JP5773047B2 - 熱転写シート - Google Patents
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Description
本発明は上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、その目的は、印字性が良好でありながら、印字物の耐ボイル性が優れた熱転写シートを提供することにある。
前記転写性保護層は、ガラス転移温度が100℃以上の環状オレフィン系重合体を当該転写性保護層の固形分の50質量%超過で含み、更に当該環状オレフィン系重合体に対する非相溶性樹脂を含み、
前記転写性着色層は、着色剤と、軟化点100℃以上のフェノール樹脂とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、前記転写性着色層のバインダー樹脂として、軟化点100℃以上のフェノール樹脂を含み、且つ、転写性保護層は、主成分が、ガラス転移温度が100℃以上の環状オレフィン系重合体で、更に当該環状オレフィン系重合体に対する非相溶性樹脂を含むことにより、印字性が良好でありながら、印字物の耐ボイル性が優れた熱転写シートを提供することが可能になる。
この場合においては、前記軟化点100℃以上のフェノール樹脂の水酸基に対する、前記脂肪族ポリイソシアネートのアダクト体のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が0.05〜0.5であることが、印字物の耐ボイル性を向上する点から更に好ましい。
この場合においては、前記金属石鹸の含有量が、前記転写性剥離層に含まれる全固形分に対して15〜40質量%であることが、印字物の耐ボイル性、及び印字性に優れる点から更に好ましい。
また、この場合においては、前記金属石鹸が、ステアリン酸亜鉛であることが、印字物の耐ボイル性を向上する点から更に好ましい。
この場合においては、前記転写性着色層が、その表面に前記無機フィラーに起因する凸部を有することが、耐ブロッキング性に優れる点から好ましい。
また、前記無機フィラーがJIS−M8016で規定される白色度が50%以上の無機フィラーであることが色調整が容易な点から好ましい。
また、前記無機フィラーが金属硫酸塩であることが耐ブロッキング性及び印字物の耐ボイル性に優れる点から更に好ましい。
前記転写性保護層は、ガラス転移温度が100℃以上の環状オレフィン系重合体を主成分として含み、更に当該環状オレフィン系重合体に対する非相溶性樹脂を含み、
前記転写性着色層は、着色剤と、軟化点100℃以上のフェノール樹脂とを含む、熱転写シートである。
本発明に係る熱転写シートが上記効果を奏するメカニズムは解明できていないが、以下のように推定される。フェノール樹脂は、包装材として用いられるプラスチックフィルムに対する密着性が良好で、印字性を向上する。また、軟化点100℃以上のフェノール樹脂を用いることにより、非常に細かい文字パターンの転写も良好になり、例えば、解像度が300dpiのサーマルヘッドで1ドットの文字パターンの印字性にも優れる。更に、フェノール樹脂として、軟化点100℃以上のフェノール樹脂を選択することにより、印字物に優れた耐熱性を付与する。本発明の熱転写シートを用いて印字すると、当該転写性着色層上に、ガラス転移温度が100℃以上の環状オレフィン系重合体を主成分として含む転写性保護層が積層して転写され、印字物の表面には当該転写性保護層が配置される。当該転写性保護層は、主成分としてガラス転移温度が100℃以上の環状オレフィン系重合体を含み、当該環状オレフィン系重合体は、極性が低く嵩高い脂環構造を繰り返し単位の主鎖に含むことから、耐熱性及び耐水性に優れ、煮沸した熱湯中での耐ボイル性に優れる。ここで、当該環状オレフィン系重合体のみでは、転写性保護層の膜切れ性が不十分になり印字性が劣るが、本発明の転写性保護層は、環状オレフィン系重合体を主成分として含み、更に当該環状オレフィン系重合体に対する非相溶性樹脂を含む。そのため、本発明の転写性保護層は、環状オレフィン系重合体の連続層(海)中に非相溶性樹脂の不連続層(島)を有する海島構造が形成されることにより、膜切れ性が良好になり、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と組み合わせることにより、良好な印字性が得られる。
また、本発明の熱転写シートによる印字物は、上記特定の転写性保護層を用いたことにより、耐擦傷性が高くなることが明らかにされた。転写性保護層に用いられたガラス転移温度が100℃以上の環状オレフィン系重合体は塗膜強度が高いため、耐擦傷性が高くなると推定される。
また、ガラス転移温度が100℃以上の環状オレフィン系重合体を含む転写性保護層と、軟化点100℃以上のフェノール樹脂とを含む転写性着色層とが積層されていることによって、層間の密着性が高くなっており、これによって耐ボイル性や耐擦傷性がさらに高まっているものと推定される。
図2は本発明の熱転写シートの他の一例を示す。図2の熱転写シート10は、基材1の一方の面に、剥離層5、転写性保護層2、転写性着色層3がこの順で設けられ、基材1の他方の面に背面層4が設けられた構成である。
以下、本発明の熱転写シートを構成する各層毎に詳述する。
本発明で用いる熱転写シートの基材1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されない。
基材の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンサルフィド、ポリサルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー等の樹脂基材、及びグラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、セロファン等があり、また、これらの2種以上を積層した複合基材なども使用できる。また、上記樹脂基材の場合は、上述の樹脂1種のみからなるものであってもよいし、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。
これらの基材の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜変更すれば良いが、通常は0.5〜50μm程度が好ましく、より好ましくは1〜10μm程度である。
本発明の熱転写シートは、図1及び図2に示すように、印字物の耐ボイル性を優れたものとするために、基材1と転写性着色層3との間に、転写性保護層2を設ける。転写性保護層は、熱転写時に転写性着色層3と共に転写され、転写画像の表面を被覆するものである。
本発明に用いられる環状オレフィン系重合体は、具体的には、環状オレフィンが開環重合した環状オレフィン系重合体又は共重合体であってもよく、環状オレフィンと、鎖状オレフィン及びビニル基を有する芳香族化合物より選択される1種以上とが付加重合した環状オレフィン系共重合体であってもよく、それらの一部又は全部が水素添加されていてもよい。環状オレフィン系重合体において、環状オレフィンは、単独で使用するほか、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
共重合のタイプは本発明において制限されるものではなく、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互共重合等、公知の様々な共重合タイプを適用することができる。
誘導体が有する置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基、シアノ基、ハロゲン化アルキル基などが例示できる。誘導体としては、具体的には例えば、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
上記鎖状オレフィン及び上記ビニル基を有する芳香族化合物は、単独で使用するほか、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
一方、環状オレフィン系重合体のガラス転移温度(Tg)は200℃以下であることが、印字感度の点から、好ましい。ガラス転移温度が高すぎると、熱応答性が妨げられるからではないかと推測される。
なお、本発明におけるガラス転移温度(Tg)とは、DSC(示差走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求められる温度である。
市販品の付加重合型の環状オレフィン系重合体としては、三井化学社製アペル、ポリプラスチックス社製TOPAS等が挙げられる。また、市販品の開環重合型の環状オレフィン系重合体としては、日本ゼオン社製ZEONEX、JSR社製ARTON等が挙げられる。
前記非相溶性樹脂が上記割合よりも少なすぎると、転写時の膜切れ性が悪くなり、印字性が悪化する恐れがある。一方で、前記非相溶性樹脂が上記割合よりも多すぎると、塗布適性が悪化したり、耐ボイル性が悪化する恐れがある。
上記滑剤成分が転写性保護層に含まれる場合、上記滑剤成分の含有量は、転写性保護層の固形分中に
1〜20質量%であることが好ましい。
転写性着色層3は、少なくとも着色剤と、バインダー樹脂として軟化点100℃以上のフェノール樹脂とを含有する。転写性着色層のバインダー樹脂として、軟化点100℃以上のフェノール樹脂を用いることにより、耐熱性を有しながら、印字性が良好になる。
また、フェノール樹脂の軟化点は、耐ボイル性の点から100℃以上であるが、更に110℃以上であることが好ましい。
なお、本発明におけるフェノール樹脂の軟化点は、JIS K 7206:1999に規定された方法によって測定される軟化点をいう。
市販されている脂肪族ポリイソシアネートのアダクト体としては、例えば、デュラネートP301−75E、E402−80B,E405−70B,AE700−100(以上、旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名)等が挙げられる。
本発明の転写性着色層におけるバインダー樹脂としては、耐ボイル性の点から、軟化点100℃以上のフェノール樹脂(固形分)が、全バインダー樹脂の固形分中の20質量%以上含まれることが好ましく、更に30質量%以上含まれることが好ましく、より更に40質量%以上含まれることが好ましく、特に50質量%以上含まれることが好ましい。なお、本発明において固形分とは、溶剤以外のすべての成分を表す。
また、硬化剤を用いる場合には、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と硬化剤との反応物と、更に含まれていても良い未反応の軟化点100℃以上のフェノール樹脂及び未反応の硬化剤との固形分合計量が、全バインダー樹脂の固形分中の70質量%以上含まれることが好ましく、更に80質量%以上含まれることが好ましく、より更に90質量%以上含まれることが好ましく、特に95質量%以上含まれることが好ましい。
耐ボイル性をより向上する点からは、本発明の転写性着色層におけるバインダー樹脂としては、固形分として、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と、脂肪族ポリイソシアネートのアダクト体との二成分からなる樹脂組成物の硬化物のみからなる態様が、好適に用いられる。
なお、前記無機フィラーは、炭素原子を含まない無機化合物からなるものであり、無機顔料と呼ばれるものも含まれる。転写性着色層に用いられる色調整に必要な着色剤が、当該平均粒径が3μm以下の無機フィラーに該当する場合には、前記着色剤が、平均粒径が3μm以下の無機フィラーであっても良い。色調整が容易な点から、色調整に必要な着色剤に加えて、平均粒径が3μm以下の無機フィラーを更に含有する態様が好適に用いられる。
また、前記無機フィラーの平均粒径は、印字性が向上する点から、1.5μm以下であることが好ましい。
一方、前記無機フィラーの平均粒径は、転写性着色層の表面に容易に凹凸形状を形成することができる点から、0.3μm以上であることが好ましい。
なお、前記平均粒径は、溶液中の粒子を動的光散乱方法により測定し、粒径分布を体積累積分布で表したときの50%粒子径(d50 メジアン径)を意味する。当該平均粒径は、例えば日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計又はNanotrac粒度分析計を用いて測定することができる。
また、前記バインダー樹脂は、印字性及び耐ボイル性の点から、転写性着色層の全固形分中に30〜80質量%で用いられることが好ましく、更に50〜70質量%で用いられることが好ましい。
転写着色層の塗布量は、特に限定されないが、通常乾燥時で0.6g/m2程度であり、好ましくは乾燥時で0.4g/m2〜3.0g/m2である。0.4g/m2未満であると、転写印字濃度が低くなる恐れがあり、また3.0g/m2超過であると、膜の熱溶融性が低下し、熱転写が起こり難くなる恐れがある。
本発明の熱転写シートは、基材の他方の面に、サーマルヘッドや転写用熱板等の熱によるステッキングや印字しわ等の悪影響を防止するために、背面層を設ける。
背面層は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチルセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂等のセルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物、及びフッ素変性ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。
背面層の塗布量は、特に限定されないが、耐熱性等の向上等の点から、好ましくは乾燥時で0.01g/m2〜0.2g/m2である。
また、背面層と基材との接着性を向上させたり、基材シートが受けるサーマルヘッドの熱によるダメージを更に軽減させたりするために、背面プライマー層を更に設けても良い。
また、本発明の熱転写シートは、図2に示すように、基材1と転写性保護層2との間に、熱転写時に転写する層の剥離性を向上するために、剥離層5を設けても良い。剥離層は、熱転写時に転写性着色層3及び転写性保護層2と共に転写する転写性剥離層であってもしても良いし、基材側に残り転写しなくても良い。また、剥離層は、凝集破壊して、一部が転写性着色層と共に転写し、他の一部が基材側に残っても良い。
必要に応じて、添加できる有機フィラーとしては、例えばアクリル系フィラー、ポリアミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワックス等が挙げられる。また、添加できる無機フィラーとして、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ等が挙げられる。
このような熱転写シートを用いて印字すると、当該転写性剥離層により、熱転写時に転写する層の剥離性に優れ、また、印字物の最外層には当該転写性剥離層が設けられる。当該転写性剥離層が前記特定の融点のワックスと金属石鹸とを含むことにより、ボイル時に印字物の表面が擦れた場合であっても滑り性に優れ印字物の耐ボイル性を向上する。当該転写性剥離層において、金属石鹸は、ワックスとの親和性に優れながら、耐熱性があり、ボイル時において溶融した転写性剥離層中のワックスの流出を堰き止める働きをし、ボイル時に印字物の表面が擦れた場合であっても脱落し難い。その結果、ボイル時であっても印字物の最外層が滑り性に優れるため、印字物の耐ボイル性を向上する。
なお、前記ワックスは、一種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
なお、前記平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定される粒径分布を体積累積分布で表したときの50%粒径(d50 メジアン径)である。具体的な測定装置としては、例えば、堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を挙げることができる。なお、前記平均粒径は、前記金属石鹸が凝集しない粒子であれば1次粒径の平均粒径とし、前記金属石鹸が凝集粒子である場合は、2次粒径の平均粒径とする。
なお、転写性剥離層2は、融点が65℃未満のワックスを含有していてもよいが、融点が65℃未満のワックスの含有量は、耐ボイル性の観点から、転写性剥離層に含まれる全固形分に対して、5質量%以下であることが好ましい。
前記溶剤としては、上述した材料を分散もしくは溶解することができるものを適宜選択することができ、例えば、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン等の芳香族系溶剤、及びこれらの混合溶剤などが挙げられる。
基材として厚さ4μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETと表示)(商品名:ルミラー 東レ製)を用い、その一方に背面層として下記組成からなる背面層用塗布液を、乾燥時の塗布量が0.06g/m2になるようにグラビア印刷方式で塗布、乾燥させて背面層を形成した。次に、背面層を形成した基材の背面層と反対の面に、下記組成からなる剥離層用塗布液を、乾燥時の塗布量が0.2g/m2になるようにグラビア印刷方式で塗布、乾燥させて、剥離層を形成した。次いで下記組成からなる転写性保護層用塗布液1を、乾燥時の塗布量が0.2g/m2になるようにグラビア印刷方式で塗布、乾燥させて、転写性保護層を形成した。続いて、前記転写性保護層上に下記組成からなる転写性着色層用塗布液1を、乾燥時の塗布量が0.7g/m2になるようにグラビア印刷方式で塗布、乾燥させて、実施例1の熱転写シート1を形成した。
・アクリル変性シリコーン 10質量部
(ポリアロイ NSA−X55、ナトコ株式会社製)
・シリコーンイソシアネート 2質量部
(ダイアロマー SP901、大日精化工業株式会社製)
・メチルエチルケトン 20質量部
・トルエン 20質量部
・カルナバワックス 90質量部
(WE−95、コニシ株式会社製)
・ラテックス 10質量部
(Nippol LX430、 日本ゼオン株式会社製)
・水・イソプロピルアルコール(質量比 1:1で混合) 100質量部
・ノルボルネン系モノマー由来の構成単位を有する環状オレフィン系重合体 80質量部
(アートンG 7810、JSR株式会社製、ガラス転移温度: 165℃)
・前記環状オレフィン系重合体に対する非相溶性樹脂(アクリルポリオール樹脂) 20質量部
(サーモラックSU100A、綜研化学株式会社製)
・ポリエチレンWAX 5質量部
(スリップ剤B、株式会社昭和インク工業製)
・トルエン・メチルエチルケトン (質量比 1:1で混合) 100質量部
・フェノール樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(フェノールノボラック樹脂、TD−2090、株式会社DIC製、軟化点118−122℃)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・トルエン及びメチルエチルケトン(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
実施例1の熱転写シートにおいて、転写性着色層用塗工液として、下記組成からなる転写性着色層用塗布液2を用いた以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の熱転写シート2を得た。
<転写性着色層用塗布液2>
軟化点100℃以上のフェノール樹脂の水酸基に対する、脂肪族ポリイソシアネートのアダクト体のイソシアネート基の当量比(NCO/OH);0.10
・フェノール樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(フェノールノボラック樹脂、TD−2090、株式会社DIC製、軟化点118−122℃)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・脂肪族ポリイソシアネートのアダクト体(固形分:90%) 0.12質量部
(デュラネートE402−80B、旭化成株式会社製)
・トルエン及びメチルエチルケトン(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
実施例1の熱転写シートにおいて、転写性保護層を形成しなかった以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の比較熱転写シート1を得た。
実施例1の熱転写シートにおいて、転写性保護層用塗工液として、下記組成からなる比較転写性保護層用塗布液2を用いた以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の比較熱転写シート2を得た。
<比較転写性保護層用塗布液2>
・ノルボルネン系モノマー由来の構成単位を有する環状オレフィン系重合体 100質量部
(アートンG 7810、JSR株式会社製、ガラス転移温度:165℃)
・ポリエチレンWAX 5質量部
(スリップ剤B、株式会社昭和インク工業製)
・トルエン・メチルエチルケトン (質量比 1:1で混合) 100質量部
実施例1の熱転写シートにおいて、転写性保護層用塗工液として、下記組成からなる比較転写性保護層用塗布液3を用いた以外は、全て実施例1と同様にして比較例3の比較熱転写シート3を得た。
<比較転写性保護層用塗布液3>
・アクリル樹脂 100質量部
(ダイヤナールBR−87、三菱レイヨン株式会社製、ガラス転移温度:105℃)
・ポリエチレンWAX 5質量部
(スリップ剤B、株式会社昭和インク工業製)
・トルエン・メチルエチルケトン (質量比 1:1で混合) 100質量部
実施例1の熱転写シートにおいて、転写性保護層用塗工液として、下記組成からなる比較転写性保護層用塗布液4を用いた以外は、全て実施例1と同様にして比較例4の比較熱転写シート4を得た。
<比較転写性保護層用塗布液4>
・アクリルポリオール樹脂 85質量部
(アクリディック A−814、株式会社DIC製)
・キシリレンジイソシアネートのアダクト体 15質量部
(タケネート D−110N、三井化学株式会社製)
・ポリエチレンWAX 5質量部
(スリップ剤B、株式会社昭和インク工業製)
・トルエン・メチルエチルケトン (質量比 1:1で混合) 100質量部
実施例1の熱転写シートにおいて、転写性着色層用塗工液として、軟化点が100℃未満のフェノール樹脂を含む下記組成からなる比較転写性着色層用塗布液を用いた以外は、全て実施例1と同様にして比較例5の比較熱転写シート5を得た。
<比較転写性着色層用塗布液>
・フェノール樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(BRG558、昭和電工株式会社製、軟化点93−98℃)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・トルエン及びメチルエチルケトン(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
(1)印字性
実施例1及び2並びに比較例1〜5で得られた各熱転写シートと、ナイロン/低密度ポリエチレンの積層フィルム(厚さ100μm、DNP製)のナイロン面側と重ね合わせて、溶融転写型熱転写プリンター(B−SX4T TEC製)を使用して、印字条件 (Heat Adjust: +0、Printer Speed: 10IPS)により、解像度が300dpiのサーマルヘッドで1ドットの文字パターンを印字した。また、下記評価基準により印字性を評価した。印字性は下記評価基準で「A」又は「B」であることが求められる。評価結果を表1に示す。
A:目視にて、印字が良好である。
B:目視にて、印字物の80%(面積比)未満に、潰れまたは抜けている部分が生じたが、実使用上問題ないレベルであった。
C:目視にて、転写不良により、印字物の80%(面積比)以上に潰れまたは抜けている部分が生じた。
実施例1及び2並びに比較例1〜5の熱転写シートを用いて形成された上記各印字物を、煮沸した熱湯中に10分間放置後、印字物表面をペーパーウエスで10往復擦った。その後、印字物を目視観察し、下記評価基準に基づき、耐ボイル性を評価した。当該耐ボイル性評価1では、下記評価基準で「A」であることが求められる。評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
A:評価試験後、印字物に変化がない。
B:評価試験後、印字物に抜けている部分と剥離が生じた。
実施例1及び2並びに比較例1〜5の熱転写シートを用いて形成された上記各印字物を、耐摩擦試験機(スガ試験機株式会社製)を用い、500gの負荷をかけ、ダンボール紙により、印字面を擦り、耐擦傷性を評価した。
<評価基準>
A:評価試験前後で、印字物に変化がない。
B:100往復で印字物に抜けている部分と剥離が生じた。
C:50往復で印字物に抜けている部分と剥離が生じた。
実施例1及び2で得られた熱転写シートは、転写性保護層は、ガラス転移温度が100℃以上の環状オレフィン系重合体と当該環状オレフィン系重合体に対する非相溶性樹脂を含み、転写性着色層は、着色剤と、軟化点100℃以上のフェノール樹脂とを含むものであったため、印字性が良好でありながら、印字物の耐ボイル性が優れていた。実施例1及び2で得られた熱転写シートは、更に耐擦傷性にも優れていることが明らかにされた。実施例2は、転写性着色層に、更に軟化点100℃以上のフェノール樹脂と脂肪族ポリイソシアネートのアダクト体との反応物を含むため、特に印字物の耐ボイル性が高かった。
一方、比較例1で得られた熱転写シートは、転写性保護層を形成しなかったため、印字性は良好なものの、耐ボイル性と耐擦傷性が悪かった。
比較例2で得られた熱転写シートは、転写性保護層が、ガラス転移温度が100℃以上の環状オレフィン系重合体に対する非相溶性樹脂を含まないものであったため、印字性が悪かった。
比較例3で得られた熱転写シートは、転写性保護層のバインダー成分としてガラス転移温度が100℃以上のアクリル樹脂を用いたものであったため、印字性は良好なものの、耐ボイル性が悪かった。
比較例4で得られた熱転写シートは、転写性保護層のバインダー成分としてアクリルポリオールとイソシアネート樹脂の組み合わせを用いたものであったため、印字性は良好なものの、耐ボイル性が悪かった。
比較例5で得られた熱転写シートは、転写性着色層のバインダー樹脂として、軟化点100℃未満のフェノール樹脂を含むものであったため、耐ボイル性が悪かった。また、比較例5で得られた熱転写シートは、転写性着色層のバインダー樹脂として軟化点100℃以上のフェノール樹脂を含む実施例に比べると、印字性に劣っていた。
実施例1の熱転写シートにおいて、剥離層の代わりに、下記組成からなる転写性剥離層用塗布液3を、乾燥時の塗布量が0.4g/m2になるようにグラビア印刷方式で塗布、乾燥させて、転写性剥離層を形成したこと以外は、全て実施例1と同様にして実施例3の熱転写シート3を得た。なお、金属石鹸の平均粒径は、堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920を用いて測定された。
<転写性剥離層用塗布液3>
・カルナバワックス 75質量部
(WE−95、コニシ株式会社製、融点86℃)
・ステアリン酸亜鉛 15質量部
(ハイミクロンF−930、中京油脂(株)製、融点120℃、平均粒径0.9μm)
・ラテックス 10質量部
(Nippol LX430、日本ゼオン株式会社製)
・水及びイソプロピルアルコールの混合溶剤(質量比1:1で混合) 100質量部
実施例3の熱転写シートにおいて、転写性剥離層用塗布液3の代わりに、下記組成からなる転写性剥離層用塗布液4を用いたこと以外は、全て実施例3と同様にして実施例4の熱転写シート4を得た。
<転写性剥離層用塗布液4>
・カルナバワックス 80質量部
(WE−95、コニシ株式会社製、融点86℃)
・ステアリン酸亜鉛 10質量部
(ハイミクロンF−930、中京油脂(株)製、融点120℃、平均粒径0.9μm)
・ラテックス 10質量部
(Nippol LX430、日本ゼオン株式会社製)
・水及びイソプロピルアルコールの混合溶剤(質量比1:1で混合) 100質量部
実施例3の熱転写シートにおいて、転写性剥離層用塗布液3の代わりに、下記組成からなる転写性剥離層用塗布液5を用いたこと以外は、全て実施例3と同様にして実施例5の熱転写シート5を得た。
<転写性剥離層用塗布液5>
・カルナバワックス 70質量部
(WE−95、コニシ株式会社製、融点86℃)
・ステアリン酸亜鉛 20質量部
(ハイミクロンF−930、中京油脂(株)製、融点120℃、平均粒径0.9μm)
・ラテックス 10質量部
(Nippol LX430、日本ゼオン株式会社製)
・水及びイソプロピルアルコールの混合溶剤(質量比1:1で混合) 100質量部
実施例3の熱転写シートにおいて、転写性剥離層用塗布液3の代わりに、下記組成からなる転写性剥離層用塗布液6を用いたこと以外は、全て実施例3と同様にして実施例6の熱転写シート6を得た。
<転写性剥離層用塗布液6>
・カルナバワックス 63質量部
(WE−95、コニシ株式会社製、融点86℃)
・ステアリン酸亜鉛 27質量部
(ハイミクロンF−930、中京油脂(株)製、融点120℃、平均粒径0.9μm)
・ラテックス 10質量部
(Nippol LX430、日本ゼオン株式会社製)
・水及びイソプロピルアルコールの混合溶剤(質量比1:1で混合) 100質量部
実施例3の熱転写シートにおいて、転写性剥離層用塗布液3の代わりに、下記組成からなる転写性剥離層用塗布液7を用いたこと以外は、全て実施例3と同様にして実施例7の熱転写シート7を得た。
<転写性剥離層用塗布液7>
・カルナバワックス 70質量部
(WE−95、コニシ株式会社製、融点86℃)
・ステアリン酸亜鉛 20質量部
(ハイドリンZ−7−30、中京油脂(株)製、融点120℃、平均粒径5.5μm)
・ラテックス 10質量部
(Nippol LX430、日本ゼオン株式会社製)
・水及びイソプロピルアルコールの混合溶剤(質量比1:1で混合) 100質量部
実施例3の熱転写シートにおいて、転写性剥離層用塗布液3の代わりに、下記組成からなる転写性剥離層用塗布液8を用いたこと以外は、全て実施例3と同様にして実施例8の熱転写シート8を得た。
<転写性剥離層用塗布液8>
・カルナバワックス 63質量部
(WE−95、コニシ株式会社製、融点86℃)
・脂肪酸アミド 27質量部
(ハイミクロンL−271、中京油脂(株)製、融点100℃、平均粒径0.4μm)
・ラテックス 10質量部
(Nippol LX430、日本ゼオン株式会社製)
・水及びイソプロピルアルコールの混合溶剤(質量比1:1で混合) 100質量部
実施例3の熱転写シートにおいて、転写性剥離層用塗布液3の代わりに、下記組成からなる転写性剥離層用塗布液9を用いたこと以外は、全て実施例3と同様にして実施例9の熱転写シート9を得た。
<転写性剥離層用塗布液9>
・カルナバワックス 63質量部
(WE−95、コニシ株式会社製、融点86℃)
・ポリエチレンワックス 27質量部
(ポリロンL−788、中京油脂(株)製、融点102℃、平均粒径0.1μm)
・ラテックス 10質量部
(Nippol LX430、日本ゼオン株式会社製)
・水及びイソプロピルアルコールの混合溶剤(質量比1:1で混合) 100質量部
実施例3の熱転写シートにおいて、転写性剥離層用塗布液3の代わりに、下記組成からなる転写性剥離層用塗布液10を用いたこと以外は、全て実施例3と同様にして実施例10の熱転写シート10を得た。
<転写性剥離層用塗布液10>
・カルナバワックス 63質量部
(WE−95、コニシ株式会社製、融点86℃)
・パラフィンワックス 27質量部
(WE−65、コニシ株式会社製、融点75℃)
・ラテックス 10質量部
(Nippol LX430、日本ゼオン株式会社製)
・水及びイソプロピルアルコールの混合溶剤(質量比1:1で混合) 100質量部
実施例3の熱転写シートにおいて、転写性着色層用塗布液の代わりに、下記組成からなる比較転写性着色層用塗布液を用いたこと以外は、全て実施例3と同様にして比較例6の比較熱転写シート6を得た。
<比較転写性着色層用塗布液>
・アクリル樹脂 1.20質量部
(三菱レイヨン株式会社製 BR−79、Tg35℃、Mw 70000)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶剤(質量比1:1で混合) 5.31質量部
(1)印字性評価
実施例3〜10及び比較例6の熱転写シートを用いて、実施例1と同様にして、印字性評価のための印字を行い、実施例1と同じ評価基準により印字性を評価した。評価結果を表2に示す。
(耐ボイル性評価1)
実施例3〜10及び比較例6の熱転写シートを用いて形成された上記各印字物を、実施例1の耐ボイル性評価1と同様にして、耐ボイル性を評価した。評価結果を表2に示す。
(耐ボイル性評価2)
実施例3〜10及び比較例6の熱転写シートを用いて形成された上記各印字物を、煮沸した熱湯中に30分間放置後、印字物表面をペーパーウエスで20往復擦った。その後、印字物を目視観察し、下記評価基準に基づき、耐ボイル性を評価した。評価結果を表2に示す。
<評価基準>
A:印字物に変化がない。
B:印字物の80%(面積比)未満に抜けている部分と剥離が生じたが判読可能。
C:印字物の80%(面積比)以上に抜けている部分と剥離が生じ、判読不可。
D:印字物が完全に消失する。
実施例3〜10及び比較例6の熱転写シートを用いて形成された上記各印字物を、実施例1と同様にして、耐擦傷性評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例3〜7で得られた熱転写シートは、転写性剥離層が、融点65℃以上のワックスと、金属石鹸とを含むものであったため、印字性が良好でありながら、印字物の耐ボイル性がより向上していた。実施例8〜10で得られた熱転写シートは、転写性剥離層が、金属石鹸を含まないものであったため、実施例3〜7の印字物の耐ボイル性に比べると劣っていた。
比較例6で得られた熱転写シートは、転写性着色層が軟化点100℃以上のフェノール樹脂を含まないものであったため、印字物の耐ボイル性が悪かった。
実施例1の熱転写シートにおいて、転写性着色層用塗布液1に代えて、下記組成からなる転写性着色層用塗布液11を用いた以外は、全て実施例1と同様にして実施例11の熱転写シート11を得た。熱転写シート11の垂直断面のTEM写真を観察したところ、転写性着色層の表面は、硫酸バリウムに起因する凸部を有するものであった。
<転写性着色層用塗布液11>
・フェノール樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(フェノールノボラック樹脂、TD−2090、株式会社DIC製、軟化点118−122℃)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・硫酸バリウム(平均粒径 0.7μm、白色度 93%) 0.60質量部
・トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶剤(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
実施例1の熱転写シートにおいて、剥離層用塗布液1に代えて、前記実施例3と同じ転写性剥離層用塗布液3を用い、転写性着色層用塗布液1に代えて、前記実施例11と同じ転写性着色層用塗布液11を用いた以外は、全て実施例1と同様にして実施例12の熱転写シート12を得た。熱転写シート12の垂直断面のTEM写真を観察したところ、転写性着色層の表面は、硫酸バリウムに起因する凸部を有するものであった。
実施例1の熱転写シートにおいて、剥離層用塗布液1に代えて、前記実施例3と同じ転写性剥離層用塗布液3を用い、転写性着色層用塗布液1に代えて、下記組成からなる転写性着色層用塗布液11を用いた以外は、全て実施例1と同様にして実施例13の熱転写シート13を得た。熱転写シート13の垂直断面のTEM写真を観察したところ、転写性着色層の表面は、硫酸バリウムに起因する凸部を有するものであった。
<転写性着色層用塗布液13>
・フェノール樹脂(固形分:50%) 2.40質量部
(フェノールノボラック樹脂、TD−2090、株式会社DIC製、軟化点118−122℃)
・カーボンブラック(固形分:35%) 2.29質量部
・脂肪族ポリイソシアネートのアダクト体(固形分:90%) 0.12質量部
(デュラネートE402−80B、旭化成株式会社製)
・硫酸バリウム(平均粒径 0.7μm、白色度 93%) 0.60質量部
・トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶剤(質量比 1:1で混合) 5.31質量部
(1)印字性
実施例11〜13の熱転写シートを用いて、実施例1と同様にして、印字性評価のための印字を行い、実施例1と同じ評価基準により印字性を評価した。評価結果を表3に示す。
<評価基準>
A:目視にて、印字が良好である。
B:目視にて、印字物に抜けている部分またはつぶれている部分があるが判読可能。
C:目視にて、印字物に抜けている部分またはつぶれている部分が生じ、判読不可。
実施例11〜13の熱転写シートを用いて形成された上記各印字物を、実施例1の耐ボイル性評価1と同様にして耐ボイル性を評価した。評価結果を表3に併せて示す。
実施例11〜13で得られた各熱転写シートを2枚ずつ、転写性着色層側の面と背面層側の面とが向き合うように重ね合わせて、5kgf/cm2の圧をかけ、50℃に48時間静置した。保存後に、転写性着色層と背面層をはがし、その剥がしやすさから耐ブロッキング性を評価した。評価結果を表3に示す。
<評価基準>
A:転写性着色層と背面層を容易に剥がすことができる。
B:転写性着色層と背面層のはりつきがわずかに発生するが、実用上問題なし。
C:転写性着色層と背面層のはりつきが発生する。
実施例11〜13の熱転写シートを用いて形成された上記各印字物を、実施例1と同様にして、耐擦傷性評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例11〜13で得られた熱転写シートは、基材の一方の面に、該基材側から転写性剥離層、転写性保護層、転写性着色層がこの順に配置され、転写性着色層は、着色剤と、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と、平均粒径が3μm以下の無機フィラーとを含むものであったため、耐ブロッキング性に優れ、耐ボイル性、印字性及び耐擦傷性にも優れていることが明らかにされた。
また、実施例11と、実施例12と実施例13で得られた各熱転写シートについて、前記耐ボイル性の評価における熱湯中の放置時間を更に延長して耐ボイル性の評価を行ったところ、実施例11で得られた熱転写シートに比べ、実施例12と実施例13で得られた熱転写シートの方が、より長時間印字物に変化がなかった。よって、転写性剥離層に金属石鹸を含む実施例12と実施例13は、更に耐ボイル性に優れることが明らかにされた。実施例12と実施例13で得られた熱転写シートを比較すると、着色層に、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と脂肪族ポリイソシアネートのアダクト体との反応物とを更に含む実施例13の方が、より耐ボイル性が向上していた。
転写性着色層が無機フィラーを含まない実施例1〜10で得られた熱転写シートについて、実施例11と同様に耐ブロッキング性評価を行ったところ、実用上は問題ないものの転写性着色層と背面層のはりつきがわずかに発生する「B」の評価結果であった。
2 転写性保護層
3 転写性着色層
4 背面層
5 剥離層
10 熱転写シート
Claims (13)
- 基材の一方の面に少なくとも転写性保護層、転写性着色層がこの順に設けられ、該基材の他方の面に背面層が設けられてなり、
前記転写性保護層は、ガラス転移温度が100℃以上の環状オレフィン系重合体を当該転写性保護層の固形分の50質量%超過で含み、更に当該環状オレフィン系重合体に対する非相溶性樹脂を含み、
前記転写性着色層は、着色剤と、軟化点100℃以上のフェノール樹脂とを含む、熱転写シート。 - 前記転写性保護層は、更に、金属石鹸、リン酸エステル、ポリエチレンワックス、タルク、及びシリコーン樹脂微粒子よりなる群から選択される1種以上の滑剤成分を含む、請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記転写性保護層において、前記非相溶性樹脂が、前記環状オレフィン系重合体と当該非相溶性樹脂の合計量100質量部に対して、5〜30質量部含有する、請求項1又は2に記載の熱転写シート。
- 前記環状オレフィン系重合体が、ノルボルネン系モノマー由来の構成単位を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写シート。
- 前記転写性着色層が、更に、軟化点100℃以上のフェノール樹脂と脂肪族ポリイソシアネートのアダクト体との反応物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写シート。
- 前記軟化点100℃以上のフェノール樹脂の水酸基に対する、前記脂肪族ポリイソシアネートのアダクト体のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が0.05〜0.5である、請求項5に記載の熱転写シート。
- 前記基材と前記転写性保護層との間に、更に転写性剥離層が設けられ、
前記転写性剥離層は、融点が65℃以上のワックスと、金属石鹸とを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱転写シート。 - 前記金属石鹸の含有量が、前記転写性剥離層に含まれる全固形分に対して15〜40質量%である、請求項7に記載の熱転写シート。
- 前記金属石鹸が、ステアリン酸亜鉛である、請求項7又は8に記載の熱転写シート。
- 前記転写性着色層は、平均粒径が3μm以下の無機フィラーを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱転写シート。
- 前記転写性着色層が、その表面に前記無機フィラーに起因する凸部を有する、請求項10に記載の熱転写シート。
- 前記無機フィラーがJIS−M8016で規定される白色度が50%以上の無機フィラーである、請求項10又は11に記載の熱転写シート。
- 前記無機フィラーが金属硫酸塩である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の熱転写シート。
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