JP3963555B2 - 接着層転写シートおよび印画物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材フィルム上に剥離可能に転写性接着層が設けられた接着層転写シートおよびそれを利用して得られた印画物に関し、更に詳しくは、中間転写記録媒体の受容層を被転写体の表面に接着性よく転写するため、中間転写記録媒体の受容層上に接着層を転写するのに用いられる接着層転写シート、およびかかる接着層転写シートの転写性接着層によって、中間転写記録媒体の受容層が被転写体の表面に接着性よく転写されることによって形成された印画物に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像の形成方法として感熱転写方式が知られている。この方式は、基材フィルム上に色材層が設けられた熱転写シートと、必要に応じて受容層が設けられた被転写体とを、サーマルヘッド等の加熱デバイスとプラテンロールとの間に圧接し、画像情報に応じて加熱デバイスの発熱部分を選択的に発熱させ、熱転写シート上の色材層に含まれる色材を被転写体に移行させることにより画像を記録する方式である。この方式は、溶融熱転写方式と昇華熱転写方式に大別される。
【0003】
溶融熱転写方式は、溶融インキ層を担持した熱転写シートを、上述したような加熱手段によって加熱し、軟化した溶融インク層成分を天然繊維紙またはプラスチックシート等の被転写体上に転写させて画像を形成する方式である。ここで用いる溶融インキ層は、顔料等の色材を熱溶融性のワックスまたは樹脂等のバインダに分散させたものであり、プラスチックフィルム等の基材フィルムに担持させている。形成される画像は、高濃度で鮮鋭性に優れており、文字、線画等の2値画像の記録に適している。また、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の各色の溶融インキ層を備えた熱転写シートを用いて、それらを被転写体上に重ねて記録することにより、多色またはカラー画像を形成することができる。
【0004】
昇華熱転写方式は、昇華性染料層を担持した熱転写シートを、上述したような加熱手段によって加熱し、染料層中に含まれる昇華染料を昇華させて被転写体上に設けられた受容層に移行させて画像を形成する方式である。ここで用いる昇華性染料層は、色材として用いる昇華性染料をバインダ樹脂に溶解または分散させたものであり、プラスチックフィルム等の基材フィルムに担持させている。この方式は、サーマルヘッド等の加熱デバイスのエネルギー量によって、ドット単位で染料の移行量を制御できるため、濃度変調による階調再現が可能である。また、使用する色材が染料であるため、形成される画像には透明性があり、複数の染料層を用いて色を重ねた際の中間色の再現性に優れている。このため、イエロー、マゼンタ、シアンの3色またはこれにブラックを加えた4色の昇華性染料層を備えた熱転写シートを用いて、被転写体上にこれら3色または4色を重ねて記録することにより、高画質なフルカラー画像を形成することができる。
【0005】
これらの画像形成方式のうち、特に昇華熱転写方式においては、画像を形成すべき被転写体が染料の染着性を有することが必要である。このため、被転写体の表面が染着性に乏しい場合には、被転写体上に受容層を設けないかぎり画像を形成することがほとんど不可能であった。
【0006】
このため、特開昭62−264994号公報には、受容層が設けられていない被転写体に受容層を設けるため、受容層を基材フィルム上に剥離可能に設けた受容層転写シートを作製し、この受容層を被転写体上に転写することにより設け、その受容層上に染料層を有する熱転写シートから染料を移行させて画像を形成する技術が開示されている。
【0007】
また、特開昭62−238791号公報および特開平4−133793号公報には、受容層を基材フィルム上に剥離可能に設けた中間転写記録媒体を作製し、この受容層上に熱転写シートから染料を移行して画像を形成し、その後、中間転写記録媒体を加熱することによって、画像が形成された受容層を被転写体上に転写する方法も開示されている。これらの方法により、染料の染着性の良い被転写体はもとより、染料の染着性に乏しい被転写体やサーマルヘッド等の加熱により融着し易い被転写体にも画像を転写形成することができる。また、被転写体の表面凹凸や地合いによる画像品質の影響を防止することができる。
【0008】
また、画像が形成された受容層と被転写体との接着力が十分でない場合に発生する転写不良の問題に対しては、特開平7−52522号公報に開示されるように、中間転写記録媒体の受容層及び/又は被転写体上に、接着層転写シートから接着層を転写して、受容層と被転写体との接着力を高め、転写不良の問題を解決している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の接着層転写シートを用いた場合でも、受容層と被転写体との接着力を高めることができず、接着不良の問題を解決できない場合があった。例えば、受容層には十分な接着性を有する接着層であっても、被転写体との接着性は十分とはいえない場合があり、また、その逆の場合もあった。
【0010】
このような場合が起こるのは、特に近年の熱転写形成画像の高解像度化・高品質化への要求および被転写体の多様化によるものである。即ち、高解像度で画像を形成するために、中間転写記録媒体の最表面に設けられた受容層は染料染着性に優れ且つ染料転写シートとの熱離型性に優れた材料にしなければならず、中間転写記録媒体の最表面の受容層の材料が制約されていた。このため、使用される受容層に適した接着層を選ばなければならなかった。
【0011】
一方、高解像度で高品質な画像を種々の被転写体に転写形成するという需要が増大している。例えば、パスポートにカラーの顔写真その他の必要な身分証明事項等を感熱転写方式によって印画する場合、パスポートは通常天然紙が用いられ、その品質は各国で異なる場合があり、中には平滑度に劣るものもある。また、パスポートその他の証明書等に用いられる場合には、画像が形成された受容層は、被転写体に強固に接着し、容易に剥がれてはならないという必要があり、被転写体に適した接着層を選ばなければならなかった。
【0012】
このため、受容層に適した接着層と、被転写体に適した接着層とが必ずしも一致しないという問題が起こっていた。
【0013】
本発明の目的は、中間転写記録媒体の受容層を被転写体の表面に接着性よく転写するため、中間転写記録媒体の最表面の受容層と、被転写体の両方に対して適した単一の接着材料がない場合であっても、受容層および被転写体の何れに対しても適した接着性を有する接着層を転写することができる接着層転写シートを提供することにある。さらに、かかる接着層転写シートの接着層によって、中間転写記録媒体の受容層が被転写体の表面に接着性よく転写されることによって形成された印画物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の接着層転写シートは、少なくとも基材フィルムと、該基材フィルム上に剥離可能に設けられた転写性接着層とからなり、中間転写記録媒体の受容層上に転写性接着層を転写するために用いられる接着層転写シートであって、前記の転写性接着層は、前記基材フィルムから最も遠くに配置され、前記中間転写記録媒体の受容層に対して適した接着性を有する最上層と、前記基材フィルムの最も近くに配置され、前記最上層とは異なる材料で形成され、被転写体の表面に対して適した接着性を有する基底層とを少なくとも有していることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、転写性接着層のうちの最上層が受容層に対して適した接着性を有するので、中間転写記録媒体の受容層上に強固に接着し且つ経時劣化しない接着層を伴う中間転写記録媒体が得られる。このとき、得られた中間転写記録媒体の表面には、転写性接着層のうち、被転写体の表面に対して適した接着性を有する基底層が位置するので、中間転写記録媒体の受容層を、被転写体と強固で且つ経時劣化等の問題のない接着性を有する基底層によって被転写体上に接着性よく転写することができる。このため、本発明の接着層転写シートは、単一材料の接着層では中間転写記録媒体の受容層と被転写体との両方に対して好適な接着性を得ることができない場合であっても、この問題を解決して、その何れに対しても優れた接着性で転写することができる。
【0016】
また、前記基底層が、天然紙に対して高い接着性を有する材料からなることが好ましく、具体的にはアイオノマーを含有すること、ポリビニルピロリドンを含有すること、ポリアミドを含有することが好ましい。ここで、アイオノマーを含有する基底層は、中間層を介して前記の最上層と接合していることがより好ましい。これにより、被転写体が天然紙の場合に、中間転写記録媒体の受容層を天然紙上に接着性よく転写することができる。
【0017】
また、前記最上層が、60℃以上のガラス転移温度を有する樹脂からなることが好ましい。これにより、接着層転写シートをロール状に巻いたり重ね合せた状態で保管等しておいた場合、特に保管時の温度が高い等の環境が悪い場合であっても、最上層が基材フィルムの背面に粘着するというブロッキングを防止することができる。
【0018】
また、本発明の接着層転写シートは、前記基材フィルム上に、種々の色の昇華性染料層および種々の色の熱溶融性インキ層よりなる群から選ばれる少なくとも1つの色材層と、前記転写性接着層とが面順次に設けられており、当該各色材層は、前記の中間転写記録媒体を用いて画像を転写形成する被転写体の表面に割り振られた個々の画像形成領域に合せて無駄のない平面形状と大きさに形成され、当該転写性接着層は、被転写体表面の受容層転写領域に合せて無駄のない平面形状と大きさに形成されていることが好ましい。このとき、前記の各色材層を、前記の転写性接着層よりも小さい面積になるように形成してもよい。
【0019】
この発明によれば、基材フィルム上に、画像を形成するための種々の色材層が接着層と面順次に設けられているので、中間転写記録媒体の受容層に、カラー画像や文字を転写形成し、更に一連の連続工程で接着層を転写形成することができる。そのため、画像形成のための工程を短縮でき、経済的に好ましい。
【0020】
本発明の印画物は、被転写体と、該被転写体上に設けられた転写性接着層と、該転写性接着層上に設けられた画像を伴う受容層とによって少なくとも構成された印画物であって、前記転写性接着層が、前記受容層に対して適した接着性を有して該受容層に接着した最上層と、前記最上層とは異なる材料で形成され、前記被転写体に対して適した接着性を有して該被転写体に接着した基底層とを少なくとも有していることを特徴とする。このとき、前記被転写体を、ベックの平滑度で10〜1500秒の範囲の天然紙とすることができる。
【0021】
この発明によれば、画像を伴う受容層は転写性接着層のうちの最上層との接着性に優れ、被転写体は転写性接着層のうちの基底層との接着性に優れているので、被転写体の材質等に関わらず、受容層を被転写体上に強固に設けることができる。そのため、転写不良や画像剥離の起こらない印画物を得ることができる。また、身分証明欄を備えたパスポート用紙を被転写体としたとき、画像を伴う受容層が接着性よく設けられているので、例えば、顔写真や身分証明事項などの画像の欠落や受容層の剥がれなどが生じることのないパスポートとすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の接着層転写シートの一例を示す断面図である。接着層転写シート1は、基材フィルム2と、基材フィルム2上に剥離可能に設けられた転写性接着層7(以下「接着層7」という。)とからなる。この接着層転写シート1は、中間転写記録媒体の受容層上に接着層7を転写するために用いられる。
【0023】
接着層7は、基材フィルム2から最も遠くに配置され、中間転写記録媒体の受容層に対して適した接着性を有する最上層6と、基材フィルム2の最も近くに配置され、最上層6とは異なる材料で形成され、被転写体の表面に対して適した接着性を有する基底層4とによって少なくとも構成されている。
【0024】
基材フィルム2上から接着層7を剥離し易くするために、図1に示すように、基材フィルム2と接着層7との間に離型層3を設けることができる。
【0025】
また、最上層6と基底層4の材料によっては、それらが直接接着しにくかったり、十分な接着性を有しないことがある。このような場合に、基底層4と最上層6の何れにも強固に接着する材料によって、図1に示すように、中間層5を形成することもできる。
【0026】
また、接着層転写シート1とサーマルヘッド等の加熱デバイスとの摺動性を向上させるために、基材フィルム2の接着層7が形成されているのとは反対側の面に背面層(図示しない)を設けてもよい。
【0027】
図2は、本発明の接着層転写シートの他の一例を示す断面図である。接着層転写シート11は、基材フィルム2上に、種々の色の昇華性染料層9、熱溶融性ブラックインキ層10および接着層7が面順次に設けられている。この接着層7の構成は、上述した図1の場合と同様である。
【0028】
昇華性染料層9としては、イエロー9y、マゼンタ9m、シアン9c、ブラック9b等の種々の色の昇華性染料層を面順次に設けることができる。この各色の昇華性染料層9と熱溶融性ブラックインキ層10は、中間転写記録媒体の受容層に転写すべき画像によって、必要に応じて選択して設けることができ、図2に示した構成に限定されない。例えば、昇華性染料層9から転写形成された画像は階調性に優れ、また、熱溶融性ブラックインキ層10から転写形成された画像はOCR読み取り可能であるなど、それぞれ特徴を有するので適宜必要に応じて設けられる。
【0029】
図3は、本発明の接着層転写シートの他の一例を示す正面図である。接着層転写シート11において、基材フィルム2上に面順次に設けられた昇華性染料層9および熱溶融性ブラックインキ層10は、中間転写記録媒体を用いて画像を転写形成する被転写体の表面に割り振られた個々の画像形成領域に合せて無駄のない平面形状と大きさで形成される。昇華性染料および熱溶融性ブラックインキ等の色材は、被転写体の表面に割り振られた個々の画像形成領域に対応する中間転写記録媒体の受容層の所定の領域に、サーマルヘッド等の加熱デバイスによって転写され、画像が形成される。そのため、昇華性染料層9および熱溶融性ブラックインキ層10の平面形状と大きさは、それぞれの染料またはインキによって転写形成される画像の領域に合わせた形や大きさとすることが好ましい。こうすることにより、不要な部分が少なくなるので、無駄がなく経済的である。特に、比較的簡単な形、例えば、複雑な花形や星形のような画像に対し、各色材層の形状をその花形や星形の形状を覆うような丸形または四角形、で形成することにより、簡便であり且つ無駄を少なくすることができる。
【0030】
接着層7も同様に、被転写体表面の受容層転写領域に合せて無駄のない平面形状と大きさで形成される。また、その平面形状と大きさは、必ずしも受容層の平面形状および大きさと同じでなくともよい。このため、受容層上に形成された画像の面積よりも接着層7の面積が小さいという場合があるが、この場合、形成された画像のうち必要な領域のみが被転写体に接着層7を介して転写される。
【0031】
さらに、図4に示すように、昇華性染料層9および熱溶融性ブラックインキ層10の各色材層の面積を、接着層7よりも小さい面積になるように形成してもよい。こうすることにより、接着層転写シート11の各色材層によって画像が形成された受容層を、余すことなく被転写体に転写することができる。このため、昇華性染料層9および熱溶融性ブラックインキ層10の不要な部分が少なくなるので、無駄がなく経済的である。
【0032】
図5は、接着層7が転写された後の中間転写記録媒体(以下「中間積層体26」という。)の一例を示す断面図である。接着層転写シート1の接着層7は、予め画像24が形成された中間転写記録媒体21の受容層23上に転写される。また、予め画像24が形成されていない中間転写記録媒体21に対しては、図2に示す接着層転写シート11を用い、先ずイエロー9y、マゼンタ9m、シアン9c、ブラック9bの各色の昇華性染料層を順次転写し、次いで熱溶融性ブラックインク層10を転写して、受容層23に画像24を形成し、その後連続して接着層7が受容層23上に転写される。これら何れにおいても、接着層7を構成する最上層6は、受容層23に直接接着する。また、接着層転写シート1の離型層3から容易に剥離した基底層4は、接着層7が転写された後の中間積層体26の最表面に位置する。尚、ここでの画像24は、最終的に被転写体上に転写された後に、目視やOCR読み取り機等によって認識される画像とは鏡像関係となるように形成される。
【0033】
図6は、中間積層体26を熱転写して得られた本発明の印画物32の一例を示す断面図である。接着層転写シート1から接着層7が転写された中間積層体26は、画像24を伴う受容層23が被転写体31に転写される時、基材フィルム22と保護層25の間で剥離し、基底層4が被転写体31に直接接着するように転写される。こうして得られた印画物32において、画像24が形成された受容層23と被転写体31との接着は、接着層7によって強固なものとなる。そのため、転写時の転写不良が起こらず、また、その後の使用によっても剥離が起こらない。
【0034】
尚、上述した転写は、全てサーマルヘッド等の加熱デバイスにより行なわれる。また、中間転写記録媒体21の構成は、図3に示したものに特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
【0035】
本発明の接着層転写シート1、11によれば、接着層7のうちの最上層6が中間転写記録媒体21の受容層23に対して適した接着性を有するので、中間転写記録媒体21の受容層23上に強固に接着し且つ経時劣化などの問題のない接着層7が形成され、その結果、接着層7を伴う中間転写記録媒体(中間積層体26)が得られる。このとき、得られた中間転写記録媒体の表面には、接着層7のうち、被転写体31の表面に対して適した接着性を有する基底層4が位置するので、中間転写記録媒体の受容層23を、被転写体31と強固で且つ経時劣化等の問題のない接着性を有する基底層4によって被転写体31上に接着性よく転写することができる。このため、本発明の接着層転写シートは、単一材料の接着層では中間転写記録媒体の受容層23と被転写体31との両方に対して好適な接着性を得ることができない場合であっても、この問題を解決して、被転写体31上に受容層23を強固に接合することができる。
【0036】
また、基材フィルム2上に、接着層7と面順次に画像24を形成するための昇華性染料層9および/または熱溶融性ブラックインキ層10が設けられている。そのため、中間転写記録媒体21の受容層23に接着層7を転写する直前に、カラー画像や文字を受容層23に転写形成し、更に一連の連続工程で接着層7を転写形成することができる。この結果、画像形成のための工程を短縮でき、経済的に好ましい。
【0037】
また、本発明の印画物32によれば、画像24を伴う受容層23は接着層7のうちの最上層6との接着性に優れ、被転写体31は接着層7のうちの基底層4との接着性に優れているので、被転写体31の材質等に関わらず、受容層23を被転写体31上に強固に設けることができる。そのため、転写不良や画像剥離の起こらない印画物32を得ることができる。また、身分証明書欄を備えたパスポート用紙を被転写体31としたとき、画像24を伴う受容層23が接着性よく設けられているので、例えば、顔写真や身分証明事項などの画像24の欠落や受容層23の剥がれなどが生じることのないパスポートとすることができる。
【0038】
以下に、本発明の接着層転写シート1、11を構成する各層について順次説明する。
【0039】
(1)基材フィルム
本発明の接着層転写シート1、11に用いられる基材フィルム2は、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材フィルムをそのまま用いることができ、特に限定するものではない。
【0040】
好ましい基材フィルム2の具体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙またはパラフィン紙等の薄紙、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。
【0041】
基材フィルム2の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
【0042】
(2)基底層
基底層4は、被転写体31との接着性に優れた材料からなり、接着層転写シート1、11に接着層7の一部として基材フィルム2上に設けられている。基材フィルム2上に離型層3が設けられている場合には、図1に示すように、離型層3上に設けられる。
【0043】
基底層4は、接着層7を接着層転写シート1、11から中間転写記録媒体21に転写する際に、接着層転写シート1、11の離型層3から容易に剥がれて転写される。中間転写記録媒体21に転写された基底層4は、図5に示す中間積層体26の最表面に位置する。そして、その後の被転写体31への転写時に、被転写体31に直接接着して、画像24を伴う受容層23を被転写体31に強固に接着する役割を担っている。
【0044】
それゆえ、基底層4の構成材料は、被転写体31の材質や特性に応じて適宜選択される。通常の構成材料としては、熱可塑性の合成樹脂、天然樹脂、ゴム、ワックス等を用いることができる。例えば、工チルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アイオノマー、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、粘着付与剤としてのロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、ポリアミド樹脂、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体が挙げられる。基底層4は、上記の材料の1種または2種以上よりなる組成物から構成され、加熱により接着性を発現する材料を使用することが好ましい。
【0045】
被転写体31が、身分証明欄を備えたパスポート用紙であり、その材質がベックの平滑度で10〜1500秒の範囲の天然紙である場合、用いられる基底層4の材料としては、アイオノマー、ポリビニルピロリドン、ポリアミドが好ましい。また、被転写体31として、コート紙、樹脂含浸紙、樹脂コート紙を使用する場合には、基底層4の材料として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いることもできる。箔切れ性能を向上させる為に、基底層4中に体質顔料を添加してもよい。
【0046】
基底層4は、被転写体31の材質等に応じて上述の材料の中から適宜選択された単独または複数の材料、および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて基底層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、離型層3上に塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、接着層7を介して接着する受容層23と被転写体31との接着性能および操作性によって決定されるが、通常は乾燥状態で0.5〜50μm程度である。
【0047】
(3)最上層
最上層6は、受容層23との接着性に優れた材料からなり、接着層転写シート1、11に接着層7の一部としてその最表面に設けられている。最上層6は、接着層7を接着層転写シート1、11から中間転写記録媒体21に転写する際に、既に画像24が形成されている受容層23に強固に接着する役割を担っている。
【0048】
中間転写記録媒体21に転写された最上層6は、図5に示す中間積層体26の中頃に位置し、その後の被転写体31への転写時に、受容層23等と共に被転写体31に転写される。
【0049】
それゆえ、最上層6の構成材料は、受容層23の材質や特性に応じて適宜選択される。通常の構成材料としては、上述した基底層4で用いられるものと同様のものを使用することができる。それらの内でも、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、アクリルポリオール等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂を、1種または2種以上より構成したものを使用することが好ましい。
【0050】
また、最上層6を構成する樹脂のガラス転移温度を60℃以上とすることが好ましい。これにより、接着層転写シート1、11をロール状に巻いたり重ね合せた状態で保管等しておいたとき、特に保管時の温度が高い等のように環境が悪いときであっても、最上層6が基材フィルム2の背面に粘着するというブロッキングを防止することができる。
【0051】
受容層23が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂から形成される場合には、用いられる最上層6の材料としては、同じく塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。これにより、より好ましい強固な接着性を付与することができる。
【0052】
最上層6は、受容層23を形成する材料に応じて、上述の材料の中から適宜選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加えたものを、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて最上層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、中間層5上に塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、接着層7を介して接着する受容層23と被転写体31との接着性能および操作性によって決定されるが、通常は乾燥状態で1.0〜20μm程度である。
【0053】
(4)中間層
中間層5は、基底層4と最上層6とを一体化させるために必要に応じて設けられる。すなわち、上述した基底層4と最上層6の材料は、それぞれが対象とする被転写体31と受容層23の構成材料に従って異なる。そのため、基底層4と最上層6とを重ねて設けた場合、その材料によっては、それらが直接接着しにくかったり、十分な接着性を有しないことがある。このような場合に、基底層4と最上層6の何れにも強固に接着する材料によって中間層5を形成することが好ましい。なお、基底層4と最上層6とが接着性に優れている場合には、中間層5は必ずしも必要ではない。
【0054】
基底層4がアイオノマーを構成材料とし、最上層6がポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂を構成材料とする場合には、ポリビニルピロリドン、ポリアミド樹脂、アクリルポリオールまたはポリビニルブチラールによって中間層5を形成することが好ましい。
【0055】
また、基底層4がポリビニルピロリドン、ポリアミドまたはアクリルポリオールを構成材料とし、最上層6がポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂を構成材料にする場合には、基底層4と最上層6の接着性はよいので、中間層5は必ずしも必要ではない。
【0056】
中間層5は、基底層4および最上層6を形成する材料に応じて、上述の材料の中から適宜選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加えたものを、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて中間層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、基底層4上に塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、乾燥状態で通常0.5〜20μm程度である。
【0057】
こうして形成された中間層5は、基底層4と最上層6との接着性を向上させる作用のほかに、被転写体31の表面にある凹凸を吸収する効果がある。そのため、基底層4や最上層6が、それぞれ接着する被転写体31と受容層23との接着性をより高めるのに有効であると共に、最終的に得られた印画物32の品質を高めるのに有効に作用する。
【0058】
なお、上述した基底層4、最上層6および必要に応じて設けられる中間層5からなる接着層7の合計の厚さは、被転写体31の表面のベック平滑度が10〜1500秒のときに、それそれの厚さに関わらず、2〜60μmであることが好ましい。接着層の厚さが2μm未満では被転写体31へ均一な接着が不足するという不都合があり、60μmを超えると箔落ちや箔切れ不良という不都合があると共に不経済である。
【0059】
(5)離型層
本発明の接着層転写シート1、11に用いられる離型層3は、必要に応じて基材フィルム2上に設けられている。この離型層3により、基底層4を、離型層3との境界面から容易に剥離することができるので、接着層7を容易に中間転写記録媒体21に転写することができる。
【0060】
離型層3には、バインダ樹脂と離型性材料とが含有される。バインダ樹脂としては、熱可塑性樹脂であるポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、あるいは熱硬化型樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂等が使用できる。また、離型性材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂、タルクやシリカの微粉末、界面活性剤や金属セッケン等の潤滑等が使用できる。
【0061】
離型層3は、上記樹脂を適当な溶剤により、溶解または分散させて離型層用塗工液を調製し、これを基材フィルム2上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。その乾燥後の厚さは、通常0.1〜5μmである。
【0062】
(6)昇華性染料層
昇華性染料層9は、上述したように、中間転写記録媒体21の受容層23上に画像24を転写するために、接着層転写シート11の基材フィルム2上に接着層7等と面順次に設けられる。そして、中間転写記録媒体21の受容層上23にサーマルヘッド等の加熱デバイスによって、昇華性染料層9中の染料が熱転写され、画像24が形成される。このため、中間転写記録媒体21に、画像24の形成と接着層7の転写を一連の工程で行なうことができるので、工程の煩雑さを避けることができて好ましい。
【0063】
この昇華性染料層9は、昇華性染料、バインダー樹脂およびその他の任意成分を含む塗工液から形成される。
【0064】
昇華性染料としては、従来公知のものを使用することができ、特に限定されない。幾つかの好ましい昇華性染料としては、マゼンタ染料としては、MS Red G、Macrolex Red Violet R、Ceres Red 7B、Samaron Red HBSL、Resolin Red F3BS等が挙げられ、イエロー染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられ、シアン染料としては、カヤセットブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブルーS−R、MSブルー100等が挙げられる。
【0065】
上記昇華性染料を担持するためのバインダー樹脂としては、従来公知のものを使用することができ、特に限定されない。好ましいものとしては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロースもしくは酢酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドンもしくはポリアクリルアミド等のビニル系樹脂またはポリエステル等が挙げられる。
【0066】
昇華性染料層9には、有機フィラーなどの任意成分を含有させることができる。この任意性分は、従来公知のものを使用することができ、特に限定されない。
【0067】
昇華性染料層9の塗工厚は、乾燥状態で0.2〜3μmが好ましく、0.3〜2μmがより好ましい。
【0068】
昇華性染料層9は、上記昇華性染料、バインダー樹脂およびその他の任意成分を、適当な溶剤で溶解または分散させて調整した昇華性染料層用塗工液を、基材フィルム2上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア板を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布し、乾燥して形成することができる。
【0069】
(7)熱溶融性ブラックインキ層
熱溶融性ブラックインキ層10は、上述した昇華性染料層9と同様に、接着層転写シート11の基材フィルム2上に接着層7等と面順次に設けられる。そして、中間転写記録媒体21の受容層23上にサーマルヘッド等の加熱デバイスによって熱転写され、画像24を形成する。このため、中間転写記録媒体21に、画像24の形成と接着層7の転写を一連の工程で行なうことができるので、工程の煩雑さを避けることができて好ましい。
【0070】
この熱溶融性ブラックインキ層10は、従来と同様の熱溶融性ブラックインキを用いて形成することができる。熱溶融性ブラックインキは、着色剤とビヒクルとからなり、必要に応じて種々の添加剤が加えられる。
【0071】
着色剤としては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックは、有機または無機の顔料もしくは染料の中でも、記録材料として良好な特性、例えば十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないため、高濃度で明瞭な文字や記号を印字することができる。さらに、熱溶融性ブラックインキは、OCR読み取りが可能なので、OCR読み取りが要求される画像の形成に好適に用いられる。
【0072】
ビヒクルとしては、中間転写記録媒体21の受容層23への接着性および耐スクラッチ性などの観点から、以下の▲1▼〜▲5▼に示すバインダー樹脂の何れかを使用することが好ましい。
【0073】
▲1▼アクリル樹脂
▲2▼アクリル樹脂+塩化ゴム
▲3▼アクリル樹脂+塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂
▲4▼アクリル樹脂+セルロース系樹脂
▲5▼塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂
【0074】
上記バインダー樹脂に代えてワックス等を使用してもよく、上記バインダー樹脂にワックス等を加えて使用してもよい。ワックスの代表例としては、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、パラフィンワックス等が例示できる。さらに、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等の種々のワックスを用いることもできる。
【0075】
熱溶融性ブラックインキ層10は、ホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の方法を用い、基材フィルム2上に上述した熱溶融性ブラックインキを塗布することによって形成される。形成される熱溶融性ブラックインキ層の厚さは、必要な濃度と熱感度との関係から決定され、通常、約0.2〜10μmの範囲が好ましい。
【0076】
(8)背面層
背面層(図示しない)は、接着層転写シート1、11から中間転写記録媒体21に接着層7等を転写する際、接着層転写シート1、11とサーマルヘッド等の加熱デバイスとの融着を防止し、摺動性を向上させるために、加熱デバイスと接触する基材フィルム2の接着層7を設けた側とは反対の面に必要に応じて従来公知の方法で設けることができる。
【0077】
この背面層に用いる樹脂としては、例えばエチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセ夕一ル、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリルースチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性もしくはフッ素変性ウレタン等の天然または合成樹脂の単体または混合物が用いられる。
【0078】
背面層の耐熱性をより高める為に上記の樹脂のうち、水酸基等の反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。更に、サーマルヘッド等との摺動性を付与する為に、背面層に固形あるいは液状の離型剤または滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。
【0079】
離型剤または滑剤としては、例えばポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。背面層に含有される滑剤の量は5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%程度である。
【0080】
(9)検知マーク
検知マーク(図示しない)は、例えばプリンター内において、中間転写記録媒体21の受容層23上の指定された位置に接着層7を転写するため、または、受容層23に各色の染料、インキ、接着層7等を位置ズレおよび色ズレなく転写するための位置決め用のマークとして、接着層転写シート1、11に設けることが好ましい。
【0081】
また、このような検知マークは、後述する中間転写記録媒体21の適切な箇所にも設けることができ、被転写体31への転写の際の位置決め用のマークとして作用する。
【0082】
検知マークは、光学的に認識可能であればどのような形状であってもよい。例えば、丸形状、四角形状、ライン形状等の印刷マークまたは貫通穴等の従来公知の検知マークを設けることができる。印刷による検知マークは、接着層転写シート1、11の基材フィルム2の何れか一方の面の一部または複数箇所に、従来公知の印刷方法等によって設けることができる。印刷によって検知マークを設ける場合、使用されるインキとしては、従来から使用されている材料を使用することができ、特に限定されない。
【0083】
次に、本発明の印画物32を形成するのに用いられる中間転写記録媒体21について説明する。
【0084】
図7および図8は、本発明の印画物を形成するのに用いられる中間転写記録媒体の一例の断面図を示している。中間転写記録媒体21には、基材フィルム22上に、少なくとも受容層23が設けられている。
【0085】
基材フィルム22は、上述の接着層転写シート1、11で使用される基材フィルム2と同様のものを用いることができる。また、基材フィルム22の受容層23を設けた側とは反対の面に、中間転写記録媒体21の受容層23を被転写体31に転写する際にサーマルヘッド等との摺動性を向上させるための背面層(図示しない)を設けてもよい。
【0086】
また、基材フィルム22上には、図7に示すように、剥離層41、保護層25、ホログラム層42、透明蒸着層43、アンカー層44、受容層23の順で各層を設けることができる。また、図8に示すように、基材フィルム22上に、保護層25、アンカー層44、紫外線吸収層45、ヒートシール層46、受容層23の順で各層を設けることもできる。これらの層は、従来から知られている作用および効果を示すものであり、その構成は、図7および図8に示す構成に限定されるものでない。また、従来公知の他の層を加えることもできる。
【0087】
中間転写記録媒体21に設けられている受容層23上には、上述した本発明の接着層転写シート1、11から接着層7、または、画像24と接着層7が転写される。そして、画像24と接着層7が転写されたこの中間転写記録媒体(中間積層体26)の接着層7の表面には、被転写体31の表面に対して適した接着性を有する基底層4が配置される。そのため、画像24が形成された受容層23は、熱転写によって、中間積層体26から被転写体31に、他の必要な層とともに転写され、その結果、本発明の印画物32が形成される。
【0088】
受容層23は、同時に転写された最上層6との接着性に優れるので、被転写体31に強固に接着し、剥がれることがない。また、受容層23は、上述した昇華性染料または熱溶融性ブラックインキを受容しやすい樹脂材料からなるので、階調性に優れて高品質の画像を形成し易く、特に高画質が要求される身分証明用の顔写真等、例えばパスポート等の顔写真等の形成に優れている。
【0089】
こうした受容層23を形成するための材料としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネイト等が挙げられ、特に、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂またはポリエステル樹脂が好ましい。
【0090】
受容層23は、高い染料染着性を有する熱可塑性樹脂の中から、単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、基材フィルム22上に、または、基材フィルム22上に保護層25等が設けられている場合にはその上に塗布、乾燥して形成することができる。その厚さは、乾燥状態で0.11〜10μm程度である。
【0091】
添加剤としては、受容層23の印画感度をよくするために、フタル酸エステル、リン酸エステルまたはポリエステル型可塑剤等、塩化ビニル樹脂用の可塑剤として一般的に用いられている低分子量から高分子量の可塑剤を添加することもできる。その添加量は樹脂量に対して0.5〜30重量%が好ましい。
【0092】
また、画像24の転写形成の際、熱転写シートまたは本発明の接着層転写シート11との熱融着を防止するため、上記の樹脂に離型剤を添加することが好ましい。離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系化合物を用いることができる。この中でも特にシリコーンオイルが好ましく用いられる。この離型剤の添加量は、受容層を形成するバインダ樹脂100重量部に対し0.2〜30重量部が好ましい。
【0093】
図7に示すような剥離層41、保護層25、ホログラム層42、透明蒸着層43、アンカー層44や、図8に示すような保護層25、アンカー層44、紫外線吸収層45、ヒートシール層46は、通常、中間転写記録媒体21において、基材フィルム22と受容層23との間に、それぞれの層の特質によって適当な位置に設けられる。これらの各層は、受容層23とともに基材フィルム22から剥離して被転写体31上に転写し、印画物32を構成する。
【0094】
以下、これらの各層について簡単に説明する。
【0095】
保護層25は、予め中間転写記録媒体21に設けられていたものであって、被転写体31に転写された受容層23を保護して画像24の品質を維持する目的で設けられるものである。
【0096】
保護層25を形成するための材料は、従来公知の保護層用の材料を用いることができ、基材フィルム22と適当な剥離性をもち、受容層23と共に被転写体31に転写された後は受容層23の表面保護層として所望の物性、例えば耐指紋性をもつ樹脂組成を選定することが好ましい。
【0097】
また、耐摩擦性、耐薬品性、耐汚染性が特に要求される場合は、保護層用の樹脂として電離放射線硬化型樹脂を用いることもできる。また、画像形成物の耐擦過性を向上させるための滑剤、汚染防止のための界面活性剤、耐候性能を向上させるための紫外線吸収剤、酸化防止剤等を適宜添加した保護層用材料を用いることもできる。保護層25は受容層23と同様の方法で形成することができ、厚さは0.1〜10μmが好ましい。
【0098】
剥離層41は、被転写体31に転写させるべき各層を、容易に転写させるために設けられる。例えば、図7に示すように剥離層41が基材フィルム22上に設けられている場合、剥離層41は、基材フィルム22との界面から容易に剥離することができ、その他の保護層25、ホログラム層42、透明蒸着層43、アンカー層44、受容層23を容易に転写させることができる。
【0099】
この剥離層41を形成するための材料は、従来公知のものを使用することができ、特に限定されない。
【0100】
ホログラム層42が設けられた中間転写記録媒体21を用いることにより、ホログラムパターンを有する印画物を得ることができる。このようなホログラムパターンが設けられた印画物は、装飾用以外でも複写による偽造等が困難なことからクレジットカードやパスポートなどにも使用される。
【0101】
このホログラム層42を形成するための材料は、従来公知のものを使用することができ、特に限定されない。また、その形成方法も、従来と同様の方法で形成することができる。
【0102】
透明蒸着層43は、通常、ホログラム層42に接して受容層23の側に設けられる。この透明蒸着層43は、他の層とは屈折率が異なるので、形成された印画物32において、ホログラムの絵柄を浮き立たせる作用を有する。
【0103】
この透明蒸着層43を形成するための材料は、従来公知のもの、例えばZnS、TiO2、SiO2、Cr23等の金属硫化物または金属酸化物等を使用することができ、特に限定されない。また、その形成方法も、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の従来と同様の方法で形成することができる。
【0104】
アンカー層44は、例えば図7においては、その表面に透明蒸着層43が設けられたホログラム層42と受容層23とを接着させるために設けられ、また、図8においては、保護層25と紫外線吸収層45とを接着させるために設けられる。
【0105】
このアンカー層44を形成するための材料は、従来公知のものを使用することができ、特に限定されない。また、その形成方法も、従来と同様の方法で形成することができる。
【0106】
紫外線吸収層45は、受容層23と基材フィルム22の間の適当な位置に設けられ、転写後の受容層23を覆って、自然光中の紫外線から印画物32の画像24の劣化を防止する。
【0107】
この紫外線吸収層45を形成するための材料は、従来公知のものを使用することができ、特に限定されない。また、その形成方法も、従来と同様の方法で形成することができる。
【0108】
次に、被転写体31について説明する。被転写体31上には、画像24を伴った受容層23および上述したようなその他の必要な各層が中間積層体26から転写され、その結果、印画物32が構成される。
【0109】
本発明で使用される被転写体31は特に限定されず、例えば天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等いずれのものでもよい。被転写体31の形状・用途についても、株券、証券、証書、通帳類、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場券、チケット等の金券類、キヤッシユカード、クレジットカード、プリペイドカード、メンバーズカード、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、ICカード、光カードなどのカード類、カートン、容器等のケース類、バッグ類、帳票類、封筒、タグ、OHPシート、スライドフィルム、しおり、カレンダー、ポスター、パンフレット、メニュー、パスポート、POP用品、コースター、ディスプレイ、ネームプレート、キーボード、化粧品、腕時計、ライター等の装身具、文房具、レポート用紙など文具類、建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、ラジオ、テレビ、電卓、OA機器等の装置類、各種見本帳、アルバム、また、コンピュータグラフィックスの出力、医療画像出力等、種類を問うものではない。
【0110】
特に、高解像度で高品質な画像を要求されるパスポートにフルカラーの顔写真やその他の必要とされる事項を転写する場合に、接着層転写シート1、11および図5に示す中間積層体26が好ましく用いられる。パスポート用紙としては、通常、天然紙が用いられ、平滑度等の品質は各国で異なる場合があるが、ベック平滑度が10〜1500秒の紙であっても、基底層4が強固に接着し、さらに、平滑度が悪いものであっても基底層4と必要に応じて設けられる中間層5が緩衝層の役割をするので、画像品質に優れて画像の欠落や剥離が起こらない印画物32とすることができる。
【0111】
次に、本発明の印画物32は、上述の接着層転写シート1、11および中間転写記録媒体21を用い、以下のようにして形成することができる。
【0112】
本発明の印画物32は、上述した接着層転写シート1、11を用い、画像24が形成された受容層23を中間転写記録媒体21から被転写体31に転写して、被転写体31上に画像24を形成することによって得ることができる。
【0113】
すなわち、接着層転写シート1、11を、少なくとも基材フィルム22と受容層23とからなり、被転写体31上に画像24を伴う受容層23を転写するために用いられる中間転写記録媒体21の受容層23上に、最上層6が接着するように接着層7を転写し、接着層7が転写されてその最表面に基底層4が配置された中間転写記録媒体21(中間積層体26)を被転写体31上に転写して、被転写体31上に画像24を形成して印画物32を形成する。
【0114】
このとき用いられる接着層転写シート1、11、中間転写記録媒体21および被転写体31は、上述した材料および方法によって形成されたものを使用することができる。
【0115】
昇華性染料層9および/または熱溶融性ブラックインキ層10が接着層7と共に面順次に基材フィルム2上に設けられている接着層転写シート11を用いる場合には、中間転写記録媒体21の受容層23上に接着層転写シート11から接着層7を転写する際に、一連の連続工程でカラー画像や文字と接着層7とを転写形成することができる。そのため、画像形成のための工程を別工程として行なう必要がないので、工程を短縮することができ、特に経済的に好ましい。
【0116】
こうして、画像24が形成された受容層23と被転写体31は、それぞれに対して適した接着性を有する最上層6と基底層4によって強固に接着される。そのため、印画物32の形成工程において、受容層23と被転写体31との接着不良が発生しない。また、形成後の印画物32においても、受容層23の剥離が起こらず、画像24の欠落が起こらない。この方法により、例えば、パスポート、IDカード、クレジットカード、身分証明書などのような画像の欠落を特に嫌う印画物を好ましく形成することができる。
【0117】
これらの印画物のうち、パスポート51について説明する。
【0118】
パスポート51は、図9に示すように、カラーの顔写真52その他の必要な身分証明事項等が印画されている。しかし、形成すべき画像や文字の種類は、位置によって多種多様である。
【0119】
例えば図9において、顔写真52は、各色の昇華性染料によって鮮明なカラー画像で形成され、パスポート51の左上の一角に丸形、楕円形または四辺形で形成される。国籍、住所、氏名、生年月日、性別等の文字(以下「国籍など53」という。)は、中央部に熱溶融性ブラックインキによって形成され、OCR読み取り記号・文字54は、下部に熱溶融性ブラックインキによって形成される。指紋パターンやサイン55は、右部に昇華性ブラック染料で形成される。
【0120】
パスポート51のように一定の位置に印画すべき画像の種類が固定される場合には、その作成に適した接着層転写シート50を用いることが好ましい。具体的には、図10に示すように、カラー顔写真52を形成すべき領域に対応した平面形状と大きさで各色の昇華性染料層9y、9m、9cを設け、指紋パターンやサイン55を形成すべき領域に対応した平面形状と大きさで昇華性ブラック染料層9bを設け、国籍など53やOCR読み取り記号・文字54を形成すべき領域に対応した平面形状と大きさで熱溶融性ブラックインキ層10を設けることが好ましい。これにより、不要な色材を節約することができ、無駄が少なく経済的となる。
【0121】
接着層7は、中間転写記録媒体21の受容層23に適した接着性を有する最上層6と、被転写体31であるパスポート用紙に適した接着性を有する基底層4とから構成される。接着層7の平面形状と大きさは、パスポート51の画像形成領域(H×L)であることが好ましい。
【0122】
パスポート51への各種画像の形成は、先ず、上述のパスポート用接着層転写シート50から中間転写記録媒体21の受容層23に、各色の昇華性染料9および熱溶融性ブラックインキ10を形成すべき画像24に対して鏡像となるように転写形成し、さらに、接着層7を画像全面を覆うように転写する。接着層7と受容層23は、受容層23に適した接着性を有する最上層6によって強固に接着する。そのため、その後にパスポート51上に転写する際の転写不良が生じない。
【0123】
こうして必要な画像が転写形成された中間転写記録媒体21は、パスポート50上に転写され、画像形成領域(H×L)に画像が形成される。このとき、中間転写記録媒体21に転写された接着層7の最表面には、パスポート51と適した接着性を有する基底層4が配置されている。そのため、この基底層4によって画像24を伴った受容層23は、接着層7を介してパスポート51上に強固に接着することができる。
【0124】
また、中間転写記録媒体21には、上述したような、剥離層41、保護層25、ホログラム層42、透明蒸着層43、アンカー層44、紫外線吸収層45、ヒートシール層46等を適宜設けることができる。パスポート用の中間転写記録媒体21としては、例えば図7に示すような、基材フィルム22上に、剥離層41、保護層25、ホログラム層42、透明蒸着層43、アンカー層44、受容層23が順次設けられたものが好ましい。
【0125】
こうして作成されたパスポート51は、中間転写記録媒体21から画像24が転写される際の転写不良が起こらないので、受容層23の剥がれや画像24の欠け落ちなどがない。このことは、顔写真52や国籍など53のように、形成画像に重要な意味をもつパスポートその他の身分証明書等において、極めて重要なことである。
【0126】
本発明によれば、高解像度で、高品質な画像を転写するために、受容層23の材質や被転写体31の材質が多様なものであったとしても、それぞれに適した接着性を有した異なる材料からなる接着層7を設けた接着層転写シート1、11を使用することによって、これらの問題を解決することができた。
【0127】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中で「部」または「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。
【0128】
(昇華型熱転写シートの作成)
先ず、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という。)フィルム(ルミラー、東レ製)の一面側に、ウレタン系樹脂からなる厚さ0.5μmのプライマー層を設け、他面側(背面)に厚さ1μmの耐熱性スリップ層を設けた。また、昇華性染料を含有する3色のインキを調製した。各色のインキは、それぞれ下記のごとき組成を有していた。
【0129】
<イエローインキ>
下記構造式(1)で表わされるキノフタロン系染料 5.5重量部
ポリビニルブチラール 4.5重量部
(エスレックBX−1、積水化学工業製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 90.0重量部
【0130】
【化1】
Figure 0003963555
【0131】
<マゼンタインキ>
前記のイエローインキにおいて、染料をシーアイ・ディスパースレッド60(C.I.Disperse Red 60)に代えた以外は同様にして、マゼンタインキを得た。
【0132】
<シアンインキ>
前記のイエローインキにおいて、染料をシーアイ・ソルベントブルー63(C.I.Solvent Blue 63)に代えた以外は同様にして、シアンインキを得た。
【0133】
次に、準備しておいた前記PETフィルムのプライマー層の表面に、PETフィルムの流れ方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアンの各インキを、この順序で面順次に、且つ、各色を長さが15cmとなるように繰り返しグラビア印刷し、乾燥させて3色の昇華性染料層を形成し、昇華型熱転写シートを得た。各色の塗布量は、それぞれ約3g/m2(固形分)とした。
【0134】
( 参考例1 )
基材フィルム2として厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラー」、東レ製)を使用し、その一方の面に耐熱スリップ層として、シリコーン樹脂を厚さ1μmとなるようにグラビアコート方式により形成し、もう一方の面に離型層3を同様の方式で形成し、その離型層3上に下記組成の基底層用塗布液をグラビアコート方式で、乾燥時の塗布量が2.0g/mとなるように塗布・乾燥して基底層4を形成した。
【0135】
基底層用塗布液No.1;
ポリビニルピロリドン(ISP社製) 20重量部
マイクロシリカ(富士シリシア社製) 5重量部
イソプロピルアルコール 75重量部
【0136】
次に、上記の基底層4の上に、最上層6として下記の組成の最上層用塗布液No.1をグラビアコート方式で、乾燥時の塗布量が3.0g/m2となるように塗布・乾燥して最上層6を形成し、接着層転写シートを形成した。
【0137】
最上層用塗布液No.1;
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15重量部
(デンカビニル1000ALK、電気化学工業社製)
反応性紫外線吸収剤を反応結合した共重合樹脂 20重量部
(UVA635L、BASFジャパン社製)
トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 100重量部
【0138】
( 参考例2 )
参考例1において、基底層用塗布液No.1の代わりに下記組成の基底層用塗布液No.2を塗布した。それ以外は参考例1と同様にして、参考例2の接着層転写シートを形成した。
【0139】
基底層用塗布液No.2;
ポリアミド樹脂 15重量部
(プラタボンド、日本リルサン社製)
エタノール 85重量部
【0140】
( 参考例3 )
参考例1において、基底層用塗布液No.1の代わりに下記組成の基底層用塗布液No.3を塗布し、最上層用塗布液No.1の代わりに下記組成の最上層用塗布液No.2を塗布した。それ以外は参考例1と同様にして、参考例3の接着層転写シートを形成した。
【0141】
基底層用塗布液No.3;
アイオノマー樹脂ディスパージョン 30重量部
(ケミパール、三井石油化学工業社製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製) 5重量部
水 30重量部
工タノール 35重量部
最上層用塗布液No.2;
ポリビニルビロリドン(ISP社製) 20重量部
マイクロシリカ(富士シリシア社製) 10重量部
イソプロピルアルコール 70重量部
【0142】
( 実施例1 )
参考例3において、参考例3での最上層6を中間層5として使用し、その上にさらに下記組成の最上層用塗布液No.3を、乾燥時の塗布量が3.0g/mとなるように塗布・乾燥して最上層6を形成した。それ以外は参考例3と同様にして、実施例1の接着層転写シートを形成した。
【0143】
最上層用塗布液No.3;
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15重量部
(デンカビニル1000ALK、電気化学工業社製)
反応性紫外線吸収剤を反応結合した共重合樹脂 20重量部
(UVA635L、BASFジャパン社製)
トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 100重量部
【0144】
(比較例1)
参考例1において、基底層4を設けなかった以外は参考例1と同様にして、比較例1の接着層転写シートを形成した。
【0145】
(比較例2)
参考例1において、最上層6を設けなかった以外は参考例1と同様にして、比較例2の接着層転写シートを形成した。
【0146】
(比較例3)
実施例1において、中間層5を設けなかった以外は参考例1と同様にして、比較例3の接着層転写シートを形成した。
【0147】
(比較例4)
参考例1において、最上層用塗布液No.1の代わりに下記組成の最上層用塗布液No.4を塗布した。それ以外は参考例1と同様にして、比較例4の接着層転写シートを形成した。
【0148】
最上層用塗布液No.4;
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Tg=50℃) 30重量部
トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 70重量部
【0149】
(評価および評価結果)
先ず、上述した昇華型熱転写シートを使用し、中間転写記録媒体21の受容層23に昇華性染料を移行させて画像24を形成した。
【0150】
次いで、実施例1、参考例1〜3及び比較例1〜4で得られた接着層転写シート1の接着層7を、画像24が形成された中間転写記録媒体21に転写し、その際の接着状態を観察し、転写性を評価した。結果を表1に示す。なお、ここでいう接着層7とは、実施例においては基底層4と中間層5と最上層6が少なくとも設けられているものをいい、比較例においては少なくとも基底層4と最上層6の何れかが、または基底層4と最上層6とから構成されているものをいう。
【0151】
さらに、接着層7の転写によって構成された中間積層体26から被転写体31に、画像24が形成された受容層23を接着層7を介して転写し、その際の接着状態を観察し、転写性を評価した。ここで、天然紙を被転写体31として使用した。結果を表1に示す。
【0152】
なお、ロール状に巻かれた接着層転写シート1の保存性についても評価した。保存条件は、60℃、48時間とし、ブロッキングの発生の有無を評価した。結果を表1に示す。
【0153】
【表1】
Figure 0003963555
【0154】
実施例1において、基底層4と中間層5と最上層6とによって構成された接着層7は、中間転写記録媒体21の受容層23および被転写体31の何れに対しても優れた密着性を示した。また、ブロッキングも起こらなかった。
【0155】
比較例1においては、中間転写記録媒体21の受容層23に対して優れた接着性を示した最上層6であっても、被転写体31に対しては十分な接着性を示すことができなかった。
【0156】
比較例2においては、被転写体31に対して優れた接着性を示した基底層4であっても、中間転写記録媒体21の受容層23に対しては十分な接着性を示すことができなかった。
【0157】
比較例3においては、基底層4と最上層6との間で層分離が起こり、転写性に劣る結果となった。
【0158】
比較例4においては、最上層6が接着層転写シート1の背面に粘着するというブロッキングが起こった。
【0159】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の接着層転写シートによれば、転写性接着層のうちの最上層が受容層に対して適した接着性を有するので、中間転写記録媒体の受容層上に強固に接着し且つ経時劣化しない接着層を伴う中間転写記録媒体が得られる。このとき、得られた中間転写記録媒体の表面には、転写性接着層のうち、被転写体の表面に対して適した接着性を有する基底層が位置するので、中間転写記録媒体の受容層を、被転写体と強固で且つ経時劣化等の問題のない接着性を有する基底層によって被転写体上に接着性よく転写することができる。このため、本発明の接着層転写シートは、単一材料の接着層では中間転写記録媒体の受容層と被転写体との両方に対して好適な接着性を得ることができない場合であっても、この問題を解決して、その何れに対しても優れた接着性で転写することができる。
【0160】
また、基材フィルム上に、接着層と面順次に画像を形成するための種々の色の色材層を少なくとも一つ設けた接着層転写シートを用いると、中間転写記録媒体の受容層に、カラー画像や文字および接着層を一連の連続工程で転写形成することができる。そのため、画像形成のための工程を短縮でき、経済的に好ましい。
【0161】
また、本発明の印画物によれば、画像を伴う受容層は転写性の接着層のうちの最上層との接着性に優れ、被転写体は転写性の接着層のうちの基底層との接着性に優れているので、被転写体の材質等に関わらず、受容層を被転写体上に強固に設けることができる。そのため、転写不良や画像剥離の起こらない印画物を得ることができる。また、身分証明欄を備えたパスポート用紙を被転写体としたとき、画像を伴う受容層が接着性よく設けられているので、例えば、顔写真や身分証明事項などの画像の欠落や受容層の剥がれなどが生じることのないパスポートとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接着層転写シートの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の接着層転写シートの他の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の接着層転写シートの他の一例を示す正面図である。
【図4】本発明の接着層転写シートの他の一例を示す正面図である。
【図5】接着層が転写された後の中間転写記録媒体の一例を示す断面図である。
【図6】接着層を伴う中間転写記録媒体を熱転写して得られた本発明の印画物の一例を示す断面図である。
【図7】本発明の印画物を形成するのに用いられる中間転写記録媒体の他の一例を示す断面図である。
【図8】本発明の印画物を形成するのに用いられる中間転写記録媒体の他の一例を示す断面図である。
【図9】本発明の画像形成方法によって作成されたパスポートの身分証明欄の一例の正面図である。
【図10】パスポート用接着層転写シートの一例を示す正面図である。
【符号の説明】
1、11 接着層転写シート
2、22 基材フィルム
3 離型層
4 基底層
5 中間層
6 最上層
7 接着層
9 昇華性染料層
9y イエロー(昇華性染料層)
9m マゼンタ(昇華性染料層)
9c シアン (昇華性染料層)
9b ブラック(昇華性染料層)
10 熱溶融性ブラックインキ層
21 中間転写記録媒体
23 受容層
24 画像
25 保護層
26 中間積層体
31 被転写体
32 印画物
41 剥離層
42 ホログラム層
43 透明蒸着層
44 アンカー層
45 紫外線吸収層
46 ヒートシール層
50 パスポート用接着層転写シート
51 パスポート
52 顔写真
53 国籍など
54 OCR読み取り記号・文字
55 指紋パターン、サイン
H 画像形成領域の高さ
L 画像形成領域の幅

Claims (10)

  1. 少なくとも基材フィルムと、該基材フィルム上に剥離可能に設けられた転写性接着層とからなり、中間転写記録媒体の受容層上に転写性接着層を転写するために用いられる接着層転写シートであって、
    前記の転写性接着層は、前記中間転写記録媒体の受容層に対して適した接着性を有する最上層と、前記基材フィルムの最も近くに配置され、前記最上層とは異なる材料で形成され、被転写体の表面に対して適した接着性を有する基底層と、前記基底層と最上層とを接合するための中間層と、を少なくとも有していることを特徴とする接着層転写シート。
  2. 前記基底層が、アイオノマーを含有することを特徴とする請求項1に記載の接着層転写シート。
  3. 前記基底層が、ポリビニルピロリドンを含有することを特徴とする請求項1に記載の接着層転写シート。
  4. 前記基底層が、ポリアミドを含有することを特徴とする請求項1に記載の接着層転写シート。
  5. 前記最上層が、60℃以上のガラス転移温度を有する樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4に記載の接着層転写シート。
  6. 前記基材フィルム上に、種々の色の昇華性染料層および種々の色の熱溶融性インキ層よりなる群から選ばれる少なくとも1つの色材層と、前記転写性接着層とが面順次に設けられており、
    当該各色材層は、前記の中間転写記録媒体を用いて画像を転写形成する被転写体の表面に割り振られた個々の画像形成領域に合せて無駄のない平面形状と大きさに形成され、
    当該転写性接着層は、被転写体表面の受容層転写領域に合せて無駄のない平面形状と大きさに形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の接着層転写シート。
  7. 前記の各色材層は、前記の転写性接着層よりも小さい面積になるように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の接着層転写シート。
  8. 被転写体と、該被転写体上に設けられた転写性接着層と、該転写性接着層上に設けられた画像を伴う受容層とによって少なくとも構成された印画物であって、
    前記転写性接着層が、前記受容層に対して適した接着性を有して該受容層に接着した最上層と、前記最上層とは異なる材料で形成され、前記被転写体に対して適した接着性を有して該被転写体に接着した基底層と、前記基底層と最上層とを接合するための中間層と、を少なくとも有していることを特徴とする印画物。
  9. 前記被転写体が、ベックの平滑度で10〜1500秒の天然紙であることを特徴とする請求項8に記載の印画物。
  10. 前記被転写体が、身分証明欄を備えたパスポート用紙であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の印画物。
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