JP3217865B2 - 複合熱転写シート及び画像形成方法 - Google Patents

複合熱転写シート及び画像形成方法

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JP3217865B2
JP3217865B2 JP23163792A JP23163792A JP3217865B2 JP 3217865 B2 JP3217865 B2 JP 3217865B2 JP 23163792 A JP23163792 A JP 23163792A JP 23163792 A JP23163792 A JP 23163792A JP 3217865 B2 JP3217865 B2 JP 3217865B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサーマルヘッド等によっ
て被転写材に染料受容層を転写させ、次いで該染料受容
層に画像を形成することが出来る複合熱転写シート及び
画像形成方法に関し、更に詳しくは熱転写方式によって
高品質のモノ〜フルカラー画像を形成することが出来る
複合熱転写シート及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写方法が公知である
が、それらの中で昇華性染料を記録剤とし、これを紙や
プラスチックフイルム等の基材フイルムに担持させて熱
転写シートとし、染料受容層を設けた紙やプラスチック
フイルム等の被転写材上に各種のフルカラー画像を形成
する方法が提案されている。この場合には加熱手段とし
てプリンタのサーマルヘッドが使用され、極めて短時間
の加熱によって3色又は4色の多数の色ドットを被転写
材に転移させ、該多色の色ドットにより原稿のフルカラ
ー画像を再現するものである。
【0003】しかしながら、上記方法で画像形成が可能
な被転写材は、染料染着性のあるプラスチックシート或
いは染料受容層を予め設けてある紙等に限定され、一般
の普通紙等には直接画像が形成出来ないという問題があ
る。勿論、一般の普通紙であってもその表面に染料受容
層を形成しておけば、画像形成は可能であるが、これは
一般的にはコスト高であり、例えば、葉書、メモ、便
箋、レポート用紙等の如き一般的な既製の被転写材には
応用困難である。この様な問題点を解決する方法とし
て、普通紙等の既製品の被転写材に画像を形成しようと
する場合、その必要部分のみに染料受容層を手軽に形成
する方法として、染料受容層転写シートが知られている
(例えば、特開昭62−264994号公報参照)。更
に操作を簡便にする方法として、長尺基材フイルムの面
にイエロー、シアン、マゼンタ及び必要に応じてブラッ
クの各染料層を面順次に形成し、更に同一基材フイルム
面に転写染料受容層を設け、先ず染料受容層を被転写材
に転写させ、続いて該染料受容層に各色の染料を転写さ
せてフルカラー画像を形成する複合熱転写シートが知ら
れ、更には形成された染料画像を保護する為の保護層を
更に面順次に設けた複合熱転写シートも提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】しかしながら、
以上の如き複合熱転写シートは、1色又は多色の染料層
の外に染料受容層を面順次に形成する為、その分だけ使
用する基材フイルムが長くなり、不経済であると共に、
プリンタに装填するロール状複合熱転写シートの径が大
になるという問題がある。そこで、使用する基材フイル
ムの長さを節約し、且つプリンタに装填するロール状複
合熱転写シートの径を小さくする為に、染料層上に染料
受容層を剥離可能に積層した複合熱転写シートが提案さ
れている(特開昭59−64391号公報参照)が、こ
の場合、染料受容層の被転写材に対する接着性が弱く、
染料受容層の被転写材に対する転写性が不十部であっ
た。又、染料受容層を転写する際のエネルギーで染料層
の染料が染料受容層に意図せずに移行するという問題が
ある。従って、本発明の目的は、上記従来技術の問題点
を解決し、染料受容層の転写性が良好で、且つ染料受容
層の転写時に染料層からの染料の移行による問題がない
又は改善された複合熱転写シートを提供することであ
る。
【0005】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、長尺基材フイル
ムの一方の面に、少なくとも1色の染料層を多数単位設
け、該染料層の表面に、少なくとも染料受容層と接着剤
層を含む転写性樹脂層を設けてなり、転写性樹脂層がそ
の下の染料層の色相と補色関係にある色相で淡色に着色
されていることを特徴とする複合熱転写シート、及び該
複合熱転写シートを使用する画像形成方法である。
【0006】
【作用】染料層の上に転写可能な染料受容層を設け、更
に該染料受容層の表面に接着剤層を設けることによっ
て、染料受容層の転写性が良くなり、少ない熱エネルギ
ーで転写可能となる。従って染料受容層の転写時に染料
層からの染料の移行による問題がない又は改善された複
合熱転写シートを提供することが出来る。又、接着剤層
が被転写材に対して目止効果を有し、染料受容層の転写
が被転写材の表面形状によって影響されず、目の粗い被
転写材であっても良好に転写される。
【0007】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明の複合熱転写シート
の1例は、図1に図解的に示す様に、基材フイルム1の
一方の面に1色又は複数色の染料層2、例えば、イエロ
ー染料層(2Y)、マゼンタ染料層(2M)、シアン染
料層(2C)及び必要に応じてブラック染料層(Bk)
(不図示)を設け、例えば、イエロー染料層(2Y)の
表面に、少なくとも染料受容層3と接着剤層4を含む転
写性樹脂層Aが積層形成されていることを特徴としてい
る。尚、図中5は離型性のある背面滑性層である。
【0008】本発明で用いる基材フイルムとしては、従
来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材フイ
ルムがそのまま用いることが出来ると共に、その他のも
のも使用することが出来、特に制限されない。好ましい
基材フイルムの具体例としては、例えば、グラシン紙、
コンデンサ紙、パラフイン紙等の薄葉紙、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢
酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、
アイオノマー等のプラスチック或いはこれらと前該紙と
を複合した基材フイルム等が挙げられる。この基材フイ
ルムの厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になる様
に、材料に応じて適宜変更することが出来るが、その厚
さは、好ましくは、3〜100μmである。尚、上記基
材フイルムの背面には、サーマルヘッドの融着防止、走
行性の改良の外、本発明の複合熱転写シートをロール状
に巻いたときに後述の接着剤層が粘着しない様に剥離性
耐熱滑性層5を形成しておくことが好ましい。剥離性耐
熱滑性層は、硬化性シリコーンオイル、硬化性シリコー
ンワックス、シリコーン樹脂、弗素樹脂、アクリル樹脂
等の剥離剤から形成する。形成方法は染料受容層の形成
方法と同様でよく、その厚みは0.1〜3μm程度で十
分である。
【0009】上記基材フイルム上に設ける染料層は、1
〜4色の染料層であり、通常はイエロー、マゼンタ及び
シアンの染料層を面順次に設ける。かかる染料層は、染
料を任意のバインダー樹脂で担持させた層である。使用
する染料としては、従来公知の熱転写シートに使用され
ている染料はいずれも本発明に有効に使用可能であり特
に限定されない。例えば、幾つかの好ましい染料として
は、赤色染料として、MS Red G、Macrolex Red Violet
R、Ceres Red7B、Samaron Red HBSL、ResolinRedF3BS等
が挙げられ、又、黄色の染料としては、ホロンブリリア
ントイエロー6GL、PTY-52、マクロレックスイエロー6G
等が挙げられ、又、青色染料としては、カヤセットブル
ー714、ワクソリンブルーAP-FW、ホロンブリリアントブ
ルーS-R、MSブルー100等が挙げられる。
【0010】上記の如き染料を担持する為のバインダー
樹脂としては、従来公知のものがいずれも使用出来、好
ましいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸
セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステ
ル等が挙げられるが、これらの中では、セルロース系、
アセタール系、ブチラール系及びポリエステル系等が耐
熱性、染料の移行性等の点から好ましいものである。更
に染料層中にはその他必要に応じて従来公知の各種の添
加剤も包含し得る。この様な染料層は、好ましくは適当
な溶剤中に前記の昇華性染料、バインダー樹脂及びその
他の任意成分を加えて各成分を溶解又は分散させて染料
層形成用塗料又はインキを調製し、これを上記の基材フ
イルム上に面順次に塗布及び乾燥させて形成する。この
様にして形成する染料層は0.2〜5.0μm、好まし
くは0.4〜2.0μm程度の厚さであり、又、染料層
中の昇華性染料は、染料層の重量の5〜90重量%、好
ましくは10〜70重量%の量で存在するのが好適であ
る。上記染料層の表面に形成する転写性樹脂層Aは、任
意の被転写材に転写後に、熱転写シートから移行してく
る昇華性染料を受容し、形成された画像を維持する為の
ものである。
【0011】転写性樹脂層Aは、上記染料層がイエロ
ー、マゼンタ及びシアンの3色である場合、いずれか1
色の染料層の表面に設ける。通常の染料の転写はイエロ
ー、マゼンタ及びシアンの順序で行われるので、イエロ
ーの染料層2Yの上に転写性樹脂層Aを設け、先ず、転
写性樹脂層Aを被転写材に比較的低温で、即ち、染料層
の染料が実質的に移行しない程度の温度で転写させ、次
いで該転写された樹脂層Aの染料受容層にイエロー、マ
ゼンタ及びシアンの順序で染料を転写させて画像形成す
ることが好ましい。上記染料層の表面に形成する転写性
樹脂層Aは、少なくとも染料受容層3と感熱又は感圧接
着剤層4を含み、不図示であるが、その他、気泡等を含
むクッション性中間層又はバリヤー層等を有してもよ
い。
【0012】上記の染料受容層3は、任意の被転写材に
染料受容層を転写後に、熱転写シートから移行してくる
昇華性染料を受容し、形成された画像を維持する為のも
のである。染料受容層を形成する為の樹脂としては、例
えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマ
ー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のビニル
ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等の
オレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、
アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース
系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、特に好ましい
ものは、ビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂である。
【0013】上記樹脂に混合して使用する好ましい離型
剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面
活性剤、弗素系界面活性剤等が挙げられるが、シリコー
ンオイルが望ましい。該シリコーンオイルとしては、エ
ポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル
変性、アルコール変性、弗素変性、アルキルアラルキル
ポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリ
エーテル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。離
型剤は1種若しくは2種以上のものが使用される。又、
この離型剤の添加量は染料受容層形成樹脂100重量部
に対し、0.5〜30重量部が好ましい。この添加量の
範囲を満たさない場合は、熱転写シートと染料受容層の
融着若しくは印字感度の低下等の問題が生じる場合があ
る。この様な離型剤を染料受容層に添加することによっ
て、転写後の染料受容層の表面に離型剤がブリードアウ
トして離型層が形成され、染料層が染料受容層に融着す
るのを防止する作用の外、転写性樹脂層Aの剥離転写性
を良好にする。
【0014】染料受容層3は、前記の基材フイルムの一
方の面に、上記の如き樹脂に離型剤等の必要な添加剤を
加えたものを、適当な有機溶剤に溶解したり或いは有機
溶剤や水に分散した分散体を、例えば、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロ
ールコーティング法等の形成手段により塗布及び乾燥す
ることによって形成される。上記染料受容層の形成に際
しては、染料受容層の箔切れを良好にする目的で、カオ
リンクレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の充填剤
を添加することが出来る。以上の如く形成される染料受
容層は任意の厚さでよいが、一般的には1〜10μmの
厚さである。又、この様な染料受容層は連続被覆である
のが好ましいが、樹脂エマルジョンや樹脂分散液を使用
して、不連続の被覆として形成してもよい。勿論、この
中間層に中空カプセルを包含させることも可能である。
【0015】更に上記の染料受容層3の表面には、必要
に応じて中間層を形成する。中間層は、接着剤層4中に
上記の中空カプセル等の気泡を含有させ、染料受容層の
クッション性を良好にする場合、該染料受容層3を転写
後に中空カプセルによる染料受容層3面の凹凸の発生や
中空カプセルの破裂による染料受容層の破損を防ぐ作用
をする。この様な中間層は省略してもよく、中間層を設
けることなく染料受容層表面に接着剤層4を設けてもよ
い。染料受容層の表面に形成する感熱又は感圧接着剤層
4に関しては、通常染料の転写は、約100〜200℃
で行われるので、転写性樹脂層Aの転写時に染料が移行
しない様な低い温度、例えば、100℃〜常温で接着す
る感熱接着剤又は粘着剤、特に常温〜50℃程度の粘着
剤から形成することが好ましい。上記接着剤層4は、例
えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル
樹脂等の如く熱時接着性の良好な樹脂の溶液やゴム系、
アクリル系、シリコーン系等の粘着剤溶液を塗布及び乾
燥することによって、好ましくは0.5〜10μm程度
の厚みに形成する。
【0016】又、本発明では、染料層の上に形成する
写性樹脂層Aには、染料層の染料と補色関係にある染料
を少量加えておく。即ち、本発明の複合熱転写シートを
使用して画像形成を行う場合、接着剤層4が感熱接着剤
からなる場合には、転写性樹脂層Aの転写に加熱が要求
され、その結果僅かであるが染料層の染料が染料受容層
3に移行することがある。又、感圧接着剤を用いた場合
にも、高温保存時に染料受容層に染料が移行して染料受
容層が染着される場合もある。この様に染料が予め染料
受容層に移行していると、最終的に得られる画像の色再
現性が低下する。その為、染料受容層3に、例えば、イ
エロー染料層2Y上に設ける場合には、染料受容層3に
蛍光増白剤を添加したり、青色に薄く着色しておくこと
によって、意図せずに転写した黄色染料は目立たなくな
り、色再現性の低下を防止することが出来る。この蛍光
増白剤は、黄色味を吸収することによって青味を持たせ
るものである為、黄色染料が染着すると黄色味が消され
て白色を呈し、青色染料を使用した場合の様に染料受容
層が灰色にくすむことがなく良好に青味付することが出
来る。又、本発明では、以上の各層の少なくとも1層に
充填剤、白色顔料、蛍光増白剤等を包含させることによ
って、被転写材の地色にも係らず白色度に優れた染料受
容層を与えることが出来る。
【0017】上記の如き複合熱転写シートを使用して、
染料受容層を転写させ且つ画像を形成する為の被転写材
は、特に限定されず、例えば、普通紙、上質紙、トレー
シングペーパー、プラスチックフイルム等いずれのシー
トでもよく、又、形状的には、カード、葉書、パスポー
ト、便箋、レポート用紙、ノート、カタログ等いずれの
ものでもよく、特に表面の目の粗い普通紙、ラフ紙にも
適用可能である。転写性樹脂層Aの転写方法は、熱転写
用のサーマルヘッドを備えた一般のプリンタ、転写箔用
のホットスタンパー、熱ロール等、接着剤層4が活性化
される温度に加熱可能ないずれの加熱加圧手段でもよ
い。又、画像の形成方法としては従来公知の手段がいず
れも使用出来、例えば、サーマルプリンタ(例えば、日
立製作所製、ビデオプリンタVY−100)等の記録装
置によって、記録時間をコントロールすることにより、
5〜100mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与する
ことによって所期の目的を十分に達成することが出来
る。
【0018】次に本発明の画像形成方法を図2及び図3
を参照して説明する。図2の場合は、同一のサーマルヘ
ッド6によって、転写性樹脂層Aの転写と染料の転写を
行う方法である。先ず、イエロー染料層2Yの表面に形
成された転写性樹脂層Aの接着剤層4の面を普通紙等の
被転写材8に対向させて重ね合わせ、背面から接着剤層
4の接着温度に対応した熱をサーマルヘッド6により全
面的に印加する。この熱によって転写性樹脂層Aは被転
写材8面に転写接着される。次いで複合熱転写シートを
元に戻してイエロー染料層2Yを、転写された染料受容
層面3に合わせ、染料層2Yの染料の熱移行温度に対応
した熱をサーマルヘッド6より画像状に印加してイエロ
ー画像を形成し、次にマゼンタ染料層2Mからマゼンタ
染料を、シアン染料層2Cからシアン染料を、夫々画像
状に転写させてフルカラー画像が染料受容層3に形成さ
れる。図3に示した例は、サーマルヘッド6の外に転写
性樹脂層Aを転写させる転写ヘッド7を併用する例であ
り、この場合に転写ヘッド7にはある程度の圧力がかか
る様にしておき、且つ接着剤層4が常温型の粘着剤で形
成しておくことにより、転写性樹脂層4の転写時におけ
る染料の意図しない転写を防止することが出来る。勿
論、転写ヘッドの代わりに加圧ロール等の他の加熱及び
/又は加圧手段を使用してもよい。
【0019】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に断りの無い
限り重量基準である。参考 例1 厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルム
(東レ製)の表面に、下記の組成の塗工液をバーコータ
ーにより乾燥時0.5g/m2になる割合で塗布し、ド
ライヤーで仮乾燥後、100℃のオーブン中で30分間
乾燥して離型性耐熱滑性層を形成した。離型層用塗工液組成 硬化性シリコーンオイル(KS-770A、信越化学工業製) 100部 硬化触媒(CAT-PL8、信越化学工業製) 1部 トルエン 400部 次に下記組成の染料層用インキを上記基材フイルムの離
型層のない面にイエロー、マゼンタ及びシアンの順序に
幅30cmづつ面順次に乾燥塗布量が1.0g/m2
なる様にグラビアコーターにより塗布及び乾燥し得た。
【0020】イエロー染料層用インキ組成 : 分散染料(C.I.Disperse Yellow 201) 4.0部 エチルヒドロキシセルロース(ハーキュレス社製) 5.0部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80.0部 ジオキサン 10.0部マゼンタ染料層用インキ組成 : 分散染料(C.I.Disperse Red60) 4.0部 エチルヒドロキシセルロース(ハーキュレス社製) 5.0部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80.0部 ジオキサン 10.0部シアン染料層用インキ組成 : 分散染料(カヤセットブルー714、日本化薬(株)製) 4.0部 エチルヒドロキシセルロース(ハーキュレス社製) 5.0部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80.0部 ジオキサン 10.0部 次にイエロー染料層の表面に同じサイズで、下記の塗工
液から転写性樹脂層を形成した(塗工順序は記載の順序
である)。染料受容層は下記の組成の塗工液をバーコー
ターにより乾燥時3.0g/m2になる割合で塗布し、
ドライヤーで仮乾燥後、100℃のオーブン中で30分
間乾燥して形成し、感圧接着剤層は下記接着剤溶液を用
いて同様にして乾燥時3.0g/m2の割合で塗布及び
乾燥して形成した。
【0021】染料受容層用塗工液組成 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂(UCC製、VYHD) 100部 エポキシ変性シリコーン(KF-393、信越化学工業製) 8部 アミノ変性シリコーン(KP-343、信越化学工業製) 8部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部感熱接着剤層用塗工液組成 ; ポリメチルメタクリレート樹脂(BR-106、三菱レイヨン製) 100部 発泡剤(F-300、松本油脂製薬製) 10部 酸化チタン(TCA-888、トーケムプロダクツ製) 100部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 500部参考 例2参考 例1における感圧接着剤層用塗工液に代えて下記の
塗工液を使用し、他は参考例1と同様にして複合熱転写
シートを形成した。感圧接着剤層用塗工液組成 ; 感圧接着剤(XB-3022、東亜ペイント製) 100部 純水 20部 酸化チタン(TCA-888、トーケムプロダクツ製) 200部
【0022】実施例 参考 例1における接着剤層用塗工液に代えて下記の塗工
液を使用し、他は参考例1と同様にして本発明の複合熱
転写シートを形成した。感熱接着剤層用塗工液組成 ; ポリメチルメタクリレート樹脂(BR-106、三菱レイヨン製) 100部 青色染料(DHC2、日本化薬製) 0.1部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 500部 実施例 参考 例1における接着剤層用塗工液に代えて下記の塗工
液を使用し、且つ転写性樹脂層をシアン染料層の表面に
形成した他は参考例1と同様にして本発明の複合熱転写
シートを形成した。感圧接着剤層用塗工液組成 ; 感圧接着剤(AE921、日本合成ゴム製) 100部 黄色染料(Foron Brill. Yellow、サンド製) 0.1部 酸化チタン(TCA-888、トーケムプロダクツ製) 200部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 500部
【0023】実施例 参考 例1における染料受容層塗工液に蛍光増白剤(ユビ
テックOB、チバガイギー製)0.5部を添加した以外
参考例1と同様にして本発明の複合熱転写シートを形
成した。 比較例1参考 例1において接着剤層を形成しなかった以外は実施
例1と同様にして比較例の複合熱転写シートを形成し
た。 評価例 前記参考例2及び実施例2については、サーマルヘッド
の印圧を利用して染料受容層を転写し、同時にイエロー
画像に応じた熱エネルギーをサーマルヘッドから印加し
てイエロー画像を形成した。又、参考例1、実施例1、
実施例3及び比較例1については、染料受容層転写の為
に熱エネルギーをサーマルヘッドで全面的に印加し、同
時にイエロー画像(実施例4にみはシアン画像)に応じ
た熱エネルギーをサーマルヘッドで印加して画像形成を
行い、下記表1の結果を得た。
【0024】
【表1】 尚、参考例2の複合熱転写シートは、高温保存時(60
℃、4日間程度)に染料受容層に染料が僅かに移行して
染料受容層が僅かに着色されていた。
【0025】
【効果】以上の如き本発明によれば、染料層の上に転写
可能な染料受容層を設け、更に該染料受容層の表面に接
着剤層を設けることによって、染料受容層の転写性が良
くなり、少ない熱エネルギーで転写可能となる。従って
染料受容層の転写時に染料層からの染料の移行による問
題がない又は改善された複合熱転写シートを提供するこ
とが出来る。又、接着剤層が被転写材に対して目止効果
を有し、染料受容層の転写が被転写材の表面形状によっ
て影響されず、目の粗い被転写材であっても良好に転写
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合熱転写シートの断面を図解的に
説明する図。
【図2】 本発明の画像形成方法を図解的に説明する
図。
【図3】 本発明の画像形成方法を図解的に説明する
図。
【符号の説明】
1:基材フイルム 2:染料層 3:染料受容層 4:接着剤層 5:離型性耐熱滑性層 6:サーマルヘッド 7:転写ヘッド 8:被転写材 A:染料受容層を含む転写性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−56496(JP,A) 特開 昭64−72893(JP,A) 特開 平5−270026(JP,A) 特開 平4−78587(JP,A) 特開 平1−206095(JP,A) 特開 昭62−264994(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺基材フイルムの一方の面に、少なく
    とも1色の染料層を多数単位設け、該染料層の表面に、
    少なくとも染料受容層と接着剤層を含む転写性樹脂層を
    設けてなり、転写性樹脂層がその下の染料層の色相と補
    色関係にある色相で淡色に着色されていることを特徴と
    する複合熱転写シート。
  2. 【請求項2】 接着剤が感熱接着剤である請求項1に記
    載の複合熱転写シート。
  3. 【請求項3】 接着剤が感圧接着剤である請求項1に記
    載の複合熱転写シート。
  4. 【請求項4】 染料層がイエロー、マゼンタ及びシアン
    の少なくとも3色の染料層を一単位とする請求項1に記
    載の複合熱転写シート。
  5. 【請求項5】 基材フイルムの背面に離型層が形成され
    ている請求項1に記載の複合熱転写シート。
  6. 【請求項6】 イエローの染料層の表面に淡青色の転写
    性樹脂層が設けられている請求項に記載の複合熱転写
    シート。
  7. 【請求項7】 請求項1〜に記載の複合熱転写シート
    に被転写材を重ね、上記複合熱転写シートの背面から加
    熱及び/又は加圧して転写性樹脂層を被転写材に転写さ
    せ、次いで染料層の染料を加熱転写させて染料受容層に
    所望の画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  8. 【請求項8】 転写性樹脂層の転写温度が、染料層の染
    料の転写温度よりも低い請求項に記載の画像形成方
    法。
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