JP2015178174A - 熱転写シート - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、特許文献2に記載されているような転写性着色層は、フィラーを添加したものも、熱転写シートの耐ボイル性が悪いという問題点があった。
前記転写性着色層は、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と、平均粒径が3μm以下の無機フィラーとを含むことを特徴とする。
本発明に係る熱転写シートが耐ブロッキング性に優れるのは、転写性着色層中に含まれる平均粒径が3μm以下の無機フィラーに起因して転写性着色層の表面に凹凸が形成されることにより、熱転写シートを積層した際の転写性着色層と背面との接触面積が減少するからであると考えられる。
本発明に係る熱転写シートの耐ボイル性が良好なのは、転写性着色層のバインダーとして、軟化点100℃以上のフェノール樹脂を選択することにより転写性着色層自体の耐熱性を向上していること、更に、転写性剥離層を有すること、の相乗効果によるものと推定される。印字物において着色層が最外層となると、ボイル時に擦り合わされることにより、耐ボイル性が不十分となり易いが、本発明に係る熱転写シートを用いて印字すると、転写性剥離層が基材から剥離し、転写性着色層上に、当該転写性剥離層が積層して転写され、印字物の最外層には当該転写性剥離層が配置される。そのため、印字物は、転写性着色層自体の耐熱性に加えて、ボイル時の耐擦過性が向上することから、耐ボイル性が良好になるものと考えられる。
また、転写性着色層に含まれるフェノール樹脂は、包装材として用いられるプラスチックフィルムに対する密着性が良好で、印字性を向上する。また、軟化点100℃以上のフェノール樹脂を用いることにより、非常に細かい文字パターンの転写も良好になり、例えば、解像度が300dpiのサーマルヘッドで1ドットの文字パターンの印字性にも優れる。
図2は本発明の熱転写シートの他の一例を示す。図2の熱転写シート10は、基材1の一方の面に、該基材1側から転写性剥離層2、転写性保護層5、転写性着色層3がこの順で配置され、基材1の他方の面に背面層4が配置された構成である。
なお、本発明に係る熱転写シートにおいては、図1及び図2に示すように、上記各層は積層された構造を有する。
以下、本発明の熱転写シートを構成する各層毎に詳述する。
本発明で用いる熱転写シートの基材1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されない。
基材の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンサルフィド、ポリサルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー等の樹脂基材、及びグラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、セロファン等があり、また、これらの2種以上を積層した複合基材なども使用できる。また、上記樹脂基材の場合は、上述の樹脂1種のみからなるものであってもよいし、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。
これらの基材の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜変更すれば良いが、通常は0.5〜50μm程度が好ましく、より好ましくは1〜10μm程度である。
転写性着色層3は、少なくともバインダー樹脂として軟化点100℃以上のフェノール樹脂と、平均粒径が3μm以下の無機フィラーとを含有する。転写性着色層のバインダー樹脂として、軟化点100℃以上のフェノール樹脂を用いることにより、耐熱性を有しながら、印字性が良好になる。更に、平均粒径が3μm以下の無機フィラーを含有することにより、転写性着色層表面には無機フィラーに起因する凹凸を有するようになり、巻き状の製品にした時に、転写性着色層側の面と背面との耐ブロッキング性が優れるようになると推定される。
また、フェノール樹脂の軟化点は、耐ボイル性の点から100℃以上であるが、更に110℃以上であることが好ましい。
なお、本発明におけるフェノール樹脂の軟化点は、JIS K 7206:1999に規定された方法によって測定される軟化点をいう。
本発明の転写性着色層におけるバインダー樹脂としては、耐ボイル性の点から、軟化点100℃以上のフェノール樹脂(固形分)が、全バインダー樹脂の固形分中の20質量%以上含まれることが好ましく、更に30質量%以上含まれることが好ましく、より更に40質量%以上含まれることが好ましく、特に50質量%以上含まれることが好ましい。なお、本発明において固形分とは、溶剤を除いた全ての成分を意味する。
また、硬化剤を用いる場合には、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と硬化剤との反応物と、更に含まれていても良い未反応の軟化点100℃以上のフェノール樹脂及び未反応の硬化剤との固形分合計量が、全バインダー樹脂の固形分中の70質量%以上含まれることが好ましく、更に80質量%以上含まれることが好ましく、より更に90質量%以上含まれることが好ましく、特に95質量%以上含まれることが好ましい。
耐ボイル性をより向上する点からは、本発明の転写性着色層におけるバインダー樹脂としては、固形分として、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と、脂肪族ポリイソシアネートのアダクト体との二成分からなる樹脂組成物の硬化物のみからなる態様が、好適に用いられる。
また、前記無機フィラーの平均粒径は、印字性が向上する点から、1.5μm以下であることが好ましい。
一方、前記無機フィラーの平均粒径は、転写性着色層の表面に容易に凹凸形状を形成することができる点から、0.3μm以上であることが好ましい。
なお、前記平均粒径は、溶液中の粒子を動的光散乱方法により測定し、粒径分布を体積累積分布で表したときの50%粒子径(d50 メジアン径)を意味する。当該平均粒径は、例えば日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計又はNanotrac粒度分析計を用いて測定することができる。
また、転写性着色層には、本発明の効果を妨げない範囲において、更に他の成分が含まれていても良く、例えば、有機微粒子、離型剤等の添加剤が含有されていてもよい。
顔料、有機微粒子等を含む平均粒径が3μm超過の粒子の含有量は、転写性着色層に含まれる全固形分に対して3質量%以下であることが好ましく、含有しないことがより好ましい。
また、前記バインダー樹脂は、印字性及び耐ボイル性の点から、転写性着色層の全固形分中に30〜80質量%で用いられることが好ましく、更に50〜70質量%で用いられることが好ましい。
前記溶剤としては、前記溶剤としては、上述した材料を分散もしくは溶解することができるものを適宜選択することができ、例えば、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン等の芳香族系溶剤、及びこれらの混合溶剤などが挙げられる。
転写性着色層の塗布量は、特に限定されないが、通常乾燥時で0.6g/m2程度であり、好ましくは乾燥時で0.4g/m2〜3.0g/m2である。0.4g/m2未満であると、転写印字濃度が低くなる恐れがあり、また3.0g/m2超過であると、膜の熱溶融性が低下し、熱転写が起こり難くなる恐れがある。
転写性着色層の基材側の面から、前記無機フィラーに起因する凸部の頂点が接する水平面までの垂線方向における距離の平均は、転写性着色層において当該凸部を形成しない部分の膜厚の平均に対し、1.1倍以上であることが、耐ブロッキング性の観点から好ましく、印字性の観点からは、1.5倍以下であることが好ましく、1.3倍以下であることがより好ましい。
転写性剥離層2は、基材1と転写性着色層3との間に配置される。本発明に係る熱転写シートは、当該転写性剥離層2により、熱転写時に転写する層の剥離性に優れる。また、転写性剥離層2は、熱転写時に転写性着色層3等と共に転写される。これにより、本発明に係る熱転写シートを用いて得られた印字物は、転写性剥離層2が、転写性着色層3を被覆するため、耐擦過性が向上し、耐ボイル性が向上する。
必要に応じて、添加できる有機フィラーとしては、例えばアクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックス等が挙げられる。また、添加できる無機フィラーとして、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ等が挙げられる。
また、転写性剥離層2は、耐ボイル性が向上する点から、金属石鹸を含むことが好ましい。金属石鹸としては、例えば、脂肪酸、ロジン酸、ナフテン酸等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又は、アルミニウムや亜鉛等の金属塩等を挙げることができ、特に脂肪酸のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩又は亜鉛塩が好ましい。中でも、脂肪酸のマグネシウム塩、亜鉛塩又はアルミニウム塩が好ましく、亜鉛塩であることがより好ましく、ステアリン酸亜鉛が更に好ましい。
剥離層の塗布量は、通常乾燥時で0.5g/m2程度であるが、好ましくは乾燥時で0.1g/m2〜1.0g/m2である。0.1g/m2未満であると、剥離性が悪くなり剥離層の効果が得られない恐れがある。一方、1.0g/m2超過であると、剥離層毎転写が起こり易くなり、転写する層の転写性が悪くなる恐れがある。
本発明の熱転写シートは、図2に示すように、転写性着色層の耐久性を更に向上するために、基材1と転写性着色層3との間に、転写性保護層5を設けても良い。転写性保護層5は、熱転写時に転写性着色層3と共に転写され、転写画像の表面を被覆するものである。
本発明において、前記転写性保護層は、中でも、印字物の耐ボイル性をさらに向上する点から、ガラス転移温度が100℃以上の環状オレフィン系重合体を主成分として含み、更に当該環状オレフィン系重合体に対する非相溶性樹脂を含むものであることが好ましい。ここで、上記主成分とは、上記環状オレフィン系重合体が転写性保護層の固形分の50質量%以上で含まれる意味である。上記環状オレフィン系重合体は、より好ましくは転写性保護層の固形分の70質量%以上、より更に好ましくは転写性保護層の固形分の80質量%以上である。
本発明に用いられる環状オレフィン系重合体は、具体的には、環状オレフィンが開環重合した環状オレフィン系重合体又は共重合体であってもよく、環状オレフィンと、鎖状オレフィン及びビニル基を有する芳香族化合物より選択される1種以上とが付加重合した環状オレフィン系共重合体であってもよく、それらの一部又は全部が水素添加されていてもよい。環状オレフィン系重合体において、環状オレフィンは、単独で使用するほか、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
共重合のタイプは本発明において制限されるものではなく、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互共重合等、公知の様々な共重合タイプを適用することができる。
誘導体が有する置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基、シアノ基、ハロゲン化アルキル基などが例示できる。誘導体としては、具体的には例えば、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
上記鎖状オレフィン及び上記ビニル基を有する芳香族化合物は、単独で使用するほか、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
一方、環状オレフィン系重合体のガラス転移温度(Tg)は200℃以下であることが、印字性の点から、好ましい。ガラス転移温度が高すぎると、熱応答性が妨げられるからではないかと推測される。
なお、本発明におけるガラス転移温度(Tg)とは、DSC(示差走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求められる温度である。
市販品の付加重合型の環状オレフィン系重合体としては、三井化学社製アペル、ポリプラスチックス社製TOPAS等が挙げられる。また、市販品の開環重合型の環状オレフィン系重合体としては、日本ゼオン社製ZEONEX、JSR社製ARTON等が挙げられる。
前記非相溶性樹脂が上記割合よりも少なすぎると、転写時の膜切れ性が悪くなり、印字性が悪化する恐れがある。一方で、前記非相溶性樹脂が上記割合よりも多すぎると、塗布適性が悪化したり、耐ボイル性が悪化する恐れがある。
上記滑剤成分が転写性保護層に含まれる場合、上記滑剤成分の含有量は、転写性保護層の固形分中に1〜20質量%であることが好ましい。
本発明の熱転写シートは、基材の他方の面に、サーマルヘッドや転写用熱板等の熱によるステッキングや印字しわ等の悪影響を防止するために、背面層を設ける。
背面層は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチルセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂等のセルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物、及びフッ素変性ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。
背面層の塗布量は、特に限定されないが、耐熱性等の向上等の点から、好ましくは乾燥時で0.01g/m2〜0.2g/m2である。
また、背面層と基材との接着性を向上させたり、基材シートが受けるサーマルヘッドの熱によるダメージを更に軽減させたりするために、背面プライマー層を更に設けても良い。
(実施例1:熱転写シート1の作製)
基材として厚さ4μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETと表示)(商品名:ルミラー、東レ製)を用い、その一方に背面層として下記組成からなる背面層用塗布液を、乾燥時の塗布量が0.06g/m2になるようにグラビア印刷方式で塗布、乾燥させて背面層を形成した。次に、背面層を形成した基材の背面層と反対の面に、下記組成からなる転写性剥離層用塗布液1を、乾燥時の塗布量が0.2g/m2になるようにグラビア印刷方式で塗布、乾燥させて、転写性剥離層を形成した。次いで下記組成からなる転写性保護層用塗布液を、乾燥時の塗布量が0.2g/m2になるようにグラビア印刷方式で塗布、乾燥させて、転写性保護層を形成した。続いて、前記転写性保護層上に下記組成からなる転写性着色層用塗布液1を、乾燥時の塗布量が0.7g/m2になるようにグラビア印刷方式で塗布、乾燥させて、実施例1の熱転写シート1を形成した。熱転写シート1の垂直断面のTEM写真を観察したところ、転写性着色層の表面は、炭酸カルシウムに起因する凸部を有するものであった。
・アクリル変性シリコーン 10質量部
(ポリアロイ NSA−X55、ナトコ株式会社製)
・シリコーンイソシアネート 2質量部
(ダイアロマー SP901、大日精化工業株式会社製)
・メチルエチルケトン 20質量部
・トルエン 20質量部
・カルナバワックス 90質量部
(WE−95、コニシ株式会社製、融点86℃)
・ラテックス 10質量部
(Nippol LX430、日本ゼオン株式会社製)
・水及びイソプロピルアルコールの混合溶剤(質量比 1:1で混合) 100質量部
・ノルボルネン系モノマー由来の構成単位を有する環状オレフィン系重合体 80質量部
(アートンG 7810、JSR株式会社製、ガラス転移温度:165℃)
・前記環状オレフィン系重合体に対する非相溶性樹脂(アクリルポリオール樹脂) 20質量部
(サーモラックSU100A、綜研化学株式会社製)
・ポリエチレンWAX 5質量部
(スリップ剤B、株式会社昭和インク工業製)
・トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶剤 (質量比 1:1で混合) 100質量部
・フェノール樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(フェノールノボラック樹脂、TD−2090、株式会社DIC製、軟化点118−122℃)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・炭酸カルシウム 0.60質量部
(商品名:ナノコートS−25 丸尾カルシウム(株)製、平均粒径 1.3μm、白色度 94%)
・トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶剤(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
実施例1の熱転写シートにおいて、転写性着色層用塗布液1に代えて、下記組成からなる転写性着色層用塗布液2を用いた以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の熱転写シート2を得た。熱転写シート2の垂直断面のTEM写真を観察したところ、転写性着色層の表面は、硫酸バリウムに起因する凸部を有するものであった。
<転写性着色層用塗布液2>
・フェノール樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(フェノールノボラック樹脂、TD−2090、株式会社DIC製、軟化点118−122℃)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・硫酸バリウム(平均粒径 0.7μm、白色度 93%) 0.60質量部
・トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶剤(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
実施例2の熱転写シートにおいて、転写性保護層を形成しなかったこと以外は、全て実施例2と同様にして実施例3の熱転写シート3を得た。熱転写シート3の垂直断面のTEM写真を観察したところ、転写性着色層の表面は、硫酸バリウムに起因する凸部を有するものであった。
実施例2の熱転写シートにおいて、転写性剥離層用塗布液1に代えて、下記組成からなる転写性剥離層用塗布液2を用いたこと以外は、全て実施例2と同様にして実施例4の熱転写シート4を得た。熱転写シート4の垂直断面のTEM写真を観察したところ、転写性着色層の表面は、硫酸バリウムに起因する凸部を有するものであった。
<転写性剥離層用塗布液2>
・カルナバワックス 75質量部
(WE−95、コニシ株式会社製、融点86℃)
・ステアリン酸亜鉛 15質量部
(商品名: ハイミクロンF−930、中京油脂株式会社製)
・ラテックス 10質量部
(Nippol LX430、日本ゼオン株式会社製)
・水及びイソプロピルアルコールの混合溶剤(質量比 1:1で混合) 100質量部
実施例1の熱転写シートにおいて、転写性着色層用塗布液1に代えて、下記組成からなる比較転写性着色層用塗布液1を用いた以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の比較熱転写シート1を得た。比較熱転写シート1の垂直断面のTEM写真を観察したところ、比較転写性着色層の表面は、凸部を有しないものであった。
<比較転写性着色層用塗布液1>
・フェノール樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(フェノールノボラック樹脂、TD−2090、株式会社DIC製、軟化点118−122℃)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶剤(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
実施例1の熱転写シートにおいて、転写性着色層用塗布液1に代えて、下記組成からなる比較転写性着色層用塗布液2を用いた以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の比較熱転写シート2を得た。比較熱転写シート2の垂直断面のTEM写真を観察したところ、比較転写性着色層の表面は、硫酸バリウムに起因する凸部を有するものであった。
<比較転写性着色層用塗布液2>
・ポリエステル樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(商品名:バイロン220、東洋紡(株)製)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・硫酸バリウム(平均粒径 0.7μm、白色度 93%) 0.60 質量部
・トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶剤(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
実施例3の熱転写シートにおいて、転写性剥離層を形成しなかったこと以外は、全て実施例3と同様にして比較例3の比較熱転写シート3を得た。比較熱転写シート3の垂直断面のTEM写真を観察したところ、比較転写性着色層の表面は、硫酸バリウムに起因する凸部を有するものであった。
実施例1の熱転写シートにおいて、転写性着色層用塗布液1に代えて、下記組成からなる比較転写性着色層用塗布液3を用いた以外は、全て実施例1と同様にして比較例4の比較熱転写シート4を得た。比較熱転写シート4の垂直断面のTEM写真を観察したところ、比較転写性着色層の表面は、硫酸バリウムに起因する凸部を有するものであった。
<比較転写性着色層用塗布液3>
・フェノール樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(商品名:BRG−555、昭和電工株式会社製、軟化点67℃)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・硫酸バリウム(平均粒径 0.7μm、白色度 93%) 0.60 質量部
・トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶剤(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
(耐ブロッキング性)
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた各熱転写シートを2枚ずつ、転写性着色層側の面と背面層側の面とが向き合うように重ね合わせて、5kgf/cm2の圧をかけ、50℃に48時間静置した。保存後に、転写性着色層と背面層をはがし、その剥がしやすさから耐ブロッキング性を評価した。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
A:転写性着色層と背面層を容易に剥がすことができる。
B:転写性着色層と背面層のはりつきがわずかに発生するが、実用上問題なし。
C:転写性着色層と背面層のはりつきが発生する。
実施例1〜4及び比較例1〜4の熱転写シートを用いて形成された上記各印字物を、煮沸した熱湯中に10分間放置後、印字物表面をペーパーウエスで10往復擦った。その後、印字物を目視観察し、下記評価基準に基づき、耐ボイル性を評価した。評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
A:印字物に変化がない。
B:印字物に抜けている部分と剥離が生じたが判読可能。
C:印字物に抜けている部分と剥離が生じ、判読不可。
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた各熱転写シートと、ナイロン/低密度ポリエチレンの積層フィルム(厚さ100μm、DNP製)のナイロン面側と重ね合わせて、溶融転写型熱転写プリンター(B−SX4T TEC製)を使用して、印字条件 (Heat Adjust: +0、Printer Speed: 10IPS)により、解像度が300dpiのサーマルヘッドで1ドットの文字パターンを印字した。また、下記評価基準により印字性を評価した。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
A:目視にて、印字が良好である。
B:目視にて、印字物に抜けている部分またはつぶれている部分があるが判読可能。
C:目視にて、印字物に抜けている部分またはつぶれている部分が生じ、判読不可。
実施例1〜4で得られた熱転写シートは、基材の一方の面に、該基材側から転写性剥離層、転写性着色層がこの順に配置され、転写性着色層は、着色剤と、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と、平均粒径が3μm以下の無機フィラーとを含むものであったため、耐ブロッキング性に優れ、耐ボイル性が良好であり、印字性にも優れていることが明らかにされた。
また、実施例2と実施例4で得られた各熱転写シートについて、前記耐ボイル性の評価における熱湯中の放置時間を更に延長して耐ボイル性の評価を行ったところ、実施例2で得られた熱転写シートに比べ、実施例4で得られた熱転写シートの方が、より長時間印字物に変化がなかった。よって、転写性剥離層に金属石鹸を含む実施例4は、更に耐ボイル性に優れることが明らかにされた。
一方、比較例1で得られた熱転写シートは、転写性着色層が、無機フィラーを含まないものであったため、耐ブロッキング性に劣っていた。
比較例2で得られた熱転写シートは、転写性着色層が軟化点100℃以上のフェノール樹脂に代えて、ポリエステル樹脂を用いたものであったため、印字物の耐ボイル性及び印字性に劣っていた。
比較例3で得られた熱転写シートは、転写性剥離層が設けられなかったため、転写性着色層が均一に剥離せず、印字することができなかった。
比較例4で得られた熱転写シートは、転写性着色層が軟化点100℃以上のフェノール樹脂に代えて、軟化点100℃未満のフェノール樹脂を用いたものであったため、印字物の耐ボイル性に劣っていた。
2 転写性剥離層
3 転写性着色層
4 背面層
5 転写性保護層
10 熱転写シート
前記転写性着色層は、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と、平均粒径が3μm以下の硫酸バリウムとを含むことを特徴とする。
(参考例1:熱転写シート1の作製)
基材として厚さ4μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETと表示)(商品名:ルミラー、東レ製)を用い、その一方に背面層として下記組成からなる背面層用塗布液を、乾燥時の塗布量が0.06g/m2になるようにグラビア印刷方式で塗布、乾燥させて背面層を形成した。次に、背面層を形成した基材の背面層と反対の面に、下記組成からなる転写性剥離層用塗布液1を、乾燥時の塗布量が0.2g/m2になるようにグラビア印刷方式で塗布、乾燥させて、転写性剥離層を形成した。次いで下記組成からなる転写性保護層用塗布液を、乾燥時の塗布量が0.2g/m2になるようにグラビア印刷方式で塗布、乾燥させて、転写性保護層を形成した。続いて、前記転写性保護層上に下記組成からなる転写性着色層用塗布液1を、乾燥時の塗布量が0.7g/m2になるようにグラビア印刷方式で塗布、乾燥させて、参考例1の熱転写シート1を形成した。熱転写シート1の垂直断面のTEM写真を観察したところ、転写性着色層の表面は、炭酸カルシウムに起因する凸部を有するものであった。
参考例1の熱転写シートにおいて、転写性着色層用塗布液1に代えて、下記組成からなる転写性着色層用塗布液2を用いた以外は、全て参考例1と同様にして実施例2の熱転写シート2を得た。熱転写シート2の垂直断面のTEM写真を観察したところ、転写性着色層の表面は、硫酸バリウムに起因する凸部を有するものであった。
<転写性着色層用塗布液2>
・フェノール樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(フェノールノボラック樹脂、TD−2090、株式会社DIC製、軟化点118−122℃)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・硫酸バリウム(平均粒径 0.7μm、白色度 93%) 0.60質量部
・トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶剤(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
参考例1の熱転写シートにおいて、転写性着色層用塗布液1に代えて、下記組成からなる比較転写性着色層用塗布液1を用いた以外は、全て参考例1と同様にして比較例1の比較熱転写シート1を得た。比較熱転写シート1の垂直断面のTEM写真を観察したところ、比較転写性着色層の表面は、凸部を有しないものであった。
<比較転写性着色層用塗布液1>
・フェノール樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(フェノールノボラック樹脂、TD−2090、株式会社DIC製、軟化点118−122℃)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶剤(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
参考例1の熱転写シートにおいて、転写性着色層用塗布液1に代えて、下記組成からなる比較転写性着色層用塗布液2を用いた以外は、全て参考例1と同様にして比較例2の比較熱転写シート2を得た。比較熱転写シート2の垂直断面のTEM写真を観察したところ、比較転写性着色層の表面は、硫酸バリウムに起因する凸部を有するものであった。
<比較転写性着色層用塗布液2>
・ポリエステル樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(商品名:バイロン220、東洋紡(株)製)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・硫酸バリウム(平均粒径 0.7μm、白色度 93%) 0.60 質量部
・トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶剤(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
参考例1の熱転写シートにおいて、転写性着色層用塗布液1に代えて、下記組成からなる比較転写性着色層用塗布液3を用いた以外は、全て参考例1と同様にして比較例4の比較熱転写シート4を得た。比較熱転写シート4の垂直断面のTEM写真を観察したところ、比較転写性着色層の表面は、硫酸バリウムに起因する凸部を有するものであった。
<比較転写性着色層用塗布液3>
・フェノール樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(商品名:BRG−555、昭和電工株式会社製、軟化点67℃)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・硫酸バリウム(平均粒径 0.7μm、白色度 93%) 0.60 質量部
・トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶剤(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
(耐ブロッキング性)
参考例1、実施例2〜4及び比較例1〜4で得られた各熱転写シートを2枚ずつ、転写性着色層側の面と背面層側の面とが向き合うように重ね合わせて、5kgf/cm2の圧をかけ、50℃に48時間静置した。保存後に、転写性着色層と背面層をはがし、その剥がしやすさから耐ブロッキング性を評価した。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
A:転写性着色層と背面層を容易に剥がすことができる。
B:転写性着色層と背面層のはりつきがわずかに発生するが、実用上問題なし。
C:転写性着色層と背面層のはりつきが発生する。
参考例1、実施例2〜4及び比較例1〜4の熱転写シートを用いて形成された上記各印字物を、煮沸した熱湯中に10分間放置後、印字物表面をペーパーウエスで10往復擦った。その後、印字物を目視観察し、下記評価基準に基づき、耐ボイル性を評価した。評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
A:印字物に変化がない。
B:印字物に抜けている部分と剥離が生じたが判読可能。
C:印字物に抜けている部分と剥離が生じ、判読不可。
参考例1、実施例2〜4及び比較例1〜4で得られた各熱転写シートと、ナイロン/低密度ポリエチレンの積層フィルム(厚さ100μm、DNP製)のナイロン面側と重ね合わせて、溶融転写型熱転写プリンター(B−SX4T TEC製)を使用して、印字条件 (Heat Adjust: +0、Printer Speed: 10IPS)により、解像度が300dpiのサーマルヘッドで1ドットの文字パターンを印字した。また、下記評価基準により印字性を評価した。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
A:目視にて、印字が良好である。
B:目視にて、印字物に抜けている部分またはつぶれている部分があるが判読可能。
C:目視にて、印字物に抜けている部分またはつぶれている部分が生じ、判読不可。
実施例2〜4で得られた熱転写シートは、基材の一方の面に、該基材側から転写性剥離層、転写性着色層がこの順に配置され、転写性着色層は、着色剤と、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と、平均粒径が3μm以下の硫酸バリウムとを含むものであったため、耐ブロッキング性に優れ、耐ボイル性が良好であり、印字性にも優れていることが明らかにされた。
また、実施例2と実施例4で得られた各熱転写シートについて、前記耐ボイル性の評価における熱湯中の放置時間を更に延長して耐ボイル性の評価を行ったところ、実施例2で得られた熱転写シートに比べ、実施例4で得られた熱転写シートの方が、より長時間印字物に変化がなかった。よって、転写性剥離層に金属石鹸を含む実施例4は、更に耐ボイル性に優れることが明らかにされた。
一方、比較例1で得られた熱転写シートは、転写性着色層が、無機フィラーを含まないものであったため、耐ブロッキング性に劣っていた。
比較例2で得られた熱転写シートは、転写性着色層が軟化点100℃以上のフェノール樹脂に代えて、ポリエステル樹脂を用いたものであったため、印字物の耐ボイル性及び印字性に劣っていた。
比較例3で得られた熱転写シートは、転写性剥離層が設けられなかったため、転写性着色層が均一に剥離せず、印字することができなかった。
比較例4で得られた熱転写シートは、転写性着色層が軟化点100℃以上のフェノール樹脂に代えて、軟化点100℃未満のフェノール樹脂を用いたものであったため、印字物の耐ボイル性に劣っていた。
前記転写性着色層は、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と、平均粒径が3μm以下の硫酸バリウムとを含み、
前記転写性剥離層と前記転写性着色層との間に、更に転写性保護層が配置され、前記転写性保護層は、ガラス転移温度が100℃以上の環状オレフィン系重合体を当該転写性保護層の固形分の50質量%超過で含み、更に該環状オレフィン系重合体に対する非相溶性樹脂を含むことを特徴とする。
実施例2の熱転写シートにおいて、転写性保護層を形成しなかったこと以外は、全て実施例2と同様にして参考例3の熱転写シート3を得た。熱転写シート3の垂直断面のTEM写真を観察したところ、転写性着色層の表面は、硫酸バリウムに起因する凸部を有するものであった。
(耐ブロッキング性)
実施例2及び4、参考例1及び3、並びに比較例1〜4で得られた各熱転写シートを2枚ずつ、転写性着色層側の面と背面層側の面とが向き合うように重ね合わせて、5kgf/cm2の圧をかけ、50℃に48時間静置した。保存後に、転写性着色層と背面層をはがし、その剥がしやすさから耐ブロッキング性を評価した。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
A:転写性着色層と背面層を容易に剥がすことができる。
B:転写性着色層と背面層のはりつきがわずかに発生するが、実用上問題なし。
C:転写性着色層と背面層のはりつきが発生する。
実施例2及び4、参考例1及び3、並びに比較例1〜4の熱転写シートを用いて形成された上記各印字物を、煮沸した熱湯中に10分間放置後、印字物表面をペーパーウエスで10往復擦った。その後、印字物を目視観察し、下記評価基準に基づき、耐ボイル性を評価した。評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
A:印字物に変化がない。
B:印字物に抜けている部分と剥離が生じたが判読可能。
C:印字物に抜けている部分と剥離が生じ、判読不可。
実施例2及び4、参考例1及び3、並びに比較例1〜4で得られた各熱転写シートと、ナイロン/低密度ポリエチレンの積層フィルム(厚さ100μm、DNP製)のナイロン面側と重ね合わせて、溶融転写型熱転写プリンター(B−SX4T TEC製)を使用して、印字条件 (Heat Adjust: +0、Printer Speed: 10IPS)により、解像度が300dpiのサーマルヘッドで1ドットの文字パターンを印字した。また、下記評価基準により印字性を評価した。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
A:目視にて、印字が良好である。
B:目視にて、印字物に抜けている部分またはつぶれている部分があるが判読可能。
C:目視にて、印字物に抜けている部分またはつぶれている部分が生じ、判読不可。
実施例2及び4並びに参考例3で得られた熱転写シートは、基材の一方の面に、該基材側から転写性剥離層、転写性着色層がこの順に配置され、転写性着色層は、着色剤と、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と、平均粒径が3μm以下の硫酸バリウムとを含むものであったため、耐ブロッキング性に優れ、耐ボイル性が良好であり、印字性にも優れていることが明らかにされた。
また、実施例2と実施例4で得られた各熱転写シートについて、前記耐ボイル性の評価における熱湯中の放置時間を更に延長して耐ボイル性の評価を行ったところ、実施例2で得られた熱転写シートに比べ、実施例4で得られた熱転写シートの方が、より長時間印字物に変化がなかった。よって、転写性剥離層に金属石鹸を含む実施例4は、更に耐ボイル性に優れることが明らかにされた。
一方、比較例1で得られた熱転写シートは、転写性着色層が、無機フィラーを含まないものであったため、耐ブロッキング性に劣っていた。
比較例2で得られた熱転写シートは、転写性着色層が軟化点100℃以上のフェノール樹脂に代えて、ポリエステル樹脂を用いたものであったため、印字物の耐ボイル性及び印字性に劣っていた。
比較例3で得られた熱転写シートは、転写性剥離層が設けられなかったため、転写性着色層が均一に剥離せず、印字することができなかった。
比較例4で得られた熱転写シートは、転写性着色層が軟化点100℃以上のフェノール樹脂に代えて、軟化点100℃未満のフェノール樹脂を用いたものであったため、印字物の耐ボイル性に劣っていた。
Claims (6)
- 基材の一方の面に、該基材側から少なくとも転写性剥離層、転写性着色層がこの順に配置され、該基材の他方の面に背面層が配置されてなり、
前記転写性着色層は、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と、平均粒径が3μm以下の無機フィラーとを含む、熱転写シート。 - 前記転写性剥離層と前記転写性着色層との間に、更に転写性保護層が配置され、前記転写性保護層は、ガラス転移温度が100℃以上の環状オレフィン系重合体を主成分として含み、更に該環状オレフィン系重合体に対する非相溶性樹脂を含む、請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記転写性着色層が、その表面に前記無機フィラーに起因する凸部を有する、請求項1又は2に記載の熱転写シート。
- 前記無機フィラーがJIS−M8016で規定される白色度が50%以上の無機フィラーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写シート。
- 前記無機フィラーが金属硫酸塩である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写シート。
- 前記転写性着色層が、前記平均粒径が3μm以下の無機フィラーとは異なる着色剤を更に含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写シート。
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