JP3144231U - 偽造防止帳票 - Google Patents

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円美 垣ヶ原
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Abstract

【課題】本物と複写による偽物との判別を確実に行えるようにする偽造防止帳票を提供する。
【解決手段】偽造防止帳票1は、用紙2に網点で印刷した潜像部5と、潜像部5の周囲に網点で印刷した背景部6を備えており、潜像部5は用紙2の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度を高くした網点パターンと、用紙2の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度を低くした網点パターンとからなる2種類の網点パターンで構成されている。この偽造防止帳票1をコピー機で複写すると、背景部6の網点は再現されず、潜像部5の網点は2種類の網点パターンのうち読み取り方向の網点密度が高い方の網点が確実に再現されるので、どのような向きで複写しても潜像部5がはっきりと現れるようになっている。
【選択図】図2

Description

本考案は、本物と偽物の判別が可能な偽造防止帳票において、特に網点印刷による偽造防止技術に関する。
従来、商品券や身分証明書等の帳票において、本物の帳票とコピー機の複写による偽物の帳票とを区別するための偽造防止技術として、網点印刷が知られている(例えば下記の特許文献1を参照)。
網点印刷とはコピー機の解像度の限界を利用した技術であり、用紙上にコピー機で複写可能な大きい網点で隠し文字が印刷され、隠し文字の周囲にコピー機で複写不能な小さい網点で背景が印刷される。そして、この網点印刷を施した帳票によれば、目で見ただけでは隠し文字が背景に埋もれて判読できないが、コピー機で複写すると背景は再現されず隠し文字のみが判読可能に出現するので、本物と複写による偽物とを判別できるようになっている。
特開2001−322345号公報
ところが、従来の網点印刷では、近年急速に性能が向上したコピー機に対して充分な偽造防止効果が得られないという実情がある。その理由は、例えば高解像度のコピー機を使用して複写した場合には、隠し文字だけでなく本来は複写されないはずの小さい網点で印刷した背景までもが忠実に再現されてしまうからである。したがって、コピー機で複写した偽物についても本物と同様に隠し文字が背景に埋もれて判読しづらくなり、見た目で本物と偽物の区別が付きにくいという問題があった。
本考案は、このような問題を解決するためになされたものであり、特に高解像度のコピー機で複写した場合であっても隠し文字等の潜像部のみが鮮明に出現し、本物と偽物の判別を確実に行える偽造防止帳票を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の考案は、用紙上に本物と偽物を判別する真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、上記真偽判別欄は、用紙に網点で印刷された潜像部と、潜像部の周囲に網点で印刷された背景部とを備えており、上記潜像部は、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の高い網点パターンと、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の低い網点パターンとからなる少なくとも2種類の網点パターンで構成されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の考案は、用紙上に本物と偽物を判別する真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、上記真偽判別欄は、用紙に網点で印刷された潜像部と、潜像部の周囲に網点で印刷された背景部とを備えており、上記潜像部は、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の高い網点パターンと、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の低い網点パターンとからなる少なくとも2種類の網点パターンで構成され、上記背景部は、潜像部の網点に重ならないように用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度を低くした1種類の網点パターンで構成されていることを特徴とする。
ここで、網点密度は、図1に示すように(1)線数と、(2)網点面積率と、(3)網点角度によって定義される。線数は線状に配列した網点の1インチ当たりの数(lpi)をいい、線数が多いほどきめ細かな表現が可能になる。網点面積率は用紙の地色部分に対する網点のインキ部分の面積の比率(%)をいい、網点面積率が低いと濃度が淡い色に認識され、網点面積率が高いと濃度が濃い色に認識される。
また、線数と網点面積率を同じにしても、網点角度が異なればコピー機での再現性に違いが現れる。網点角度θは水平基準線Lに対して網点の列がなす角度(°)をいい、網点角度θが異なると水平基準線Lに沿った方向の隣り合う網点間の距離Dが変化し、これにより網点密度が相違する。例えば線数と網点面積率が同じ場合、網点角度0°の網点に比べて網点角度30°や45°の網点の方が、水平基準線Lに沿った網点間の距離Dが長く、網点密度が低くなる。したがって、水平基準線Lの方向をコピー機の走査線方向(読み取り方向)と考えると、網点角度30°や45°の網点は、網点角度0°(90°も同じ)の網点よりも読み取り方向に対して濃度が薄くなるため網点が再現され難い。
請求項1または2に記載の偽造防止帳票によると、潜像部をコピー機でドロップアウトしない大きな網点で印刷し、背景部をコピー機でドロップアウトする小さな網点で印刷することにより、複写すると潜像部を構成する網点パターンのうち少なくとも読み取り方向に対する網点密度の高い網点パターンの部分は確実に再現されるので、再現された潜像部の像が浮かび上がるように現出する。
また、上記の目的を達成するため、請求項3に記載の考案は、用紙上に本物と偽物を判別する真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、上記真偽判別欄は、用紙に網点で印刷された潜像部と、潜像部の周囲に網点で印刷された背景部とを備えており、上記背景部は、潜像部の網点に重ならないように、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の高い網点パターンで印刷された領域と、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の低い網点パターンで印刷された領域とからなる少なくとも2種類の網点パターンの領域に区画されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の考案は、用紙上に本物と偽物を判別する真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、上記真偽判別欄は、用紙に網点で印刷された潜像部と、潜像部の周囲に網点で印刷された背景部とを備えており、上記潜像部は、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度を低くした1種類の網点パターンで構成され、上記背景部は、潜像部の網点に重ならないように、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の高い網点パターンで印刷された領域と、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の低い網点パターンで印刷された領域とからなる少なくとも2種類の網点パターンの領域に区画されていることを特徴とする。
請求項3または4に記載の偽造防止帳票によると、潜像部をコピー機でドロップアウトする小さな網点で印刷し、背景部をコピー機でドロップアウトしない大きな網点で印刷することにより、複写すると背景部を構成する網点パターンの領域のうち少なくとも読み取り方向に対する網点密度の高い網点パターンの領域は確実に再現されるので、再現された背景部の中に潜像部の像が白抜きの状態で現出する。
本考案の偽造防止帳票によれば、潜像部を構成する複数の網点パターンのうち、コピー機の読み取り方向に対して網点密度の高い網点パターンは、コピー機の読み取り方向の濃度が濃いので網点として認識され易くなっている。このため、高解像度のコピー機で複写して偽造しようとしても、いずれかの網点パターンで構成された潜像部が必ず現出するので、どのような向きで複写しても複写された用紙に潜像部がはっきりと現れる。したがって、真偽判別欄を目で見て確認することにより、背景部の中に混在した潜像部を判読できない帳票は本物であり、潜像部を判読できる帳票はコピー機で複写した偽物であるという真偽判別を確実に行うことができる。
以下、本考案の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図2は偽造防止帳票の全体構成を示す外観図である。本実施形態は偽造防止帳票1を身分証明書に適用した例を表わしたものであり、この身分証明書は所定の大きさの用紙2の表面に情報欄3と真偽判別欄4を備えている。情報欄3には身分を証明するための氏名、本籍、住所、生年月日等の必要事項が印字され、真偽判別欄4を目視で確認することでこの身分証明書が本物であるか複写した偽物であるかを判別することができるようになっている。
真偽判別欄4は、用紙2に網点印刷された文字や記号等からなる潜像部5と、潜像部5を目立たなくするようにその周囲に網点印刷された背景部6とにより構成されている。本実施形態ではコピー機に身分証明書を縦、横、あるいは斜めの向きにセットして複写する場合を想定し、コピー機の読み取り方向に合わせて潜像部5と背景部6の網点パターンが設定されている。なお、図2では説明の便宜上、潜像部5の「COPY」という隠し文字が読み取れるように表わされているが、実際には「COPY」の文字は背景部6を構成する網点の中に混在していて、目で見て読み取ることはできない。
図3は真偽判別欄4の構成を示す拡大図であり、用紙2を縦向きに置いた時の状態を示したものである。図3では、潜像部5と背景部6の区別を分かり易くするために、潜像部5の網点を黒色で、背景部6の網点を白色で表わしてある。
潜像部5は、通常の印刷インキを用いて、用紙2の幅方向及び長さ方向に等間隔で配列した網点を印刷することによって、これらの網点群全体で「COPY」という隠し文字を構成している。潜像部5は異なる2種類の網点パターンで構成されており、「COPY」という隠し文字を複数個備えている。
左側の列に並んだ第1の隠し文字7,7,…は、コピー機に用紙2を縦向きにセットした時に用紙2の幅方向(コピー機の走査線方向)に沿って網点密度が高くなるように、網点角度0°で印刷した網点群で構成されている。これに対して、右側の列に並んだ第2の隠し文字8,8,…は、これとは逆に用紙2の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度が低くなるように網点角度45°で印刷した網点群で構成されている。すなわち、第1の隠し文字7の網点7aと第2の隠し文字8の網点8aを比較すると、両者の線数と網点面積率は等しく設定されているが、第2の隠し文字8の網点8aを網点角度45°で印刷することにより、第2の隠し文字8では用紙2の幅方向に沿って隣り合う網点間の距離D2が広がり、第1の隠し文字7の網点間の距離D1よりも長くなっている。
なお、潜像部5を構成する網点は、線数を35〜65lpi、網点面積率を10〜20%、用紙2の幅方向に沿って隣り合う網点間の距離D1を約0.2〜0.4mm、D2を約0.4〜0.7mmの範囲内に設定することができる。なお、読み取り方向の網点間の距離が0.3mm以内であると複写した時に潜像部5がより現れ易くなる。
背景部6は、潜像部5の網点に重ならないように同じ色の印刷インキを印刷したもので、潜像部5の周囲に等間隔で配列した網点6a,6a,…を印刷することにより用紙2の所定領域に形成されている。背景部6を構成する網点6aは、複写時にドロップアウトして再現されないように約150lpi程度の細かな線数とし、用紙2の幅方向に沿って相対的に網点密度が低くなるようにした網点である。
図4は同じ身分証明書を横向きで置いた時の状態を示したものであり、同図(b)はその真偽判別欄4を拡大して示したものである。コピー機の原稿台に用紙2を90°傾けてセットすると、第1の隠し文字7を構成する網点7aは、図のように用紙2の長さ方向(コピー機の走査線方向)に沿って相対的に網点密度を高くした網点になり、第2の隠し文字8を構成する網点8aは、用紙2の長さ方向に沿って相対的に網点密度を低くした網点になる。
このように、第1の隠し文字7の網点7aが密であり、それに比べて第2の隠し文字8の網点8aが粗であるという関係は、図3のように用紙2を縦に向けて置いた場合だけでなく、図4のように用紙2を横に向けて置いた場合にも同様に成り立つ。これは第1の隠し文字7の網点7aと第2の隠し文字8の網点8aがそれぞれ用紙2の幅方向及び長さ方向に等間隔に設定され、かつ第2の隠し文字8の網点角度が用紙2の辺同士のなす角度の半分である45°に設定されているからである。
さらに、図5は同じ身分証明書をコピー機の原稿台に45°回転させて置いた場合を示したものであり、この場合コピー機の走査線方向は用紙2の幅方向に対して45°傾斜した方向になる。この時の真偽判別欄4の状態を見てみると、先ほどとは逆に第1の隠し文字7を構成する網点7aは用紙2の幅方向に沿って相対的に網点密度が低くなり、第2の隠し文字8を構成する網点8aは用紙2の幅方向に沿って相対的に網点密度が高くなる。すなわち、図5(b)に示すように、第1の隠し文字7の網点7aと第2の隠し文字8の網点8aを比較すると、網点角度0°で印刷した第1の隠し文字7はコピー機の走査線方向に対して網点角度45°の網点になり、網点角度45°で印刷した第2の隠し文字8がコピー機の走査線方向に対して網点角度0°の網点になる。このため、第1の隠し文字7では用紙2の幅方向に沿って隣り合う網点間の距離D1が広がり、第2の隠し文字8の網点間の距離D2よりも長くなっている。
本実施形態の身分証明書は以上のように構成されており、以下にその作用を説明する。
図2に示したように、本物の身分証明書は、真偽判別欄4を構成する潜像部5と背景部6が共に目視可能な状態にある。このため、見た目では潜像部5の「COPY」という隠し文字が背景部6の網点6a,6a,…の中に隠れていて判読できず、偽造防止印刷が施されていることを悟られないようになっている。
それに対して、この身分証明書を解像度の高いコピー機で複写して偽造しようとした場合には、図6と図7に示すように真偽判別欄4の一部を構成する背景部6が再現されず、潜像部5のみが鮮明に再現されるようになっている。これにより潜像部5の隠し文字がはっきりと出現し、「COPY」という文字を判読することが可能になる。高解像度のコピー機で複写しても背景部6が再現されない理由は、背景部6の網点6aは複写時にドロップアウトするように細かな線数に設定されており、コピー機の読み取り方向の濃度が薄く個々の網点が認識され難いからである。また、潜像部5が鮮明に再現されるのは、潜像部5の網点は2種類の網点パターンのうちのいずれか一方について、必ず隣り合う網点間の距離が短くなっており、コピー機の読み取り方向の濃度が濃く個々の網点が認識され易いからである。
例えば、用紙2を縦または横向きで複写した場合、図3と図4に示したように、第1の隠し文字7の網点7aはコピー機の読み取り方向の濃度が濃いので網点として認識され易く、第2の隠し文字8の網点8aは読み取り方向の濃度が薄いので網点として認識され難い。このため、複写後の身分証明書は、図6に示すように左側の列に並んだ第1の隠し文字7,7,…の「COPY」という文字だけが鮮明に再現され、この文字を判読することにより真偽判別を行うことができる。
それに対して、用紙2を斜めに向けて複写した場合には、今度は第1の隠し文字7の網点7aが網点として認識され難くなり、第2の隠し文字8の網点8aが網点として認識され易くなる。このため、複写後の身分証明書は、図7に示すように右側の列に並んだ第2の隠し文字8,8,…の「COPY」という文字だけが鮮明に再現され、この文字を判読することにより真偽判別が可能になる。
このように、用紙2上にある真偽判別欄4を目で見て確認することにより、潜像部5の隠し文字が判読できない身分証明書は本物であり、潜像部5の「COPY」という隠し文字が出現して判読できる身分証明書はコピー機で複写した偽物であるという具合に、真偽判別を確実に行うことができる。しかも、この身分証明書によれば、2種類の網点パターンを設けたことにより、用紙2を縦、横、斜めのいずれの向きで複写した場合にも偽造防止効果が得られるという利点がある。
なお、背景部6は1種類の網点パターンに固定する必要があるが、潜像部5は2種類の網点パターンに限られない。例えば、網点角度の異なる3種類以上の網点パターンで潜像部5を構成し、用紙2をあらゆる角度に傾けて複写した時でもいずれかの網点パターンを密に近い形で再現して隠し文字を出現させるようにすることもできる。
このように、上述した実施形態では、潜像部5をコピー機でドロップアウトしない大きな網点で印刷し、背景部6をコピー機でドロップアウトする小さな網点で印刷することにより、複写した時に潜像部5を構成する第1の隠し文字7または第2の隠し文字8が浮かび上がるように現出する構成としたが、これに代えて、次のような構成を採用することもできる。
図8に示すように、この身分証明書における真偽判別欄4は、潜像部5をコピー機でドロップアウトする小さな網点で印刷し、背景部6をコピー機でドロップアウトしない大きな網点で印刷したものである。より詳しくは、潜像部5は用紙2の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度を低くした網点5a,5a,…の集合体で構成されており、複数個の「COPY」という隠し文字を同じ網点パターンで印刷したものである。また、背景部6は左右2つの領域に区画されており、潜像部5の網点パターンに重ならないように、左側の第1の背景部9は用紙2の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の高い網点9a,9a,…の集合体で印刷され、右側の第2の背景部10は用紙2の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の低い網点10a,10a,…の集合体で印刷されている。なお、第1の背景部9と第2の背景部10は、上述した実施形態と同様に同じ線数と網点面積率でありながら第1の背景部9の網点角度を0°で、第2の背景部10の網点角度を45°で印刷することにより、隣り合う網点間の距離D1とD2が異なっている。
このような構成の身分証明書によると、用紙2を縦または横向きで複写した場合、第1の背景部9の網点パターンはコピー機の読み取り方向の濃度が濃いので網点として認識され易く、第2の背景部10の網点パターンは読み取り方向の濃度が薄いので網点として認識され難い。このため、複写後の身分証明書は、図9に示すように第1の背景部9の網点パターンが鮮明に再現され、再現された第1の背景部9の中に再現されなかった潜像部5の「COPY」という隠し文字が白抜きの状態で現出する。
それに対して、用紙2を斜めに向けて複写した場合には、今度は第1の背景部9の網点パターンが網点として認識され難くなり、第2の背景部10の網点パターンが網点として認識され易くなる。このため、複写後の身分証明書は、図10に示すように第2の背景部10の網点パターンが鮮明に再現され、再現された第2の背景部10の中に再現されなかった潜像部5の「COPY」という隠し文字が白抜きの状態で現出する。
したがって、用紙2上にある真偽判別欄4を目で見て確認することにより、潜像部5の隠し文字が判読できない身分証明書は本物であり、潜像部5の「COPY」という隠し文字が出現して判読できる身分証明書はコピー機で複写した偽物であるという具合に、真偽判別を確実に行うことができる。
最後に、本発明の作用効果を実験結果に基づいて説明する。
下記の表は、同じ用紙に線数、網点面積率、網点間の距離が異なる様々な網点パターンで潜像部と背景部を印刷し、これらの用紙をコピー機で複写した時の潜像部と背景部の再現性の違いを実験してまとめたものである。表中にある評価の欄は、複写後に出現した潜像部の視認性の程度を目視で観察した結果を示したものであり、◎は「よく見える」、○は「見える」、△は「あまりよく見えない」、×は「全く見えない」という評価を表わす。
[表]

Figure 0003144231
この実験結果から明らかなように、複写後の潜像部の出現のし易さは、潜像部を構成する網点の線数と網点面積率に依存することが分かる。ただし、同じ線数と網点面積率であっても、網点間の距離、すなわち網点角度が異なれば潜像部の出現し易さが変化する。また、線数が35lpiや40lpiといった大まかな網点では、コピー機の解像度が正確に読み取り可能な範囲にあるので、複写後の潜像部と背景部の再現性に違いが現れず複写防止効果があまり得られない。それに対して、線数が50lpiや65lpiのような細かな網点によれば、潜像部と背景部の再現性の違いが顕著になり、良好な複写防止効果が得られることが判明した。また、その中でも特に、網点間の距離が0.30mm以下であると潜像部がより出現し易くなることが判明した。
網点の概念を示す模式図。 本考案の偽造防止帳票の全体構成を示す外観図。 (a)図2の偽造防止帳票を縦向きで置いた状態を示す外観図、(b)同帳票における真偽判別欄を示す拡大図。 (a)図2の偽造防止帳票を横向きで置いた状態を示す外観図、(b)同帳票における真偽判別欄を示す拡大図。 (a)図2の偽造防止帳票を斜め向きで置いた状態を示す外観図、(b)同帳票における真偽判別欄を示す拡大図。 図2の偽造防止帳票を縦または横向きで複写した時の状態を示す外観図。 図2の偽造防止帳票を斜め向きで複写した時の状態を示す外観図。 本考案の偽造防止帳票の他の構成例を示す外観図。 図8の偽造防止帳票を縦または横向きで複写した時の状態を示す外観図。 図8の偽造防止帳票を斜め向きで複写した時の状態を示す外観図。
符号の説明
1 偽造防止帳票
2 用紙
3 情報欄
4 真偽判別欄
5 潜像部
6 背景部
7 第1の隠し文字
8 第2の隠し文字

Claims (4)

  1. 用紙上に本物と偽物を判別する真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、
    上記真偽判別欄は、用紙に網点で印刷された潜像部と、潜像部の周囲に網点で印刷された背景部とを備えており、
    上記潜像部は、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の高い網点パターンと、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の低い網点パターンとからなる少なくとも2種類の網点パターンで構成されている
    ことを特徴とする偽造防止帳票。
  2. 用紙上に本物と偽物を判別する真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、
    上記真偽判別欄は、用紙に網点で印刷された潜像部と、潜像部の周囲に網点で印刷された背景部とを備えており、
    上記潜像部は、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の高い網点パターンと、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の低い網点パターンとからなる少なくとも2種類の網点パターンで構成され、
    上記背景部は、潜像部の網点に重ならないように用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度を低くした1種類の網点パターンで構成されている
    ことを特徴とする偽造防止帳票。
  3. 用紙上に本物と偽物を判別する真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、
    上記真偽判別欄は、用紙に網点で印刷された潜像部と、潜像部の周囲に網点で印刷された背景部とを備えており、
    上記背景部は、潜像部の網点に重ならないように、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の高い網点パターンで印刷された領域と、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の低い網点パターンで印刷された領域とからなる少なくとも2種類の網点パターンの領域に区画されている
    ことを特徴とする偽造防止帳票。
  4. 用紙上に本物と偽物を判別する真偽判別欄が設けられた偽造防止帳票であって、
    上記真偽判別欄は、用紙に網点で印刷された潜像部と、潜像部の周囲に網点で印刷された背景部とを備えており、
    上記潜像部は、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度を低くした1種類の網点パターンで構成され、
    上記背景部は、潜像部の網点に重ならないように、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の高い網点パターンで印刷された領域と、用紙の幅方向及び長さ方向に沿って網点密度の低い網点パターンで印刷された領域とからなる少なくとも2種類の網点パターンの領域に区画されている
    ことを特徴とする偽造防止帳票。
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