JP4336176B2 - 熱転写シート - Google Patents

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本発明は、熱により転写可能な転写インク層を備えた熱転写シートに関する。
近年のデジタルデバイスの発展と原稿のデジタル化が進むに伴い、デジタルプリントが普及し始め、簡便なシステムで容易にプリントできる各種のオンデマンドプリント方式が検討されてきた。
各プリント方式の中で熱転写プリントでは、イエロー、マゼンタ、シアンの各色相の熱転写シートを用いて、被転写体に各色相の熱転写インキを熱転写により重ねることで、フルカラーの色再現プリントを行ったり、特別な色から構成される画像やベタ部画像の質感を重要視する用途では、黒や緑や橙色などの様々な色相を有する単色の熱転写インキ層を有する熱転写シート、いわゆるスポットカラーリボンを使用することが行われている。
熱転写プリントは、それによって得られるプリント物の耐水性、耐擦過性などの性能が高く評価され、屋外用途などの多くの用途で使用されるようになってきた。またインクジェット、電子写真などの他のプリント方式に比べ、印字ベタ部の質感が良好であるため、従来行われていたシルクスクリーン印刷の代替としても注目されるようになってきている。
熱転写プリントは上記の様に、屋外で多く利用される様になるにつれ、更なる耐擦過性が求められる様になってきた。また、熱転写プリントは、イエロー、マゼンタおよびシアンでフルカラーを再現したり、スポットカラーリボンを用い中間色を再現するなど、デザイン上の構成から、複数の熱転写インクが重ね合されてプリントされる事が多い。
このような重ねプリントにおいて、耐擦過性の高いインク層を備えた熱転写シートを用いた場合、2色目以降が転写される時に未転写のプリント用紙表面と既にインク層が転写されたプリント用紙面(=既転写インク表面)とで転写性が異なる為、原稿データ様の画像が再現され難く、重ねプリント適性が悪いという問題点があった。これは、耐擦過性の高いインク層は、転写表面が硬くて傷付き難いものの、転写時の熱エネルギーでは硬すぎて接着し難いためであると考えられる。
熱転写時の接着性に優れた熱転写シートとして、重ね記録に適した耐久性のある定着性のよい転写インク層を有する熱転写シートが公知である(例えば特許文献1参照。)。また本願出願人は先に耐擦過性が良好で重ね記録性の良い熱転写シートを提案している(例えば特許文献2参照)。
特開昭62-13384号公報 特開2001-260542号公報
しかし上記特許文献1に記載の熱転写シートは、接着性は良いものの、今日求められているような屋外用途などにおける耐擦過性などの耐久性は得られない。また上記特許文献2に記載の熱転写シートは、耐擦過性および重ねプリント適性が改良されているものの、屋外用途にはいまだ不十分なものであった。
本発明は上記従来技術の欠点に鑑みなされたもので、プリント物の耐擦過性に優れ且つ、熱転写時の重ねプリント適性が良好な熱転写シートを提供することを目的とするものである。
本発明は、
(1)基材シートの一方の面の少なくとも一部に、熱により転写可能な転写インク層を有し、該転写インク層は、基材シート側から、剥離層、着色層の順に積層されており、該剥離層は少なくともメチルメタクリレートが60質量%以上共重合され且つ、ガラス転移点が100℃以上且つ、重量平均分子量が50,000以下のアクリル樹脂を主成分とし、該着色層が少なくとも着色剤およびバインダー樹脂としてのアクリル樹脂とポリエステル樹脂とを含み、該アクリル樹脂はメチルメタクリレートが60質量%以上共重合され且つガラス転移点が60℃以上であり、該ポリエステル樹脂が、酸成分として1,2-エチレンジカルボン酸を含むものであることを特徴とする熱転写シート。
(2)着色層のバインダー樹脂のポリエステル樹脂が、ジオール成分としてアルキレンオキサイド付加ビスフェノールAを含むものである上記(1)記載の熱転写シート、
(3)着色層のバインダー樹脂のアクリル樹脂とポリエステル樹脂の混合比率が、アクリル樹脂/ポリエステル樹脂=40/60〜95/5(質量比)である上記(1)または(2)記載の熱転写シート、
(4)剥離層が紫外線吸収剤を含有する上記(1)〜(3)のいずれかに1に記載の熱転写シート、
(5)剥離層および/または着色層が、有機フィラーおよび/または無機フィラーを含有する上記(1)〜(4)のいずれか1に記載の熱転写シート、
(6)転写インク層と基材シートとの間に転写しない離型層を形成してなる上記(1)〜(5)のいずれか1に記載の熱転写シート、
(7)熱転写シートの表面または裏面のどちらか一方若しくは両方に帯電防止性を付与してなる上記(1)〜(6)のいずれか1に記載の熱転写シート、
(8)剥離層または離型層のどちらか一方若しくは両方に、ブルーイング剤を含有する上記(1)〜(7)のいずれか1に記載の熱転写シート、
を要旨とするものである。
本発明は上記構成を採用したことにより、プリント物の耐擦過性に優れ且つ、熱転写時の重ねプリント適性が良好な熱転写シートが得られる。特にプリント物が屋外で使用されるような用途にも最適に利用できる。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。図1〜図6は本発明熱転写シートの好ましい態様を示す要部断面図である。図1に示すように本発明熱転写シートは、基材シート1の一方の面に、熱により転写可能に形成された転写インク層2を有し、基材シート1の他方の面に背面層3が設けられている。上記転写インク層2は、基材シート1側から剥離層2aおよび着色層2bが順次積層されている。転写インク層2は図1に示す態様では、基材シート1の表面の全面に形成されているが、基材シート1の表面に部分的に形成されていてもよい。なお本発明では、熱転写シートにおける基材シート1の転写層2側を表面側と言い、基材シート1の転写層2側と反対側を背面側と言う。
図2に示す態様の熱転写シートは、基材シート1の表面側の転写インク層2は図1に示す態様と同様に剥離層2aおよび着色層2bが順次積層されてなる転写インク層2が設けられているが、基材シート1の背面側に、基材シート1と背面層3との間に帯電防止層5を設けてなるものである。
図3に示す態様の熱転写シートは、基材シート1の表面側に離型層4を設け、該離型層4上に剥離層2aおよび着色層2bを順次積層して転写インク層2を設け、基材シート1の裏面側に背面層3を設けてなるものである。この離型層4は熱転写シートを転写した際に、基材シート1側に残存して転写されない層である。
図4に示す態様の熱転写シート1は、基材シート1の表面側に、離型層4、剥離層2a、着色層2bを順次積層して転写インク層2を設け、基材シート1の裏面側に帯電防止層5、背面層3を順次設けてなる。
図5に示す態様の熱転写シート1は、基材シート1の表面側に、帯電防止層5、離型層4を順次積層し、更に該離型層4の表面に剥離層2a、着色層2bを順次積層して転写インク層2を設け、基材シート1の裏面側に背面層3を設けてなる。
図6に示す態様の熱転写シート1は、基材シート1の表面側に、帯電防止層5a、離型層4を順次積層し、更に該離型層4の表面に剥離層2a、着色層2bを順次積層して転写インク層2を設け、基材シート1の裏面側に帯電防止層5b、背面層3を順次設けてなる。
次に、本発明の熱転写シートの各層について説明する。
1)基材シート
本発明の熱転写シートを構成する基材シート1としては、従来の熱転写シートに使用される基材シートを用いることが出来る。好ましい基材シート1の具体例は、コンデンサー紙、グラシン紙、パラフィン紙などの薄紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエチレンナフタレートなどの耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマーなどの各種プラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムまたはシートが使用でき、またこれらの材料の表面に易接着処理などを施したもの、これらの材料を積層したものが挙げられる。
基材シート1の厚さは、強度および耐熱性が適正になるように材料に応じて適宜選択する事が出来るが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられ、サーマルヘッドを用いた転写では通常、1〜20μm程度のものが好ましく用いられる。
2)転写インク層
2-a)剥離層
本発明熱転写シートの転写インク層2は、少なくとも基材上にメチルメタクリレートが60質量%以上共重合され且つ、ガラス転移点が100℃以上且つ、重量平均分子量が50,000以下のアクリル樹脂を主成分とする剥離層2aが形成されている。剥離層2aは、熱転写を行って転写インク層2が被転写体に移行した後の、該転写インク層2の最表面となる層である。また剥離層2aは重ねプリントの際に後から転写される熱転写シートの着色層と接する層である。剥離層2aは、実質的に顔料などの着色剤を含まない層である。
耐擦過性の良い転写インク層2を得る為には、剥離層2aに用いる樹脂の分子量が高いことが好ましいが、分子量が高すぎると転写インク層の転写時にインク箔の切れが悪くなり、精細なドットが表現できなくなる。本発明はメチルメタクリレートが60質量%以上共重合され且つ、ガラス転移点が100℃以上である重量平均分子量が50,000以下のアクリル樹脂を用いる事で、精細なドット再現が可能であり、高い耐擦過性を有する転写インク層が得られる。なお重量平均分子量が50,000以下であっても、ガラス転移点が100℃未満では耐擦過性が不十分である。
剥離層2aに用いるアクリル樹脂において、メチルメタクリレート成分は多いほど好ましいが、他の樹脂や添加剤との相溶性やフィラーの分散性向上の為に、共重合ポリマーであっても良い。共重合成分としては、従来公知のアクリレートモノマー、メタクリレートモノマーなどのアクリル系モノマー、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられるが、共重合されたポリマーのガラス転移点が100℃以上に調整される必要がある。
上記の従来公知のアクリル系モノマーとしては、以下のものが挙げられる。メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタアクリレート、ターシャリーブチルアクリレート、ターシャリーブチルメタアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタアクリレート、ラウリルトリデシルアクリレート、ラウリルトリデシルメタアクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタアクリレート、セチルステアリルアクリレート、セチルステアリルメタアクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタアクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタアクリレート、メタクリル酸、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ターシャリーブチルアミノエチルアクリレート、ターシャリーブチルアミノエチルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート。さらに、エチレンジアクリレート、エチレンジメタアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、デカエチレングリコールジアクリレート、デカエチレングリコールジメタアクリレート、ペンタデカエチレングリコールジアクリレート、ペンタデカエチレングリコールジメタアクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジアクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジメタアクリレート、ブチレンジアクリレート、ブチレンジメタアクリレート、アリルアクリレート、アリルメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリピロピレングリコールジメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、ネオペンチルグリコールペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールペンタメタアクリレート、ホスファゼンヘキサアクリレート、ホスファゼンヘキサメタアクリレートなど。
以上のような共重合可能な成分の内、スチレン、長鎖アルキル変性アクリル系モノマーは、本願の範囲内のアクリルであれば耐擦過性に悪影響はないが、重ねプリントを行った時に、2色目以降の接着性が著しく低下するのであまり好ましくない。
剥離層2aには、熱転写シートにおける転写インク層2に柔軟性を持たせたり、熱転写シートの非加熱時の転写インク層の欠落防止や、重ねプリント適性の向上補助の為に、上記アクリル樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を少なくとも1種以上ブレンドしても良い。なお、良好な耐擦過性を維持する為には、ブレンドする樹脂にもよるが、総じて上記アクリル樹脂と他の熱可塑性樹脂とのブレンド比率を、アクリル樹脂/他の熱可塑性樹脂=70/30〜100/0(質量比)とするのが好ましい。
上記の熱可塑性樹脂としては、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体などのビニル系樹脂、上記のアクリル系モノマーの任意の選択によるアクリル系樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂などの天然または合成樹脂の単体または混合物が用いられる。
剥離層2aには、耐擦過性を向上させ、表面の滑り性や、ゴミの付着を防ぐ為に、有機フィラーまたは無機フィラー(両者を単にフィラーと呼ぶ)の一方或いは両方を添加しても良い。この添加量は、剥離層の樹脂/フィラー=85/15〜100/0(質量比)とするのが好ましい。フィラーの添加量が樹脂成分に対し多すぎる場合は、層としての結着力が低下し層がもろくなる為、逆に耐擦過性が低下する。
上記のフィラーとしては、ポリエチレンワックス、ビスアマイド、ナイロン、アクリル、架橋ポリスチレン、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、金属石鹸、タルク、マイクロシリカ、シリコーン樹脂、シリコーンゴムなど、フッ素樹脂など従来公知のフィラーを利用できる。フィラーは、滑り性が良い点から粒径が1〜15μmであるのが好ましい。
本発明熱転写シートにおいて剥離層2bは、特開平3-176196号公報においてインク層に含有する潤滑付与剤として開示されている、融点が90℃未満のワックスや、オイル状物、着色剤となる染料や顔料などを実質的に含まない。これらを含むと剥離層膜が可塑化により軟化し、擦過による傷が付きやすくなり、更に擦過による色変化を起こしたりすると言う問題が生じる。また、カルナバワックス、パラフィンワックス、シリコーンオイル、油性オイルと言った融点が90℃未満のワックスや、オイル状物を含有すると、2色目以降の重ね適性が著しく劣化する。従来のカルナバワックス、パラフィンワックス、これらワックスと樹脂のブレンドによる転写インクからなる熱転写シートでは、剥離層にカルナバワックス、パラフィンワックスがあっても重ねプリントが可能であるが、これらワックスを含有する熱転写シートは耐擦過性が殆どない為、本発明では、転写されるインク層のいずれにも融点が90℃未満のワックスや、オイル状物を実質上含有しない。
剥離層2aは、紫外線による着色剤の退色や、転写インク層中のバインダーの劣化を防止する為に、紫外線吸収剤を添加しても良く、更にヒンダードアミン系の光安定剤を併用しても良い。紫外線吸収剤としては、従来公知の無機系紫外線吸収剤、有機系紫外線吸収剤が使用できる。有機系紫外線吸収剤としてはサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系などの非反応性紫外線吸収剤や、これらの非反応性紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基などの付加重合性二重結合、あるいは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基などを導入し、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂に共重合若しくは、グラフトしたものを使用することができる。これら紫外線吸収剤の中でも特にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系が特に好ましい。非反応性紫外線吸収剤は紫外線吸収剤が析出しないように構造が異なるものを複数混合して用いても良い。
本発明熱転写シートにおいて剥離層2aの厚みは、0.1〜3.0g/m2程度、好ましくは0.1〜1.0g/m2程度とすることができる。
2-b)着色層
着色層2bは、少なくとも着色剤およびバインダー樹脂としてのアクリル樹脂とポリエステル樹脂を含む。着色剤としては従来公知の染料、有機・無機顔料を少なくとも1つ以上利用し必要な色相を調色できるが、一般的に顔料の方が退色し難いので好ましい。またカーボンブラックや酸化チタンを用いて黒色や白色、また中間色などを調色できる。
着色層2bのバインダー樹脂として用いられるアクリル樹脂は、少なくともメチルメタクリレートが60質量%以上共重合され且つ、ガラス転移点が60℃以上である。また着色層2bのバインダー樹脂として用いられるポリエステル樹脂は、酸成分として1,2-エチレンジカルボン酸を含む。
従来から、特開昭62-13384号公報、特開平5-270154号公報、特開平10-95172号公報などに記載されている様に、ガラス転移点の低い樹脂や、分子量の低い樹脂を使用した着色層により接着性を向上させる技術は公知である。しかしながら、ガラス転移点が低く分子量が低い樹脂を用いただけでは、高い耐擦過性を有する剥離層に十分な接着性を付与する事はできず、逆に耐擦過性が悪くなったり、熱転写シートを巻き状の製品にした時に転写インク面と背面がブロッキングし易くなると言う問題点が生じる。
また理由は不明であるが、転写インク層に、酸成分として1,2-エチレンジカルボン酸を含むポリエステル樹脂を含有しているだけでは、接着性は向上するが、精細なドット再現はできず、剥離層の耐擦過性の効果が低下してしまい、また熱転写シートを巻き状の製品にした時に転写インク面と背面がブロッキングし易くなると言う問題点が生じることが判明した。
これにたいし本願発明では、着色層のバインダー樹脂として、酸成分として1,2-エチレンジカルボン酸を含むポリエステル樹脂を、メチルメタクリレートが60質量%以上共重合され且つ、ガラス転移点が60℃以上のアクリル樹脂とブレンドする事により、接着性を維持しつつ精細なドット再現性が得られ、重ねプリント適性が良好な転写インク層が得られた。
耐擦過性の良い転写インク層2を得る為には、着色層2bのアクリル樹脂の分子量が高いことが好ましいが、該アクリル樹脂の分子量が高過ぎるとインク転写時にインク箔の切れが悪くなり精細なドットが表現できなくなる。ただし、顔料が入っている為か、剥離層2aと比較すると使用できる分子量の範囲は広くなる。好ましい着色層2bのアクリル樹脂の重量平均分子量は100,000以下であり、精細なドット再現が可能な耐擦過性の高い転写インク層2を得る事ができる。更に、剥離層2aの耐擦過性効果を低減させる事なく、熱転写シートを巻き状の製品にした時に対向して接触する転写インク層2と背面層3とがブロッキングし難くなる。
本発明熱転写シートにおいて、着色層2bのバインダー樹脂のアクリル樹脂とポリエステル樹脂の混合比率は、アクリル樹脂/ポリエステル樹脂=40/60〜95/5(質量比)の範囲であることが好ましい。この混合比率は、バインダー樹脂に対する着色剤の質量比により適性値が変わるが、質量換算で、「着色剤/バインダー樹脂」の数値が大きい場合(着色剤の量が多いことを意味する)ポリエステル樹脂の量が多い方が好ましく、一方「着色剤/バインダー樹脂」の数値が小さい場合(着色剤の量が少ないことを意味する)ポリエステル樹脂の量が少ない方が好ましい。
また着色層2bに用いるアクリル樹脂とポリエステル樹脂は、ブレンドする場合の分散の容易さや、屋外などで使われる用途などを考慮すると、耐水性、耐アルコール性を有する有機溶剤可溶型が好ましく、また、水分散タイプの樹脂の場合は、乾燥後耐水性、耐アルコール性が得られる程度の極性基変性であることが好ましく、水溶性タイプの樹脂は好ましくない。耐水性、耐アルコール性が得られる範囲は変成するモノマーにもよるが、アクリル樹脂の場合は、極性基を有するモノマーの混合比が20モル%以下、ポリエステル樹脂の場合は、1分子中の極性基を有するモノマー変性量が1〜5個以内である事が好ましい。
着色層2bに用いるアクリル樹脂は、メチルメタクリレート成分以外の共重合成分としては、剥離層の説明において挙げたようなアクリレートモノマー、メタクリレートモノマーなどのアクリル系モノマー、アクリロニトリルなどを用いることができるが、好ましいのは、着色剤の分散性を向上させるような成分であり、酸価が3〜20mgKOH/gになるような成分である。逆にスチレン、長鎖アルキル変性アクリル系モノマーは、重ねプリントを行った時に、2色目以降の接着性が著しく低下するので共重合成分としては好ましくない。また、共重合されたアクリル樹脂のガラス転移点が60℃以上になるように調整する必要がある。アクリル樹脂のガラス転移点が60℃未満であると耐擦過性が低下する。またアクリル樹脂のガラス転移点は、110℃を超えると接着性が低下し、重ねプリント適性が得られ難くなる為、110℃以下であるのが好ましい。
着色層2bのポリエステル樹脂の原料の酸成分として用いられる1,2-エチレンジカルボン酸は、シス型(マレイン酸)とトランス型(フマル酸)の異性体があるが、どちらか一方または両方を用いても良い。またポリエステル樹脂の原料として、1,2-エチレンジカルボン酸の他に、従来公知のポリエステル樹脂原料が使用できる。具体的な酸成分としては、例えば、芳香族としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、ヘキサハイドロイソフタル酸、ヘキサハイドロテレフタル酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などが挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、例えばシクロヘキサンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸などであり、これらの化合物はメチルエステル化されていても構わないし、それらの酸無水物であってもよい。更に、p-オキシ安息香酸、p-(ヒドロキシエトキシ)安息香酸、ヒドロキシピバリン酸、γ-ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、イタコン酸、シトラコン酸などを必要に応じて併用することが出来る。また、必要に応じてトリメリット酸、ピロメリット酸などのトリおよびテトラカルボン酸などの3官能以上のポリカルボン酸を全カルボン酸成分に対して10モル%以下であれば使用することが出来る。また、芳香族ジカルボン酸の一部をスルホン酸或はその塩で置換された酸成分を用いても良くこれらのスルホン酸置換(またはその塩の基)量の上限としては、有機溶剤に可溶な範囲内で共重合されているほうが、他の有機溶剤可溶な添加剤や樹脂と混合して使用できると言う点で更に好ましい。これらのスルホン酸置換(またはその塩の基)を含有する好ましい芳香族ジカルボン酸としては、スルホテレフタル酸、5-スルホイソフタル酸、4-スルホフタル酸、4-スルホナフタレン-2,7-ジカルボン酸、5(4-スルホフェノキシ)イソフタル酸、などの芳香族ジカルボン酸、それらの、アンモニウム塩、およびそのリチウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、銅、鉄などの金属塩、が挙げられる。特に好ましいものは5-ナトリウムスルホイソフタル酸である。
着色層2bのバインダー樹脂のポリエステル樹脂の原料として用いられるポリオール成分としては、エチレングルコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオ−ル、1,9-ノナンジオ−ル、2-エチル-2-ブチルプロパンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ジメチロールヘプタン、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオ−ルが挙げられる。ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、さらに、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコールエチレンオキサイド付加物、ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド付加物も必要により使用しうる。芳香族含有グリコールとしては、パラキシレングリコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレングリコ−ル、1,4-フェニレングリコ−ル、1,4-フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物などの、ビスフェノ−ル類の2つのフェノ−ル性水酸基にエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリコ−ル類が例示される。脂環族ジオール成分としては、例えば、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメチロール、トリシクロデカンジメタノール(TCD-M)、シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。特に好ましいのはアルキレンオキサイド付加ビスフェノールAであり、接着適正の範囲が広がる。
着色層2aに用いるポリエステル樹脂は、酸成分中の1,2-エチレンジカルボン酸がモル比70%以上である事が好ましい。また該ポリエステル樹脂の重量平均分子量は2,000〜40,000の範囲が好ましく、更に2,000〜20,000の範囲が転写インク層2を転写した際の箔切れ性が良くなるために好ましい。
着色層2bは上記バインダー樹脂を用いることにより、耐擦過性の高い上記剥離層2aへの良好な重ねプリント適性が得られ、着色層の凝集破壊や接着性不良などに対する耐久性(耐擦過性)が向上し、更に、熱転写シートを巻き状の製品にした場合に、対向して接触する転写インク層2と背面層3とがブロッキングし難くい。
着色層2bは、熱転写シートの最表面が被熱転写シート重ね合せて熱転写される際に、シワを生じ難くさせたり、被転写体との間である程度の滑り性を持たせるために、フィラーを添加しても良い。着色層2bに対するフィラーの添加量は、着色層樹脂/フィラー=85/15〜100/0(質量比)の間が好ましい。フィラーの添加量が多すぎると、色相を阻害し色再現性が低下してしまう。また耐擦過性も低下する。着色層2bに添加されるフィラーの種類及び粒径は、剥離層に用いられるフィラーとして挙げたものを用いることができる。
また着色層2bは、該着色層を形成する為の組成物からなるインク状態において、着色剤としての顔料の分散性などのインク安定性を図る為に、従来公知の分散剤、安定剤、消泡剤、粘調剤を含んでいても良い。
着色層2bの厚みは、0.1〜5.0g/m2程度、好ましくは0.1〜2.0m2程度とすることができる。
3)背面層
背面層3は、熱転写シートが転写される際のサーマルヘッドやレーザーなどの加熱デバイスと基材シートとの熱融着や熱ダメージなどを防止し、熱転写シートの走行を滑らかにする目的および巻物状の製品とした時にブロッキングを防止する目的で設けられる。
この背面層3に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドンなどのビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体などのアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性またはフッ素変性樹脂などの天然または合成樹脂の単体または混合物が用いられる。背面層の耐熱性、ブロッキング防止性をより高めるために上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネートやキレート化合物などを併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
さらに、熱転写シートにゴムローラーやサーマルヘッドとの摺動性を付与するために、背面層3に固形あるいは液状の離型剤または滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤または滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックスなどの各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ビスアマイド、ナイロン、アクリル、架橋ポリスチレン、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、金属石鹸、タルク、シリカなどの無機化合物の微粒子などを用いることができる。
背面層3に含有される離型剤や滑剤の量は5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%程度である。このような背面層の厚みは0.01〜5.0g/m2程度、好ましくは0.05〜3g/m2程度とすることができる。
4)離型層
離型層4は、基材シート1と転写インク層2との間、或いは基材シート1の表面側に帯電防止層5を設けた場合の帯電防止層5と転写インク層2との間に、転写インク層2の熱転写時の離型性を改良するために設ける層であり、熱転写シートを転写した際に転写せずに基材シート1側に残る層である。
このような離型層4は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などの離型剤を使用して形成することもできるし、特開平4-142998号公報に記載の親水性樹脂や各種の硬化性樹脂などを、基材シート1と転写インク層2の特性に合わせて適宜選択して使用することができ、特に限定されない。離型層4の形成は、上記のような離型剤に必要な添加剤を加えたものを適当な溶剤に溶解または分散して調製したインキを、基材シート1上に公知の手段により塗布・乾燥させて行うことができ、厚みは0.1〜5.0g/m2程度が好ましい。また離型層4の厚みは、0.1〜5.0g/m2程度、好ましくは0.1〜2.0g/m2程度とすることができる。
5)帯電防止層
帯電防止層5は、熱転写シートの一方若しくは両方の面に設けると良い。帯電防止層を構成する帯電防止剤としては、従来公知の各種帯電防止剤が利用できるが、例えば、4級アンモニウム塩化合物や4級アンモニウム塩変性ポリマーなどのイオン系、非イオン界面活性剤系、カーボン、アンチモン・スズ化合物(ATO)、インジウム・スズ化合物(ITO)などの無機系や、スルホン化ポリアニリンなどの非イオンポリマー系などが挙げられる。これらは、単体でも、適当なバインダー樹脂にブレンド、分散させても良い。中でも湿度に影響の少ない、カーボン、アンチモン・スズ化合物(ATO)、インジウム・スズ化合物(ITO)などの無機系や、スルホン化ポリアニリンなどの非イオンポリマー系などが好ましい。これら帯電防止剤は耐擦過性能や熱転写時の重ねプリント適性に影響がない様に、基材と背面の間、基材と離型層の間や、離型層に帯電防止機能を付加する形態が好ましく、
効果的である。
6)熱転写シートの製品形態
本発明熱転写シートは各色が単色の巻や、カットシートであっても良いし、2色以上の面順次であっても良い。面順次を製造するには、製造時に離型層や剥離層をパターン印刷するがこの時パターンの見当合せ用に色相に殆ど影響がない程度に、剥離層2aや離型層4にブルーイング剤を添加する事ができる。ブルーイング剤は、剥離層2aまたは離型層4のどちらか一方若しくは両方に入れても良い。
ブルーイング剤としては、蛍光増白剤、青色染料、青色顔料、を用いることができる。蛍光増白剤は、従来公知のいずれの化合物でも使用でき、スチルベン系、ジスチルベン系、ベンゾオキサゾール系、スチリル−オキサゾール系、ピレン−オキサゾール系、クマリン系、アミノクマリン系、イミダゾール系、ベンゾイミダゾール系、ピラゾリン系、ジスチリル−ビフェニル系蛍光増白剤からなる群などが挙げられる。ブルーイング度は、これら蛍光増白剤、青色染料、青色顔料の種類と添加量で調製することができる。
蛍光増白剤の添加方法としては、あらゆる方法を用いることができる。即ち、水に溶解させて添加する方法、ボールミル、コロイドミルによって粉砕分散して添加する方法、高沸点溶媒に溶解して親水性コロイド溶液と混合し、水中油滴型分散物として添加する方法、高分子ラテックス中に含浸させて添加する方法などがある。
次に、具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。以下の表1に示す成分組成からなるアクリル樹脂を用意した。なお表中の略号は以下の通りである。
Figure 0004336176
MMA:メチルメタクリレート
ibo:イソボルニルメタクリレート
BMA:ブチルメタクリレート
MA:メタクリル酸
AN:アクリロニトリル
St:スチレン
また以下の表2に示す成分組成からなるポリエステル樹脂を用意した。表中の略号は以下の通りである。
Figure 0004336176
T:テレフタル酸
I:イソフタル酸
F:フマル酸(trans-1,2-エチレンジカルボン酸)
M:マレイン酸(cis-1,2-エチレンジカルボン酸)
EG:エチレングリコール
NG:ネオペンチルグリコール
PO-Bis-A:ビスフェノールAプロプレンオキサイド付加体
また下記の組成の背面層用塗工液、離型層用塗工液、剥離層用塗工液、着色層用塗工液を用意した。
〔背面層用塗工液組成〕
アクリロニトリル−スチレン共重合体 11質量部
線状飽和ポリエステル樹脂 0.3質量部
ジンクステアリルホスフェート 6質量部
メラミン樹脂粉末 3質量部
トルエン/エタノール=50/50(質量比) 80質量部
〔離型層用塗工液組成〕
アイオノマー樹脂 11質量部
水/エタノール=2/3(質量比) 100質量部
〔剥離層用塗工液組成〕
下記の表3に示す通りである。なお表中の単位は質量部である。
Figure 0004336176
〔着色層用塗工液組成〕
下記の表4に示す通りである。なお表中の単位は質量部である。
Figure 0004336176
〔熱転写シートの作成〕
基材シートとして厚さ4.5μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その一方の面にワイヤーバーコーティング方式により、上記組成の背面層用塗工液を塗布[塗工量:1.0g/m2(乾燥時)]し、乾燥(100℃、60秒間)した。次に、背面層を形成した面と反対の面に、剥離層、着色層の順で、下記表5に示す組合せに従い、それぞれの塗工液を塗布・乾燥し、各層を順次積層して実施例および比較例の熱転写シートを得た。なお剥離層用塗工液は、乾燥時に0.5g/m2になる様に塗布し、乾燥(120℃、60秒間)した。また着色層用塗工液は、乾燥時に1g/m2になる様に塗布し、乾燥(80℃、60秒間)した。
(表5)
Figure 0004336176
実施例及び比較例の熱転写シートを用いて実際にプリントしハーフトーン画像を作成し、耐擦過性、ドット再現性、重ねプリント適性及びブロッキング性について評価した。その結果を表6に合わせて示す。なおプリント方法及び試験方法は以下の通りである。
Figure 0004336176
〔プリント方法〕
プリント用紙として白PETを用い、テストプリンターにて下記の条件のハーフトーン画像を作成した。
・サーマルヘッド;KBT-219-24SAG41(京セラ社製)
・発熱体平均抵抗値;4819(Ω)
・主走査方向印字密度;600dpi
・副走査方向印字密度;600dpi
・印加電力:0.01(W/dot)
・1ライン周期:4(msec.)
・画像:70線数/インチ、85%網点画像
〔耐擦過性の評価〕
実施例及び比較例の各熱転写シートを、角度15度でプリントし、スガ試験機社製摩擦試験機を用いて以下の条件にて転写物の耐擦過性試験を行った。
・プリント面と接触して擦過磨耗させる材料:布地(かなきん3号)
・荷重:300gf
・回数:200往復
評価基準:◎:転写画像に影響が見られない。
○:転写画像に殆ど影響が見られない。
△:転写画像に影響が見られる。
×:転写画像に明らかの擦れとられがある。
〔ドット再現性の評価〕
各熱転写シートを、角度15度でプリントし、転写されたドットの状態をルーペで観察した。
評価基準:○:ドットの形成状態が一様できれいである。
△:ドットの形成状態が一様だが、やや余分に転写されている様に見える。
×:ドットの形成状態が不規則で、余分に転写されていたり、逆に転写欠けがある。
〔重ねプリント適性の評価〕
各熱転写シートを異なる顔料を用いて色の違いが分かる2色の熱転写シートをそれぞれ作成し、1色目を角度90度でプリントした後、2色目を角度75度でプリントし、1色目の上に2色目が転写されているかをルーペで確認した。
評価基準:○:1色目の上にほぼ転写されている。
△:1色目の上に転写されていない所が半分程度ある。
×:1色目の上に2色目が転写されない。
〔ブロッキング性の評価〕
各熱転写シートを転写面と背面を重ね合わせ、以下の条件にて保存した時に、背面側に転写面が移行するか否かを目視で判断した。
評価基準:○:背面側に移行が見られない。
△:背面側に色移りが見られるが、転写インク層の移行は見られない。
×:背面側に転写インク層の移行が見られる。
本発明熱転写シートの態様を示す断面図である。 本発明熱転写シートの態様を示す断面図である。 本発明熱転写シートの態様を示す断面図である。 本発明熱転写シートの態様を示す断面図である。 本発明熱転写シートの態様を示す断面図である。 本発明熱転写シートの態様を示す断面図である。
符号の説明
1 基材シート
2 転写インク層
2a 剥離層
2b 着色層
3 背面層
4 離型層
5 帯電防止層

Claims (8)

  1. 基材シートの一方の面の少なくとも一部に、熱により転写可能な転写インク層を有し、該転写インク層は、基材シート側から、剥離層、着色層の順に積層されており、該剥離層は少なくともメチルメタクリレートが60質量%以上共重合され且つ、ガラス転移点が100℃以上且つ、重量平均分子量が50,000以下のアクリル樹脂を主成分とし、該着色層が少なくとも着色剤およびバインダー樹脂としてのアクリル樹脂とポリエステル樹脂とを含み、該アクリル樹脂はメチルメタクリレートが60質量%以上共重合され且つガラス転移点が60℃以上であり、該ポリエステル樹脂が、酸成分として1,2-エチレンジカルボン酸を含むものであることを特徴とする熱転写シート。
  2. 着色層のバインダー樹脂のポリエステル樹脂が、ジオール成分としてアルキレンオキサイド付加ビスフェノールAを含むものである請求項1記載の熱転写シート。
  3. 着色層のバインダー樹脂のアクリル樹脂とポリエステル樹脂の混合比率が、アクリル樹脂/ポリエステル樹脂=40/60〜95/5(質量比)である請求項1または2記載の熱転写シート。
  4. 剥離層が紫外線吸収剤を含有する請求項1〜3のいずれかに1に記載の熱転写シート。
  5. 剥離層および/または着色層が、有機フィラーおよび/または無機フィラーを含有する請求項1〜4のいずれか1に記載の熱転写シート。
  6. 転写インク層と基材シートとの間に転写しない離型層を形成してなる請求項1〜5のいずれか1に記載の熱転写シート。
  7. 熱転写シートの表面または裏面のどちらか一方若しくは両方に帯電防止性を付与してなる請求項1〜6のいずれか1に記載の熱転写シート。
  8. 剥離層または離型層のどちらか一方若しくは両方に、ブルーイング剤を含有する請求項1〜7のいずれか1に記載の熱転写シート。
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