JP4563292B2 - 保護層熱転写フィルム - Google Patents

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本発明は、保護層熱転写フィルムおよび該フィルムの保護層が画像上に転写された印画物に関する。
従来より、感熱昇華転写方式等の熱転写方式を用いて基材に階調画像、文字、記号等の単調画像等の画像を形成することが行われている。
感熱昇華転写方式は、色材として用いる昇華性染料をバインダー樹脂に溶融又は分散させた染料層を基材に担持した熱転写フィルムを使用し、この熱転写フィルムを受像フィルムに重ねてサーマルヘッド等の加熱デバイスに画像情報に応じたエネルギーを印加することにより、熱転写フィルム上の染料層中に含まれる昇華性染料を受像フィルムに移行させて画像を形成する方法である。
この感熱昇華転写方式は、熱転写フィルムに印加するエネルギー量によってドット単位で染料の移行量を制御できるため、階調性画像の形成に優れ、また、文字、記号等の形成が簡便である利点を有している。
上記感熱昇華転写方式により形成された画像は、転写された染料が被転写体の表面に存在するため、それらの画像を保護し、また耐光、耐摩耗性等、画像保護観点から、画像上に保護層が形成される(例えば特許文献1、特許文献2)。
保護層が形成された印画物はプリンタから連続して排出され、印画物受像トレイ上に積み重ねられていく。トレイ上に排出された印画紙は、先に排出された印画紙の上に正確に積み重ねられるのではなく、ある程度ランダムに積み重ねられていく。そのため、所望の枚数を印画したあと、印画物の束をトレイから取出し、それらをきれいに揃え直すことが通常必要である。
しかしながら、プリンタから排出された印画物同士が貼りついていて、連続印画した印画物をきれいに揃えられない、すなわち印画物をさばけない(さばき性が悪い)という問題が生じることがある。
特開2000−80844号公報 特開2000−71626号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、さばき性に優れた保護層を付与できる保護層熱転写フィルムを提供することを目的とする。
すなわち本発明は基材フィルム上の片面の少なくとも一部に、少なくとも剥離層とヒートシール層からなる熱転写可能な保護層を有し、該保護層が被転写体に熱転写されたとき、その被転写体に0.4以下の表面摩擦係数を付与できるものであって、該剥離層が、少なくともポリメチルメタクリレート樹脂およびシリコーングラフトアクリル樹脂により構成され、
シリコーングラフトアクリル樹脂が、バインダー樹脂100重量部に対して、固形分で10〜100重量部含有されている、ことを特徴とする保護層熱転写フィルムに関する。
本発明保護層熱転写フィルムの一例の模式的断面図を図1に示す。図中、保護層熱転写フィルム1は、基材フィルム1の一方の面上に、剥離層3とヒートシール層4からなる保護層2が形成されている。
基材フィルム1は、この分野で広く使用されているものと同じ基材フィルムを用いることができ、特に制限されるものではない。基材フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル;ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックフィルム、これらの積層体等が挙げられる。前記プラスチックフィルムは、延伸されたものであってもよいし、未延伸であってもよい。基材フィルムの厚さは、強度、耐熱性等を考慮して適宜選択することができるが、通常1〜100μm程度である。
剥離層3は、少なくともバインダー樹脂およびシリコーンオイルまたは変性シリコーンレジンにより構成される。
バインダー樹脂としては、この分野で使用されている公知の熱可塑性樹脂及び熱硬化型樹脂を広く使用できる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸、ポリメタクリルアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂;エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、それらの混合物等が挙げられる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、アミノアルキッド樹脂、それらの混合物等が挙げられる。
剥離層3構成バインダー樹脂の中でも、アクリル系樹脂が好ましい。
シリコーンオイルとしては、従来知られているものの中で、変性シリコーンオイル、特にアルコール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルまたはエポキシ変性シリコーンオイル、好ましくはアルコール変性シリコーンオイルまたはポリエーテル変性のシリコーンオイルである。
剥離層へのシリコーンオイルの添加量は、シリコーンオイルの種類でより最適化が必要であるが、一般的には、剥離層構成樹脂100重量部に対してシリコーンオイルを固形分で0.1〜50重量部、好ましくは、1〜10重量部である。その添加量が多すぎると、剥離層としての性能を維持できなくなる等の問題が生じる傾向にあり、また添加量が少なすぎると、保護層としての摩擦係数を下げることが困難となる。
本発明に使用可能なシリコーンオイルの市販品としては、X−22−176DX(信越シリコーン(株)製)、FZ222(日本ユニカ(株)製)等が入手可能である。
変性シリコーンレジンとしては、シリコーンブチラール、シリコーンアクリル、シリコーングラフトアクリル、シリコーンエポキシ、シリコーンフェノール、シリコーンポリエステル、シリコーンアルキッド等、好ましくはシリコーン変性ブチラール、シリコーングラフトアクリルである。
剥離層への変性シリコーンレジンの添加量は、変性シリコーンレジンの種類による最適化が必要であるが、一般的には、剥離層構成樹脂100重量部に対して変性シリコーンレジンを固形分で0.1〜100重量部、好ましくは、10〜100重量部である。その添加量が多すぎると、剥離層としての性能を維持できなくなる等の問題が生じる傾向にあり、また添加量が少なすぎると、保護層としての摩擦係数を下げることが困難となる等の問題が生じる。
本発明に使用可能な変性シリコーンレジンの市販品としては、SP712(大日精化(株)製)(シリコーン変性ブチラール)、X−22−8004、X−22−8005A、X22−8195(以上、信越シリコーン(株)製;シリコーングラフトアクリル)、FS710,FS731(以上、日本油脂(株)製;シリコーングラフトアクリル)等が入手可能である。
本発明では、剥離層中に紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤を配合することにより、転写された後に保護層により覆われる被転写体の画像等の耐光性、耐候性を向上させることができる。
紫外線吸収剤としては、従来から公知の有機系紫外線吸収剤であるサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等を広く使用できる。また、これらの紫外線吸収剤に例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいはアルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等の官能基を導入した紫外線吸収性樹脂を剥離層中に含有させてもよい。
更に、上記剥離層中に、酸化防止剤、蛍光増白剤等の各種添加剤を含有させてもよい。剥離層は、前記の基材フィルム上に、上記バインダー樹脂にワックス等の必要な添加剤を加え、水、有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散せしめてなるインキを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の通常のコーティング方法に従い塗布し、乾燥することにより形成される。
剥離層の厚みは、通常0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度である。
ヒートシール層は、保護層の画像面への接着の役割を担う。このヒートシール層を構成する樹脂としては、従来より公知である粘着剤、感熱接着剤等が配合されている樹脂をいずれも使用できるが、ガラス転移温度(Tg)が50〜80℃の熱可塑性樹脂であるのが好ましい。このような熱可塑性樹脂の具体例として、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等を挙げることができる。ヒートシール層には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有させても良い。また、ヒートシール層には、ヒートシール層の箔切れ向上のため、マイクロシリカ等のフィラーを含有させてもよい。
ヒートシール層は、剥離層上に、上記樹脂その他添加剤を有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散せしめてなる塗布液を、ワイヤーコーティグ法等の公知のコーティング方法により、塗布し、硬化、乾燥することにより形成される。ヒートシール層の厚みは、通常0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度である。
本発明においては、基材フィルムと保護層の間に離型層を設けてもよい。離型層は、基材フィルムと保護層との剥離性が適当でない場合、基材フィルムと保護層との接着性を調整し、保護層の剥離を良好に行うために必要に応じて設けられる。離型層を備える場合、保護層は転写により保護層から剥離され、離型層自体は基材フィルム側に残るように形成される。
離型層は、例えば、シリコーンワックス等の各種ワックス類もしくはシリコーンオイル、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル系樹脂(アクリル系樹脂とメタクリル系樹脂の両者を含む意味で使用している)、シリコーン変性(メタ)アクリル系樹脂、水溶性樹脂、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂等の各種樹脂等やこれらの混合物から形成されてなる。
離型層には、硬化剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含んでいてもよく、離型層は、上記ワックス類及び/または樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種、所望により添加剤を含有する塗布液を、ワイヤーコーティグ法等の公知のコーティング方法により、基材フィルム上に塗布し、必要により硬化し、乾燥することで形成することができる。離型層の厚みは、通常0.5〜5.0μm程度である。
本発明においては、基材フィルムの他の面上に背面層を形成してもよい。背面層は、サーマルヘッド等の加熱デバイスと基材フィルム2との熱融着を防止し、走行を滑らかに行う目的で設けられる。この背面層に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリルースチレン共重合体等のアクリル系樹脂;ポリアミド樹脂;ポリビニルトルエン樹脂;クマロンインデン樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリウレタン樹脂;シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物が用いられる。背面層の耐熱性をより高めるために上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂(例えば、ブチラール樹脂、アセタール樹脂等)を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
さらに、サーマルヘッドとの摺動性を付与するために、背面層に固形あるいは液状の離型剤又は滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤又は滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類;高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の各種界面活性剤;有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。背面層に含有される滑剤の量は、背面中に5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%程度である。
背面層は、基材フィルム上に、上記樹脂その他添加剤を水、有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散せしめてなる塗布液を、ワイヤーコーティグ法等の公知のコーティング方法により塗布し、乾燥することにより形成される。背面層の厚みは、通常0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度である。
本発明の保護層熱転写フィルムは、上述の態様に限定されるものではなく、熱転写性の保護層と熱昇華性色材層との複合タイプの保護層熱転写フィルム、熱転写性の保護層と熱溶融性色材層との複合タイプの保護層熱転写フィルム等、使用目的等に応じて任意に設定することができる。前者の複合タイプの保護層熱転写フィルムの場合は、被転写体として染料の受容層を有していれば、熱転写方式による画像形成と保護層の被転写体への転写とを同時に行うことができる。
保護層熱転写フィルムの他の例としては、基材フィルムの一方面に、熱転写性保護層と熱昇華性色材層及び熱溶融性色材層からなる群より選ばれた少なくとも1つの色材層が面順次に設けられている保護層熱転写フィルム等を挙げることができる。
図2は本発明の保護層熱転写フィルムの他の一例を示す模式的断面図である。図2において本発明の保護層熱転写フィルム21は、基材フィルム22の一方の面に、熱昇華性色材層Y、熱昇華性色材層M、熱昇華性色材層C、熱昇華性色材層Bおよび熱転写性保護層が面順次に形成され、基材フィルム22の他方面に背面層27が形成されている。熱転写性保護層は、上記で説明した保護層2からなっている。
図2における熱昇華性色材層Y、M、C、Bは、熱溶融性色材層Y、M、C、Bであってもよく、また、それらの層が混合されて構成されていてもよい。
本発明保護層熱転写フィルムを用いて保護層を転写する被転写体としては、特に制限はない。
被転写体としては、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム等のいずれの基材からなるフィルムでもよい。また、被転写体は、カード、葉書、パスポート、便箋、レポート用紙、ノート、カタログ等のいずれの形状でもよい。
本発明の被転写体の具体例としては、例えば、株券、証券、証書、通帳類、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場券、チケット等の金券類;キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、メンバーズカード、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、ICカード、光カード等のカード類;カートン、容器等のケース類;バッグ類:帳票、封筒、タグ、OHPシート、スライドフィルム、しおり、カレンダー、ポスター、パンフレット、メニュー、パスポート、POP用品、コースター、ティスプレイ、ネームプレート、キーボード、化粧品、腕時計、ライター等の装身具;文房具、レポート用紙等の文具類;建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、ラジオ、テレビ、電卓、OA機器等の装置類、各種見本帳、アルバム、コンピュータグラフィックスの出力、医療画像出力等を挙げることができる。
被転写体上の画像は、電子写真方式、インクジェット記録方式、熱転写記録方式等のいずれの方式により形成されていてもよい。
本発明の保護層熱転写フィルムを使用するに当たっては、従来から知られている保護層熱転写フィルムの使用方法をそのまま採用することができる。例えば、本発明保護層熱転写フィルムの保護層面を被転写体に重ね合わせ、被転写体上に熱転写性樹脂層を熱転写すればよい。
被転写体に転写した保護層とは、その被転写体に0.4以下の表面摩擦係数を付与できる。本発明において表面摩擦係数は、その被転写体に本発明の保護層熱転写フィルムを熱転写して形成したとき、その被転写体同士の摩擦係数をJIS K 7125の方法により測定した値を意味している。表面摩擦の係数の調整は、転写後に保護層最表面になる剥離層にシリコーンオイルまたは変性シリコーンレジンを添加することにより行える。このように被転写体に0.4以下、好ましくは0.3以下の表面摩擦係数を付与できることにより、良好なさばき性を付与できる。
被転写体の画像形成面とは反対側の面に、プリンタ内での搬送性を出すためにマイクロシリカ等のフィラーを有する被転写体の裏面層が形成されているが、本発明の保護層を転写することにより印画物を連続的に重ねていっても、印画物同士が貼りつくこともなく、良好なさばき性が得られる。
以下、実施例を記述する。実施例中「部」とあるのは、特に断らない限り重量基準である。
(作製例1)
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名5AF48、東レ(株)製)の一方の面に下記組成からなる耐熱滑性層をあらかじめ、グラビアコートにより、乾燥時1.0g/mで塗布・乾燥したものを使用した。
(耐熱滑性層組成液)
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX-1 積水化学工業(株)製) 13.6部
ポリイソシアネート硬化剤(タケネートD218 武田薬品工業(株)製) 0.6部
リン酸エステル(プライサーフA208S 第一工業製薬(株)製) 0.8部
MEK 42.5部
トルエン 42.5部
(剥離層の形成)
耐熱滑性層の印刷面の反対側の面に、下記の組成からなる剥離層用塗布液をグラビアコート法により、乾燥時1.0g/mで塗布し、110℃のオーブンで1分間乾燥した。
(剥離層用塗布液)
ポリメチルメタクリレート樹脂(ダイナフローBR-87、三菱レイヨン(株)製)
100部
ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡(株)製) 0.1部
アルコール変性シリコーンオイル(X-22-176DX、信越化学工業(株)製) 10部
紫外線吸収剤(ユビテックスOB、日本チバガイギー(株)製) 0.3部
トルエン 100部
MEK 100部
(ヒートシール層の形成)
次に、離型層の上に、下記の組成からなる接着用塗布液を使用し、グラビアコート法により行い、乾燥時1.2g/mで塗布し、110℃のオーブンで1分間乾燥した。以上のようにして保護層熱転写フィルムを調製した。
(ヒートシール層用塗布液)
ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡(株)製) 19部
シリカ(サイリシア310P、富士シリシア化学(株)製) 0.5部
高分子型紫外線吸収剤(PUVA 50M-40TM、大塚化学(株)製) 12部
紫外線吸収剤(TINUVIN900、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 2.4部
トルエン 19部
MEK 19部
(作製例2〜25、比較例1)
作製例1における剥離層塗布液に使用したアルコール変性シリコーン樹脂に代えて、下記表1に記載したシリコーン樹脂及び量を使用した以外、実施例1と同様にして保護層熱転写フィルムを作製した。
なお比較例1ではシリコーン樹脂を添加しなかった。
Figure 0004563292
(評価用受像シートの作製)
微細空隙層の39μm厚ミクロボイドフィルムに下記組成の中間層、受容層を順次塗布、乾燥した後、受容層を形成した面とは反対側の面に下記配合の接着剤を塗布、乾燥した。但し、各層の塗工量は乾燥時で中間層2g/m、受容層4g/m、接着剤層4g/mである。
次に、片側にカール防止層としてHDPE/PP(全厚33μm)を積層したコート紙(186.1g/m)のHDPE/PPが積層されていない側の面と、上記の接着剤層とを粘着してロール状熱転写受像シートを作製した。このロール状熱転写受像シートのカール防止層の上に、下記組成の筆記層を乾燥時1.5〜2.0g/m塗布した。
(中間層塗工液)
ポリエステル樹脂(WR−905、日本合成化学(株)製) 13.1部
酸化チタン(TCA888、トーケムプロダクツ(株)製) 26.2部
蛍光増白剤(ユビテックスBAC、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
0.39部
水 60.0部
水/IPA=1/1 32.0部
(受容層塗工液)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(デンカビニル#1000A、電気化学工業(株)製)
12.0部
エポキシ変性シリコーン(X-22-3000T、信越化学工業(株)製) 0.8部
アミノ変性シリコーン(X-22-1660B-3、信越化学工業(株)製) 0.24部
トルエン/MEK=1/1 60.0部
(接着剤層塗工液)
多官能ポリオール(タケラックA−969V、三井武田ケミカル(株)製) 30部
イソシアネート(タケネートA−5、三井武田ケミカル(株)製) 10部
酢酸エチル 60部
(筆記層塗工液)
ポリビニルブチラール(#3000−1、電気化学工業(株)製) 30部
ナイロンフィラー(MW−330、シントーファイン(株)製) 5部
シリカ(サイリシア250、富士シリシア化学(株)製) 60部
キレート剤(オルガテックスTC−750、松本製薬(株)製) 5部
トルエン/MEK=1/1 400部
さばき性
上記の各作製例で得られた保護層熱転写フィルムをMEGAPIXEL−II(アルテック(株)製)専用熱転写フィルムの保護層熱転写フィルム部に切り貼りして、上記に記載した評価用受像シートを用いて、昇華プリンタMEGAPIXEL−II(アルテック(株)製)で印画した黒ベタ画像上に保護層を形成した。このような表面に保護層を有する印画物を連続10枚作製し自然に積み上げた。積み上げられた印画物をトレイから取り出し、印画物を揃えるようにした。そのときの「さばき性」を以下のように評価してランク付けした。結果を表1中にまとめた。
○:印画物全てが抵抗なく、印画物を揃えられる
△:印画物に軽く付加を与えることで印画物を揃えることが出来る
×:印画物が貼り付いた状態で印画物を揃えることが出来ない
(摩擦係数の測定)
上記の条件にて作製した印画物(被転写体)同士の(印画物の表面と印画物の裏面を重ね合わせるようにして)摩擦係数をJIS K 7125の方法により測定した。
本発明の熱転写フィルムの一実施形態の模式的断面図。 本発明の熱転写フィルムの一実施形態の模式的断面図。
符号の説明
11、21 熱転写フィルム
1、22 基材フィルム
2 熱転写性保護層
3 剥離層
4 ヒートシール層
27 背面層

Claims (2)

  1. 基材フィルム上の片面の少なくとも一部に、少なくとも剥離層とヒートシール層からなる熱転写可能な保護層を有し、該保護層が被転写体に熱転写されたとき、その被転写体に0.4以下の表面摩擦係数を付与できるものであって、
    該剥離層が、少なくともポリメチルメタクリレート樹脂およびシリコーングラフトアクリル樹脂により構成され、
    シリコーングラフトアクリル樹脂が、バインダー樹脂100重量部に対して、固形分で10〜100重量部含有されている、保護層熱転写フィルム。
  2. 請求項1に記載の保護層熱転写フィルムの保護層が転写された印画物。
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