JP2010069687A - 転写材及び転写材と被転写材との組合せ - Google Patents

転写材及び転写材と被転写材との組合せ Download PDF

Info

Publication number
JP2010069687A
JP2010069687A JP2008238560A JP2008238560A JP2010069687A JP 2010069687 A JP2010069687 A JP 2010069687A JP 2008238560 A JP2008238560 A JP 2008238560A JP 2008238560 A JP2008238560 A JP 2008238560A JP 2010069687 A JP2010069687 A JP 2010069687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer
layer
resin
transfer material
relief
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008238560A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5262497B2 (ja
Inventor
Hiroshi Funada
洋 船田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2008238560A priority Critical patent/JP5262497B2/ja
Publication of JP2010069687A publication Critical patent/JP2010069687A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5262497B2 publication Critical patent/JP5262497B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

【課題】被転写体の材質にかかわらず、光回折効果を損なうことなく被転写体上に高速でかつ安定した転写を行うことができ、かつ転写後の保存性も高い転写体を提供することを主たる課題とする。
【解決手段】本発明の転写材は、基材と、該基材の一方の面に、転写層が設けられた転写材であって、転写層が、少なくとも光回折効果を発現するレリーフを有するレリーフ形成層、反射層、接着層とからなり、接着層が、少なくともA:αオレフィン−無水マレイン酸共重合体−無水マレイン酸モノエステルの共重合物とB:エチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物を含有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、転写材及び転写材と被転写材との組合せに関する。
従来から、ホログラム、回折格子などのレリーフ構造を有する転写体は、特異な装飾像や立体像を表現できるので、包装材、書籍、パンフレット等へ広く利用がされている。また、これらホログラムや回折格子は高度な製造技術を要しカラーコピーで再現出来ないことから、キャッシュカード、クレジットカード、パスポート等の偽造防止としても利用がされている。
このような転写体としては、基材上に剥離層、ホログラムや回折格子などのパターンが形成されたレリーフ形成層、反射層、接着層を順次積層してなるものが知られており、当該転写体を転写印刷することで、ホログラムや回折格子などのレリーフ構造を被転写体に移行接着することができる。転写印刷の一般的な方法として、ホットスタンプ転写方法、加熱転写方法、サーマルヘッドを有する熱転写プリンタによる熱転写印刷方法が挙げられる。
ホットスタンプ転写方法、加熱転写方法は、金属の加熱された刻印又はロールと、被転写体の間に転写体を配置し、転写体を刻印又はロールで被転写体に押圧した後に、基材を剥離することで転写体を被転写体上に転写する方法であり、被転写体上に転写体を容易に転写することができるという利点があるものの、微細なホログラムや回折格子などレリーフ構造を有する転写体の転写には適さないという問題がある。一方、熱転写印刷方法は、所定のエネルギーを転写体に印加することによりレリーフ形成層及び反射層を、接着層を介して被転写体に移行させる印刷方法であり、当該印刷方法によれば、微小な被転写体上であっても転写体を転写できるほか、微細なホログラム、回折格子などのレリーフ構造を有する転写体を精度よく被転写体上に転写することができる。
また、近時、ホログラム又は回折格子などのレリーフ構造を有する転写体を熱転写方法により転写することで、該転写体を転写した製品等(例えば、包装材に製品名称等としてレリーフ構造を有する転写材を転写した製品)の宣伝効果等を高めようとする試みが行われている。しかしながら、被転写体が特定の材料、特にポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン、ナイロン等のいわゆる軟包装材である場合には転写体と被転写体との転写安定性が悪く高速転写を行うことができない問題や、転写後に被転写体から転写体が剥離してしまう問題が生じてしまう。ここで、密着性を高めるために強いエネルギー(高い熱)により転写を行うことも考えられるが、強いエネルギーにて転写を行った場合には基材や被転写体が熱によりダメージをうけ、特に、被転写体が薄い場合には転写性が著しく低下してしまう。このような状況下、特許文献1には熱転写方法により高速かつ低エネルギーで、微細な面積のドットや、近接したドットが欠けず、かつバリの発生させることなく正確なドットを転写できるホログラム熱転写シートが開示されている。
特開2004−098455号公報
しかしながら、特許文献1に記載のホログラム熱転写シートでは、被転写材が特定の材料である場合、特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の軟包装材料に使用される被転写体においては依然として印字安定性が悪く高速印字が困難という技術的課題を有する。本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、被転写体の材質にかかわらず、光回折効果を損なうことなく被転写体上に高速でかつ安定した転写を行うことができ、かつ転写後の保存性も高い転写体を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材と、該基材の一方の面に、転写層が設けられた転写材であって、前記転写層が、少なくとも光回折効果を発現するレリーフを有するレリーフ形成層、反射層、接着層とからなり、前記接着層が、少なくともA:αオレフィン−無水マレイン酸共重合体−無水マレイン酸モノエステルの共重合物とB:エチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物を含有していることを特徴とする。
また、前記転写材が、サーマルヘッドを有する熱転写プリンタによる印字方式で用いる転写材であってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、転写材と被転写材との組合せであって、前記転写材が、基材、光回折効果を発現するレリーフを有するレリーフ形成層、反射層、接着層とからなり、該接着層は、少なくともA:αオレフィン−無水マレイン酸共重合体−無水マレイン酸モノエステルの共重合物とB:エチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物を含有し、前記被転写材が、少なくともポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート又はナイロンのいずれかであることを特徴とする。
本発明によれば、被転写材の材質にかかわらず転写材と被転写材とを強固に接着し、転写時の熱により基材や被転写材を変形させることなく転写安定性を高め高速転写を行うことができる。また、本発明によれば、ブロッキングの発生を効果的に防止できるほか転写後の保存性を高めることができ転写後に被転写材20上から転写層11が脱落することもない。
以下に、本発明の転写材について図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明の転写材の層構成を示す概略断面図である。
図示するように本発明の転写材10は、基材層1の一方の面(図1に示す場合には基材層1の下面)に、剥離層2、光回折効果を発現するレリーフを有するレリーフ形成層3、反射層4、接着層5を積層することにより形成されている。
ここで、本発明の転写材10は接着層5が、少なくともA:αオレフィン−無水マレイン酸共重合体−無水マレイン酸モノエステルの共重合物とB:エチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物を含有している点に特徴を有する。以下、剥離層2、レリーフ形成層3、反射層4、接着層5の積層体を転写層11と略称する。
以下、化粧シートを構成する各層について図1を用いてさらに詳細に説明する。
(基材層)
基材層1は本発明の転写材10における必須の構成であり、耐熱性、機械的強度、製造に耐える機械的強度、耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート‐イソフタレート共重合体、又はテレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン(商品名)6、ナイロン(商品名)66、ナイロン(商品名)610、又はナイロン(商品名)12などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、又はポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリノルボネンなどの環状ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、又はポリメチルメタアクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、又はABS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、又はエチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アセタール系樹脂、などがある。該基材層1は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。
(剥離層)
図1に示すように基材層1とレリーフ形成層3との間には転写時の転写性を安定させるための剥離層2が設けられている。なお、剥離層2は本発明の転写材10における任意の層である。
剥離層2の材質としては、特に限定されることはなく従来公知の材質を適宜選択して用いることができる。例えば、環状オレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂や、ポリメチル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、アクリル変性ポリエステル、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等の電離放射線硬化性樹脂を好適に用いることができる。
また、剥離層2として電離放射線硬化性樹脂を用いた場合、特に基材層1が薄い場合には、電離放射線硬化性樹脂だけでは転写時の箔切れ性が悪くなるので、熱可塑性樹脂を添加することで、バリの発生や、欠けることなく、精度よく転写することができる。この場合には、電離放射線硬化性樹脂中へ所定量の熱可塑性樹脂を混合した後に、レリーフ形成層3とともに電離放射線で硬化することが好ましい。即ち、剥離層2中の、電離放射線硬化樹脂と熱可塑性樹脂との含有比率、及び、電離放射線硬化樹脂と熱可塑性樹脂の材料を選択することにより、転写材10の輸送、取扱い時の振動や衝撃でレリーフ形成層3が脱落せず、転写時には容易に基材層1から剥離して転写することができる。
電離放射線硬化樹脂と熱可塑性樹脂との含有比率は、離型層組成物中の含有率で電離放射線硬化性樹脂が80〜99.5質量%、熱可塑性樹脂が0.5〜20質量%程度であることが好ましい。また、剥離層2に用いる電離放射線硬化性樹脂は、後述するレリーフ形成層3の電離放射線硬化性樹脂と実質的に同じであればよい。ここで実質的とは、基本骨格や反応機構が同じであればよく、置換基や鎖長が異なってもよい。さらに、含有率の計算では、電離放射線硬化性樹脂に添加されて反応する反応性モノマー、離型剤等は電離放射線硬化性樹脂量に含めるものとし、以下同様とする。
(レリーフ形成層)
基材層1上(図1に示す場合には剥離層2の下面)にはレリーフ形成層3が設けられている。レリーフ形成層3は、本発明の転写材10における必須の層であり、表面に凹凸のレリーフとして記録されているレリーフ型ホログラム等の周知の光回折画像を具備する。レリーフ形成層3の材料について得に限定はされず、用途に応じて種々の材料が選択できる。例えば、レリーフ形成層3の樹脂材料として、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、ポリメチルメタアクリレート)、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、そして、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂を硬化させたもの、不飽和エチレン系モノマーと不飽和エチレン系オリゴマーを適宜混合したものに光重合開始剤、光増感剤を添加した組成物等の紫外線硬化性樹脂を硬化させたもの、或いは、上記、同上の樹脂の混合物やラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質などが挙げられる。
特に耐薬品性、耐光性及び耐候性等の耐久性に優れた熱硬化性樹脂、紫外線や電子線などの電離放射線硬化性樹脂が好ましい。電離放射線硬化樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等の電離放射線硬化性樹脂を硬化させたものが適用できる。また、電離放射線硬化樹脂は、これらの樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイを含む)であっても良い。電離放射線硬化性樹脂は、賦型性に優れ、適度な耐熱性を有するものが好ましい。好ましくはウレタン変性アクリレート樹脂で、具体的には、次の2種が最も好ましい。
(電離放射線硬化性樹脂組成物A)
レリーフ形成層3の好ましい1つとしては、化学式(a)で表されるウレタン変性アクリル系樹脂を主成分とする未硬化の電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物である。具体的には、特開2000−273129号公報で開示している光硬化性樹脂組成物などが適用でき、前記明細書に記載の光硬化性樹脂組成物Aを本明細書の実施例でも使用し、「電離放射線硬化性樹脂組成物A」と表記している。
Figure 2010069687
化学式(a)で、6個のR1は夫々互いに独立して水素原子またはメチル基を表わし、R2は炭素数が1〜20個の炭化水素基を表わす。l、m、n、o及びpの合計を100とした場合に、lは20〜90、mは0〜80、nは0〜50、o+pは10〜80、pは0〜40の整数である。XおよびYは直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表わし、Zはウレタン変性アクリル樹脂を改質するための基を表し、好ましくは嵩高い環状構造の基を表わす。
(電離放射線硬化性樹脂組成物B)
レリーフ形成層3の好ましい他の1つとしては、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂が適用でき、本明細書の実施例では「電離放射線硬化性樹脂組成物B」と表記している。
即ち、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物である。さらに好ましくは、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、及び(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物である。また、電離放射線硬化性樹脂として、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと他の熱可塑性樹脂との混合物を用いることができ、アクリル樹脂との混合物が最適である。
また、電離放射線で硬化させる以前の塗布状態ではべとつかず、レリーフ構造を容易に賦型した後に、電離放射線で硬化できるものが好ましく、融点が40℃以上のイソシアネート化合物と、(メタ)アクリロイル基を有していて且つイソシアネート基と反応し得る(メタ)アクリル化合物との反応生成物であって、軟化点が40℃以上の熱可塑性樹脂を含有する電離放射線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
さらに、レリーフ形成層3を構成する電離放射線硬化樹脂の耐熱性としては、適度なガラス転移温度(Tg)を有し、好ましくは70〜100℃である。この範囲を越える過度の耐熱性では、層が硬くて賦型性が低下し、また、この範囲未満の低い耐熱性では、折角賦型したレリーフ構造が、転写時の熱などで変形し劣化して、性能が低下する。
(レリーフ)
レリーフ形状は凹凸形状であり特に限定されるものではないが、微細な凹凸形状を有する光拡散、光散乱、光反射、光回折などの機能を発現するものが好ましく、例えば、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、が形成されたものである。また、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。光回折凹凸パターンとしては、物体光と参照光との光の干渉による干渉縞が凹凸模様で記録されたホログラムや回折格子が適用できる。ホログラムとしては、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。
回折格子としては、ホログラム記録手段を利用したホログラフィック回折格子があげられ、その他、電子線描画装置等を用いて機械的に回折格子を作成することにより、計算に基づいて任意の回折光が得られる回折格子をあげることもできる。また、機械切削法でもよい。これらのホログラム及び/又は回折格子の単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。これらの原版は公知の材料、方法で作成することができ、通常、感光性材料を塗布したガラス板を用いたレーザ光干渉法、電子線レジスト材料を塗布したガラス板に電子線描画法、機械切削法などが適用できる。
該レリーフ形成層3へ上記のレリーフを賦形する方法について特に限定されることはなく従来公知の賦形方法を適宜選択して形成することができる。例えば、レリーフ形成層3の表面に、レリーフが形成されているスタンパ(金属版、又は樹脂版)を圧着(所謂エンボス)をして、該レリーフをレリーフ形成層3へ賦型し複製した後に、スタンパを剥離することで行う方法が挙げられる。商業的複製の方法は、金型又は樹脂型のスタンパを用いて、レリーフ形成層3の表面へエンボスしてレリーフを複製した後に電離放射線を照射するか、又は、エンボス中に電離放射線を照射してからスタンパを剥離することでレリーフを複製する。この商業的な複製は、長尺状で行うことで連続な複製作業ができる。
また、レリーフ形成層3として電離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させることでレリーフを賦形することができる。上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、電離放射線を照射して硬化(反応)させると電離放射線硬化樹脂(レリーフ形成層3)となる。電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV‐A、UV‐B、UV‐C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものと定義する。従って、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適であり、波長300〜400nmの紫外線が最適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、及び/又は光増感剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しなくても良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。
好ましい具体例としては、セミドライ複製法(SD複製法)と呼ばれている方法で、複製装置はベッドに固定された一対の本体フレームに給紙装置、転写装置、照射装置、巻き取装置が順次配設され、給紙装置及び巻き取装置は巻き取を供給又は巻き取る装置からなる。転写装置は、本体フレームの中央部に固定された軸受に軸が回転自在に支持されたエンボスローラーと、一対のアームに回転自在に支持された押付けローラーと、加圧機構とからなる。給紙装置から、基材層1/剥離層2(必要に応じて)/レリーフ形成層3からなる長尺帯状で繰り出し、エンボスローラーと押付けローラーとで加圧される。エンボスローラーの周表面にはスタンパ(金属版、又は樹脂版)が載置され、該スタンパが加熱されている押付けローラーに一定圧で押付けられる。スタンパの凹凸(レリーフ)がレリーフ形成層3の表面に転写され、スタンパから剥離され、直ちにUV照射装置より紫外線が照射され、凹凸の形成されたレリーフ形成層3が硬化する。また、上記のようなレリーフ形成層の厚さは0.1〜6μmの範囲が好ましく、0.1〜4μmの範囲が更に好ましい。
(反射層)
レリーフ形成層3上(図1に示す場合にはレリーフ形成層3の下面)には反射層4が設けられている。反射層4は、本発明の転写材における必須の構成であり、レリーフの回折効果を高めるために設けられる。反射層4の材質について特に限定されることはなく、例えば、光を反射する金属Cr、Ni、Ag、Au、Al等の金属、及びその酸化物、硫化物、窒化物等の薄膜を単独又は複数を組み合わせて用いることができる。このような金属は、反射率が高くより明るい回折光が得られることから本発明の反射層4として好ましく用いることができる。該反射層4として、上記の光反射性の金属薄膜の形成は、いずれも10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空薄膜法で得られる。反射層4の厚さがこの範囲未満では、光がある程度透過して効果が減じ、また、それ以上であっても反射効果は変わらないためコストの面から好ましくない。
(接着層)
反射層4上には接着層5が設けられている(図1に示す場合には反射層4の下面)。接着層5は本発明の転写材10における必須の構成であり、接着層5は少なくともA:αオレフィン−無水マレイン酸共重合体−無水マレイン酸モノエステルの共重合物(以下、Aと略称する場合がある。)とB:エチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物(以下、Bと略称する場合がある。)を含有している点に特徴を有する。
A:αオレフィン−無水マレイン酸共重合体−無水マレイン酸モノエステルの共重合物は、[αオレフィンと無水マレイン酸との共重合体]と[無水マレイン酸モノエステル]との共重合物であり、被転写材20への転写性が低下しにくいという性質を有するほか、該共重合物のガラス転移温度(Tg)が60℃〜80℃であることから、接着層5と基材層1の背面側とのブロッキングを防止することができる。より具体的には、主に熱転写方式における巻取り状態中に接着層5と基材層1の背面側とがブロッキングすることを防止することができる。
B:エチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体であり、該共重合体を接着層5に含ませることにより高感度の転写性を付与することができる。また、このような共重合体の中でも、ガラス転移温度(Tg)が50℃〜70℃程度であり、酢酸ビニル成分の含有質量比率(VA)が19〜33%程度で、メルトインデックス(MI)が、5〜400程度のエチレン−酢酸ビニル共重合体は転写性をより高めることができることから好ましい。
このような上記AとBとを混合させてなる混合物は金属蒸着層との接着性が高く、かつ被転写材20との接着性が高いという性質を有することから、該混合物を接着層5に含有させることで印字の切れがよく高解像度な印字を行うことが可能となる。また、該混合物を含有する接着層5は、被転写材20の材質にかかわらず、特に従来の接着層5では接着することが困難な、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の軟包装材が被転写材20である場合でも、被転写材20と転写層11を強固な接着力で接着することができる。さらには、本発明の転写材10を構成する接着層5は、転写後の転写層11の保存性も良好であることから、転写後に転写層11が被転写材20上から脱落することもない。
上記Aの共重合物とBの共重合体との混合比(質量比で)について得に限定はないが、上記Aの共重合物とBの共重合体との混合比(質量比で)は、Aの共重合物/Bの共重合体で1/3〜3/1の範囲を超えると、巻取り保存中にブロッキンが発生する場合や、十分な高速印字適性が得られない場合があり保存適性とプリント適性の観点から好ましくない。このような点を考慮すると上記Aの共重合物とBの共重合体との混合比(質量比で)はAの共重合物/Bの共重合体で1/3〜3/1の範囲であることが好ましい。また、上記範囲とすることで該混合物を含有する接着層5のガラス転移温度(Tg)を60℃〜70℃の範囲に設定することができる。
接着層5には、上記Aの共重合物とBの共重合体を用いる場合は、それらの混合物と、C:ポリエチレン系樹脂フィラーを含有させることが好ましい。C:ポリエチレン系樹脂フィラーは有機溶剤に対する溶解度が低く、接着層の塗工液において、粒子状態で存在させることができ、高速印字適性の向上に寄与するという性質を有することからC:ポリエチレン系樹脂フィラーが添加されることにより、巻取り状態中のブロッキング防止と、転写性の安定性をより高めることができる。
接着層5の形成方法について限定されることはなく、例えば、例えば、上記のAとB、さらに適宜Cと、必要に応じて、その他の熱可塑性樹脂とワックスや添加剤を加え、適当な有機溶剤または水に溶解または分散した接着層形成用塗工液を、従来公知のグラビアコーター、ロールコーター、フレキソ印刷などの慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥することで接着層5を形成することができる。添加剤としては充填材、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などを用いることができる。また、接着層5の乾燥状態の厚さは、0.05〜5g/m2程度が好ましい。乾燥塗膜の厚さが、0.05g/m2未満の場合、受像シート及び着色層との接着性が劣り、印字の際に転写不良となる。また、厚さが5g/m2を越えた場合、印字時の転写感度が低下し、満足のいく印字品質が得られない。
(耐熱保護層)
基材層1の転写層11との反対面(図1に示す場合には基材層1の上面側)に耐熱保護層6を設けることとしてもよい。耐熱保護層6は、本発明の転写材10における任意の層であるが、後述する熱転写方式による転写を行う場合には、サーマルヘッドの滑り性をよくし、かつスティッキングを防止することができることから、当該転写方法により転写を行う場合には耐熱保護層6が設けられていることが好ましい。
耐熱保護層6は、耐熱性のある熱可塑性樹脂バインダーと、熱離型剤または滑剤のはたらきをする物質とを、基本的な構成成分とする。熱可塑性樹脂バインダーは、耐熱性を有する熱可塑性樹脂バインダーであれば特に限定はなく、このような熱可塑性樹脂バインダーとしては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、酢酸セルロース、フッ化ビニリデン樹脂、ナイロン、ポリビニルカルバゾール、塩化ゴム、環化ゴム及びポリビニルアルコールが挙げられることができる。また、これらの樹脂は、ガラス転移点が60℃以上のもの、またはOH基またはCOOH基を有する熱可塑性樹脂にアミノ基を2個以上有する化合物またはジイソシアネートもしくはトリイソシアネートを加えて若干の架橋硬化を起させたものが好ましい。
上記の熱可塑性樹脂に配合する、熱離型剤または滑剤は、ポリエチレンワックス、パラフィンワックスの様なワックス類、高級脂肪酸のアミド、エステル又は塩類、高級アルコール及びレシチン等のリン酸エステル類のような加熱により溶融してその作用をするものと、フッ素樹脂や無機物質の粉末のように、固体のままで役立つものとがある。尚、これらの滑剤又は熱離型剤に加えて、他の離型剤、例えば、フッ素含有樹脂の粉末、グアナミン樹脂の粉末及び木粉のいずれかを併用することも出来、この場合には更に高い効果が得られる。
耐熱保護層6を形成する組成物について得に限定はないが、前記の熱可塑性樹脂バインダー100質量部に対し、上記の滑剤又は熱離型剤の作用をする物質を10〜100質量部の割合で配合されていることが好ましい。また、耐熱保護層6の形成についても特に限定はないが、例えば、適宜の溶剤で練ってインキとし、ロールコーティング法、グラビアコーティング法,スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法等のコーティング法により、基材層1の転写層11との反対面に、塗布し、乾燥することによって行うことができる。耐熱保護層6の厚さについても特に限定はないが0.01〜1.0g/m程度が一般的であり、好ましくは0.1〜0.2g/mである。
また、基材層1と耐熱保護層6の付着を確実にするために、予め基材層1と耐熱保護層6との間にプライマー層(図示しない)を設けてもよい。プライマー層は、基材層1の材料と耐熱保護層6の熱可塑性樹脂バインダーの種類に応じて選択し、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体或いはポリオールとイソシアネート、エポキシとイソシアネート、ポリオールとメラミンの組合せ等の材料を適用できる。プライマー層を形成する場合には、厚み0.05〜0.5g/m程度であることが好ましく、薄すぎると接着性が不充分であり、厚すぎるとサーマルヘッドの感度や耐熱性の低下、凝集破壊による接着性の低下が生じるので好ましくない。プライマー層の塗布方法は、耐熱保護層6の組成物の適用と同様に、適宜の溶剤を利用してインキ形態とし、任意の手法で実施すればよい。
(被転写材)
被転写材20は、形状、用途に応じて適宜選択することができ、その材料について特に限定されることはなく、例えば、天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、ガラス、金属、セラミックス、木材、布あるいは各種画像形成方法(電子写真方式、インクジェット方式、昇華・溶融熱転写方式)で画像を形成した印画物等を挙げることができる。
特に、上記AとBの混合物を含有する接着層5によれば、従来被転写材20の材質として用いることが困難であったポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等であっても被転写材20と転写層11とを強固に接着できる。また、本発明の転写材10は、転写後の保存性もよいことから上記材料からなる被転写材20と本発明の転写材10との組合せを好適に用いることができる。
次に、被転写材20上へ転写層11を転写する転写方法について説明する。転写方法としては特に限定されることはなく、例えば、熱刻印によるホットスタンプ(箔押)法、熱ロールによる全面又はストライプ転写法、サーマルヘッドを有する熱転写プリンタによる熱転写法等を挙げることができる。熱転写法は、サーマルヘッド等の加熱デバイスにエネルギー(熱)を印加することで、紙やプラスチックシートなどからなる基材シート(被転写材20)上に転写層11を転写する転写方法であり、当該方法によれば、被転写材20の形状にかかわらず転写層11を高速転写できるほか、微細なホログラム、回折格子などのレリーフ構造を有する転写層を精度よく被転写材20上に転写することができる。このような点を考慮すると本発明の転写材10を用いて転写層11を被転写材20上に転写する転写方法としては熱転写法が好ましい。なお、熱転写法により転写を行った場合であっても、接着層5に特徴を有する本願発明によれば高い熱や圧をかけることなく高い接着性を有することから転写層11を被転写材10上に安定的にかつ高速で転写を行うことができる。
また、接着層5全体のガラス転移温度(Tg)が60℃以上の接着層5によれば、熱転写法により転写を行った際に生ずる問題点、具体的には巻取り状態中に接着層5と基材層1の背面側とがブロッキングすることを効果的に防止することができる。
また、熱転写方法により転写を行う場合には、剥離バー(またはサーマルヘッド)により剥離層2を介して転写層11が剥離される。当該剥離には、加熱により溶融あるいは軟化した接着層4が固化しないうちに、転写層11を剥離層2から剥離する熱時剥離と、加熱により溶融あるいは軟化した接着層4が固化した後に、転写層11を剥離層2から剥離する冷時剥離が挙げられる。なお、剥離方法についても特に限定されない。
以上説明した、接着層5に特徴を有する本発明の転写材10によれば、被転写材20の材質にかかわらず被転写材20と転写層11とを強固な接着力で接着することができ、特に、被転写材20がポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等と従来の接着層では転写層11との接着性の問題から高速転写が困難な材質であっても強固な接着力で接着をすることができる。また、当該材質からなる被転写材20上に転写層11を転写した後の保存性もよいことから、転写後に転写層11が脱落することもない。さらには、熱転写方式により転写を行った場合でも、巻取り状態中に接着層5と基材層1の背面側とがブロッキングすることを防止することができるほか、接着層5は低温で強固な接着性を有することから転写時の熱により被転写材20が変形することもない。
以下に、実施例と比較例を挙げて、本発明について更に詳しく説明する。
(実施例1)
<耐熱保護層用組成物>
シリコーン変性アクリル樹脂(固形分26%) 10.0部
(商品名ポリアロイNSA−X55 ナトコ(株)製)
トルエン/メチルエチルケトン(質量比1/1) 40.0部
<剥離層用組成物>
ノルボルネン樹脂 40.0部
(商品名アートンG、JSR社製)(Tg:171℃)
アクリルポリオール樹脂 10.0部
(商品名サーモラックSU−100A、綜研化学(株)製)
トルエン/メチルエチルケトン(質量比7/3) 50.0部
<レリーフ形成層用組成物>
メタクリル樹脂 50.0部
(商品名パラペットGF、クラレ(株)製)
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー 50.0部
(上記に記載した条件で作成したウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである。)
シリコーン 1.0部
(商品名KF−860、信越化学工業(株)製)
光重合開始剤 5.0部
(商品名イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
メチルエチルケトン 100部
基材1として、厚さ6μmのポリエステルテレフタレートフイルム(F−53、東レ社製、商品名)を用いた。該基材の一方の面へ、上記耐熱保護層用組成物を、グラビアコート法で塗布し乾燥して、厚さが0.15g/mの耐熱保護層6を形成した。該耐熱保護層6面と反対側の基材1面へ、剥離層用組成物を、乾燥後の厚みがコート量0.2g/mになるように、グラビアコーターで塗工し80℃で乾燥させて、剥離層2を形成した。該剥離層2面へレリーフ形成層用組成物の乾燥後の厚みが0.8g/mになるように、グラビアコーターで塗工し100℃で乾燥させて、レリーフ形成層3を形成し、得られたフイルムは常温ではべとつかず、巻取状態で保管や後加工ができる。該レリーフ形成層3面へスタンパを加圧(エンボス)してレリーフを賦形する。別途、樹脂製スタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、150℃で相対するローラー間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯で紫外線を照射して硬化させた。該レリーフ面へ真空蒸着法によりアルミニウムを厚さ30nmに蒸着して、反射型のレリーフ型ホログラムを形成した。次に、耐熱保護層6を上述のシリコーン変性アクリル樹脂を含む塗工液を使用し、グラビアコーターでコート量0.06g/mの耐熱保護層6を形成した。
該レリーフ面に形成する接着層5について、以下に詳細に記す。
(接着層用塗工液)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(VA=28%、MI=15) 40部
αオレフィン−無水マレイン酸共重合体−無水マレイン酸モノイソプロピルエステル共重合物(ペトロライト社製、セラマー1608) 35部
芳香族系石油樹脂(日本石油化学(株)製、ネオポリマー160) 25部
メチルエチルケトン 120部
シクロヘキサン 310部
トルエン 270部
上記塗工液をグラビアコーターにて該レリーフ面に塗工・乾燥し、厚さが0.2g/mの接着層を形成した。
(実施例2)
実施例1で作製した転写材において、接着層用塗工液を下記組成に変更して、それ以外は実施例1の通りにして、実施例2の転写材を作製した。
(接着層用塗工液)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(VA=28%、MI=15) 40部
αオレフィン−無水マレイン酸共重合体−無水マレイン酸モノイソプロピルエステル共重合物(ペトロライト社製、セラマー1608) 20部
芳香族系石油樹脂(日本石油化学(株)製、ネオポリマー160) 25部
エチレン−酢酸ビニル共重合体ディスパージョン 15部
(VA=8%、MI=25)
メチルエチルケトン 120部
シクロヘキサン 310部
トルエン 270部
(比較例1)
上記の実施例1で作製した転写材において、接着層用塗工液を下記組成に変更して、それ以外は実施例1の通りにして、比較例1の転写材を作製した。
(接着層用塗工液)
エチレン−酢酸ビニル共重合体(VA=28%、MI=15) 40部
エチレン−酢酸ビニル共重合体(VA=28%、MI=300) 35部
芳香族系石油樹脂(日本石油化学(株)製、ネオポリマー160) 25部
メチルエチルケトン 120部
シクロヘキサン 310部
トルエン 270部
上記、実施例および比較例の転写材を用いて、下記の印字条件にて、印字を実施し、その印字物を下記の評価方法にて、高速印字適性、耐久性、耐アルコール性、地汚れの評価を行った。
(印字条件)
使用プリンタはAVERY DENNISON社製TTX450(端面型サーマルヘッドを搭載)を用い、最も高速印字が難しいポリプロピレン基材に、印字速度6inch/secの条件で、ホログラム解像パターンを印字した。
(高速印字適性)
上記の印字条件にて得られた印字物において、ホログラムの転写状態を目視にて観察し、下記の判断基準にて評価した。
(評価基準)
◎:ホログラムの転写が非常に良好である。
○:ホログラムの転写がほぼ良好である。
△:ホログラムの転写が部分的に不良のところがある。
×:ホログラムの転写が全体的に不良である。
(耐久性)
上記の各印字物について、下記の方法にて印字部を擦り、印字物の表面状態を目視にて観察し、下記の判断基準にて耐久性を評価した。
試験機 :スガ試験機(株)製、磨耗試験機
荷重 :500g
移動速度:30mm/sec
往復回数:100回
当て布:カナキン3号
(評価基準)
◎:印字部の脱落が全く無く、地の部分の汚れ全く無い。
○:印字部の脱落がほとんど無く、地の部分の汚れが少しある。
△:印字部の脱落が少しあり、地の部分の汚れがある。
×:印字部の脱落が目立ち、地の部分の汚れが非常にある。
(耐アルコール性)
上記の各印字物について、下記の方法にて、印字物の印字部と、溶剤が浸された当て布とを擦り、印字物の表面状態を目視にて観察し、下記の判断基準にて耐アルコール性を評価した。
試験機 :スガ試験機(株)製、磨耗試験機
荷重 :1kg
移動速度:30mm/sec
往復回数:20回
当て布:カナキン3号
溶剤 :変性エタノール
(評価基準)
○:印字部が判読可能であり、汚れはあまり無い。
△:印字部の判読は可能であるが、汚れがある。
×:印字部の判読が不可能で、汚れが著しい。
(地汚れ)
上記の印字条件にて得られた印字物において、非印字部の汚れの有無を目視にて観察し、下記の判断基準にて地汚れの評価を行なった。
(評価基準)
○:非印字部の汚れがほとんど認められない。
×:非印字部の汚れが著しく、目立つ。
(評価結果)
上記の実施例および比較例の評価結果を、下記の表1に示す。
Figure 2010069687
実施例1〜2では、ポリプロピレン上に転写層を転写した場合であってもホログラムの転写が非常に良好であり高速印字適性の向上が認められた。また、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンにおいても同様の結果が得られた。一方、接着層樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体と芳香族系石油樹脂のみを用いた比較例1では、地汚れが著しく発生し、また耐アルコール性も良好ではなかった。
本発明の転写材の層構成を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 基材層
2 … 剥離層
3 … レリーフ形成層
4 … 反射層
5 … 接着層
6 … 耐熱保護層
10 … 転写材
11 … 転写層
20 … 被転写材

Claims (3)

  1. 基材と、該基材の一方の面に、転写層が設けられた転写材であって、
    前記転写層が、少なくとも光回折効果を発現するレリーフを有するレリーフ形成層、反射層、接着層とからなり、
    前記接着層が、少なくともA:αオレフィン−無水マレイン酸共重合体−無水マレイン酸モノエステルの共重合物とB:エチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物を含有していることを特徴とする転写材。
  2. サーマルヘッドを有する熱転写プリンタによる印字方式で用いることを特徴とする請求項1に記載の転写材。
  3. 転写材と被転写材との組合せであって、
    前記転写材が、基材、光回折効果を発現するレリーフを有するレリーフ形成層、反射層、接着層とからなり、該接着層は、少なくともA:αオレフィン−無水マレイン酸共重合体−無水マレイン酸モノエステルの共重合物とB:エチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物を含有し、
    前記被転写材が、少なくともポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート又はナイロンのいずれかであることを特徴とする転写材と被転写材の組合せ。
JP2008238560A 2008-09-17 2008-09-17 転写材と被転写材との組合せ Active JP5262497B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008238560A JP5262497B2 (ja) 2008-09-17 2008-09-17 転写材と被転写材との組合せ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008238560A JP5262497B2 (ja) 2008-09-17 2008-09-17 転写材と被転写材との組合せ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010069687A true JP2010069687A (ja) 2010-04-02
JP5262497B2 JP5262497B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=42201932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008238560A Active JP5262497B2 (ja) 2008-09-17 2008-09-17 転写材と被転写材との組合せ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5262497B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9315064B2 (en) 2012-02-20 2016-04-19 Avery Dennison Corporation Multilayer film for multi-purpose inkjet systems
US9752022B2 (en) 2008-07-10 2017-09-05 Avery Dennison Corporation Composition, film and related methods
US10703131B2 (en) 2010-03-04 2020-07-07 Avery Dennison Corporation Non-PVC film and non-PVC film laminate
US11485162B2 (en) 2013-12-30 2022-11-01 Avery Dennison Corporation Polyurethane protective film
CN116176150A (zh) * 2022-12-15 2023-05-30 江苏学泰印务有限公司 一种铂金浮雕热转印膜及其生产工艺

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002067518A (ja) * 2000-08-24 2002-03-08 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
JP2007118563A (ja) * 2005-03-11 2007-05-17 Dainippon Printing Co Ltd 転写箔及びそれを用いた画像形成物

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002067518A (ja) * 2000-08-24 2002-03-08 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
JP2007118563A (ja) * 2005-03-11 2007-05-17 Dainippon Printing Co Ltd 転写箔及びそれを用いた画像形成物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9752022B2 (en) 2008-07-10 2017-09-05 Avery Dennison Corporation Composition, film and related methods
US10703131B2 (en) 2010-03-04 2020-07-07 Avery Dennison Corporation Non-PVC film and non-PVC film laminate
US9315064B2 (en) 2012-02-20 2016-04-19 Avery Dennison Corporation Multilayer film for multi-purpose inkjet systems
US11485162B2 (en) 2013-12-30 2022-11-01 Avery Dennison Corporation Polyurethane protective film
US11872829B2 (en) 2013-12-30 2024-01-16 Avery Dennison Corporation Polyurethane protective film
CN116176150A (zh) * 2022-12-15 2023-05-30 江苏学泰印务有限公司 一种铂金浮雕热转印膜及其生产工艺
CN116176150B (zh) * 2022-12-15 2023-11-14 江苏学泰印务有限公司 一种铂金浮雕热转印膜及其生产工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP5262497B2 (ja) 2013-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8015919B2 (en) Security printing using a diffraction grating
JP2007118563A (ja) 転写箔及びそれを用いた画像形成物
WO2006095902A1 (ja) 転写箔及びそれを用いた画像形成物
JP5083607B2 (ja) 中間転写記録媒体、及び転写された被転写体
WO2005097515A1 (ja) 受容層転写材、転写シート及びレリーフ層付き色材受容シート、並びにそれを用いた画像形成方法
US6909444B2 (en) Transfer ribbon, image expressing medium and method for production of them
JP2008188866A (ja) 中間転写記録媒体、及び画像形成方法
JP2007072188A (ja) ホログラム、ホログラムラベル及びホログラム転写箔
JP5262497B2 (ja) 転写材と被転写材との組合せ
JP2004101834A (ja) 画像表示媒体、及びその製造方法
JP4797834B2 (ja) ホログラム転写箔
JP4139656B2 (ja) 転写箔
JP2010018025A (ja) 転写材、転写材と被転写材との組合せ及び転写層の転写方法
JP2007118466A (ja) ホログラム転写箔
JP2008188865A (ja) 転写装置
JP4915199B2 (ja) ホログラム付き中間転写記録媒体を用いた偽造防止媒体
JP2016060046A (ja) 熱転写シート、印画物及び画像形成方法
JP2007225639A (ja) 複数ホログラム転写箔、及びそれを用いた複数ホログラム形成物。
JP2006259464A (ja) 非加熱転写方法、非加熱転写装置、非加熱転写転写箔、及びそれを用いた画像形成物
JP2004114546A (ja) 転写箔、画像形成方法、及び画像表示媒体
JP2005104043A (ja) 熱転写シート
JP5088086B2 (ja) ホログラム画像形成方法
JP2008096625A (ja) ホログラム転写箔
JP2014092648A (ja) ホログラムラベル及びホログラム転写箔
JP2008268288A (ja) 偽造防止用転写箔及び偽造防止された形成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5262497

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150