JP2014198430A - 保護層転写シート - Google Patents

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Kazumasa Maeda
和政 前田
大介 福井
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大介 福井
良正 小林
Yoshimasa Kobayashi
良正 小林
卓 矢部
Suguru Yabe
卓 矢部
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Abstract

【課題】印画物に高い光沢度や、耐久性を付与することができ、かつ、印画物の形成時における転写性保護層の箔切れ性が高い保護層転写シートを提供すること。【解決手段】基材1上に、当該基材から剥離可能な転写性保護層20が設けられた保護層転写シート10であって、転写性保護層20は、2以上の層が積層されてなる積層構成を呈し、転写性保護層20を構成する層のうち、基材1から最も近い位置に配置される基底層2が、ポリエチレンワックス、及び重量平均分子量(Mw)が20000以上40000以下のフェノキシ樹脂を含有しており、転写性保護層20を構成する層のうち、基材1から最も遠い位置に配置される最表面層4が、接着性を有する層である。【選択図】図1

Description

本発明は、保護層転写シートに関する。
従来から、熱転写方式を用いて被転写体に文字や画像を形成することが行われており、熱転写方式としては、大きく、昇華型熱転写方式と溶融型熱転写方式に大別される。昇華型熱転写方式は、昇華性染料を色材とし、それを画像情報に応じて発熱制御されたサーマルヘッドやレーザー光等の加熱デバイスを用いて、熱転写シート上の昇華性染料層中の染料を熱転写受像シート等の被転写体に移行させて画像を形成させる方式である。昇華型熱転写方式において使用される色材は、昇華性染料であることから非常に鮮明であり、且つ透明性に優れているため、中間調の再現性や階調性に優れ、極めて高精細な画像を得ることができる。このような利点から、感熱昇華型転写方式の熱転写技術は、営業写真、パーソナルコンピューター用プリンタ、ビデオプリンタなどに広く用いられている。
しかしながら、上記の昇華型熱転写方式は、印加するエネルギー量によって昇華性染料の移行量を制御できるため、階調性画像の形成に優れているが、形成された画像は通常の印刷インキによるものとは異なり、色材が顔料でなく比較的低分子量の染料であり、且つビヒクルが存在しないため物理的な耐久性に劣るという欠点がある。また、溶融型熱転写法により形成した画像はビヒクルを有しているが、それでも通常の印刷インキで形成した画像と比べると耐久性に劣り、とりわけ耐摩耗性に劣る。
そこで、印画物上に、転写性保護層を有する保護層転写シートを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて転写性保護層を転写させることによって印画物上に転写性保護層を形成する試みが行われている。この転写性保護層は画像に物理的な耐久性を付与することを目的として形成されることから、転写性保護層を構成する層のうち画像上に転写された際に最表面に位置する層には物理的な耐久性が必要とされている。特に、近時、高い光沢感を有する画像に対する要求も高く、この場合には転写後の最表面に位置する層が高い光沢度を有していることが必要となる。
このような状況下、転写性保護層に対する種々な研究がなされており、例えば、特許文献1には、耐溶剤性、耐水性、耐傷性に加え、転写時における箔切れ性の向上を目的として、基材上に、保護層と接着層とをこの順で積層してなる転写性保護層が設けられ、該保護層の主成分がアクリル系樹脂である保護層転写シートが提案されている。また、特許文献2には、耐可塑剤性の向上を課題とし、基材上に転写性保護層を備え、転写性保護層が、基材側からアクリル樹脂を主成分とする層、ポリエステル樹脂を主成分とする層をこの順で積層された2層構成の積層体である保護層転写シートが提案されている。また、光沢度の向上を課題とし、転写後の最表面に位置する層がスチレン−アクリル共重合体を含有する保護層転写シートも提案されている。また、特許文献3には、基材上に、剥離層、保護層が積層された転写性保護層を有し、剥離層がフェノキシ樹脂を含有している保護層転写シートが提案されている。
特開2005−262690号公報 特開2002−240404号公報 特開2012−200950号公報
特許文献1、2に提案されている保護層転写シートは、転写後に最表面に位置する層はアクリル樹脂を主成分とする層となる。しかしながら、アクリル樹脂を主成分とする層は、耐擦過性や、耐引っ掻き性等の物理的な耐久性や、耐可塑剤性には優れるものの、光沢度が不十分であり、高い光沢度が要求される分野に適用することはできない。一方で、スチレン−アクリル共重合体からなる層によれば、一定の光沢度を有することから画像に光沢感を付与することはできるものの、耐擦過性、耐引っ掻き性等の物理的な耐久性は不十分である。つまり、光沢度と耐擦過性はトレードオフの関係であり、高い光沢度を有しつつ、耐擦過性や耐引っ掻き性等の物理的な耐久性に優れた転写性保護層を備えた保護層転写シートの実現は困難とされていた。
特許文献3に提案がされている保護層転写シートは、剥離層、保護層を含む転写性保護層が転写された画像に、高い耐久性や、光沢感を付与することができる点で優れるものの、転写性保護層の箔切れ性の点では改善の余地がある。また、上記耐擦過性と光沢度の関係と同様、箔切れ性と光沢度もトレードオフの関係にあり、箔切れ性を向上させつつ、光沢度を満足させることは、現状困難な状況にある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、印画物に高い光沢度や、耐久性を付与することができ、かつ、転写性保護層の箔切れ性が高い保護層転写シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材上に、当該基材から剥離可能な転写性保護層が設けられた保護層転写シートであって、前記転写性保護層は、2以上の層が積層されてなる積層構成を呈し、前記転写性保護層を構成する層のうち、前記基材から最も近い位置に配置される基底層が、ポリエチレンワックス、及び重量平均分子量(Mw)が20000以上40000以下のフェノキシ樹脂を含有しており、前記転写性保護層を構成する層のうち、前記基材から最も遠い位置に配置される最表面層が、接着性を有する層であることを特徴とする。
また、前記基底層の固形分総量に対する、前記ポリエチレンワックスの含有量が、1質量%以上3質量%以下であってもよい。
また、前記基底層は、ポリエステル樹脂及び/又はポリエステルウレタン樹脂をさらに含有しており、当該基底層の固形分総量に対する、前記ポリエステル樹脂及び/又は前記ポリエステルウレタン樹脂の含有量が、1質量%以上5質量%未満であってもよい。
本発明の保護層転写シートによれば、印画物の表面に高い光沢感や、耐可塑剤性、耐擦過性等の物理的な耐久性を付与することができ、かつ、転写性保護層の箔切れ性を向上させることができる。
本発明の一実施形態の保護層転写シートの概略断面図である。 本発明の一実施形態の保護層転写シートの概略断面図である。
<<保護層転写シート>>
図1、図2に示すように、本発明の保護層転写シート10は、基材1と、当該基材1上に設けられる転写性保護層20とを有しており、転写性保護層20は、基材1から剥離可能に設けられている。また、転写性保護層20は、2以上の層が積層されてなる積層構成を呈している。なお、図1、図2は、本発明の保護層転写シート10の概略断面図であり、図1に示す形態では、基材1上に、当該基材1側から、基底層2、最表面層3がこの順で積層された2層構成の転写性保護層20が設けられている。また、図2に示す形態では、基材1上に、当該基材1側から、基底層2、中間層3、最表面層4がこの順で積層された3層構成の転写性保護層20が設けられている。本発明は、図示する形態に限定されるものではなく、2以上の層が積層されてなる転写性保護層であれば、これ以外の形態の転写性保護層20とすることもできる。例えば、基底層2と、最表面層4との間に、2層以上の任意の層を設けることもできる。
(基材)
本発明の保護層転写シート10に用いられる基材1としては、ある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材1として、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。
(転写性保護層)
図1、図2に示すように、基材1上には転写性保護層20が設けられている。転写性保護層20は、本発明の保護層シート10と後述する被転写体とを重ね合わせ、基材1の転写性保護層20が設けられていない側を、熱転写用のサーマルヘッドを備えたプリンタ等、従来公知の加熱手段により加熱することで基材1から剥離され、画像が形成された被転写体上に転写される層である。以下、画像が形成された被転写体のことを印画物という場合がある。
「基底層」
転写性保護層20を構成する層のうち、基材1から最も近い位置に配置される基底層は、重量平均分子量(Mw)が20000以上40000以下のフェノキシ樹脂を含有している。以下、重量平均分子量(Mw)が20000以上40000以下のフェノキシ樹脂のことを特定フェノキシ樹脂という場合がある。
基底層2は、転写性保護層20を印画物上に転写した時に、当該印画物の最表面に位置する層である。したがって、印画物に耐可塑剤性や、耐擦過性等の物理的な耐久性を付与するためには、基底層2自体が耐久性を有していることが必要である。ここで、基底層2に含有されている特定フェノキシ樹脂は、当該基底層2に、高い光沢度を付与しつつも、耐可塑剤や、耐擦過性等の耐久性を付与することができる特徴を有する。したがって、本発明の保護層転写シート10によれば、この特徴の基底層2によって、印画物に、高い耐久性や、光沢性を付与することができる。
ところで、フェノキシ樹脂を含有する層の耐久性は、フェノキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)と密接的な関係を有しており、重量平均分子量(Mw)が大きいフェノキシ樹脂ほど、当該フェノキシ樹脂を含有する層の耐久性は向上する。したがって、単純に、基底層2の耐久性の向上のみを目的とするのであれば、転写性保護層20には、重量平均分子量(Mw)が40000を超えるフェノキシ樹脂(以下、比較のフェノキシ樹脂と言う場合がある。)が含有されていることが好ましい。
しかしながら、基底層2に含有されているフェノキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)が大きくなるにつれ、当該フェノキシ樹脂を含む転写性保護層の箔切れ性は低下していくことから、特定フェノキシ樹脂にかえて、比較のフェノキシ樹脂を用いた場合には、耐久性の向上を図ることができる一方で、基底層2を含む転写性保護層20の箔切れ性を満足させることができなくなる。
一方、箔切れ性の向上を主眼とする場合には、転写性保護層20には、重量平均分子量(Mw)が小さいフェノキシ樹脂が含有されていることが好ましい。しかしながら、特定フェノキシ樹脂にかえて、基底層に重量平均分子量(Mw)が20000未満のフェノキシ樹脂を含有せしめた場合には、当該基底層を含む転写性保護層の箔切れ性の向上を図ることができる一方で、当該転写性保護層が転写された印画物に耐久性を付与することができなくなる。なお、重量平均分子量(Mw)が20000未満のフェノキシ樹脂を含有する基底層と、重量平均分子量(Mw)が20000以上のフェノキシ樹脂を含有する基底層の箔切れ性を比較すると、重量平均分子量が20000未満のフェノキシ樹脂を含有する基底層の方が、箔切れ性が良好であり、耐久性の向上を目的として、重量平均分子量(Mw)が20000以上との条件を有する特定フェノキシ樹脂を単独で基底層に含有せしめた場合には、耐久性を満足させることができるものの箔切れ性の向上の点で改善の余地が残されることとなる。
この点を考慮した本発明では、基底層2が、上記特定フェノキシ樹脂とともに、ポリエチレンワックスを含有していることを特徴とする。この特徴を有する基底層2によれば、当該基底層2に含有されているポリエチレンワックスの存在によって、基底層2を含む転写性保護層20全体の箔切れ性を向上させることができる。つまり、ポリエチレンワックスは、基底層2の箔切れ性を向上させる役割を果たしている。なお、基底層2に、特定フェノキシ樹脂にかえて、比較のフェノキシ樹脂を含有せしめた場合には、比較のフェノキシ樹脂により基底層2の箔切れ性が低下しすぎてしまい、ポリエチレンワックスを併用して含有せしめたとしても、十分な箔切れ性とするまでには至らない。
つまり、本発明の第1の特徴は、ポリエチレンワックスによる箔切れ性の改善効果を十分に実行せしめるために、フェノキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)の上限値が40000に規定されている点にある。重量平均分子量(Mw)の上限を40000とすることで、使用上問題ないレベルの箔切れ性とすることができる。また、本発明では、フェノキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)が20000以上に規定されていることから、基底層2を含む転写性保護層20に十分な耐久性が付与される。なお、重量平均分子量(Mw)とは、GPCにより測定したポリスチレン換算による重量平均分子量である。
ここで、フェノキシ樹脂によって付与される耐久性についてのみ着目すると、比較のフェノキシ樹脂のみを含有している層の耐久性は、特定フェノキシ樹脂のみを含有している層の耐久性よりも高くなる。しかしながら、本発明では、基底層2の耐久性を、箔切れ性を改善する役割を果たすポリエチレンワックスによって補い、結果として、比較のフェノキシ樹脂のみを含有している層と同等、或いはこれを超える耐久性が、基底層2に付与される。つまり、ポリエチレンワックスは、箔切れ性の改善の役割のほか、耐久性を向上させる役割を果たしており、本発明の第2の特徴は、上記特定フェノキシ樹脂と、ポリエチレンワックスとを組合せることで、箔切れ性を満足させつつも、耐久性を向上させている点にある。
<フェノキシ樹脂>
フェノキシ樹脂は、エポキシ樹脂と同様の原料から製造されるポリヒドロキシポリエーテル樹脂であり、通常のエポキシ樹脂よりも分子量が大きい熱可塑性樹脂である。典型的には、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンから誘導される、下記一般式(I)を繰り返し単位として有する樹脂である。
Figure 2014198430
本発明では、二価フェノール類とエピクロルヒドリンから製造されるビスフェノール型フェノキシ樹脂を好ましく使用することができる。二価フェノール類としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン〔ビスフェノールF〕、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン又は4,4'−ジヒドロキシビフェニル等を挙げることができる。また、フェノキシ樹
脂は、その水酸基の一部がアルキルエステル化又はアルキルエーテル化された樹脂であってもよい。また、フェノキシ樹脂の二種以上を混合して用いてもよい。なお、ビスフェノール型フェノキシ樹脂は、特開2006−104329号公報に記載がされているものを使用することができる。
また、重量平均分子量(Mw)が20000以上40000以下のフェノキシ樹脂として市販品を用いることもできる。重量平均分子量(Mw)が20000以上40000以下のフェノキシ樹脂(ビスフェノールA型)の市販品としては、InChem Corporetion製のPKHA(重量平均分子量25000)や、巴化学(株)製のPKHB(重量平均分子量35000)等をそのまま用いることができる。
また、重量平均分子量(Mw)が、20000以上40000以下との条件を満たせば、上記で例示されるフェノキシ樹脂以外にも、特開平02−106393号公報に記載がされている多官能性シランカップリング剤の部分加水分解物で変性したフェノキシ樹脂や、特開平06−155932号公報に記載がされているフェノキシ樹脂のヒドロキシル基をエステル基・アミド基・エーテル基・シリルエーテル基で封鎖した変性フェノキシ樹脂も使用することができる。
また、基底層2に含有される重量平均分子量(Mw)が20000以上40000以下のフェノキシ樹脂は、その屈折率が1.55〜1.60の範囲内のものが特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が20000以上40000以下であって、かつ屈折率が当該範囲内のフェノキシ樹脂を含有する基底層2によれば、反射光との干渉ムラの発生を効果的に防止することができる。これは、当該屈折率のフェノキシ樹脂を含有する基底層2とすることで、基底層2表面付近での反射光が増加し、透過光が減少することによるものと考えられる。
また、重量平均分子量(Mw)が、20000以上40000以下のフェノキシ樹脂として、フェノキシ樹脂と、他の樹脂との共重合体を用いることもできる。このような共重合体としては、フェノキシ樹脂とアクリル樹脂との共重合体や、フェノキシ樹脂とポリエステル樹脂との共重合体等を挙げることができる。これらフェノキシ樹脂との共重合体と、ポリエチレンワックスとを併せて用いることで、基底層2を含む転写性保護層20を転写する際の箔切れ性、及び耐擦過性等の耐久性をさらに向上させることができる。
共重合比について特に限定はないが、共重合体全体を100としたときに、フェノキシ樹脂と、アクリル樹脂又はポリエステル樹脂との共重合比は、50:50〜100:0程度であることが好ましい。なお、この場合には、フェノキシ樹脂との共重合体の重量平均分子量(Mw)が20000以上40000以下であることを条件とする。
基底層2の固形分総量に対する、特定フェノキシ樹脂の含有量について特に限定はなく、後述するポリエチレンワックスや、任意の成分の含有量に応じて適宜設定することができる。なお、基底層2の固形分総量に対する、特定フェノキシ樹脂の含有量が80質量%未満である場合には、耐可塑剤性や、耐擦過性が低下する傾向にある。したがって、この点を考慮すると、基底層2の固形分総量に対する、特定フェノキシ樹脂の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。上限値について特に限定はないが、特定フェノキシ樹脂の含有量が99質量%を超えると、その分、後述するポリエチレンワックスの含有量が低下し、箔切れ性が低下していく傾向にある。
<ポリエチレンワックス>
基底層2は、上記特定フェノキシ樹脂とともに、ポリエチレンワックスを含有している。特定フェノキシ樹脂とともに、ポリエチレンワックスを含有している基底層2によれば、上記で説明したようにポリエチレンワックスの存在によって、基底層2を含む転写性保護層20の箔切れ性を満足させつつ、特定フェノキシ樹脂のみを含有する層と比較して、耐久性を向上させることができる。
ポリエチレンワックスの平均粒子径について特に限定はないが、1μm以上6μm以下であることが好ましい。なお、本願明細書におけるポリエチレンワックスの平均粒子径とは、平均一次粒子径のことを意味する。
ポリエチレンワックスの形状について特に限定はなく、球状、角状、柱状、針状、板状、不定形状等のあらゆる形態をとることができる。
ポリエチレンワックスとしては、密度が0.94〜0.97のポリエチレンワックス粒子、例えば、ポリエチレンワックスを粒状に微粉末化したものを好適に使用できる。ポリエチレンワックスとしては、高密度または低密度ポリエチレンワックスがあり、低密度ポリエチレンは構造上、エチレン重合体で分岐が存在しているのが多く含まれ、これに対し、高密度ポリエチレンは比較的、ポリエチレンの直鎖状構造を主体に構成されているものである。
ポリエチレンワックスの含有量について特に限定はなく、上記特定フェノキシ樹脂の含有量に応じて適宜設定することができる。なお、基底層2の固形分総量に対する、ポリエチレンワックスの含有量が1質量%未満である場合には、箔切れ性が低下していく傾向にあり、一方、3質量%を超える場合には、それ以上の箔切れ性の向上効果が見込めず、また、ポリエチレンワックスの平均粒子径によっては、基底層2の平滑性が低下し、光沢度が低下する傾向にある。したがって、この点を考慮すると、ポリエチレンワックスは、基底層2の固形分総量に対し、1.0質量%以上3.0質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましい。
<ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂>
また、基底層2は、必須の成分である上記特定フェノキシ樹脂、ポリエチレンワックスに加え、ポリエステル樹脂及び/又はポリエステルウレタン樹脂を含有していることが好ましい。特には、数平均分子量(Mn)が3000以上15000以下のポリエステル樹脂及び/又は数平均分子量(Mn)が10000以上40000以下のポリエステルウレタン樹脂を含有していることが好ましい。ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂は、基底層2における任意の成分である。なお、数平均分子量(Mn)とは、GPCにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量である。
基底層2に、上記必須の成分とともに、ポリエステル樹脂及び/又はポリエステルウレタン樹脂を併せて含有せしめることで、基底層2を含む転写性保護層20の箔切れ性をさらに向上させることができる。
基底層2に、ポリエステル樹脂、及び/又はポリエステルウレタン樹脂を含有させる場合、これらの樹脂は、基底層の固形分総量に対し、1質量%以上5質量%未満の範囲内で含有させることが好ましい。当該範囲内で、ポリエステル樹脂やポリエステルウレタン樹脂を含有させることで、光沢度を低下させることなく、箔切れ性を向上させることができる。なお、ポリエステル樹脂及び/又はポリエステルウレタン樹脂の含有量が、1質量%未満である場合には、これらの樹脂による箔切れ性の向上を見込むことができず、5質量%以上である場合には、その分、基底層2の固形分総量に対する、特定フェノキシ樹脂や、ポリエチレンワックスの含有量が少なくなり、箔切れ性の向上を図ることができる一方で、耐久性や、光沢度が低下する傾向にある。
また、基底層2は、必須の成分である特定フェノキシ樹脂、任意の成分であるポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂とともに、本発明の趣旨を妨げない範囲で、その他の樹脂を含有していてもよい。
上記その他の樹脂としては、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂などを挙げることができる。
また、基底層2に、紫外線吸収剤を含有させることで、転写性保護層20が転写される被転写体上に形成される画像の耐光性、耐候性等を向上させることができる。紫外線吸収剤としては、従来公知の有機系紫外線吸収剤であるサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等を挙げることができる。尚、これらの紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいはアルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入した高分子材料が紫外線吸収性樹脂であり、この紫外線吸収性樹脂から接着層を構成することもできる。
なお、本発明では、基底層2に、特定フェノキシ樹脂が含有されており、当該特定フェノキシ樹脂は、基材1からの離型性に優れることから、基材1上に、基底層2を含む転写性保護層20を直接的に設けた場合であっても、熱転写時に、十分な離型性をもって、転写性保護層20を基材1から剥離することができる。つまり、基底層2には、転写性保護層20の離型性を向上させるための、別途の成分を含有させることを特に要しない。なお、さらなる転写性保護層20の離型性の向上を目的とする場合には、基底層2に各種の離型剤を含有してもよい。
離型剤としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を挙げることができる。離型剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
基底層2に、これら任意の成分を含有せしめる場合には、当該任意の成分は、基底層2の固形分総量に対し、5質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましい。なお、ここで言う任意の成分には、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂は含まれない。
基底層2の形成方法について特に限定はなく、必須の成分である特定フェノキシ樹脂、ポリエチレンワックス、必要に応じて添加される任意の成分を、適当な溶媒に溶解或いは分散させた基底層用塗工液を、基材1、或いは基材1上に任意に設けられる離型層上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗工・乾燥することで形成することができる。
基底層2の厚みについて特に限定はないが、基底層2の厚みが薄すぎる場合には、耐久性を十分に満足させることができない場合があり、一方で、基底層2の厚みが厚すぎる場合には、箔切れ性が低下する場合がある。この点を考慮すると、基底層2の厚みは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
(最表面層)
本発明では、上記基底層2によって転写性保護層20の耐久性を向上させ、かつ、基底層2を含む転写性保護層20の箔切れ性を向上させている。しかしながら、基底層2は、これらの利点を有する一方で、被転写体との接着性(転写性という場合もある。)が低く、基底層2のみからなる転写性保護層とした場合には、被転写体との接着性を満足させることができない。なお、基底層2に接着性を有する成分を含有させることによって、基底層2単独での接着性を満足させることができるようにも考えられるが、基底層2に十分な接着性を付与することができるまで、接着性を有する成分を含有させた場合には、特定フェノキシ樹脂により付与される耐久性が低下していく。
そこで、本発明では、転写性保護層20を構成する層のうち、基材1から最も遠い位置に配置される最表面層として、接着性を有する層が用いられている。なお最表面層4は、基材1から最も遠い位置に配置される層であることから、転写性保護層20を被転写体上に転写した時に、印画物と直接的に接する層となる。
最表面層4は、接着性を有するとの条件を満たすものであればよく、最表面層4中に含有される成分について特に限定はない。
最表面層4の材料としては、従来公知の接着性を有する樹脂を適宜選択して用いることができるが、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等は熱時接着性が良好な点で、最表面層4の材料として好ましい。特には、上記で例示した樹脂の中でもガラス転移温度(Tg)が50℃〜100℃のものがより好ましい。
最表面層4の形成方法について特に限定はなく、接着性を有する樹脂、必要に応じて添加される任意の成分、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等の添加剤を、適当な溶媒に溶解、或いは分散させた最表面層用塗工液を、基底層2、或いは基底層2上に設けられる任意の中間層3上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗工・乾燥することで形成することができる。最表面層4の厚みについても特に限定はないが、0.5μm〜10μm程度が好ましい。
上記では、転写性保護層20が、基底層2と、当該基底層2に設けられる最表面層4の2層構成である場合を中心に説明を行ったが、図2に示すように、基底層2と最表面層4との間に中間層3を設けることもできる。なお、中間層3は、転写性保護層20を構成する任意の層である。以下、任意の中間層3について説明する。
中間層3としては、保護層転写シートの分野で、剥離層、或いは保護層と称される層を適宜選択して用いることができる。中間層3を構成する樹脂成分としては、上記基底層2において「その他の樹脂」として説明した樹脂等を挙げることができる。
また、中間層3は、紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤としては、上記基底層2において説明した紫外線吸収剤をそのまま用いることができる。
基底層2と最表面層4との間に中間層3を設けることで、基底層2中に、特定フェノキシ樹脂や、ポリエチレンワックス以外の成分を含有させることなく、基底層2と中間層3との相乗効果によって、耐久性や、耐光性、耐候性を向上させることができる。また、本実施形態によれば、基底層2中における必須の成分である特定フェノキシ樹脂や、ポリエチレンワックスの含有量の調整幅を広くとることができる点で好ましい。
中間層3は、上記で例示した成分を適当な溶媒に溶解或いは分散させた中間層用塗工液を、基底層2上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の手段により塗工・乾燥することで形成することができる。中間層3の厚みについて特に限定はないが、0.5〜50μm程度が好ましい。
なお、基底層2と最表面層4との間に、中間層3を設ける場合において、最表面層4や、中間層3に含有されている成分によっては、最表面層4、中間層3の各層における箔切れ性が不十分な状態となる場合もある。しかしながら、本発明では、転写性保護層20を構成する基底層2の箔切れ性が向上しており、この基底層2の箔切れ性に追従して、任意の中間層3や、必須の最表面層4の箔切れ性を向上させることができ、転写性保護層20全体の箔切れ性を満足させることができる。
(離型層)
上記では、基底層2に離型剤を含有せしめた例を挙げて説明を行ったが、基材1と転写性保護層20との間に、離型層(図示しない)を設けて、転写性保護層20の離型性を向上させることもできる。基材1と転写性保護層20との間に離型層を設ける構成とした場合には、転写性保護層20の離型性を向上させる役割を離型層によって補うことができる。この構成によれば、基底層2中に離型剤を含有せしめることなく、転写性保護層20の離型性の更なる向上が図られることから、基底層2中における、必須の成分の含有量の調整の幅を広げることができ、特定フェノキシ樹脂や、ポリエチレンワックスによって付与される効果を十分に発揮させることができる。なお、ここで説明する離型層は、熱転写時に基材1側に残存する層であり、転写性保護層20を構成しない層である。
離型層の材料としては、上記で例示した離型剤を適宜選択して用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。離型層の形成方法としては、上記離型剤を溶剤に溶解、或いは分散させた塗工液を、基材1上に、グラビアコーティング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の従来から公知の形成手段により、塗工・乾燥することで形成することができる。離型層の厚みの好ましい一例としては、0.5μm〜5μm程度である。
(背面層)
また、図1、図2に示すように基材1の転写性保護層20を設けた側とは反対の面に背面層5を設けてもよい。背面層5は、本発明の保護層転写シート10における任意の層であるが、背面層5を設けることでサーマルヘッドの滑り性をよくし、かつスティッキングを防止することができる。
背面層5は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。
また、上記した樹脂にポリイソシアネート樹脂等の硬化剤を添加してもよい。硬化剤として機能するポリイソシアネート樹脂としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。このようなポリイソシアネート樹脂は、水酸基含有熱可塑性樹脂をその水酸基を利用して架橋させ、背面層の塗膜強度や耐熱性を向上させることができる。
背面層5には、上記に例示した熱可塑性樹脂に加え、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤を含有させることもできる。
背面層5は、例えば、上記で例示した熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加剤を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1の染料層3の反対側の面上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成することができる。背面層5の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、乾燥時の厚みで0.2μm以上1.5μm以下であることが好ましい。
(熱転写性色材層)
また、本発明の保護層転写シートは、同一基材1上に転写性保護層20と、図示しない熱転写性色材層を面順次に形成することができる。これにより、熱転写プリンタの1ヘッドで、熱転写性色材層と保護層の転写を行い、また熱転写シートの供給部と巻取部のユニットを複数単位で設けることが必要でなくなり、熱転写プリンタの小型化ができ、またプリンタの搬送系が複雑化することがなく好ましい。
熱転写性色材層は熱溶融性インキからなる色材層、あるいは昇華性染料を含む色材層のいずれであってもよい。熱溶融性インキは、着色剤とビヒクルからなり、更に必要に応じて種々の添加剤を加えたものである。着色剤としては、有機または無機の顔料あるいは染料のうち、記録材料として要求される着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。また、加熱により発色するような物質や、被転写体に塗布されている物質と接触することにより発色するような物質を用いることもできる。そして、着色剤は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の他に、種々の色の着色剤を使用することができる。
ビヒクルは、ワックスを主成分とし、その他にワックスと乾性油、樹脂、鉱油、セルロースおよびゴムの誘導体等との混合物が用いられる。また、熱溶融性インキからなる熱転写性色材層には、良好な熱伝導性および溶融転写性を与えるために、熱伝導性物質を含有させることができる。このような熱伝導性物質としては、カーボンブラック等の炭素質物質、アルミニウム、銅、酸化スズ、二硫化モリブデン等が挙げられる。上記の熱溶融性インキを用いて基材フィルム上へ熱転写性色材層を形成する方法としては、ホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の公知の方法が挙げられる。熱溶融性インキからなる熱転写性色材層の塗工量は、要求される印字濃度、熱感度等を考慮して適宜決定することができ、通常、乾燥時で0.1〜30g/m2である。
昇華性染料を含む熱転写性色材層は、バインダー樹脂中に熱移行性の染料を分散あるいは溶解したものである。バインダー樹脂としては、染料と適度の親和性があり、且つサーマルヘッドによる加熱により、バインダー樹脂中の染料が昇華(熱移行)して被転写体に転写するものがよく、また加熱されてもバインダー樹脂そのものは転写しないものを使用する。このようなバインダー樹脂として使用される樹脂としては、例えばエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸・酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。
また、熱転写性色材層中に含まれる染料の割合は、染料の昇華(溶融)温度、染着性等によって変るが、上記バインダー樹脂100質量部に対して30質量部以上が好ましく、更に好ましくは、30から300質量部である。染料が30質量部未満であると印字濃度や熱感度が低く、また300質量部を超えると保存性や熱転写性色材層の基材フィルムへの密着性が低下する。
熱転写性色材層で使用する染料は、熱により溶融、拡散もしくは昇華して、被転写体に移行する染料であって、特に分散染料が好ましく用いられる。染料は昇華(溶融)性、色相、耐光性、バインダー樹脂への溶解性等を考慮して選択する。これらの染料としては、例えばジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等のものが挙げられる。
染料層である熱転写性色材層を基材上に設ける方法について特に限定はなく、例えば、染料及びバインダー樹脂を溶剤とともに溶解もしくは分散して熱転写性色材層用インキ組成物を調製し、これを公知の印刷方法または塗工方法から適宜選択した方法により基材1上に設ければ良い。染料層の塗工量は、乾燥時で0.2〜5.0g/m2
好ましくは0.4〜2.0g/m2の厚さが適当である。
上記に説明した熱転写性色材層は、1つの熱転写式色材層を基材1上に設けることとしてもよく、2つ以上の異なる色相の熱転写性色材層を基材1上に面順次に形成することとしてもよい。特に、基材1上に昇華性染料を含む熱転写性色材層として、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層を面順次に形成して、フルカラー写真画像に匹敵する高品質の熱転写画像を形成し、かつフルカラーの熱転写画像における各色相間で印画長のズレを防止した、鮮明な画像を形成することが好ましい。尚、黒色の文字やパターンの熱転写画像の場合、上記の染料層のイエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の3色を重ねて、黒色を得ることは可能であるが、カーボンブラックの着色剤を使用した黒色の熱溶融性インキからなる色材層を基材シートに追加して、設けることが好ましい。これにより、黒色濃度が高く、鮮明な画像を得ることが出来る。
(被転写体)
本発明の保護層転写シート10の転写に使用可能な被転写体としては、特に限定されず、例えば、従来公知の基材上に染料受容性を有する受容層を設けたもの等を挙げることができる。被転写体における基材としては、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム等を挙げることができ、その基材について特に限定されない。上記被転写体における受容層は、コーティング法、サーマルヘッドや熱ロール等による形成法等にて形成することができる。なお、被転写体は、基材自体が染料受容性を有していれば、受容層を有している必要はない。
(転写方法)
本発明の保護層転写シート10を用い熱転写法にて転写性保護層20(必要に応じて熱転写性色材層)を転写して被転写体上に画像形成を行う場合、熱転写プリンタを、昇華転写用、熱溶融転写用、保護層転写用というように別々に転写条件を設定してもよいし、また、共通のプリンタでそれぞれ印字エネルギーを適切に調整して行ってもよい。また、加熱手段として特に限定されず、その他、熱板、ホットスタンパー、熱ロール、ラインヒーター、アイロンなどを用いて転写を行うこととしてもよい。
以上、本発明の保護層転写シートについて詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、重量平均分子量(Mw)が20000以上40000以下のフェノキシ樹脂とともに、本発明の趣旨を妨げない範囲で、重量平均分子量(Mw)が40000を超えるフェノキシ樹脂や、20000未満のフェノキシ樹脂を併用して用いることもできる。
次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、文中の「部」は特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
基材として、厚さ5μmのPETフィルムを用い、該基材の一方の面上に、下記組成の剥離層用塗工液1を乾燥時1.0g/m2になるように塗工して剥離層(基底層)を形成した。次いで、剥離層上に、下記組成の接着層用塗工液を乾燥時0.8g/m2になるように塗工して接着層(最表面層)を形成した。また、基材の他方の面上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時0.4g/m2になるように塗工して背面層を形成して、実施例1の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液1>
・フェノキシ樹脂(重量平均分子量(Mw);25000) 14.2部
(PKHA 巴工業(株)))
・ポリエチレンワックス(固形分10%) 2.8部
(T−10P−2 (株)岐阜セラツク)
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 83.0部
(接着層用塗工液)
・ポリエステル樹脂 20部
(バイロン200 東洋紡(株))
・紫外線吸収剤共重合樹脂 10部
(UVA−635L BASF社製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80部
<背面層用塗工液>
・ポリビニルアセタール 60.8部
(エスレック KS−1 積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 4.2部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)製)
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 10部
(ポリワックス3000 東洋ペトロライト(株)製)
・メチルエチルケトン 200部
・トルエン 100部
(実施例2)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液2を使用した以外、すべて実施例1と同様として実施例2の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液2>
・フェノキシ樹脂(重量平均分子量(Mw);25000) 13.9部
(PKHA 巴工業(株)))
・ポリエチレンワックス(固形分15%) 1.9部
(X−7019 (株)岐阜セラツク)
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 84.2部
(実施例3)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液3を使用した以外、すべて実施例1と同様として実施例3の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液3>
・フェノキシ樹脂(重量平均分子量(Mw);25000) 14.2部
(PKHA 巴工業(株)製))
・ポリエチレンワックス(固形分10%) 2.8部
(T−10P−2 (株)岐阜セラツク製)
・ポリエステル樹脂(数平均分子量(Mn);3000) 0.5部
(バイロン220 東洋紡(株))
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 82.5部
(実施例4)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液4を使用した以外、すべて実施例1と同様として実施例4の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液4>
・フェノキシ樹脂(重量平均分子量(Mw);25000) 13.9部
(PKHA 巴工業(株)製))
・ポリエチレンワックス(固形分10%) 2.8部
(T−10P−2 (株)岐阜セラツク製)
・ポリエステルウレタン樹脂(数平均分子量(Mn);16000) 0.9部
(UR1700(固形分30%) 東洋紡(株))
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 82.4部
(実施例5)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液5を使用した以外、すべて実施例1と同様として実施例5の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液5>
・フェノキシ樹脂(重量平均分子量(Mw);25000) 14.2部
(PKHA 巴工業(株)製))
・ポリエチレンワックス(固形分10%) 2.8部
(T−10P−2 (株)岐阜セラツク製)
・ポリエステル樹脂(数平均分子量(Mn);15000) 0.5部
(バイロン240 東洋紡(株))
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 82.5部
(実施例6)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液6を使用した以外、すべて実施例1と同様として実施例6の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液6>
・フェノキシ樹脂(重量平均分子量(Mw);35000) 15.2部
(PKHB 巴工業(株)製))
・ポリエチレンワックス(固形分10%) 3.04部
(T−10P−2 (株)岐阜セラツク製)
・ポリエステル樹脂(数平均分子量(Mn);15000) 0.8部
(バイロン240 東洋紡(株))
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 84部
(実施例7)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液7を使用した以外、すべて実施例1と同様として実施例7の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液7>
・フェノキシ樹脂(重量平均分子量(Mw);35000) 15.2部
(PKHB 巴工業(株)製))
・ポリエチレンワックス(固形分10%) 3.04部
(T−10P−2 (株)岐阜セラツク製)
・ポリエステルウレタン樹脂(数平均分子量(Mn);16000) 0.8部
(UR1700(固形分30%) 東洋紡(株))
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 84部
(比較例1)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液Aを使用した以外、すべて実施例1と同様として比較例1の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液A>
・フェノキシ樹脂(重量平均分子量(Mw);25000) 15部
(PKHA 巴工業(株)製))
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 85部
(比較例2)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液Bを使用した以外、すべて実施例1と同様として比較例2の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液B>
・フェノキシ樹脂(重量平均分子量(Mw);35000) 15部
(PKHB 巴工業(株)製))
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 85部
(比較例3)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液Cを使用した以外、すべて実施例1と同様として比較例3の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液C>
・アクリル樹脂 15部
(MB7333 三菱レイヨン(株)製)
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 85部
(比較例4)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液Dを使用した以外、すべて実施例1と同様として比較例4の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液D>
・フェノキシ樹脂(重量平均分子量(Mw);25000) 14.7部
(PKHA 巴工業(株)製))
・シリコーン樹脂微粒子 0.3部
(トスパール145 モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 85部
(比較例5)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液Eを使用した以外、すべて実施例1と同様として比較例5の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液E>
・フェノキシ樹脂(重量平均分子量(Mw);25000) 14.7部
(PKHA 巴工業(株)製))
・シリコーン樹脂微粒子 0.3部
(トスパール2000B モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 85部
(比較例6)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液Fを使用した以外、すべて実施例1と同様として比較例6の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液F>
・フェノキシ樹脂(重量平均分子量(Mw);43000) 15部
(PKHC 巴工業(株)製))
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 85部
(比較例7)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液Gを使用した以外、すべて実施例1と同様として比較例7の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液G>
・フェノキシ樹脂(重量平均分子量(Mw);43000) 14.2部
(PKHC 巴工業(株)製))
・ポリエチレンワックス 2.8部
(T−10P−2 (株)岐阜セラツク製)
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 83部
(比較例8)
剥離層用塗工液1にかえて下記組成の剥離層用塗工液Hを使用した以外、すべて実施例1と同様として比較例8の保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液H>
・スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量(Mw);25000) 14.2部
(MB7668 三菱レイヨン(株)製))
・ポリエチレンワックス 2.8部
(T−10P−2 (株)岐阜セラツク製)
・トルエン/メチルエチルケトン(質量比1:1) 83部
(光沢度評価)
昇華型熱転写プリンタ(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)と、該プリンタ専用インクリボンを用い、下記のように作製した熱転写受像シート上に、最大エネルギーを印加し黒ベタ画像を印画した。次いで、各実施例、及び比較例の保護層転写シートを用い、同一プリンタにより、上記画像上に転写性保護層を転写し、各実施例、及び比較例の印画物を得た。この黒ベタ画像上の光沢度を、光沢度計(Gloss meter VG2000(日本電色(株)製)を用いて測定(測定入射角;20°、測定方向;MD(主走査方向))し以下の評価基準により光沢度評価を行った。評価結果を表1に示す。
(熱転写受像シートの作製)
微細空隙層の39μm厚のミクロボイドフィルムの一方の面に、下記組成からなる接着剤層形成用塗工液を塗布し、乾燥させて接着剤層を形成した。次いで、後記する形成条件により、コート紙(186g/m2)の一方の面に裏面層を設けた支持体と、ミクロボイドフィルムとを、支持体の裏面層を設けた側と反対側の面と接着剤層とが重なるように貼り合わせた。
<接着剤層形成用塗工液>
・多官能ポリオール 30.0部
(タケラックA−969V、三井化学(株)製)
・イソシアネート 10.0部
(タケネートA−5、三井化学(株)製)
酢酸エチル 60.0部
続いて、ミクロボイドフィルムの接着剤層を設けた面とは反対側の面に、下記組成のプライマー層形成用塗工液を、乾燥塗布量が2.0g/m2となるようにワイヤーバーコーティングにより塗布し、乾燥させてプライマー層を形成した。
<プライマー層形成用塗工液>
・ポリエステルポリオール 15.0部
(アドコート、東洋モートン(株)製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比2:1) 85.0部
形成したプライマー層上に、下記組成からなる染料受容層形成用塗工液を、乾燥塗布量が4.0g/m2となるようにワイヤーバーコーティングにより塗布し、乾燥させて染料受容層を形成することにより、熱転写受像シートを得た。
<染料受容層形成用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(塩化ビニル/酢酸ビニル=87/13、数平均分子量31,000、ガラス転移温度70℃) 20.0部
(ソルバインC、日信化学工業(株)製)
・カルボキシル変性シリコーン 1.0部
(X−22−3701E、信越化学工業株式会社製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 79.0部
<評価基準>
○・・・黒ベタ部の光沢度が70以上。
△・・・黒ベタ部の光沢度が60以上70未満。
×・・・黒ベタ部の光沢度が60未満。
(耐擦過性評価)
上記光沢度評価と同様にして、被転写体上に黒ベタ画像を形成し、該黒ベタ画像上に、各実施例、及び各比較例の保護層転写シートを用いて転写性保護層を転写し印画物を形成した。この印画物を2cm幅に切りだし、該印画物上に試験布(かなきん3号)を介して300gの重りを置き10往復させたときの表面状態を目視で確認し、以下の評価基準により耐擦過性評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
◎・・・印画物に影響が見られない。
○・・・印画物に僅かな傷が見られるが使用上問題ないレベルである。
△・・・印画物に使用に影響を及ぼす程度の傷が見られる。
×・・・印画画像を判別できない傷が見られる。
(耐可塑剤性評価)
上記耐擦過性評価と同様にして、被転写体上に黒ベタ画像を形成し、該黒ベタ画像上に各実施例、及び各比較例の保護層転写シートを用いて転写性保護層を転写し印画物を形成した。次いで、5cm×5cmに切り出した各実施例、及び各比較例の印画物と、塩化ビニルシート(三菱化学(株)製、アルトロン♯480、厚み400μm)とを重ね合わせ、1000gの荷重を掛けて50℃の環境に24時間保存し、保存後、塩化ビニルシートを印画物から剥がして印画物の画像が塩化ビニルシートに移行しているか、目視で確認し、以下の評価基準により耐可塑剤性の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
○・・・塩化ビニルシートへの画像の移行が全く認められない。
×・・・塩化ビニルシートへの画像の移行が全体にわたって認められる。
(箔切れ性評価)
上記耐擦過性評価と同様にして、被転写体上に黒ベタ画像を形成し、この画像上に各実施例、及び各比較例の保護層転写シートを用いて転写性保護層を転写し、この際の剥離層の残り具合を目視で確認し、以下の評価基準により箔切れ性評価を行った。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
◎・・・目視上確認できる尾引きが生じていない。
○・・・1mm以下の尾引きが生じているが、使用上問題ないレベルである。
△・・・1〜2mm程度の尾引きが生じている、使用上問題ないレベルである。
×・・・1〜5mm程度の尾引きが生じている。
××・・5mmを超える尾引きが生じている。
Figure 2014198430
10 保護層転写シート
1 基材
2 基底層
3 中間層
4 最表面層
5 背面層
20 転写性保護層

Claims (3)

  1. 基材上に、当該基材から剥離可能な転写性保護層が設けられた保護層転写シートであって、
    前記転写性保護層は、2以上の層が積層されてなる積層構成を呈し、
    前記転写性保護層を構成する層のうち、前記基材から最も近い位置に配置される基底層が、ポリエチレンワックス、及び重量平均分子量(Mw)が20000以上40000以下のフェノキシ樹脂を含有しており、
    前記転写性保護層を構成する層のうち、前記基材から最も遠い位置に配置される最表面層が、接着性を有する層であることを特徴とする保護層転写シート。
  2. 前記基底層の固形分総量に対する、前記ポリエチレンワックスの含有量が、1質量%以上3質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の保護層転写シート。
  3. 前記基底層は、ポリエステル樹脂及び/又はポリエステルウレタン樹脂をさらに含有しており、
    当該基底層の固形分総量に対する、前記ポリエステル樹脂及び/又は前記ポリエステルウレタン樹脂の含有量が、1質量%以上5質量%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の保護層転写シート。
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