記載のレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、ホログラム及び回折格子等が挙げられる。
レリーフ形成層の厚さは0.1〜10μmが好ましく、0.1〜6μmがより好ましく、0.1〜4μmがさらに好ましい。
(レリーフ形成層のその他の成分)
レリーフ形成層を形成するための材料(組成物又はインキ)には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて上記硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂の他に、光重合開始剤、溶剤及び離型剤等のその他の成分が含まれていても良い。
以下、これらその他の成分である光重合開始剤、溶剤及び離型剤について説明する。
(光重合開始剤)
光重合開始剤は、レリーフ形成層を形成するために紫外線硬化性樹脂を用いた場合、当該紫外線硬化性樹脂の硬化を開始又は促進させる働きを有する。
光重合開始剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、特許文献1に記載のアセトフェノン類及びベンゾフェノン類等を挙げることができる。
(溶剤)
溶剤は、上記樹脂等を含む組成物を溶解又は分散させて基材への塗工性又は乾燥性を調節するための成分である。
溶剤としては、特に限定されず従来公知の有機溶剤を用いることができる。
有機溶剤としては、例えば、特許文献1に記載のトルエン等の芳香族系溶剤、アセトン等のケトン系溶剤及びメチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤等が挙げられる。
(離型剤)
離型剤は従来公知のものを用いることができる。
離型剤としては、例えば、特許文献1に記載のポリエチレンワックス等の固形ワックス、界面活性剤並びに変性シリコーン側鎖型、変性シリコーンオイル両末端型、変性シリコーンオイル片末端型及び変性シリコーンオイル側鎖両末端型等のシリコーン等が挙げられる。
(反射層)
レリーフ構造を設けたレリーフ形成層面のレリーフへ、反射層を設けることにより、レリーフの白色反射機能が明瞭に視認できるようになる。
反射層としては、例えば、光を反射する金属を用いる反射タイプ及び透明タイプがある。
反射タイプの反射層としては、例えば、Cr、Ni、Ag、Au及びAl等の金属並びにその酸化物、硫化物及び窒化物等の薄膜が挙げられる。これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
透明タイプの反射層としては、例えば、レリーフ形成層面と屈折率に差のある透明金属化合物が適用できる。このような反射層としては、例えば、ZnS、酸化スズ及び酸化チタンが挙げられる。なお、この透明とは、可視光が十分透過すれば良く、無色又は有色で透明なものも含まれる。
反射層の厚さは、特に限定されず要求される性能に応じて適宜調節すれば良い。光の透過性と反射効果及びコストの点から、反射層の厚さは、例えば、10〜2000nm、好ましくは20〜1000nmとすれば良い。
(色材層)
視覚効果発現層は上記レリーフ形成層と反射層から形成される以外に、色材を含み、レリーフ構造を有しない色材層であっても良い。この色材層からなる視覚効果発現層は上記レリーフ形成層と反射層からなる視覚効果発現層に比べて、低コストで製造できる利点がある。
色材層を形成するための色材以外の材料としては、上記レリーフ形成層で挙げた熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び紫外線硬化性樹脂等を用いることができる。
(色材)
色材は色材層に視覚効果を付与するための成分である。
色材としては、染料及び/又は顔料を用いることができる。
色材は1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
染料は顔料と比較して極めて分散性が良く、いわば分子レベルで分散しているため、透明性などの光学的性能が顔料に比べ優れている。
染料としては、特開2009−145901号公報に記載の黄色染料、赤色染料及び青色染料等を挙げることができる。
この他、染料の材料としては、熱的に安定で昇華しにくい材料が好ましい。このような染料としては、例えば、ダイレクトスカイブルー、タートラジン、アシッドバイオレット8B、サフラニン、オーラミン、クリスタルバイオレット、メチレンブルー、サンクロミンファーストブル−MB、エリオフロムアズロールB1アリザリンイエローBネナフトールAS、ニグロシン、スピリットブラックEB、バリファストオレンジ320f3、オイルブラック 215及びバターイエロー等を挙げることができる。
顔料は、色材層を形成するための組成物を硬化させる際の紫外線の吸収効率及び当該紫外線の照射により発生するフリーラジカルを補足する確率が染料に比べ低いため、染料を用いた場合よりも紫外線による当該組成物の硬化が阻害されにくい利点がある。
なお、阻害されたことにより硬化が不十分な場合、色材層の耐熱性が低く、熱転写時にクラックが発生したり、転写後の画像形成物の耐久性が低下する問題もある。
顔料の材料としては特に限定されず、従来公知の顔料を用いることができる。また、複数顔料を混合して調色してもよい。
顔料としては、例えば、特許文献1に記載のC.I.ピグメントバイオレット19等のキナクリドン系、C.I.ピグメントイエロー109等のイソインドリノン系、C.I.ピグメントイエロー139等のイソリンドリン系、C.I.ピグメントイエロー24等のスレン系、C.I.ピグメントレッド123等のペレリン系、C.I.ピグメントオレンジ43等のペリノン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、C.I.ピグメントイエロー138等のキノフタロン系、ピグメントレッド254(ジケトピロロピロールレッド、赤色)等のジケトピロロピロール系、C.I.ピグメントイエロー153等の金属錯体顔料等を用いることができる。
顔料は、分散時に平均粒径を0.2μm以下、かつ、最大粒径を1μm以下にすることが好ましい。
ここで、顔料の平均粒径及び最大粒径は、日機装(株)製のMICROTRAC UPAを用いて、動的光散乱法によりメチルエチルケトンを溶媒として測定した体積分布からの値であり、平均粒径は累積50%値である。
(色材層のその他の成分)
色材層を形成するための材料には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて上記色材、硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂の他に、分散剤、光重合開始剤、溶剤及び離型剤等のその他の成分が含まれていても良い。
分散剤以外の光重合開始剤、溶剤及び離型剤は上記レリーフ形成層で挙げたものを用いることができる。
分散剤としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
分散剤としては、例えば、特許文献1に記載のアニオン系分散剤、カチオン系分散剤、電気的中性系分散剤、非イオン系分散剤、フッ素系分散剤及び高分子分散剤が挙げられる。
(接着層)
接着層は、本発明に係る熱転写用インクリボンを用いて熱転写を行った際に、ポリオレフィン基材等の被転写体に接着する層であり、熱転写用インクリボンの転写層側の最表面に位置する層である。
本発明に係る熱転写用インクリボンの接着層は、少なくともポリオレフィン樹脂を含み、かつ、当該接着層の融点Mが70〜115℃である。当該融点Mが70℃以上であれば熱転写時にプリンタ等の熱により溶融し、十分な接着性が得られる。また、当該融点Mが115℃以下であることによりプリンタ等の熱により接着層が溶融し易く、被転写体に対する接着性を確保し易い。融点Mが115℃を超えても、例えば融点Mが160℃であってもプリンタ等による加熱温度を高められば接着性は得られるが、後述する接着層の融点Mと剥離層のガラス転移温度Tとの関係のように、接着層の溶融、被転写体に対する接着性及び転写層が基材から剥離する温度との兼ね合いから、融点Mは115℃以下とする。
なお、本発明においては、上述した接着層の溶融、被転写体に対する接着性及び転写層が基材から剥離する温度との兼ね合いから、融点を持つ接着層を用いているため、同様の転写性、接着性が得られるのであれば、接着層が明確な融点を持たず、軟化点を持つ場合であっても良い。
従来の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体又はポリエステルからなる一般的な接着層であっても、被転写体であるポリオレフィン基材をコロナ処理することにより、ポリオレフィン基材に当該接着層を接着させる(転写層を熱溶融転写する)ことは可能である。
しかし、このようにして得られた画像形成物は、非画線部の撥水性に欠ける。さらに、当該画像形成物を水に浸漬すると、転写された転写層(画線部)が簡単に剥離してしまう。
この剥離の理由は、コロナ処理によりポリオレフィン基材表面が強い親水性を帯びてしまい、当該画線部ではポリオレフィン基材表面が転写された接着層との結合を解消し、周囲の水と結合してしまうためと考えられる。
したがって、このような従来の接着層では画像形成物の画線部の耐水性及び非画線部の撥水性をともに満たすことができなかった。
これに対して、本発明に係る熱転写用インクリボンでは、接着層がポリオレフィン樹脂を含み、かつ、特定の融点を有するため、ポリオレフィン基材等の柔軟なフィルムからなる被転写体にも十分に接着することができる。また、ポリオレフィン基材をコロナ処理する必要が無くなり、ポリオレフィン基材表面が親水性を帯びなくなるため、優れた画像形成物の画線部の耐水性及び非画線部の撥水性が得られる。
なお、本発明において柔軟なフィルムとは、比較的弾性率が高く、折り曲げ又は引っ張り等の機械的な力に対する耐性を有するフィルム、すなわち塑性変形し難いフィルムを意味する。
本発明に係る熱転写用インクリボンは、前記接着層の融点Mが80〜115℃であり、かつ、前記ポリオレフィン樹脂が、酸変性ポリエチレン樹脂であることがポリエチレン基材への接着性に優れる点から好ましい。
本発明に係る熱転写用インクリボンは、前記接着層の融点Mが70〜115℃であり、かつ、前記ポリオレフィン樹脂が、酸変性ポリプロピレン樹脂であることがポリプロピレン基材への接着性に優れる点から好ましい。
本発明のポリオレフィン樹脂は、安全性及び環境への負荷が小さい点から、塩素を含有しないポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
本発明の接着層は、少なくともポリオレフィン樹脂及び水性媒体を含む水性組成物を乾燥させて得られるものであることが、生産性の点から好ましい。
水性媒体としては、例えば、特許文献2〜6に記載の水性媒体を挙げることができる。
水性媒体は、例えば、水並びにメタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル及びエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体等の有機溶剤を挙げることができる。
上記水性媒体は1種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
このような水性組成物の一形態としては、当該水性組成物が、不揮発性水性化助剤を実質的に含まず、前記ポリオレフィン樹脂の数平均粒径が1μm以下であり、当該ポリオレフィン樹脂が不飽和カルボン酸又はその無水物(A1)(以下、単に「(A1)」ということがある。)、エチレン系炭化水素(A2)(以下、単に「(A2)」ということがある。)及び下記一般式(I)〜(IV)で表わされる化合物よりなる群から選択される1種以上の化合物(A3)(以下、単に「(A3)の化合物」ということがある。)とから構成される共重合体であり、かつ、当該(A1)〜(A3)の質量比が、下記式(1)及び(2)を満たす形態が挙げられる。
0.01/100≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}<5/100・・・式(1)
1/100≦(A3)/{(A2)+(A3)}≦45/100・・・式(2)
Figure 2011201212
(一般式中、Rは水素又はメチル基、Rは炭素数1〜10のアルキル基及びRは水素又は炭素数1〜10のアルキル基で表わされる基であり、一般式(II)及び(III)のR及びRはそれぞれ、同じでも異なっていても良い。)
以下、ポリオレフィン樹脂を構成する(A1)〜(A3)について説明する。
(不飽和カルボン酸又はその無水物(A1))
不飽和カルボン酸又はその無水物(A1)は、分子内に少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基(R−CO−O−CO−R’)を有する化合物である。
(A1)の不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸及びクロトン酸等が挙げられる。
(A1)の不飽和カルボン酸の無水物としては、例えば、無水マレイン酸及び無水イタコン酸等が挙げられる。
この他、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル及びハーフアミド等が挙げられる。
(A1)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸が好ましく、アクリル酸及び無水マレイン酸がより好ましい。
不飽和カルボン酸は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていれば良く、その形態は限定されない。例えば、不飽和カルボン酸はポリオレフィン樹脂中にランダム共重合、ブロック共重合又はグラフト共重合のいずれの形態で含まれていても良い。
上記不飽和カルボン酸又はその無水物は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
なお、上記不飽和カルボン酸の無水物は、ポリオレフィン樹脂の乾燥状態では2個のカルボキシル基から1分子の水が失われて縮合した酸無水物の構造を形成している。当該酸無水物は、例えば、塩基性化合物を含有する水性媒体中では、その酸無水物の構造の一部又は全部が加水分解され、カルボキシル基又は塩を形成し得る。そのため、ポリオレフィン樹脂のカルボキシル基の量を基準として量を規定する場合は、ポリオレフィン樹脂中の酸無水物基は全てカルボキシル基を形成していると仮定して算出する。
(エチレン系炭化水素(A2))
エチレン系炭化水素(A2)としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが挙げられる。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン及び1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンが好ましく、エチレンがより好ましい。
上記エチレン系炭化水素は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(一般式(I)〜(IV)で表わされる化合物よりなる群から選択される1種以上の化合物(A3))
(A3)の化合物は、ポリオレフィン樹脂に親水性を付与する働きを有する。これにより、式(1)における(A1)〜(A3)の質量比(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}(以下、単に「式(1)における質量比」という。)が5/100未満であっても不揮発性水性化助剤を加えることなく、ポリオレフィン樹脂を水性化できる。
一般式(I)で表わされる化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル及び(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
一般式(I)で表わされる化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル類が好ましく、(メタ)アクリル酸メチル又は(メタ)アクリル酸エチルがより好ましい。
アクリル酸エステルを用いる場合、樹脂の水性化の際にエステル結合の一部が加水分解によりアクリル酸に変化することがある。このような場合には、当該変化を加味した(A1)〜(A3)の比が上記式(1)及び(2)の範囲にあれば良い。
一般式(II)で表わされる化合物としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル及びマレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類が挙げられる。
一般式(III)で表わされる化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸アミド類が挙げられる。
一般式(IV)で表わされる化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル及びエチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバル酸ビニル及びバーサチック酸ビニル等のビニルエステル類並びにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール等が挙げられる。
上記(A1)〜(A3)から構成されるポリオレフィン樹脂としては、(A1)が無水マレイン酸であり、(A2)がエチレンであり、(A3)がアクリル酸メチル又はアクリル酸エチルからなる共重合体が好ましい。
上記式(1)における質量比が0.01/100未満の場合は、樹脂を水性化することが困難になるおそれがある。また、式(1)における質量比が5/100未満であれば、樹脂を水性化し易く、かつ、他の成分との混合安定性も確保できる。
式(1)における質量比は、0.1/100以上であることが好ましく、0.5/100以上であることがより好ましく、1/100以上であることが特に好ましい。
式(1)における質量比は、4/100未満であることが好ましい。
式(2)における(A2)及び(A3)の質量比(A3)/{(A2)+(A3)}(以下、単に「式(2)における質量比」という。)が1/100未満の場合は、ポリオレフィン樹脂の水性化が困難になるおそれがある。また、式(2)における質量比が45/100を超えると、上記(A2)によるポリオレフィン樹脂としての性質が失われ、耐水性等が低下するおそれがある。
式(2)における質量比は、2/100以上であることが好ましく、3/100以上であることがより好ましい。
式(2)における質量比は、40/100以下であることが好ましく、35/100以下であることがより好ましく、30/100以下であることがさらに好ましく、25/100以下であることが特に好ましい。
上記(A1)〜(A3)から構成されるポリオレフィン樹脂には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記(A1)〜(A3)以外のその他の構成単位が含まれていても良い。その他の構成単位としては、例えば、ジエン類、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビニリデン類、一酸化炭素及び二硫化硫黄等が挙げられる。
上記(A1)〜(A3)から構成されるポリオレフィン樹脂は、分子量の目安となる温度190℃、荷重21.2N(2.16kgf)におけるメルトフローレートが、0.01〜500g/10分であることが好ましい。
当該メルトフローレートは、0.1g/10分以上であることがより好ましく、0.5g/10分以上であることがさらに好ましく、1g/10分以上であることが特に好ましい。
当該メルトフローレートは、300g/10分以下であることがより好ましく、250g/10分以下であることがさらに好ましく、200g/10分以下であることが特に好ましく、100g/10分以下であることが最も好ましい。
当該メルトフローレートが0.01g/10分未満では、ポリオレフィン樹脂の水性化が困難となり、良好な水性分散体を得ることが困難となるおそれがある。
当該メルトフローレートが500g/10分を超えると、水性分散体から得られる塗膜が硬くもろくなり、機械的強度が低下するおそれがある。
なお、メルトフローレートは、JIS K6760で定められた押出し形プラストメータを用いて、JIS K7210に準拠して測定する。
上記(A1)〜(A3)から構成されるポリオレフィン樹脂の数平均粒径は、水性分散体の保存安定性を向上する点から、1μm以下である必要がある。
また、当該数平均粒径は、低温での製膜性を高める点から0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ましく、0.2μm以下がさらに好ましく、0.1μm未満が特に好ましい。
上記(A1)〜(A3)から構成されるポリオレフィン樹脂の重量平均粒径は、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.3μm以下がさらに好ましく、0.2μm以下が最も好ましい。
粒子の分散度(重量平均粒径/数平均粒径)は、水性分散体の保存安定性及び低温での製膜性を高める点から、1〜3が好ましく、1〜2.5がより好ましく、1〜2が特に好ましい。
なお、数平均粒径及び重量平均粒径は、大塚電子(株)製の光散乱型粒度分布測定装置PAR−IIIで測定することができる。
水性組成物における上記(A1)〜(A3)から構成されるポリオレフィン樹脂の含有量は、要求される性能等に応じて適宜調節すれば良い。当該含有量は、水性組成物の総質量に対して、1〜60質量%が好ましく、3〜55質量%がより好ましく、5〜50質量%がさらに好ましく、10〜45質量%が特に好ましい。
上記(A1)〜(A3)から構成されるポリオレフィン樹脂を含む水性組成物は、不揮発性水性化助剤を実質的に含有しない。当該水性組成物は不揮発性水性化助剤を実質的に含有しないため、被膜特性、特に耐水性が優れる。
ここで、水性化助剤とは、水性組成物の調製において、水性化の促進や水性組成物の安定化の目的で加えられる薬剤又は化合物のことである。
不揮発性とは、常圧での沸点を有さないか、又は常圧で高沸点(例えば、300℃以上)であることを指す。
不揮発性水性化助剤を実質的に含有しないとは、上記ポリオレフィン樹脂の質量に対して、不揮発性水性化助剤を全く含有しないか、又は0.1質量%以下含有することを意味する。
上記(A1)〜(A3)から構成されるポリオレフィン樹脂を含む水性組成物としては、特許文献2の水性分散体を用いることが好ましい。
また、当該水性組成物としては、市販品を用いても良い。このような市販品としては、例えば、ユニチカ(株)製のアローベースSD−1200、SA−1200、SB−1010、SB−1200及びSE−1200等のアローベースSシリーズ並びにアローベースTD−4010等のアローベースTシリーズが挙げられる。
なかでも、SB−1200、SD−1200及びTD−4010が好ましい。
水性組成物の他の一形態としては、前記水性組成物が、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、さらに脂肪酸アミド0.1〜50質量部を含有し、
当該ポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸単位(A4)(以下、単に「(A4)」ということがある。)、エチレン系炭化水素(A5)(以下、単に「(A5)」ということがある。)及びアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(A6)(以下、単に「(A6)」ということがある。)とから構成され、かつ、当該(A4)〜(A6)の質量比が、下記式(3)及び(4)を満たす形態が挙げられる。
0.01/100≦(A4)/{(A4)+(A5)+(A6)}≦5/100・・・式(3)
5/100≦(A6)/{(A5)+(A6)}≦45/100・・・式(4)
脂肪酸アミドとしては、例えば、特許文献3に記載のものを用いることができる。例えば、カプリル酸アミド、ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド及びエチレンビスステアリン酸アミドが好ましく、ステアリン酸アミド及びエチレンビスステアリン酸アミドが特に好ましい。
上記(A4)〜(A6)含む水性組成物としては、特許文献3の水性分散体を用いることが好ましい。
具体的には(A4)は、上記(A1)で挙げた不飽和カルボン酸を用いることができる。
(A5)は、上記(A2)で挙げたエチレン系炭化水素を用いることができる。
(A6)は、上記(A3)で挙げた化合物を用いることができる。
式(3)における(A4)〜(A6)の質量比(A4)/{(A4)+(A5)+(A6)}(以下、単に「式(3)における質量比」という。)が5/100を超える場合は、樹脂を水性化し易くなるが、他の成分との混合安定性が低下してしまうおそれがある。
式(4)における(A4)及び(A6)の質量比(A6)/{(A5)+(A6)}(以下、単に「式(4)における質量比」という。)が5/100以上であれば、ポリオレフィン樹脂を水性化し易くなる。また、式(4)における質量比が45/100を超えると、上記(A5)によるポリオレフィン樹脂としての性質が失われ、耐水性等が低下するおそれがある。
水性組成物の他の一形態としては、前記水性組成物が、さらに酸価2〜40mgKOH/gのポリエステル樹脂を含有し、前記ポリオレフィン樹脂と当該ポリエステル樹脂の質量比(ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂)が100/2〜100/50の範囲である形態が挙げられる。
この形態の水性組成物としては、特許文献4の塩化ビニル樹脂用水性接着剤を用いることが好ましい。
水性組成物の他の一形態としては、前記水性組成物が、さらにポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂を含有し、前記ポリオレフィン樹脂が酸変性ポリオレフィン樹脂であり、当該酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、当該ポリウレタン樹脂を10〜60質量部、当該ポリエステル樹脂を5〜40質量部含む形態が挙げられる。
この形態の水性組成物としては、特許文献5の水性分散体を用いることが好ましい。
水性組成物の他の一形態としては、前記水性組成物が、さらに粘着付与剤及びシリカを含有し、前記ポリオレフィン樹脂が酸変性ポリオレフィン樹脂であり、当該酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、当該粘着付与剤を5〜50質量部、当該シリカを5〜50質量部含む形態が挙げられる。
この形態の水性組成物としては、特許文献6の水性コート剤を用いることが好ましい。
本発明に係る熱転写用インクリボンの好適な実施形態では、前記転写層が、前記基材側から、剥離層、前記視覚効果発現層及び前記接着層からなり、接着層の融点Mと剥離層のガラス転移温度Tが近いことが好ましい。
このように接着層の融点Mと剥離層のガラス転移温度Tが近いことにより、適度な剥離性と、十分な接着性を両立し、微細な画像パターンの形成に好適に用いることができる熱転写用インクリボンが得られやすくなる。
熱転写時に、熱転写用インクリボンに加えられる熱による接着層の溶融のタイミング、すなわち、接着層の融点Mと、転写層(剥離層)の基材からの剥離のタイミング、すなわち剥離層のガラス転移温度Tが、微細な画像パターンの形成に影響する。溶融のタイミングが早過ぎると剥離層が基材から剥離したときには接着層が溶融し過ぎて、所望の画像パターンを精度よく形成できなくなるおそれがある。一方、溶融のタイミングが遅過ぎると剥離層が基材から剥離しても接着層が被転写体に十分に接着できなくなるおそれがある。
これに対して、上述したように、前記融点Mとガラス転移温度Tが近いことにより、上記2つのタイミングが適度となり、微細な画像パターンの形成に好適に用いることができる熱転写用インクリボンが得られやすくなる。
本発明に係る熱転写用インクリボンにおいては、接着層の融点Mを80℃以上とすることにより、熱転写用インクリボンを巻き取ったときに、接着層が熱転写用インクリボンの転写層が設けられた面とは反対側の面に貼りついてしまうブロッキングを抑制できる利点がある。
上述した接着層の材料の中で、このような耐ブロッキング性を有する材料としては、ユニチカ(株)製のアローベースSD−1200、SA−1200、SB−1010、SB−1200及びSE−1200等のアローベースSシリーズ並びにアローベースTD−4012Lが挙げられる。
(剥離層)
本発明においては、上述したようにレリーフ形成層又は色材層に熱可塑性樹脂及び/又は離型剤を含ませることによってこれらの層に基材からの剥離性を付与する態様の他、図3及び図4のように剥離層を設けて転写層に転写性を付与する態様も好適に用いることができる。
視覚効果発現層の基材側に剥離層を設けることで転写層の転写性を安定させることができる。
なお、剥離層は転写層の転写性を安定させることができれば良く、剥離層全体が視覚効果発現層及び接着層とともに転写する層であっても良いし、剥離層の一部が転写せずに基材に残る層であっても良いし、又は剥離層全体が全く転写しない層であっても良い。
剥離層の材料としては、特に限定されず、従来公知の剥離層の材料を適宜選択して用いることができる。
剥離層の材料としては、例えば、特許文献1に記載の環状オレフィン系樹脂及びノルボルネン系樹脂等の熱可塑性樹脂並びにポリメチル(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレート等の電離放射線硬化性樹脂を好適に用いることができる。
これらの材料は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
剥離層の厚さは要求される性能等に応じて適宜調節すれば良い。剥離層の厚さは例えば、0.1〜10μmとすることができ、0.2〜5μmが好ましい。
また、剥離層の基材からの剥離性をより高めるために、基材と剥離層の間に離型層を設けても良い。
(耐熱滑性層)
本発明に係る熱転写用インクリボンには、サーマルヘッドの熱によるスティッキング(サーマルヘッドと基材との熱融着)及び印字しわの発生等を防止するために、図3及び図4に示すように、基材の転写層が設けられている面とは反対側の面に耐熱滑性層を設けることが好ましい。
耐熱滑性層を形成する材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができる。
例えば、耐熱滑性層は、耐熱滑性層を耐熱性のある熱可塑性樹脂と、熱離型剤又は滑剤の働きを有する物質とで構成することができる。
このような耐熱性のある熱可塑性樹脂としては、例えば、特許文献1に記載のポリビニルブチラール樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
滑り性を付与する滑剤としては、例えば、特許文献1に記載のリン酸エステル及びシリコーンオイル等を挙げることができる。
耐熱滑性層の厚さは要求される性能等に応じて適宜調節すれば良い。耐熱滑性層の厚さは例えば、0.01〜1μmとすることができ、0.1〜0.2μmが好ましい。
(熱転写用インクリボンの製造方法)
本発明に係る熱転写用インクリボンの製造方法は特に限定されず、従来公知の熱転写用インクリボンの製造法を用いることができる。
例えば、基材の一面側に耐熱滑性層を設ける場合は、当該耐熱滑性層を形成する材料(組成物)を塗布し、乾燥させて耐熱滑性層を形成する。
次いで、基材の耐熱滑性層を形成した面とは反対側の面に、少なくとも視覚効果発現層を形成し、次いで当該視覚効果発現層上(視覚効果発現層の基材とは反対側の面)に接着層を形成することで熱転写用インクリボンを得ることができる。
剥離層を設ける場合は、視覚効果発現層を形成する前に、基材の当該視覚効果発現層を形成する面に剥離層を形成し、当該剥離層上(剥離層の基材とは反対側の面)に視覚効果発現層を形成すれば良い。
また、耐熱滑性層を基材に設ける前に、転写層を形成しても良い。
耐熱滑性層、剥離層、色材層及び接着層を形成する方法は、これらの層を形成する材料(組成物)を調製し、一般的なコーティング剤の塗布方法と同様にその調製した組成物を塗布し、層を形成する樹脂に応じて乾燥又は紫外線照射等を行い、各層を形成すれば良い。
組成物の調製方法は、従来公知の調製方法を用いることができる。
調製方法としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂及び溶剤等を任意の順序で混合、溶解又は分散し調製する方法が挙げられる。
分散には、特許文献1に記載のニーダー及びロールミル等の分散機を用いることができる。
塗布方法は、従来公知の塗布方法を用いることができる。
塗布方法としては、例えば、特許文献1記載のロールコート法、グラビアコーティング法及びスクリーンコーティング法等を用いることができる。
レリーフ形成層は、レリーフ形成層用の組成物を基材又は剥離層等の被塗工体に塗布し、乾燥させ、次いでレリーフを形成することで形成することができる。
レリーフの形成方法は、従来公知の方法を用いることができる。
レリーフの形成方法としては、例えば、特開2009−096115号公報に記載の電子線描画法、機械切削法、レーザー光干渉法及びプレス型を用いる方法(エンボス法)等が挙げられる。
反射層の形成方法は、従来公知の方法を用いることができる。
反射層の形成方法としては、例えば、特許文献1に記載の真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法等を用いることができる。
(画像形成物の製造方法)
本発明に係る画像形成物の製造方法は、(i)上記熱転写用インクリボンを準備する工程、
(ii)被転写体を準備する工程、
(iii)当該被転写体の一面側に、当該熱転写用インクリボンの転写層を熱転写し、画像パターンを形成する工程、を含むことを特徴とする。
上述した熱転写用インクリボンを用いることで、得られる画像形成物は、被転写体が例えば、ポリオレフィン基材のような柔軟なフィルムからなる部材であっても、転写層が被転写体に良好に接着しているため、優れた画線部の耐水性及び非画線部の撥水性を有し、高い意匠性を長期間維持できる。
以下、(i)〜(iii)の各工程について説明する。
(i)工程において準備する熱転写用インクリボンは上述した熱転写用インクリボンを用いれば良いので、ここでの説明は省略する。
なお、(i)工程において準備する熱転写用インクリボンと、後述する(ii)工程において準備する被転写体は、どちらを先に準備しても良い。
(ii)工程において準備する被転写体としては、特に限定されず、従来公知の被転写体を用いることができる。当該被転写体としては、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート並びにナイロン等の樹脂基材、金属、ガラス、セラミックス、天燃繊維紙、コート紙並びにトレーシングペーパー等が挙げられる。
また、これらの被転写体にはあらかじめ画像等が形成されていても良い。
本発明に係る熱転写用インクリボンは、接着層が少なくともポリオレフィン樹脂を含み、かつ、当該接着層の融点Mが70〜115℃であるため、被転写体がポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン基材であっても、優れた接着性を有する。そのため、本発明に係る画像形成物の製造方法によれば、被転写体がポリオレフィン基材であっても、さらには当該被転写体が柔軟なフィルムからなるポリオレフィン基材であっても、優れた画線部の耐水性及び非画線部の撥水性を有しながら高い意匠性を長期間維持できる画像形成物が得られる。
(iii)工程において被転写体の一面側に、熱転写用インクリボンの転写層を熱転写し、画像パターンを形成する工程では、従来公知の熱転写用インクリボンの熱転写方法を用いることができる。
熱転写方法としては、例えば、サーマルヘッド(感熱印画ヘッド)によるサーマルプリンタ(熱転写プリンタともいう。)を用いる方法、熱ロールによる全面又はストライプ転写、熱刻印によるホットスタンプ(箔押)等が挙げられる。
また、熱転写を行った熱転写用インクリボンを基材から剥離する方法としては、加熱により溶融又は軟化した接着層が固化する前に転写済みの熱転写用インクリボンを基材から剥離する熱時剥離と、接着層が固化した後に転写済みの熱転写用インクリボンを基材から剥離する冷時剥離がある。本発明に係る画像形成物の製造方法においては、熱時剥離と冷時剥離のいずれを用いても良い。
本発明に係る画像形成物の製造方法は、(iii)工程の熱転写をデジタル方式(オンデマンド方式ともいう。)で行う場合に好適に用いることができる。
ここで、デジタル方式(オンデマンド方式)とは、ホットスタンプのように版を用いずに、コンピュータのデータを熱転写プリンタ等に送り、そのデータに基づいて所望のパターンを熱転写する方式をいう。
このようなデジタル方式では、版を用いないため、版の製造コストを削減できる、及び比較的小さなプリンタで熱転写を行うことができるという利点がある。この他、デジタル方式では、版を用いずデジタルデータから即時の熱転写が可能であるため、少量多品種の熱転写に好適に利用できる。
上述した食料品包装材、日用品包装材、パウチ材及び飲料容器のラベル等の軽包装材は、ライフサイクルが短いものが多く、デザインの変更が頻繁に行われることが多い。デザインの変更が行われたときに、版を用いる方式では時間とコストがかかるが、デジタル方式ではデジタルデータと熱転写プリンタがあれば足りるため、版を用いる方式に比べて時間とコストを大幅に削減できるという利点がある。
図5は、本発明に係る熱転写用インクリボンを用いた熱転写の一例を模式的に示した図である。
熱転写用インクリボン1と被転写体150が、サーマルヘッド160とプラテンローラ170を有するユニットに供給され、サーマルヘッド160により熱転写が行われ、画像形成物180が得られる。
このように、本発明に係る画像形成物の製造方法によれば、優れた画線部の耐水性及び非画線部の撥水性を有し、高い意匠性を長期間維持できる画像形成物を簡単に得ることができる。
なお、図5において説明の簡略化のため、熱転写用インクリボン1、被転写体150、画像形成物180及び使用済みの熱転写用インクリボン2は、厚みのない線で表わしている。
図6は、本発明に係る画像形成物の構成の一例を示した模式図である。
被転写体150の一面側に、被転写体側から接着層100及び接着層以外の転写層190が転写されている。
このように選択的に接着層と接着層以外の転写層が被転写体に熱転写されているため、図1の場合に比べて、被転写体の厚み方向において転写層が転写されていない非画線部分40は接着層100により被覆されない。
また、接着層と接着層以外の転写層が位置ずれすることなく被転写体に転写されており、微細な画像パターンでも高精度に形成できる。
そのため、被転写体にポリオレフィン基材を用いた場合には、本発明に係る画像形成物の製造方法により得られた画像形成物は、所望の画像パターンを形成しながらも、非画線部分40において、ポリオレフィン基材による撥水性を得ることができる。
図7は、本発明に係る熱転写用インクリボンを用いずに、接着層と視覚効果発現層を別個に被転写体上にパターン状に形成した場合の画像形成物の構成の一例を示した模式図である。
接着層と視覚効果発現層を別個にパターン状に形成すると、接着層と視覚効果発現層の位置合わせが困難で、図7に示すように接着層と視覚効果発現層の位置ずれが起こりやすくなる。
このような位置ずれが起こると、視覚効果発現層の被転写体への接着が不十分になったり、微細な画像パターンが高精度に形成できなかったりする問題が生じる。
また、上記位置ずれによって非画線であるべき部分が接着層に覆われてしまう部分が生じ、被転写体がポリオレフィン基材の場合には、ポリオレフィン基材による優れた撥水性が得られないという問題も生じる。
仮に、接着層と視覚効果発現層を別個に形成して図6に示したように位置ずれなく高精度に画像パターンをグラビア等の印刷方式で形成できたとしても、接着層と視覚効果発現層を別個にパターン印刷することによる工程の増加及びグラビア版等の版の準備により、コストが増大してしまう。加えて、グラビア等の印刷方式では版を用いるため、製造番号や日付等の更新が頻繁な情報にオンデマンドで対応できず、オンデマンド性が失われる。
さらに、接着層と視覚効果発現層を別個にパターン状に形成する場合、あらかじめパターン印刷した接着層上に視覚効果発現層を印刷するため、プリンタに位置合わせ(アライメント)機能が必要になる。この場合、通常、印刷される側の基材又は積層体にアライメントマークを設け、プリンタがそのマークを光学的に読み取って位置合わせする。このように、アライメント機能を有するプリンタと、アライメントマークを印刷される側の基材等に設ける工程が必要となり、生産性が低下し、コストが増大する。
これらの問題に対して、本発明に係る画像形成物の製造方法によれば、接着層と視覚効果発現層が同時に転写されるため、位置合わせの必要もなく、生産性良く、低コストで、微細な画像パターンを高精度、かつ、容易に形成することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
各略語の名称はそれぞれ、以下の通りである。
MEK:メチルエチルケトン
IPA:イソプロピルアルコール
なお、接着層の融点はDSC(Perkin Elmer社製の商品名DSC−7)を用いて昇温速度10℃/分で測定した値である。
以下に示す組成で耐熱滑性層用組成物、剥離層用組成物、レリーフ形成層用組成物及び接着層用組成物を調製した。
(耐熱滑性層用組成物)
シリコーン変性アクリル樹脂(ナトコ(株)製の商品名ポリアロイNSA−X55、固形分26%):10.0質量部
トルエン/MEK(質量比1/1):40.0質量部
(剥離層用組成物)
ノルボルネン樹脂(JSR(株)製の商品名アートンG、Tgは171℃):40.0質量部
アクリルポリオール樹脂(綜研化学(株)製の商品名サーモラックSU−100A):10.0質量部
トルエン/MEK(質量比7/3):50.0質量部
(レリーフ形成層用組成物)
メタクリル樹脂(クラレ(株)製の商品名パラペットGF):50.0質量部
ウレタンアクリレートオリゴマー(特開2001−329031号公報の反応生成物(A)):50.0質量部
シリコーン(信越化学工業(株)製の商品名KF−860):1.0質量部
光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名イルガキュア907):5.0質量部
MEK:100質量部
(接着層用組成物(1))
ポリオレフィン樹脂(ユニチカ(株)製の商品名アローベース SD−1200、融点は107℃):100質量部
IPA:250質量部
(実施例1)
基材として、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製の商品名6CF−53)を用意した。
基材の耐熱滑性層を形成した面とは反対側の面に、調製した上記剥離層用組成物を、乾燥後の厚さがコート量0.2g/mになるように、グラビアコーターで塗布し80℃で乾燥させて、剥離層を形成した。
次いで、剥離層上へ調製した上記レリーフ形成層用組成物を乾燥後の厚さが0.8g/mになるように、グラビアコーターで塗布し100℃で乾燥させ、塗膜を形成した。次いで、樹脂製スタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、当該塗膜を150℃で相対するローラー間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形した。賦形後直ちに、高圧水銀灯で紫外線を照射して硬化させ、レリーフ形成層を形成した。
次いで、レリーフ面へ真空蒸着法によりアルミニウムを厚さ30nmに蒸着して、反射層を形成し、反射型のレリーフ型ホログラムを形成した。
次いで、当該反射層上に調製した上記接着層用組成物(1)をグラビアコーターにてレリーフ面に塗布し、乾燥させ、厚さが0.2g/mの接着層を形成するとともに、その基材の接着層を形成した面とは反対側の面へ、調製した上記耐熱滑性層用組成物を、グラビアコート法で塗布し乾燥して、厚さが0.15g/mの耐熱滑性層を形成し、熱転写用インクリボンを作製した。
次いで、被転写体としてポリエチレン基材を用意し、上記作製した熱転写用インクリボンを用いて、イーデーエム(株)製の端面型サーマルヘッドを搭載した商品名THP540CSを用い、印字速度6m/min、プリント濃度130%、プリント圧力 設定5の条件にて被転写体上へ熱転写用インクリボンの接着層を接触させて、熱転写によりホログラム解像パターンの印字を行い、画像形成物を得た。
(実施例2)
実施例1において、接着層用組成物(1)のポリオレフィン樹脂をユニチカ(株)製の商品名アローベース SB−1200(融点は83℃)に代えた以外は実施例1と同様にして熱転写用インクリボンを作製し、実施例1と同様にして画像形成物を得た。
(実施例3)
実施例1において、接着層用組成物(1)のポリオレフィン樹脂をユニチカ(株)製の商品名アローベース TD−4010(融点は70℃)に代えた以外は実施例1と同様にして熱転写用インクリボンを作製し、被転写体としてポリプロピレン基材を用いた以外は実施例1と同様にして画像形成物を得た。
(実施例4)
実施例1において、接着層用組成物(1)のポリオレフィン樹脂をユニチカ(株)製の商品名アローベース TD−4012L(融点は70℃)に代えた以外は実施例1と同様にして熱転写用インクリボンを作製し、被転写体としてポリプロピレン基材を用いた以外は実施例1と同様にして画像形成物を得た。
(比較例1)
実施例1において、接着層用組成物(1)を下記組成の接着層用組成物(2)(軟化点は80℃)に代えた以外は実施例1と同様にして熱転写用インクリボンを作製し、実施例1と同様にして画像形成物を得た。なお、接着層用組成物(2)は明確な融点が測定できなかったためその軟化点を示す。
(接着層用組成物(2))
マレイン酸−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ダウ・ケミカル社製の商品名VMCA、軟化点は80℃):90質量部
ポリエステル(東洋紡績(株)製の商品名バイロン550、Tgは−15℃):10質量部
MEK:125質量部
トルエン:125質量部
(比較例2)
比較例1において、被転写体として、表面をコロナ処理したポリエチレン基材を用いた以外は比較例1と同様にして画像形成物を得た。
(比較例3)
実施例1の熱転写用インクリボンの作製において、接着層用組成物(1)を上記接着層用組成物(2)に代えた以外は実施例1と同様にして熱転写用インクリボンを作製した。
次いで、被転写体としてポリエチレン基材を用意し、当該基材の一面側全面に上記接着層用組成物(1)をグラビアコーターを用いて塗布し、乾燥させ、厚さが0.2g/mのプライマー層を形成した。
次いで、当該プライマー層上に、上記熱転写用インクリボンを用いて、実施例1と同様に熱転写を行い、画像形成物を得た。
(比較例4)
実施例1の熱転写用インクリボンの作製において、接着層用組成物(1)を上記接着層用組成物(2)に代えた以外は実施例1と同様にして熱転写用インクリボンを作製した。
次いで、被転写体としてポリエチレン基材を用意し、当該基材の一面側に上記接着層用組成物(1)をグラビア印刷でホログラムのプリントパターンと同じパターンを予め印刷し、乾燥させ、厚さが0.2g/mのパターン状の層を形成した。
次いで、当該パターン状の層上に、上記熱転写用インクリボンを用いて、実施例1と同様に熱転写を行い、画像形成物を得た。
上記実施例及び比較例の画像形成物について、下記の評価方法にて印字適性、画線部の耐水性及び非画線部の撥水性の評価を行った。
また、上記実施例及び比較例の熱転写用インクリボンについて、下記の評価方法にて耐ブロッキング性の評価を行った。
(評価:印字適性)
ホログラムの転写状態を目視にて観察し、パターンの欠け及び意図した箇所にホログラムを転写できなかった部分の有無について下記の判断基準にて評価した。
(評価基準)
◎:ホログラムの転写が非常に良好である。
○:ホログラムの転写がほぼ良好である。
△:ホログラムの転写が部分的に不良のところがある。
×:ホログラムの転写が全体的に不良である。
(評価:耐水性)
得られた画像形成物を60℃の温水に1週間浸漬させた後、画像形成物を引き上げ、印字表面を目視で観察し、下記の評価基準にて判定した。
(評価基準)
◎:印字物のパターンが浸漬前と全く変わらず、印字パターンの剥離がない。
○:印字物のパターンが浸漬前とほぼ変わらない。
△:印字物のパターンが浸漬後に部分的に剥離した。
×:印字物のパターンが浸漬によって印字パターン全域にわたって剥離が認められる。
(評価:撥水性)
得られた画像形成物を水に浸漬させた後、すぐに引き上げ、非画線部(ホログラム画像のプリントが施されていない部分)の被転写体表面を目視で観察し、下記の評価基準にて判定した。
(評価基準)
○:非画線部の被転写体表面が水をはじいている。
×:非画線部の被転写体表面が水に濡れたままである。
(評価:耐ブロッキング性)
上記作製した実施例及び比較例の熱転写用インクリボンについて、各熱転写用インクリボンの接着層と耐熱滑性層とを対向させて重ね合わせ、圧力1.96×10Pa(20gf/cm)をかけ、60℃で100時間保存した。保存後の熱転写用インクリボンの接着層と耐熱滑性層とのブロッキングを目視にて、以下の判断基準にて評価した。
(評価基準)
○:ブロッキングなし。
△:部分的なブロッキングが認められる。
×:全面的なブロッキングが認められる。
(評価結果)
画実施例及び比較例についての上記印字適性、耐水性、撥水性及び耐ブロッキング性の評価結果を下記表1に示す。
Figure 2011201212
実施例では、ホログラムの転写が非常に良好で安定した印字性能が確認された。
また実施例の画線部の耐水性及び非画線部の撥水性も良好だった。
実施例3の耐ブロッキング性の評価では一部、ブロッキングが確認されたが、その他の実施例1、2及び4並びに比較例1〜4では良好な耐ブロッキング性が得られた。
しかし、ポリオレフィン樹脂ではない樹脂(VMCA)を用いた接着層を有する比較例1では、被転写体のポリエチレン基材への接着が不十分で転写が全体的に不良となった。転写が全体的に不良だったため、比較例1では画線部の耐水性を評価できなかった。
比較例2では、表面をコロナ処理したポリエチレン基材を用いたため、VMCAを用いた接着層でも良好な印字性能が得られたが、コロナ処理により基材表面が親水性となり、画線部の耐水性と非画線部の撥水性が不十分となった。
比較例3では、基材表面全面にポリオレフィン樹脂であるSD−1200を塗布し、その上に転写を行ったため印字性能と画線部の耐水性は良好であった。しかし、非画線部がSD−1200に覆われしまったため非画線部の撥水性が不十分であった。
比較例4では、基材表面全面にポリオレフィン樹脂であるSD−1200とホログラムを別個にパターン状に印刷したため、印字性能、画線部の耐水性及び非画線部の撥水性は良好であったが、工程数が増え、生産性が低下してしまった。
1 熱転写用インクリボン
2 転写済みの熱転写用インクリボン
10 ポリオレフィン基材
20 塗膜
30 画像パターン
40 非画線部分
50 画像パターン形成部分
60 基材
70 レリーフ形成層
80 反射層
90 視覚効果発現層
100 接着層
110 転写層
120 剥離層
130 耐熱滑性層
140 色材層
150 被転写体
160 サーマルヘッド
170 プラテンローラ
180 画像形成物
190 接着層以外の転写層

Claims (13)

  1. 基材の一面側に、少なくとも転写性を有する転写層が設けられた熱転写用インクリボンであって、
    当該転写層は、当該基材側から、少なくとも視覚効果発現層及び接着層を含み、
    当該接着層は、少なくともポリオレフィン樹脂を含み、かつ、当該接着層の融点Mが70〜115℃であることを特徴とする、熱転写用インクリボン。
  2. 前記接着層の融点Mが80〜115℃であり、かつ、前記ポリオレフィン樹脂が、酸変性ポリエチレン樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写用インクリボン。
  3. 前記接着層の融点Mが70〜115℃であり、かつ、前記ポリオレフィン樹脂が、酸変性ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写用インクリボン。
  4. 前記接着層が、少なくともポリオレフィン樹脂及び水性媒体を含む水性組成物を乾燥させて得られることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱転写用インクリボン。
  5. 前記水性組成物が、不揮発性水性化助剤を実質的に含まず、
    前記ポリオレフィン樹脂の数平均粒径が1μm以下であり、当該ポリオレフィン樹脂が不飽和カルボン酸又はその無水物(A1)、エチレン系炭化水素(A2)及び下記一般式(I)〜(IV)で表わされる化合物よりなる群から選択される1種以上の化合物(A3)とから構成される共重合体であり、かつ、当該(A1)〜(A3)の質量比が、下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする、請求項4に記載の熱転写用インクリボン。
    0.01/100≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}<5/100・・・式(1)
    1/100≦(A3)/{(A2)+(A3)}≦45/100・・・式(2)
    Figure 2011201212
    (一般式中、Rは水素又はメチル基、Rは炭素数1〜10のアルキル基及びRは水素又は炭素数1〜10のアルキル基で表わされる基であり、一般式(II)及び(III)のR及びRはそれぞれ、同じでも異なっていても良い。)
  6. 前記水性組成物が、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、さらに脂肪酸アミド0.1〜50質量部を含有し、
    当該ポリオレフィン樹脂が、不飽和カルボン酸単位(A4)、エチレン系炭化水素(A5)及びアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(A6)とから構成され、かつ、当該(A4)〜(A6)の質量比が、下記式(3)及び(4)を満たすことを特徴とする、請求項4に記載の熱転写用インクリボン。
    0.01/100≦(A4)/{(A4)+(A5)+(A6)}≦5/100・・・式(3)
    5/100≦(A6)/{(A5)+(A6)}≦45/100・・・式(4)
  7. 前記水性組成物が、さらに酸価2〜40mgKOH/gのポリエステル樹脂を含有し、
    前記ポリオレフィン樹脂と当該ポリエステル樹脂の質量比(ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂)が100/2〜100/50の範囲であることを特徴とする、請求項4に記載の熱転写用インクリボン。
  8. 前記水性組成物が、さらにポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂を含有し、
    前記ポリオレフィン樹脂が酸変性ポリオレフィン樹脂であり、当該酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、当該ポリウレタン樹脂を10〜60質量部、当該ポリエステル樹脂を5〜40質量部含むことを特徴とする、請求項4に記載の熱転写用インクリボン。
  9. 前記水性組成物が、さらに粘着付与剤及びシリカを含有し、
    前記ポリオレフィン樹脂が酸変性ポリオレフィン樹脂であり、当該酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、当該粘着付与剤を5〜50質量部、当該シリカを5〜50質量部含むことを特徴とする、請求項4に記載の熱転写用インクリボン。
  10. 前記視覚効果発現層が、前記基材側から、レリーフ形成層及び反射層からなることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の熱転写用インクリボン。
  11. 前記基材の前記転写層が設けられている面とは反対側の面に、さらに耐熱滑性層が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の熱転写用インクリボン。
  12. (i)前記請求項1乃至11のいずれか一項に記載の熱転写用インクリボンを準備する工程、
    (ii)被転写体を準備する工程、
    (iii)当該被転写体の一面側に、当該熱転写用インクリボンの転写層を熱転写し、画像パターンを形成する工程、を含むことを特徴とする、画像形成物の製造方法。
  13. 前記被転写体が、ポリオレフィン基材であることを特徴とする、請求項12に記載の画像形成物の製造方法。
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