JP2015178240A - 中間転写記録媒体及び画像形成方法 - Google Patents

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明日香 大嶋
廣田 憲一
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憲一 廣田
智子 五十嵐
Tomoko Igarashi
智子 五十嵐
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Abstract

【課題】 熱転写方式の記録の長所と、インクジェット方式の記録の長所の両方を満足することが可能な中間転写記録媒体及びその中間転写記録媒体を使用した画像形成方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも基材2と、前記基材2の一方の面に剥離可能に設けられた転写部10とからなり、前記転写部10は基材2側から、少なくとも剥離層3、受容層4の順に積層され、前記剥離層3が少なくとも無機微粒子を含有することを特徴とする中間転写記録媒体1の構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、中間転写記録媒体及びその中間転写記録媒体を使用した画像形成方法に関わるものである。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、それらの中でも、昇華転写用染料を記録材とし、これをポリエステルフィルム等の基材上に適当なバインダーで担持させた染料層を有する熱転写シートから、昇華染料で染着可能な被転写材、例えば、紙やプラスチックフィルム等に染料受容層を形成した熱転写受像シート上に昇華染料を熱転写し、各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この場合には、加熱手段として、プリンターのサーマルヘッドによる加熱によって、3色または4色の多数の加熱量が調整された色ドットを熱転写受像シートの受容層に転移させ、該多色の色ドットによりフルカラー画像を再現するものである。このように形成された画像は、使用する色材が染料であることから、非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、かつフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。
このような熱転写受像シートは様々な用途で使用する要求があり、また任意の被転写体に熱転写画像を形成したい要求が高まっている。その対応の一つとして、受容層が基材上に剥離可能に設けられた中間転写記録媒体で、その受容層に染料層を有する熱転写シートを用いて、染料を転写して画像を形成し、その後に中間転写記録媒体を加熱して、受容層を被転写体上に転写する方法が、提案され、実用化されている。
この中間転写記録媒体を用いて形成された印画物の熱転写画像は、最表面に画像が形成された受容層が位置することから耐候性、耐摩擦性、耐薬品性等の耐久性に欠ける問題がある。そこで、特許文献1に示されるように、基材上に、剥離層、保護層、受容層兼接着層が設けられた中間転写記録媒体が提案されている。この中間転写記録媒体によれば、得られる印画物は熱転写画像の表面に保護層が形成されることから、熱転写画像に耐久性を付与することができる。
また、特許文献2には、基材上に、少なくとも剥離層、多孔質層、受容層の順に積層した転写部を、剥離可能に設けた中間転写記録媒体が示され、耐久性に優れ、鮮明な画像を有する印画物を形成できることが開示されている。
上記の特許文献1、2に示された中間転写記録媒体は、昇華染料の熱転写方式による記録が行なわれるものである。
一方で、上記の熱転写方式による記録以外に、インクジェット方式で記録を行ないたい要求がある。例えば、特許文献3には、基材上に、離型層、ハードコート層、受容層を順に積層した中間転写記録媒体で、各層を構成する樹脂などを規定し、個人情報などの痕跡が残る熱転写シートを使用せず、耐久性を有する印画物を提供できることが記載されている。
ところが、上記の特許文献1〜3にあるような中間転写記録媒体は、熱転写方式による記録及びインクジェット方式による記録を両立するものではなかった。このため、熱転写方式とインクジェット方式の記録を両立できる中間転写記録媒体が、市場から待ち望まれている。
特開2004−351656号公報 特開2013−067101号公報 特開2009−067013号公報
本発明はこのような状況においてなされたものであり、熱転写方式の記録の長所と、インクジェット方式の記録の長所の両方を満足することが可能な中間転写記録媒体及びその中間転写記録媒体を使用した画像形成方法を提供することを主たる課題とする。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は少なくとも基材と、前記基材の一方の面に剥離可能に設けられた転写部とからなり、前記転写部は基材側から、少なくとも剥離層、受容層の順に積層され、前記剥離層が少なくとも無機微粒子を含有することを特徴とする中間転写記録媒体の構成とした。
また、前記剥離層における無機微粒子は、シリカ及びシリカ変性物の少なくとも1つを含有することを特徴とする中間転写記録媒体の構成とした。
また、中間転写記録媒体を用いた画像形成方法であって、(1)少なくとも基材と、前記基材の一方の面に剥離可能に設けられた転写部とからなり、前記転写部が基材側から、少なくとも剥離層、受容層の順に積層され、前記剥離層が少なくとも無機微粒子を含有する中間転写記録媒体を準備する準備工程と、(2)前記中間転写記録媒体の受容層へ熱転写方式で画像を形成する第一の画像形成工程と、(3)前記画像が形成された中間転写記録媒体の受容層面を被転写体へ重ね合わせて加熱することによって、画像が形成された受容層及び剥離層を、前記被転写体へ転写する転写工程と、(4)前記画像形成された受容層及び剥離層が転写された被転写体の再表面である剥離層へインクジェット方式で画像を形成する第二の画像形成工程と、を備えたことを特徴とする画像形成方法である。
本発明の中間転写記録媒体によれば、フルカラー写真画像に匹敵する高画質の画像が得られるなどの熱転写方式の記録の長所と、オンデマンドで可変情報を記録できるなどのインクジェット方式の記録の長所の両方を満足する印画物を形成することが可能となった。
また、本発明の画像形成方法によれば、上記の熱転写方式の記録の長所と、インクジェット方式の記録の長所の両方を満足する印画物を、簡単に形成することが可能となった。
本発明の中間転写記録媒体の一つの実施形態を示す概略断面図である。 本発明の中間転写記録媒体の他の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の中間転写記録媒体を用いた画像形成方法の一つの実施形態を説明するための画像形成装置の例を示す概略図と、最終的に得られる印画物の概略の拡大図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1は本発明の中間転写記録媒体の一つの実施形態を示す。図示した中間転写記録媒体1は、基材2の一方の面に、剥離層3、受容層4を順次積層し、その基材2の他方の面に耐熱滑性層5を設けた構成である。この場合は、剥離層3及び受容層4の2層が、基材2から剥離可能である転写部10である。図1において、また以下に説明する図2でも、基材2の他方の面に、耐熱滑性層5を設けた形態を示したが、耐熱滑性層は必須のものではなく、省くことが可能である。
また図2は本発明の中間転写記録媒体の他の実施形態を示し、図示した中間転写記録媒体1は、基材2の一方の面に、剥離層3、中間層6、受容層4を順次積層し、その基材2の他方の面に耐熱滑性層5を設けた構成である。この場合は、剥離層3、中間層6及び受容層4の3層が、基材2から剥離可能である転写部10である。図1、2に示す中間転写記録媒体1は、いずれも剥離層3が少なくとも無機微粒子を含有するものである。図2で示した中間転写記録媒体では、中間層6を削除することができ、削除したものが図1で示した中間転写記録媒体の構成である。
以下、本発明の中間転写記録媒体の各構成について、説明する。
(基材)
本発明の中間転写記録媒体に用いられる基材2としては、従来の中間転写記録媒体に使用されているものと同じ基材をそのまま用いることができ、特に限定するものではない。好ましい基材の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。基材の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
(耐熱滑性層)
耐熱滑性層5は、サーマルヘッド等の加熱デバイスと基材2との熱融着を防止し、走行を滑らかに行なう主目的で設けることができる。なお、後で詳細に説明する中間層が少なくとも無機微粒子を含有することが、印画物のさばき性を良好にする主な要因と考えられるが、この耐熱滑性層を設けることによって、印画物のさばき性をさらに良くすることができる。
この耐熱滑性層に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリルースチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物が用いられる。耐熱滑性層の耐熱性をより高めるために上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
さらに、サーマルヘッドとの摺動性を付与するために、耐熱滑性層に固形あるいは液状の離型剤又は滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤又は滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。耐熱滑性層に含有される離型剤や滑剤の量は5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%程度である。このような耐熱滑性層の厚みは、従来公知の手段で、塗工、乾燥させて、乾燥時で0.1〜10g/m2程度、好ましくは0.5〜5g/m2程度とすることができる。
(剥離層)
本発明の中間転写記録媒体の基材上に設ける剥離層3は、中間転写記録媒体の受容層等を被転写体へ転写する時に、基材から受容層等の転写部を剥離しやすくし、さらに被転写体に転写された転写部の最表面層として保護層の機能をもつものである。また、剥離層には無機微粒子を含有しているので、適度な断熱性とクッション性を有しているなどのために、熱転写画像の濃度を高める、また熱転写の感度を高めることができる。さらに、中間転写記録媒体の受容層に熱転写方式による画像が形成された後に、転写部として被転写体へ転写されて、その次に被転写体の転写部の再表面となった剥離層の状態で、インクジェット方式による記録適性、さらに捺印適性を有するものである。上記の捺印適性は、朱肉による捺印適性、水性インキによる捺印適性の両方を満足するものである。
本発明の中間転写記録媒体の剥離層は、少なくとも無機微粒子を含有し、それ以外にバインダー樹脂成分を含み、さらに必要に応じて添加剤を加えることができる。上記の無機微粒子として、例えば、シリカあるいはその変性物の微粒子、アルミナゾル、その他の金属や金属酸化物の微粒子が挙げられる。無機微粒子の平均粒径は、5nm以上300nm以下であることが、透明な性能を維持するために好ましく、さらに10nm以上250nm以下であることがより好ましい。シリカ変性物は、カチオン性基を有するシランカップリング剤などの変性剤を用いて、シリカを変性させたものである。
また、インクジェット方式の記録適性、すなわち裏移りの観点からは、無機微粒子の平均粒径が150nm以上250nm以下であることが好ましい。
上記の平均粒径は、本発明に係る中間転写記録媒体の垂直断面の電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とした。次に、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を求めそれを平均粒径とした。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
また無機微粒子の形状としては、球状、針状、無定形等どのような形状でも良いが、特に、球状粒子を用いることが、その粒子径をできる限り均一にでき、空隙率が高くなり、吸水性能を向上させることができるので、より好ましい。
上記の無機微粒子の中でも、特に、コロイダルシリカが、粒子自体の耐溶剤性が高く、粒子表面に親水性基を有する微粒子であるため好ましい。
コロイダルシリカとしては、例えば、市販品として日産化学工業(株)製スノーテックスシリーズ、オルガノシリカゾル、日揮触媒化成(株)製カタロイドシリーズ等が好ましく使用できる。
無機微粒子の添加量としては、無機微粒子/バインダー樹脂の混合比で、10/100〜50/100(質量比)の範囲が好ましく、これによって、捺印・インクジェット記録の剥離層へ浸透する水性インキ等の吸水量をある程度、制御して吸水させることができ、また、耐摩擦性等の耐久性を兼ね備えるので好ましい。
この混合比が10/100より小さいと、吸水性が低下するので好ましくない。また、その混合比が50/100より大きいと、バインダーとしての効果が不十分となり、印画物における再表面の保護層としての耐久性が低下し、好ましくない。
剥離層は、以下のバインダー樹脂を用いることができる。飽和ポリエステルや、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル重合体の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、アミノアルキッド樹脂などの熱硬化型の樹脂を用いて形成することができる。
剥離層に紫外線吸収剤を含有させることによって、被転写体に転写された後に、剥離層などにより覆われる被転写体の画像等の耐光性、耐候性を向上させることができる。使用する紫外線吸収剤としては、従来公知の有機系紫外線吸収剤であるサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等の非反応性紫外線吸収剤を挙げることができる。また、これらの紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいはアルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入し、反応性紫外線吸収剤とし、その反応性紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとのランダム共重合体を、紫外線吸収性樹脂として含有させてもよい。この紫外線吸収性樹脂として、具体的にはUVA635L、UVA633L(BASFジャパン(株)製)、PUVA−30M、50M等(大塚化学(株)製)等の商品名で市場から入手でき、いずれも本発明で使用することができる。
また剥離層には、その他の添加剤として、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類を離型剤又は滑剤として、加えることができる。
剥離層の形成はグラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の公知の手段により行うことができ、剥離層の塗工量は乾燥状態で0.5〜5.0g/m2程度が好ましい。
(中間層)
本発明の中間転写記録媒体の基材上で、剥離層と受容層との間に中間層6を必要に応じて設けることができる。その中間層は、バインダー樹脂成分を含有することができる。その樹脂成分は、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂等の熱硬化型樹脂を用いることができる。受容層が転写された印画物に対して、耐摩擦性、耐薬品性、耐汚染性が特に要求される場合は、中間層樹脂として電離放射線硬化型樹脂を用いることもできる。
また、中間層は、水溶性樹脂のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルエマルジョン、ウレタンエマルジョン等のエマルジョンを用い、さらに架橋アクリル微粒子、架橋ポリスチレン微粒子、架橋ポリスチレンアクリル微粒子、および、これら微粒子表面への官能基誘導体等の実質的に透明な微粒子を加えて、耐溶剤性や耐可塑剤性を向上させることができる。また、中間層に、耐候性能を向上させるための紫外線吸収剤、酸化防止剤等を加えることができる。中間層は上記の剥離層と同様の方法で形成することができ、塗工量は乾燥状態で0.05g/m2以上1.0g/m2以下となる量で塗工することが好ましい。
(受容層)
本発明における中間転写記録媒体の受容層4は、熱転写シートから移行してくる昇華染料を受容し、形成された画像を維持する為のものである。受容層を形成する為の樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、熱転写シートとの離型性を向上させるために、受容層中に離型剤を含有することができる。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、各種シリコーン樹脂などが挙げられるが、シリコーンオイルが好ましい。上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いることができるが、硬化型のものを用いても良い。硬化型シリコーンオイルとしては反応硬化型、光硬化型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型、触媒硬化型のシリコーンオイルが特に好ましい。
これらシリコーンオイルの添加量は受容層を構成する樹脂の0.5〜30質量%が好ましい。また、受容層の表面の一部に上記離型剤を適当な溶媒に溶解あるいは分散させて塗工した後、乾燥させることにより離型剤層を設けることもできる。離型剤層の厚みは、乾燥時で0.01〜5.0g/m2、特に0.05〜2.0g/m2が好ましい。なお、受容層を形成する際にシリコーンオイルを添加して形成すると、塗工後に表面にシリコーンオイルがブリードアウトするが、これを硬化させても離型剤層を形成することができる。なお、上記受容層の形成に際しては、受容層の白色度を向上させて熱転写画像の鮮明度を更に高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や充填剤を添加することができる。また、フタル酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、リン酸エステル化合物等の可塑剤を添加してもよい。
上記の如き熱可塑性樹脂及び他の必要な添加剤、例えば、離型剤、可塑剤、充填剤、架橋剤、硬化剤、触媒、熱離型剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等を加えたものを、適当な有機溶剤に溶解し、あるいは有機溶剤や水に分散した分散体を、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗工及び乾燥して、受容層を形成することができる。このように形成される受容層の塗工量は、通常、乾燥状態で0.5〜50g/m2程度、好ましくは2〜10g/m2である。また、このような受容層は連続被覆であることが好ましいが、不連続の被覆として形成してもよい。
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、以下の4工程を備えるもので、下記の(1)から(4)に示す工程を順次行うことが好ましい。
(1)少なくとも基材と、前記基材の一方の面に剥離可能に設けられた転写部とからなり、前記転写部が基材側から、少なくとも剥離層、受容層の順に積層され、前記剥離層が少なくとも無機微粒子を含有する中間転写記録媒体を準備する準備工程と、
(2)前記中間転写記録媒体の受容層へ熱転写方式で画像を形成する第一の画像形成工程と、
(3)前記画像が形成された中間転写記録媒体の受容層面を被転写体へ重ね合わせて加熱することによって、画像が形成された受容層及び剥離層を、前記被転写体へ転写する転写工程と、
(4)前記画像形成された受容層及び剥離層が転写された被転写体の再表面である剥離層へインクジェット方式で画像を形成する第二の画像形成工程
(第1工程)中間転写記録媒体を準備する準備工程であって、基材2の一方の面に剥離可能に転写部10を設けた中間転写記録媒体1で、前記転写部10が基材2側から、少なくとも剥離層3、受容層4の順に積層され、前記剥離層3が少なくとも無機微粒子を含有する中間転写記録媒体1を準備する準備工程である。この工程では、前述してきた材料、製造法で、中間転写記録媒体を製造し準備すればよい。本発明の画像形成方法の一つの実施形態を説明するため、画像形成装置の例を示す図3を使用して説明する。この第1工程である中間転写記録媒体の準備工程は、長尺状の中間転写記録媒体1を製造後に、巻取って供給用としての中間転写記録媒体の巻取り53を画像形成装置の所定位置に設置する。
(第2工程)熱転写方式で画像を形成する第一の画像形成工程であって、図3に示すように、基材の一方の面に染料層、熱溶融性転写層の色材層を設けた熱転写シート20が供給ロール51から送り出され、巻取ロール52に巻き取られる形態で、その熱転写シート20の色材層から、サーマルヘッド61の加熱手段を用いて、中間転写記録媒体1の受容層へ色材を移行させて熱転写画像70を形成する。上記の加熱手段は、サーマルヘッド61とプランテンローラー62との間に、中間転写記録媒体1の受容層と、熱転写シート20の色材層を重ねるように圧接可能に配設し、サーマルヘッド61による加熱により、その加熱量が調整された色ドットを受容層に転移させ、熱転写画像70を形成する。この第一の画像形成工程では、上記で説明した本発明の中間転写記録媒体を使用しているので、つまり剥離層の適度な断熱性とクッション性を有しているなどのため、上記熱転写画像70の濃度を高くすることができる。
(第3工程)第2工程で熱転写画像70を形成した中間転写記録媒体1から、熱転写画像70が形成された受容層及び剥離層を、被転写体30へ転写する転写工程である。この転写工程では、中間転写記録媒体1はヒートローラー63を通過して、ガイドローラーに案内され、巻取ロール54に巻き取られる。また、被転写体30は、給紙部(図示していないが)に多数枚重ねられた状態から、1枚ずつヒートローラー63の方向へ送られる。ヒートローラー63と搬送ローラー64との間に、中間転写記録媒体1の熱転写画像70が形成された受容層と、被転写体30が重なるように圧接可能に配設されている。そして、熱源であるヒートローラー63により基材側から中間転写記録媒体1を加熱することにより、熱転写画像70が剥離層3及び受容層4の転写部10とともに被転写体30に転写されて、印画物40が形成される。
(第4工程)第3工程で被転写体30に熱転写画像70が剥離層3及び受容層4の転写部とともに転写形成された印画物40の再表面である剥離層3へ、インクジェット方式で画像を形成する第二の画像形成工程である。図3に示すように、被転写体30上に、熱転写画像70を有する受容層4、剥離層3を順に設けた印画物40が、インクジェット記録部65へ搬送される。そのインクジェット記録部65から、選択された色材を有するインクジェットインキが、その印画物40の剥離層3へ吐出され、インクジェット画像80が形成される。このインクジェット画像80として、例えば捺印画像、日付などを記録することができる。(図3の印画物の拡大図を参照)
図3の拡大図で示す印画物は、熱転写画像70及びインクジェット画像80を有したもので、上記画像形成方法で得られる最終印画物である。この印画物は、フルカラー写真画像に匹敵する高品質画像を形成できる熱転写方式の記録の長所と、オンデマンドで可変情報を記録できるインクジェット方式の記録の長所を合わせもったものである。図3の拡大図で示すように、熱転写画像70は剥離層3に被覆、保護されていて、熱転写画像70の耐久性をもたせている。それに対して、インクジェット画像80は印画物40の最表面である剥離層3に記録されている。この印画物40は、熱転写画像70の形成位置と、インクジェット画像80の形成位置を、印画物の厚さ方向(拡大図の垂直方向)で比較すると、異なる層に形成されている。このことは、この印画物を偽造しようとした場合、熱転写画像70を形成する工程と、インクジェット画像80を形成する工程を同時、あるいは続けて行なうことが出来ないので、偽造が困難となるものである。したがって、本発明の中間転写記録媒体を使用した画像形成方法では、偽造防止性の高い、すなわちセキュリティ性の高い印画物を形成することができる。
なお、上記の第4工程の後に、熱転写画像70及びインクジェット画像80が形成された印画物40を、1枚ずつ排紙部へ排出することができる。すなわち排出工程をとることができる。この排出工程では、第4工程のインクジェット方式で画像を形成する第二の画像形成工程の後に、印画物40は1枚ずつ搬送され、排紙部で堆積される。
(被転写体)
本発明の画像形成方法で、中間転写記録媒体の転写に使用可能な被転写体30としては、特に限定されず、例えば、天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフィルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等いずれのものでもよい。
被転写体の形状・用途についても、株券、証券、証書、通帳類、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場券、チケット等の金券類、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、メンバーズカード、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、ICカード、光カードなどのカード類、カートン、容器等のケース類、バッグ類、帳票類、封筒、タグ、OHPシート、スライドフィルム、しおり、カレンダー、ポスター、パンフレット、メニュー、パスポート、POP用品、コースター、ディスプレイ、ネームプレート、キーボード、化粧品、腕時計、ライター等の装身具、文房具、レポート用紙など文具類、建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、ラジオ、テレビ、電卓、OA機器等の装置類、各種見本帳、アルバム、また、コンピュータグラフィックスの出力、医療画像出力等、種類を問うものではない。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
基材2として、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その基材の一方の面に、グラビアコート法で、下記組成の剥離層用塗工液1を、乾燥後1.0g/m2になるように塗工し、乾燥して剥離層3を形成した。次いで、この剥離層の上に、グラビアコート法で、下記組成の受容層用塗工液を、乾燥後2.0g/m2になるように塗工し、乾燥して受容層4を形成し、実施例1の中間転写記録媒体1を作製した。
<剥離層形成用塗工液1>
・アクリル樹脂 80部
(BR−87、固形分100%、三菱レイヨン(株)製)
・ポリエステル樹脂 5部
(バイロン200、固形分100%、東洋紡(株)製)
・ポリエチレンワックス 5部
(ポリワックス1000、固形分100%、東洋アドレ(株)製)
・紫外線吸収性アクリル樹脂 25部
(PUVA−50M−40TM、固形分40%、大塚化学(株)製)
・コロイダルシリカ 33部
(スノーテックスMEK−ST−L、固形分30%、形状は球状で平均粒径40〜50nm、日産化学工業(株)製)
・トルエン 192,5部
・MEK 192.5部
<受容層形成用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 95部
(CNL、日信化学工業(株)製)
・エポキシ変性シリコーンオイル 5部
(KP−1800U、信越化学工業(株)製)
・トルエン 200部
・MEK 200部
(実施例2)
実施例1で作製した中間転写記録媒体における剥離層用塗工液1を下記組成の剥離層用塗工液2に代えた以外は実施例1と同様にして、中間転写記録媒体を作製した。
<剥離層形成用塗工液2>
・アクリル樹脂 80部
(BR−87、固形分100%、三菱レイヨン(株)製)
・ポリエステル樹脂 5部
(バイロン200、固形分100%、東洋紡(株)製)
・ポリエチレンワックス 5部
(ポリワックス1000、固形分100%、東洋アドレ(株)製)
・紫外線吸収性アクリル樹脂 25部
(PUVA−50M−40TM、固形分40%、大塚化学(株)製)
・コロイダルシリカ 33部
(スノーテックスMEK−ST−ZL、固形分30%、形状は球状で平均粒径70〜100nm、日産化学工業(株)製)
・トルエン 192,5部
・MEK 192.5部
(実施例3)
実施例1で作製した中間転写記録媒体における剥離層用塗工液1を下記組成の剥離層用塗工液3に代えた以外は実施例1と同様にして、中間転写記録媒体を作製した。
<剥離層形成用塗工液3>
・アクリル樹脂 80部
(BR−87、固形分100%、三菱レイヨン(株)製)
・ポリエステル樹脂 5部
(バイロン200、固形分100%、東洋紡(株)製)
・ポリエチレンワックス 5部
(ポリワックス1000、固形分100%、東洋アドレ(株)製)
・紫外線吸収性アクリル樹脂 25部
(PUVA−50M−40TM、固形分40%、大塚化学(株)製)
・コロイダルシリカ 100部
(スノーテックスMEK−ST−ZL、固形分30%、形状は球状で平均粒径40〜50nm、日産化学工業(株)製)
・トルエン 192,5部
・MEK 192.5部
(実施例4)
実施例1で作製した中間転写記録媒体における剥離層用塗工液1を下記組成の剥離層用塗工液4に代えた以外は実施例1と同様にして、中間転写記録媒体を作製した。
<剥離層形成用塗工液4>
・アクリル樹脂 80部
(BR−87、固形分100%、三菱レイヨン(株)製)
・ポリエステル樹脂 5部
(バイロン200、固形分100%、東洋紡(株)製)
・ポリエチレンワックス 5部
(ポリワックス1000、固形分100%、東洋アドレ(株)製)
・紫外線吸収性アクリル樹脂 25部
(PUVA−50M−40TM、固形分40%、大塚化学(株)製)
・コロイダルシリカ 33部
(スノーテックスMEK−ST、固形分30%、形状は球状で平均粒径10〜15nm、日産化学工業(株)製)
・トルエン 192,5部
・MEK 192.5部
(実施例5)
実施例1で作製した中間転写記録媒体における剥離層用塗工液1を下記組成の剥離層用塗工液5に代えた以外は実施例1と同様にして、中間転写記録媒体を作製した。
<剥離層形成用塗工液5>
・アクリル樹脂 80部
(BR−87、固形分100%、三菱レイヨン(株)製)
・ポリエステル樹脂 5部
(バイロン200、固形分100%、東洋紡(株)製)
・ポリエチレンワックス 5部
(ポリワックス1000、固形分100%、東洋アドレ(株)製)
・紫外線吸収性アクリル樹脂 25部
(PUVA−50M−40TM、固形分40%、大塚化学(株)製)
・コロイダルシリカ 50部
(スノーテックスMEK−UP、固形分20%、形状は鎖状で平均粒径40〜100nm、日産化学工業(株)製)
・トルエン 192,5部
・MEK 192.5部
(実施例6)
実施例1で作製した中間転写記録媒体における剥離層用塗工液1を下記組成の剥離層用塗工液6に代えた以外は実施例1と同様にして、中間転写記録媒体を作製した。
<剥離層形成用塗工液6>
・アクリル樹脂 80部
(BR−87、固形分100%、三菱レイヨン(株)製)
・ポリエステル樹脂 5部
(バイロン200、固形分100%、東洋紡(株)製)
・ポリエチレンワックス 5部
(ポリワックス1000、固形分100%、東洋アドレ(株)製)
・紫外線吸収性アクリル樹脂 25部
(PUVA−50M−40TM、固形分40%、大塚化学(株)製)
・コロイダルシリカ 25部
(スノーテックスMEK−MP2040、固形分40%、形状は球状で平均粒径200nm、日産化学工業(株)製)
・トルエン 192,5部
・MEK 192.5部
(実施例7)
実施例1で作製した中間転写記録媒体における、基材の他方の面に下記組成の耐熱滑性層用塗工液を使用し、グラビアコート法で、乾燥時で1g/m2の塗工量で、耐熱滑性層5を形成した。
<耐熱滑性層用塗工液>
・ポリビニルアセタール樹脂 90.3部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 6.2部
(バーノックD750 DIC(株)製)
・シリコーン樹脂フィラー 0.62部
(トスパール240 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株)製)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
(比較例1)
実施例1で作製した中間転写記録媒体における剥離層用塗工液1を下記組成の剥離層用塗工液7に代えた以外は実施例1と同様にして、中間転写記録媒体を作製した。
<剥離層形成用塗工液7>
・アクリル樹脂 80部
(BR−87、固形分100%、三菱レイヨン(株)製)
・ポリエステル樹脂 5部
(バイロン200、固形分100%、東洋紡(株)製)
・ポリエチレンワックス 5部
(ポリワックス1000、固形分100%、東洋アドレ(株)製)
・紫外線吸収性アクリル樹脂 25部
(PUVA−50M−40TM、固形分40%、大塚化学(株)製)
・シリカ粒子 10部
(Nipgel CX−400、固形分100%、平均粒子径:4.0μm、東ソー・シリカ(株)製)
・トルエン 192,5部
・MEK 192.5部
(比較例2)
実施例1で作製した中間転写記録媒体における剥離層用塗工液1を下記組成の剥離層用塗工液8に代えた以外は実施例1と同様にして、中間転写記録媒体を作製した。
<剥離層形成用塗工液8>
・アクリル樹脂 80部
(BR−87、固形分100%、三菱レイヨン(株)製)
・ポリエステル樹脂 5部
(バイロン200、固形分100%、東洋紡(株)製)
・ポリエチレンワックス 5部
(ポリワックス1000、固形分100%、東洋アドレ(株)製)
・紫外線吸収性アクリル樹脂 25部
(PUVA−50M−40TM、固形分40%、大塚化学(株)製)
・トルエン 192,5部
・MEK 192.5部
上記の実施例1〜7と比較例1〜2の中間転写記録媒体と、HID製プリンターHDP−5000用熱転写シートを用い、HID製HDP−5000プリンターにより、顔写真を色分解して得たイエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報に従って、イエロー、マゼンタ及びシアンの各染料を中間転写記録媒体の受容層に転写することにより、中間転写記録媒体の受容層にフルカラーの顔写真画像と、さらにイエロー、マゼンタ及びシアンの3色重ねのグレースケールの画像を形成した。
上記の熱転写画像が形成された中間転写記録媒体の受容層と、下記条件に示す白色塩化ビニル樹脂からなるカード基材が接するように重ねて、上記のHID製プリンターHDP−5000にて、カード基材上に熱転写画像を有する受容層を含む転写部が転写された印画物を作製した。
(カード基材の材料組成)
・ポリ塩化ビニルコンパウンド(重合度800) 100部
(安定化剤等の添加剤を約10%含有)
・白色顔料(酸化チタン) 10部
・可塑剤(DOP) 0.5部
上記の熱転写画像を有する受容層を含む転写部が転写された印画物の再表面である剥離層へインクジェット方式で、以下の条件にて画像を形成し、最終印画物を得た。
インクジェットプリンタPM−4000PX(商品名、セイコーエプソン社製)を使用して、解像度1440×720で、RGB100階調にて記録印刷した。
上記の得られた実施例及び比較例からなる印画物で、以下の条件で、インクジェット画像の裏移り、光沢感、剥離性及び接着性の評価を行なった。
(裏移り)
上記の得られた最終印画物である最表面のインクジェット画像を印刷形成後、10分後に、その印刷部に普通紙をあて、ローラーで軽く押し当てて(荷重は100gf程度)、そのインクジェット画像の裏移り状態を、対応する普通紙を目視で観察して評価した。
その評価基準は以下の通り。
○;普通紙への裏移りが、生じていなかった。
△;普通紙への裏移りが、わずかに生じていた。
×;普通紙への裏移りが、はっきりと見えた。
(光沢感)
上記の条件で作製した最終印画物について、熱転写画像の部分、及びその熱転写画像とインクジェット画像の形成されていない部分(非画像部分)の表面の光沢感を目視にて評価した。
その評価基準は以下の通り。
〇;印画物に光沢感が十分にあった。
△;印画物に光沢感が少しあった。
×:印画物に光沢感が無かった。
(剥離性)
上記の各中間転写記録媒体で、HID製HDP−5000プリンターにより、フルカラーの顔写真画像と、さらにイエロー、マゼンタ及びシアンの3色重ねのグレースケールの画像を形成した際、中間転写記録媒体と熱転写シートとの剥離性を以下の基準にて評価した。
〇;スムーズに剥離可能であった。
△;上記の「〇」に比べると、スムーズではないが、剥離可能であった。
×:剥離が不可能であった。
(接着性)
上記の条件で作製した最終印画物について、メンディングテープ(3M社製、スコッチ(登録商標))を、印画物の表面に親指で1往復擦って、貼り付け、すぐに親指と人差し指を用いて、剥離角度を約90度に保ちながら剥離して、被転写体と、転写部等との接着性を評価した。
その評価基準は以下の通り。
〇;接着性が良好であった。メンディングテープ側に取られるものが無かった。
△;わずかに印画物側で剥がれる部分があったが、印画物の外観上、影響がないレベルであった。
×:被転写体上の転写部の接着性が不良であり、剥がれた後の印画物に光沢感がない状態であった。
上記の印画物の裏移り、光沢感、剥離性及び接着性の評価結果を下記の表1に示す。
Figure 2015178240
上記の結果に示すように、実施例1〜7の中間転写記録媒体によれば、また実施例1〜7の中間転写記録媒体を用いた画像形成方法によれば、インクジェット画像の裏移り、光沢感、剥離性及び接着性の評価の全てにおいて、良好な結果であった。
比較例1の中間転写記録媒体によれば、印画物の光沢感の評価で、不良の結果であった。
比較例2の中間転写記録媒体によれば、インクジェット画像の裏移りの評価で、不良であった。
1 中間転写記録媒体
2 基材
3 剥離層
4 受容層
5 耐熱滑性層
6 中間層
10 転写部

Claims (3)

  1. 少なくとも基材と、前記基材の一方の面に剥離可能に設けられた転写部とからなり、前記転写部は基材側から、少なくとも剥離層、受容層の順に積層され、前記剥離層が少なくとも無機微粒子を含有することを特徴とする中間転写記録媒体。
  2. 前記剥離層における無機微粒子は、シリカ及びシリカ変性物の少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1に記載の中間転写記録媒体。
  3. 中間転写記録媒体を用いた画像形成方法であって、
    (1)少なくとも基材と、前記基材の一方の面に剥離可能に設けられた転写部とからなり、前記転写部が基材側から、少なくとも剥離層、受容層の順に積層され、前記剥離層が少なくとも無機微粒子を含有する中間転写記録媒体を準備する準備工程と、
    (2)前記中間転写記録媒体の受容層へ熱転写方式で画像を形成する第一の画像形成工程と、
    (3)前記画像が形成された中間転写記録媒体の受容層面を被転写体へ重ね合わせて加熱することによって、画像が形成された受容層及び剥離層を、前記被転写体へ転写する転写工程と、
    (4)前記画像形成された受容層及び剥離層が転写された被転写体の再表面である剥離層へインクジェット方式で画像を形成する第二の画像形成工程と、
    を備えたことを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022100333A (ja) * 2017-12-28 2022-07-05 大日本印刷株式会社 積層体、及び積層体と中間転写記録媒体との組み合わせ

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