JP2019006100A - 熱転写シート、および接着層形成用塗工液 - Google Patents

熱転写シート、および接着層形成用塗工液 Download PDF

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愛 池田
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Abstract

【課題】ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる被転写体およびポリプロピレン樹脂からなる被転写体の双方に対し、充分な密着性を有する熱転写シートを提供する。【解決手段】基材1と、基材1上に設けられた転写層2と、を含む熱転写シート10において、転写層を、少なくとも機能層2aと接着層2bとを含む積層構造とし、接着層を、転写層を構成する各層のうち基材から最も遠くに位置せしめ、さらに接着層に、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂粒子の双方を当該接着層の固形分総量に対して、それぞれ10質量%以上含有せしめ、かつポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂粒子の合計質量を70質量%以上とする。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シートおよび接着層形成用塗工液に関する。
従来、顔料や染料などの色材を熱溶融性のワックスや樹脂等のバインダーに分散させた機能層、いわゆる着色層を含み、転写性を有する転写層を、基材に担持させた熱転写シート、いわゆる熱転写インクリボンを用いて、サーマルヘッドヘッド等の加熱デバイスにより画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙またはプラスチックシートなどの被転写体上に転写層を転写する熱転写方式の画像形成方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、上記熱溶融型熱転写方式の画像形成方法により形成された画像や、これ以外の方式、例えば昇華型熱転写方式の画像形成方法により形成された画像を保護する目的で、前記画像上に保護層を転写することも行われている。画像上に保護層を転写する場合にあっては、機能層としての保護層を含み、転写性を有する転写層を、基材に担持させた熱転写シート、いわゆる保護層転写シートを用いて、サーマルヘッド等の加熱デバイスによりエネルギーを印加することで、画像上に転写層を転写する熱転写方式の保護層形成方法が用いられている(例えば特許文献2参照)。
特開2011−201212号公報 特開2012−200950号公報
上記のように、機能層として着色層を含む転写層を転写する場合、機能層として保護層を含む転写層を転写する場合、のいずれの場合にあっても、これら転写層と被転写体との密着性が充分であることが要求されている。特に近年にあっては、被転写体として、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなるラベルやポリプロピレン(PP)樹脂からなるラベルなども登場し、双方に対する充分な密着性が要求されている。
本発明は、このような状況下においてなされた発明であり、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる被転写体およびポリプロピレン樹脂からなる被転写体の双方に対し、充分な密着性を有する熱転写シートを提供すること、およびこのような熱転写シートを製造する際に用いる接着層形成用塗工液を提供することを主たる課題とする。
上記の課題を解決するための本発明は、基材と、前記基材上に設けられた転写層と、を含む熱転写シートであって、前記転写層は、少なくとも機能層と接着層とを含む積層構造を有し、前記接着層は、前記転写層を構成する各層のうち前記基材から最も遠くに位置し、さらに前記接着層は、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂粒子の双方を、接着層の固形分総量に対して、それぞれ10質量%以上含み、かつ前記ポリエステル系樹脂と前記ポリオレフィン系樹脂粒子の合計質量が70質量%以上である、ことを特徴とする。
上記の発明にあっては、前記ポリオレフィン系樹脂粒子の重量平均粒子径が0.25μm以上であってもよい。
上記の発明にあっては、前記接着層に含まれる前記ポリエステル系樹脂と前記ポリオレフィン系樹脂粒子の合計質量に対する前記ポリエステル系樹脂の質量割合が、20質量%以上80質量%以下であってもよい。
また、上記の発明にあっては、前記接着層に含まれる前記ポリエステル系樹脂と前記ポリオレフィン系樹脂粒子の合計質量に対する前記ポリエステル系樹脂の質量割合が、50質量%以上80質量%以下であってもよい。
また、上記の発明にあっては、接着層は、テルペン樹脂を、接着層の固形分総量に対して5質量%以上15質量%以下含んでもよい。
また、上記の発明にあっては、前記転写層は、さらに剥離層を含み、前記剥離層は、前記転写層を構成する各層のうち前記基材の最も近くに位置し、さらに前記剥離層は、融点が100℃以上のワックス、および質量平均粒子径が1μm以下のシリカの少なくとも何れか一方を含み、前記剥離層の固形分総量に対する、前記融点が100℃以上のワックスと質量平均粒子径が1μm以下のシリカの合計質量割合が、30質量%以上であってもよい。
また、上記の発明にあっては、前記基材の、前記転写層が設けられていない側の面に背面層が設けられており、前記背面層は、離型剤、有機粒子、および無機粒子のうち少なくとも何れか一つを含んでもよい。
また、上記の発明にあっては、前記背面層が積層構造を有し、その一の層に、離型剤、有機粒子、および無機粒子のうち少なくとも何れか一つを含まれてもよい。
また、上記の課題を解決するための別の本発明は、基材と、前記基材上に設けられた転写層と、を含み、前記転写層が、少なくとも機能層と接着層とを含む積層構造を有する熱転写シートにおける前記接着層を形成するための、接着層形成用塗工液であって、前記接着層形成用塗工液は、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂粒子の双方を、接着層形成用塗工液に含まれる固形分総量に対して、それぞれ10質量%以上含み、かつ前記ポリエステル系樹脂と前記ポリオレフィン系樹脂粒子の合計質量が70質量%以上である、ことを特徴とする。
本発明の熱転写シートによれば、被転写体に転写される転写層中に、被転写体との密着性に寄与する特定の接着層が含まれていることから、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる被転写体およびポリプロピレン樹脂からなる被転写体の双方に対し、充分な密着性を担保できる。
また、本発明の接着層形成用塗工液によれば、上記の作用効果を奏する接着層を形成できる。
本発明の実施形態にかかる熱転写シートの一例を示す概略断面図。 本発明の別の実施形態にかかる熱転写シートの一例を示す概略断面図。 本発明の別の実施形態にかかる熱転写シートの一例を示す概略断面図。 (a)はpicketバーコード、(b)はladderバーコード。
以下に、本発明の熱転写シートについて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態にかかる熱転写シート10は、基材1と、前記基材1上に設けられた転写層2と、を含み、前記転写層2は、機能層2aと接着層2bとを含んでいる。そして、前記接着層2bは、前記転写層2を構成する各層、つまり図1においては機能層2aと接着層2b、のうち前記基材1から最も遠く、つまり転写層2の表面側に位置しており、さらに、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂粒子の双方を、当該接着層の固形分総量に対して、それぞれ10質量%以上含み、かつ前記ポリエステル系樹脂と前記ポリオレフィン系樹脂粒子の合計質量が70質量%以上である、ことに特徴を有している。
このように、転写層2を被転写体に転写する際に、被転写体との接着性に寄与する部分であるところの転写層2の表面側に、所定の樹脂を所定量含有する接着層2bを設けておくことにより、当該接着層2bの働きによって、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる被転写体およびポリプロピレン樹脂からなる被転写体の双方に対し、充分な密着性を担保できる。
以下に、本実施形態にかかる熱転写シート10を構成する各層について説明する。
(基材)
基材1は、ある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の熱転写シートにおいて基材として用いられている材料を適宜選択して用いることができる。このような基材1としては、例えば0.5μm以上50μm以下、好ましくは1μm以上10μm以下程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。さらに、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
また、基材1は、転写層2が設けられる側の面に接着処理が施されていても良い。接着処理を施すことで、基材1と転写層2との密着性を向上せしめることができる。
接着処理としては、例えばコロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用できる。また、それらの処理を二種以上併用することもできる。また、基材1に接着処理を施すことに代えて、基材1と転写層2との間に、プライマー層(図示せず)を設けてもよい。また、接着処理が施された基材1と転写層2との間に、プライマー層を設けてもよい。
(転写層)
転写層2は、前記基材1上に転写可能に設けられる層であり、少なくとも機能層2aと接着層2bを含む積層構造を有している。以下に転写層2を構成する各層について説明する。
(機能層)
転写層2に含まれる機能層2aは、転写層2が被転写体に転写された際に、所望の機能を発揮するための層である。具体的には、被転写体に所望の画像を形成するための機能層であれば着色層となり、被転写体に所望の耐久性や耐光性を付与するための機能層であれば保護層となる。
・着色層
機能層2aを着色層とする場合にあっては、当該着色層としての機能層2aは熱溶融性インキにより構成される。熱溶融性インキは、着色剤とビヒクルからなり、更に必要に応じて種々の添加材を加えたものである。着色剤としては、有機または無機の顔料あるいは染料のうち、記録材料として要求される着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。また、加熱により発色するような物質や、被転写体に塗布されている物質と接触することにより発色するような物質を用いることもできる。そして、着色剤は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の他に、種々の色の着色剤を使用できる。
ビヒクルは、ワックスを主成分とし、その他にワックスと乾性油、樹脂、鉱油、セルロースおよびゴムの誘導体等との混合物が用いられる。また、着色層としての機能層2aには、良好な熱伝導性および溶融転写性を与えるために、熱伝導性物質を含有させることができる。このような熱伝導性物質としては、カーボンブラック等の炭素質物質、アルミニウム、銅、酸化スズ、二硫化モリブデン等が挙げられる。
上記のような着色層としての機能層2aを基材1上に形成する方法としては、ホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の公知の方法が挙げられる。着色層としての機能層2aの厚みは、要求される印字濃度、熱感度等を考慮して適宜決定でき、通常、乾燥時で0.1μm以上30μm以下である。
・保護層
一方で、機能層2aを保護層としてもよい。なお、保護層とは、転写層2を転写した後に転写層2により覆われる被転写体の画像等に耐光性や耐候性を付与することのほか、転写層2と被転写体との密着性を向上させるために設けられる層である。
ここで、保護層としての機能層2aの材料としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂などを挙げることができる。また、保護層としての機能層2aは紫外線吸収剤を含有していることが好ましい。紫外線吸収剤を含有せしめることにより、転写層2を転写した後に転写層2により覆われる被転写体の画像の耐光性、耐候性等をより向上させることができる。紫外線吸収剤としては、従来公知の有機系紫外線吸収剤であるサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等を挙げることができる。
保護層としての機能層2aの形成方法については特に制限はなく、適当な溶剤中に上記で説明した樹脂等を加え、これを適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、その後、この塗工液を基材1上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用いて塗布、乾燥させて形成できる。保護層としての機能層2aの厚みについて特に限定はないが、0.5μm以上50μm以下程度が好ましい。
(接着層)
本実施形態にかかる熱転写シート1における転写層2においては、これを構成する各層、つまり図1においては機能層2aと接着層2bのうち前記基材1から最も遠く、つまり転写層2の表面側に接着層2bが位置している。そして、当該接着層2bは、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂粒子の双方を、当該接着層の固形分総量に対して、それぞれ10質量%以上含み、かつ前記ポリエステル系樹脂と前記ポリオレフィン系樹脂粒子の合計質量が70質量%以上である、ことに特徴を有している。
このように、所定の樹脂材料を所定の割合で配合してなる接着層2bを用いることにより、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる被転写体およびポリプロピレン樹脂からなる被転写体の双方に対し、充分な密着性を担保できる。
本実施形態にかかる熱転写シート1の接着層2bに用いられるポリエステル系樹脂とは、多価カルボン酸と、多価アルコールとを重縮合することにより得られるエステル基を含むポリマーを意味し、例えば、PET、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートおよびPENなどが挙げられる。
また、多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。
また、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカンジオール、2−エチル−ブチル−1−プロパンジオール、ビスフェノールAなどが挙げられる。
また、ポリエステル系樹脂には、上記した多価カルボン酸および多価アルコールを3種以上共重合してなるものであってもよく、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのモノマーやポリマーとの共重合体であってもよい。
さらに、本明細書において、ポリエステル系樹脂には、その変性物も含まれる。ポリエステル系樹脂の変性物としては、例えば、ウレタン変性ポリエステル系樹脂などが挙げられる。
一方で、本実施形態にかかる熱転写シート1の接着層2bに用いられるポリオレフィン樹脂粒子としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等のアルケン類や、ブタジエンやイソプレン等のジエン類等を粒子化したものがあげられる。
また上記ポリオレフィン樹脂粒子の一部に極性基を導入し、それを粒子化したものでもよい。具体的として、酢酸ビニル・各種アクリル酸誘導体(例えばアクリル酸エステル誘導体、メタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸アミド誘導体、メタクリル酸アミド誘導体等)・各種カルボン酸・無水マレイン酸などの酸無水物などが挙げられるがこれらに限定されない。
これらポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂粒子は、接着層2bの固形分総量に対してそれぞれ10質量%以上含まれていることが必要である。双方の樹脂をそれぞれ10質量%以上含有せしめることにより、本実施形態にかかる熱転写シート1の上記作用効果を充分に発揮できるからである。
また、同様の理由により、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂粒子の合計質量が接着層2bの固形分総量に対して70質量%以上であることも必要である。そして、接着層2bに含まれるポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂粒子の合計質量に対する前記ポリエステル系樹脂の質量割合が、20質量%以上80質量%以下であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがさらに好ましく、60質量%以上80質量%以下であることが特に好ましい。ポリエステル系樹脂の質量割合を高くすることにより、転写物(印画物)の耐アルコール性を向上せしめることができるため、ポリエステル系樹脂の質量割合を上記数値範囲とすることにより、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる被転写体、およびポリプロピレン樹脂からなる被転写体の双方に対する密着性を維持したまま、転写物(印画物)の耐アルコール性を向上せしめることができる。
なお、本実施形態にかかる熱転写シート1の接着層2bに用いられるポリオレフィン樹脂粒子にあっては、その重量平均粒子径が0.25μm以上であることが好ましい。重量平均粒子径が0.25μm未満の場合、接着層の膜切れ性が足りず、ポリプロピレン樹脂からなる被転写体への転写性が悪くなるおそれがある。因みに、ここでいう重量平均粒子径は、マイクロトラック・ベル(株)のナノトラック・Nanotrac・WaveIIを使用し、0.3質量%水溶液をレーザー散乱法にて測定し、解析した値である。
また、本実施形態にかかる熱転写シート1の接着層2bには、前記ポリエステル系樹脂およびポリオレフィン系樹脂粒子に加え、テルペン樹脂が含有されていてもよく、この場合にあっては、当該テルペン樹脂の質量割合が、接着層2bの固形分総量に対して5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。テルペン樹脂をこの割合で含有することにより、ポリプロピレン樹脂からなる被転写体に対する密着性をより向上せしめることができる。
本実施形態にかかる熱転写シート1の接着層2bには、前記ポリエステル系樹脂およびポリオレフィン系樹脂粒子、さらには前記テルペン樹脂に加え、各種添加材を添加することもできる。例えば、膜切れ性の向上やブロッキング防止のために、必要に応じて各種有機粒子や無機粒子などを添加してもよい。
このような接着層2bの形成方法については特に限定されず、適当な溶剤中に上記で説明した樹脂を所定量加え、これを適当な溶剤に溶解または分散させて接着層形成用塗工液を調製し、その後、この塗工液を機能層2a上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い塗布、乾燥させて形成できる。接着層2bの厚みについても特に限定はないが、0.1μm以上50μm以下程度が好ましい。
図2および図3は、本発明の別の実施形態にかかる熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
(剥離層)
図2に示すように、本発明の別の実施形態にかかる熱転写シート1にあっては、これを構成する転写層2が、上記で説明した機能層2aおよび接着層2bに加え、剥離層2cを有していてもよい。
剥離層2cは、前記転写層2を構成する各層、つまり、図2においては、機能層2a、接着層2bおよび剥離層2cのうち前記基材1から最も近くに位置しており、転写層2の基材1からの剥離性を向上せしめるための層である。
このような剥離層2cの材料については特に限定されることはなく、従来公知の各種材料から適宜選択することが可能であるが、例えば、融点が100℃以上のワックスと、スチレン・ブタジエンゴムと、を含むことが好ましく、さらには、前記融点が100℃以上のワックスが、剥離層2cの固形分総量に対して30質量%以上含有されていることが好ましく、45質量%以上含有されていることがより好ましい。このような剥離層2cを設けることにより、基材1からの剥離性を向上せしめるとともに、転写層2の転写時に熱ジワが発生することを抑制できる。
ここで、融点が100℃以上のワックスとしては、ポリエチレンワックスや合成ワックスなどを挙げることができる。
また、剥離層2cには、前記融点が100℃以上のワックスに代えて、または前記融点が100℃以上のワックスに加えて、質量平均粒子径が1μm以下のシリカを含有してもよく、この場合においては、剥離層2cの固形分総量に対する、前記融点が100℃以上のワックスと前記質量平均粒子径が1μm以下のシリカの合計質量割合を、30質量%以上とすることが好ましい。なお、前記融点が100℃以上のワックスに代えて質量平均粒子径が1μm以下のシリカを用いる場合にあっては、剥離層2cの固形分総量に対するシリカの質量割合を30質量%以上とすることが好ましい。これらの合計質量割合を30質量%以上とすることにより、熱ジワの要因となる剥離層の熱によるズレを抑制できる。因みにここでいう質量平均粒子径は、ベックマン・コールター社のMultisizer3を使用して、コールターカウンター法にて測定し、解析した値である。
ここで、前記融点が100℃以上のワックスと前記質量平均粒子径が1μm以下のシリカの配合比率については特に限定されないが、前記シリカの配合比率が多くなると、また、シリカの質量平均粒子径が1μmよりも大きくなると、剥離層中に間隙が増え、その結果、転写性が低下する場合がある。
剥離層2cの厚さについては特に限定されることはないが、0.1μm以上10μm以下の範囲が好ましく、0.1μm以上0.5μm以下の範囲内がより好ましい。また、剥離層2cの形成方法については特に制限はなく、適当な溶剤中に剥離層を構成する樹脂などを加え、これを溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、その後、この塗工液を基材1の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用いて塗布、乾燥させて形成できる。
(背面層)
図2および図3に示すように、本発明の別の実施形態にかかる熱転写シート1にあっては、基材1の、前記転写層2が形成されている側とは反対側の面上に、背面層3が設けられていてもよい。背面層3を設けることにより、耐熱性、及び転写層2の転写時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させることをができる。
このような背面層3は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成できる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂やポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂、およびこれらのシリコーン変性物等が挙げられる。中でも、耐熱性等の点から、ポリアミドイミド系樹脂又はそのシリコーン変性物等を好ましく用いることができる。
また、背面層3には、上記熱可塑性樹脂以外にも、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粒子、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加材が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。
さらに、イソシアネート化合物などを使用することにより硬化させることのできる2液硬化型の樹脂をバインダー樹脂として含んでいても良い。このような樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。イソシアネート化合物としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートが挙げられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。
背面層3は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加材を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成できる。背面層5の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、0.1μm以上5μm以下が好ましく、0.1μm以上1μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.25μm以下が特に好ましい。
また、背面層3にあっては、図2に示すような単層構造であってもよく、一方で図3に示すように種々の樹脂からなる層を積層せしめた積層構造としてもよい。積層構造とすることによりそれぞれの樹脂からなる層の機能を阻害することなく、それぞれの機能を発揮せしめることができる。より具体的には、例えば、上記離型剤や有機粒子や無機粒子を含有しない単層構造の背面層3に比べ、上記離型剤や有機粒子や無機粒子を含有する単層構造の背面層3は転写性、特にポリエチレンテレフタレート樹脂からなる被転写体への密着性を向上せしめることができ、さらに、図3に示すように、上記離型剤や有機粒子や無機粒子を含有する層3bと、これらを含有しない層3aとの積層構造を有する背面層3は、さらに転写性、特にポリエチレンテレフタレート樹脂からなる被転写体への密着性を向上せしめることができる。
(被転写体)
本実施形態にかかる熱転写シート1の転写に使用可能な被転写体としては、特に限定されることはないが、特にポリエチレンテレフタレート樹脂からなる被転写体およびポリプロピレン樹脂からなる被転写体に好適に用いることができる。
以上、本発明の実施形態にかかる熱転写シート1について詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の実施形態について説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。
(背面層形成用塗工液)
まず、下記組成の背面層形成用塗工液1〜2を準備した。
<背面層形成用塗工液1>
・スチレン−アクリロニトリル共重合体 54.0部
・線状飽和ポリエステル系樹脂 1.5部
・ジンクステアリルホスフェート 29.5部
・メラミン樹脂粉末 15.0部
・メチルエチルケトン 400.0部
<背面層形成用塗工液2>
・アクリル変性シリコーン樹脂 100部
(ダイアロマー(登録商標)SP−4001、大日精化(株))
・メチルエチルケトン 100部
(剥離層形成用塗工液)
次いで、下記組成の剥離層形成用塗工液1〜9を準備した。
<剥離層形成用塗工液1>
・カルナバワックス(融点:80℃) 45部
(WE−95、コニシ(株))
・ポリエチレンワックスエマルション(融点:130℃) 45部
(WE−63−284、(株)DNPファインケミカル)
・スチレン・ブタジエンゴムラテックス 10部
(Nipol(登録商標)LX430、日本ゼオン(株))
・水 300部
・イソプロパノール(IPA) 600部
<剥離層形成用塗工液2>
・合成ワックス(融点:113℃) 90部
・スチレン・ブタジエンゴムラテックス 10部
(Nipol(登録商標)LX430、日本ゼオン(株))
・水 300部
・イソプロパノール(IPA) 600部
<剥離層形成用塗工液3>
・ポリエチレンワックスエマルション(融点:130℃) 90部
(WE−63−284、(株)DNPファインケミカル)
・スチレン・ブタジエンゴムラテックス 10部
(Nipol(登録商標)LX430、日本ゼオン(株))
・水 300部
・イソプロパノール(IPA) 600部
<剥離層形成用塗工液4>
・カルナバワックス(融点:80℃) 40部
(WE−95、コニシ(株))
・ポリエチレンワックスエマルション(融点:130℃) 40部
(WE−63−284、(株)DNPファインケミカル)
・パラフィンワックス(融点:75℃) 10部
(WE−65、(株)DNPファインケミカル)
・スチレン・ブタジエンゴムラテックス 10部
(Nipol(登録商標)LX430、日本ゼオン(株))
・水 300部
・イソプロパノール(IPA) 600部
<剥離層形成用塗工液5>
・カルナバワックス(融点:80℃) 40部
(WE−95、コニシ(株))
・ポリエチレンワックスエマルション(融点:130℃) 10部
(WE−63−284、コニシ(株))
・シリカ(質量平均粒子径:0.03μm)
(スノーテックス(登録商標)ST−N−40、日産化学工業(株)) 30部
・パラフィンワックス(融点:75℃) 10部
(WE−65、コニシ(株))
・スチレン・ブタジエンゴムラテックス 10部
(Nipol(登録商標)LX430、日本ゼオン(株))
・水 300部
・イソプロパノール(IPA) 600部
<剥離層形成用塗工液6>
・カルナバワックス(融点:80℃) 60部
(WE−95、コニシ(株))
・シリカ(質量平均粒子径:0.03μm)
(スノーテックス(登録商標)ST−N−40、日産化学工業(株)) 30部
・スチレン・ブタジエンゴムラテックス 10部
(Nipol(登録商標)LX430、日本ゼオン(株))
・水 300部
・イソプロパノール(IPA) 600部
<剥離層形成用塗工液7>
・カルナバワックス(融点:80℃) 45部
(WE−95、コニシ(株))
・シリカ(質量平均粒子径:0.03μm)
(スノーテックス(登録商標)ST−N−40、日産化学工業(株)) 45部
・スチレン・ブタジエンゴムラテックス 10部
(Nipol(登録商標)LX430、日本ゼオン(株))
・水 300部
・イソプロパノール(IPA) 600部
<剥離層形成用塗工液8>
・カルナバワックス(融点:80℃) 30部
(WE−95、コニシ(株))
・シリカ(質量平均粒子径:0.03μm)
(スノーテックス(登録商標)ST−N−40、日産化学工業(株)) 60部
・スチレン・ブタジエンゴムラテックス 10部
(Nipol(登録商標)LX430、日本ゼオン(株))
・水 300部
・イソプロパノール(IPA) 600部
<剥離層形成用塗工液9>
・カルナバワックス(融点:80℃) 40部
(WE−95、コニシ(株))
・ポリエチレンワックスエマルション(融点:130℃) 10部
(WE−63−284、コニシ(株))
・シリカ(質量平均粒子径:1.3μm) 30部
・パラフィンワックス(融点:75℃) 10部
(WE−65、コニシ(株))
・スチレン・ブタジエンゴムラテックス 10部
(Nipol(登録商標)LX430、日本ゼオン(株))
・水 300部
・イソプロパノール(IPA) 600部
(着色層形成用塗工液)
次いで、下記組成の着色層形成用塗工液1を準備した。
<着色層形成用塗工液1>
・カーボンブラック 33部
・ポリエステル系樹脂 67部
・トルエン 150部
・メチルエチルケトン 150部
(接着層形成用塗工液)
次いで、下記組成の接着層形成用塗工液1〜6およびA〜Eを準備した。
<接着層形成用塗工液1>
・ポリエステル樹脂 50部
・ポリオレフィン系樹脂粒子(重量平均粒子径0.4μm) 50部
・水 50部
・イソプロパノール(IPA) 150部
<接着層形成用塗工液2>
・ポリエステル樹脂 80部
・ポリオレフィン系樹脂粒子(重量平均粒子径0.4μm) 20部
・水 50部
・イソプロパノール(IPA) 150部
<接着層形成用塗工液3>
・ポリエステル樹脂 60部
・ポリオレフィン系樹脂粒子(重量平均粒子径0.4μm) 40部
・水 50部
・イソプロパノール(IPA) 150部
<接着層形成用塗工液4>
・ポリエステル樹脂 20部
・ポリオレフィン系樹脂粒子(重量平均粒子径0.4μm) 80部
・水 50部
・イソプロパノール(IPA) 150部
<接着層形成用塗工液5>
・ポリエステル樹脂 70部
・ポリオレフィン系樹脂粒子(重量平均粒子径0.25μm) 20部
・テルペン樹脂(Tg:75℃) 10部
・水 50部
・イソプロパノール(IPA) 150部
<接着層形成用塗工液6>
・ポリエステル樹脂 50部
・ポリオレフィン系樹脂粒子(重量平均粒子径:0.2μm) 50部
・水 50部
・イソプロパノール(IPA) 150部
<接着層形成用塗工液A>
・ポリエステル樹脂 80部
・ポリエステル樹脂(Tg:69℃) 20部
(バイロナール(登録商標)MD−1500、東洋紡(株))
・水 50部
・イソプロパノール(IPA) 150部
<接着層形成用塗工液B>
・ポリエステル樹脂 50部
・テルペン樹脂(Tg:75℃) 50部
・水 50部
・イソプロパノール(IPA) 150部
<接着層形成用塗工液C>
・ポリエステル樹脂 50部
・ウレタン樹脂(Tg:74℃) 50部
・水 50部
・イソプロパノール(IPA) 150部
<接着層形成用塗工液D>
・フェノール樹脂 100部
・水 50部
・イソプロパノール(IPA) 150部
<接着層形成用塗工液E>
・ポリエステル樹脂 95部
・ポリオレフィン系樹脂粒子(重量平均粒子径:0.4μm) 5部
・水 50部
・イソプロパノール(IPA) 150部
(実施例1)
基材として、厚さ4.5μmのPETフィルムを用い、当該基材上に、上記組成の背面層形成用塗工液1を乾燥時の厚みが0.15μmになるように塗布、乾燥し、第1の背面層を形成した。さらに、第1の背面層上に上記組成の背面層形成用塗工液2を乾燥時の厚みが0.1μmになるように塗布、乾燥することで第2の背面層を形成した。次いで、基材の、前記第1および第2の背面層が形成されていない側の面上に、上記組成の剥離層形成用塗工液1を乾燥時の厚みが0.3μmになるように塗布、乾燥して剥離層を形成した。次いで、剥離層上に上記組成の着色層形成用塗工液1を乾燥時の厚みが0.5μmになるように塗布、乾燥して着色層を形成した。次いで、着色層上に上記組成の接着層形成用塗工液1を乾燥時の厚みが0.3μmになるように塗布、乾燥して接着層を形成した。以上により、剥離層、着色層、および接着層からなる転写層を有する実施例1の熱転写シートを得た。
(実施例2〜19、比較例1〜5)
上記実施例1において用いた背面層形成用塗工液、剥離層形成用塗工液、および接着層形成用塗工液のそれぞれを、下記表1に示すように、適宜上記の各塗工液に変更しつつ、各層の厚みも適宜変更して、実施例1〜19および比較例1〜5、それぞれの熱転写シートを得た。なお、表1における背面層の欄に「形成していない」と記載されているものに関しては、第1の背面層または第2の背面層のいずれかを形成せず、背面層が単層構造となっている。
Figure 2019006100
(密着性評価)
実施例および比較例の熱転写シートを用い、プリンターとして、Zebra社製ラベルプリンター 105SLプリンター(サーマルヘッド 200dpi)を使用し、印字スピード4IPS(inch per second)、印字エネルギーを20から30の範囲で1段階ずつ印字した。被転写体として白色のPETラベル(72825、Avery社)を用い、また、印字パターンとして図4(a)に示すpicketバーコード、および図4(b)に示すladderバーコードを印字して、印字物を目視にて、以下の評価基準により評価した。また、被転写体として白色のPPラベル(PP Solid White、UPM Reflatac社)を用い、上記の同様の条件にて図4(a)に示すpicketバーコード、および図4(b)に示すladderバーコードを印字して、印字物を目視にて、以下の評価基準により評価した。
・評価基準
A:転写でき、シワ・カスレがない。
B:転写できるが、シワ・カスレが僅かに発生している。
C:転写できるが、シワ・カスレが発生している。
NG:転写できない。
(耐アルコール性評価)
実施例および比較例の熱転写シートを用い、上記Zebra社製プリンターを使用し、印字スピード4IPS(inch per second)、印字エネルギー26とし、被転写体として白色のPETラベル(72825、Avery社)を用いて、図4(a)に示すpicketバーコードを印字した。次いで、染色堅ろう度摩擦試験機(FR−2S型、スガ試験機(株))を使用し、イソプロパノール(IPA)を0.5cc染み込ませた綿布を用いて荷重800gで100往復の擦過を行った。
その後、バーコードチェッカー(Quick Check 850、Honeywell社)を用いて、以下の評価基準により耐アルコール性を評価した。なお、擦過前のバーコードチェッカーの評価結果はすべてA判定であることを確認した。
・評価基準
A:擦過後のバーコードチェッカーによる判定結果がA判定である。
B:擦過後のバーコードチェッカーによる判定結果がBまたはC判定である。
C:擦過後のバーコードチェッカーによる判定結果がD判定以下である。
実施例1〜19および比較例1〜5にかかる熱転写シートの特徴と、上記「密着性評価」および「耐アルコール性評価」の結果を以下の表2にまとめる。
Figure 2019006100
10…熱転写シート
1…基材
2…転写層
2a…機能層
2b…接着層
2c…剥離層
3…背面層

Claims (9)

  1. 基材と、前記基材上に設けられた転写層と、を含む熱転写シートであって、
    前記転写層は、少なくとも機能層と接着層とを含む積層構造を有し、
    前記接着層は、前記転写層を構成する各層のうち前記基材から最も遠くに位置し、
    さらに前記接着層は、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂粒子の双方を、接着層の固形分総量に対して、それぞれ10質量%以上含み、かつ前記ポリエステル系樹脂と前記ポリオレフィン系樹脂粒子の合計質量が70質量%以上である、
    ことを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂粒子の重量平均粒子径が0.25μm以上である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記接着層に含まれる前記ポリエステル系樹脂と前記ポリオレフィン系樹脂粒子の合計質量に対する前記ポリエステル系樹脂の質量割合が、20質量%以上80質量%以下である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写シート。
  4. 前記接着層に含まれる前記ポリエステル系樹脂と前記ポリオレフィン系樹脂粒子の合計質量に対する前記ポリエステル系樹脂の質量割合が、50質量%以上80質量%以下である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写シート。
  5. 前記接着層は、テルペン樹脂を、接着層の固形分総量に対して5質量%以上15質量%以下含む、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  6. 前記転写層は、さらに剥離層を含み、
    前記剥離層は、前記転写層を構成する各層のうち前記基材の最も近くに位置し、
    さらに前記剥離層は、融点が100℃以上のワックス、および質量平均粒子径が1μm以下のシリカの少なくとも何れか一方を含み、
    前記剥離層の固形分総量に対する、前記融点が100℃以上のワックスと質量平均粒子径が1μm以下のシリカの合計質量割合が、30質量%以上である、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  7. 前記基材の、前記転写層が設けられていない側の面に背面層が設けられており、
    前記背面層は、離型剤、有機粒子、および無機粒子のうち少なくとも何れか一つを含む、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  8. 前記背面層が積層構造を有し、その一の層に、離型剤、有機粒子、および無機粒子のうち少なくとも何れか一つが含まれている、
    ことを特徴とする請求項7に記載の熱転写シート。
  9. 基材と、前記基材上に設けられた転写層と、を含み、前記転写層が、少なくとも機能層と接着層とを含む積層構造を有する熱転写シートにおける前記接着層を形成するための、接着層形成用塗工液であって、
    前記接着層形成用塗工液は、ポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂粒子の双方を、接着層形成用塗工液に含まれる固形分総量に対して、それぞれ10質量%以上含み、かつ前記ポリエステル系樹脂と前記ポリオレフィン系樹脂粒子の合計質量が70質量%以上である、
    ことを特徴とする接着層形成用塗工液。
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