JP7159606B2 - 感熱転写媒体および情報記録体 - Google Patents

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Description

本発明は、パスポートやIDカードなどに代表される個人認証媒体を作成するための感熱転写媒体ならびにそれを用いた情報記録体に関する。
運転免許証、パスポートなどに代表される個人認証媒体をはじめ、クレジットカード、通帳などセキュリティ性の求められる情報記録体は、広く用いられており、この情報記録体を作成する手段の一つとして感熱転写媒体を用いることができる。
感熱転写媒体を用いた記録方式の代表的な手法としては、情報記録体基材と感熱転写媒体とを当接させ、サーマルヘッドなどの加熱により、色素を含むインキ層を情報記録体基材上に転写させることで情報記録体を得る、直接転写方式を挙げることができる。
しかし、直接転写方式の場合には、紙基材のように面の粗い基材に対して印字する際には、印字品質やインキ層の接着力を確保するのが難しい問題があった。
このような問題に対し、特許文献1では、複数色で構成される熱溶融性インクパネルの両側に熱溶融性バインダーからなるパネルを同一平面上に設けることが記載されている。
これはインクパネルの両側に設けられた2つの熱溶融性バインダーからなるパネルで、インク層をサンドイッチするように挟み込むというものであった。
しかし、パスポートやカード類などのように、高いセキュリティ性や耐久性を要求される媒体に対しては、必ずしも十分な方法とは言えなかった。
また、インキ層の接着力を確保するために、予め接着材を被転写体表面にスクリーン印刷やバーコーターなどを用いて塗工するという方法もあるが、このような手法では下処理工程に手間がかかり、情報記録体を発行する工程の簡略化が求められていた。
特開平9-95064号公報
本発明は、以上のような問題点を踏まえてなされたもので、情報記録体への下処理工程を必要とせず、個々の情報記録体に印字されている個人情報を偽造あるいは改ざんすることが困難な感熱記録媒体ならびに情報記録体を提供しようとするものである。
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、中間転写箔と共に用いられ、支持体の片面に、色素を含む1つ以上のインキ層と、プライマ層と、が少なくとも面順次に設けられてなる感熱転写媒体であって、前記プライマ層の厚さが、前記インキ層の厚さよりも厚いことを特徴とする感熱転写媒体である。
発明は、前記1つ以上のインキ層が前記支持体の片面に印字すべき1画面分のパネル単位で設けられ、前記プライマ層が、各インキ層に対して少なくとも2倍以上の面積を有し、かつ前記プライマ層の厚さが、前記インキ層の厚さの1/2よりも厚いことを特徴とする感熱転写媒体である。
発明は、前記インキ層に対して少なくとも2倍以上の面積を有する前記プライマ層が、転写されるべき1画面分のパネル単位で、少なくとも2画面分のパネルを並置してなることを特徴とする感熱転写媒体である。
請求項に記載の発明は、前記プライマ層が、第1プライマ層と第2プライマ層とからなり、前記第1プライマ層が前記支持体の片面の概ね全面に設けられてなり、前記第1プライマ層上に、前記1つ以上のインキ層と、前記第2プライマ層とが、面順次に設けられてなり、かつ前記第1プライマ層と前記第2プライマ層との総和が、前記インキ層の厚みよりも厚いことを特徴とする感熱転写媒体である。
発明は、情報記録体基材上に、プライマ層とインキ層とオーバーレイ層とを、少なくとも設けてなる情報記録体であって、少なくとも前記プライマ層と前記オーバーレイ層とが、平面視において概ね同一の面積を有し、かつ前記プライマ層が、前記インキ層よりも厚く設けられており、前記情報記録基材と前記プライマ層との間の剥離強度が、6N/cm以上であることを特徴とする情報記録体である。
発明は、前記プライマ層が、少なくとも2層以上の複数層からなることを特徴とする情報記録体である。
発明は、前記プライマ層の総厚が、1.0μm以上10μm以下であることを特徴とする情報記録体である。
発明は、前記インキ層が、顔写真を含む個人認証用画像を少なくとも形成してなることを特徴とする情報記録体である。
本発明によれば、パスポートやIDカードなどの個人認証媒体である情報記録体において、偽造や変造などの不正行為がなされたどうか判定の容易な情報記録体の作成を可能とする感熱転写媒体ならびに情報記録体を得ることができる。
本発明の感熱転写媒体の第一の態様の例を示す斜視図である。 本発明の感熱転写媒体の第二の態様の例を示す斜視図である。 本発明の感熱転写媒体の第三の態様の例を示す斜視図である。 中間転写方式の例を示す概念図である。 本発明の情報記録体の1例を示す平面図である。 本発明の情報記録体の第一の態様の例を示す断面図である。 本発明の情報記録体の第二の態様の例を示す断面図である。 本発明の情報記録体の第三の態様の例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下の説明において適宜図面を参照するが、図面に記載された態様は本発明の例示であり、本発明はこれらの図面に記載された態様に制限されない。
尚、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全て図面を通じて同一の参照符号を附し、重複する説明は省略する。
(感熱転写媒体の第一態様)
図1は、本発明の感熱転写媒体(10)の第一の態様の例を示す斜視図である。
図1では、支持体(11)上に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各色素を含むインキ層(12)、プライマ層(P1)が、面順次に設けられている様子を示している。
本発明の感熱転写媒体(10)に用いることのできる支持体(11)としては、従来、昇華転写型や溶融転写型用として一般に用いられているものを用いることができる。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリイミド、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチックフィルムや、コンデンサペーパー、パラフィン紙等の紙類などを例示することができるが、特に好ましいのはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系のフィルムである。
支持体(11)の厚みとしては、2~50μmのものを用いることができるが、より好ましくは、2~l6μmである。
このような支持体(11)には、状況に応じて、各種インキ層が設けられる面とは反対側の面に耐熱滑性層などが設けられてあっても良いし、また任意の面に帯電防止用、易接着用、離型用などの各種処理あるいは機能層などが、全面あるいは任意の場所に施されてあっても良い。
図1に示したインキ層(12)は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)であるが、用途に応じて特別に調合した特色や蛍光などのインキ層が設けられてあっても何ら問題ない。
このようなインキ層(12)は、昇華転写型、溶融転写型などいずれのタイプのものが用いられても良いが、個人認証などを目的とする用途においては、高い耐久性などの観点から、溶融転写型のタイプを好適に用いることができる。
溶融型のインキ層(12)は、主に色素、バインダー樹脂、ワックス類などを含有している。
色素としては、無機顔料、有機顔料などを任意に選定して用いることができ、具体的には、例えば、カーボンブラックをはじめ、フタルイミド系イエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、スルホアミドイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ジケトピロロピロール、キノフタロン、イソインドリノン、ジアミノジアントラキノンなどを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
これらの色素は、1種類もしくは2種以上を組み合わせて用いられてもよく、状況に応じて染料などを添加して用いられてもよい。
また、バインダー樹脂としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ロジン系樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂などを例示することが、これらに限定されるものではなく、単独あるいは混合物または複合物として用いることができる。
ワックス類としては、カルナバワックス、キャンデリラワックスなどの植物系ワックス、蜜蝋などの動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライトなどの鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックスといった天然ワックス、あるいはフィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックスなどの合成ワックスや酸化ワックス、ステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸金属塩などから任意に選定して用いることができる。
また、インキ層(12)には必要に応じて、分散剤などの各種添加剤が加えられてあっても何ら問題ない。
本発明における感熱記録媒体(10)のインキ層(12)の厚みとしては、1.2μm未満であることが望ましい。
プライマ層(P1)は、主に熱可塑性樹脂からなり、インキ層(12)あるいは後述する中間転写箔のオーバーレイ層と最終的印画物である情報記録体基材との接着性を確保するためのものであり、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニルや塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体などビニル系樹脂、塩素化ポリオレフィン、エチレン-アクリル共重合体、エポキシ系樹脂、ロジン系樹脂などを例示することができるが、必ずしもこれらに限定されるものでなく、またこのような熱可塑性樹脂は、単独あるいは2つ以上の混合物または複合物として用いることができる。
このような接着層(14)には、状況に応じて、無機系フィラー類、有機系フィラー類などの他に、ワックス類などが添加されてあっても何ら問題ない。
図1に示されるような第一の態様におけるプライマ層(P1)は、インキ層(12)の厚さよりも厚く設けられていることが重要であり、1.0μm以上、さらに望ましくは、1.2μm以上とすることができる。
これは、図4に示すような中間転写方式により情報記録体基材(33)に画像形成した際に、インキ層(12)と情報記録体基材(33)との十分な接着が得られ、悪意ある第三者による、インキ層(12)によって形成された画像を剥がして、画像を改ざんしようとする行為を困難なものとすることができる。
(感熱転写媒体の第二態様)
図2は、本発明における感熱記録媒体の第二の態様を示しており、第一の態様と同様に、支持体の片面にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各色素を含むインキ層(12)、ならびにプライマ層(P2,P3)が面順次に設けられている。
ここで、第二の態様においては、プライマ層が各インキ層に対して少なくとも2倍以上の面積を有し、かつプライマ層の厚さが、前記インキ層の厚さの1/2よりも厚いことが重要である。
また、プライマ層は、単一のパネルとして設けられていても良いし、図2に示すように転写されるべき1画面分のパネル単位で、少なくとも2画面分のパネルを並置したように設けられてあっても良い。
図2においては、各インキ層のパネル面積と一つのプライマ層(例えばP2)のパネル面積とが、概ね同じ面積として示されているが、これらの面積は必ずしも同一である必要はない。
すなわち、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのカラー画像形成用のインキ層(12)は、パスポートやIDカードなどの用途では、顔写真画像を形成する場合のみ用いる場合があり、その場合には、顔写真画像形成に必要な面積のみ設けられてあっても良く、またプライマ層については、一般に顔写真画像形成部分に限定せず、情報記録体の概ね全面を覆うようにオーバーレイ層を形成する場合があるため、情報記録体に対してオーバーレイ層を転写しようとする面積と略同等の面積を1つのパネルとして設けることができる。
支持体(11)、各インキ層(12)ならびにプライマ層(P2、P3)に用いられる材料については、感熱転写媒体の第一態様で示したものと同様である。
2つのパネル状に設けられたプライマ層(P2、P3)は、用途に応じて、異なる材料が用いられてあっても良いし、用いる樹脂材料は同一のものとして、添加するフィラーのような添加剤の材料種や添加量が異なっていても良い。
また、2つのパネル状に設けられたプライマ層(P2、P3)の厚さは、略同一の厚みとすることができる。
(感熱転写媒体の第三態様)
図3は、本発明における感熱記録媒体の第三の態様を示しており、支持体(11)の片面の概ね全面に第1プライマ層(P4)が設けられており、この第1プライマ層(P4)上に、第一の態様と同様に、支持体の片面にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各色素を含むインキ層(12)、ならびに第2プライマ層(P5)が面順次に設けられている。
ここで、第1プライマ層(P4)と第2プライマ層(P5)との総厚が、インキ層(12)に比べて、厚いことが重要である。
但し、第1プライマ層(P4)を厚くし過ぎると、図4に示した中間転写工程において、サーマルヘッド(30)を用いて、感熱転写媒体(10)のインキ層(12)を中間転写媒体(20)のオーバーレイ層上に印字する際に、印字感度の低下や、インキ層の切れ性低下に伴う階調表現の低下などを招く可能性がある。
従って、第1プライマ層(P4)と第2プライマ層(P5)を異なる厚さで設ける場合には、第2プライマ層(P5)の厚さを厚くすることが望ましい。
また、感熱記録媒体の第三の態様における支持体(11)、各インキ層(12)、プライマ層(P4,P5)に用いられる各種材料は、第一の態様において示したものと同様の材料を用いることができる。
第1のプライマ層(P4)と、第2プライマ層(P5)とは、用途に応じて、異なる材料が用いられてあっても良いし、用いる樹脂材料は同一のものとして、添加するフィラーのような添加剤の材料種や添加量が異なっていても良い。
(情報記録体の作成方法)
図4は、上述のような感熱転写媒体(10)と中間転写箔(20)を用いた中間転写方式による情報記録媒体の作成方法を示す概念図であり、図5は作成された情報記録体(40)の例を示す平面図である。
中間転写箔(20)は、基材上に少なくともオーバーレイ層を剥離可能に設けたもので、この中間転写箔(20)と、上述の感熱転写媒体(10)を対向配置し、サーマルヘッド(30)やレーザなどを用いて、感熱転写媒体(10)に熱を加え、まずインキ層(12)をオーバーレイ層上に転写することにより、図3に示すように第1画像形成部(41)、ならびに第2画像形成部(42)などのように1つ以上の画像形成部の印画を行う。
この際、複数のインキ層(12)を用いて印画する部分に対しては、1つ目のインキ層(12)、例えばシアン(C)の印字を終えたところで、次に使用するインキ層(12)、例えばマゼンタ(M)の始まり部まで感熱転写媒体(10)を送ると共に、中間転写箔(20)の次の色の印字開始位置まで中間転写箔(20)の巻き戻しが実施され、2つ目のインキ層(12)による印字が実施される。
その後、少なくとも第1画像形成部(41)と第2画像形成部(42)とを含む領域で、被転写体である情報記録体基材(33)に転写されるべき領域全体に対して、オーバーレイ層、インキ層(12)等を含む層上にプライマ層を転写する。
この時、先に説明した感熱転写媒体の第一態様における感熱転写媒体(10)を用いた場合には、インキ層(12)の厚さよりも厚いプライマ層(P1)をサーマルヘッド(30)によって加熱し、転写がなされる。
また、感熱転写媒体の第二態様における感熱転写媒体(10)を用いた場合には、最初にプライマ層(P2)を所定の位置に転写した後、中間転写箔(20)をプライマ層転写開始位置まで巻き戻して、改めてプライマ層(P3)を所定の位置に転写する。従って、情報記録体基材(33)に転写されるプライマ層は2層構成となる。
感熱転写媒体の第三態様における感熱転写媒体(10)を用いた場合には、中間転写箔(20)に対してインキ層(12)を転写する際に、インキ層(12)と共に第1プライマ層(P4)の転写がなされ、その後、第1プライマ層(P4)と第2プライマ層(P5)が、共に所定の位置に転写されることとなる。
従って、インキ層(12)が設けられていないオーバーレイ層のみの領域においては、第2プライマ層(P5)と第1プライマ層(P4)がこの順に積層された2層構成のプライマ層が設けられ、インキ層(12)が設けられた領域においては、第1プライマ層(P4)/第2プライマ層(P5)/第1プライマ層(P4)の3層構成のプライマ層が形成されることとなる。
次いで、中間転写箔(20)の印画がなされた部分が、熱ロール(31)による転写部まで搬送され、情報記録体基材(33)に対し、オーバーレイ層、インキ層(12)が、プライマ層を介して転写される。以上のようにして、図5に示す様な情報記録体(40)が作成される。
ここで、情報記録体(40)に印画される画像は特に限定されるものではないが、第1画像形成部(41)は、個人認証するための顔写真などの画像情報であることが望ましく、第2画像形成部(42)は、文字情報などを含み、顔写真以外の個人認証情報であることが望ましい。
(情報記録体)
図5は、先に述べたように、得られた情報記録体(40)の例を示す平面図であり、図6、図7、図8は、図5のA-A’切断面の例を示す断面図である。
図6は、先に示した感熱転写媒体の第一態様に示した感熱転写媒体(10)を用いて作製した情報記録体(40)の例を示しており、情報記録体基材(33)に対して、オーバーレイ層(21)、インキ層(12)の各層が、インキ層(12)よりも厚く設けられたプライマ層(P1)を介して接着された構成となっている。
ここで、情報記録体基材(33)に用いられる材料としては、紙などの他に、ポリ塩化ビニル樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリ乳酸やポリエチレンテレフタレートサクシネートなどの生分解プラスチック類などを例示することができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
また、これらの材料は、酸化チタンなどの体質顔料が添加されてあっても良いし、気泡やボイドなどを層内に内包していても何ら問題なく、更には単一の層として用いても良いし、1種以上の材料からなる積層体として用いられていても良い。
また情報記録体(40)には、いずれかの層に印刷層やコーティング層が設けられてあっても良いし、磁気記録層やICチップ、アンテナなどが設けられてあっても何ら問題ない。
オーバーレイ層(21)は、単独の層であっても良いし、剥離性保護層、中間層、受像層などが積層された構成であっても良い。
積層構成とした場合の剥離性保護層は、オーバーレイ層(21)をオーバーレイ基材、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムなどから剥離し易くすると伴に、情報記録体基材(33)に転写した後に、保護層として機能するものである。
剥離性保護層は、樹脂と剥離性材料などから形成することができ、樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ゴム系樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂はなどを使用することができ、剥離性材料としては、フッ素樹脂パウダー、ポリエチレンパウダー、動物系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸金属塩などが使用できる。
中間層としては、耐久性付与層や各種蛍光材料、光吸収剤などを含む特殊印刷層、あるいは偽造防止効果を高める光学的可変素子(OVD)などを設けることができる。
耐久性付与層とする場合には、例えば、熱硬化性樹脂や放射線硬化性樹脂などからなるコーティング層を例示することができる。
蛍光材料、光吸収剤などを含む特殊印刷とする場合には、通常の可視光下では、視認することができないが、紫外光あるいは赤外光などを照射することにより、目視あるいは機械による読取が可能な材料を含む印刷層であれば、いずれも用いることができる。
この様な特殊印刷層に含まれる材料としては、例えば紫外線や赤外線を照射することに
より照射された光と異なる波長域に発光する蛍光材料や、紫外線あるいは赤外線などの吸収剤、更には、1つの活性イオンに複数のフォトンが作用し、より高いエネルギー順位に励起されることによって発光が起こるアップコンバージョン型の蛍光材料などを例示することができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
また、中間層を光学的可変素子(OVD)とする場合には、例えばホログラムや回折格子などを例示することができる。
ホログラムや回折格子としては、リップマン型のものやレリーフ型などのいずれが用いられてもよいが、レリーフ型を用いる場合には、レリーフ構造形成層とレリーフ面に沿って形成された光反射層を有する。
レリーフ構造形成層は、各種の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、あるいは放射線硬化性樹脂などを使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が例示できる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレートなどを例示することができる。
放射線硬化性樹脂の例としては、典型的には、重合性化合物と開始剤とを含んでいるものとして例示することができる。
重合性化合物としては、光ラジカル重合が可能な化合物や光カチオン重合が可能な化合物などを例示することができ、それぞれラジカル発生剤やカチオン発生剤を開始剤として含んでいる。
光反射層としては、Al、Cu、Ag、Au、Crなどの金属薄膜を任意のパターン状に形成する方法や、酸化チタンや硫化亜鉛などの誘電体薄膜を形成する方法、あるいは金属薄膜と誘電体薄膜の組合せたものなどを用いることができる。
金属や誘電体の薄膜を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法などの気相堆積法などを用いることができ、任意のパターンを形成する場合には、従来公知のエッチング法などを用いることができる。
受像層は、感熱転写媒体(10)を用いた画像が形成される層であり、インキ層(12)、プライマ層(13)などの受容性を有する。
受像層の材料としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、スチレン-アクリル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、エポキシ樹脂等を例示することができ、これらの樹脂を単独あるいは混合物などとして利用することができる。
また、受像層には必要に応じて、フィラー類や紫外線吸収剤などが添加されてあっても良い。
図7は、先に示した感熱転写媒体の第二態様に示した感熱転写媒体(10)を用いて作
製した情報記録体(40)の例を示しており、情報記録体基材(33)に対して、オーバーレイ層(21)、インキ層(12)の各層が、プライマ層(P2)ならびにプライマ層(P3)からなる2層構成のプライマ層を介して接着された構成となっている。
本構成における各層は、上述に記したとおりであり、本構成におけるプライマ層(P2あるいはP3)の厚さは、それぞれインキ層(12)の1/2以上の厚さであることが重要である。
これにより、インキ層(12)上に設けられたプライマ層の総厚は、インキ層(12)の厚さよりも厚くすることができ、十分な接着力を確保することが可能となる。
図8は、先に示した感熱記録体の第三態様に示した感熱記録媒体(20)を用いて作製した情報記録体(40)の例を示しており、情報記録体基材(33)に対して、オーバーレイ層(21)、インキ層(12)の各層に対して、オーバーレイ層(21)のみの領域については、第2プライマ層(P5)と第1プライマ層(P4)からなる2層構成のプライマ層を介して情報記録体基材(33)と接着しており、インキ層(12)を含む領域においては、第1プライマ層(P4)/第2プライマ層(P5)/第1プライマ層(P4)からなる3層構成のプライマ層を介して、情報記録体基材(33)と接着している。
上述のようにして形成される各情報記録体(40)におけるプライマ層の総厚は、1.0μm以上あれば良く、好ましくは1.2μm以上、より好ましくは2μm以上10μm以下である。
プライマ層の総厚が、1.0μm未満の厚さの場合には、インキ層(12)の厚さよりも薄くなる場合があり、情報記録体(40)に形成された第1画像形成部(41)あるいは第2画像形成部(42)の情報が改ざんされやすくなる可能性がある。
また、10μmを超える場合には、中間転写箔(20)に対して、各プライマ層を転写する際に、プライマ層の切れ性が低下し、バリなどが発生しやすくなる可能性がある。
この様にして形成されたプライマ層と情報記録体基材(33)との間の剥離強度は、6N/25mm以上あれば良く、更に好ましくは、10N/25mm以上であることが望ましい。
剥離強度の測定は、JIS Z 0237に基づき、テンシロン引張試験機を用いて測定することができる。
上述のような剥離強度を確保することにより、情報記録体(40)に形成された画像情報すなわち、個人情報への偽造あるいは改ざんを困難にすることができる。
また、画像形成方法として、中間転写方式を採用することにより、中間転写箔(20)上に形成されたインキ層(12)による画像を、ムラなく平滑にプライマ層で覆うことが可能となり、プライマ層が有する接着能力を十分に発揮することが可能となる。
さらには、プライマ層の総厚を増すことにより、剥離強度を高めることが可能となり、個人情報の偽造あるいは改ざんを困難とするセキュリティ性の高い情報記録体(40)を提供することが可能となる。
10 … 感熱転写媒体
11 … 支持体
12 … インキ層
C … シアン
M … マゼンタ
Y … イエロー
13 … 機能性インキプライマ層
14 … 接着層
15 … 感熱転写媒体巻き出し部
16 … 感熱転写媒体巻き取り部
20 … 中間転写箔
21 … オーバーレイ層
25 … 中間転写箔巻き出し部
26 … 中間転写箔巻き取り部
30 … サーマルヘッド
31 … 熱ロール
32 … プラテンローラ
33 … 情報記録体基材
40 … 情報記録体
41 … 第1画像形成部
42 … 第2画像形成部

Claims (1)

  1. 中間転写箔と共に用いられ、第1プライマ層が支持体の片面の概ね全面に設けられてなり、前記第1プライマ層上に、つ以上のインキ層と、第2プライマ層とが、面順次に設けられてなり、前記インキ層は、色素、バインダー樹脂、ワックス類を含有しており、前記色素は無機顔料、有機顔料であり、前記インキ層の厚みは、1.2μm未満であり、支持体上のインキ層を含まない領域は第1プライマ層と第2プライマ層からなる2層構成であり、第1プライマ層と第2プライマ層との総厚が2μm以上10μm以下であり、
    かつ前記第1プライマ層と前記第2プライマ層との総和が、前記インキ層の厚みよりも厚く、第1プライマ層と第2プライマ層は厚さが異なり、第2プライマ層の厚さが第1プライマ層より厚く、
    第1プライマ層と、紙の情報記録体基材との間の剥離強度が10N/25mm以上であることを特徴とする感熱転写媒体。
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