JP2008268288A - 偽造防止用転写箔及び偽造防止された形成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属蒸着層の帯電によるプリンター搬送時のジャムや、火花が発生したりするトラブルを防止できる偽造防止用転写箔及び偽造防止された形成物を提供する。
【解決手段】 基材2の一方の面に、剥離層3、ホログラム形成層4、透明蒸着層5、メタリック印刷層6、接着剤層7をこの順に積層した偽造防止用転写箔1において、メタリック印刷層6が金属蒸着薄片を含有することを特徴とするものであり、この偽造防止用転写箔を使用して、任意の対象物に熱転写することで、容易にアルミニウムに代表される金属蒸着層を有するホログラム転写箔を使用した時とほぼ変わらない金属光沢を有した反射性の高い偽造防止された形成物が得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ホログラム転写箔のような偽造防止用転写箔に関し、特に偽造防止用転写箔からホログラムなどを転写された被転写体を印字する際、金属蒸着層の帯電によるプリンター搬送時のジャムや、火花が発生したりするトラブルを防止できる偽造防止用転写箔、及びその転写箔を使用して得られる偽造防止された形成物に関する。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。
従来、金券類、カード類、及び各種証明書類などは、資格証明や一定の経済的価値や効果を有するため、不正に偽造、変造、不正使用することが絶えない。特に、カラーコピー機の精度向上が著しく、各種の媒体類の偽造を容易にしている。これを防止するため各種の偽造防止手段が施されている。光輝性、特にホログラム、回折格子などのレリーフ形状を有する転写箔は、特異な装飾像や立体像を表現できる意匠性と、これらホログラムや回折格子は高度な製造技術を要し、容易に製造できないことから、偽造防止としてセキュリティー性の向上に利用されている。特に、ホログラム転写箔は、偽造を防止したい対象物に対し、その転写箔を使用して、ホログラムを熱転写して簡単に形成することができる。
例えば、特許文献1の図1に、また特許文献2の図4には、基材フィルム表面に転写層として、剥離層、ホログラム形成層、反射層、接着剤層を順次積層したホログラム転写箔が示されている。また特許文献1、2の各実施例における反射層は、アルミニウムを蒸着させて薄膜を形成させている。このように、反射型のホログラム転写箔の場合、通常は反射層として、アルミニウム、クロム、ニッケル等の金属蒸着層を設けている。
しかし、上記のようなホログラム転写箔を使用して、ホログラムの転写加工された製品は、プリンターによる印字を行なうと、金属蒸着層による帯電により、プリンターの搬送時に火花が散ったり、搬送がスムーズでなく、ジャム現象が生じたり、不具合が生じる問題がある。
特開2005−292818号公報 特開2002−90276号公報
本発明は、上記のような問題点に対し、金属蒸着層の帯電によるプリンター搬送時のジャムや、火花が発生したりするトラブルを防止できる偽造防止用転写箔及び偽造防止された形成物を提供することを目的とする。
以上の状況を鑑み、鋭意研究開発を進め、本発明に到った。すなわち、請求項1の発明に係る偽造防止用転写箔は、基材の一方の面に、剥離層、ホログラム形成層、透明蒸着層、メタリック印刷層、接着剤層をこの順に積層した偽造防止用転写箔において、メタリック印刷層が金属蒸着薄片を含有することを特徴とするものである。この偽造防止用転写箔を使用することで、カードや写真のような様々な対象物に熱転写することで、容易にアルミニウムに代表される金属蒸着層を有するホログラム転写箔を使用した時とほぼ変わらない金属光沢を有した反射性の高い偽造防止された形成物が得られる。
請求項2の発明に係る偽造防止用転写箔は、前記透明蒸着層が酸化チタン、または硫化亜鉛から構成されることを特徴とするものである。このような偽造防止用転写箔を使用してホログラムを転写された対象物は、プリンターにより印字処理する際、搬送時のジャムや、火花が発生したりするトラブルもない。請求項3の発明に係る偽造防止された形成物は、前記の偽造防止用転写箔を用いて、被転写体に接着剤層、メタリック印刷層、透明蒸着層、ホログラム形成層、剥離層を転写して形成されたことを特徴とする。
本発明の偽造防止用転写箔によれば、基材の一方の面に、剥離層、ホログラム形成層、透明蒸着層、メタリック印刷層、接着剤層をこの順に積層した構成において、メタリック印刷層が金属蒸着薄片を含有することを特徴とするものであり、この偽造防止用転写箔を使用して、任意の対象物に熱転写することで、容易にアルミニウムに代表される金属蒸着層を有するホログラム転写箔を使用した時とほぼ変わらない金属光沢を有した反射性の高い偽造防止された形成物が得られる。また、本発明の偽造防止用転写箔を用いて、被転写体に接着剤層、メタリック印刷層、透明蒸着層、ホログラム形成層、剥離層を転写して形成される偽造防止された形成物は、プリンターにより印字処理する際、搬送時のジャムや、火花が発生したりするトラブルもなく、良好に印字が行なえる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す偽造防止用転写箔の断面図である。
図2は、従来の1比較例を示す偽造防止用転写箔の断面図である。
図3は、本発明の1実施例を示す偽造防止された形成物の断面図である。
(偽造防止用転写箔)
本発明の偽造防止用転写箔1は、図1に示すように、基材2の一方の面に、剥離層3、ホログラム形成層4、透明蒸着層5、メタリック印刷層6、接着剤層7をこの順に積層した構成である。尚、図示してはいないが、基材の他方の面に、耐熱性の高い樹脂を主体に構成された耐熱層を設けて、被転写体に接着剤層、メタリック印刷層、透明蒸着層、ホログラム形成層、剥離層からなる転写層を熱転写する際、基材にダメージを与えないようにすることができる。
(基材)
本発明の偽造防止用転写箔を構成する基材2としては、寸法安定性、耐熱性、強靭性等を有するものを使用することができ、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ナイロン(登録商標)、ポリノルボル
ネン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、セロファン、ビニロン(登録商標)、アセテート、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリアミドイミド等の樹脂フィルム、コンデンサペーパー等の紙、これらの複合体等を使用することができる。基材2の厚みは、使用する材質を考慮して適宜設定することができ、例えば、6〜50μm程度の範囲で設定することができる。
(剥離層)
剥離層3としては、例えば、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等の内、1種若しくは2種以上を混合したものが用いられる。剥離層は上記の成分をインキ化し、塗布等の公知の方法によって基材の表面に形成することができ、その厚みは剥離力、箔切れ等を考慮すると0.1〜2μmの範囲が好ましい。
(ホログラム形成層)
本発明のホログラム形成層4におけるホログラムとは、立体画像に限らず、一定の連続したパターンや、不連続のパターンを形成した光学素子、例えば、回折格子も含む。本発明のホログラム形成層はレリーフ型のホログラムを用いることが好ましく、微細な凹凸パターンを形成するために、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等を用いて、ホログラム形成層を形成し、厚みは0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μmの範囲で設定することができる。
上記の熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、セルロース樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂等、有機成分とゾルゲル反応可能な金属アルコキシド基を含有した有機−無機ハイブリッド樹脂等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ナイロン(登録商標)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独あるいは2種以上の組み合わせで使用することができ、また、各種イソシアネート樹脂や、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱あるいは紫外線硬化剤を配合してもよい。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合をもつモノマー、オリゴマー、ポリマー等を使用することができる。モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。ポリマーとしては、ウレタン変性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂が挙げられ、特に耐熱性や加工性の観点から、特開2000−63459号公報に記載されているようなウレタン変性アクリル樹脂が好ましく用いられる。
また、ホログラム形成層4に使用する光硬化性樹脂として、特開昭61−98751号公報、特開昭63−23909号公報、特開昭63−23910号公報に記載されているような光硬化性樹脂を挙げることができる。また、レリーフホログラムの凹凸パターン形状を正確に形成するために、反応性をもたないアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等のポリマーを添加することができる。
また、光カチオン重合を利用する場合には、エポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー、オキセタン骨格含有化合物、ビニルエーテル類を使用することができる。また、上記の電離放射線硬化性樹脂は、紫外線等の光によって硬化させる場合には、光重合開始剤を添加することができる。樹脂に応じて、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、その併用型(ハイブリッド型)を選定することができる。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系化合物、アントラキノン、メチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−アミノアセトフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン等のフェニルケトン系化合物、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン、アシルホスフィンオキサイド、ミヒラーズケトン等を挙げることができる。
光カチオン重合可能な化合物を使用する場合の光カチオン重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、混合配位子金属塩等を使用することができる。光ラジカル重合と光カチオン重合を併用する、いわゆるハイブリッド型材料の場合、それぞれの重合開始剤を混合して使用することができ、また、一種の開始剤で双方の重合を開始させる機能をもつ芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等を使用することができる。
さらに、ホログラム形成層4には、ホログラムの凹凸パターンの形成を容易とするために、離型剤を添加することができる。離型剤としては、公知の離型剤や界面活性剤、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス等の固形ワックス、フッ素化合物、フッ素ポリマー、リン酸エステル、シリコーンオイル、シリコーン樹脂等が挙げられる。また、レリーフの凹凸形状を正確なものとしたり、硬度、耐熱性を付与するために、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物微粒子や金属アルコキシド、金属アルコキシドオリゴマー等を添加することもできる。さらに、ホログラム形成層4には、重合防止剤、酸化防止剤、増感剤、紫外線吸収剤、安定化剤、可塑剤、消泡剤等を添加することができる。
(レリーフ)
ホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。レリーフ形状は凹凸形状であり、特に限定されるものではなく、微細な凹凸形状を有する光拡散、光散乱、光反射、光回折などの機能を発現するものでもよく、例えば、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、が形成されたものである。また、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。
これらのレリーフ形状の作製方法としてはホログラム撮影記録手段を利用して作製されたホログラムや回折格子の他に、干渉や回折という光学計算に基づいて電子線描画装置等を用いて作製されたホログラムや回折格子をあげることもできる。また、ヘアライン柄や万線柄のような比較的大きなパターンなどは機械切削法でもよい。これらのホログラム及び/又は回折格子の単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。これらの原版は公知の材料、方法で作成することができ、通常、感光性材料を塗布したガラス板を用いたレーザ光干渉法、電子線レジスト材料を塗布したガラス板に電子線描画装置を用いてパターン作製する電子線描画法をなどが適用できる。
(レリーフの賦型)
レリーフ形成層4面へ、上記のレリーフ形状を賦形(複製ともいう)する。ホログラムの賦型は、公知の方法によって形成でき、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記樹脂層上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。
(レリーフの硬化)
レリーフ形成層4として電離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、電離放射線を照射して硬化(反応)させると電離放射線硬化樹脂(レリーフ形成層4)となる。電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものと定義する。従って、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、及び/又は光重合促進剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しないで良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。レリーフ形成層4として、熱硬化性樹脂を用いた場合には、使用する熱硬化性樹脂の硬化条件に応じた温湿度環境下で、エージングを行い硬化させればよい。
(透明蒸着層)
本発明の透明蒸着層5は、光透過性を有する金属性反射膜の蒸着層であり、例えば、酸化チタン(TiO2)、硫化亜鉛(ZnS)、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITO等により構成することができ、特に反射性の優れた酸化チタン(TiO2)、または、硫化亜鉛(ZnS)を用いることが好ましい。透明蒸着層の形成は、10〜200nm程度の厚さになるよう、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空薄膜法で得られるが、その他、メッキなどによっても形成できる。
(メタリック印刷層)
メタリック印刷層6は、金属光沢を反射する高輝度を有したもので、メタリックインキを印刷して形成することができる。メタリックインキは、金属蒸着薄片、バインダー、添加剤、および溶剤からなり、必要に応じてグラビアインキ化して使用すればよい。具体的には、セイコーアドバンス社製の鏡面インキNo2(商品名)、帝国インキ製造社製のMIR−8000(商品名)や、大日本インキ化学工業社製のファインラップスーパーメタリックインキ(商品名)などを市場から入手して本発明で使用できる。また、これらのメタリックインキは、未着色でも着色でもよく、該着色は透明でも不透明でもよく、不透明であればパール調、パステル調の外観が得られる。
上記の金属蒸着薄片は、アルミニウム、クロム、錫などと、これらの合金類を蒸着させた皮膜を扁平状に細分化した薄片が挙げられ、本発明では、金属光沢の反射性に優れたアルミニウムの鱗片状の薄片が好ましく用いられる。金属蒸着薄片の厚さは、0.01〜0.05μm程度であり、また平均直径が10〜50μm程度の大きさの薄片である。また、メタリックインキのバインダーとしては、樹脂を主体として構成することが好ましく、樹脂として具体的には、セルロース系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエンゴム等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。
上記の如きメタリックインキにより、グラビア印刷やグラビアコーターにより、上記インキを塗布または印刷してメタリック印刷層を形成する。メタリック印刷層の塗布量は、固形分で、0.1〜1.0g/m2が好ましく、塗布量が少ないと、金属光沢性が不足し、また塗布量が多すぎると、熱転写時に転写層の被転写体へ転写でムラが生じたり、転写不良が生じる。
(接着剤層)
偽造防止用転写箔からの転写層を被転写体に熱転写するために必要となる接着剤層7は熱で溶融又は軟化して接着する熱接着型接着剤が適用でき、例えば、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系・メタクリル系などの(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノール系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン−アルキッド樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂などが適用でき、これらの樹脂を単独または複数を組み合せて使用する。これらの接着剤層の樹脂は、接着力などの点で、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。
上記の樹脂及び、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤及び/又は帯電防止剤などの添加剤を、溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの公知のコーティング方法で、塗布し乾燥して塗膜を形成したりすれば良い。接着剤層の厚さは、通常は乾燥状態で0.02〜10μm程度、好ましくは0.05〜5μmである。接着剤層の厚さは、この範囲未満では接着力が不足し、また、それ以上では、接着効果は十分でその効果は変わらないが、コスト的に無駄である。
(偽造防止された形成物)
本発明の偽造防止された形成物10は、上記に説明した本発明の偽造防止用転写箔1を用いて、図3に示すように、被転写体9に、接着剤層7、メタリック印刷層6、透明蒸着層5、ホログラム形成層4、剥離層3を転写して形成されるものである。接着剤層7、メタリック印刷層6、透明蒸着層5、ホログラム形成層4及び剥離層3からなる転写層8が転写される対象物である被転写体9は、偽造防止したい対象物であれば限定されるものではないが、例えば、紙幣、株券、証券、証書、商品券、小切手、手形、入場券、通帳類、ギフト券、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場証、通行証、チケット等の金券類、キャッシュカード、クレジットカード、IDカード、プリペイドカード、メンバーズカード、ICカード、光カードなどのカード類、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、パスポート等の各種証明書やその証明写真類、カートン、ケース、軟包装材などの包装材類、帳票類、封筒、タグ、パスポートなどがある。但し、本発明における偽造防止用転写箔から転写層が転写された被転写体は、熱転写方式、電子写真方式、インクジェット方式等のノーインパクトプリンター、あるいはドットインパクトプリンターにより、印字されるものである。
本発明の偽造防止用転写箔を用いて、被転写体に接着剤層、メタリック印刷層、透明蒸着層、ホログラム形成層及び剥離層からなる転写層を転写する方法としては、加熱及び加圧する方法であり、熱スタンプ型、ロール型等の転写方式を利用することができる。また、サーマルヘッドとプラテン(ロール)とを使用した転写方式も使用することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。また、以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(実施例1)
基材2として厚さ15μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、該基材の一方の面へ、剥離ニス45−3(昭和インク(株)製、アクリル系樹脂の剥離インキ商品名)を用いて、ロールコーティング法で、乾燥後の厚さが1μmになるように塗布、乾燥して、剥離層3を形成した。
上記剥離層の上に、下記の組成を有するホログラム形成層用の塗工液を、グラビアコート法で塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させて、乾燥時の膜厚が3μmになるようホログラム形成層4を形成した。
(ホログラム形成層用塗工液)
光硬化性樹脂 100部
(三菱化学(株)製 ユピマーUV LZ065S)
光重合開始剤 5部
(チバスペシャルティケミカルズ社製 イルガキュア907)
メチルエチルケトン 300部
次に、該レリーフ形成層面へ、2光束干渉法によるレインボウホログラム(文字列「abc」の繰り返しパターン)から2P法で複製したスタンパ(ポジパターン:スタンパ表面、空気界面から見て「abc」と読めるパターン)を複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた(エンボス表面、空気界面から見てネガパターン)。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた。該レリーフ形成層のレリーフ面へ、真空蒸着法により、厚さが300nmの酸化チタン薄膜を形成して透明蒸着層5を形成した。また、透明蒸着層の上に、大日本インキ化学工業社製のファインラップスーパーメタリックインキ(商品名)を用いて、グラビア印刷により固形分で塗工量0.5g/m2で、メタリック印刷層6を形成した。
また、上記のメタリック印刷層の上に、下記組成の接着剤層用塗工液を用いて、乾燥後の塗工量が1.0g/m2になるように、グラビアコート法により、接着剤層7を形成して、実施例1の偽造防止用転写箔を作製した。(図1を参照)
(接着剤層用塗工液)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
溶媒(酢酸エチル:トルエン=1:1、質量比) 20部
(実施例2)
上記の実施例1における偽造防止用転写箔における透明蒸着層を、真空蒸着法により、厚さが300nmの酸化亜鉛薄膜になるように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の偽造防止用転写箔を作製した。
(比較例1)
上記の実施例1と同様に、基材2として厚さ15μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、該基材2の一方の面へ、剥離ニス45−3(昭和インク(株)製、アクリル系樹脂の剥離インキ商品名)を用いて、ロールコーティング法で、乾燥後の厚さが1μmになるように塗布、乾燥して、剥離層3を形成した。
上記剥離層3の上に、下記の組成を有するホログラム形成層用の塗工液を、グラビアコート法で塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させて、乾燥時の膜厚が3μmになるようホログラム形成層4を形成した。
(ホログラム形成層用塗工液)
光硬化性樹脂 100部
(三菱化学(株)製 ユピマーUV LZ065S)
光重合開始剤 5部
(チバスペシャルティケミカルズ社製 イルガキュア907)
メチルエチルケトン 300部
次に、該レリーフ形成層面へ、2光束干渉法によるレインボウホログラム(文字列「abc」の繰り返しパターン)から2P法で複製したスタンパ(ポジパターン:スタンパ表面、空気界面から見て「abc」と読めるパターン)を複製装置のエンボスローラーに貼着して、相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた(エンボス表面、空気界面から見てネガパターン)。賦形後直ちに、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させた。該レリーフ形成層のレリーフ面へ、真空蒸着法により、厚さが200nmのアルミニウム薄膜を形成して金属蒸着層11を形成した。また、金属蒸着層11の上に、実施例1で使用した接着剤層用塗工液を用いて、乾燥後の塗工量が1.0g/m2になるように、グラビアコート法により、接着剤層7を形成して、比較例1の偽造防止用転写箔を作製した。(図2を参照)
被転写体としては、ノーインパクトプリンター用上質紙〔日本製紙(株)製エクセレント90、10.47g/cm2〕を用いた。但し、この被転写体には、予め商品券としての印刷を施している。この被転写体と、上記で作製した実施例1、2及び比較例1で作製した各偽造防止用転写箔を重ねあわせ、転写箔側から110℃、3mPaの条件で、熱スタンプにより圧着して、ホログラム形成層を含む転写層を被転写体に転写した。但し、この被転写体は、長尺状の連続シートの形態である。次に、この得られた被転写体を、電子写真方式のノーインパクトプリンターで、連続処理でテストパターンで印字を行なった。
その結果、実施例1、2で作製した偽造防止用転写箔を用いて、転写層の転写された形成物は、プリンター印字において、搬送時のジャムや、火花が発生したりするトラブルもなく、良好に印字が行なえた。それに対し、比較例1で作製した偽造防止用転写箔を用いて、転写層の転写された形成物は、プリンター印字の際、搬送時にジャムが発生し、連続処理を行なうことが出来なかった。
本発明の1実施例を示す偽造防止用転写箔の断面図である。 従来の1比較例を示す偽造防止用転写箔の断面図である。 本発明の1実施例を示す偽造防止された形成物の断面図である。
符号の説明
1 偽造防止用転写箔
2 基材
3 剥離層
4 ホログラム形成層
5 透明蒸着層
6 メタリック印刷層
7 接着剤層
8 転写層
9 被転写体
10 偽造防止された形成物
11 金属蒸着層

Claims (3)

  1. 基材の一方の面に、剥離層、ホログラム形成層、透明蒸着層、メタリック印刷層、接着剤層をこの順に積層した偽造防止用転写箔において、メタリック印刷層が金属蒸着薄片を含有することを特徴とする偽造防止用転写箔。
  2. 前記透明蒸着層が酸化チタン、または硫化亜鉛から構成されることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止用転写箔。
  3. 請求項1または2に記載の偽造防止用転写箔を用いて、被転写体に接着層、メタリック印刷層、透明蒸着層、ホログラム形成層、剥離層を転写して形成されたことを特徴とする偽造防止された形成物。
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