JP2016060046A - 熱転写シート、印画物及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基材の一方の面に、少なくとも、受容層、ホログラム画像を有するレリーフ形成層を有する熱転写シートで、非常に特異的な装飾効果を有するホログラムを有する印画物を形成でき、その熱転写シートから転写層を転写させる際の印加エネルギーが高い場合でも、得られる印画物でホログラムにひび割れが生じることがなく、高品質の印画物が形成できる熱転写シートを提供する。
【解決手段】 基材2の一方の面に、少なくとも、剥離層3、レリーフ形成面側に反射層5を備え、且つホログラム画像を有するレリーフ形成層4、接着層6が順次設けられた熱転写シート1で、前記剥離層3にセルロース系樹脂を含有することを特徴とする構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 基材2の一方の面に、少なくとも、剥離層3、レリーフ形成面側に反射層5を備え、且つホログラム画像を有するレリーフ形成層4、接着層6が順次設けられた熱転写シート1で、前記剥離層3にセルロース系樹脂を含有することを特徴とする構成とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基材の一方の面に、少なくとも、受容層、ホログラム画像を有するレリーフ形成層を有する熱転写シートに関し、またその熱転写シートにより形成される印画物、さらに、その熱転写シートを用いた画像形成方法に関するものである。
従来、ホログラム、回折格子などのレリーフ構造を有する転写箔は、特異な装飾像や立体像を表現でき、また、これらホログラムや回折格子は高度な製造技術を要し、容易に製造できないことから、偽造防止として利用されている。例えば、クレジットカード、IDカード、プリペイドカード等のカード類、カラーコピーで再現出来ないために商品券、小切手、手形、株券、入場券、各種証明書等の紙券類等に転写して利用されている。さらに、その特異な意匠性から、包装材、書籍、パンフレット、POP、またトレーディングカード等への利用も少なくない。
これらホログラム、回折格子などのレリーフ構造を物品に貼着する手段として、転写箔を用いて転写印刷する方法が、知られている。その転写箔は、基材上に剥離層、ホログラムや回折格子などのパターンが形成されたレリーフ形成層、反射層、接着層を順次積層したものである。その転写箔の転写印刷する方法としては、ホットスタンプ(箔押とも呼ばれる)、又は加熱ロールによる加熱転写が一般的である。
また、ホログラム等のレリーフ構造を、基材から転写可能に設けたホログラム熱転写シートを用いて、サーマルヘッドで熱転写して形成することが知られている。例えば、特許文献1には、基材シート上に剥離層、光回折構造が形成されている樹脂層、及び接着剤層を順次積層してなる構成のものが記載されている。このようなサーマルヘッドによりホログラムを任意のパターンで熱転写して形成できるため、昇華転写方式や熱溶融転写方式でカラー画像を形成した印画物に、ホログラムを熱転写して形成することが行われている。
また、転写されるホログラムの色が限定されてしまう課題に対し、多種多様な色のホログラムと熱転写画像とを、自在に組み合わせることが可能な、受容層、レリーフ形成層等を積層した熱転写シートが特許文献2に提案されている。
上記の特許文献2に開示されている熱転写シートにより、非常に特異的な装飾効果を有し、また、偽造防止効果等のセキュリティー効果の高い画像が得られるが、熱転写シートから転写層を転写させる際の印加エネルギーが高い場合、得られる印画物におけるホログラムにひび割れが生じることがわかってきた。
上記の特許文献2に開示されている熱転写シートにより、非常に特異的な装飾効果を有し、また、偽造防止効果等のセキュリティー効果の高い画像が得られるが、熱転写シートから転写層を転写させる際の印加エネルギーが高い場合、得られる印画物におけるホログラムにひび割れが生じることがわかってきた。
本発明はこのような状況においてなされたものであり、基材の一方の面に、少なくとも、受容層、ホログラム画像を有するレリーフ形成層を有する熱転写シートで、非常に特異的な装飾効果を有するホログラムを有する印画物を形成でき、その熱転写シートから転写層を転写させる際の印加エネルギーが高い場合でも、得られる印画物でホログラムにひび割れが生じることがなく、高品質の印画物が形成できる熱転写シートを提供することを目的とする。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、基材の一方の面に、少なくとも、剥離層、レリーフ形成面側に反射層を備え且つホログラム画像を有するレリーフ形成層、接着層が順次設けられた熱転写シートで、前記剥離層にセルロース系樹脂を含有することを特徴とする構成である。
前記セルロース系樹脂のガラス転移温度は80℃以上170℃以下であることを特徴とする熱転写シートである。
前記セルロース系樹脂のガラス転移温度は80℃以上170℃以下であることを特徴とする熱転写シートである。
本発明の印画物は、前記熱転写シートにより、被転写体上に、接着層、レリーフ形成面側に反射層を備え且つホログラム画像を有するレリーフ形成層、剥離層の順に積層した転写層が転写され、前記剥離層に熱転写画像が形成されていることを特徴とするものである。
前記剥離層の上に、保護層を有することを特徴とする印画物である。
前記剥離層の上に、保護層を有することを特徴とする印画物である。
本発明の画像形成方法は、前記の熱転写シートを用いて、被転写体上に、接着層、レリーフ形成面側に反射層を備え且つホログラム画像を有するレリーフ形成層、剥離層の順に積層した転写層を転写し、その転写層が転写された被転写体の剥離層に、少なくとも昇華性染料の熱転写による画像を形成し、前記ホログラム画像と熱転写による画像の両方を形成可能であることを特徴とするものである。
本発明によれば、非常に特異的な装飾効果を有するホログラムを有する印画物を形成でき、熱転写シートから転写層を転写させる際の印加エネルギーが高い場合でも、得られる印画物でホログラムにひび割れが生じることがなく、高品質の印画物が形成できる。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1は本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す概略の断面図であり、基材2の一方の面に、剥離層3、レリーフ形成面側に反射層5を備え且つホログラム画像を有するレリーフ形成層4、接着層6を順次設けた熱転写シート1であり、すなわち基材2の一方の面に、剥離層3、レリーフ形成層4、反射層5、接着層6を順次積層した構成の熱転写シート1である。また、その基材2の他方の面には、背面層7を設けた構成である。
以下に、本発明の熱転写シートを構成する各層について、詳細に説明する。
図1は本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す概略の断面図であり、基材2の一方の面に、剥離層3、レリーフ形成面側に反射層5を備え且つホログラム画像を有するレリーフ形成層4、接着層6を順次設けた熱転写シート1であり、すなわち基材2の一方の面に、剥離層3、レリーフ形成層4、反射層5、接着層6を順次積層した構成の熱転写シート1である。また、その基材2の他方の面には、背面層7を設けた構成である。
以下に、本発明の熱転写シートを構成する各層について、詳細に説明する。
(基材)
本発明の熱転写シートで用いられる基材2としては、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材をそのまま用いることができ、またその他のものも使用することができ、特に制限されない。好ましい基材の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂が適用できる。その他、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、セルロース系樹脂のフィルムなども適用できる。耐熱性、機械的強度がよいポリエチレンテレフタレートが最適である。
本発明の熱転写シートで用いられる基材2としては、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材をそのまま用いることができ、またその他のものも使用することができ、特に制限されない。好ましい基材の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂が適用できる。その他、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、イミド系樹脂、セルロース系樹脂のフィルムなども適用できる。耐熱性、機械的強度がよいポリエチレンテレフタレートが最適である。
また、前記基材は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。前記基材の厚さは、0.5〜50μm程度が適用できるが、2.5〜12μmが好適で、4〜6μmが最適である。厚さがこの範囲を超えると、サーマルヘッドの熱の伝達が悪く、厚さがこの範囲よりも薄いと、機械的強度が不足してくる。
なお、本発明で数値範囲を規定する際の「A〜B」は、「A以上B以下」を意味する。
なお、本発明で数値範囲を規定する際の「A〜B」は、「A以上B以下」を意味する。
(剥離層)
本発明の熱転写シートの基材と、レリーフ形成層との間に、剥離層3を設ける。この剥離層は、レリーフ形成層、反射層、接着層を被転写体へ確実に、かつ容易に転写させることができ、さらに熱転写シートから被転写体へ転写される転写層の最上層として、熱転写画像を定着、受容できる受容層として機能することができる。本発明における剥離層は、セルロース系樹脂を含有することを特徴とする。この剥離層は、セルロース系樹脂を主体に含むことができ、離型性材料などを加えることができる。なお、上記の「主体に」とは、剥離層に含有されるバインダーの総質量に対し、セルロース系樹脂が50質量%以上を含むことを意味している。セルロース系樹脂を含むことにより、高い染着性が得られ、なおかつ、ひび割れが生じることがなく、高品質の印画物が形成できる。
本発明の熱転写シートの基材と、レリーフ形成層との間に、剥離層3を設ける。この剥離層は、レリーフ形成層、反射層、接着層を被転写体へ確実に、かつ容易に転写させることができ、さらに熱転写シートから被転写体へ転写される転写層の最上層として、熱転写画像を定着、受容できる受容層として機能することができる。本発明における剥離層は、セルロース系樹脂を含有することを特徴とする。この剥離層は、セルロース系樹脂を主体に含むことができ、離型性材料などを加えることができる。なお、上記の「主体に」とは、剥離層に含有されるバインダーの総質量に対し、セルロース系樹脂が50質量%以上を含むことを意味している。セルロース系樹脂を含むことにより、高い染着性が得られ、なおかつ、ひび割れが生じることがなく、高品質の印画物が形成できる。
セルロース系樹脂としては、例えば、セルロースアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、ニトロセルロース等を挙げることができるが、これらの中でも、溶剤に対する溶解性が良好であるセルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂をセルロース系樹脂として特に好適に使用することができる。
上記のセルロース系樹脂は、セルロースアセテートプロピオネートは、α−セルロースにプロピオン酸、酢酸及びそれらの無水物を作用させた混合エステルであり、「CAP」の略称で表示することもある。またセルロースアセテートブチレートは、α−セルロースに酢酸、酪酸及びそれらの無水物を作用させた混合エステルであり、「CAB」の略称で表示することもある。
これらのセルロース系樹脂の中でも、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上170℃以下であるものが好ましい。セルロース系樹脂のTgを上記の範囲を満足するようにした剥離層を用いることで、熱転写シートから転写層を転写させる際の印加エネルギーが高い場合でも、剥離層の表面に損傷が生じることを防止する効果が特に高いので、得られる印画物でホログラムにひび割れが生じることがなく、高品質の印画物が形成できる傾向が大きくなる。
上記のセルロース系樹脂のTgが80℃未満であると、耐熱性が不足し、得られる印画物でホログラムにひび割れが生じるなど支障が生じる恐れが比較的大きくなり、またTgが170℃より高いと、受容層として、染料受容性が低下しやすくなり、好ましくない。なお、本発明で記載するガラス転移温度は、全て一般的に知られているDSC(示差熱量計)などを用いて、JIS K7121−1987に準拠して、測定したものである。
上記のセルロース系樹脂のTgが80℃未満であると、耐熱性が不足し、得られる印画物でホログラムにひび割れが生じるなど支障が生じる恐れが比較的大きくなり、またTgが170℃より高いと、受容層として、染料受容性が低下しやすくなり、好ましくない。なお、本発明で記載するガラス転移温度は、全て一般的に知られているDSC(示差熱量計)などを用いて、JIS K7121−1987に準拠して、測定したものである。
また、剥離層におけるセルロース系樹脂では、水酸基含有率が1.5質量%以上が好ましく、また水酸基含有率が3.0質量%以上が、より好ましい。それは、セルロース系樹脂の水酸基の含有率が、高い方がレリーフ形成層との密着性が高くなるからである。但し、セルロース系樹脂の水酸基の含有率が、7質量%以上であると、有機溶剤に対する溶解性が低下しやすくなり、好ましくない。上記の水酸基含有率とは、その樹脂の平均分子量に対する水酸基量の割合であって、単位は質量%である。
剥離層には、上記のセルロース系樹脂をバインダーとして用い、離型性材料を保持させることができる。そのバインダーとして、セルロース系樹脂の他に、熱可塑性樹脂であるポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル− 酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂等を、バインダー全量に対し、0〜20質量%の割合で加えることができる。
また、離型性材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂、タルクやシリカの微粉末、界面活性剤や金属セッケン等の潤滑剤等が使用できる。剥離層は、上記の必要な材料を適当な溶媒により、溶解または分散させて剥離層用塗工液を調製し、これを基材上に公知のコーティング法又は印刷法で、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗工、乾燥して形成することができる。その塗工量は乾燥時で0.05〜1g/m2程度である。
(レリーフ形成層)
レリーフ形成層4を構成する材料としては、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、ポリメチル(メタ)アクリレート)、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、そして、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂を硬化させたもの、不飽和エチレン系モノマーと不飽和エチレン系オリゴマーを適宜混合したものに増感剤を添加した組成物等の紫外線硬化性樹脂を硬化させたもの、或いは、上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合物やラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質が使用可能である。
特に耐薬品性、耐光性及び耐候性等の耐久性に優れた熱硬化性樹脂、紫外線や電子線などの電離放射線硬化性樹脂が好ましい。電離放射線硬化樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等の電離放射線硬化性樹脂を硬化させたものが適用でき、好ましくはウレタン変性アクリレート樹脂である。
レリーフ形成層4を構成する材料としては、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、ポリメチル(メタ)アクリレート)、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、そして、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂を硬化させたもの、不飽和エチレン系モノマーと不飽和エチレン系オリゴマーを適宜混合したものに増感剤を添加した組成物等の紫外線硬化性樹脂を硬化させたもの、或いは、上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合物やラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質が使用可能である。
特に耐薬品性、耐光性及び耐候性等の耐久性に優れた熱硬化性樹脂、紫外線や電子線などの電離放射線硬化性樹脂が好ましい。電離放射線硬化樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等の電離放射線硬化性樹脂を硬化させたものが適用でき、好ましくはウレタン変性アクリレート樹脂である。
上記の材料、例えば、ウレタン変性アクリル系樹脂の電離放射線硬化性樹脂に、必要に応じて、多官能のモノマーやオリゴマー、離型剤、有機金属カップリング剤、光開始剤などの各種添加剤を加えて、有機溶媒へ溶解又は分散させて、レリーフ形成層組成物(インキ)とする。そのレリーフ形成層組成物(インキ)を、公知のコーティング法又は印刷法で、剥離層の上に塗工し、乾燥して、レリーフ形成層(レリーフが施されていない状態のレリーフ形成層をレリーフ材料層と言う場合もある。)を形成する。コーティング法又は印刷法としては、剥離層の形成と同様な方法が適用できる。このレリーフ形成層の厚さは、通常は乾燥時塗工量で0.1〜10g/m2程度、好ましくは0.2〜5g/m2である。
上記のレリーフ形成層は、その表面にレリーフを賦形して、ホログラム画像が形成されたもので、そのレリーフ形成層による表面凹凸による視覚的効果として、ホログラム画像を観察することができる。そのレリーフは、凹凸レリーフであればよく、例えば、2次元または3次元画像を再生可能な表面凹凸パターン(光回折パターン)が形成されたものである。この表面凹凸パターンとしては、物体光と参照光との光の干渉による干渉縞の光の強度分布が凹凸模様で記録されたホログラムや回折格子が適用できる。ホログラムとしては、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。回折格子としては、ホログラム記録手段を利用したホログラフィック回折格子があげられ、その他、電子線描画装置等を用いて機械的に回折格子を作成することにより、計算に基づいて任意の回折光が得られる回折格子をあげることもできる。これらのホログラムおよび/または回折格子の単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。また、ホログラム、回折格子以外の表面凹凸パターンとしては、万線状の凹凸、干渉パターン、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズなども適用できる。
通常、賦形は、レリーフ材料層の表面に、レリーフが形成されているスタンパ(金属版、又は樹脂版)を圧着(所謂エンボス)をして、そのレリーフをレリーフ材料層へ形成(複製)した後に、スタンパを剥離することで行う。商業的複製の方法は、金型又は樹脂型のスタンパを用いて、レリーフ形成層の表面へエンボスしてレリーフを複製した後に電離放射線を照射するか、又は、エンボス中に電離放射線を照射してからスタンパを剥離することでレリーフを複製する。この商業的な複製は、長尺状の熱転写シートにおけるレリーフ材料層上に行うことで連続な複製作業ができる。
レリーフ材料層として電離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。「エンボス中に硬化させる場合には、スタンパをレリーフ材料層の表面に圧接している状態で硬化プロセスを行ってもよい。
上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、電離放射線を照射して硬化(反応)させると、電離放射線硬化樹脂(レリーフ形成層)となる。電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV-A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものとする。したがって、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適であり、波長300〜400nmの紫外線が最適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、及び/又は光重合促進剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しないで良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。
上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、電離放射線を照射して硬化(反応)させると、電離放射線硬化樹脂(レリーフ形成層)となる。電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV-A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものとする。したがって、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適であり、波長300〜400nmの紫外線が最適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、及び/又は光重合促進剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しないで良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。
レリーフの複製については、好ましい具体例としては、セミドライ複製法(SD複製法)と呼ばれている方法で、複製装置はベッドに固定された一対の本体フレームに給紙装置、転写装置、照射装置、巻取装置が順次配設され、給紙装置及び巻取装置は巻取りを供給又は巻き取る装置で構成することができる。その転写装置は、本体フレームの中央部に固定された軸受に軸が回転自在に支持されたエンボスローラーと、一対のアームに回転自在に支持された押付けローラーと、加圧機構とから構成することができる。給紙装置から、本発明の熱転写シートの反射層と接着層を積層する前の状態で、長尺帯状で繰り出し、エンボスローラーと押付けローラーとで加圧する。エンボスローラーの周表面にはスタンパ(金属版、又は樹脂版)が載置され、そのスタンパが加熱されている押付けローラーに一定圧で押付けられる。スタンパの凹凸(レリーフ)がレリーフ材料層の表面に転写され、スタンパから剥離され、直ちにUV照射装置により紫外線が照射され、表面に凹凸の形成されたレリーフ形成層4が硬化する。この後、巻取装置へ巻取られる。
(反射層)
ホログラム又は回折格子等のレリーフ構造を設けたレリーフ形成層面のレリーフへ、反射層5を設けることにより、ホログラムの再生像及び/又は回折格子などが明瞭に視認できるようになる。その反射層として、光を反射する金属を用いると反射タイプと、透明タイプがあり、いずれも使用することができる。反射層としては、Cr、Ni、Ag、Au、Al等の金属、及びその酸化物、硫化物、窒化物等の薄膜を単独又は複数を組み合わせてもよい。透明タイプの反射層としては、レリーフ形成層面と屈折率に差のある透明金属化合物が適用でき、例えば、ZnS、酸化スズ、酸化チタンである。なお、この透明とは、可視光が十分透過すれば良く、無色または有色で透明なものも含まれる。上記の金属、又は透明金属化合物の形成は、いずれも10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空薄膜法で得られる。反射層の厚さが小さすぎると、光がある程度透過して効果が減じ、また、反射層の厚さが大きすぎると、反射効果は変わらないので、コスト的に無駄である。
ホログラム又は回折格子等のレリーフ構造を設けたレリーフ形成層面のレリーフへ、反射層5を設けることにより、ホログラムの再生像及び/又は回折格子などが明瞭に視認できるようになる。その反射層として、光を反射する金属を用いると反射タイプと、透明タイプがあり、いずれも使用することができる。反射層としては、Cr、Ni、Ag、Au、Al等の金属、及びその酸化物、硫化物、窒化物等の薄膜を単独又は複数を組み合わせてもよい。透明タイプの反射層としては、レリーフ形成層面と屈折率に差のある透明金属化合物が適用でき、例えば、ZnS、酸化スズ、酸化チタンである。なお、この透明とは、可視光が十分透過すれば良く、無色または有色で透明なものも含まれる。上記の金属、又は透明金属化合物の形成は、いずれも10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空薄膜法で得られる。反射層の厚さが小さすぎると、光がある程度透過して効果が減じ、また、反射層の厚さが大きすぎると、反射効果は変わらないので、コスト的に無駄である。
(接着層)
熱転写シートのレリーフ形成面側に設けられた反射層の上に、接着層6を設けることにより、熱転写シートから被転写体へ転写される転写層の被転写体との密着性を高めることができる。熱転写シートの最表面に位置する接着層は、熱で溶融又は軟化して接着する熱接着型接着剤が適用でき、例えばアイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩ビ系樹脂、酢ビ系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル系・メタクリル系などの(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノール系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン−アルキッド樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂などが適用でき、これらの樹脂を単独または複数を組み合せて使用する。
熱転写シートのレリーフ形成面側に設けられた反射層の上に、接着層6を設けることにより、熱転写シートから被転写体へ転写される転写層の被転写体との密着性を高めることができる。熱転写シートの最表面に位置する接着層は、熱で溶融又は軟化して接着する熱接着型接着剤が適用でき、例えばアイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩ビ系樹脂、酢ビ系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル系・メタクリル系などの(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノール系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン−アルキッド樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂などが適用でき、これらの樹脂を単独または複数を組み合せて使用する。
これらの接着層の樹脂は、被転写体との親和性を考慮して選択される。一般的には、接着力などの点で、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリエステル系樹脂が好適である。接着層は、上記の剥離層の形成方法と同様の方法で形成でき、その接着層の厚さは、乾燥時塗工量で、通常は0.05〜10g/m2程度、好ましくは0.1〜5g/m2である。接着層の厚さは、少なすぎると、被転写体との接着力が不足して脱落しやすく、また、その厚さが多すぎると、接着効果は十分であるが、その効果は変わらないのでコスト的に無駄であり、さらには、サーマルヘッドの熱を無駄に消費してしまう。さらにまた、接着層へは、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を、適宜加えてもよい。充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウムなどの体質顔料が適用できる。特に体質顔料の添加は、箔切れを良化させる。帯電防止剤としては、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤などや、ポリアミドやアクリル酸誘導体などが適用できる。
(背面層)
本発明の熱転写シートでは、必要に応じて、基材の裏面、すなわちレリーフ形成層の設けてある面と反対面に、熱転写手段としてのサーマルヘッド等の熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止するため、背面層7を設けることができる。背面層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
本発明の熱転写シートでは、必要に応じて、基材の裏面、すなわちレリーフ形成層の設けてある面と反対面に、熱転写手段としてのサーマルヘッド等の熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止するため、背面層7を設けることができる。背面層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂を含む背面層に添加、あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及び燐酸エステル系化合物であり、更に充填剤を添加することがより好ましい。背面層は、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、背面層形成用インキを調製し、これを、上記の基材シートの裏面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗工し、乾燥して形成することができる。背面層の塗工量は、融着防止や滑性等が果たせられる程度であれば十分で、乾燥時で通常0.1〜3g/m2程度である。
(印画物)
本発明の印画物10は、上記の本発明の熱転写シートを用いて、図2に示すように、被転写体11上に、接着層6、レリーフ形成面側に反射層5を備え且つホログラム画像を有するレリーフ形成層4、剥離層3の順に積層した転写層8が転写され、その剥離層3に熱転写画像12が形成されたものである。
また、図3に示すように、図2で示された印画物10の剥離層3に形成された熱転写画像12を保護するように、剥離層3の上に、従来から知られた保護層転写シートを用いて、熱転写手段を使用するなどして、保護層13を形成し、印画物10の表面を保護することができる。これにより、熱転写画像の耐光性、耐水性などの各種耐久性を高めることができる。また、印画物は図示したものに限らず、レリーフ形成層4と剥離層3との間に、接着性を有する中間層を設けるなど、必要に応じて層を追加することができる。
本発明の印画物10は、上記の本発明の熱転写シートを用いて、図2に示すように、被転写体11上に、接着層6、レリーフ形成面側に反射層5を備え且つホログラム画像を有するレリーフ形成層4、剥離層3の順に積層した転写層8が転写され、その剥離層3に熱転写画像12が形成されたものである。
また、図3に示すように、図2で示された印画物10の剥離層3に形成された熱転写画像12を保護するように、剥離層3の上に、従来から知られた保護層転写シートを用いて、熱転写手段を使用するなどして、保護層13を形成し、印画物10の表面を保護することができる。これにより、熱転写画像の耐光性、耐水性などの各種耐久性を高めることができる。また、印画物は図示したものに限らず、レリーフ形成層4と剥離層3との間に、接着性を有する中間層を設けるなど、必要に応じて層を追加することができる。
印画物の受容層を兼ねた剥離層に、熱転写画像12が形成されるが、昇華性染料を含む染料層を有する熱転写シートを用いて、サーマルヘッド等の加熱手段で、剥離層に染料による熱転写画像を形成する。また、熱溶融性インキによる形成された熱転写層を有する熱転写シートを用いて、サーマルヘッド等の加熱手段で、剥離層に熱溶融性インキによる熱転写画像を形成することができる。上記の印画物の剥離層に形成される熱転写画像は、染料による熱転写画像、熱溶融性インキによる熱転写画像の少なくとも一方を有するものである。
本発明の印画物は、上記の熱転写による画像と、レリーフ形成面側に反射層を備えたレリーフ形成層で表現されるホログラム画像の両方が観察可能であり、非常に特異的な装飾効果を有する、言い換えれば高意匠性を有するホログラム画像をもつ印画物であり、かつオンデマンド印字により熱転写画像も形成できる。したがって、ホログラム画像と熱転写画像を合わせもつことができ、それらの画像を自在に組み合わせて多種多様な用途等に利用することができる。また、得られる印画物でホログラムにひび割れが生じることがなく、高品質の印画物が得られる。
(被転写体)
印画物のベースとなる被転写体11としては、特に限定されず、例えば天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布あるいは染料受容性のある媒体等いずれのものでもよい。被転写体の形状についても、証券やチケットなどの金券類、クレジットカード、プリペイドカード、グリーティングカード、運転免許証、ICカード、光カードなどのカードや帳票類、カートンなどの容器やケース類、タグ、しおり、ポスターなどの枚葉類やPOP用品、化粧品、腕時計、ライター等の装身具、封筒、レポート用紙など文具類、建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、バッグ類、テレビ、電卓、OA機器等の装置類(装置の一部を構成する部材)など、種類を問うものではない。その被転写体の媒体は、その少なくとも1部が着色、印刷やその他の加飾、及び/又は必要に応じてプライマ層、接着層などの他の層を、層間や表面へ設けていてもよい。
印画物のベースとなる被転写体11としては、特に限定されず、例えば天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布あるいは染料受容性のある媒体等いずれのものでもよい。被転写体の形状についても、証券やチケットなどの金券類、クレジットカード、プリペイドカード、グリーティングカード、運転免許証、ICカード、光カードなどのカードや帳票類、カートンなどの容器やケース類、タグ、しおり、ポスターなどの枚葉類やPOP用品、化粧品、腕時計、ライター等の装身具、封筒、レポート用紙など文具類、建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、バッグ類、テレビ、電卓、OA機器等の装置類(装置の一部を構成する部材)など、種類を問うものではない。その被転写体の媒体は、その少なくとも1部が着色、印刷やその他の加飾、及び/又は必要に応じてプライマ層、接着層などの他の層を、層間や表面へ設けていてもよい。
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、上記の本発明の熱転写シートを用いて、被転写体上に、接着層、レリーフ形成面側に反射層を備え且つホログラム画像を有するレリーフ形成層、剥離層の順に積層した転写層を転写し、その転写層が転写された被転写体の剥離層に、少なくとも昇華性染料の熱転写による画像を形成し、前記ホログラム画像と熱転写による画像の両方を形成可能である。
本発明の画像形成方法は、上記の本発明の熱転写シートを用いて、被転写体上に、接着層、レリーフ形成面側に反射層を備え且つホログラム画像を有するレリーフ形成層、剥離層の順に積層した転写層を転写し、その転写層が転写された被転写体の剥離層に、少なくとも昇華性染料の熱転写による画像を形成し、前記ホログラム画像と熱転写による画像の両方を形成可能である。
本発明の画像形成方法を、図4に示す画像形成装置を参照して説明する。
図4に示す画像形成装置20は、サーマルヘッド21aとプラテンローラ22aを有する第一の記録ユニットに本発明の熱転写シート1をセットし、被転写体11の供給部から、第一の記録ユニットのサーマルヘッド21aとプラテンローラ22aとの間で、上記熱転写シート1の接着層と被転写体11とが接するように、被転写体11を搬送する。その被転写体11上に、図2に示すように、熱転写シート1から、サーマルヘッド加熱で、接着層6、反射層5、ホログラム画像を有するレリーフ形成層4、剥離層3の順に積層した転写層8を転写する。
図4に示す画像形成装置20は、サーマルヘッド21aとプラテンローラ22aを有する第一の記録ユニットに本発明の熱転写シート1をセットし、被転写体11の供給部から、第一の記録ユニットのサーマルヘッド21aとプラテンローラ22aとの間で、上記熱転写シート1の接着層と被転写体11とが接するように、被転写体11を搬送する。その被転写体11上に、図2に示すように、熱転写シート1から、サーマルヘッド加熱で、接着層6、反射層5、ホログラム画像を有するレリーフ形成層4、剥離層3の順に積層した転写層8を転写する。
その転写層8が転写された被転写体11が、サーマルヘッド21bとプラテンローラ22bを有する第二の記録ユニットに、搬送され、昇華性染料であるイエロー、マゼンタ、シアンの各染料を有する染料層を基材上に、面順次に繰り返し形成した熱転写シート30が、その第二の記録ユニットにセットされ、被転写体11の剥離層に、熱転写による印画を行ない、染料による熱転写画像が形成され、熱転写画像が形成された被転写体11、すなわち印画物10は、第二の記録ユニットから、排出部へ搬送される。
図4では2つのサーマルヘッドを用いた2ヘッド方式で、被転写体11に熱転写シート1から転写層8を転写する工程と、その転写された転写層8の剥離層に、熱転写画像を形成する工程を、インラインで連続して行なった例で示したが、これに限らず、転写層の転写工程と、熱転写画像形成工程を、オフラインで行なうこともできる。
図4では2つのサーマルヘッドを用いた2ヘッド方式で、被転写体11に熱転写シート1から転写層8を転写する工程と、その転写された転写層8の剥離層に、熱転写画像を形成する工程を、インラインで連続して行なった例で示したが、これに限らず、転写層の転写工程と、熱転写画像形成工程を、オフラインで行なうこともできる。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
基材として、厚さ6μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)の一方の面に、下記組成の背面層用塗工液をワイヤーバーコーティング方式により、乾燥時の塗工量が1.0g/m2になるように塗工し、乾燥して、背面層を形成した。次に、上記基材シートの背面層を形成した面と反対の面に、下記組成の剥離層用塗工液1をグラビアコーティングにより、乾燥時の塗工量が0.8g/m2になるように塗工、乾燥して、剥離層を設けた。さらに、その剥離層の上に、ウレタンアクリレート樹脂(電離放射線硬化性樹脂)を、乾燥時の塗工量が0.5〜1.0g/m2になるように、グラビアリバースコーターで塗工し、100℃で乾燥させて、レリーフ形成層を形成した。次に、そのレリーフ形成層面へスタンパを加圧(エンボス)してレリーフを賦形する工程、即ちホログラム複製工程に入る。マスターホログラムから、2P法で複製したスタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、そのエンボスローラーと相対するローラーの間でレリーフ形成層を加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフをレリーフ形成層に賦形させた。その賦形後、レリーフ形成層に直ちに紫外線を照射して硬化させた。そのレリーフ面へ真空蒸着法によりアルミニウムを厚さ300Å(オングストローム)、すなわち30nmに蒸着して、反射層を形成し、さらにその反射層の上に、下記組成の接着層用塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥時の塗工量が0.5g/m2になるように塗工、乾燥して接着層を形成し、実施例1の熱転写シートを作製した。
(実施例1)
基材として、厚さ6μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)の一方の面に、下記組成の背面層用塗工液をワイヤーバーコーティング方式により、乾燥時の塗工量が1.0g/m2になるように塗工し、乾燥して、背面層を形成した。次に、上記基材シートの背面層を形成した面と反対の面に、下記組成の剥離層用塗工液1をグラビアコーティングにより、乾燥時の塗工量が0.8g/m2になるように塗工、乾燥して、剥離層を設けた。さらに、その剥離層の上に、ウレタンアクリレート樹脂(電離放射線硬化性樹脂)を、乾燥時の塗工量が0.5〜1.0g/m2になるように、グラビアリバースコーターで塗工し、100℃で乾燥させて、レリーフ形成層を形成した。次に、そのレリーフ形成層面へスタンパを加圧(エンボス)してレリーフを賦形する工程、即ちホログラム複製工程に入る。マスターホログラムから、2P法で複製したスタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、そのエンボスローラーと相対するローラーの間でレリーフ形成層を加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフをレリーフ形成層に賦形させた。その賦形後、レリーフ形成層に直ちに紫外線を照射して硬化させた。そのレリーフ面へ真空蒸着法によりアルミニウムを厚さ300Å(オングストローム)、すなわち30nmに蒸着して、反射層を形成し、さらにその反射層の上に、下記組成の接着層用塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥時の塗工量が0.5g/m2になるように塗工、乾燥して接着層を形成し、実施例1の熱転写シートを作製した。
(背面層用塗工液組成)
・ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製) 3.6部
・ポリイソシアネート(バーノックD750、DIC(株)製) 8.6部
・リン酸エステル系界面活性剤(プライサーフA208S、第一工業製薬(株)製)
2.8部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 0.7部
・メチルエチルケトン 32.0部
・トルエン 32.0部
・ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製) 3.6部
・ポリイソシアネート(バーノックD750、DIC(株)製) 8.6部
・リン酸エステル系界面活性剤(プライサーフA208S、第一工業製薬(株)製)
2.8部
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 0.7部
・メチルエチルケトン 32.0部
・トルエン 32.0部
(剥離層用塗工液1)
・セルロースアセテートプロピオネート(ガラス転移温度:159℃) 10.0部
(水酸基含有率:5.2質量%)
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.1部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2/1/1) 89.9部
・セルロースアセテートプロピオネート(ガラス転移温度:159℃) 10.0部
(水酸基含有率:5.2質量%)
(CAP504−0.2 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.1部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2/1/1) 89.9部
(接着層用塗工液)
・ブチルメタアクリレート系樹脂(A−415、DIC(株)製) 30部
・メチルエチルケトン 10部
・トルエン 10部
・ブチルメタアクリレート系樹脂(A−415、DIC(株)製) 30部
・メチルエチルケトン 10部
・トルエン 10部
(実施例2)
上記の実施例1の熱転写シートで、剥離層用塗工液1を下記組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを作製した。
(剥離層用塗工液2)
・セルロースアセテートプロピオネート(ガラス転移温度:147℃) 10.0部
(水酸基含有率:1.8質量%)
(CAP482−20 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.1部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2/1/1) 89.9部
上記の実施例1の熱転写シートで、剥離層用塗工液1を下記組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを作製した。
(剥離層用塗工液2)
・セルロースアセテートプロピオネート(ガラス転移温度:147℃) 10.0部
(水酸基含有率:1.8質量%)
(CAP482−20 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.1部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2/1/1) 89.9部
(実施例3)
上記の実施例1の熱転写シートで、剥離層用塗工液1を下記組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを作製した。
(剥離層用塗工液3)
・セルロースアセテートプロピオネート(ガラス転移温度:142℃) 10.0部
(水酸基含有率:2.6質量%)
(CAP482−0.5 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.1部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2/1/1) 89.9部
上記の実施例1の熱転写シートで、剥離層用塗工液1を下記組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを作製した。
(剥離層用塗工液3)
・セルロースアセテートプロピオネート(ガラス転移温度:142℃) 10.0部
(水酸基含有率:2.6質量%)
(CAP482−0.5 イーストマンケミカルカンパニー社製)
・側鎖型アラルキル変性シリコーン 0.1部
(KF−410 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン/変性エタノール(質量比2/1/1) 89.9部
(比較例1)
上記の実施例1の熱転写シートで、剥離層用塗工液1を下記組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを作製した。
(剥離層用塗工液4)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ガラス転移温度:70℃) 100部
(ソルバインC、日信化学工業(株)製)
エポキシ変性シリコーン 7.5部
(X−22−3000T、信越化学工業(株)製)
メチルスチレン変性シリコーン 7.5部
(X−24−510、信越化学工業(株)製)
ポリエーテル変性シリコーン 5部
(FZ2101、日本ユニカー(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン( 質量比1/1) 400部
上記の実施例1の熱転写シートで、剥離層用塗工液1を下記組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを作製した。
(剥離層用塗工液4)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ガラス転移温度:70℃) 100部
(ソルバインC、日信化学工業(株)製)
エポキシ変性シリコーン 7.5部
(X−22−3000T、信越化学工業(株)製)
メチルスチレン変性シリコーン 7.5部
(X−24−510、信越化学工業(株)製)
ポリエーテル変性シリコーン 5部
(FZ2101、日本ユニカー(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン( 質量比1/1) 400部
(比較例2)
上記の実施例1の熱転写シートで、剥離層用塗工液1を下記組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写シートを作製した。
(剥離層用塗工液5)
・塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体(ガラス転移温度:70℃) 40部
(ソルバインC、日信化学工業(株)製)
・ポリエステル樹脂 (ガラス転移温度:47℃) 40部
(バイロン600、東洋紡(株)製)
・塩化ビニル−スチレン−アクリル共重合体 20部
(デンカラック#400、電気化学工業( 株) 製)
・ビニル変性シリコーン 10部
(X−62−1212、信越化学工業(株)製)
・触媒 5部
(信越化学工業(株)製、CAT−PLR−5)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400部
上記の実施例1の熱転写シートで、剥離層用塗工液1を下記組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写シートを作製した。
(剥離層用塗工液5)
・塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体(ガラス転移温度:70℃) 40部
(ソルバインC、日信化学工業(株)製)
・ポリエステル樹脂 (ガラス転移温度:47℃) 40部
(バイロン600、東洋紡(株)製)
・塩化ビニル−スチレン−アクリル共重合体 20部
(デンカラック#400、電気化学工業( 株) 製)
・ビニル変性シリコーン 10部
(X−62−1212、信越化学工業(株)製)
・触媒 5部
(信越化学工業(株)製、CAT−PLR−5)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 400部
(比較例3)
上記の実施例1の熱転写シートで、剥離層の条件を、ウレタンアクリレート樹脂(電離放射線硬化性樹脂)を成分とした剥離層用塗工液6により、乾燥時の塗工量が0.8g/m2になるように塗工、乾燥して、剥離層を設けた以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写シートを作製した。
上記の実施例1の熱転写シートで、剥離層の条件を、ウレタンアクリレート樹脂(電離放射線硬化性樹脂)を成分とした剥離層用塗工液6により、乾燥時の塗工量が0.8g/m2になるように塗工、乾燥して、剥離層を設けた以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写シートを作製した。
上記の実施例及び比較例で作製した熱転写シートを用いて、以下に示す方法により、印画物を形成し、その印画物の染着性及びホログラムにおけるひび割れの評価をした。
被転写体として、第一の基材と第二の基材とを下記組成の接着層用塗工液を乾燥時の塗工量が5g/m2になるように、塗工、乾燥した接着層により、貼り合わせた。
第一に基材として、コート紙(157.0g/m2)を使用した。
第二の基材として、35μmの多孔質ポリプロピレンフィルム(トヨパールSS 東洋紡績(株)製)フィルムを使用した。
<接着層用塗工液>
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株)製)
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株)製)
・酢酸エチル 60部
被転写体として、第一の基材と第二の基材とを下記組成の接着層用塗工液を乾燥時の塗工量が5g/m2になるように、塗工、乾燥した接着層により、貼り合わせた。
第一に基材として、コート紙(157.0g/m2)を使用した。
第二の基材として、35μmの多孔質ポリプロピレンフィルム(トヨパールSS 東洋紡績(株)製)フィルムを使用した。
<接着層用塗工液>
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株)製)
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株)製)
・酢酸エチル 60部
上記の被転写体の貼り合せた基材における第二の基材上に、上記で作製した熱転写シートを用いて、下記の転写層の転写条件で、接着層、反射層、ホログラム画像を有するレリーフ形成層、剥離層の順に積層した転写層を転写した。さらに、下記条件で作製した熱転写シート30を用いて、上記の被転写体へ転写した転写層のパターン上に、下記の熱転写画像の印画条件で、グラデーション画像を形成して、印画物を作製した。
(熱転写シート30の作製)
下記の配合のイエロー、マゼンタ、シアンの3色の染料を含むインキをグラビア印刷法により、それぞれで0.8g/m2(乾燥時)の塗工量になるように、塗工、乾燥して、イエロー(Y)染料を含む染料層領域、マゼンタ(M)染料を含む染料層領域、シアン(C)染料を含む染料層領域を、背面層付きの6μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)の背面層が設けられている面と反対側に、面順次にYMCの順で繰り返し、形成した。
下記の配合のイエロー、マゼンタ、シアンの3色の染料を含むインキをグラビア印刷法により、それぞれで0.8g/m2(乾燥時)の塗工量になるように、塗工、乾燥して、イエロー(Y)染料を含む染料層領域、マゼンタ(M)染料を含む染料層領域、シアン(C)染料を含む染料層領域を、背面層付きの6μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)の背面層が設けられている面と反対側に、面順次にYMCの順で繰り返し、形成した。
・(イエロー(Y)染料を含むインキ)
分散染料(イエロー分散染料:キノフタロン染料) 5.5部
アセトアセタール樹脂(積水化学工業(株)製 KS−5) 3.5部
ポリエチレンパウダー(ASTORWAX Co.製 MF8F) 0.1部
トルエン 45部
メチルエチルケトン 45部
分散染料(イエロー分散染料:キノフタロン染料) 5.5部
アセトアセタール樹脂(積水化学工業(株)製 KS−5) 3.5部
ポリエチレンパウダー(ASTORWAX Co.製 MF8F) 0.1部
トルエン 45部
メチルエチルケトン 45部
・(マゼンタ(M)染料を含むインキ)
分散染料として、マゼンタ分散染料(C.I.Disperse Red 60)を5.5部使用した他は、上記のイエロー(Y)染料を含むインキと同様である。
・(シアン(C)染料を含むインキ)
分散染料として、シアン分散染料(C.I.Solvent Blue 63)を5.5部使用した他は、上記のイエロー(Y)染料を含むインキと同様である。
これにより、Y領域、M領域、C領域の3領域が1組として、繰り返し配置された熱転写シートを得た。
分散染料として、マゼンタ分散染料(C.I.Disperse Red 60)を5.5部使用した他は、上記のイエロー(Y)染料を含むインキと同様である。
・(シアン(C)染料を含むインキ)
分散染料として、シアン分散染料(C.I.Solvent Blue 63)を5.5部使用した他は、上記のイエロー(Y)染料を含むインキと同様である。
これにより、Y領域、M領域、C領域の3領域が1組として、繰り返し配置された熱転写シートを得た。
(転写層の転写条件)
1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を50%固定、ライン周期あたりのパルス数を210個固定とし、ベタプリントを行ない、被転写体上に転写層を転写した。
1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を50%固定、ライン周期あたりのパルス数を210個固定とし、ベタプリントを行ない、被転写体上に転写層を転写した。
(熱転写画像の印画条件)
下記の条件にて、熱転写記録によりグラデーション画像を形成した。
・サーマルヘッド:KYT−86−12MFW11(京セラ(株)製)
・発熱体平均抵抗値:4412(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印加電力:0.136(w/dot)
・1ライン周期:6(msec.)
・印字開始温度:30(℃)
・プリントサイズ:100mm×150mm
・階調プリント:1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を40%固定とし、階調によって、ライン周期あたりのパルス数を1ステップでは0個、2ステップでは17個、3ステップでは34個というふうに、0から255個まで17個毎に順次増加させることにより、1ステップから16ステップまでの16階調を制御した。
下記の条件にて、熱転写記録によりグラデーション画像を形成した。
・サーマルヘッド:KYT−86−12MFW11(京セラ(株)製)
・発熱体平均抵抗値:4412(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印加電力:0.136(w/dot)
・1ライン周期:6(msec.)
・印字開始温度:30(℃)
・プリントサイズ:100mm×150mm
・階調プリント:1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を40%固定とし、階調によって、ライン周期あたりのパルス数を1ステップでは0個、2ステップでは17個、3ステップでは34個というふうに、0から255個まで17個毎に順次増加させることにより、1ステップから16ステップまでの16階調を制御した。
(印画物の染着性)
上記の条件で作製した印画物を光学反射濃度計(マクベスRD−918:マクベス社製)により、ビジュアルフィルターで、熱転写画像のグラデーション画像の最大反射濃度を測定した。その評価の基準は以下の通りである。
○:最大反射濃度が1.5以上であり、印画物の染着性が高く、良好である。
△:最大反射濃度が1.0以上1.5未満であり、印画物の染着性があまり良くない。
×:最大反射濃度が1.0未満であり、印画物の染着性が低く、不良である。
上記の条件で作製した印画物を光学反射濃度計(マクベスRD−918:マクベス社製)により、ビジュアルフィルターで、熱転写画像のグラデーション画像の最大反射濃度を測定した。その評価の基準は以下の通りである。
○:最大反射濃度が1.5以上であり、印画物の染着性が高く、良好である。
△:最大反射濃度が1.0以上1.5未満であり、印画物の染着性があまり良くない。
×:最大反射濃度が1.0未満であり、印画物の染着性が低く、不良である。
(ひび割れ)
上記の条件で作製した印画物のホログラム画像を含む表面を、肉眼で観察し、ひび割れの有無を調べ、以下の基準にて評価を行なった。
○:ひび割れが認められなく、良好である。
△:ひび割れが少し認められ、上記の評価〇と、下記の評価の中間レベルである。
×:ひび割れが認められ、ホログラム画像の鮮明性が失われ、またそのホログラム画像部の光沢が均一でなく、不良である。
上記の条件で作製した印画物のホログラム画像を含む表面を、肉眼で観察し、ひび割れの有無を調べ、以下の基準にて評価を行なった。
○:ひび割れが認められなく、良好である。
△:ひび割れが少し認められ、上記の評価〇と、下記の評価の中間レベルである。
×:ひび割れが認められ、ホログラム画像の鮮明性が失われ、またそのホログラム画像部の光沢が均一でなく、不良である。
表1に示されるように、実施例1〜3の本発明の熱転写シートによる印画物では、全て染着性が高く、良好であり、高品質の熱転写画像が得られた。さらに、実施例1〜3で得られた印画物は、ホログラム画像を含む表面で、全て、ひび割れが認められなく、良好であった。
それに対し、比較例1、2の熱転写シートによる印画物では、ひび割れの評価が悪かった。また比較例3の熱転写シートによる印画物では、染着性が低く、不良であった。
それに対し、比較例1、2の熱転写シートによる印画物では、ひび割れの評価が悪かった。また比較例3の熱転写シートによる印画物では、染着性が低く、不良であった。
なお、上記の実施例1〜3で得られた印画物は、接着層、反射層、ホログラム画像を有するレリーフ形成層、剥離層の順に積層した転写層が被転写体上に転写されているが、その転写層における層間の密着性を、得られた印画物の端辺における断面を爪で引っ掻いて層間に異常が生じないかを目視にて調べた。実施例の印画物は全て、上記の層間の密着性で、異常が生じなく、良好であった。なお、実施例の中で比較すると、実施例1の印画物は、実施例2、3の印画物と比べ、上記の層間の密着性がより高いものであった。
1 熱転写シート
2 基材
3 剥離層
4 レリーフ形成層
5 反射層
6 接着層
7 背面層
8 転写層
10 印画物
11 被転写体
12 熱転写画像
13 保護層
20 画像形成装置
21a、21b サーマルヘッド
22a、22b プラテンローラ
30 熱転写シート
2 基材
3 剥離層
4 レリーフ形成層
5 反射層
6 接着層
7 背面層
8 転写層
10 印画物
11 被転写体
12 熱転写画像
13 保護層
20 画像形成装置
21a、21b サーマルヘッド
22a、22b プラテンローラ
30 熱転写シート
Claims (5)
- 基材の一方の面に、少なくとも、剥離層、レリーフ形成面側に反射層を備え且つホログラム画像を有するレリーフ形成層、接着層が順次設けられた熱転写シートで、前記剥離層にセルロース系樹脂を含有することを特徴とする熱転写シート。
- 前記セルロース系樹脂のガラス転移温度は80℃以上170℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
- 請求項1または2に記載の熱転写シートにより、被転写体上に、接着層、レリーフ形成面側に反射層を備え且つホログラム画像を有するレリーフ形成層、剥離層の順に積層した転写層が転写され、前記剥離層に熱転写画像が形成されていることを特徴とする印画物。
- 前記剥離層の上に、保護層を有することを特徴とする請求項3に記載の印画物。
- 請求項1または2に記載の熱転写シートを用いて、被転写体上に、接着層、レリーフ形成面側に反射層を備え且つホログラム画像を有するレリーフ形成層、剥離層の順に積層した転写層を転写し、その転写層が転写された被転写体の剥離層に、少なくとも昇華性染料の熱転写による画像を形成し、前記ホログラム画像と熱転写による画像の両方を形成可能であることを特徴とする画像形成方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014187091A JP2016060046A (ja) | 2014-09-12 | 2014-09-12 | 熱転写シート、印画物及び画像形成方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018089899A (ja) * | 2016-12-06 | 2018-06-14 | 凸版印刷株式会社 | 保護層転写シート及びその製造方法 |
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JPWO2017204309A1 (ja) * | 2016-05-25 | 2019-03-22 | 凸版印刷株式会社 | 光学素子、光学素子版構造、印刷物及び光学素子の製造方法 |
WO2023022201A1 (ja) * | 2021-08-19 | 2023-02-23 | 凸版印刷株式会社 | レリーフ構造を有する転写箔 |
-
2014
- 2014-09-12 JP JP2014187091A patent/JP2016060046A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7020405B2 (ja) | 2016-05-25 | 2022-02-16 | 凸版印刷株式会社 | 光学素子版構造及び光学素子の製造方法 |
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CN110035904A (zh) * | 2016-12-06 | 2019-07-19 | 凸版印刷株式会社 | 保护层转印片及其制造方法 |
JP2019038173A (ja) * | 2017-08-24 | 2019-03-14 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写印画装置、熱転写印画システム及び熱転写印画方法 |
JP7006018B2 (ja) | 2017-08-24 | 2022-01-24 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写印画システム |
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