JP5169083B2 - 偽造防止積層体、偽造防止転写箔、偽造防止シール、偽造防止媒体、およびこれらの製造方法 - Google Patents

偽造防止積層体、偽造防止転写箔、偽造防止シール、偽造防止媒体、およびこれらの製造方法 Download PDF

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本発明は、偽造、改ざん、貼り替え、又は、秘密にされるべき情報の盗み読み、等の不正の防止対策や、万一そのような不正が心配されても不正の有無の判別を容易とする対策、これらの対策を必要とされる技術分野に関係する。 より詳しくは、例えば、商品券やクレジットカード等の有価証券類の偽造防止対策とか、ブランド品や高級品等の一般に高価なものへ適用希望が多い真正品であることの証明の為の偽造防止対策、これらのニーズに好適な技術、また、デザインによっては装飾性にも優れた視覚効果を得られる技術であって、レリーフ構造を含む光学素子を利用した、視認性の高い偽造防止積層体、転写箔、偽造防止シール、偽造防止媒体、およびこれらの製造方法に関する。
近年、電子写真技術を利用した複写機が普及し、これを利用して誰でも簡単に紙などに印刷された文字や画像を複写することができるようになった。特に、最近のカラーデジタル複写機によれば、原稿か複写物か見分けが極めて困難な複写物でさえも容易に作成することができるようになった。
一般的なカラーデジタル複写機の原理は、原稿に光を照射し、反射光をCCDラインセンサで検知する。CCDラインセンサでは、反射光の強度に応じたデジタル信号を生成し、複写機内のメモリに送信する。この読み取り過程をレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色について行い、それぞれの場合のデジタル信号をメモリに格納する。次に、格納されたデジタル信号に基づいて、レーザ光を感光体ドラムの表面に照射し、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)のトナーを感光体ドラムの上に順次静電吸着し、これらのトナーを順次紙などのシート上に転写して定着させる。これにより、カラーの画像が形成された精巧な複写物を得ることができる。
かかるカラー複写は便利である反面、株券、債券、約束手形、小切手などの有価証券や、入場券、搭乗券などの印刷物などが容易に偽造されるという問題が増加している。このため、容易に複写できないように印刷物に複製防止対策を施す提案が種々なされている。
例えば、カラー複写による複写物の色が原稿の色と異なるようにする技術が提案されている。その例として原稿とされうる有価証券などに非常に淡い色で着色すると、複写物では淡い色の部分が正確に再現できないもの、また、原稿に大きさの異なる網点を形成しておくと複写しても小さい網点の再現性が悪化するもの、さらにカラー複写機のトナーにない色である緑、紫、橙、金、銀等を印刷することで複写物の色の再現性が悪化するもの、また、人間の視認度が低い領域例えば380nm〜450nmおよび650〜780nmあたりの波長域に特徴をもたせた2種類のインキを用いることで見た目には同色であるが、カラー複写機での複写物は異なる色に再現するものなどがある。
しかし、カラー複写機では、3色に分解されてメモリに格納されたデジタルデータを変更することによって、出力する色を補正することが可能である。また、カラー複写機と同様の原理を利用してカラースキャナーで読み込んだデジタルデータをコンピュータで補正し、カラープリンタまたはカラー複写機で出力するようなデジタルプレスが普及しつつある。従って、現在多少の手間をかければ、原稿の色を精巧に再現することが可能であり、上記のような技術では偽造を完全に防止することは困難である。
また、例えばカラー複写機では再現不可能な特殊部分を有価証券などに設けておく技術
も提案されている。このうち、ホログラム箔などのOVD(Optical Variable Device)箔(特許文献1、2参照)を有価証券などの表面上に設ける技術はすでに実用化されている。これによれば、ホログラムの銀面の光が鏡面反射するため、CCDラインセンサに反射光が入射せず、原稿で銀面だった部分が複写物では黒色に再現されるもの、あるいは、屈折率の異なるセラミックを適当な膜厚を持つ複数層に積層すると、見る角度によって色が変化する特殊な光学薄膜が形成され(特許文献3参照)、かかる性質は、複写物では得ることができないので、容易に真偽判定が可能であるもの、さらにまた、この方法で形成された薄膜を細かく砕き、破片をインキに混入して印刷を行う方法も提案されている。
しかしながら、ホログラムはエンボス技術が発達したためレリーフ型の回折光を用いた反射層の形成が以前より低難易度化していること、及び多層薄膜フィルムが一般の包装用フィルムとして販売され始めたことなどから、偽造防止効果が低化してきた。
この為、近年のホログラムでは、回折光を発生させる領域を部分的に備え、例えば、ホログラムによるのマイクロ文字やマイクロパターンを表現することで、偽造防止効果を向上させる方法が提案されている。(特許文献4参照)
このような、回折光を発生させる領域を部分的に備えるホログラムは、一般的に、レリーフ型の回折構造に対し、パターン状の金属等の反射層を設ける方法で製造される。金属等の反射層のパターン化は、下記の4種の方法が一般的である。(特許文献5参照)
1)水洗インキを基材上にネガパターンで印刷しておき、その上から蒸着やスパッタリングを用いて全面に金属反射層を形成し、印刷されてある水洗インキを水で洗い流すと同時にその上の金属反射層を取り除くことによりパターンを形成する水洗シーライト加工。
2)金属反射層上にマスク材をポジパターンで印刷し、マスク剤で印刷されていない部分を腐食剤で腐食させることによりパターンを形成するエッチング加工。
3)金属反射層の除去したい部分に強いレーザを当てて金属等の反射層を選択的に破壊することによりパターンを形成するレーザ加工。
4)金属反射層上にフォトレジスト剤を全面に印刷し、ポジパターンでフォトレジストした後、ネガパターン部のフォトレジスト剤を溶解除去し、同時に、又は別工程で金属反射層を腐食させることによりパターンを形成するフォトレジスト加工。
しかしながら、上記のいずれの方法においても、回折光によるホログラムの絵柄パターンと、反射層のパターンの位置合わせが必要となる為、良品率の低下を招く。また、僅かではあるものの、水洗インキ、マスク材、レーザー加工、フォトレジスト加工時の位置ズレ(見当ズレ)が生じることから、高品質で、偽造防止効果の高いホログラムを作ることは困難であった。
回折光によるホログラムの絵柄パターンに対し、金属反射層のパターンを位置精度良く設ける方法としては、電子制御により左右に稼働するステージと、該ステージと連動する描写機械を使用して、方法が提案されている。(特許文献6参照)この方法に依れば、割と見当精度のよい製品が安定して製造可能であることが推測され、文献に記載の通り、「少量生産に特に大きなメリットがある」ことは考えられるが、生産性が低く、大量生産には向かない。また、製造工程は前記の4方法と比べ基本的な発想は変わらず、煩雑なままである。
下記に公知文献を記す。
特開平6−259013号公報 特開平7−089293号公報 特表2004−505158号公報 特開2005−99090号公報 特開2003−255115号公報 特表2006−511700号公報
本発明は、上記の技術的背景を考慮してなされたものであって、安価で生産性が高く、視認性の高い、装飾性にも優れた視覚効果を有する、レリーフ構造とレリーフ効果層を精度良く配置した光学素子からなる偽造防止積層体、偽造防止転写箔、偽造防止シール、偽造防止媒体を提供すると共に、それらの製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、
まず、請求項1に係る発明は、
少なくとも、
レリーフ構造形成層(イ)と、
前記レリーフ構造形成層(イ)の片側に、部分的に設けられたレリーフ構造部(ロ)と、前記レリーフ構造部(ロ)と重ならないように、同一面上に、部分的に設けられた、撥水性を有する微細隆起構造部(ハ)と、
前記微細隆起構造部(ハ)以外の部分のみを覆うように配置された光学薄膜からなり、前記レリーフ構造形成層(イ)を透過した光の少なくとも一部を反射させるレリーフ効果層(ニ)と、
を順次積層して具備してなることを特徴とする偽造防止積層体である。
請求項2に係る発明は、少なくとも、
前記レリーフ効果層(ニ)を覆うように配置されたエッチングマスク層(ホ)を具備してなることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止積層体である。
請求項3に係る発明は、前記レリーフ構造部(ロ)のレリーフ構造が、レリーフ型光学素子、もしくは、前記レリーフ構造部(ロ)のレリーフ構造と前記レリーフ効果層(ニ)との組み合わせにより光学効果をもたらすレリーフ型光学素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の偽造防止積層体である。
請求項4に係る発明は、前記微細隆起構造部(ハ)の隆起部の高さが10μm以下であり、隆起部の底面部分の面積に対する先端部分の面積比率が100%以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の偽造防止積層体である。
請求項5に係る発明は、シート状の支持体上に、少なくとも、転写の際に前記支持体から剥離し被転写体に移行可能な転写層を備えており、該転写層は前記支持体上に、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の前記偽造防止積層体を配置し、該偽造防止積層体を覆うようにして設けられた接着層を有することを特徴とする偽造防止転写箔である。
請求項6に係る発明は、シート状の支持体上に、少なくとも、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の偽造防止積層体を備えており、該偽造防止積層体側で、前記支持体から最も遠い位置に、少なくとも、熱または圧力によって接着性を呈する接着層を有することを特徴とする偽造防止シールである。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし4に記載のいずれか1項に記載の偽造防止積層
体それ自体、または、シート状支持体上に、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の偽造防止積層体、偽造防止転写箔、偽造防止シールの少なくとも1つ以上を積層してなることを特徴とする偽造防止媒体である。
請求項8に係る発明は、少なくとも、レリーフ構造形成層(イ)の片側に、レリーフ構造形成部(ロ)、微細隆起構造部(ハ)を順次積層し、全面にレリーフ効果層を設けた後、前記微細隆起構造(ハ)の撥水性を利用して、微細隆起構造を含まない部分にのみレリーフ効果層(ニ)を設けるか、もしくは、前記微細隆起構造(ハ)を含まない部分のレリーフ効果層(ニ)部分にのみエッチングマスク層(ホ)を形成し、エッチング処理により、微細隆起構造を含む部分のレリーフ効果層を除去することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の偽造防止積層体の製造方法である。
また、請求項9に係る発明は少なくとも、レリーフ構造形成層(イ)の片側に、レリーフ構造形成部(ロ)、微細隆起構造部(ハ)を順次積層し、全面にレリーフ効果層を設けた後、前記微細隆起構造(ハ)の撥水性を利用して、微細隆起構造を含まない部分にのみレリーフ効果層(ニ)を設けるか、もしくは、前記微細隆起構造(ハ)を含まない部分のレリーフ効果層(ニ)部分にのみエッチングマスク層(ホ)を形成し、エッチング処理により、微細隆起構造を含む部分のレリーフ効果層を除去することを特徴とする請求項に記載の偽造防止転写箔の製造方法である。
また、請求項10に係る発明は、少なくとも、レリーフ構造形成層(イ)の片側に、レリーフ構造形成部(ロ)、微細隆起構造部(ハ)を順次積層し、全面にレリーフ効果層を設けた後、前記微細隆起構造(ハ)の撥水性を利用して、微細隆起構造を含まない部分にのみレリーフ効果層(ニ)を設けるか、もしくは、前記微細隆起構造(ハ)を含まない部分のレリーフ効果層(ニ)部分にのみエッチングマスク層(ホ)を形成し、エッチング処理により、微細隆起構造を含む部分のレリーフ効果層を除去することを特徴とする請求項に記載の偽造防止シールの製造方法。である。
さらに請求項11に係る発明は、少なくとも、レリーフ構造形成層(イ)の片側に、レリーフ構造形成部(ロ)、微細隆起構造部(ハ)を順次積層し、全面にレリーフ効果層を設けた後、前記微細隆起構造(ハ)の撥水性を利用して、微細隆起構造を含まない部分にのみレリーフ効果層(ニ)を設けるか、もしくは、前記微細隆起構造(ハ)を含まない部分のレリーフ効果層(ニ)部分にのみエッチングマスク層(ホ)を形成し、エッチング処理により、微細隆起構造を含む部分のレリーフ効果層を除去することを特徴とする請求項に記載の偽造防止媒体の製造方法である。
本発明によれば、安価で生産性の高く、視認性の高い、装飾性にも優れた視覚効果を有する、レリーフ構造とレリーフ効果層を精度良く配置した光学素子からなる偽造防止積層体、偽造防止転写箔、偽造防止シール、偽造防止媒体、およびこれらの製造方法を提供することが出来る。
以下、本発明に係る、偽造防止積層体、偽造防止転写箔、偽造防止シール、又は、偽造防止媒体の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る偽造防止積層体の断面図である。この偽造防止積層体(1)は、レリーフ構造形成層(2)の片面に、レリーフ構造部(3)、微細隆起構造部(4)、前記凹凸面の凹凸に密着して設けられた光学薄膜からなるレリーフ構造形成層(2)を透過した光を反射させるレリーフ効果層(5)を順次積層した構造を有する。図2は、本発明に係る第2の偽造防止積層体の断面図である。この偽造防止積層体(6)は、レリーフ構造形成層(7)の片面に、レリーフ構造部(8)、微細隆起構造部(9)、前記凹凸面の凹凸に密着して設けられた光学薄膜からなるレリーフ構造形成層(7)を透過した光を反射させるレリーフ効果層(10)、エッチングマスク層(11)を順次積層した構造を有する。図3は、本発明に係る偽造防止転写箔の断面図である。この偽造防止転写箔(12)は、支持体(13)、積層体(14)、接着剤(15)を順次積層した構造を有しており、積層体(14)と接着剤(15)によって構成される転写層(16)は、支持体(13)より剥離し被転写体に移行可能である。図4は、本発明に係る偽造防止シールの断面図である。この偽造防止シール(17)は、支持体(18)、積層体(19)、接着剤(20)を順次積層した構造を有する。図5は、本発明に係る第2の偽造防止媒体の断面図である。この偽造防止媒体(21)は、支持体(22)、積層体、又は転写箔、又はシール(23)の少なくとも1つ以上を貼付し、積層した構造を有する。以下、本発明の転写シートを構成する各部材についてより詳細に説明する。
本発明の偽造防止積層体に使用される、レリーフ構造形成層(2)(7)は、その表面にレリーフ構造と、微細隆起構造が形成される。これらの形状は、プレス成形法、又はフォトポリマー法等の公知の加工法によって形成される。加工方法によって、レリーフ構造形成層としての材料の要求特性が異なるため、以下に詳細を記す。
プレス方法による成形では、その表面にプレス版(レリーフ型)にて凹凸面を成形できるという性能が要求される。レリーフ構造形成層(2)及び(7)の主材料は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線または電子線硬化性樹脂のいずれでもよい。たとえばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂や、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオールなどにポリイソシアネ
ートを架橋剤として添加して架橋したウレタン樹脂や、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂などの熱硬化樹脂や、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどの紫外線または電子線硬化樹脂などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、これら以外のものであっても、その表面に凹凸面を形成できれば適宜使用することができる。
一方、フォトポリマー法(2P法、感光性樹脂法)は、放射線硬化性樹脂をレリーフ型(復製用型)と平担な基材(プラスチックフィルム等)との間に流し込み放射線で硬化させた後、この硬化膜を基板ごと、複製用型から剥離する方法により、レリーフ構造部、及び微細隆起構造部を備えた、レリーフ構造形成層(2)(7)を得ることが出来る。この2P法では、スタンパと基板との間に樹脂を広げる際に、樹脂の中から気泡を除去することが重要である。気泡が残存すると、レリーフ上に欠損部分ができ、期待する光学効果が得られず、不良品となるおそれがあるからである。使用される放射線硬化樹脂としては、一般的な紫外線硬化型樹脂が使用される。また、これら以外のものであっても、その表面に凹凸面を形成できる感光性樹脂を含むワニスであれば適宜使用することができる。
本発明のレリーフ構造(3)(8)は、レリーフの形状自体、又は、レリーフ構造形成層を透過した光を反射させるレリーフ効果層を設けることによって何らかの光学効果をもたらす光学素子であり、プリズム、凸レンズ、凹レンズ、凸シリンドリカルレンズ、凹シリンドリカルレンズ、レンチキュラーレンズ、フレネルレンズ、回折格子、正弦回折格子、ブレーズ格子、サブ波長格子、偏光子等のレリーフ形状を有する。また、上記以外の形状でも、公知の光学素子の形状であれば適宜、レリーフ形状として使用できる。本発明の積層体において、例えば、レリーフ構造部に、回折光を発生させる為の凹凸からなるレリーフ構造を設け、そのレリーフ構造部の凹凸面に沿ってレリーフ効果層が設置された場合には、レリーフ効果層の凹凸表面で屈折、反射され、回折光は互いに干渉して色鮮やかな構造色を呈する。この回折現象によって得られる構造色は、観察者の位置によって異なる色彩を示す。
本発明の微細隆起構造(4)(9)は、その隆起形状、及び隆起部の面積密度により、撥水性、を有する。微細隆起構造による典型的な例は、ロータス(蓮)である。ロータスの葉の表面は超撥水性であり、水滴がはじかれて全く付着しない。この現象はロータス効果(lotus effect)と呼ばれ、葉表面(leaf surface)の微細な凹凸によりもたらされるものであることが知られている。この固体表面の撥水性、は水滴の接触角θにより数値化され、指標となっている。一般にθが90°以上で撥水性、110°から150°を高撥水性、150°以上の場合に超撥水性と呼ばれる。図6のような、物質1と2からなる微細複合構造の場合、表面の接触角θfは、式1のCassie式で表される。
cosθf=A1cosθ1+A2cosθ2・・・・・・(式1)
ここで、A1、A2は物質1と2の表面を占める面積比率である。また、θ1、θ2は物質1と2の真の接触角である。本発明の場合のように、物質2が空気である場合は、θ2 =180°となる。この為、物質1(レリーフ構造形成層)の真の接触角θ1を大きくするか、又は、物質1(レリーフ構造形成層)からなる微細隆起構造において、微細隆起構造部の底面積に対する、隆起部の先端部分の面積比率A1を小さくすることで、撥水性を向上させる方向で制御可能である。
本発明では、レリーフ構造形成層において、光学効果をもたらすレリーフ構造部と、撥水効果をもたらす微細隆起構造部分との2つの異なる形状を形成することによって、微細隆起形状部分に比べ、撥水効果の低い、レリーフ構造部と平坦部分にのみ、レリーフ効果層、又はエッチングマスク層を設けることを特徴としている。この為、得られる微細隆起
構造部の接触角は、必ずしも超撥水である必要性はない。例えば、物質1(レリーフ構造形成層)の真の接触角θ1を極端に大きくした場合(物質1の撥水性を上げた場合)、微細構造部分以外の部分(レリーフ構造部、及び平坦部)でも撥水性が発現してしまう為、均一なレリーフ効果層が得られないケースが考えられる。また、微細隆起構造部分の、隆起部の先端部分の面積の比率A1を極端に少なくすることで、超撥水性が発現した場合、均一なレリーフ効果層が得られるものの、その撥水性によってリコート性が失われる。このため、レリーフ構造形成層自体の真の接触角、及び微細隆起構造(微細隆起構造部の底面積に対する、隆起部の先端部分の面積比率)、は後に設置されるレリーフ効果層、又はエッチングマスク層、接着層等の材質や設置方法によって必要な撥水度を選択し、撥水性を制御すればよい。
微細隆起構造の形成方法としては、プレス成形、フォトポリマー法等が挙げられる。プレス成形の場合、平板状のホットコールドプレス法とロールエンボス法が挙げられる。これらの方法では、レリーフ構造形成層の樹脂を融点以上に加熱溶融した後、成型したい微細隆起形状のネガパターンを有するレリーフ型を押し当てて微細隆起構造を転写する。その後、レリーフ構造形成層の樹脂をガラス転移温度以下まで下げて樹脂を固化し、レリーフ型から離型することで、微細隆起構造を得ることができる。また、フォトポリマー法では、放射線硬化性樹脂を前記のレリーフ型と平担な基材(プラスチックフィルム等)との間に流し込み放射線で硬化させた後、この硬化膜を基板ごと、レリーフ型から剥離することで、微細隆起構造部を得ることが出来る。いずれの方法においても、成型時にレリーフ型を使用するが、微細隆起構造の隆起部分が欠損しやすい。特に、隆起部構造の高さが高くなるほど、また、隆起部の底面部分の面積に対する、先端部分の面積比率が大きくなればなるほど、隆起部の欠損が生じやすい。隆起部分の欠損は、加工時の形状の成型性や、レリーフ構造形成層上に得られた微細隆起構造パターンについても同様に発生する。隆起部の欠損を防止する為には、微細隆起構造の隆起部の形状について、隆起部の高さが、10μm以下であり、隆起部の底面部分の面積に対する、先端部分の面積比率が100%以下であることが好ましい。更に好ましくは、5μm以下であり、隆起部の底面部分の面積に対する、先端部分の面積比率が50%以下である。このような形状にすることで、成型時、及び成形後の隆起部の欠損を防止することが出来る。
微細隆起構造部分におけるリコート性が必要な場合は、アンカー層を設けることや、有機溶剤処理(溶剤アタック処理)、コロナ放電処理・プラズマ処理・フレーム処理・紫外線等の電磁線照射等の活性処理によって、各種易接着性を施すこと等が挙げられる。また、予めレリーフ構造形成層へ光触媒効果のある金属酸化物微粒子、例えば酸化チタン微粒子等を添加しておけば、紫外線を処理することにより容易に接触角を低減させることが可能である。
本発明のレリーフ効果層(5)(10)は、微細隆起構造部以外の部分のみを覆うように配置された光学薄膜からなり、レリーフ構造形成層を透過した光を反射させることを特徴とする。この為、レリーフ構造形成層よりも屈折率が高い高屈折率材料を使用することによって光学効果を得ることもできる。この場合、両層の屈折率の差は、0.2以上であることが好ましい。屈折率の差を0.2以上にすることによって、レリーフ構造形成層とレリーフ効果層との界面で屈折および反射が起こり、レリーフ形状による光学効果を得ることができる。レリーフ効果層(5)(10)の材料としては、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、Au、Agなどの金属材料の単体、またはこれらの化合物などが挙げられる。これらの材料は、公知の真空蒸着またはスパッタリングにより成膜される。
また、アルミニウム、銀、ニッケル、金、銅、錫、インジウム、コバルトなどの微細な金属粉または金属ナノ粒子などを有機高分子樹脂に分散して得られる高輝性光反射インキ、有機ポリマーや有機ポリマーの微粒子を使用することもできる。この場合、レリーフ構造形成層のレリーフ形成面を溶剤によりアタックさせないようにする注意が必要であるが、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法など公知の印刷法により形成できる。このような印刷方によりレリーフ効果層を設ける場合には、乾燥後の膜厚が0.001〜10μm程度になるように調整すればよい。
使用できる高屈折率材料の例を以下に挙げる。以下に示す化学式または化合物名の後に続くカッコ内の数値は屈折率nを示す。セラミックスとしては、Sb23(3.0)、Fe23(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2(2.3)、CdO(2.2)、Sb23(2.0)、WO3(2.0)、SiO(2.0)、Si23(2.5)、In23(2.0)、PbO(2.6)、Ta23(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(2.0)、MgO(1.6)、Si22(1.5)、MgF2(1.4)、CeF3(1.6)、CaF2(1.3〜1.4)、AlF3(1.6)、Al23(1.6)、GaO(1.7)などが挙げられる。有機ポリマーとしては、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフルオロエチレン(1.35)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.60)などが挙げられる。これらの材料は、屈折率、反射率、透過率などの光学特性や、耐候性、層間密着性などに基づいて適宜選択され、薄膜の形態で形成される。形成方法としては、膜厚、成膜速度、積層数、光学膜厚などの制御が可能な、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法など公知の方法を適宜使用することができるほか、これらの材料の微粒子を各種溶媒に分散した高輝性インキを塗工することも可能である。なお、本明細書において光学膜厚とは、n・d(ここで、nは屈折率、dは膜厚である)で与えられる量を意味する。
本発明のエッチングマスク層(11)は、微細隆起構造形成部上のレリーフ効果層をエッチングする際のエッチングマスクであり、酸やアルカリに対する耐久性を持っていることが好ましい。一般的な、アルミ反射膜のエッチング手法を一例を挙げると、40〜50℃程度に熱した1.5NのNaOH溶液中に、10〜20秒浸すものであるため、2倍の40秒程度浸して塗膜に変化なければ十分な耐性があると判断される。また、エッチングマスクに耐熱性を持たせることで、レリーフ形状に耐熱性を付与することが可能である。この場合、特開2005−99090号公報に記載の公知の耐熱樹脂材料をエッチングマスクに用いれば良い。但し、本発明では、微細隆起形状部の撥水性によってパターンが形成される為、文献中に記載の印刷適性(塗液の流動性や版乾き等)に関しては考慮しなくても良い。
本発明の偽造防止転写箔(12)における、支持体(13)は、厚みが安定しており、かつ耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いるのが一般的であるが、その材料は特に限定されない。その他のフィルム材料として、高い耐熱性を示すポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルムなどを同様の目的で使用することができる。また、他のフィルム材料、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、耐熱塩化ビニルなども、塗液の塗工条件(乾燥条件)、蒸着加工、スパッタ加工、レリーフ成型時のプレス加工等における熱条件、張力条件、プレス条件が許せば使用できる。
本発明の偽造防止転写箔(12)において、積層体(14)は支持体(13)から剥離可能であってもよい。なお、支持体(13)と積層体(14)との間に、支持体から剥離可能な剥離保護層、又は、支持体から剥離しない離型層と呼ばれる層が設けられる場合があるが、これらの層はいずれも必須ではない。すなわち、これらの層は、転写された積層体(14)の表面を保護する意図で、又は安定した剥離強度を得ることで、転写する際の転写性能を高める意図で、設計により適宜設けてもよいオプションである。
剥離保護層としては、ポリメチルメタクリレート樹脂と他の熱可塑性樹脂たとえば塩化
ビニル/酢酸ビニル共重合体もしくはニトロセルロース樹脂との混合物、またはポリメチルメタクリレート樹脂とポリエチレンワックスとの混合物などが挙げられる。また、酢酸セルロース樹脂と熱硬化性樹脂たとえばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型アクリル樹脂またはメラミン樹脂との混合物を塗工した後、熱により硬化させたものも好ましい例として挙げられる。又、離型層としては、シリコン樹脂、フッ素樹脂等の離型性のある樹脂が挙げられ、特に離型紙用の材料が用いられる。これらの樹脂を支持体(13)に塗工することで、積層体(14)の離型性、剥離性を制御することが可能である。
本発明の偽造防止転写箔(12)において、接着剤層(15)には、様々な被転写材(例えば、紙・プラスチック)に接した状態で熱および圧力を与えられることにより、被転写材に接着する機能を有する公知の感熱樹脂(感熱性接着材料)が使用される。
本発明の偽造防止シール(17)において、支持体(18)および接着剤(20)は、例えば、公知のステッカー製造に用いられる材料および手法を適宜用いて、製造できる。
また、貼り付けられたステッカーを剥すと、ステッカーが破壊してしまうように、層間に剥離する部分を設けたり、ステッカーに切れ込みを入れることも可能である。 これによると、ステッカーが破壊されるので、もしステッカーを別の基材に貼り替えて利用しようとする不正を図られても再利用を阻止することに有効である。また、これによると、ステッカーが破壊されるので、(ステッカーの下方に秘密の情報が設けてある場合に)秘密の情報の盗み読みした後に元の箇所にこの本物のステッカーを貼りつけたり、秘密の情報を改ざんした後に元の箇所にこの本物のステッカーを貼りつけたり、といった不正を阻止することにも有効である。
以上、一実施例を説明してきたが、意匠性を向上すべく各層を着色することや表面もしくは層間に印刷を施す等、使用の目的により適宜利用可能である。また、各層の接着性を鑑み、各層間に接着アンカー層を設けることや、コロナ放電処理・プラズマ処理・フレーム処理等の各種易接着処理を施すことも可能である。
以下、具体的な実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
<実施例1>
本発明に係る偽造防止積層体を製造するために、下記に示すように、レリーフ形成層、及びレリーフ効果層に用いるインキ組成物を用意した。
「レリーフ構造形成層インキ組成物」
ウレタン樹脂 15.0重量部
アクリルシリコン樹脂 5.0重量部
メチルエチルケトン 50.0重量部
酢酸エチル 30.0重量部
「レリーフ効果層インキ組成物」
銀粒子分散インキ(50nm銀粒子、水分散体) 100.0重量部
厚み23μmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる支持体上に、レリーフ構造形成層インキ組成物を膜厚2μmとなるように塗布し、150℃、10secの条件で焼き付け、乾燥してレリーフ構造形成層を形成した。次いで、ロールエンボス法により、レリーフ構造形成層の表面に回折格子を構成する微小凹凸のレリーフ構造部と、撥水性を持つ微細隆起構造部(接触角95°)を形成した。次に、レリーフ効果層インキ組成物を塗布したところ、微細隆起構造部分の撥水性により、微細隆起構造部以外の、レリーフ構造部、及び平坦部にのみレリーフ効果層組成物がパターン塗工された。こ
れを乾燥して所望の偽造防止積層体を得た。
<実施例2>
本発明に係る偽造防止積層体を製造するために、下記に示すように、レリーフ形成層、及びエッチングマスク層に用いるインキ組成物を用意した。
「レリーフ構造形成層インキ組成物」
ウレタン樹脂 15.0重量
アクリルシリコン樹脂 5.0重量部
メチルエチルケトン 50.0重量部
酢酸エチル 30.0重量部
「エッチングマスク層インキ組成物」
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 20.0重量部
メチルエチルケトン 50.0重量部
酢酸エチル 30.0重量部
厚み23μmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる支持体上に、レリーフ構造形成層インキ組成物を膜厚2μmとなるように塗布し、150℃、10secの条件で焼き付け、乾燥してレリーフ構造形成層を形成した。次いで、ロールエンボス法により、レリーフ構造形成層層の表面に回折格子を構成する微小凹凸のレリーフ構造部と、撥水性を持つ微細隆起構造部(接触角95°)を形成した。次に、アルミニウムを50nmの膜厚となるように真空蒸着して、全面にレリーフ効果層を形成した。その後、エッチングマスク層組成物を塗布したところ、微細隆起構造部分の撥水性により、微細隆起構造部以外(レリーフ構造部、及び平坦部)にのみエッチングマスク層組成物がパターン形成された。次に、50℃に加熱された1.5NのNaOH溶液が入った浴槽に10秒間浸すことにより、上記エッチングマスク層不存在部(微細構造形成部)のレリーフ効果層をエッチングした後、0.1NのHCl溶液にて中和し、その後水洗・乾燥工程を経て、所望の偽造防止積層体を得た。
<比較例1>
実施例1と同様にして、厚み23μmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる支持体上に、レリーフ構造形成層インキ組成物を膜厚2μmとなるように塗布し、150℃、10secの条件で焼き付け、乾燥してレリーフ構造形成層を形成した。次いで、ロールエンボス法により、レリーフ構造形成層の表面に回折格子を構成する微小凹凸のレリーフ構造部を形成した。 次に、アルミニウムを50nmの膜厚となるように真空蒸着して、全面にレリーフ効果層を形成した。その後、レリーフ構造部分と同一のパターンを有するグラビア版にて、綿密に見当を合わせた上で、グラビア法にてエッチングマスク層組成物をパターン印刷し、エッチングマスク層を形成した。次に、50℃に加熱された1.5NのNaOH溶液が入った浴槽に10秒間浸すことにより、上記エッチングマスク層不存在部のレリーフ効果層(アルミ蒸着)をエッチングした後、0.1NのHCl溶液にて中和し、その後水洗・乾燥工程を経て、所望の偽造防止積層体を得た。
実施例1、実施例2、及び比較例1について、レリーフ構造部とレリーフ効果層との位置ズレについて下記の位置精度の評価方法に基づいて評価した。
[位置精度の評価]
実施例1、実施例2、及び比較例1の積層体をそれぞれ20サンプル作成し、光学顕微鏡を用いて、設計図柄を基準とし、レリーフ構造部分とレリーフ効果層の縦及び横方向の位置ズレ幅について測定し、位置ズレのバラツキに関して評価した。表1に、これらの評価結果を示す。
表1からわかるように、実施例1、実施例2の積層体では、位置ズレが0.005mm以下で良好であるのに対し、比較例1では最大で1mmの位置ズレが生じる。
本発明の実施形態に係る偽造防止積層体の断面図である。 本発明の実施形態に係る第2の偽造防止積層体の断面図である。 本発明の実施形態に係る偽造防止転写箔の断面図である。 本発明の実施形態に係る偽造防止シールの断面図である。 本発明の実施形態に係る偽造防止媒体の断面図である。 本発明に係る微細複合構造における撥水構造の模式図である。
符号の説明
1:偽造防止積層体
2:レリーフ構造形成層
3:レリーフ構造部
4:微細隆起構造部
5:レリーフ効果層
6:第2の偽造防止積層体
7:レリーフ構造形成層
8:レリーフ構造部
9:微細隆起構造部
10:レリーフ効果層
11:エッチングマスク層
12:偽造防止転写箔
13:支持体
14:偽造防止積層体
15:接着層
16:転写層
17:偽造防止シール
18:支持体
19:偽造防止積層体
20:接着層
21:偽造防止媒体
22:支持体
23:積層体、又は転写箔、又はシール
24:微細複合構造体
25:物質1
26:物質2
27:微細複合構造体の接触角
28:水滴

Claims (11)

  1. 少なくとも、
    レリーフ構造形成層(イ)と、
    前記レリーフ構造形成層(イ)の片側に、部分的に設けられたレリーフ構造部(ロ)と、
    前記レリーフ構造部(ロ)と重ならないように、同一面上に、部分的に設けられた、撥水性を有する微細隆起構造部(ハ)と、
    前記微細隆起構造部(ハ)以外の部分のみを覆うように配置された光学薄膜からなり、前記レリーフ構造形成層(イ)を透過した光の少なくとも一部を反射させるレリーフ効果層(ニ)と、
    を順次積層して具備してなることを特徴とする偽造防止積層体。
  2. 少なくとも、
    前記レリーフ効果層(ニ)を覆うように配置されたエッチングマスク層(ホ)を具備してなることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止積層体。
  3. 前記レリーフ構造部(ロ)のレリーフ構造が、レリーフ型光学素子、もしくは、前記レリーフ構造部(ロ)のレリーフ構造と前記レリーフ効果層(ニ)との組み合わせにより光学効果をもたらすレリーフ型光学素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の偽造防止積層体。
  4. 前記微細隆起構造部(ハ)の隆起部の高さが10μm以下であり、隆起部の底面部分の面積に対する先端部分の面積比率が100%以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の偽造防止積層体。
  5. シート状の支持体上に、少なくとも、転写の際に前記支持体から剥離し被転写体に移行可能な転写層を備えており、該転写層は前記支持体上に、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の前記偽造防止積層体を配置し、該偽造防止積層体を覆うようにして設けられた接着層を有することを特徴とする偽造防止転写箔。
  6. シート状の支持体上に、少なくとも、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の偽造防止積層体を備えており、該偽造防止積層体側で、前記支持体から最も遠い位置に、少なくとも、熱または圧力によって接着性を呈する接着層を有することを特徴とする偽造防止シール。
  7. 請求項1ないし4に記載のいずれか1項に記載の偽造防止積層体それ自体、または、シート状支持体上に、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の偽造防止積層体、偽造防止転写箔、偽造防止シールの少なくとも1つ以上を積層してなることを特徴とする偽造防止媒体。
  8. 少なくとも、レリーフ構造形成層(イ)の片側に、レリーフ構造形成部(ロ)、微細隆起構造部(ハ)を順次積層し、全面にレリーフ効果層を設けた後、前記微細隆起構造(ハ)の撥水性を利用して、微細隆起構造を含まない部分にのみレリーフ効果層(ニ)を設けるか、もしくは、前記微細隆起構造(ハ)を含まない部分のレリーフ効果層(ニ)部分にのみエッチングマスク層(ホ)を形成し、エッチング処理により、微細隆起構造を含む部分のレリーフ効果層を除去することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の偽造防止積層体の製造方法
  9. 少なくとも、レリーフ構造形成層(イ)の片側に、レリーフ構造形成部(ロ)、微細隆起構造部(ハ)を順次積層し、全面にレリーフ効果層を設けた後、前記微細隆起構造(ハ)の撥水性を利用して、微細隆起構造を含まない部分にのみレリーフ効果層(ニ)を設けるか、もしくは、前記微細隆起構造(ハ)を含まない部分のレリーフ効果層(ニ)部分にのみエッチングマスク層(ホ)を形成し、エッチング処理により、微細隆起構造を含む部分のレリーフ効果層を除去することを特徴とする請求項に記載の偽造防止転写箔の製造方法。
  10. 少なくとも、レリーフ構造形成層(イ)の片側に、レリーフ構造形成部(ロ)、微細隆起構造部(ハ)を順次積層し、全面にレリーフ効果層を設けた後、前記微細隆起構造(ハ)の撥水性を利用して、微細隆起構造を含まない部分にのみレリーフ効果層(ニ)を設けるか、もしくは、前記微細隆起構造(ハ)を含まない部分のレリーフ効果層(ニ)部分にのみエッチングマスク層(ホ)を形成し、エッチング処理により、微細隆起構造を含む部分のレリーフ効果層を除去することを特徴とする請求項に記載の偽造防止シールの製造方法。
  11. 少なくとも、レリーフ構造形成層(イ)の片側に、レリーフ構造形成部(ロ)、微細隆起構造部(ハ)を順次積層し、全面にレリーフ効果層を設けた後、前記微細隆起構造(ハ)の撥水性を利用して、微細隆起構造を含まない部分にのみレリーフ効果層(ニ)を設けるか、もしくは、前記微細隆起構造(ハ)を含まない部分のレリーフ効果層(ニ)部分にのみエッチングマスク層(ホ)を形成し、エッチング処理により、微細隆起構造を含む部分のレリーフ効果層を除去することを特徴とする請求項に記載の偽造防止媒体の製造方法。
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