JP2008119987A - ラミネート印刷物の作製方法およびこれに用いる熱転写インクリボン - Google Patents

ラミネート印刷物の作製方法およびこれに用いる熱転写インクリボン Download PDF

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Abstract

【課題】ラミネートフィルムを使って、印刷被着体をラミネートすることにより熱転写プリンタで印刷された印刷物を得る場合に、印刷被着体の表面が凹凸であったとしても、印刷被着体の材質が熱転写印刷に不適切な材質であったとしても、コストアップとなる熱転写プレプリントインクリボンを使用しないで、ラミネートされた印刷物のカラー画像が鮮明であり、耐擦過性の高い印刷物を作製する方法を提供するものである。
【解決手段】ラミネートフィルムの接着層面に熱転写プリンタと熱転写インクリボンにて画像を印刷し、その後印刷被着体に前記作製のラミネートフィルムの画像面を重ね合わせてラミネートすることにより印刷物を作製する方法において、ラミネートフィルムの接着層の主成分がエポキシ樹脂であることを特徴とするラミネート印刷物の作製方法である。

【選択図】 なし

Description

印刷物の耐久性を確保するため、印刷物にラミネートフィルムをラミネートすることが知られている。このラミネートされた印刷物を熱転写技術により作製する分野に関する。
印刷物の耐久性を確保するため、印刷被着体に印刷された印刷物にラミネートフィルムを被せて加熱、加圧してラミネートすることが知られている。従来の方法では、熱転写プリンタ、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ等の印刷機を用いて、印刷被着体に印刷し、その後その印刷被着体にラミネートを施して印刷物を作製していた。(特許文献1,2)この方法で印刷被着体にラミネートする場合、印刷被着体の表面の凹凸等の影響により、印刷された画像品質が大きく変動していた。さらに印刷を熱転写プリンタで行う場合、この影響は大きなものであった。つまり、印刷被着体は、精細な画像を得るためには、予め専用の印刷被着体を用意する必要があった。
特許文献3には、融点が40〜200℃の単層の中間転写媒体に熱転写プリンタで画像を印刷し、この画像面と印刷被着体を重ね合わせて中間転写媒体自身を加熱加圧して、融着させて印刷物を作製する方法が記載されている。この方法では、印刷被着体がラフな表面を持つものにも画像記録できる印刷物を得ることできると記載されている。しかし、中間転写媒体は、ある程度の厚みが必要とされ且つ、ワックスおよびまたは樹脂からなる融点が40〜200℃と比較的低いものであるため、印刷被着体との融着時に中間転写媒体が揺らぎ、画像が歪む問題を有していた。また、中間転写媒体の融点が低いことから、中間転写媒体自身にキズが付きやすく、耐擦過性は高いものではなかった。
この問題に対して、本発明者らは、特許文献4でラミネートフィルムに熱転写プリンタで画像を印刷した後に、印刷被着体にラミネートして印刷物を作製する方法を提供した。
この方法において、印刷が単色の印刷では良好な画像の印刷物を得ることができたが、フルカラー画像のような複数のカラーの熱転写インクリボンを重ねて熱転写する場合に、カラー画像が鮮明に印刷されない欠点があった。
この欠点に対して、特許文献5でラミネートフィルムに画像を印刷する前に熱転写プレプリントインクリボンをラミネートフィルムに当てて透明熱軟化性インク層を熱転写した後にカラー熱転写インクリボンを重ね転写した上で、印刷被着体にラミネートして印刷物を作製する方法を提供して欠点を解消した。
しかしながら、この方法では、新たに熱転写プレプリントリボンを用意する必要があったり、プリンタ装置が複雑になりコストアップになる要因が発生した。
特開平08−39946号公報 特開2002−67504号公報 特許2552116号公報 特願2006−252209号公報 特願2006−253636号公報
ラミネートフィルムを使って、印刷被着体をラミネートすることにより熱転写プリンタで印刷された印刷物を得る場合に、印刷被着体の表面が凹凸であったとしても、印刷被着体の材質が熱転写印刷に不適切な材質であったとしても、コストアップとなる熱転写プレプリントインクリボンを使用しないで、ラミネートされた印刷物のカラー画像が鮮明であり、耐擦過性の高い印刷物を作製する方法を提供するものである。さらにこの熱転写プリンタで使用する熱転写インクリボンを提供するものである。
第1発明は、ラミネートフィルムの接着層面に熱転写プリンタと熱転写インクリボンにて画像を印刷し、その後印刷被着体に前記作製のラミネートフィルムの画像面を重ね合わせてラミネートすることにより印刷物を作製する方法において、ラミネートフィルムの接着層の主成分がエポキシ樹脂であることを特徴とするラミネート印刷物の作製方法である。
第2発明は前記熱転写インクリボンの着色熱軟化性インク層の主成分が、エポキシ樹脂と着色剤である。
印刷被着体の品質に影響されず、ラミネートされた鮮明なカラー画像の印刷物を得ることが出来る。
本発明に用いるラミネートフィルムは、基材上に接着剤を塗布して接着層を設けた構成をとるものである。基材としては、OPP,PE,PET等の透明フィルムが一般的で基材厚みは、10〜100μmが好ましく用いられる。好ましくは、10〜30μmが用いられる。また、接着剤は、エポキシ樹脂を主成分として用いる。エポキシ樹脂以外の成分は、熱可塑性樹脂が使用できる。熱可塑性樹脂として、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール誘導樹脂、エチレン共重合樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、酢ビ樹脂等が挙げられる。塗布厚みとしては、3〜30μm程度が好ましい。さらに好ましくは、5〜20μmの範囲とする。また、接着剤の軟化点は、50〜200℃の範囲とする。ラミネート後のカール防止等から120℃以下が好ましい。50℃未満であると、ラミネートフィルム同士のブロッキングの問題が発生してくる。200℃を超えると基材が変形する恐れがある。
エポキシ樹脂を主成分とすることで、熱転写インクリボンの着色層熱軟化性インク層の転写性が良好となる。また、印刷被着体にラミネートする際にラミネートの定着が良好となる。特に、印刷被着体が紙の場合でもラミネートが良好となる。
次に熱転写インクリボンについて説明する。熱転写インクリボンの構成としては、耐熱層を裏面側に施した基材上に着色熱軟化性インク層を設けたものを用いる。基材としては、各種耐熱フィルムが使用できるが、コスト、強度のバランスからPETフィルムが好ましい。基材の厚みは、2〜12μmの範囲のものが使用でき、特に2.5〜6μmが強度と熱伝導性から好ましい。着色熱軟化性インクは、熱可塑性樹脂と着色剤を主成分としたものである。熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール誘導樹脂、エチレン共重合樹脂、酢ビ樹脂等が使用可能である。着色熱軟化性インクの軟化点は、60〜160℃の範囲とする。さらに好ましい軟化点は、60〜100℃の範囲である。また、特に印刷被着体が紙の場合、好ましい熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂である。エポキシ樹脂と着色剤を主成分とする着色熱軟化性インクは、ラミネートフィルムへの熱転写性が良好であると同時に紙へのラミネートが良好となる。
着色熱軟化性インク層には、熱転写感度の調整のためにワックス類を配合してもよい。ワックス類としては、木ろう、蜜ろう、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、セレシンワックスなどの天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス;酸化ワックス、エステルワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合ワックスなどの合成ワックス;高級脂肪酸として、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸;高級アルコールとして、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール;高級脂肪酸エステルとして、高級脂肪酸モノグリセリド、ショ糖の脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル;高級エーテルとして、ジステアリルエーテル;高級脂肪酸アミドとして、ステアリン酸アミド、オレイルアミドなどが挙げられる。これらのワックス類を1種または2種以上が使用できる。
着色剤は、熱転写記録媒体の分野で通常使用される顔料、染料を用いることができる。着色剤の着色熱軟化性インク層中の含有量は、30〜70重量%の範囲が好ましい。着色熱軟化性インク層の厚みは、0.2〜10μmが使用可能である。0.2〜1.0μmが特に好ましい。前記範囲未満であると印刷濃度が得られにくい。前記範囲を超えると印刷解像度が得られにくい。
また、ブロッキング防止のために粒子成分、滑材成分を添加しても良い。この他、印刷感度の点から着色熱軟化性インク層の上に接着層を設けても良い。同じく印刷感度の点から基材と着色熱軟化性インク層の間に離型層を設けても良い。接着層、離型層には、上記着色熱軟化性インクで挙げた熱可塑性樹脂を主成分として用いることができる。離型層には、ラミネート時表面となるため、エポキシ樹脂を用いることが特に好ましい。また、離型層には、剥離調整剤として滑材等を配合してもよい。滑材としては、前記ワックス類が挙げられる。
第1発明の印刷物は、まず前記のラミネートフィルムの接着層面に熱転写プリンタと熱転写インクリボンを用いて、画像を印刷する。画像は、黒色インクリボンのみを用いたモノクロ画像であっても、3原色のインクリボンを用いたフルカラー画像であってもよい。接着層の表面は、フラットなので熱転写画像は常に精細な画像を得ることが出来る。次に印刷被着体にラミネートフィルムの画像面を重ね合わせて、ラミネートすることにより印刷物を得ることができる。ラミネートする際の加熱温度は、80〜200℃の範囲が好ましい。通常2本のホットロールの間にこれらの物を通すことによってラミネートすることができる。このようにしてできた印刷物は、印刷被着体の表面が凹凸に荒れていても、最初に熱転写した画像の精細さは損なわれることがない。
印刷被着体としては、PPC用紙、上質紙、コート紙、葉書などの紙類やプラスチックシート、プラスチックカード等が使用できる。
1、熱転写インクリボンの作製
基材として、4.5μm厚みのPETフィルムの裏面に耐熱層を施したものを用意する。耐熱層の反対面の基材に表1の着色熱軟化性インク1〜3を塗布乾燥して厚み0.8μmの着色熱軟化性インク層を設けて熱転写インクリボン1〜3毎に4色のリボンを作製し、合計12のリボンを作製した。
表1 着色熱軟化性インク層の塗工液 (重量%)
Figure 2008119987
*:着色顔料は、シアン(フタロシアニンブルー)、マゼンタ(キナクリドンマゼンタ)、イエロー(イソインドリノンイエロー)、ブラック(カーボンブラック)の4色を別個に使用した。
2.ラミネートフィルムの作製
厚み15μmのOPPフィルムの上に、表2の接着層塗工液を塗布乾燥して、厚み8μmの接着層を設けてラミネートフィルム1〜3を作製した。
表2 接着層塗工液 (重量%)
Figure 2008119987
3.印刷物の作製
印刷被着体として、PPC用紙、上質紙、キャストコート紙の3種類のものを用いた。熱転写プリンタは、テスト熱転写プリンタで600dpi解像度のものを使用した。ラミネータは、大成製TP600A2を使用した。ラミネート温度は、110℃とした。画像は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のリボンによるフルカラー画像を重ね熱転写印刷して形成した。熱転写リボン1〜3(各4色のリボン使用)を用いて、ラミネートフィルム1〜3にフルカラー画像を印刷した。ラミネートフィルムと熱転写リボンとの組み合わせは、表3の通りである。その後、ラミネートフィルムの画像面と印刷被着体を重ねてラミネートして実施例1、比較例1〜3の印刷物を作製した。
3.評価方法
下記の評価方法にて評価した。評価結果は、表3の通りであった。
(1) 印刷性
熱転写印刷したカラー画像の精細さを目視で確認した。
○:高精細なカラー画像が得られた。
△:色重ねにより感度差が僅かにでて、高精細なカラー画像が得られない。
×:色重ねにより感度差が出て、良好なカラー画像が得られない。
(2) ラミネート定着性
ラミネートした後のラミネートフィルムの定着性を目視で確認した。
○:完全に定着する。
△:定着するが剥がすとすぐに剥がれる。
×:定着しない。
表3 評価結果
Figure 2008119987

Claims (2)

  1. ラミネートフィルムの接着層面に熱転写プリンタと熱転写インクリボンにて画像を印刷し、その後印刷被着体に前記作製のラミネートフィルムの画像面を重ね合わせてラミネートすることにより印刷物を作製する方法において、ラミネートフィルムの接着層の主成分がエポキシ樹脂であることを特徴とするラミネート印刷物の作製方法。
  2. 前記熱転写インクリボンの着色熱軟化性インク層の主成分が、エポキシ樹脂と着色剤であることを特徴とする熱転写インクリボン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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