JP2007225639A - 複数ホログラム転写箔、及びそれを用いた複数ホログラム形成物。 - Google Patents
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Abstract
【課題】
2つのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側から視認できる複数ホログラム転写箔、及びそれを用いた複数ホログラム形成物を提供する。
【解決手段】
基材11の一方の面へ、少なくとも剥離層13、第1レリーフ形成層15A、第1反射層17A、第2レリーフ形成層15B、及び第2反射層17Bを設けてなり、好ましくは、第1反射層17Aと第2レリーフ形成層15Bとの間に、柔軟層21Aを設けてなることを特徴とし、該複数ホログラム転写箔を用いて、被転写体に複数ホログラムを設けることも特徴とする。
【選択図】 図1
2つのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側から視認できる複数ホログラム転写箔、及びそれを用いた複数ホログラム形成物を提供する。
【解決手段】
基材11の一方の面へ、少なくとも剥離層13、第1レリーフ形成層15A、第1反射層17A、第2レリーフ形成層15B、及び第2反射層17Bを設けてなり、好ましくは、第1反射層17Aと第2レリーフ形成層15Bとの間に、柔軟層21Aを設けてなることを特徴とし、該複数ホログラム転写箔を用いて、被転写体に複数ホログラムを設けることも特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数ホログラム転写箔に関し、さらに詳しくは、2つのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側から視認でき、特異な意匠性及び/又はセキュリティ性を有する複数ホログラム転写箔、及びそれを用いた複数ホログラム形成物に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
(主なる用途)本発明の複数ホログラム転写箔、及び該複数ホログラム転写箔を用いて複数光輝性図柄の少なくとも1部を、被転写体へ転写し移行させた複数ホログラム形成物の主なる用途としては、1部に透明部分を有する、例えば、紙幣、株券、証券、証書、商品券、小切手、手形、入場券、通帳類、ギフト券、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場証、通行証、チケット等の金券類、キャッシュカード、クレジットカード、IDカード、プリペイドカード、メンバーズカード、ICカード、光カードなどのカード類、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、パスポート等の各種証明書やその証明写真類、カートン、ケース、軟包装材などの包装材類、バッグ類、帳票類、封筒、タグ、パスポート、化粧品、ライター等の装身具類、ガラス、プラスチックケース、カードケース、飛散防止フィルムなどがある。2つのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側から視認でき、特異な意匠性、及び/又はセキュリティ性を必要とする用途であれば、特に限定されるものではない。また、複製ホログラム形成物のホログラムが表面側及び、又は裏面側から視認できなくなくとも、表裏から見て図柄の異なるホログラムが形成されていればよい。どちらか一方、もしくは両方から観察した際に、直接視認できなくとも、複数ホログラム形成物からホログラム隠蔽部を剥すなどして、表面側のホログラムと裏面側のホログラムを確認した際にも、表面側及び裏面側に形成された異なるホログラムが視認できるため、セキュリティ性を著しく向上できる。
(背景技術)従来、金券類、カード類、及び各種証明書類などのは、資格証明や一定の経済的価値や効果を持つため、不正に偽造、変造、不正使用することが絶えない。特に、カラーコピー機の精度向上が著しく、各種の媒体類の偽造を容易にしている。これを防止するため各種の偽造防止手段が施されている。光輝性、特にホログラム、回折格子などのレリーフ形状を有する転写箔は、特異な装飾像や立体像を表現できる意匠性と、これらホログラムや回折格子は高度な製造技術を要し、容易に製造できないことから、偽造防止としてセキュリティー性の向上に利用されている。しかしながら、これらの光輝性は片側のみであり、さらなる意匠性とセキュリティ性を向上するために、少なくとも2つのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側からポジ像が視認できることが求められている。
(先行技術)従来、片側に2層のレリーフ形成層を有する転写箔が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、同一面に異なるパターンで2回エンボスし、片側の一方の面方向へ、2つのホログラムを再生するものである。両面からホログラムを視認する効果はなく、表面からはポジ像が観察できるが、裏面から見るとネガ像が観察されて、両面からポジ像が視認できないのは明らかであり、両面からホログラム像を観察するという概念に関する記載はない。また、エンボス加工は片面エンボスで十分であるが、両面エンボスでもよいとの記載が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、片面、すなわち同一面を2回以上エンボスするとの記載はなさせておらず、絵柄に関する記載は何ら示唆されていない。いずれの先行技術も、2つのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側からポジ像が視認できることについては記載も示唆もされていない。
また、本出願人は特願2005−33398号公報で、複数光輝性図柄を有する光輝性フィルム、及び該光輝性フィルムを用いた複数光輝性図柄の少なくとも1部を、被転写体へ貼着や漉き込みなどで移行させた複数光輝性図柄形成物を出願している。しかしながら、不特定な形状などの多くの物品へ転写することができず、用途が限られるという問題があり、セキュリティ性も十分ではなかった。本発明によれば転写法で不特定な形状の物品に容易に転写することができ、かつ1部に透明部分を有する被転写体へ転写すれば、2つのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側からポジ像が肉眼で容易に視認できるので、特異な意匠性、及び/又はセキュリティ性を著しく向上させるに到った。
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、2つのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側から視認できる複数ホログラム転写箔、及びそれを用いた複数ホログラム形成物を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる複数ホログラム転写箔は、基材と、該基材の一方の面へ、ホログラム転写層を有するホログラム転写箔において、ホログラム転写層が少なくとも剥離層、第1レリーフ形成層と第1反射層とからなる第1ホログラム層と、第2レリーフ形成層と第2反射層とからなる第2ホログラム層とからなり、第1ホログラムが一方の面から視認でき、第2ホログラムが他方の面から視認できるように、したものである。
請求項2の発明に係わる複数ホログラム転写箔は、第1ホログラム層と第2ホログラム層との間に、柔軟層を設けてなるように、したものである。
請求項3の発明に係わる複数ホログラム転写箔は、上記柔軟層のガラス転移温度Tgが第1レリーフ形成層のガラス転移温度Tgより低いように、したものである。
請求項4の発明に係わる複数ホログラム形成物は、請求項1〜3のいずれかに記載の複数ホログラム転写箔を用いて、被転写体に複数ホログラムを設けてなるように、したものである。
請求項5の発明に係わる複数ホログラム形成物は、2つのホログラムが、それぞれ表側側及び裏面側から視認できるように、したものである。
請求項2の発明に係わる複数ホログラム転写箔は、第1ホログラム層と第2ホログラム層との間に、柔軟層を設けてなるように、したものである。
請求項3の発明に係わる複数ホログラム転写箔は、上記柔軟層のガラス転移温度Tgが第1レリーフ形成層のガラス転移温度Tgより低いように、したものである。
請求項4の発明に係わる複数ホログラム形成物は、請求項1〜3のいずれかに記載の複数ホログラム転写箔を用いて、被転写体に複数ホログラムを設けてなるように、したものである。
請求項5の発明に係わる複数ホログラム形成物は、2つのホログラムが、それぞれ表側側及び裏面側から視認できるように、したものである。
請求項1の本発明によれば、不特定な形状などの多くの物品へ、1回の転写操作で容易に転写形成することができ、2つのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側から、肉眼で容易に視認できるので、特異な意匠性、及び/又はセキュリティ性が向上した複数ホログラム転写箔が提供される。
請求項2〜3の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、2つのホログラムが2つとも明るい複数ホログラム転写箔が提供される。
請求項4の本発明によれば、特異な意匠性、及び/又はセキュリティ性が向上した複数ホログラム形成物が提供される。
請求項5の本発明によれば、2つのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側から、肉眼で容易に視認できるので、特異な意匠性、及び/又はセキュリティ性が向上した複数ホログラム形成物が提供される。
請求項2〜3の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、2つのホログラムが2つとも明るい複数ホログラム転写箔が提供される。
請求項4の本発明によれば、特異な意匠性、及び/又はセキュリティ性が向上した複数ホログラム形成物が提供される。
請求項5の本発明によれば、2つのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側から、肉眼で容易に視認できるので、特異な意匠性、及び/又はセキュリティ性が向上した複数ホログラム形成物が提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す複数ホログラム転写箔の断面図である。
図2は、本発明の1実施例を示す複数ホログラム転写箔の断面図である。
図3は、本発明の1実施例を示す複数ホログラム形成物の断面図である。
図4は、本発明の1実施例を示す複数ホログラム転写箔及び複数ホログラム形成物の図柄の視認状態を示す説明図である。
図1は、本発明の1実施例を示す複数ホログラム転写箔の断面図である。
図2は、本発明の1実施例を示す複数ホログラム転写箔の断面図である。
図3は、本発明の1実施例を示す複数ホログラム形成物の断面図である。
図4は、本発明の1実施例を示す複数ホログラム転写箔及び複数ホログラム形成物の図柄の視認状態を示す説明図である。
(複数ホログラム転写箔)本発明の複数ホログラム転写箔10は、図1に示すように、基材11と複数ホログラム転写層31からなり、該複数ホログラム転写層31は少なくとも剥離層13、第1レリーフ形成層15Aと第1反射層17Aとからなる第1ホログラム層31Aと、第2レリーフ形成層15Bと第2反射層17Bとからなる第2ホログラム層31Bとが積層されていればよい。また、第1ホログラム層31Aと第2ホログラム層31Bとの間、即ち第1反射層17Aと第2レリーフ形成層15Bとの間に柔軟層21Aを設ければ、柔軟層を設けない場合に比べて、温度や圧力で第1レリーフ層のレリーフにひび割れや変形を発生することが少なく、第1及び第2ホログラムともに回折効率の高い明るいホログラムが得られるので、より好ましい。
第1ホログラム層31Aと第2ホログラム層31Bの図柄は、同じでも異なっていてもよい。例えば、同じ図柄でも、第1ホログラムと第2ホログラムの図柄を、一方をネガ、他方をポジとすれば、表側及び裏面からそれぞれポジ像が目視することができる。従来の1つのホログラムでも表側及び裏面から観察できるが、一方ではポジ、他方はネガの観察であり、それぞれのポジ像を目視することができなかった。本発明の複数ホログラム転写箔10においては、表側及び裏面の両面から、ポジ像とポジ像が観察でき、所望の図柄を目視できることである。このため極めて違和感の少ない意匠性が得られる。異なる図柄でも同様に、一方をネガ像、他方をポジ像とすれば所望のホログラム図柄を目視できる。ここで、ポジとは図柄を反射層面から観察した際に、作製者が意図する図案が観察される像をいう。また、ネガとは図柄を基材面から観察した際に作製者が意図する図案が観察される像をいう。文字列abcのような、視認される図柄がネガ、ポジで大きく異なる際、通常、文字列abcが文字列abcとして観察される面をポジと呼ぶが、作製者がこの逆像(abcの鏡像)を観察することを意図する際にはこの限りではない。被転写体表面に感熱接着性を有する材料が設けられている場合などは、この転写シートを用いて、被転写体へ容易に、表裏で図柄のことなるホログラムを作成できる。
(変形形態)本発明は、次のように変形して実施することを含むものである。
(1)第1ホログラム層31Aと第2ホログラム層31Bに加えて、第3ホログラム層31Cを設けたり、図2に示すように、さらに第4ホログラム層31Dを設けたり、してもよい。この際には、第2ホログラム層31Bと第3ホログラム層31Cとの間、即ち第2反射層17Bと第3レリーフ形成層15Cとの間に柔軟層21Bを設けたり、第3ホログラム層31Cと第4ホログラム層31Dとの間、即ち第3反射層17Cと第4レリーフ形成層15Dとの間に柔軟層21Cを設けることが好ましい。第1〜第3ホログラム層を設ける場合には、第1又は第3反射層を透明反射層とし、第1〜第4ホログラム層を設ける場合には、第1及び/又は第4反射層を透明反射層とすることが好ましく、3又は4つのホログラム図柄を観察することができる。
(2)基材11と反対面に露出している反射層17(ホログラム層の数によって変わる)面へ接着層19を設けてよく、被転写体側に接着性がなくても、転写箔のみで容易に転写させることができる。
(3)ホログラムはレリーフ形成層15の表面に賦型された微細な凹凸からなるレリーフであり、ホログラム以外にも、光拡散、光散乱、光反射又は光回折などの機能を発現できる、例えば、回折格子、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、または、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。
(4)第1ホログラムと第2ホログラムの図柄を、表裏面からポジ像を観察するために、一方をネガで他方をポジとしている。しかしながら、抽象的図柄の場合には、ポジ像とネガ像の明確な区別がつかない像もあり、またセキュリティ性などの意図する目的によって、ネガ/ネガ、ポジ/ポジ、ポジ/ネガなどの組み合わせでもよい。第1〜第nホログラムの図柄を有する場合には、さらに種々の組み合わせができる。
(5)被転写体の少なくとも透明部分に複数ホログラムを設けるが、被転写体として不透明材を用いても、何らの手段で剥離し、複数ホログラムのホログラム図柄を観察するものであれば、本発明の範囲内である。
(1)第1ホログラム層31Aと第2ホログラム層31Bに加えて、第3ホログラム層31Cを設けたり、図2に示すように、さらに第4ホログラム層31Dを設けたり、してもよい。この際には、第2ホログラム層31Bと第3ホログラム層31Cとの間、即ち第2反射層17Bと第3レリーフ形成層15Cとの間に柔軟層21Bを設けたり、第3ホログラム層31Cと第4ホログラム層31Dとの間、即ち第3反射層17Cと第4レリーフ形成層15Dとの間に柔軟層21Cを設けることが好ましい。第1〜第3ホログラム層を設ける場合には、第1又は第3反射層を透明反射層とし、第1〜第4ホログラム層を設ける場合には、第1及び/又は第4反射層を透明反射層とすることが好ましく、3又は4つのホログラム図柄を観察することができる。
(2)基材11と反対面に露出している反射層17(ホログラム層の数によって変わる)面へ接着層19を設けてよく、被転写体側に接着性がなくても、転写箔のみで容易に転写させることができる。
(3)ホログラムはレリーフ形成層15の表面に賦型された微細な凹凸からなるレリーフであり、ホログラム以外にも、光拡散、光散乱、光反射又は光回折などの機能を発現できる、例えば、回折格子、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、または、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。
(4)第1ホログラムと第2ホログラムの図柄を、表裏面からポジ像を観察するために、一方をネガで他方をポジとしている。しかしながら、抽象的図柄の場合には、ポジ像とネガ像の明確な区別がつかない像もあり、またセキュリティ性などの意図する目的によって、ネガ/ネガ、ポジ/ポジ、ポジ/ネガなどの組み合わせでもよい。第1〜第nホログラムの図柄を有する場合には、さらに種々の組み合わせができる。
(5)被転写体の少なくとも透明部分に複数ホログラムを設けるが、被転写体として不透明材を用いても、何らの手段で剥離し、複数ホログラムのホログラム図柄を観察するものであれば、本発明の範囲内である。
(材料と層形成)次に、基材や層の材料、層の形成について、説明するが、第1レリーフ形成層15A、第2レリーフ形成層15B、第3レリーフ形成層15C、第4レリーフ形成層15D(合わせてレリーフ形成層15という)、第1反射層17A、第2反射層17B、第3反射層17C、第4反射層17D(合わせて反射層17という)、第1柔軟層21A、第2柔軟層21B、第3柔軟層21C(合わせて柔軟層21という)は、層が異なるのみで材料や形成法は同様であり、第1、第2、第nに読み替えればよい。第1、第2、第nのレリーフ形成層、反射層、及び柔軟層は、同じ材料、形成法及び厚さでもよく、また異なるものを用いてもよい。
(基材)基材11としては、耐熱性、機械的強度、製造に耐える機械的強度、耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテートなどのセルロース系フィルム、ポリイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアラミド、ポリエーテルケトンなどのエンジニアリング樹脂、などがある。好ましくは、耐熱性、機械的強度の点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂のフィルムで、ポリエチレンテレフタレートが最適である。該基材の厚さは、通常、2.5〜50μm程度が適用できるが、4〜25μmが転写性の点で好ましい。
該基材は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。また、該基材は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用する。該基材は、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。また、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
(剥離層)転写する際の転写性を安定させ向上させるために、基材11の層形成面へ剥離層13を設けることが好ましい。剥離層としては、ホログラムの複製エンボス加工に際して原反から複製版への樹脂の逆転写を起こさず、一方、被転写体への熱転写に際しては基材からの剥離が容易におきるような特性を有する材料であればなんでもよい。このような剥離層13の材料としては、一般的な熱可塑性樹脂離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、熱もしくは電離放射線で架橋する硬化性樹脂などが適用できる。使用する熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg)は他の材料との配合などによって剥離可能であれば、特に規定されないが、40℃以上が好ましい。1度のエンボスのみならず、複数回繰返しエンボスを行う場合には、熱可塑性樹脂のTgは比較的高温であるほうが好ましく、70℃以上であるものが好ましく、さらに好ましくは120〜200℃のものである。製造条件との関連からすると、熱可塑性樹脂のTgはエンボス温度より高い方が好ましい。このような条件に設定することで複製時の「版取られ(原反から版への樹脂の転移)」は比較的抑制しやすくなる。しかしながら、エンボス加工時の版取られを上手くコントロールできるのであればこの限りではなく、転写時の印画特性(印画エネルギー、解像度、切れ性)転写後の物性を考慮して適宜きめればよい。
この程度の高いTgを有する樹脂としては例えば、環状オレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂などが挙げられる。また、剥離層の材料は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または混合体(アロイを含む)であっても良い。このような剥離層材料として熱硬化性樹脂、電離放射線で硬化する樹脂を使用することは、とりわけ好ましい。このような材料を使用すると1回目のエンボス加工、ならびに、レリーフ層の硬化時には、十分にTgが低く賦型が入りやすいとともに、2回目以降のエンボス加工時おいては、十分な耐熱性を有することで、版取られ等のエンボス加工時のトラブルが発生しないとともに、被転写体に転写された後のホログラム表面の耐擦性をあげることができる。電離放射線で架橋する硬化性樹脂としては、例えば、紫外線(UV)、電子線(EB)などの電離放射線で重合(硬化)する官能基を有するモノマー、オリゴマーなどを含有させた樹脂である。必要に応じて、剥離層とは別に離型層を設けてもよい。離型性樹脂としては、例えば、弗素系樹脂、シリコーン、メラミン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、繊維素系樹脂、ワックス、メラミン系樹脂などである。これらの混合物等も合せて使用される。
(剥離層の形成)剥離層13は、上記の樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの公知のコーティング方法で、少なくとも1部に塗布し乾燥して塗膜を形成したりすれば良い。剥離層13の厚さとしては、通常は0.01μm〜5.0μm程度、好ましくは0.2μm〜1.0μm程度である。
(レリーフ形成層)レリーフ形成層15の樹脂材料としては、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂の硬化樹脂などが適用できる。熱可塑性樹脂としてはポリ塩化ビニル、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート等が例示でき、熱硬化性樹脂としては不飽和ポリエステル、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂等が例示でき、電離放射線硬化性樹脂としてはポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレートなどや、不飽和エチレン系モノマーと不飽和エチレン系オリゴマーを適宜混合したものが適用できる。特に耐薬品性、耐光性及び耐候性等の耐久性に優れた紫外線や電子線などで硬化させる電離放射線硬化性樹脂が好ましい。電離放射線硬化樹脂としては、特に、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等の電離放射線硬化性樹脂を硬化させたものが適用でき、具体的には、次の2種が最も好ましい。
(電離放射線硬化性樹脂組成物S)レリーフ形成層15の好ましい1つとしては、一般式(a)で表されるウレタン変性アクリル系樹脂を主成分とする未硬化の電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である。具体的には、本出願人が特開2000−273129号公報で開示している光硬化性樹脂組成物などが適用でき、前記明細書に記載の光硬化性樹脂組成物Sを本明細書では「電離放射線硬化性樹脂組成物S」と呼称する。
一般式(a)で表わされるウレタン変性アクリル系樹脂は、例えば、好ましい1例として、メタクリル酸メチル20〜90モルとメタクリル酸0〜50モルと2−ヒドロキシエチルメタクリレート10〜80モル、Zとしてイソボルニルメタクリレート0〜80モルとを共重合して得られるアクリル共重合体であって、該共重合体中に存在している水酸基にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(2−イソシアネートエチルメタクリレート)を反応させて得られる樹脂である。
水酸基含有アクリル系樹脂中に存在している水酸基を利用して、分子中に多数のメタクリロイル基を導入したウレタン変性アクリル系樹脂を主成分とする樹脂組成物によって、例えば、回析格子等を形成する場合には、硬化手段として紫外線や電子線等の電離放射線が使用でき、しかも高架橋密度でありながら柔軟性および耐熱性等に優れた回析格子等を形成することができる。
更に、硬化後の電離放射線硬化樹脂層の柔軟性、粘度を調整するために、本発明の電離放射線硬化性樹脂には、通常の熱可塑性樹脂や、アクリル系およびその他の単官能または多官能のモノマー、オリゴマー等を包含させることができる。さらに、微細な凹凸(レリーフ)を形成(複製)する際にスタンパ(金属版、又は樹脂版)がレリーフ形成層15から容易に引き剥がせるように、予めレリーフ形成層15へ離型剤を含有させてもよい。該離型剤としては、公知の離型剤が適用でき、例えば、固形ワックス、弗素系やリン酸エステル系の界面活性剤、シリコーン等であり、特に好ましくは、変性シリコーンオイル側鎖型、変性シリコーンオイル両末端型、変性シリコーンオイル片末端型、変性シリコーンオイル側鎖両末端型、トリメチルシロキシケイ酸を含有するメチルポリシロキサン(シリコーンレジンと称されている)、シリコーングラフトアクリル樹脂、及びメチルフェニルシリコーンオイル等の変性シリコーンである。
(電離放射線硬化性樹脂組成物M)レリーフ形成層15の好ましい他の1つとしては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物である。具体的には、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂が適用でき、本明細書では「電離放射線硬化性樹脂組成物M」と呼称する。
さらに好ましくは、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物である。また、電離放射線硬化性樹脂として、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと他の樹脂との混合物を用いることができ、アクリル樹脂との混合物が最適である。また、電離放射線で硬化させる以前の塗布状態ではべとつかず、レリーフ構造を容易に賦型した後に、電離放射線で硬化できるものが好ましい。したがって、軟化点が40℃以上の樹脂を含有する電離放射線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
(光重合開始剤)電離放射線硬化性樹脂組成物に添加する光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、αーアミロキシムエステル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類などの公知のものが適用できる。また、必要に応じて、光増感剤、光重合促進剤を添加する。このような光重合開始剤、及び光増感剤の含有量は、前記ウレタン変性アクリル系樹脂100質量部当たり約0.5〜10質量部の範囲で使用することが好ましい。さらに、上記の各成分に加えて、ハイドロキノン、カテコール等のフェノール類;ベンゾキノン等のキノン類;フェノチアジン等:銅類等の重合防止剤を配合すると貯蔵安定性が向上する。更に、必要に応じて、促進剤、粘度調節剤、界面活性剤、消泡剤等の各種助剤を配合してもよい。また、シリコーン、スチレン−ブタジエンラバー等の高分子体を配合してもよい。
上記の樹脂及び必要に応じて添加剤を、溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの公知のコーティング方法で、少なくとも1部に塗布し乾燥して塗膜を形成したりすれば良い。レリーフ形成層15の厚さとしては、通常は0.1μm〜10μm程度、好ましくは0.3μm〜3μm程度である。
(レリーフ)ホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。レリーフ形状は凹凸形状であり、特に限定されるものではなく、微細な凹凸形状を有する光拡散、光散乱、光反射、光回折などの機能を発現するものでもよく、例えば、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、が形成されたものである。また、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。
これらのレリーフ形状の作製方法としてはホログラム撮影記録手段を利用して作製されたホログラムや回折格子の他に、干渉や回折という光学計算に基づいて電子線描画装置等を用いて作製されたホログラムや回折格子をあげることもできる。また、ヘアライン柄や万線柄のような比較的大きなパターンなどは機械切削法でもよい。これらのホログラム及び/又は回折格子の単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。これらの原版は公知の材料、方法で作成することができ、通常、感光性材料を塗布したガラス板を用いたレーザ光干渉法、電子線レジスト材料を塗布したガラス板に電子線描画装置を用いてパターン作製する電子線描画法をなどが適用できる。
(レリーフの賦型)レリーフ形成層15面へ、上記のレリーフ形状を賦形(複製ともいう)する。ホログラムの賦型は、公知の方法によって形成でき、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記樹脂層上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。
加熱したレリーフ形状を有するスタンパを圧着してエンボス加工を行なう場合、第1レリーフ形成層15Aは従来通りの方法でエンボスすればよい。しかしながら、第2レリーフ形成層15B、それに続く第3レリーフ形成層15Cを、エンボス加工にてレリーフを形成する際には、第1レリーフ形成層15Aのレリーフを少しでも破壊しないようにエンボス加工する必要がある。このエンボス加工の重要な2つのパラメータは温度と圧力であり、第2レリーフ形成層をエンボス加工にてレリーフを形成するにあたっては、第1レリーフ形成層15Aのエンボス加工条件に比べて、比較的弱いエンボス条件とするとよい。その条件は、各レリーフ形成層、柔軟層の材料特性に応じて選定することができる。また、好ましくは、後述する柔軟層21Bを設けておけば、エンボス条件を緩和しなくてもレリーフを形成することができるので、生産効率よく、明るいホログラムが得られる。
(レリーフの硬化)レリーフ形成層15として電離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、電離放射線を照射して硬化(反応)させると電離放射線硬化樹脂(レリーフ形成層15)となる。電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものと定義する。従って、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、及び/又は光重合促進剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しないで良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。レリーフ形成層15として、熱硬化性樹脂を用いた場合には、使用する熱硬化性樹脂の硬化条件に応じた温湿度環境下で、エージングを行い硬化させればよい。
(反射層)反射層17A及び反射層17B(反射層17)は、所定のレリーフ構造を設けたレリーフ形成層15面のレリーフ面へ、反射層17へ設けることにより、レリーフの反射及び/又は回折効果を高めるので、レリーフ形成層15の反射率のより高れば、特に限定されなず、例えば金属薄膜が適用できる。
該反射層17に用いる金属としては、金属光沢を有し光を反射する金属元素の薄膜で、Cr、Ni、Ag、Au、Al等の金属、及びその酸化物、硫化物、窒化物等の薄膜を単独又は複数を組み合わせてもよい。上記の光反射性の金属薄膜の形成は、いずれも10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空薄膜法で得られるが、その他、メッキなどによっても形成できる。反射層17の厚さがこの範囲未満では、光がある程度透過して効果が減じ、また、それ以上では、反射効果は変わらないので、コスト的に無駄である。
また、反射層17として、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がレリーフ形成層のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できるから、透明なホログラムを作製することができる。例えば、レリーフ形成層15よりも光屈折率の高い薄膜、および光屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al2O3、Sb2S3、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したもの等が挙げられる。またアルミニウム等の一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが200Å以下になると、透明性が出て使用できる。
透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、レリーフ形成層15のレリーフ面に、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設ければよい。さらには、レリーフ形成層15と光の屈折率の異なる透明な合成樹脂を使用してもよく、接着層19材料とレリーフ形成層15材料の屈折率が十分に異なる場合には、接着層19が反射層19を兼ねることもできる。
(レリーフの劣化)ホログラムは、レリーフ形成層15と、該レリーフ形成層15形成されたレリーフ面に接して設けた反射層17とからなり、レリーフは微細な凹凸で反射層17と相まって、光を回折して光輝性を発現する。レリーフは、ホログラムの場合には、凹凸の高さ及び凸と凸の間隔は、通常0.005mm以下程度と極めて微細であり、該レリーフ(凹凸)の賦型は版の製造とともに高度な技術を要する。また、たとえ一旦、賦型されたレリーフが、僅かに変形しただけでも回折効率が低下し、輝きが暗くなってしまうのである。即ち、無理やり1枚の基材11へ複数図柄の形成をすると、最初の第1ホログラムはレリーフの賦型が正常で光輝性に優れているが、次の第2ホログラムの賦型を行う際に、再び熱エンボスの熱と圧力で、第1ホログラムのレリーフ形状が押し潰されたり、変形したりして、光輝性が劣化し暗くなってしまう場合がある。この場合、基材11/剥離層13/第1レリーフ形成層15A/第1反射層17A/第2レリーフ形成層15B/第2反射層17Bの構成の2ホログラムでも、レリーフ形成層のガラス転移温度Tgを、Tg(第2レリーフ形成層15B)<Tg(第1レリーフ形成層15A)とするが、第1ホログラム層と第2ホログラム層の間に、柔軟層21を設けることがより好ましい。但し、レリーフ形状の劣化防止とは、実用上の支障がなければよく、若干の光輝性の低下は本発明の範囲内とする。
(柔軟層)柔軟層21の材料としては、ホログラム複製時の熱及び/又は圧力の負荷がかかった際にクッション作用を有すればよく、好ましくは、既に形成されている第1レリーフ形成層15Aのガラス転移温度Tgより低いTgを有する材料である。すなわち、第1ホログラム層31Aを形成後、さらに第2ホログラム層31Bを形成するが、この第2ホログラム形成層の下地に形成される柔軟層21は、通常の第1レリーフ形成層15AのTg90〜300℃より低くすることで、第2レリーフ形成層15Bへエンボス加工時の熱及び/又は圧力の負荷がかかった際にも、柔軟層21のクッション作用で、既に形成された第1レリーフ形成層15Aへの負荷を減じて、既に賦型されているレリーフ形状の劣化を防止する。その結果、既に賦型されているレリーフの光輝性が保持され、同時に第2レリーフ形成層15Bへも正常にレリーフ形状を賦型することができる。
ここで、第1レリーフ形成層15Aの材料が、例えば電離放射線硬化性樹脂の場合には、上述した第1レリーフ形成層15AのTgは硬化した硬化樹脂のTgを示している。柔軟層21のTgに下限はないが、製造適性を考えると常温より高いことが好ましい。
エンボス前の第1レリーフ形成層樹脂のTgをTg(B)とし、エンボス加工し硬化後の第1レリーフ形成層樹脂のTgをTg(A)とし、柔軟層のTgをTg(S)としたときには、Tg(S)<Tg(A)、Tg(B)<Tg(A)のような関係があることが好ましい。また、第1レリーフ形成層として硬化性樹脂を使用した場合、エンボス前の未硬化の第1レリーフ形成層樹脂のTgをTg(NC)とし。エンボス加工し硬化後の第1レリーフ層樹脂のTgをTg(C)とし、柔軟層のTgをTg(S)としたときには、Tg(S)<Tg(C)、Tg(NC)<Tg(C)のような関係があることが好ましい。
エンボス前の第1レリーフ形成層樹脂のTgをTg(B)とし、エンボス加工し硬化後の第1レリーフ形成層樹脂のTgをTg(A)とし、柔軟層のTgをTg(S)としたときには、Tg(S)<Tg(A)、Tg(B)<Tg(A)のような関係があることが好ましい。また、第1レリーフ形成層として硬化性樹脂を使用した場合、エンボス前の未硬化の第1レリーフ形成層樹脂のTgをTg(NC)とし。エンボス加工し硬化後の第1レリーフ層樹脂のTgをTg(C)とし、柔軟層のTgをTg(S)としたときには、Tg(S)<Tg(C)、Tg(NC)<Tg(C)のような関係があることが好ましい。
なお、本発明において、粘弾性の測定方法は、測定機器としてレオメトリックス製ARESを用いる。測定条件は、パラレルプレート10mmΦ、歪み0.1%、振幅1Hz、昇温速度2℃/min.で、プライマーの組成物の温度を30℃から200℃に昇温させることにより行う。また、一般に貯蔵弾性率G′は弾性成分で、高分子中でのコイルの振動や凝集体構造などの構造が生じることによって発生し、損失弾性率G″は粘性成分であり、静的の剪断応力と等価なものである。tanδはG″/G′により求められ、材料が変形する際にどれくらいのエネルギーを吸収するかの指標となり、材料のガラス転移温度、側鎖の絡み合い状態、配向性などポリマーの状態を知ることができる。
ここでは、第1ホログラム層31Aへ第2ホログラム層31Bを設ける場合について説明したが、第3ホログラム層31C、第4ホログラム層31Dを設ける場合も、既にレリーフを形成した下側のレリーフ形成層と柔軟層について、同様の関係式となるように適宜設定すればよい。例えば、基材11/剥離層13/第1レリーフ形成層15A/第1反射層17A/第1柔軟層21A/第2レリーフ形成層15B/第2反射層17B/第2柔軟層21B/第3レリーフ形成層15C/第3反射層17C、からなる複数ホログラム転写箔10では、Tg(第2柔軟層21B)<Tg(第2レリーフ形成層15B)のような関係が好ましい。さらに加えて、Tg(第2柔軟層21B)<Tg(第1柔軟層21A)のような関係であるのが、下側の複数のレリーフの変形を防止し、光輝性を維持できる点からより好ましい。但し、Tg(第1柔軟層21A)、Tg(第2柔軟層21B)及びTg(第n柔軟層21n)は、それぞれの下側のレリーフ形成層のTgより低ければよく、相互のTgによらないが、Tg(第n柔軟層21n)<Tg(第2柔軟層21B)<Tg(第1柔軟層21A)のような関係であるのが、下側の複数のレリーフの変形を防止し、光輝性を維持できる点から好ましい。
柔軟層21の材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ゴム変性ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、酢酸セルロース樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は1種または2種以上を併用して用いることができる。
この柔軟層は下地となる第1反射層17A、上にくる第2レリーフ層15Bとの接着性をもったものが好ましい。柔軟層21Aと第1反射層17Aの接着が不十分であると、例えば被転写体に転写後、第1反射層17Aと柔軟層21Aとの界面にて破壊がおきる。また、柔軟層21Aと第2レリーフ形成層15Bの接着性が不十分であると、例えば被転写体に転写後、柔軟層21Aと第2レリーフ形成層15Bとの間にて破壊がおきる。このため、両方の層に対して適度な接着性を持ったものが好ましく、必要に応じて柔軟層の中に適当な添加剤を添加することも可能である。複数ホログラム転写箔の層が3層以上の場合、それぞれの下地となる反射層と上にくるレリーフ層との材料特性に応じて、異なる材料を使用してもよい。また、十分な接着が得られない場合には必要に応じて柔軟層とは別に、接着層を1層もしくは2層使用することも本発明の範疇となる。
上記の樹脂へ、必要に応じて充填剤、可塑剤、着色剤及び/又は帯電防止剤などの添加剤を、溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥して塗膜を形成したりすれば良い。上面にくるレリーフ材料のエンボスされやすさ、接着性によって柔軟層の厚さは調整されるとよい。このような柔軟層が必要な場合には、塗工量は通常は0.05〜2μm程度、好ましくは0.1〜0.5μmである。柔軟層を必要とする場合、柔軟層の厚さがこの範囲未満では柔軟性が不足して脱落し、また、その以上では、被写体への転写の際に印字の切れが低下する。
(接着層)反射層17面へ、必要に応じて接着層を設けてもよい。被転写体側に接着性を有していれば設けずとも良い。接着層は熱で溶融又は軟化して接着する熱接着型接着剤が適用でき、例えば、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系・メタクリル系などの(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノール系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン−アルキッド樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂などが適用でき、これらの樹脂を単独または複数を組み合せて使用する。これらの接着層19の樹脂は、接着力などの点で、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。さらに好ましくは、接着性の点で、マレイン酸−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を選択することができる。
上記の樹脂及び、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤及び/又は帯電防止剤などの添加剤を、溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの公知のコーティング方法で、少なくとも1部に塗布し乾燥して塗膜を形成したりすれば良い。接着層の厚さは、通常は0.02〜10μm程度、好ましくは0.05〜5μmである。接着層の厚さは、この範囲未満では被転写体との接着力が不足して脱落し、また、その以上では、接着効果は十分でその効果は変わらないのでコスト的に無駄であり、さらには、サーマルヘッドの熱を無駄に消費してしまう。
熱転写プリンターを用いて熱転写するための転写シートとして使用する場合、サーマルヘッド等の加熱素子との融着を防止したり、シートの搬送適性を改良する目的で、複数ホログラム転写箔10の基材11背面には、背面層を設けてもよい。背面層は、耐熱滑性、離型性を有することが好ましい。背面層の材料としては、硬化性シリコーンオイル、硬化性シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッソ樹脂、アクリル樹脂等の離型性を有する材料が挙げられる。背面層の厚さは通常0.1〜3μmに形成する。
(ホログラム図柄の複数化)以上説明してきたレリーフ形成層15の形成、賦型と2反射層17の形成を繰り返して、本発明の複数ホログラム転写箔10が得られる。
図1に示す本発明の複数ホログラム転写箔10では、基材11の一方の面へ、剥離層13、第1レリーフ形成層15Aを形成し、第1ホログラムを賦型し、第1反射層17Aを形成し、必要に応じて柔軟層21Aを形成し、第2レリーフ形成層15Bを形成し、第2ホログラムを賦型し、第2反射層17Bを形成すればよく、さらにこれを繰り返すことで2以上とできる。第1ホログラム及び第2ホログラムの賦型は、所望の図柄が正常に視認できるように、前述のようにネガ、又はポジとなる適宜選択して賦型すればよい。該本発明の複数ホログラム転写箔10は、2つのホログラムを有し、2つのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側から視認できる。また、容易に転写法で、不特定な形状などの多くの物品へ転写し、2つのホログラムを形成することができるので、特異な意匠性及び/又はセキュリティ性を求められる多くの用途に応用することができる。
図1に示す本発明の複数ホログラム転写箔10では、基材11の一方の面へ、剥離層13、第1レリーフ形成層15Aを形成し、第1ホログラムを賦型し、第1反射層17Aを形成し、必要に応じて柔軟層21Aを形成し、第2レリーフ形成層15Bを形成し、第2ホログラムを賦型し、第2反射層17Bを形成すればよく、さらにこれを繰り返すことで2以上とできる。第1ホログラム及び第2ホログラムの賦型は、所望の図柄が正常に視認できるように、前述のようにネガ、又はポジとなる適宜選択して賦型すればよい。該本発明の複数ホログラム転写箔10は、2つのホログラムを有し、2つのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側から視認できる。また、容易に転写法で、不特定な形状などの多くの物品へ転写し、2つのホログラムを形成することができるので、特異な意匠性及び/又はセキュリティ性を求められる多くの用途に応用することができる。
上記の複数ホログラム転写箔10の第2反射層17Bの上面へ、同様にして、必要に応じて柔軟層21Bを設け、第3ホログラム層31Cを設け、さらに必要に応じて柔軟層21Cを設け、第4ホログラム層31Dを設けると、図2に示す本発明の複数ホログラム転写箔10となり、第1反射層17A及び/又は第4反射層17Dを透明反射層としておく。該本発明の複数ホログラム転写箔10は、4つのホログラムを有し、2つずつのホログラムがそれぞれ表面側及び裏面側から視認することができる。
(他の層)また、本発明の複数ホログラム転写箔10には、ホログラムが観察できる範囲で、さらに被写体への転写適性を阻害しない範囲で、必要に応じて、層構成の層間及び/又は表面に、保護層、着色層、磁気印刷、及び/又は樹脂層などの他の層、並びに/又は印刷、プライマ層などを設けてもよい。
(製造)本発明の複数ホログラム転写箔10の製造は、いずれの工程も既存の設備、技術を用いることができるので、製造が容易で低コストに製造することができる。また、本発明の複数ホログラム形成物100の製造も、いずれの工程も既存の設備、技術を用いることができるので、製造が容易で低コストに製造することができる。
(複数ホログラム形成物)従来は、表面側及び裏面側から異なる図柄のホログラムを視認するためには、別々に作製したホログラム転写箔を用いて、表面側及び裏面側面へそれぞれ転写を2回行わねばならなかった。本発明の複数ホログラム形成物100は、本発明の複数ホログラム転写箔10を用いて、該ホログラム図柄の少なくとも1部を、被転写体へ転写することで作製することができ、1度の転写操作で、光輝性に優れた2つ又はそれ以上の図柄からなるホログラムを有し、特異な意匠性、セキュリティ性を持たせることができる。好ましくは、1部に透明部分を有する被転写体へ転写すれば、被転写体の透明部分を通して、それぞれ表面側、及び裏面側からホログラムを視認することができる。図2(A)に示すように表面でも、図2(B)に示すように裏面でもよく、両側に形成してもよい。また、不透明な被転写体へ2つのホログラムを形成してもよいが、被転写体側のホログラムは観察できない。しかしながら、外面側のホログラムを引き剥がしたり、破壊することで観察できるようになるので、隠しホログラムとすることができ、セキュリティ性を向上できるので、範囲内である。
(被転写体)被転写体101としては特に限定されず、例えば天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布あるいは染料受容性のある媒体等いずれのものでもよい。被転写体の用途は前述した通りであり、好ましくは、更なる意匠性及びセキュリティー性を要求されるものであり、また、該被転写体101の媒体はその少なくとも1部が着色、印刷、その他の加飾が施されていてもよく、転写したホログラム面にも、印刷、その他の加飾を施してもよい。特に好ましくは、被転写体101の一部に透明部分を有するもので、該透明部分に転写すれば、表裏両側から複数ホログラムを目視することができる。また、透明なシートを被転写体として、作製されたシートはガラスの飛散防止フィルムや、目隠しシートなどとして使用することができて非常に意匠性に富むとともに、その安全性アップできるため有用である。
被転写体への形成方法としては、公知の転写法でよく、例えば、熱刻印によるホットスタンプ(箔押)、熱ロールによる全面又はストライプ転写、サーマルヘッド(感熱印画ヘッド)によるサーマルプリンタ(熱転写プリンタともいう)などの公知の方法が適用できる。文字、数字、イラストなどの任意の画像を転写でき、また可変情報をオンデマンドで転写できる点で、サーマルプリンタが好ましい。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
(実施例1)基材11として厚さ16μmのルミラー16S28(東レ社製、PETフィルム商品名)を用いた。該基材11の一方の面へ、グラビアコート法で、下記の剥離層塗工液を乾燥後0.5μmになるように塗布し乾燥して剥離層13を形成した。
・<剥離層塗工液>
ノルボルネン樹脂(商品名アートンG、JSR社製)(Tg;171℃)40.0部
アクリルポリオール樹脂 10.0部
トルエン/メチルエチルケトン(質量比7/3) 50.0部
該剥離層13面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物M(Tg:60℃)をグラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、厚さ0.8μmの第1レリーフ形成層15Aを形成した。
・<電離放射線硬化性樹脂組成物Mの作製>
反応性生物(A)は以下の手順で、生成した。撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を取り付けた反応器に、酢酸エチル206.1g及びイソホロンジイソシアネートの三量体(HULS社製品、VESTANAT T1890、融点110℃)133.5gを仕込み、80℃に昇温して溶解させた。溶液中に空気を吹き込んだのち、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.38g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製品、ビスコート300)249.3g及びジブチル錫ジラウレート0.38gを仕込んだ。80℃で5時間反応させたのち酢酸エチル688.9gを添加して冷却した。得られた反応生成液は赤外吸収スペクトル分析の結果、イソシアネート基の吸収が消滅していることを確認した。反応生成液から酢酸エチルを留去したものの軟化温度は43℃であった。
該反応生成物(A)と、造膜性樹脂、光重合開始剤、及び溶媒から下記の組成で添加して電離放射線硬化性樹脂組成物Mを調製した。
・<電離放射線硬化性樹脂組成物M>
反応性生物(A) 24重量部
造膜性樹脂(メタクリル樹脂:クラレ社製品 パラペットGF) 6重量部
光重合開始剤(イルガキュア184) 0.9重量部
酢酸エチル 70重量部
次に、該第1レリーフ形成層面へ、2光束干渉法によるレインボウホログラム(柄1:文字列「abc」の繰り返しパターン)から2P法で複製したスタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた(Tg:160℃)。第1レリーフ形成層15Aのレリーフ面へ真空蒸着法で厚さが300nmのアルミニウム薄膜を形成して第1反射層17Aとした。
該第1反射層17Aと面へ、バイロン200(東洋紡績(株)社製、ポリエステル樹脂商品名、Tg:67℃)をグラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、厚さ0.5μmの柔軟層21Aを形成した。
柔軟層21A面へ、前述の電離放射線硬化性樹脂組成物M(Tg:60℃)をグラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、厚さ0.8μmの第2レリーフ形成層15Bを形成した。次に、該レリーフ形成層面へ、2光束法によるレインボウホログラム(柄2:文字列「xyz」の繰り返しパターン)から2P法で複製したスタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた(Tg:160℃)。第2レリーフ形成層15Bのレリーフ面へ真空蒸着法で厚さが300nmのアルミニウム薄膜を形成して第2反射層17Bとした。
該第2反射層17Bへ、グラビアコート法で、下記の接着層塗工液を乾燥後0.3μmになるように塗布し乾燥して接着層を形成した。
・<接着層塗工液>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
アクリル樹脂 10部
溶媒(酢酸エチル:トルエン=2:5) 70部
このようにして、実施例1の複数ホログラム転写箔10を得た。
・<剥離層塗工液>
ノルボルネン樹脂(商品名アートンG、JSR社製)(Tg;171℃)40.0部
アクリルポリオール樹脂 10.0部
トルエン/メチルエチルケトン(質量比7/3) 50.0部
該剥離層13面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物M(Tg:60℃)をグラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、厚さ0.8μmの第1レリーフ形成層15Aを形成した。
・<電離放射線硬化性樹脂組成物Mの作製>
反応性生物(A)は以下の手順で、生成した。撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を取り付けた反応器に、酢酸エチル206.1g及びイソホロンジイソシアネートの三量体(HULS社製品、VESTANAT T1890、融点110℃)133.5gを仕込み、80℃に昇温して溶解させた。溶液中に空気を吹き込んだのち、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.38g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製品、ビスコート300)249.3g及びジブチル錫ジラウレート0.38gを仕込んだ。80℃で5時間反応させたのち酢酸エチル688.9gを添加して冷却した。得られた反応生成液は赤外吸収スペクトル分析の結果、イソシアネート基の吸収が消滅していることを確認した。反応生成液から酢酸エチルを留去したものの軟化温度は43℃であった。
該反応生成物(A)と、造膜性樹脂、光重合開始剤、及び溶媒から下記の組成で添加して電離放射線硬化性樹脂組成物Mを調製した。
・<電離放射線硬化性樹脂組成物M>
反応性生物(A) 24重量部
造膜性樹脂(メタクリル樹脂:クラレ社製品 パラペットGF) 6重量部
光重合開始剤(イルガキュア184) 0.9重量部
酢酸エチル 70重量部
次に、該第1レリーフ形成層面へ、2光束干渉法によるレインボウホログラム(柄1:文字列「abc」の繰り返しパターン)から2P法で複製したスタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた(Tg:160℃)。第1レリーフ形成層15Aのレリーフ面へ真空蒸着法で厚さが300nmのアルミニウム薄膜を形成して第1反射層17Aとした。
該第1反射層17Aと面へ、バイロン200(東洋紡績(株)社製、ポリエステル樹脂商品名、Tg:67℃)をグラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、厚さ0.5μmの柔軟層21Aを形成した。
柔軟層21A面へ、前述の電離放射線硬化性樹脂組成物M(Tg:60℃)をグラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、厚さ0.8μmの第2レリーフ形成層15Bを形成した。次に、該レリーフ形成層面へ、2光束法によるレインボウホログラム(柄2:文字列「xyz」の繰り返しパターン)から2P法で複製したスタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた(Tg:160℃)。第2レリーフ形成層15Bのレリーフ面へ真空蒸着法で厚さが300nmのアルミニウム薄膜を形成して第2反射層17Bとした。
該第2反射層17Bへ、グラビアコート法で、下記の接着層塗工液を乾燥後0.3μmになるように塗布し乾燥して接着層を形成した。
・<接着層塗工液>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
アクリル樹脂 10部
溶媒(酢酸エチル:トルエン=2:5) 70部
このようにして、実施例1の複数ホログラム転写箔10を得た。
(評価1)この複数ホログラム転写箔10を基材(PETフィルム)越しに観察すると、いずれも、図4のように、文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。また、その反対側から観察すると文字列「xyz」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。文字列「abc」の樹脂ワレもなく、良好な複製品が得られた。
(評価2)被転写体としては、厚さ188μmの透明PETシートを85mm×57mmに切り抜いてカードとした。該被転写体へ、実施例1で得られた複数ホログラム転写箔10を用いて、熱転写機で10×20mmの矩形に転写して、複数ホログラム形成物100(請求項4〜5に相当する)が得られた。この複数ホログラム形成物100を被転写体基材(188μmのPETシート)越しに観察すると、図4のように、文字列「xyz」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。また、その反対側から観察すると文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。文字列「abc」の樹脂ワレもなく、意匠性の高い複数ホログラム形成フィルムが得られた。
(実施例2)基材として、23μmのルミラー25S10(東レ社製、PETフィルム商品名)を用た以外は、実施例1と同様にして、複数ホログラム転写箔10を得た。
(評価1)この複数ホログラム転写箔10を基材(PETフィルム)越しに観察すると、いずれも、図4のように、文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。また、その反対側から観察すると文字列「xyz」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。文字列「abc」の樹脂ワレもなく、良好な複製品が得られた。
(評価2)被転写体としては、厚さ188μmのPETシートを85mm×57mmに切り抜いてカードとした。該被転写体へ、実施例2で得られた複数ホログラム転写箔10を用いて、熱転写機で10×20mmの矩形に転写して、複数ホログラム形成物100が得られた。この複数ホログラム形成物100を被転写体基材(188μmのPETシート)越しに観察すると、図4のように、文字列「xyz」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。また、その反対側から観察すると文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。文字列「abc」の樹脂ワレもなく、意匠性の高い複数ホログラム形成フィルムが得られた。
(実施例3)基材として、12μmのルミラー12W10(東レ社製、PETフィルム商品名)を用い、耐熱層として下記材料を基材背面に0.1μm塗工した以外は、実施例1と同様にして、複数ホログラム転写箔10を得た。
<耐熱層塗工液>
シリコーン変性アクリル樹脂(固形分26%) 10部
(商品名 ポリアロイNSA−X55 ナトコ社製)
溶媒(酢酸エチル:トルエン=2:5) 40部
<耐熱層塗工液>
シリコーン変性アクリル樹脂(固形分26%) 10部
(商品名 ポリアロイNSA−X55 ナトコ社製)
溶媒(酢酸エチル:トルエン=2:5) 40部
(評価1)この複数ホログラム転写箔10を基材(PETフィルム)越しに観察すると、いずれも、図4のように、文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。また、その反対側から観察すると文字列「xyz」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。文字列「abc」の樹脂ワレもなく、良好な複製品が得られた。
(評価2)被転写体としては、厚さ188μmのPETシートを85mm×57mmに切り抜いてカードとした。該被転写体へ、実施例3で得られた複数ホログラム転写箔10を用いて、サーマルプリンターで10×20mmの矩形、10ポイントの文字列「DNP」を転写して、複数ホログラム形成物100が得られた。この複数ホログラム形成物100を被転写体基材(188μmのPETシート)越しに観察すると、図4のように、文字列「xyz」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。また、その反対側から観察すると文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。文字列「abc」の樹脂ワレもなく、良好な複製品が得られた。10ポイントの文字列「DNP」の転写も良好だった。
(実施例4)基材として、6μmのルミラー6CF53(東レ社製、PETフィルム商品名)を用い、耐熱層として下記材料を基材背面に0.1μm塗工した以外は、実施例1と同様にして、複数ホログラム転写箔10を得た。
<耐熱層塗工液>
シリコーン変性アクリル樹脂(固形分26%) 10部
(商品名 ポリアロイNSA−X55 ナトコ社製)
溶媒(酢酸エチル:トルエン=2:5) 40部
<耐熱層塗工液>
シリコーン変性アクリル樹脂(固形分26%) 10部
(商品名 ポリアロイNSA−X55 ナトコ社製)
溶媒(酢酸エチル:トルエン=2:5) 40部
(評価1)この複数ホログラム転写箔10を基材(PETフィルム)越しに観察すると、いずれも、図4のように、文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。また、その反対側から観察すると文字列「xyz」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。文字列「abc」の樹脂ワレもなく、良好な複製品が得られた。
(評価2)被転写体としては、厚さ188μmのPETシートを85mm×57mmに切り抜いてカードとした。該被転写体へ、実施例4で得られた複数ホログラム転写箔10を用いて、サーマルプリンターで10×20mmの矩形、10ポイントの文字列「DNP」を転写して、複数ホログラム形成物100が得られた。この複数ホログラム形成物100を被転写体基材(188μmのPETシート)越しに観察すると、図4のように、文字列「xyz」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。また、その反対側から観察すると文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。文字列「abc」の樹脂ワレもなく、良好な複製品が得られた。10ポイントの文字列「DNP」の転写も良好だった。
(実施例5)基材として、6μmのルミラー6CF53(東レ社製、PETフィルム商品名)を用い、第2レリーフ形成層の電離放射線硬化性樹脂組成物M(Tg:60℃)に代えて電離放射線硬化性樹脂組成物S(Tg:60℃、硬化後Tg:120℃)を用い、バイロン200(東洋紡績(株)社製、ポリエステル樹脂商品名、Tg:67℃)に代えてバイロン600(東洋紡績(株)社製、ポリエステル樹脂商品名、Tg:47℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、複数ホログラム転写箔10を得た。
(評価1)この複数ホログラム転写箔10を基材(PETフィルム)越しに観察すると、いずれも、図4のように、文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。また、その反対側から観察すると文字列「xyz」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。文字列「abc」の樹脂ワレもなく、良好な複製品が得られた。
(評価2)被転写体としては、シール紙(透明基材100μm/粘着剤30μm/セパレータ25μm)を85mm×57mmに切り抜いてシール紙とした。該被転写体へ、実施例5で得られた複数ホログラム転写箔10を用いて、サーマルプリンターで10×20mmの矩形、10ポイントの文字列「DNP」を転写して複数ホログラム形成物100が得られた。この複数ホログラム形成物100をセパレータを剥し、被転写体基材(100μmの透明基材)越しに観察すると、図4のように、文字列「xyz」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。文字列「abc」の樹脂ワレもなく、良好な複製品が得られた。このセパを剥離したシール紙をガラス板に貼った。ガラス越しに観察すると文字列「xyz」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。反対側から観察すると文字列「abc」繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。文字列「abc」の樹脂ワレもなく、良好な複製品が得られた。10ポイントの文字列「DNP」の転写も良好だった。飛散防止効果も良好だった。
(実施例6)基材として、6μmのルミラー6CF53(東レ社製、PETフィルム商品名)を用いた、以外は、実施例1と同様にして、複数ホログラム転写箔10を得た。
(評価1)この複数ホログラム転写箔10を基材(PETフィルム)越しに観察すると、いずれも、図4のように、文字列「abc」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。また、その反対側から観察すると文字列「xyz」の繰り返しパターン(ポジパターン)が観察された。文字列「abc」の樹脂ワレもなく、良好な複製品が得られた。
(評価2)被転写体としては、ミラーコート紙を85mm×57mmに切り抜いて使用した。該被転写体へ、実施例6で得られた複数ホログラム転写箔10を用いて、サーマルプリンターで10×20mmの矩形に転写して、複数ホログラム形成物100が得られた。この複数ホログラム形成物100を、被転写体基材(ミラーコート紙)越しに観察しても直接はホ文字列「xyz」を観察することはできなかった。反対側、すなわちホロ転写側から観察すると文字列「abc」が観察された。文字列「abc」の樹脂ワレもなく、良好な複製品が得られた。紙を水に浸漬しながら剥していくと、ちりぢりになったホログラム断片に、文字列「xyz」も確認できた。
(実施例7)まず、厚さ300nmのアルミニウム薄膜の第1反射層17Aに代えて、透明な硫化亜鉛を蒸着法で形成し、接着層を形成しない以外は実施例1と同様にして複数ホログラム転写箔を得、さらに第2反射層17B面へ、バイロン600(東洋紡績(株)社製、ポリエステル樹脂商品名、Tg:47℃)をグラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、厚さ0.5μmの第2柔軟層21Bを形成した。
第2柔軟層21B面へ、前述の電離放射線硬化性樹脂組成物M(Tg:60℃)をグラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、厚さ0.8μmの第3レリーフ形成層15Cを形成した。次に、該第3レリーフ形成層15C面へ、2光束法によるレインボウホログラム(柄3:文字列「Security」の繰り返しパターン)から2P法で複製したスタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた(Tg:160℃)。第3レリーフ形成層15Cのレリーフ面へ真空蒸着法で厚さが300nmのアルミニウム薄膜を形成して第3反射層17Cとした。該第3反射層17Bへ、グラビアコート法で、下記の接着層塗工液を乾燥後0.3μmになるように塗布し乾燥して接着層を形成した。
・<接着層塗工液>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
アクリル樹脂 10部
溶媒(酢酸エチル:トルエン=2:5) 70部
このようにして、3ホログラムの複数ホログラム転写箔10を得た。
第2柔軟層21B面へ、前述の電離放射線硬化性樹脂組成物M(Tg:60℃)をグラビアリバースコーターで塗工し100℃で乾燥させて、厚さ0.8μmの第3レリーフ形成層15Cを形成した。次に、該第3レリーフ形成層15C面へ、2光束法によるレインボウホログラム(柄3:文字列「Security」の繰り返しパターン)から2P法で複製したスタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた(Tg:160℃)。第3レリーフ形成層15Cのレリーフ面へ真空蒸着法で厚さが300nmのアルミニウム薄膜を形成して第3反射層17Cとした。該第3反射層17Bへ、グラビアコート法で、下記の接着層塗工液を乾燥後0.3μmになるように塗布し乾燥して接着層を形成した。
・<接着層塗工液>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
アクリル樹脂 10部
溶媒(酢酸エチル:トルエン=2:5) 70部
このようにして、3ホログラムの複数ホログラム転写箔10を得た。
(評価1)この複数ホログラム転写箔10を基材(PETフィルム)越しに観察すると、文字列「abc」及び文字列「xyz」の繰り返しパターンが観察された。また、その反対側から観察すると文字列「Security」の繰り返しパターンが観察された。いずれの文字列も樹脂ワレもなく、良好な複製品が得られた。
(評価2)被転写体としては、厚さ188μmの透明PETシートを85mm×57mmに切り抜いてカードとした。該被転写体へ、実施例7で得られた複数ホログラム転写箔10を用いて、熱転写機で10×20mmの矩形に転写して、複数ホログラム形成物100(請求項4〜5に相当する)が得られた。この複数ホログラム形成物100を被転写体基材(188μmのPETシート)越しに観察すると、文字列「Security」の繰り返しパターンが観察された。また、その反対側から観察すると文字列「abc」及び文字列「xyz」の繰り返しパターンが観察された。いずれの文字列の樹脂ワレもなく、意匠性の高い3ホログラム形成フィルムが得られた。
10:複数ホログラム転写箔
11:基材
13:剥離層
15:レリーフ形成層
15A:第1レリーフ形成層
15B:第2レリーフ形成層
17:反射層
17A:第1反射層
17B:第2反射層
21、21A、21B、21C:柔軟層
23:複数ホログラム転写層
100:複数ホログラム形成物
101:被転写体
11:基材
13:剥離層
15:レリーフ形成層
15A:第1レリーフ形成層
15B:第2レリーフ形成層
17:反射層
17A:第1反射層
17B:第2反射層
21、21A、21B、21C:柔軟層
23:複数ホログラム転写層
100:複数ホログラム形成物
101:被転写体
Claims (5)
- 基材と、該基材の一方の面へ、ホログラム転写層を有するホログラム転写箔において、ホログラム転写層が少なくとも剥離層、第1レリーフ形成層と第1反射層とからなる第1ホログラム層と、第2レリーフ形成層と第2反射層とからなる第2ホログラム層とからなり、第1ホログラムが一方の面から視認でき、第2ホログラムが他方の面から視認できることを特徴とする複数ホログラム転写箔。
- 第1ホログラム層と第2ホログラム層との間に柔軟層を設けてなることを特徴とする請求項1に記載の複数ホログラム転写箔。
- 上記柔軟層のガラス転移温度Tgが第1レリーフ形成層のガラス転移温度Tgより低いことを特徴とする請求項2に記載の複数ホログラム転写箔。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の複数ホログラム転写箔を用いて、被転写体に複数ホログラムを設けてなることを特徴とする複数ホログラム形成物。
- 2つのホログラムが、それぞれ表面側及び、又は裏面側から視認できることを特徴とする請求項3に記載の複数ホログラム形成物。
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JP2009125966A (ja) * | 2007-11-20 | 2009-06-11 | Toppan Printing Co Ltd | 偽造防止用転写箔及び偽造防止媒体 |
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JP2014213469A (ja) * | 2013-04-23 | 2014-11-17 | 凸版印刷株式会社 | 転写媒体及び転写体 |
JP2016124279A (ja) * | 2015-01-08 | 2016-07-11 | 凸版印刷株式会社 | 転写箔、画像保持体、冊子、および、カード |
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-
2006
- 2006-02-21 JP JP2006043353A patent/JP2007225639A/ja not_active Withdrawn
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