JP2014065271A - 熱転写箔 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐久性及び耐可塑剤性を付与することができる保護層を備えた熱転写箔を提供する。
【解決手段】 基材シート1と、基材シート1の一方の面に形成される保護層3と、保護層3上に形成される受容層4を備える熱転写箔10であって、保護層3が、バインダー樹脂と、自己造膜性を有する鱗片状シリカ粒子とを含有する。必要に応じ、保護層3の固形分総量に対し、前記鱗片状シリカ粒子を5質量%以上50質量%以下の範囲で含有することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱転写箔に関し、更に詳しくは、転写後の印画物に耐可塑剤性を付与することができる保護層を備える熱転写箔に関する。
従来、簡便な印刷方法として熱転写方法が広く使用されるようになってきた。熱転写方法は、基材シートの一方の面に色材層が設けられた熱転写シートと、必要に応じて画像受容層が設けられた熱転写受像シートを重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段により熱転写シートの背面を画像状に加熱して、色材層に含まれる色材を選択的に移行させて、熱転写受像シート上に画像を形成する方法である。
熱転写方法は、溶融転写方式と昇華転写方式に分けられる。溶融転写方式は顔料等の色材を熱溶融性のワックスや樹脂等のバインダーに分散させた熱溶融インキ層をPETフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートを用い、サーマルヘッド等の加熱手段に画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙やプラスチックシート等の熱転写受像シート上に、色材をバインダーと共に転写する画像形成方法である。溶融転写方式による画像は、高濃度で鮮鋭性に優れ、文字等の2値画像の記録に適している。
一方、昇華転写方式は主に昇華により熱移行する染料を樹脂バインダー中に溶解或いは分散させた染料層をPETフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートを用い、サーマルヘッド等の加熱手段に画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙やプラスチック等の基材シート上に(必要に応じて染料受容層を設けてなる熱転写受像シート上に)、染料のみを転写移行させる画像形成方法である。昇華転写方式は、印加されるエネルギー量に応じて染料の移行量を制御できるため、サーマルヘッドのドット毎に画像濃度を制御した階調画像の形成を行なうことができる。また、使用する色材が染料であるため、形成される画像には透明性があり、異なる色の染料を重ねた場合の中間色の再現性が優れている。したがって、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の異なる色の熱転写シートを用い、熱転写受像シート上に各色染料を重ねて転写する際にも、中間色の再現性に優れた高画質な写真調フルカラー画像の形成が可能である。
マルチメディアに関連した様々なハード及びソフトの発達により、この熱転写方法は、コンピューターグラフィックス、衛星通信による静止画像そしてCD−ROMその他に代表されるデジタル画像及びビデオ等のアナログ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、その市場を拡大している。この熱転写方法による熱転写受像シートの具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD、CAMなどの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミューズメント施設における合成写真、記念写真としての用途などをあげることができる。
上記の熱転写受像シートの用途の多様化に伴い、任意の対象物に熱転写画像を形成する要求が高まっている。通常は、熱転写画像を形成する対象物として、基材上に受容層を設けた専用の熱転写受像シートを用いているが、この場合には、基材等に制約が生ずることとなる。このような状況下、特許文献1に示されるように受容層が基材上に剥離可能に設けられた熱転写箔が提案されている。この熱転写箔によれば、染料層を有する熱転写シートを用いて、受容層に染料を転写して画像を形成し、その後に熱転写箔を加熱して、受容層を任意の被転写体上に転写することができ、被転写体に制約を受けることがなく熱転写画像の形成が可能となる。
また、上記の熱転写箔を用いることは、受容層を被転写体に転写することができるので、色材が移行しにくく、高画質の画像を直接形成できない被転写体や、熱転写時に色材層と融着し易い被転写体等に対して、好ましく用いられている。そのため、熱転写箔は、パスポート等の身分証明書やクレジットカード・IDカード等の印画物の作成に対して好ましく用いられている。
ところで、上記の熱転写箔を用いて形成された熱転写画像は、最表面に画像が形成された受容層であることから耐候性、耐摩擦性、耐薬品性等の耐久性に欠ける弱点がある。そこで、近年、特許文献2に示されるように、基材上に、剥離層、保護層、受容層兼接着層が設けられた熱転写箔が提案されている。この熱転写箔によれば、熱転写画像の表面に保護層が形成されることから、熱転写画像に耐久性を付与することができる。
特開昭62−238791号公報 特開2004−351656号公報
しかしながら、特許文献2で提案される熱転写箔の保護層の耐久性は、身分証明書やIDカード、クレジットカード等、極めて高い耐久性が必要とされる分野の要求を満足させるまでには至っていない。
また、このとき保護層の可塑剤に対する耐性(以下、耐可塑剤性という。)が弱い場合には、被転写体へ転写後の保護層と可塑剤入りの樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)とを接触させた場合に、熱転写画像の染料が保護層を透過して可塑剤入りの樹脂へと移行し画像が消滅してしまう問題が生ずる。
このため、近時、保護層には、更に高い耐可塑剤性が求められており、保護層の耐可塑剤性については改善の余地が残されている。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、耐久性及び耐可塑剤性を付与することができる保護層を備えた熱転写箔を提供することを主たる課題とする。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、基材シートと、前記基材シートの一方の面に形成される保護層と、前記保護層上に形成される受容層を備える熱転写箔であって、前記保護層が、バインダー樹脂と、自己造膜性を有する鱗片状シリカ粒子とを含有することを特徴とする。
更に、本発明は、前記保護層の固形分総量に対し、前記鱗片状シリカ粒子が、5質量%以上50質量%以下の範囲で含有することを含む。
また、本発明は、前記保護層は、ケン化度が80モル%以上100モル%以下のポリビニルアルコールを含有することを含む。
本発明によれば、転写後の印画物に耐久性及び耐可塑剤性を付与することができる保護層を備える熱転写箔を提供することができる。
本発明の熱転写箔である一つの実施形態を示す概略断面図である。 本発明の熱転写箔である他の実施形態を示す概略断面図である。 本発明で使用する熱転写シートの実施形態を示す概略平面図である。 本発明の熱転写箔10を説明するための概略図である。 本発明の熱転写箔の概略平面図である。 本発明の熱転写箔を説明するための概略図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1に本発明の熱転写箔である一つの実施形態を示す。
図1に示すように本発明の熱転写箔10は、基材シート1と、該基材シート1の一方の面に設けられた保護層3、及び受容層4とから構成される。保護層3と受容層4は熱転写時に被転写体に転写される層である。以下、本発明において熱転写時に被転写体に転写される層を総称して転写層2という場合がある。
図2に本発明の熱転写箔である他の実施形態を示す。
図2に示すように本発明の熱転写箔10は、剥離層5、保護層3、受容層4が転写層2である。なお、剥離層5は、本発明の熱転写箔10における任意の構成である。
以下、本発明の熱転写箔を構成する各層について、詳細に説明する。
(基材シート)
熱転写箔における基材シート1は、転写層2を保持するという機能を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上、支障がない程度の機械的強度を有するものが好ましい。このような基材シートの材料は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げ
られる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。基材シート1の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1μm〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
(転写層)
図1に示すように基材シート1上には、熱転写時に基材シート1から剥離可能に設けられた転写層2が形成されている。転写層2は、本発明の熱転写箔10における必須の構成である保護層3と受容層4を少なくとも含み、熱転写時に基材シート1から剥離され、被転写体に転写される層である。
(受容層)
受容層4は、図1に示すように、熱転写箔を構成する転写層2の一部として、最表面に位置するように設けられている。この受容層上には、熱転写によって、色材層を有する熱転写シートから熱転写によって画像が形成される。そして、画像が形成された熱転写箔の転写層2は、被転写体上に再転写され、その結果、印画物が形成される。このため、受容層4を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い樹脂材料を使用することができる。
例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、特に、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
受容層4が接着層を介して被転写体に転写される場合には、受容層4自体の接着性は必ずしも要求されない。しかし、受容層4が接着層を介さないで被転写体に転写される場合には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの接着性を有する樹脂材料を用いて受容層4を形成することが好ましい。
受容層4は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて受容層形成用塗布液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。その塗布量は、乾燥状態で1g/m2〜10g/m2程度である。
(保護層)
保護層3は、バインダー樹脂と、自己造膜性を有する鱗片状シリカ粒子とを含有する。
鱗片状シリカ粒子とは、薄片形状を有するシリカの一次粒子が互いに面間を平行的に配向させて複数枚重なって形成される葉状シリカ二次粒子をいう。鱗片状シリカ粒子はいわゆる層状ポリ珪酸である。鱗片状シリカは、保護層中で基材シートと平行的に配行して積層し、表面のシラノール基同士で結合して自己造膜性を有することから、常温において強固な膜を形成することにより、保護層の耐可塑剤性及び耐久性の向上に効果を発揮する。更に、保護層3に非常に高い透明性を付与することができる。
鱗片状シリカ粒子の平均粒径(レーザー散乱法により測定)は、0.1μm〜5μmであることが好ましく、またそのアスペクト比は10〜1000が好ましい。平均粒径が0.1μm未満であると、保護層の耐可塑剤性及び耐久性の向上効果が不十分となり、また5μmを超えると保護層が不均一となることから好ましくない。
鱗片状シリカは、粉体または水中に分散されたスラリーの形態があるが、水中に分散されたスラリーの形態のものがより細かく分散していることから、より好ましく用いられる。
鱗片状シリカ粒子の含有量についても特に限定はないが、保護層3の固形分総量に対し、鱗片状シリカ粒子の含有量が5質量%未満である場合には、耐可塑剤性及び耐久性を充分に満足させることができない場合があり、一方で、50質量%を超えると、保護層3の塗布安定性および耐久性が低下する傾向にある。したがって、この点を考慮すると、保護層3の固形分総量に対し、鱗片状シリカ粒子は5質量%以上50質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましい。
本発明の保護層3を構成するバインダー樹脂成分についても特に限定はなく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線吸収性樹脂等を挙げることができる。
中でも、鱗片状シリカが水中に分散されたスラリーの形態である場合、バインダー樹脂が、有機高分子樹脂の水性エマルジョンや水溶性有機高分子樹脂であると配合が容易であるため好ましい。
バインダー樹脂は、さらに高い耐久性および箔切れ性が求められる用途において、混合させるバインダー樹脂の数平均分子量(Mn)が300以上、30,000以下であって、ガラス転移温度(Tg)が35℃以上、60℃以下のバインダー樹脂を含有することが好ましい。さらに高い耐久性が求められる用途においては、数平均分子量(Mn)が12,000以上のバインダー樹脂を用いることが好ましい。
なお、本発明における数平均分子量(Mn)とは、GPCにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量である。また、本発明におけるガラス転移温度(Tg)とはDSC(示差走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求められる温度である。
また、保護層は、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等を含有することで可塑剤成分を弾くことにより、耐可塑剤性を付与することができる。
中でも、ポリビニルアルコールのケン化度が80モル%〜100モル%のものが好ましい。ケン化度がこの範囲のポリビニルアルコールを保護層に含有させることで、耐可塑剤性を更に向上させることができる。なお、本発明におけるケン化度とは、ポリマー中のビニルアルコール構造のモル数を、ポリマー中の全モノマーのモル数で割った値をいう。
また、ポリビニルアルコールの平均重合度は、200〜3500の範囲が好ましい。
また、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、またはポリビニルピロリドンは、これらの1種の質量(2種以上の場合にあっては混合物の質量)が、保護層の総質量に対し5質量%〜40質量%の範囲内で含有されていることが好ましい。
また、電離放射線硬化性樹脂を含有する保護層3は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている点で保護層3のバインダー樹脂として好適に用いることができる。
電離放射線硬化性樹脂について特に限定されることはなく、従来公知の電離放射線硬化性樹脂の中から適宜選択して用いることができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを用いることができる。
本発明の保護層3は、本発明のバインダー樹脂に加え、蛍光増白剤、耐侯性を向上させるための紫外線吸収剤等、その他の材料を含有していてもよい。
紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものが挙げられる。
保護層3の厚みについて特に限定はないが、保護層3の厚みが30μmを超えると、箔切れ性が低下する傾向にあり、1μm未満である場合には、耐久性及び耐可塑剤性が低下する傾向にある。したがって、この点を考慮すると、保護層3の厚みは1μm以上30μm以下であることが好ましい。
保護層3の形成方法としては、本発明のバインダー樹脂と、必要に応じて添加される他のバインダー樹脂や、各種材料を、適当な溶剤により、溶解または分散させて保護層形成用塗布液を調製し、これを基材シート1(必要に応じて基材シート1上に設けられた剥離層5)上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。
(剥離層)
基材シート1からの転写層2の剥離性を向上させるために、基材シート1と保護層3との間に剥離層5を設けてもよい。剥離層5は、転写層2を構成し熱転写時に被転写体上へ移行する任意の層であるが、剥離層5を設けることで転写層2の剥離性を向上させるとともに、上記保護層3との相乗効果によって、印画物の耐久性を更に向上させることができる点で好ましい。
剥離層5の材料としては、従来公知の材料、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル共重合体の熱可塑性樹脂や、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂、アミノアルキッド樹脂などの熱硬化型の樹脂、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。また、剥離層5には箔切れ性を向上させるために、マイクロシリカやポリエチレンワックスなどのフィラーを含有させることが好ましい。また、剥離層5は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また剥離層5は、上記に例示した樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。
必要に応じて設けられる剥離層5は、上記の樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの公知のコーティング方法で、基材シート1上の少なくとも1部に塗布、乾燥することで形成することができる。剥離層5の厚さとしては、通常は0.1μm〜5μm程度、好ましくは0.5μm〜2μm程度である。
(耐可塑剤性層)
転写層2が転写された印画物の耐可塑剤性を向上させるために、図示しないが、剥離層5と保護層3との間に耐可塑剤性層を設けてもよい。
耐可塑剤性層としては、可塑剤成分を弾く材料や、可塑剤成分が画像に到達しにくい材料を好ましく使用することができる。可塑剤成分を弾く材料としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等を挙げることができる。可塑剤成分が画像に到達しにくい材料としては、カチオン性のウレタンエマルジョン等のカチオン性樹脂を挙げることができる。これらの材料は単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いることもできる。
また、可塑剤成分を弾く材料として例示したポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂は、ケン化度が30%〜100%のものが好ましく、60%〜100%のものが更に好ましい。ケン化度がこの範囲のポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂を耐可塑剤性層に含有させることで、転写層2の耐可塑剤性を更に向上させることができる。なお、本発明におけるケン化度とは、ポリマー中のビニルアルコール構造のモル数を、ポリマー中の全モノマーのモル数で割った値をいう。可塑剤成分を弾く材料や、可塑剤成分が画像に到達しにくい材料は、耐可塑剤性層の固形分総量に対し20質量%〜100質量%の範囲内で含有されていることが好ましい。
また、耐可塑剤性層には、必要に応じて、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤、蛍光増白剤、その他の添加剤等を添加してもよい。
必要に応じて設けられる耐可塑剤性層は、上記で例示した材料の1種又は2種以上と、必要に応じて添加される各種材料を適当な溶剤により溶解または分散させて耐可塑剤性層用塗布液を調製し、これを基材シート1、あるいは必要に応じて設けられる剥離層5上に塗布・乾燥して形成することができる。耐可塑剤性層の厚さについて特に限定はないが、通常は乾燥後の厚みで0.1μm〜50μmであり、好ましくは1μm〜20μm程度である。
(熱転写シート)
図3は、本発明で使用する熱転写シート20の実施形態を示す概略平面図である。
図3に示すように、基材層の同一面上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各染料層12、ブラック(BK)の溶融層13を面順次に、繰り返し形成して、塗り分けたものである。
基材層の他方の面には、サーマルヘッド等の加熱手段との融着を防止し、摺動性を向上させるために、背面層を設けることができる。
以下、熱転写シート20を構成する各層の説明を行う。
(基材層)
熱転写シートを構成する基材層14は、特に限定するものではない。好ましい基材層の具体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙またはパラフィン紙等の薄紙、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。基材層の厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になるように、材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1μm〜25μm程度のものが好ましく用いられる。
(背面層)
背面層15に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物が用いられる。背面層の耐熱性をより高めるために上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
さらに、サーマルヘッドとの摺動性を付与するために、背面層15に固形あるいは液状の離型剤又は滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤又は滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。背面層に含有される滑剤の量は5質量%〜50質量%、好ましくは10質量%〜30質量%程度である。
背面層15を形成する手段は、上記のごとき、樹脂に必要に応じて離型剤や滑剤等を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、塗布液を調製し、この塗布液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバーなどの慣用の塗布手段により、塗布し、乾燥するものである。その背面層の塗布量は、乾燥状態で0.1g/m2〜10g/m2程度である。
(染料層)
昇華性の染料層12は、昇華性染料、バインダー樹脂およびその他の任意成分を含む塗布液から形成される。昇華性染料、バインダー樹脂等は、従来公知のものを使用することができ、特に限定されない。染料層は、染料層用塗布液を調製し、これを基材層にグラビア印刷法等の手段により塗布、乾燥して形成するという方法で形成することができる。染料層の塗布量は、乾燥状態で0.2g/m2〜3g/m2程度である。
(溶融層)
溶融層13は、従来と同様の熱溶融性インキを用いて形成することができ、必要に応じて種々の添加剤が加えられる。これらの材料は、従来公知のものを使用することができ特に限定されない。溶融層は、ホットメルトコート等の方法を用い、基材層上に熱溶融性インキを塗布することによって形成される。形成される溶融層の厚さは、必要な濃度と熱感度との関係から決定され、通常、約0.2μm〜10μmの範囲が好ましい。
(被転写体)
被転写体30上には、上述した熱転写箔の熱転写画像の形成された転写層2が転写され、その結果、各種耐久性に優れた熱転写画像を有する印画物が得られる。
本発明の熱転写箔が適用される被転写体30は特に限定されず、例えば天然繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等いずれのものでもよい。
被転写体30の形状、用途についても、株券、証券、証書、通帳類、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場券、チケット等の金券類、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、メンバーズカード、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、ICカード、光カードなどのカード類、カートン、容器等のケース類、バック類、帳票類、封筒、タグ、OHPシート、スライドフィルム、しおり、カレンダー、ポスター、パンフレット、メニュー、POP用品、コースター、ディスプレイ、ネームプレート、キーボード、化粧品、腕時計、ライター等の装身具、文房具、レポート用紙など文具類やパスポート、小型の本、雑誌等の小冊子、建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、ラジオ、テレビ、電卓、OA機器等の装置類、各種見本帳、アルバム、また、コンピュータグラフィックスの出力、医療画像出力等、種類を問うものではない。
このような被転写体30の表面に、ICチップや、署名部、捺印部、ホロCIマーク部等の付属品を設け、被転写体に付加価値をもたせることが好ましく行なわれる。この付属品は、熱転写箔10からの転写層2で覆われては不都合なもので、少しでも付属品に転写物があると、その付属品の機能が正常に発揮できなくなる。
図4は、本発明の熱転写箔10を説明するための概略図である。
図4に示すように、基材シート1上に剥離可能に、受容層、保護層等を備える転写層2を設けた熱転写箔10と、背面層15を設けた基材層14の他方の面に染料層12および溶融層13を設けた熱転写シート20とを、染料層12、溶融層13と転写層2とを面順次に接するように重ねてサーマルヘッド16で加熱して、昇華型または溶融型の熱転写画像を形成することができる。
図5は、本発明の熱転写箔10の概略平面図である。
図5に示すように、熱転写画像が形成された受容層を備えた転写層2を有する熱転写箔10である。
図6は、本発明の熱転写箔を説明するための概略図である。
図6に示すように、被転写体30に転写層2をヒートロール17の加熱手段により再転写される。
上記の熱転写の画像形成の加熱手段は、サーマルヘッドに限定されず、光源あるいはレーザ光源を用いた加熱手段であっても良い。また、上記の熱転写画像の形成された転写部を被転写体へ再転写する加熱手段は、ヒートロール方式に限定されず、ホットスタンプ方式、サーマルヘッド方式等でも可能である。
また、図示しないが、本発明では、上記の所定領域の転写層2を熱転写箔10から取り除く前に、該所定領域の周辺を転写層と接着しない材料で覆われた加熱層で、空印画して加熱することができる。この空印画は、熱転写シートの加熱層と熱転写箔の転写層とを接するように重ね合わせて、サーマルヘッド等の加熱手段により加熱するが、転写は行なわれない。したがって、画像形成の印画は行なわれない。この空印画により、熱転写箔の基材シートと転写層との接着性が向上させることができる。
ところで、従来の画像形成時の不具合事項の一つとして「オビキ」(FLASH、箔切れ)がある。これは、たとえばカード等の被転写体30に再転写した際に、被転写体30の端面に発生し、被転写体30の端面に非転写領域がきれいに除去しきれずにその一部が残存したままプリンター外に搬出したり、プリンター内で剥がれ落ちたりする現象であり、品質低下の要因となる。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、%、部は質量基準である。
(実施例1)
基材シートとして厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)を用い、該基材シート上に下記組成の剥離層形成用塗布液を乾燥状態で1.0g/m2の塗布量となるように塗布し剥離層を形成した。次いで、剥離層上に下記組成の保護層形成用塗布液1を乾燥状態で1.5g/m2の塗布量となるように塗布し保護層を形成した。更に該保護層の上に下記組成の受容層形成用塗布液を、乾燥状態で2.0g/m2の塗布量となるように塗布し受容層を形成して実施例1の熱転写箔を得た。なお、上記の剥離層形成用塗布液、保護層形成用塗布液、受容層形成用塗布液は、全てグラビアコーティングにて塗布した。
<剥離層形成用塗布液>
・アクリル樹脂 95部
(BR−87、三菱レイヨン(株)製)
・ポリエステル樹脂 5部
(バイロン200、東洋紡(株)製)
・トルエン 200部
・MEK 200部
<保護層形成用塗布液1>
・水溶性ポリエステルウレタン樹脂 80部
(ハイドラン、HW−350 DIC社製、固形分30質量%)
・鱗片状シリカ粒子の水性スラリー 5部
(サンブリーLFS、HN50、AGCエスアイテック(株)製
鱗片状シリカ粒子の含有量15.5質量%、平均粒子径0.5μm)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
<受容層形成用塗布液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 95部
(CNL、日信化学工業(株)製)
・エポキシ変性シリコーンオイル 5部
(KP−1800U、信越化学工業(株)製)
・トルエン 200部
・MEK 200部
(実施例2)
保護層形成用塗布液1を保護層形成用塗布液2に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の熱転写箔を得た。
<保護層形成用塗布液2>
・水溶性ポリエステルウレタン樹脂 55部
(ハイドラン、HW−350 DIC社製、固形分30質量%)
・鱗片状シリカ粒子の水性スラリー 30部
(サンブリーLFS、HN50、AGCエスアイテック(株)製
鱗片状シリカ粒子の含有量15.5質量%、平均粒子径0.5μm)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
(実施例3)
保護層形成用塗布液1を保護層形成用塗布液3に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例3の熱転写箔を得た。
<保護層形成用塗布液3>
・水溶性ポリエステルウレタン樹脂 35部
(ハイドラン、HW−350 DIC社製、固形分30質量%)
・鱗片状シリカ粒子の水性スラリー 50部
(サンブリーLFS、HN50、AGCエスアイテック(株)製
鱗片状シリカ粒子の含有量15.5質量%、平均粒子径0.5μm)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
(実施例4)
保護層形成用塗布液1を保護層形成用塗布液4に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例4の熱転写箔を得た。
<保護層形成用塗布液4>
・水溶性ポリエステルウレタン樹脂 55部
(ハイドラン、HW−350 DIC社製、固形分30質量%)
・鱗片状シリカ粒子の水性スラリー 30部
(サンブリーLFS、PN−010、AGCエスアイテック(株)製
鱗片状シリカ粒子の含有量7質量%〜9質量%、平均粒子径0.1μm)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
(実施例5)
保護層形成用塗布液1を保護層形成用塗布液5に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例5の熱転写箔を得た。
<保護層形成用塗布液5>
・水溶性ポリエステルウレタン樹脂 55部
(ハイドラン、HW−350 DIC社製、固形分30質量%)
・鱗片状シリカ粒子の水性スラリー 30部
(サンブリーLFS、PN−020、AGCエスアイテック(株)製
鱗片状シリカ粒子の含有量10質量%〜12質量%、平均粒子径0.2μm)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
(実施例6)
保護層形成用塗布液1を保護層形成用塗布液6に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例6の熱転写箔を得た。
<保護層形成用塗布液6>
・水溶性ポリエステルウレタン樹脂 55部
(ハイドラン、HW−350 DIC社製、固形分30質量%)
・鱗片状シリカ粒子の水性スラリー 30部
(サンブリーLFS、HN150、AGCエスアイテック(株)製
鱗片状シリカ粒子の含有量15.5質量%、平均粒子径1.5μm)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
(実施例7)
保護層形成用塗布液1を保護層形成用塗布液7に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例7の熱転写箔を得た。
<保護層形成用塗布液7>
・水溶性ポリエステル樹脂 55部
(プラスコート、Z−687 互応化学(株)製、固形分25質量%、Tg=110℃)
・鱗片状シリカ粒子の水性スラリー 30部
(サンブリーLFS、HN50、AGCエスアイテック(株)製
鱗片状シリカ粒子の含有量15.5質量%、平均粒子径0.5μm)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
(実施例8)
保護層形成用塗布液1を保護層形成用塗布液8に変更した以外は、全て実施例1と同様にして実施例8の熱転写箔を得た。
<保護層形成用塗布液8>
・スチレン−アクリル系樹脂 55部
(ミューティクルPP320P 三井化学(株)製)
・鱗片状シリカ粒子の水性スラリー 30部
(サンブリーLFS、HN50、AGCエスアイテック(株)製
鱗片状シリカ粒子の含有量15.5質量%、平均粒子径0.5μm)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
(比較例1)
保護層形成用塗布液1を保護層形成用塗布液9に変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の熱転写箔を得た。
<保護層形成用塗布液9>
・水溶性ポリエステルウレタン樹脂 85部
(ハイドラン、HW−350 DIC社製、固形分30質量%)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
(比較例2)
保護層形成用塗布液1を保護層形成用塗布液10に変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写箔を得た。
<保護層形成用塗布液10>
・水溶性ポリエステルウレタン樹脂 55部
(ハイドラン、HW−350 DIC社製、固形分30質量%)
・シリカ 30部
(ST−N、日産化学(株)製)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
(比較例3)
保護層形成用塗布液1を保護層形成用塗布液11に変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例3の熱転写箔を得た。
<保護層形成用塗布液11>
・水溶性ポリエステルウレタン樹脂 55部
(ハイドラン、HW−350 DIC社製、固形分30質量%)
・シリカ 30部
(ST−OL、日産化学(株)製)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
(比較例4)
保護層形成用塗布液1を保護層形成用塗布液12に変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例4の熱転写箔を得た。
<保護層形成用塗布液12>
・水溶性ポリエステルウレタン樹脂 55部
(ハイドラン、HW−350 DIC社製、固形分30質量%)
・シリカ 30部
(ST−OUP、日産化学(株)製)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
(比較例5)
保護層形成用塗布液1を保護層形成用塗布液13に変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例5の熱転写箔を得た。
<保護層形成用塗布液13>
・水溶性ポリエステル樹脂 55部
(プラスコート、Z−687 互応化学(株)製、固形分25質量%、Tg=110℃)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
(比較例6)
保護層形成用塗布液1を保護層形成用塗布液14に変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例6の熱転写箔を得た。
<保護層形成用塗布液14>
・スチレン−アクリル系樹脂 55部
(ミューティクルPP320P 三井化学(株)製)
・ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
(PVA−205 ケン化度:87モル%〜89モル% 平均重合度:500
(株)クラレ社製)
・水 200部
・イソプロピルアルコール 200部
(熱転写シート)
まず、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材層として用い、図3に示すように、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層と、熱溶融転写性を有し、色相が黒色の溶融層を面順次に繰り返し形成して、熱転写シートを作製した。尚、上記基材層には背面層を乾燥時1.0g/m2の厚さで、予め形成しておいた。
(印画物の作成)
上記で得られた熱転写シートと、実施例1〜8、比較例1〜6の熱転写箔を用いて、市販のサーマルヘッドを搭載したHDP−600プリンタ(HID社製)を用いて、昇華転写の写真調の画像と、溶融転写の文字画像の熱転写画像を熱転写箔の受容層に形成した。
次に、被転写体である市販の塩化ビニル製カード(大日本印刷会社製)を熱転写箔の画像形成された転写層とを接するように重ね合せて、上記のプリンターで加熱して、その画像形成された熱転写箔の転写層(剥離層、保護層、受容層)を、所定の位置に重ね合わせヒートロールを用いて再転写して、被写体である塩化ビニル製カードの上に、実施例1〜8、比較例1〜6の印画物を形成した。
<耐可塑剤性試験>
耐可塑剤性試験は、ANSI INCITS 322−2002 5.14 Plasticizer Induced Migrationに基づく試験であり、実施例1〜8、比較例1〜6の印画物を、長軸、短軸方向の裏、表にてそれぞれ300回折り曲げ試験を行い、保護層の接着性を弱め、DOPを印画物表面に滴下し、バーコーターで全面に塗布した後に、表面をPETフィルムで覆い、40℃環境にて8時間保存を行い、DOPが印画物に与える影響を確認した。評価は、印画物表面の顕微鏡観察により行い、以下の評価基準により評価を行った。
<評価方法>
5・・・折り曲げ試験を行った箇所で、保護層の浮き上がり、剥がれともに発生無し
4・・・折り曲げ試験を行った箇所で、わずかに保護層の浮き上がり、または剥がれが認められる
3・・・折り曲げ試験を行った箇所の半分程度、保護層の浮き上がり、剥がれが認められる
2・・・折り曲げ試験を行った箇所の全域に、保護層の浮き上がり、剥がれが認められる
1・・・ほぼ全領域にて保護層の浮き上がり、剥がれが認められる
<耐久性(Taber試験)>
上記で得られた実施例1〜8、比較例1〜6の印画物にテーバー磨耗試験機(株式会社東洋精機製作所製、ロータリーアブレージョンテスタ)で磨耗輪CS−10Fを用い,荷重500gfで250回毎に磨耗輪を研磨し、合計500回研磨した。研磨後に表面の状態を目視で観察し、以下の評価基準で評価を行った。
<評価基準>
3・・・画像がほぼ削られていない。
2・・・画像がある程度削られているが使用上問題なし。
1・・・画像がかなり削られており、使用上問題の出るレベルである。
<箔切れ性(オビキ)試験>
上記で得られた実施例1〜8、比較例1〜6の印画物の箔切れ性(オビキ)の確認を目視にて行い、以下の評価基準で評価を行った。
なお、オビキ量は、転写層の転写領域と非転写領域の境界を起点とし、該境界から非転写領域側にはみ出した転写層の長さを意味する。
<評価基準>
3・・・オビキ量が0.3mm未満である。
2・・・オビキ量が0.3以上1mm未満であるが、使用上問題になるレベルではない。
1・・・オビキ量が1mm以上であり、使用上問題の出るレベルである。
上記の耐可塑剤性、耐久性及び箔切れ性の評価結果を表1に示す。
Figure 2014065271
表1からも明らかなように、本発明の発明特定事項を全て充足する保護層を備える熱転写箔によれば、耐可塑剤性、箔切れ性、耐久性ともに良好な結果を得ることが確認できた。一方、本発明の発明特定事項を充足しない保護層を備える熱転写箔では、耐可塑剤性、箔切れ性、耐久性の全てを満足させることはできておらず、このことからも、本発明の優位性は明らかである。
1 基材シート
2 転写層
3 保護層
4 受容層
5 剥離層
10 熱転写箔
12 染料層
13 溶融層
14 基材層
15 背面層
16 サーマルヘッド
17 ヒートロール
20 熱転写シート
30 被転写体

Claims (3)

  1. 基材シートと、前記基材シートの一方の面に形成される保護層と、前記保護層上に形成される受容層を備える熱転写箔であって、
    前記保護層が、バインダー樹脂と、自己造膜性を有する鱗片状シリカ粒子とを含有することを特徴とする熱転写箔。
  2. 前記保護層の固形分総量に対し、前記鱗片状シリカ粒子が、5質量%以上50質量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載の熱転写箔。
  3. 前記保護層は、ケン化度が80モル%以上100モル%以下のポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱転写箔。
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