JP2017177706A - 熱転写シート - Google Patents
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Abstract
Description
上記の熱転写シートの転写によって、得られるカード等の印画物は、偽造や改造等がより困難であり、さらにその印画物に形成する情報をオンデマンドで、簡単に可変情報とすることができる。また、上記の熱転写シートの不可視光線吸収材料含有層がカード等に転写されて形成されたコードパターンなどの情報は、専用センサーで正常に読み取ることができる。
また、この熱転写シートにより、被転写体であるカード等に不可視光線吸収材料含有層を転写して、コードパターンを形成し、そのコードパターンの領域と、その領域以外の部分を含めた範囲に、その熱転写シートから転写性受容層を転写する際、転写性と被転写体との接着性が両方とも良好である。
また、不可視光線吸収材料含有層と転写性受容層に加えて、色材層を面順次に有することが好ましい。これにより、カード等に不可視光線吸収材料含有層による情報及び色材層による熱転写画像を、インラインで効率よく形成できることができる。
また、接着層の粒子は、接着層全体の固型分に対して質量基準で、40%以上85%以下含有していることが好ましい。この熱転写シートにより、被転写体であるカード等に不可視光線吸収材料含有層を転写して、コードパターンを形成し、そのコードパターンの領域と、その領域以外の部分を含めた範囲に、その熱転写シートから転写性受容層を転写する際、転写性と被転写体との接着性が両方ともより良好となる。
また本発明の熱転写シートを用いると、被転写体であるカード等に不可視光線吸収材料含有層を転写して、コードパターンを形成し、そのコードパターンの領域と、その領域以外の部分を含めた範囲に、その熱転写シートから転写性受容層を転写する際、転写性と被転写体との接着性の両方とも良好とすることができる。
図1は、本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す概略断面図であり、基材2の一方の面に、不可視光線吸収材料および第1の熱可塑性樹脂を含む不可視光線吸収材料含有層3と、第2の熱可塑性樹脂を含む転写性受容層4と第3の熱可塑性樹脂を含む接着層5の積層された層とを、面順次に繰り返し有した構成の熱転写シート1である。
また、図2は本発明の熱転写シートの他の実施形態を示す概略断面図であり、基材2の一方の面に、不可視光線吸収材料および第1の熱可塑性樹脂を含む不可視光線吸収材料含有層3と、第2の熱可塑性樹脂を含む転写性受容層4と第3の熱可塑性樹脂を含む接着層5の積層された層、さらにイエロー色材層(Y)、マゼンタ色材層(M)、シアン色材層(C)の3色からなる色材層6を、面順次に繰り返し有した構成の熱転写シート1である。
(基材)
熱転写シートの基材2としては、不可視光線吸収材料含有層3等を被転写体へ転写する際の熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドの熱)に耐え得る耐熱性をもち、不可視光線吸収材料含有層3等を支持できる機械的強度や耐溶剤性などを有していれば、特に制限なく使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。
本発明の熱転写シートは、基材2上に不可視光線吸収材料および第1の熱可塑性樹脂を含む不可視光線吸収材料含有層3と、第2の熱可塑性樹脂を含む転写性受容層4と、を面順次に有し、転写性受容層4の上に第3の熱可塑性樹脂を含む接着層5を有し、前記第1の熱可塑性樹脂と前記第2の熱可塑性樹脂の一方あるいは双方の主成分モノマーと、前記第3の熱可塑性樹脂の主成分モノマーが同一種類であり、さらに接着層5が粒子を含有している。本発明で主成分モノマーとは、熱可塑性樹脂で使用された全てのモノマーに対し、モル比率で50%以上の割合で使用されたモノマーのことを意味する。ただし熱可塑性樹脂として重縮合化合物、重付加化合物を用いる場合においては、例えばポリエステル樹脂であるとすると、同一種類の多価カルボン酸モノマーと同一種類の多価アルコールモノマーの含有量の合計が、その重合で使用された全てのモノマーに対し、モル比率で50%以上の割合を占めるモノマーのことを主成分モノマーとする。
(a)HOOCR5COOH
(b)HOOCR6COOH
上記のR5及びR6は直鎖又は分岐のアルキルであればよい。
(c)HOR7OH
(d)HOR8OH
上記のR7及びR8は、主鎖に脂肪族又は芳香族環を含む構造であればよい。但し一方が脂肪族であれば、他方も脂肪族であり、また一方が芳香族環であれば、他方も芳香族環である必要がある。
また、使用される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のガラス転移温度は、70〜80℃程度である。本発明で記載するガラス転移温度は、全てJIS−K−7121:2012に準拠し、DSC(示差走査熱量測定)法により求められたものである。
接着層5に含まれる第3の熱可塑性樹脂は、接着層5を構成するバインダー樹脂全体に対して、主成分として含まれていればよく、具体的には質量基準で50%以上含まれていればよい。より好ましくは接着層5を構成するバインダー樹脂全体に対して70%以上、さらに好ましくは90%以上含有すればよい。
なお、この第3の熱可塑性樹脂の配合については、不可視光線吸収材料含有層3中に主成分として含まれる第1の熱可塑性樹脂、転写性受容層4中に主成分として含まれる第2の熱可塑性樹脂についても、同様に適用できる。
上記の粒子は、接着層5全体の固型分に対して質量基準で、40%以上85%以下含有していることが好ましい。その粒子の含有割合が、接着層全体の40%未満の場合、隠蔽性が十分ではなく、また接着層の白色性も十分ではない。一方で、粒子の含有割合が85%よりも大きくなると、接着層としての接着性が低下してくる。
不可視光線吸収材料含有層3は、下記の不可視光線吸収材料含有インキで説明する不可視光線吸収材料と第1の熱可塑性樹脂であるバインダー樹脂を用いて形成することができる。但し、熱転写シートの基材2と不可視光線吸収材料含有層3との間に、必要に応じて、加熱により剥離性を有する剥離層を設けることができる。
なお、不可視光線吸収材料含有層3に含む第1の熱可塑性樹脂の配合については、不可視光線吸収材料含有層3を構成するバインダー樹脂全体に対して、主成分として含まれていればよく、具体的には質量基準で50%以上含まれていればよい。より好ましくは不可視光線吸収材料含有層3を構成するバインダー樹脂全体に対して70%以上、さらに好ましくは90%以上含有すればよい。
不可視光線吸収材料含有層3の厚みについて特に限定はないが、0.1μm以上5μm以下の範囲であることが好ましい。不可視光線吸収材料含有層3の厚みを好ましい範囲とすることで、赤外光、或いは紫外光において十分に識別可能なコードパターン等の情報(画像)とすることができる。なお、不可視光線吸収材料含有層3の厚みを薄くしすぎた場合には、不可視光線吸収材料含有層3を用いて形成される画像を検知するときの検知性能が低下していく傾向にある。また、不可視光線吸収材料含有層3を被転写体上に転写するときの転写性が低下していく傾向にある。
不可視光線吸収材料含有インキは、不可視光線吸収材料を含有し、バインダー樹脂を含むものである。本願明細書で言う不可視光線吸収材料とは、可視光を吸収せず、或いは殆ど吸収せず、赤外光や紫外光等を吸収する或いは赤外光や紫外光等によって励起される材料を意味する。
不可視光線吸収材料含有インキの赤外線吸収材料含有インキは、赤外線吸収材料とバインダー樹脂で構成することができる。赤外線吸収材料としては、例えば、ジイモニウム系化合物、アミニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、ジチオール系有機金属錯体、シアニン系化合物、アゾ系化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、オキソール系化合物やカーボンブラック等が挙げられ、赤外線吸収材料含有インキは、上記のような赤外線吸収材料を1種または2種以上含んでいてもよい。
なお、本願明細書において、赤外線とは極大吸収波長(λmax)領域が、750nm以上2500nm以下であるものをいう。
不可視光線吸収材料含有層3に含む第1の熱可塑性樹脂と、転写性受容層4に含む第2の熱可塑性樹脂の一方あるいは双方の主成分モノマーと、接着層に含む第3の熱可塑性樹脂の主成分モノマーが同一種類であることは、上記で説明した。それに伴い、不可視光線吸収材料含有層3においても、塩化ビニル系、アクリル系、ポリエステル系の熱可塑性樹脂を、第1の熱可塑性樹脂であるバインダー樹脂として用いることが好ましい。
赤外線吸収材料含有インキは、被転写体(カード)に固有情報としてコードパターンを形成することができ、赤外線を用いた光学的読取装置を使用することにより、そのコードパターンの情報を読み取ることができる。
また、不可視光線吸収材料含有インキは、赤外線吸収材料と、紫外線吸収性材料の双方を含有していてもよい。
なお、本願明細書において、紫外線とは極大吸収波長(λmax)領域が、280nm以上400nm以下であるものをいう。
紫外線吸収材料含有インキは、被転写体(カード)に固有情報としてコードパターンを形成することができ、紫外線を用いた光学的読取装置を使用することにより、そのコードパターンの情報を読み取ることができる。
転写性受容層4は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
転写性受容層4を形成するための材料としては、昇華染料または熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体、アイオノマー、セルロース系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系樹脂が好ましい。
なお、転写性受容層4に含む第2の熱可塑性樹脂の配合については、転写性受容層4を構成するバインダー樹脂全体に対して、主成分として含まれていればよく、具体的には質量基準で50%以上含まれていればよい。より好ましくは転写性受容層4を構成するバインダー樹脂全体に対して70%以上、さらに好ましくは90%以上含有すればよい。
転写性受容層4は、上記の樹脂材料、及び必要に応じて添加される離型剤等の添加剤を適当な溶媒に、分散ないし溶解した転写性受容層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、基材2、或いは基材2上に設けられる任意の層上に、塗工、乾燥して形成することができる。転写性受容層4の厚みについて特に限定はなく、通常、0.3μm以上10μm以下の範囲である。
熱転写シートは、不可視光線吸収材料含有層3、転写性受容層4と面順次となるように色材層6を備えていてもよい。
色材層6は従来から知られたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、さらに必要に応じてブラック等の着色された昇華染料を含有する昇華型染料層、あるいは上記の各種着色された顔料などの着色剤を含有する熱溶融性インキによる熱溶融性色材層を使用することができる。
以下、色材層6として昇華型染料層に関し詳細に説明するが、色材層6として昇華型染料層に限定しているわけではなく、熱溶融性インキによる熱溶融性色材層も本発明で適用することができる。
昇華型染料層におけるバインダー樹脂の含有量は、昇華型染料層の全固形分に対して20質量%以上、80質量%以下であることが好ましい。
昇華型染料層の厚みは特に限定はなく、通常、0.2μm以上5μm以下の範囲である。
熱転写シートは、基材2の不可視光線吸収材料含有層3等を有する面とは反対の面(裏面)に背面層を備えていてもよい。背面層は、熱転写する際の基材の裏面側からサーマルヘッド等によって加熱される際に熱融着、スティキングやシワ等の悪影響を防止するために、所望により設けられる層である。
背面層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
(実施例1)
<熱転写シートの作製>
基材として厚さ4.5μmPETフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時の塗工量が、1.0μmになるように塗工し、乾燥し、背面層を形成させた。
・ポリビニルブチラール樹脂 1.8質量部
(積水化学工業(株)製、エスレックBX−1)
・ポリイソシアネート 5.5質量部
(DIC(株)製、バーノックD750)
・リン酸エステル系界面活性剤 1.6質量部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフA208N)
・タルク 0.35質量部
(日本タルク工業(株)製、ミクロエースP−3)
・トルエン 18.5質量部
・メチルエチルケトン 18.5質量部
・アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート) 17質量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−87)
・ジイモニウム塩 1.5質量部
(日本カーリット(株)製、CIR−RL)
・トルエン 45質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 16.8質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバインCNL、共重合比が塩化ビニル/酢酸ビニル=90/10)
・有機変性シリコーンオイル 1.0質量部
(信越化学工業(株)製、X−22−3000T)
・有機変性シリコーンオイル 1.0質量部
(信越化学工業(株)製、X−24−510)
・有機変性シリコーンオイル 0.7質量部
(信越化学工業(株)製、KF−352A)
・メチルエチルケトン 40質量部
・トルエン 40質量部
・アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート) 8.0質量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−87)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 2.0質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバインCNL、共重合比が塩化ビニル/酢酸ビニル=90/10)
・酸化チタン 40質量部
(石原産業(株)製、CR−50)
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
上記の実施例1の熱転写シートにおいて、不可視光線吸収材料含有層用塗工液1から下記組成の不可視光線吸収材料含有層用塗工液2に変更し、さらに接着層用塗工液1から接着層用塗工液2に変更し、その他は実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを作製した。
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 8.0質量部(日信化学工業(株)製、ソルバインCNL、共重合比が塩化ビニル/酢酸ビニル=90/10)
・ポリエステル樹脂 9.0質量部
(東洋紡績(株)製、バイロン200)
・ジイモニウム塩 1.5質量部
(日本カーリット(株)製、CIR−RL)
・トルエン 45質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
・ポリエステル樹脂 8.0質量部
(東洋紡績(株)製、バイロン200)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 2.0質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバインCNL、共重合比が塩化ビニル/酢酸ビニル=90/10)
・酸化チタン 40質量部
(石原産業(株)製、CR−50)
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
上記の実施例1の熱転写シートにおいて、接着層用塗工液1から接着層用塗工液3に変更し、その他は実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを作製した。
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバインCNL、共重合比が塩化ビニル/酢酸ビニル=90/10)
・酸化チタン 40質量部
(石原産業(株)製、CR−50)
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
上記の実施例1の熱転写シートにおいて、接着層用塗工液1から接着層用塗工液4に変更し、その他は実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを作製した。
・アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート) 10質量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−87)
・酸化チタン 40質量部
(石原産業(株)製、CR−50)
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
上記の実施例1の熱転写シートと同様に、基材の背面層を設けた側とは反対の面の一部に、不可視光線吸収材料含有層用塗工液1を乾燥時の塗工量が、0.8μmになるように塗工し、乾燥し、不可視光線吸収材料含有層を形成させた。その不可視光線吸収材料含有層と面順次となるように、転写性受容層用塗工液を乾燥時の塗工量が、1.0μmになるように塗工し、乾燥し、転写性受容層を形成させた。その転写性受容層上に、接着層用塗工液1を乾燥時の塗工量が、1.2μmになるように塗工し、乾燥し、接着層を形成させた。(図2参照)
・アルミナゾル 2.5質量部
(日産化学工業(株)製、アルミナゾル200)
・ポリビニルピロリドン樹脂 2.5質量部
(ISPジャパン(株)製、PVP K−60)
・水 47.5質量部
・イソプロピルアルコール 47.5質量部
・ソルベントイエロー93 2質量部
・ディスパースイエロー201 4質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5質量部
(積水化学工業(株)製、KS−5)
・トルエン 50質量部
・メチルエチルケトン 50質量部
・ディスパースレッド60 3質量部
・ディスパースバイオレット26 3質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5質量部
(積水化学工業(株)製、KS−5)
・トルエン 50質量部
・メチルエチルケトン 50質量部
・ソルベントブルー63 3質量部
・ディスパースブルー354 3質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5質量部(積水化学工業(株)製、KS−5)
・トルエン 50質量部・メチルエチルケトン 50質量部
上記の実施例1の熱転写シートにおいて、接着層用塗工液1から接着層用塗工液5に変更し、その他は実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを作製した。
・ポリエステル樹脂 10質量部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学(株))
・イソプロピルアルコール 10質量部
・水 30質量部
被転写体として、昇華型転写プリンター(株式会社DNPフォトルシオ製 DS−40)の純正ペーパーを準備した。
(テストプリンター)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300(dpi)
副走査方向印字密度:300(dpi)
印画電圧:18(V)
1ライン周期:1.5(msec.)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85%
また、実施例5については、さらに上記テストプリンターを用いて、熱転写シートが備える染料層から、被転写体へ転写された受容層上へ染料を移行させ、画像を形成させ、印画物を作製した。その画像は128/256階調のグレー画像を形成した。
(転写性)
各実施例及び比較例で作製した熱転写シートを用い、その熱転写シートから不可視光線吸収材料含有層を転写して、コードパターンを形成しておく。次に、そのコードパターンの領域と、その領域以外の部分を含めた範囲に、その熱転写シートから転写性受容層を被転写体に転写する際、その転写性の状況を以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○;コードパターンの領域及びそれ以外の領域でも十分問題なく、転写した。
×;コードパターンの領域を含めて、受容層の転写に不良の箇所が目立って生じた。
上記で得られた各印画物において、コードパターンの領域及びそれ以外の領域で、転写性受容層が転写された箇所に、セロハンテープを手で1往復擦って貼り付け、すぐに180°剥離方向により手で剥がし接着性を以下の評価基準にて、評価した。
(評価基準)
○;コードパターンの領域及びそれ以外の領域でも、セロハンテープ側に取られるものが認められず、問題なく、接着性は良好であった。
×;コードパターンの領域を含めて、セロハンテープ側に取られるものが目立って認められ、問題があり、接着性は不良であった。
上記の評価結果から、比較例の熱転写シートは被転写体に形成されたコードパターンの領域と、その領域以外の部分を含めた範囲で、転写性受容層の転写性に問題があり、さらに被転写体と受容層との接着性に問題があった。
しかし、全ての実施例の熱転写シートは、被転写体に形成されたコードパターンの領域と、その領域以外の部分を含めた範囲で、転写性受容層の転写性と、被転写体と受容層との接着性が両方とも良好であった。
また、実施例5の熱転写シートでは、被転写体に不可視光線吸収材料含有層による情報(コードパターン)及び色材層による熱転写画像を、インラインで効率よく形成できるものであった。
2 基材
3 不可視光線吸収材料含有層
4 転写性受容層
5 接着層
6 色材層
Claims (4)
- 基材上に不可視光線吸収材料および第1の熱可塑性樹脂を含む不可視光線吸収材料含有層と、第2の熱可塑性樹脂を含む転写性受容層と、を面順次に有する熱転写シートであって、前記転写性受容層の上に第3の熱可塑性樹脂と粒子を含む接着層を有し、前記第1の熱可塑性樹脂と前記第2の熱可塑性樹脂の一方あるいは双方の主成分モノマーと、前記第3の熱可塑性樹脂の主成分モノマーが同一種類であることを特徴とする熱転写シート。
- 前記第1、第2、第3の熱可塑性樹脂が塩化ビニル系、アクリル系、ポリエステル系の熱可塑性樹脂の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
- 前記不可視光線吸収材料含有層と前記転写性受容層に加えて、色材層を面順次に有することを特徴とする請求項1または2に記載する熱転写シート。
- 前記接着層に含まれる粒子は、前記接着層全体の固型分に対して質量基準で、40%以上85%以下含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載する熱転写シート。
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