JP7326940B2 - 情報記録体および情報記録体の検証方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パスポート、IDカード、チケット、通帳等の用紙類に記録されたセキュリティ性を必要とする画像、パターン、文字などの個別情報の偽造、改竄がされにくい情報記録体、間接転写記録方式に適した熱転写媒体、およびそれを用いた情報記録体の製造方法に関する。
従来、文字や絵柄が種々の方法で印刷された印刷物、特に、パスポートやIDカード等の個人認証媒体はじめ、クレジットカード、通帳などセキュリティ性を求められる情報記録体に、通常の顔写真や文字情報の画像以外に、偽造や改ざんを防止するためのセキュリティ性や意匠性を付与することが行われている。
例えば、いわゆるホログラムや回折格子などの光学デバイスを転写箔の態様として、記録媒体に貼着することが広く行われている。これらの光学デバイスは、視角による色変化、虹色表示、チェンジング、3D表示などの特殊な表示効果を呈し、製造には真空プロセスを要するなど難易度が高いことから、偽造防止に一定の効果を有するものとして知られ、広く利用されている。
しかし、これらの光学デバイスは、広く利用される様になったことから類似のものを比較的入手し易く、また製造工程上、情報記録体に個別のパターンを設けることが困難で、同一のパターンを形成できるだけであるため、偽造や改竄の防止効果は限定的なものとなっていた。またこれらの光学デバイスは、偽造防止などの効果を狙って設けられたものであることが明白であるため、逆に偽造や改竄の誘因となる恐れがあった。
また例えば、通常の顔写真画像に加えて、サイズを縮小する、色を淡くする、などの加工を施した第2顔写真画像を設けることが行われている。しかし第2顔写真画像を設けても、カラーコピーなどにより複製されてしまい、効果は限定的であった。このため、この第2顔写真画像をカラーコピーができない蛍光インキで形成することも行われている。しかし蛍光インキによる画像は、確認するのに紫外線ランプなど特殊な装置が必要で、また蛍光インキ自体高価であるという問題があった。
また別の例として、特許文献1には、透明カード基材に光透過性の異なるインキをパターン印刷し、光を透過させることによりそれぞれのパターンのインキの透過性の差でコントラストを出し、目視で高透過性インキ部分の形状を確認できるようにしたカードが開示されている。しかし特許文献1のカードでは、透明パターンをカードの成形時に印刷しなければならず、個別情報をオンデマンドで形成することができないという問題点があり、また基材に透明カードを用いなければならず、適用範囲が限定されていた。
特開2007-30391号公報
本発明はこれらの課題を踏まえてなされたもので、パスポートなどの個人認証媒体において、個々の情報記録体に印字されている情報が真正であるかどうかの真贋判定が、特別の装置等を要することなく可能で、かつ、偽造や改竄の誘因となりにくい情報記録体、特
殊な材料等が不要で、間接転写記録方式に適した熱転写媒体、それを用いた情報記録体の製造方法および検証方法を提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明は、
C、M、Yのインキ層で形成された第1画像が設けられた第1画像形成部、
Bkのインキ層で形成された文字情報形成部、
光散乱層と、顔料濃度が前記Bkのインキ層に対して50~90%である薄墨インキ層と、C、M、Yのインキ層で形成された個別情報を含む第2画像が設けられた第2画像形成層と、顔料濃度が前記Bkのインキ層に対して50~90%である第2の薄墨インキ層または前記Bkのインキ層による網点面積率50~90%の網点画像と、が表面側から基材側に順次積層されたセキュリティ形成部、
が基材上に設けられていることを特徴とする情報記録体である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の情報記録体のセキュリティ形成部に可視光を照射して、第2画像を透視することを特徴とする情報記録体の検証方法である。
本発明は、情報記録体の製造時に印刷などの手法で設けられる固定パターンだけでなく、パスポートなどの高いセキュリティ性が求められる情報記録体に、顔写真などの個別情報を含む第2画像を、通常の所持状態では見えない隠蔽情報として、セキュリティ性を保持してオンデマンドで記録された情報記録体、間接転写記録用の熱転写媒体、その熱転写媒体を使用した情報記録体の製造方法および検証方法を提供できる。
より具体的には、中間転写媒体に、サーマルヘッドなどの公知の加熱手段により熱転写リボンの各色のカラーインキを熱転写することで、通常のカラー画像と墨文字画像を設けることができると共に、光散乱層と薄墨インク層とが積層された部分をセキュリティ形成部として、セキュリティ形成部に、シアン(単にCとも記す。以下同じ。),マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインキ層により形成された個別情報を含む第2画像が設けられた第2画像形成層と、ブラック(Bk)のインキ層により形成された網点面積率50~90%の網点画像層または第2の薄墨インク層のベタパターンとを、重ねて転写することで、第2画像は隠蔽情報となり通常所持した状態では隠蔽されて見えず、照明などの可視光などに透かして見たときや強い光を当てたときにのみ見える態様となり、コピー機等でコピーすることもできず、通常の所持状態では単に黒色に見えるだけでそこに第2画像が設けられていること自体が分からないため、偽造や改竄の誘因とならず、偽造や改竄の防止効果が高い。
また仮に隠蔽情報の改竄を行おうとしても、間接転写記録方式により中間転写媒体から情報記録体に再転写されることで、隠蔽情報は情報記録体の最内層側となり、改竄の際により上層側の層を破壊してしまうため、痕跡が残らないように改竄するのは困難であり、改竄されたことが容易に判別できる情報記録体を得ることができる。
本発明の熱転写媒体の熱転写リボン1の例を示す斜視図。 本発明の熱転写媒体の組合せの例を示す断面図。 本発明の熱転写媒体の熱転写リボン7の例を示す斜視図。 本発明の熱転写媒体の第2の組合せの例を示す断面図。 本発明の熱転写媒体を用いて1次転写した中間転写箔の例を示す断面模式図。 本発明の情報記録体の例を示す平面図。 図6のA-A´切断面を示す断面図。 間接転写記録方式の記録装置の例を示す概念図。 本発明の情報記録体に可視光を当てて透かして見た例を示す説明図。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また以下において同等の部材等には同一の符号を付して説明を省略することがある。
図1は、本発明の熱転写媒体の熱転写リボン1の例を示す斜視図である。長尺のリボン状の耐熱性の支持体2の表面側に、それぞれ熱転写インキからなるC、M、Y、Bkのイ
ンキ層が面順次に塗り分けられ、ロール状に巻回されている。
支持体2は従来から熱転写リボンに一般に用いられているものを使用することができ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリイミド、ナイロン、ポリ塩化ビニリデンなどを例示できるが、特に好ましいものとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルムが例示できる。その厚みは2~50μmのものを用いることができるが、より好ましくは2~16μmである。また支持体2の裏面側に、熱転写時の走行性を考慮してバックコート層を設けても良い。
ブラックBkのインキは、可視光領域の波長の光を吸収するインキである。Bkのインキは、光の透過部分、吸収部分を妨げない波長のインキであって、かつ同色のものであれば、単独のインキであっても、2種以上の混合物であっても良い。色材としては、カーボンブラックが好ましく用いられる。
C、M、Yの各色のカラーインキは、フルカラー画像を表現するための減色混合の3原色として知られているものを使用できる。また必要に応じてこれ以外の特色インキ層を設けることもできる。各色の色材としては、フタルイミド系イエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、スルホアミドイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ジケトピロロピロール、キノフタロン、イソインドリノン、ジアミノジアントラキノンなどを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
以上の各熱転写インキは、昇華転写型、溶融転写型のいずれのタイプのインキであっても良いが、個人認証用の情報記録体に用いるものとしては、高い耐久性を有する溶融転写型がより好ましい。
図2は、本発明の熱転写媒体の組合せの例を示す断面図である。中間転写媒体6は、支持体3上にオーバレイ層4が剥離可能に設けられており、間接転写記録方式における2次転写の際に支持体3から剥離して情報記録体に転写される。オーバレイ層3は図示したように単層の構成であって良いが、他に剥離保護層、中間層、受像層など、が積層された構成であっても良い。
中間転写媒体6は、2次転写の被転写体である情報記録体の記録面に相当する領域ごとに、その一部に光散乱層5と薄墨インク層GR1が積層されている。光散乱層5と薄墨インク層GR1が積層されている場所は、2次転写で情報記録体に隠蔽情報を設ける位置に相当する場所であり、セキュリティ形成部となる場所である。光散乱層5は、公知のグラビア印刷やコーティングなどの手法で設けることができ、その厚みは3~5μmが好ましい。薄墨インク層GR1は、ブラックBkのインキよりも顔料濃度が低くなっており、その顔料濃度はブラックBkのインキに対して50%~90%とすると好ましく、同様に公知のグラビア印刷やコーティングなどの手法で設けることができる。
なお図1、図2は模式的な図であり、熱転写リボン1の各熱転写インキ層の面積は、情報記録体の記録面の全面に記録するのに十分な面積として適宜設定して良い。
熱転写リボン1から中間転写媒体6への1次転写は以下のように行われる。熱転写リボン1を中間転写媒体6のオーバレイ層4側に当接して、サーマルヘッドにより熱転写リボン1からC、M、Yのカラーインキを熱転写して、中間転写媒体6の薄墨インク層GR1以外の場所に設定される第1画像形成部に、第1画像として例えば顔写真のようなカラー画像を形成すると共に、薄墨インク層GR1上に第2画像を転写して第2画像形成層を設
ける。同様にして、文字情報形成部にBkのインキを熱転写して文字、記号などの文字情報を形成すると共に、第2画像形成層上にBkのインキを網点面積率50~90%の網点パターンとして熱転写してセキュリティ形成部を形成する。以上の様にして1次転写が行われる。
このとき、隠蔽情報となる第2画像は、第1画像と同じ画像を、サイズを縮小するなどして設けても良いが、第1画像とは異なる画像でもよい。セキュリティ形成部としてセキュリティ性を高めるためには、情報記録体ごとに異なるパターン、すなわち個別情報のパターンとするのが好ましく、顔写真のほか、指紋、署名、生体情報パターンなどが例示できるが、これらに限定されない。
図3は、本発明の熱転写媒体の熱転写リボン7の例を示す斜視図である。また図4は本発明の熱転写媒体の第2の組合せの例を示す断面図である。熱転写媒体の各部材等の材料は前述の例と同様のものを使用することができる。
熱転写リボン7は、長尺のリボン状の耐熱性の支持体2の表面側に、それぞれ熱転写インキからなるC、M、Y、Bkのインキ層と、第2の薄墨インキ層GR2が面順次に塗り分けられ、ロール状に巻回されている。第2の薄墨インキ層GR2は、前述の薄墨インキ層GR1と同等のものとする。また中間転写媒体8は、前述の例と同様の構成である。
熱転写リボン7から中間転写媒体8への1次転写は以下のように行われる。熱転写リボン7を中間転写媒体8のオーバレイ層4側に当接して、サーマルヘッドにより熱転写リボン1からC、M、Yのカラーインキを熱転写して、中間転写媒体8の薄墨インク層GR1以外の場所に設定される第1画像形成部に、第1画像として例えば顔写真のようなカラー画像を形成すると共に、薄墨インク層GR1上に第2画像を転写して第2画像形成層を設ける。同様にして、文字情報形成部にBkのインキを熱転写して文字、記号などの文字情報を形成する。続いて第2画像形成層上に第2の薄墨インキ層GR2のインキをベタパターンとして熱転写してセキュリティ形成部を形成する。以上の様にして1次転写が行われる。
図5は、本発明の熱転写媒体を用いて上記の様に1次転写された中間転写媒体の例を示す断面模式図である。図5(a)は図2の熱転写リボン1および中間転写媒体6により1次転写が行われた例であり、図5(b)は図4の熱転写リボン7および中間転写媒体8により1次転写が行われた例である。
図5(a)の例では、中間転写媒体9のオーバレイ層4上に、第1画像形成部10、文字情報形成部11、セキュリティ形成部12が形成される。第1画像形成部10は、C、M、Yのインク層が転写されてカラー画像が形成されており、例えば顔写真のような画像が形成される。文字情報形成部11は、Bkのインクにより、文字、記号、ロゴ等の情報が単色で記録される。セキュリティ形成部12は、光拡散層5、薄墨インキ層GR1が積層された上に、C、M、Yのカラーインキによる第2画像が形成された第2画像形成層25が形成され、さらにBkのインキによる網点面積率50~90%の網点パターン26が形成されている。
Bkのインキ層よりも顔料濃度が低い薄墨インキ層GR1は隠蔽性を有すると共に、光に透かして見るなどするとある程度は透視することができる。一方、Bkのインキ層は可視光を透過しないが網点面積率50~90%の網点パターン26とすることにより、適度な隠蔽性を有すると共に、網点のない部分は光が透過するため、情報記録体に2次転写後、可視光を照射するなどすると、薄墨インキ層GR1と網点パターン26を透かして第2画像を見える様にすることができる。
ここで、例えば第1画像形成部10が、C、M、Yのインク層が並置されているように図示されているのは、第1画像形成部10が、C、M、Yのインク層から形成されていることを模式的に示すもので、実際には並置されているわけではなく、他も同様である。
図5(b)の例では、中間転写媒体9のオーバレイ層4上に、第1画像形成部10、文字情報形成部11、セキュリティ形成部12が形成される。第1画像形成部10は、C、M、Yのインク層が転写されてカラー画像が形成されており、例えば顔写真のような画像が形成される。文字情報形成部11は、Bkのインクにより、文字、記号、ロゴ等の情報が単色で記録される。セキュリティ形成部12は、光拡散層5、薄墨インキ層GR1が積層された上に、C、M、Yのカラーインキによる第2画像が形成された第2画像形成層25が形成され、さらに第2の薄墨インキ層GR2がベタパターンで形成されている。
網点パターン26の代わりに第2の薄墨インキ層GR2を積層しても、前述の例と同様に適度な隠蔽性を有すると共に、情報記録体に2次転写後、可視光を照射するなどして第2画像を透かして見ることができる。
以上の様な態様としたそれぞれの中間転写媒体9を、最終的な記録媒体である情報記録体の記録面に重ね、熱圧を加えて2次転写することで、情報記録体を完成させる。このときオーバレイ層4も同時に転写されても良い。情報記録体の記録面には、接着性を高めるために接着剤層を設けても良い。
図6は、本発明の情報記録体の例を示す平面図であり、図5(b)に例示した中間転写媒体9から2次転写が行われた後の情報記録体を通常の所持状態で見た例を示したものである。情報記録体21は、ここではパスポートの例であり、第1画像形成部10に顔写真が記録され、文字情報形成部11には文字が記録され、セキュリティ形成部12は、第2画像形成層25が表面側にある薄墨インキ層GR1と裏面側にある第2薄墨インキ層GR2に挟まれているため、薄墨インキ層GR1と第2の薄墨インキ層GR2はBkインクに比べ顔料濃度が50%~90%と低いが、両側から挟んでいることで全体がほぼ黒色に塗りつぶされた様に見える。そのため、第2画像が隠蔽されると共に、セキュリティ形成部12に第2画像が隠蔽されていること自体が分からないため、偽造や改竄の誘因となることがなく、偽造や改竄を抑制する効果がある。
図6の情報記録体21を直線A-A´で切断した切断面を図7に示す。基材20の記録面側に、接着剤層22を介して第1画像形成部10、文字情報形成部11、セキュリティ形成部12、オーバレイ層4が転写されている。セキュリティ形成部12には、通常の所持状態では外部からは見えないが、内部に前述の様に第2画像形成層25が形成された態様となる。基材20は特に限定されないが、パスポートの場合であれば一般的な紙、証券用紙、合成紙、プラスチックシートなどが例示できる。第2画像形成層25は図示する様にオーバレイ層4、薄墨インキ層GR1等の内層側にあり、改竄しようとするとこれらの層を破壊することになるため、痕跡を残さずに改竄することは困難である。
本発明の熱転写媒体を間接転写記録方式の記録装置に適用することで、本発明の情報記録体を作成することができる。図8は、間接転写記録方式の記録装置の例を示す概念図である。中間転写媒体6、8は中間転写媒体巻出し部16から1次転写部のサーマルヘッド15とプラテンローラ19の間を通過して2次転写部のヒートローラ18とバックアップローラ30の間を通り中間転写媒体巻取り部17に巻き取られる。熱転写リボン1、7は、熱転写リボン巻出し部13から1次転写部のサーマルヘッド15とプラテンローラ19の間を通過して熱転写リボン巻取り部14に巻き取られる。
1次転写部のサーマルヘッド15とプラテンローラ19は、1次転写の際に圧着されて熱転写リボン1、7と中間転写媒体6、8を密着させ、所望の記録情報に応じてサーマルヘッド15の発熱素子を発熱させて熱転写リボン1、7の熱転写インクを中間転写媒体6、8に転写する。
2次転写部のヒートローラ18とバックアップローラ30は、2次転写の際に所望の情報が記録された中間転写媒体6,8と情報記録体21を挟持して熱圧を加えながら搬送することで、情報記録体21に第1画像形成部、文字情報形成部、セキュリティ形成部、オーバレイ層を転写する。
次に、本発明の情報記録体に設けられたセキュリティ形成部の検証方法について説明する。図9は、本発明の情報記録体に照明などの可視光を当てて透かして見た例を示す説明図である。通常の所持状態では、セキュリティ形成部12の第2画像形成層25は、薄墨インキ層GR1と第2の薄墨インキ層GR2の間に挟まれた状態のために目視できず、潜像の状態であるが、照明などの可視光にかざして透かして見る、あるいは裏面から強い光を当てるなどすると、顔料濃度がBkインクよりも低く、基材の材質や厚みなどを適宜選択することで、透過する光で第2画像24がある程度見える様にすることができるため、この第2画像24が見えるか否か、という判断基準を真贋判定の手段とすることができる。これは第2の薄墨インク層GR2の代わりにBkインクの網点画像とした場合にも同様である。
以上説明したように、本発明の熱転写媒体、およびそれを用いた情報記録体は、通常の所持状態では見えない第2画像を潜像の形で隠蔽して設けることができ、偽造や改竄の誘因となることがなく、偽造や改竄がなされた場合もその痕跡があるかどうかを判定しやすい熱転写媒体、およびそれを用いた情報記録体を提供でき、パスポートなどのセキュリティ媒体に好適に適用できる。
以下に実施例により本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
〔熱転写リボンの作製〕
図1と同様の熱転写リボンAを以下の様にして得た。
厚さ4.5μmのPET基材の片面に、
ポリエステル系樹脂にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各顔料をそれぞれ混合したインキを、グラビアコーターにより厚み1.0μmで面順次に塗り分けて形成した。
(シアンインキの組成)
シアン顔料(御国色素株式会社) 5重量部
バイロン500(東洋紡株式会社) 15重量部
MEK 80重量部
(マゼンタインキの組成)
マゼンタ顔料(御国色素株式会社) 5重量部
バイロン500(東洋紡株式会社) 15重量部
MEK 80重量部
(イエローインキの組成)
イエロー顔料(御国色素株式会社) 5重量部
バイロン500(東洋紡株式会社) 15重量部
MEK 80重量部
(ブラックインキの組成)
カーボンブラック顔料(御国色素株式会社) 5重量部
バイロン500(東洋紡株式会社) 15重量部
MEK 80重量部
〔中間転写媒体の作成〕
図2と同様の中間転写媒体Aを以下の様にして得た。
厚さ12μmのPET基材の片面に、
グラビアコーターによりエポキシ系樹脂を厚み0.8μmに形成してオーバレイ層とし、コンマコーターによりポリエステル系樹脂とフィラーを混合した混合樹脂を一部分に厚み4.0μmに形成して光拡散層とし、
グラビアコーターによりポリエステル系樹脂にカーボンブラック顔料を混合した混合樹脂を厚み1.0μmに形成して薄墨インク層GR1として重ねた。
(オーバレイ層のインキ組成)
jER1003(三菱ケミカル株式会社) 20重量部
MEK 80重量部
(光散乱層のインキ組成)
バイロン500(東洋紡株式会社) 25重量部
サイロホービック100(富士シリシア株式会社) 5重量部
MEK 70重量部
(薄墨インク層のインキ組成)
カーボンブラック顔料 4重量部
バイロン500(東洋紡株式会社) 15重量部
MEK 81重量部
〔情報記録体の作製〕
上記の中間転写媒体Aと熱転写リボンAとを間接転写記録方式のパスポート発行プリンタeP600(凸版印刷株式会社)に装着し、パスポート用紙を情報記録体として1次転写及び2次転写を行い、情報記録体を得た。なお1次転写の際、第2画像形成層上に形成するBkのインキ層は、網点面積率70%の網点パターンで形成した。
<実施例2>
〔熱転写リボンの作製〕
図3と同様の熱転写リボンBを以下の様にして得た。
厚さ4.5μmのPET基材の片面に、
実施例1の構成と同様の構成に第2の薄墨インキ層GR2を加え、C、M、Y、Bk、GR2の各層をグラビアコーターにより厚み1.0μmで面順次に塗り分けて形成した。
(第2の薄墨インク層のインキ組成)
カーボンブラック顔料 4重量部
バイロン500(東洋紡株式会社) 15重量部
MEK 81重量部
〔中間転写媒体の作成〕
実施例1と同様として作成した。
〔情報記録体の作製〕
上記の中間転写媒体Aと熱転写リボンBとを用い、実施例1と同様にして情報記録体を得た。なお1次転写の際、第2画像形成層上に形成する第2の薄墨インク層はベタパターンで転写した。
<比較例1>
実施例1と同様に情報記録体を作成する際に、第2画像形成層上に形成するBkのインキ層を、網点面積率30%の網点パターンで形成して情報記録体を得た。
<比較例2>
実施例2と同様に情報記録体を作成する際に、第2の薄墨インキ層のインキ組成を下記のものとして情報記録体を得た。
(第2の薄墨インク層のインキ組成)
カーボンブラック顔料 1重量部
バイロン500(東洋紡株式会社) 15重量部
MEK 81重量部
<評価>
得られた情報記録体に対し、
・外観判定: 通常の所持状態で第2画像が見えないこと
・真贋判定1: 可視光照射により第2画像が透かして見えること
・真贋判定2: カラーコピー機で第2画像が見える状態でコピーされないこと
の3種の方法により判定を行なった。
以上の各実施例、比較例についての評価結果を表1にまとめる。
Figure 0007326940000001
外観判定:実施例1、実施例2の情報記録体では第2画像が隠蔽されて見えないが、比較例1、比較例2では見えてしまった。
真贋判定1:実施例1、実施例2、比較例1、比較例2のいずれにおいても第2画像を確認できた。
真贋判定2:実施例1、実施例2では第2画像がコピーされなかったが、比較例1、比較例2では第2画像が確認できる程度にコピーされてしまった。
1、7・・・熱転写リボン
2、3・・・支持体
C・・・シアン
M・・・マゼンタ
Y・・・イエロー
Bk・・・ブラック
GR1・・・薄墨インキ層
GR2・・・第2の薄墨インキ層
4・・・オーバレイ層
5・・・光散乱層
6、8、9・・・中間転写媒体
10・・・第1画像形成部
11・・・文字情報形成部
12・・・セキュリティ形成部
15・・・サーマルヘッド
18・・・ヒートローラ
20・・・基材
21・・・情報記録体
22・・・接着剤
23・・・可視光
24・・・第2画像
25・・・第2画像形成層
26・・・網点パターン

Claims (2)

  1. C、M、Yのインキ層で形成された第1画像が設けられた第1画像形成部、
    Bkのインキ層で形成された文字情報形成部、
    光散乱層と、顔料濃度が前記Bkのインキ層に対して50~90%である薄墨インキ層と、C、M、Yのインキ層で形成された個別情報を含む第2画像が設けられた第2画像形成層と、顔料濃度が前記Bkのインキ層に対して50~90%である第2の薄墨インキ層または前記Bkのインキ層による網点面積率50~90%の網点画像と、が表面側から基材側に順次積層されたセキュリティ形成部、
    が基材上に設けられていることを特徴とする情報記録体。
  2. 請求項1に記載の情報記録体のセキュリティ形成部に可視光を照射して、第2画像を透視することを特徴とする情報記録体の検証方法。
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