JPH0834174A - 複合熱転写シート及び画像転写物 - Google Patents

複合熱転写シート及び画像転写物

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JPH0834174A
JPH0834174A JP6191341A JP19134194A JPH0834174A JP H0834174 A JPH0834174 A JP H0834174A JP 6191341 A JP6191341 A JP 6191341A JP 19134194 A JP19134194 A JP 19134194A JP H0834174 A JPH0834174 A JP H0834174A
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耕太郎 檀上
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 任意の物品表面に高品質画像を形成すること
を可能で、且つ意匠性や偽造防止性等に優れたカラー画
像を与える複合熱転写シート及び画像転写物を提供する
こと。 【構成】 長尺基材フイルム1の一方の面に1色又は複
数色の染料層3と1個又は複数個の剥離可能な染料受容
層4を含む転写層とが面順次に設けられている複合熱転
写シートにおいて、上記転写層が染料受容層4及び蛍光
材料層4′を含むことを特徴とする複合熱転写シート、
及び物品表面に上記の複合熱転写シートからなる画像が
転写されていることを特徴とする画像転写物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合熱転写シート及び画
像転写物に関し、更に詳しくは任意の物品表面に高品質
画像を形成することが可能で、且つ意匠性や偽造防止性
等に優れたカラー画像を与える複合熱転写シート及び画
像転写物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写方法が公知である
が、それらの中で昇華性染料を記録剤とし、これを紙や
プラスチックフイルム等の基材フイルムに担持させて熱
転写シートとし、染料受容層を設けた紙やプラスチック
フイルム等の受像シート上に各種のフルカラー画像を形
成する方法が提案されている。この場合には加熱手段と
してプリンターのサーマルヘッドが使用され、極めて短
時間の加熱によって3色又は4色の多数の色ドットを受
像シートに転移させ、該多色の色ドットにより原稿のフ
ルカラー画像を再現するものである。
【0003】上記方法で画像形成が可能な受像シート
は、染料染着性のあるプラスチックシート或いは染料受
容層を予め設けてある紙等に限定され、一般の普通紙等
には直接画像が形成出来ないという問題がある。勿論、
一般の普通紙であってもその表面に受容層を形成してお
けば、画像形成は可能であるが、これは一般的にはコス
ト高であり、例えば、葉書、メモ、便箋、レポート用紙
等の如き一般的な既製の受像シートには応用困難であ
る。
【0004】この様な問題点を解決する方法として、普
通紙等の既製品の受像シートに画像を形成しようとする
場合、その必要部分のみに染料受容層を手軽に形成する
方法として、受容層転写シートが知られている(例え
ば、特開昭62−264994号公報参照)。更に操作
を簡便にする方法として、長尺基材フイルムの面にイエ
ロー、シアン、マゼンタ及び必要に応じてブラックの各
染料層を面順次に形成し、更に同一基材フイルム面に転
写性染料受容層を設け、先ず該受容層を被転写材に転写
させ、続いて該受容層に各色の染料を転写させてカラー
画像を与える複合熱転写シートも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】しかしながら、
以上の如き複合熱転写シートを使用して、カード基材等
に受容層を転写し、所望の画像を形成するが、従来公知
の複合熱転写シートの場合には容易に同一のカードを作
製することが出来、偽造防止性という点で不十分であ
り、更にカード等に際立った意匠性の画像を形成するこ
とも困難であるという問題がある。従って本発明の目的
は、任意の物品表面に高品質画像を形成することを可能
で、且つ意匠性や偽造防止性等に優れたカラー画像を与
える複合熱転写シート及び画像転写物を提供することで
ある。
【0006】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、長尺基材フイル
ムの一方の面に1色又は複数色の染料層と1個又は複数
個の剥離可能な染料受容層を含む転写層とが面順次に設
けられている複合熱転写シートにおいて、上記転写層が
染料受容層及び蛍光材料層を含むことを特徴とする複合
熱転写シート、及び物品表面に上記の複合熱転写シート
からなる画像が転写されていることを特徴とする画像転
写物である。
【0007】
【作用】複合熱転写シートを用いるカラー画像形成方法
において、染料受容層と被転写物品との間に蛍光材料層
を介在させる様にすることによって、偽造防止性及び意
匠性等に優れた所望の高品質画像を形成することが出来
る。
【0008】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明の複合熱転写シート
は、図1のその断面を図解的に示す様に、長尺基材フイ
ルム1の一方の面に必要に応じて接着剤層2を介して1
色又は複数色の染料層3、例えば、イエロー(3Y)、
マゼンタ(3M)、シアン(3C)及び必要に応じてブ
ラックの各染料層と、必要に応じて剥離層5を介して1
個又は複数個の剥離可能な染料受容層4と蛍光材料層
4’とを含む転写層とが面順次に設けられ、更に必要に
応じて受容層4の表面には接着剤層6が設けられてい
る。又、好ましい実施態様では、図2に示す様に更に剥
離層5、転写保護層7及び接着剤層6が面順次に設けら
れている。尚、8は背面層である。
【0009】本発明で用いる基材フイルム1としては、
従来の熱転写シートに使用されていると同じ基材フイル
ムがそのまま用いることが出来ると共に、その他のもの
も使用することが出来、特に制限されない。好ましい基
材フイルムの具体例としては、例えば、グラシン紙、コ
ンデンサ紙、パラフイン紙等の薄葉紙、ポリエステル、
ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セ
ルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、アイ
オノマー等のプラスチック或いはこれらと前該紙とを複
合した基材フイルム等が挙げられる。この基材フイルム
の厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になる様に、材
料に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、
好ましくは、3〜100μmである。これらの基材フイ
ルム1と下記の染料層3との接着性が不足する場合には
0.01〜1μm程度の接着剤層2を予め形成しておく
ことが好ましい。
【0010】上記基材フイルムの表面に形成する染料層
は、染料を任意のバインダー樹脂で担持させた層であ
る。使用する染料としては、従来公知の熱転写シートに
使用されている染料はいずれも本発明に有効に使用可能
であり特に限定されない。例えば、幾つかの好ましい染
料としては、赤色染料として、MS Red G、 M
acrolex Red Violet R、Cere
s Red7B、 Samaron Red HBS
L、Resolin RedF3BS等が挙げられ、
又、黄色の染料としては、ホロンブリリアントイエロー
6GL、 PTY−52、マクロレックスイエロー6G
等が挙げられ、又、青色染料としては、カヤセットブル
ー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリ
アントブルーS−R、MSブルー100等が挙げられ
る。
【0011】上記の如き染料を担持する為のバインダー
樹脂としては、従来公知のものがいずれも使用出来、好
ましいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸
セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルア
ミド等のビニル系樹脂、ポリエステル等が挙げられる
が、これらの中では、セルロース系、アセタール系、ブ
チラール系及びポリエステル系等が耐熱性、染料の移行
性等の点から好ましいものである。更に染料層中にはそ
の他必要に応じて従来公知の各種の添加剤も包含し得
る。
【0012】この様な染料層は、好ましくは適当な溶剤
中に前記の昇華性染料、バインダー樹脂及びその他の任
意成分を加えて各成分を溶解又は分散させて染料層形成
用塗料又はインキを調製し、これを上記の基材フイルム
上に面順次に塗布及び乾燥させて形成する。この様にし
て形成する染料層は0.2〜5.0μm、好ましくは
0.4〜2.0μm程度の厚さであり、又、染料層中の
昇華性染料は、染料層の重量の5〜90重量%、好まし
くは10〜70重量%の量で存在するのが好適である。
【0013】上記基材フイルムの表面に染料層に対して
面順次に形成する染料受容層4は、任意の被転写材に転
写後に、熱転写シートから移行してくる昇華性染料を受
容し、形成された画像を維持する為のものである。染料
層との関係は特に限定されないが、例えば、受容層→Y
→M→C→Bk→受容層の順序、受容層→受容層→Y→
M→C→Bk→受容層→受容層の順序、受容層→Y→受
容層→M→受容層→C→受容層→Bk→受容層等の順序
が挙げられる。
【0014】染料受容層を形成する為の樹脂としては、
例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリ
マー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のビニ
ルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等
のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹
脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロ
ース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、特に好ま
しいものは、ビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂であ
る。
【0015】上記樹脂に混合して使用する好ましい離型
剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面
活性剤、弗素系界面活性剤等が挙げられるが、シリコー
ンオイルが望ましい。該シリコーンオイルとしては、エ
ポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル
変性、アルコール変性、弗素変性、アルキルアラルキル
ポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリ
エーテル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。
【0016】離型剤は1種若しくは2種以上のものが使
用される。又、この離型剤の添加量は染料受容層形成樹
脂100重量部に対し、0.5〜30重量部が好まし
い。この添加量の範囲を満たさない場合は、熱転写シー
トと染料受容層の融着若しくは印字感度の低下等の問題
が生じる場合がある。この様な離型剤を染料受容層に添
加することによって、転写後の受容層の表面に離型剤が
ブリードアウトして剥離層が形成される。
【0017】受容層は前記の基材フイルムの一方の面
に、上記の如き樹脂に離型剤等の必要な添加剤を加えた
ものを、適当な有機溶剤に溶解したり或いは有機溶剤や
水に分散した分散体を、例えば、グラビア印刷法、スク
リーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコー
ティング法等の形成手段により塗布及び乾燥することに
よって形成される。以上の如く形成される染料受容層は
任意の厚さでよいが、一般的には1〜50μmの厚さで
ある。又、この様な染料受容層は連続被覆であるのが好
ましいが、樹脂エマルジョンや樹脂分散液を使用して、
不連続の被覆として形成してもよい。
【0018】基材フイルムの剥離性が不十分である場合
には、受容層の形成に先立って基材フイルムの受容層積
層面に剥離層5を形成することが好ましい。形成する剥
離層は、剥離層−基材フイルムの接着力が剥離層−受容
層の接着力よりも大になる様な材料から形成すべきであ
って、この様な材料としては、受容層の転写時に加えら
れる熱によって溶融せず、又、受容層を形成する樹脂と
は相溶性に劣る樹脂から形成することが好ましい。
【0019】剥離層と受容層との融着を避ける為、高温
状態でのタック性の少ない樹脂を剥離層に用いることが
必要であり、例えば、軟化点130℃以上の樹脂が好ま
しい。好ましい樹脂としては、ポリビニルアルコール、
ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアミド、ポリウレタン、セルロー
ス樹脂、ポリカーボネート、スチレン樹脂等が挙げら
れ、更に電子線や紫外線で架橋硬化する電離放射線硬化
性樹脂が挙げられる。
【0020】これらの樹脂からなる剥離層は基材フイル
ムとは強固に接着し、且つ転写時の温度では溶融するこ
とがないので、受容層は剥離層から容易に剥離すること
が出来る。勿論、離型性に優れた樹脂としては、シリコ
ーン樹脂、弗素樹脂等が良く知られており、本発明でも
使用出来るが、これらの樹脂の場合には離型性が良すぎ
て転写時に受容層の箔切れが良くない場合がある。剥離
層の形成方法は後記受容層の形成方法と同様でよく、そ
の厚みは0.001μm〜5μm程度で十分である。
又、剥離層中には金属キレートやマット剤を添加するこ
とによって剥離層の基材フイルム又は受容層に対する接
着力を調整し、且つ艶消し受容層とすることが出来る。
【0021】上記受容層の表面には蛍光材料層4’を設
ける。使用する蛍光材料としては、蛍光性に優れた材
料、例えば、硫化亜鉛、ハロ燐酸カルシウム、クロロ燐
酸ストロンチウム、アルミン酸塩類、イットリウム酸塩
類、ゲルマン酸塩類、バナジン酸塩類、ケイ酸塩類、タ
ングステン酸塩類等の公知の蛍光材料を使用する。これ
らの蛍光材料は254nm前後の紫外線で発光し、且つ
その粒径は大きいほど発光効率が良いが、本発明の目的
には転写時の箔切れ性の点から1〜10μm、好ましく
は1〜5μm程度の材料が好ましい。又、これらの蛍光
材料は青白色、白色、橙色、青色、緑色、赤色等の発色
を有するものがあるが、染料受容層の形成される昇華性
染料画像との関係で適切なものを選択使用する。蛍光材
料層は上記の如き蛍光材料と樹脂バインダーとから形成
する。
【0022】上記蛍光材料層を形成する為の樹脂バイン
ダーとしては、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の樹脂が
単独又は混合して使用される。これらの樹脂の中では顔
料の分散性、接着性等の点からはビニル系樹脂やポリエ
ステル系樹脂が好ましい。これらの樹脂バインダーと前
記の蛍光材料の使用割合は、採用する蛍光材料の種類に
よって変化するが、一般的には樹脂/蛍光材料の重量比
が1/0.5〜1/20、好ましくは1/5〜1/10
である。蛍光材料の使用量が少なすぎると形成される層
の発光性が充分ではなく、又、サーマルヘッド等での転
写時における箔切れが良くない。一方、蛍光材料の使用
量が多すぎると被膜形成性が劣る。
【0023】蛍光材料層の形成は、上記蛍光材料を上記
樹脂バインダーの溶液又は分散液中に充分に分散させ、
この分散液を前記染料受容層面に塗工及び乾燥すること
によって形成されるが、その厚みは乾燥状態で1〜10
μm程度である。この様に形成される蛍光材料層は、染
料受容層の全面でもよいし、パターン状に設けてもよい
し、絵柄状に設けてもよいし、更には地紋状に設けても
よい。上記の如くパターン状等に設けることによって、
紫外線照射時における意匠性、意外性及び偽造防止性等
の効果も得られる。更に蛍光材料層は、受容層面に任意
の印刷を施し、その上に設けてもよい。
【0024】上記の蛍光材料層の表面には、更に染料受
容層及び蛍光材料層の転写性を良好にする為に接着剤層
6を設けることが好ましい。これらの接着剤層は、例え
ば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂
等の如く熱時接着性の良好な樹脂の溶液を塗布及び乾燥
することによって、好ましくは0.5〜10μm程度の
厚みに形成する。これらの接着剤層は、その中に前記蛍
光材料を分散させることによって前記蛍光材料層をも兼
ねることが出来る。
【0025】更に受容層には接着剤層を設けずに、非転
写物品の表面に、例えば、アクリル樹脂と酢酸ビニル樹
脂との混合物の如き感熱接着剤、或は感圧接着剤等によ
り、感熱又は感圧接着剤層を、例えば、20〜30μm
程度の厚みに設けて感熱又は感圧接着方式で転写を行う
ことにより、高速で比較的むらなく被転写物品の表面に
染料受容層と蛍光材料層を形成することが出来る。
【0026】上記複合熱転写シートを用いて、カード基
材や紙等の被転写物品に転写層を転写し、次いでカラー
画像を形成すると、被転写物品面の表面には偽造防止性
及び意匠性に優れた高品質画像が形成される。即ち、通
常の雰囲気では、昇華性染料よりなる画像が主として観
察されるが、例えば、通常の雰囲気でも蛍光材料が励起
する波長の紫外線が照射された場合には、染料受容層に
形成された画像に加えて、種々の色相の蛍光色に優れた
パターン、絵柄、地紋等の蛍光画像が背景に浮かびあが
り、更に暗所で紫外線が照射された場合には、昇華性染
料からなる画像は観察されず、これと全く異なる上記の
如き蛍光画像が浮かびあがって観察され、著しい意外性
及び意匠性を与えることが出来、又、偽造品の確認が容
易である。
【0027】又、本発明の別の好ましい実施態様では、
図2に示す様に染料層に続いて面順次に必要に応じて剥
離層5を介して転写性保護層7を設けることが出来る。
保護層7は耐摩擦性、耐薬品性、透明性、硬度等に優れ
た種々の樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウ
レタン樹脂、これらの樹脂のシリコーン変性樹脂及びこ
れらの各樹脂の混合物等が挙げられる。保護層7の厚み
は好ましくは、0.1〜20μm程度である。更に上記
の保護層7の表面には、これらの層の転写性を良好にす
る為に、前記の如き接着剤から好ましくは0.1〜10
μm程度の厚みに接着剤層6を設けることも出来る。
【0028】上記の如き複合熱転写シートを使用して、
受容層を転写させ、次いで画像形成し、更に画像形成面
の保護層を転写される被転写材は、特に限定されず、例
えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラス
チックフイルム等いずれのシートでもよく、又、形状的
には、カード、葉書、パスポート、便箋、レポート用
紙、ノート、カタログ等いずれのものでもよく、特に表
面の目の粗い普通紙、ラフ紙にも適用可能である。
【0029】受容層又は保護層の転写方法は、熱転写用
のサーマルヘッドを備えた一般のプリンター、転写箔用
のホットスタンパー、熱ロール等、受容層又は接着剤層
が活性化される温度に加熱可能ないずれの加熱加圧手段
でもよい。又、画像の形成方法としては従来公知の手段
がいずれも使用出来、例えば、サーマルプリンター(例
えば、日立製作所製、ビデオプリンターVY−100)
等の記録装置によって、記録時間をコントロールするこ
とにより、5〜100mJ/mm度の熱エネルギーを
付与することによって所期の目的を十分に達成すること
が出来る。
【0030】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りの無い限り重量基準である。 実施例1 背面に耐熱滑性層を形成し、他の面を離型処理してある
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルム
(東レ製)の離型処理面に、幅30cm且つ間隔90c
mで下記の組成の受容層用塗工液をバーコーターにより
乾燥時5g/mになる割合で塗布し、ドライヤーで仮
乾燥後、100℃のオーブン中で30分間乾燥して染料
受容層を形成し、更にその表面に下記蛍光材料層用塗工
液を乾燥時3g/mの割合でパターン状に塗工及び乾
燥し、更に蛍光材料層上に下記接着剤溶液を同様にして
乾燥時2g/mの割合で塗布及び乾燥して接着剤層を
形成した。
【0031】受容層用塗工液組成 ; 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(VYHD、ユニオンカーバイド社製) 100部 エポキシ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業(株)製) 1部 アミノ変性シリコーン(KS−343、信越化学工業(株)製) 1部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 500部
【0032】蛍光材料層用塗工液組成 ; エチルセルロース 10部 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体 10部 ハロ燐酸塩系蛍光体[Ca3(PO4)2・Ca(F,Cl)2:Sb+3] 10部 シクロヘキサノン 50部接着剤層用塗工液組成 ; ポリメチルメタクリレート樹脂(BR−106、三菱レイヨン(株)製) 100部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 500部
【0033】続いて下記組成の接着剤層用インキ及び3
色の染料層用インキを夫々調製し、基材フイルムの受容
層が形成されていない面に接着剤層用インキ及び染料層
用インキの順で夫々幅30cmづつ乾燥塗布量が夫々
0.5g/m及び1.0g/mになる様にグラビア
コーターにより塗布及び乾燥し本発明の複合熱転写シー
トを得た。接着剤層用インキ組成: ポリエステル樹脂(アドコート335A) 35部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 65部
【0034】イエロー染料層用インキ組成 : 分散染料(マクロレックス イエロー 6G、バイエル社製) 5.5部 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学製) 4.5部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 89.0部 尚、同様にしてマゼンタ染料層用インキは分散染料(C.
I.Disperse Red 6G)を、そしてシアン染料層用インキは
分散染料(C.I.Solvent blue 63)を使用して夫々調製し
た。
【0035】実施例2 蛍光材料として燐酸塩蛍光体(Sr2P2O7:Sn2+)を5部を用
い、地紋状の蛍光材料層を形成した以外は実施例1と同
様にして、本発明の複合熱転写シートを得た。 実施例3 染料受容層に蛍光材料としてY2O3:Eu3+を5部を添加
し、別の蛍光材料層を形成しない以外は実施例1と同様
にして、本発明の複合熱転写シートを得た。
【0036】実施例4 実施例1の各インキ組成物に加え、下記の転写保護層用
インキを調製し、これらの各インキにより図2の如く染
料受容層3g/m+蛍光材料層3g/m+接着剤層
5g/m、3色の染料層、転写保護層3g/m+接
着剤層5g/mを面順次に形成して本発明の複合熱転
写シートを得た。保護層用インキ組成 : ポリエステル樹脂(バイロン600、東洋紡製) 20.0部 エポキシ変性シリコーン(KF−393、信越化学製) 0.5部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80.0部
【0037】比較例1 実施例1において蛍光材料層を形成しないことを除き他
は実施例1と同様にして複合熱転写シートを形成した。 比較例2 実施例4において蛍光材料層を形成しないことを除き他
は実施例4と同様にして複合熱転写シートを形成した。
【0038】前記の本発明及び比較例の複合熱転写シー
トの受容層面と白色塩化ビニル製カード基材とを重ね合
せ、サーマルヘッドを用いて、出力1W/ドット、パル
ス幅0.3〜0.45msec.、ドット密度3ドット
/mmの条件で全面的に受容層を転写させ、続いて該受
容層の面に、原稿を色分解して得られたイエロー信号の
印字を行い、イエローの染料層を重ねイエロー画像を形
成した。更に上記で得られた画像領域にマゼンタ信号に
より同様にマゼンタ染料を、更に同様のシアン信号によ
りシアン染料を転写させ、フルカラー画像を形成した。
尚、実施例4及び比較例4の複合熱転写シートを用いた
場合には更に形成された画像面に保護層を転写させた。
以上で得られた各色画像の品質を下記表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
【効果】以上の如き本発明によれば、染料受容層と被転
写物品との間に蛍光材料層を介在させることによって、
被転写物品の表面に偽造防止性及び意匠性に優れた所望
の高品質画像を形成することが出来る。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合熱転写シートの断面を図解的に説
明する図。
【図2】本発明の複合熱転写シートの断面を図解的に説
明する図。 1:基材フイルム 2:接着剤層 3:染料層 4:染料受容層 4’:蛍光材料層 5:剥離層 6:接着剤層 7:保護層 8:背面層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺基材フイルムの一方の面に1色又は
    複数色の染料層と1個又は複数個の剥離可能な染料受容
    層を含む転写層とが面順次に設けられている複合熱転写
    シートにおいて、上記転写層が染料受容層及び蛍光材料
    層を含むことを特徴とする複合熱転写シート。
  2. 【請求項2】 転写層が染料受容層、蛍光材料層、接着
    剤層及び/又は剥離層とからなる請求項1に記載の複合
    熱転写シート。
  3. 【請求項3】 更に面順次に転写保護層が設けられてい
    る請求項1に記載の複合熱転写シート。
  4. 【請求項4】 蛍光材料層が粒径1〜10μmの無機蛍
    光材料粒子を含む請求項1に記載の複合熱転写シート。
  5. 【請求項5】 蛍光材料層がパターン状、絵柄状又は地
    紋状に形成されている請求項1に記載の複合熱転写シー
    ト。
  6. 【請求項6】 物品表面に請求項1の複合熱転写シート
    からなる画像が転写されていることを特徴とする画像転
    写物。
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