JP5991111B2 - 転写箔及び偽造防止媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、パスポートや査証などの冊子またはカード等の個人認証媒体に特定の要となる顔画像,指紋,識別番号等を転写する転写箔及び前記個人認証媒体に当該顔画像,指紋,識別番号等を転写させてなる偽造防止効果の高い偽造防止媒体に関する。
パスポートやID(identification)カードなどの個人認証媒体の多くは、目視による情報認証を可能とするために、顔画像が使用されている。
従来、例えば、パスポートの例では、パスポート本体部となる冊子体に顔画像を焼き付けた印画紙が貼り付けられている。しかし、このようなパスポートは、写真印画の貼り替えによる改竄の恐れがある。
そこで、近年、上記理由に基づき、顔画像の情報をデジタル化し、これを冊子体上に再現することが行われている。この画像再現方法としては、昇華性(熱移行性)染料、顔料を分散させた樹脂型溶融タイプやワックス溶融タイプを用いた転写リボンによる感熱転写記録法あるいは電子写真法などが検討され、実際に試みられている。
さらに、パスポートへの画像再現方法としては、以上のような方法以外にも、インクジェットプリンタによる記録法、CO2(炭酸ガス)レーザー、YAGレーザー及び感熱発色剤を使用したレーザー印字記録法、さらには基材中に存在する炭素(C)を利用して基材の深さ方向にも印字記録するレーザーエングレービング印字記録法などがある。
さらに、この種の認証用データの入った画像表示体としては、認証画像データに基づいて形成された画像パターンをポリ塩化ビニルなどのカード基材に施したもの、あるいは当該画像パターンに加えてホログラムや回折格子あるいは多層干渉を用いた光学的薄膜(光学設計により光干渉を利用して反射光の色調制御などを可能とするカラーシフト等の効果が得られる)を用いることによる画像に代表される,いわゆるOVD(Optical Variable Devise)画像を設けたもの等が知られている。
特に、ホログラムや回折格子構造物は、クレジットカード、キャッシュカード、会員証カード、社員証カード、プリペイドカード、運転免許証等の各種カード類、商品券、ギフト券、株券等の各種紙券類や申込用紙、領収書、複写伝票等の各種帳票類やパスポート、通帳、年金手帳等の各種冊子類の他、本や手帳などの表紙やパネル等のディスプレイ用途等の一部または全体に貼着することにより、偽造防止手段として使用されている。
ところで、このようなOVD転写箔による任意の画像を形成した偽造防止媒体は、目視で認識できることから、偽造され易い問題がある。
そこで、近年、目視では確認できないが、フィルターを翳したときに潜像(隠れた像)として現れるようにして真贋判定を行うコバート機能をもった高分子液晶材料を用いた偽造防止技術が提案されている(特許文献1)。
コバート機能をもつ任意の画像を形成する方法としては、液晶化合物を含有するインク組成物をインクジェット法によって配向層上にパターニングすることで、任意の複屈折パターンを形成した偽造防止媒体が提案されている(特許文献2)。
特開平8−43804号公報 特開2010−282153号公報
しかし、特許文献2の偽造防止技術は、複屈折パターンの光軸が1軸方向にのみ配向しているので、得られる潜像画像は1種類のみの単純な画像として現れるだけとなる。その結果、例えば画像が単純であると、比較的容易に偽造されてしまう問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、任意かつ2種の潜像画像を得られるようにし、よって、偽造及び改竄を困難にし、より高い偽造防止効果が得られる転写箔及び偽造防止媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の実施形態は、薄膜平板状の支持基材と、この支持基材の何れか一方の同一面内で、かつ所定方向に沿って交互に配列された光軸の異なる第一位相差層及び第二位相差層と、これら第一位相差層及び第二位相差層の上面に形成された接着層とを備え、個人認証用元データの2値化処理したネガ画像を第一画像とし、ポジ画像を第二画像とし、前記第一位相差層により前記第一画像を、第二位相差層により第二画像を熱転写できるように構成したことを特徴とする転写箔である。
本発明の第1の実施形態によれば、支持基材上に光軸の異なる第一位相差層及び第二位相差層を形成し、前記第一位相差層により個人認証用元データの2値化処理したネガ画像(第一画像)を、第二位相差層によりポジ画像(第二画像)を熱転写可能にしたので、複屈折パターンの光軸が2軸方向に配向可能となり、結果として2種の潜像画像が、フィルターを翳して透かすことで認証することが可能となり、ひいては偽造及び改竄が困難なものとなる。
本発明の第2〜第4の実施形態は、本発明の第1の実施形態の構成要素となる前記第一位相差層及び第二位相差層の光軸としては、互いに45°または90異なることを特徴とし、さらに、前記両位相差層の位相差値としては、1/4λ、1/2λ、1/8λの何れかの値とすることを特徴とする。
また、本発明の第5の実施形態は、本発明の第1〜第4の実施形態の転写箔において、前記前記第一位相差層及び前記第二位相差層と前記接着層との間に反射層を設けたことを特徴とする。
本発明の第6の実施形態は、本発明の第5の実施形態の転写箔において、前記第一位相差層及び前記第二位相差層の上面にレリーフ形成層を形成し、この形成されたレリーフ形成層に沿って前記反射層を設けたことを特徴とする。これにより、レリーフ形成層を組合せることにより、目視による偽造防止効果を向上させることができる。
また、本発明の第7の実施形態は、本発明の第1〜第6の実施形態の転写箔において、前記支持基材と前記第一位相差層及び前記第二位相差層との間に剥離層を設けたことを特徴とする。
さらに、本発明の第8の実施形態は、個人認証用元データを2値化処理したネガ画像およびポジ画像を得る工程と、本発明の第2〜第7の実施形態の転写箔の第一位相差層に前記ネガ画像を熱転写して第一画像を形成し、前記転写箔の第二位相差層に前記ポジ画像を熱転写して第二画像を形成する工程とを含むことを特徴とする偽造防止媒体の製造方法である。
本発明の第8の実施形態によれば、2種の潜像画像をフイルターにて透かすことで認証することが可能となり、これにより情報認証を識別しやすくなる一方、偽造及び改竄が困難であり、ひいては偽造及び改竄を容易に見つけ出すことができる偽造防止媒体を得ることができる
本発明によれば、任意かつ2種の潜像画像を得られるようにし、よって、偽造及び改竄を困難にし、より高い偽造防止効果が得られる転写箔及び偽造防止媒体を提供できる。
本発明に係る転写箔の一実施の形態を示す概念図。 図1に示す転写箔の断面図。 転写箔を個人認証媒体に使用する際の一例としての顔写真を撮影するときのイメージ図。 撮影された顔画像を2値化したときのネガ画像である第一画像及びポジ画像である第二画像を示す図。 本発明に係る偽造防止媒体の一例を示す図。 図5の転写箔転写部に検証器を翳したときの概念図。 図5の転写箔転写部に検証器を翳したときの概念図。 本発明に係る偽造防止媒体への画像転写の一例を概略的に示す断面図。 本発明に係る偽造防止媒体の一例を概略的に示す断面図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る転写箔の一実施の形態を示す概念図である。
転写箔1は、当該転写箔1の搬送方向に沿って第一位相差層2と第二位相差層3とが交互に配置される。これら第一位相差層2と第二位相差層3の光軸が矢印で示すように45°異なっていることを示している。
図2は図1の転写箔1の断面図である。転写箔1は、所望の幅を有する平板状の支持基材4と、この支持基材4上に交互に配置される第一位相差層2及び第二位相差層3と、これら第一位相差層2及び第二位相差層3の上面に所定の順序で形成される反射層5及び接着層6とを含む構成である。
次に、転写箔1に関わる構成要素に詳細に説明する。
(位相差層2,3)
転写箔1を構成する第一位相差層2及び第二位相差層3は、複屈折性を有する材料が使用される。ここで、複屈折とは、物質の屈折率が光軸方向によって異なることにより、物質中を通過するときの光の速度が異なってくる現象である。そのため、物質通過後の光は通過速度の差の分だけ位相差が生じる。これら位相差層2,3には、例えば、液晶材料を用いることができる。
また、第一位相差層2及び第二位相差層3は、図1に矢印で示すように、2種類の光軸が転写箔1搬送方向に対して交互に配置されている。位相差層2、3の光軸を2軸に配置する方法としては、液晶材料を配向する配向膜を2軸方向に配向処理し、その上に液晶を塗布することにより2軸に配向された液晶を得る。液晶材料を配向する配向膜の配向処理には、例えば光配向法もしくはラビング配向法を用いることができる。位相差値は液晶の複屈折率と膜厚で決定することができる。
ここで、光配向法とは、配向膜に偏光等の異方性を有する光を照射もしくは非偏光光を斜めから照射し、配向膜内の分子の再配列や異方的な化学反応を誘起する方法で、配向膜に異方性を与えることで液晶分子が配向することを利用したものである。光配向のメカニズムとしては、アゾベンゼン誘導体の光異方化、桂皮酸エステル、クマリン、カルコンやベンゾフェノン等の誘導体の光二量化や架橋、ポリイミド等の光分解等があげられる。
具体的な配向法は、適当な波長帯域の偏光光もしくは斜めからの非偏光光によりパターンを露光することにより行われる。例えば、2軸方向に配向させる場合、フォトマスクで配向方向を変えたい部分をカバーしてパターン露光し、さらにフォトマスクでカバーされている未露光部を処理するため方向を変えて露光すればよい。または、一度全面をパターン露光した後、部分的にフォトマスクでカバーして方向を変えて再度露光してもよい。
一方、ラビング配向法は、基材上にポリマー溶液を塗布して作成した配向膜を布で擦る方法であって、擦った方向に配向膜表面の性質が変化し、この方向に液晶分子が並ぶという性質を利用したものである。配向膜には、ポリイミド、PVA(ポリビニルアルコール)等が用いられる。
光軸を2軸方向に配向させる場合には、配向方向を変えたい部分をマスクでカバーして布で擦った後にマスクを除去し、今度は先ほどラビングした部分をマスクでカバーし、再び方向を変えて布で擦った後、マスクを除去する。または、全面を布で擦った後、部分的にマスクでカバーし、方向を変えて布で擦った後、マスクを除去してもよい。
これら配向膜を形成する方法としては、グラビアコーティング法、マイクログラビアコーティング法等の公知の手法を用いることができる。
さらに、以上のように配向処理された配向膜上に液晶材料を施すことで位相差層2,3を形成することができる。液晶材料としては、メソゲン基の両端にアクリレートを設けた光硬化型液晶モノマー、EB(電子線の略)若しくはUV(紫外線の略)で硬化させる高分子液晶、ポリマー主鎖にメソゲン基を提げた高分子液晶、分子主鎖自体が配向する液晶性高分子などを用いることができる。これらの液晶は、塗布後、相転移を起こすNI点より少し下の温度で熱処理することにより、配向を促進させることが可能である。
(支持基材4)
支持基材4としては、押出加工やキャスト加工により作製された無延伸フィルムや延伸加工により作製された延伸フィルム等を用いることができる。延伸フィルムには、伸ばし方により、1軸延伸フィルム及び2軸延伸フィルムがあるが、両者とも使用することが可能である。
これらの無延伸フィルム及び延伸フィルムの材料としては、セロハン、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィン(PO)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等が挙げられる。
(反射層5)
反射層5の材料としては、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、Au、Agなどの金属材料の単体、またはこれらの化合物などが用いられる。
また、反射層5の膜面に垂直な光に対してほぼ透明であるが、斜光に対して屈折率に応じて反射特性を示す透明な反射層5も単層または多層で使用できる。透明な反射層5として使用できる材料の例を以下に挙げる。以下に示す化学式または化合物名の後に続くカッコ内の数値は屈折率nを示す。セラミックスとしては、Fe23(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2(2.3)、CdO(2.2)、WO3(5)、SiO(5)、Si23(2.5)、In23(2.0)、PbO(2.6)、Ta23(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(5)、MgO(1)、SiO2(1.45)、MgF2(4)、CeF3(1)、CaF2(1.3〜1.4)、AlF3(1)、Al23(1)、GaO(2)などが挙げられる。有機ポリマーとしては、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフルオロエチレン(1.35)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.60)などが挙げられるが、これらの材料に限定されるものでない。
反射層5を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法など公知の方法を適宜使用することができる。また、光反射効果を有するインキ等を公知の印刷方法により設ける方法でもよい。
また、反射層5を施す前に第一位相差層2及び第二位相差層3の上面にレリーフ形成層(図示せず)を施した後、レリーフ形成層に沿って反射層5を形成してもよい。レリーフ形成層に沿って反射層5を形成する方法としては、予めレリーフ形成層を施した後、光の干渉を利用したレリーフ型ホログラム又は回折格子を成す微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のプレス版を用いて加熱・加圧して微細な凹凸パターンを複製した後、前記真空蒸着法等の公知の方法を用いて反射層5を形成することにより、レリーフ構造に沿って反射層5を設けることができる。
レリーフ形成層は熱による成形性が良好であり、プレスムラが生じ難く、明るい再生像が得られる材料によって構成するとよい。例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂や、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオール等にポリイソシアネートを架橋剤として添加、架橋したウレタン樹脂や、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の熱硬化樹脂、エポキシ(メタ)アクリル、ウレタン(メタ)アクリレート等の紫外線或いは電子線硬化樹脂を、単独もしくはこれらを複合して使用できる。また、前記以外の樹脂であっても、回折構造パターンを形成可能であれば適宜使用することができる。
(接着層6)
接着層6としては、熱をかけたときに粘着性が現れる感熱接着剤が用いられる。接着層6は、これら性能を満たす樹脂をグラビアコータ、マイクログラビアコータ、ロールコータなどを用いて基材となる例えば反射層5に施される。用いられる材質としては、アクリル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エポキシ、EVAなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。
(剥離層)
図2に示す転写箔1は、支持基材4の上面に第一位相差層2及び第二位相差層3に交互に配置したが、例えば支持基材4の上面に剥離層(図示せず)を施した後、その剥離層の上面に第一位相差層2及び第二位相差層3に交互に配置する構成であってもよい。
このとき、剥離層としては、樹脂単体でもよく、樹脂に滑剤を添加したものも使用できる。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、湿気硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が使用できる。例えば、アクリル樹脂やポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂である。また、滑剤としてはポリエチレンパウダーや、カルナバロウ等のワックスを使用することができる。これらは剥離層として、支持基材1上にグラビア印刷法やマイクログラビア法等、公知の塗布方法によって形成される。
次に、図3は以上のような転写箔1を個人認証媒体に使用する際の一例としての顔写真を撮影するイメージ図を示している。7は認証画像となる人物、8は人物7を撮影するための撮像カメラである。
図4は撮像カメラ8で撮影された顔写真を2値化した例を示す図である。同図(a)は2値化した際のネガ画像を示し、同図(b)は2値化した際のポジ画像を示している。これらネガ画像及びポジ画像は、サーマルヘッドによる熱圧を受けて、被転写媒体に第一画像9a及び第二画像9bとして熱転写される。
ここで、被転写媒体17(図8,図9参照)としては、透明な基材を用いてもよいし、不透明な基材を用いてもよい。また、材質としては、紙、プラスチック、金属、セラミック、ガラスを使用してもよい。
図5はパスポートの冊子などの偽造防止媒体10を示す図である。
偽造防止媒体10は、個人認証媒体を例として上げたものであって、画像11〜13のような情報が載せられている。さらに、偽造防止媒体10には、転写箔転写部14が設けられている。
偽造防止媒体10に載せられた画像11〜13は、個人情報を含んだ画像である。この個人情報は、個人の認証に利用する個人認証情報を含んでおり、例えば、生体情報と非生体個人情報とに分類することができる。
生体情報は、生体の特徴のうち、その個体に特有なものである。例えば、生体情報は、顔、指紋、静脈などの少なくとも1つの画像又はパターンである。
非生体個人情報は、生体情報以外の個人情報である。例えば、非生体個人情報は、氏名、生年月日、年齢、血液型、性別、国籍、住所、本籍地、電話番号、所属及び身分の少なくとも1つである。非生体個人情報は、タイプ打ちによって入力された文字を含んでいてもよく、署名などの手書きを機械読み取りすることによって入力された文字を含んでいてもよく、それらの双方を含んでいてもよい。
これら画像は、例えば、染料及び顔料で構成することができる。この場合、サーマルヘッドを用いた熱転写記録法、インクジェット記録法、電子写真法、又はそれらの2つ以上の組み合わせを利用することができる。或いは、感熱発色剤を含んだ層を形成し、この層にレーザビームで描画することにより形成することができる。或いは、これら方法の組み合わせを利用することができる。画像の少なくとも一部は、ホットスタンプを用いた熱転写記録法によって形成してもよく、印刷法によって形成してもよく、それらの組み合わせを利用して形成してもよい。
また、画像11〜13にはホログラムを用いて画像を表現しても良い。改竄防止効果を高めるホログラムに使用する画像としては、個人情報でも良いがそれに限らない。
転写箔転写部14には、主に画像が含まれるが、前述のような個人情報を用いてもよい。
図5の例では、顔写真を用いたがこれに限らず、個人を認証することの出来る個人認証情報を用いてもよい。それらの情報をネガ画像、ポジ画像の2つにデータ化し、第一位相差層2及び第二位相差層3の転写パターンとして用いる。
図6及び図7は、図5に示す偽造防止媒体10の転写箔転写部14に検証器15を翳したときの図である。既に第1位相差層2を用いて第1画像9a、第2位相差層3を用いて第二画像9bが得られており、さらに、それぞれの位相差層2,3の光軸が45°異なることから、検証器15を翳し、さらに回転させたとき、図6に示すネガ画像と図7に示すポジ画像が出現させることができる。
ここで、位相差値としては、例えば、検証器15に直線偏光子を用い、転写箔1には反射層5を組み込んだ場合には1/4λであるとよく、さらに、被転写媒体17に透明基材を使用し、被転写媒体17の裏面に直線偏光子を配置し、かつ、検証器15に直線偏光子を用いた場合には、1/2λが効果的である。また、例えば、被転写媒体17の裏面に円偏光子を配置し、かつ、検証器15に円偏光子を用いた場合には、1/8λが効果的であるが、いずれの場合においても、1/4λ、1/2λ、1/8のどの位相差値にしてもよい。
図8は転写箔1が支持基材4越しにサーマルヘッド16で熱転写されている様子を示す図である。
サーマルヘッド16によって熱せられた部分は、図9に示すように転写箔転写部14として被転写媒体17に転写される。この転写箔転写部14は、第一画像9aを形成している第1位相差層2と第二画像9bを形成している第2位相差層3によって構成されている。
さらに、転写箔1から被転写媒体17への転写について詳細に説明する。
前述するように転写箔1をサーマルヘッド16の熱圧にて被転写媒体17へ転写を行う。この際に、支持基材4越しにサーマルヘッド16にて熱圧をかけて接着層6を溶融し、被転写媒体17へ圧接させる。この際、入力された画像データに基づき2値化処理された画像パターンとなる第一画像9a及び第二画像9bをデータ化する。このデータ化されたデータに基づき、第一位相差層2を第一画像9aとして、第二位相差層3を第二画像9bとしてサーマルヘッド16を用いて転写する。第一画像9aと第二画像9bにて1つの画像を形成して、転写箔転写部14が作製される。
ここで、本発明の偽造防止媒体10は、個人認証媒体のようなパスポートの場合には、転写箔転写部14としては、顔写真や氏名、国籍、有効期限などのテキストデータなどを含み、通常の色材で表現される画像である。例えば、図3のように撮影された画像を2値化処理し、図4のようなネガ画像、ポジ画像を得て、第一画像9aと第二画像9bを第一位相差層2と第二位相差層3にて形成させているために、図6、図7のような画像を観測できる。
以下、本発明の実施例について説明する。
ルミラー(ポリエステルフィルム)19F60なる支持基材4に対して、配向膜用樹脂を溶解した配向膜溶液をマイクログラビア法で塗布して成膜を行った。その後、薄膜平板状の支持基材4の表面全幅となる原反全幅にて流れ方向(搬送方向)に対して90°傾いた方向にラビング布で擦り、次に原反全幅にて流れ方向に対して45°傾いた方向にラビング布で擦った。すなわち、流れ方向に対して、90°方向、45°方向、90°方向、45°方向と交互に擦って配向処理することにより配向膜を作製した。
その後、DIC株式会社製のUVキュアラブル液晶UCL−008をマイクログラビアにて位相差値がλ/4となる膜厚で塗工し、酸素雰囲気下でUV硬化を行った。その結果、流れ方向に対して90°傾いた方向に擦った部分が第一位相差層2、流れ方向に対して45°傾いた方向に擦った部分が第二位相差層3として得られた。
しかる後、位相差層2,3の上面に、アルミニウムからなる反射層5を形成した。反射層5は、真空蒸着法を用いて、厚みが500Åになるようにして形成した。その後、アクリル樹脂を接着層6としマイクログラビアにて全面に設け、転写箔1を製作した。
さらに、図3のように人物7に対して写真撮影を行い、即時に2値化処理を行って図4のようなネガ画像とポジ画像を取得した。その後、上記のように作製された転写箔1を図8のようにサーマルヘッド16を用いて、第一位相差層2を第一画像9aとして、第二位相差層3を第二画像9bとして転写を行った。その結果、図5に示すように一部に転写箔転写部14を備えた偽造防止媒体14が得られた。
その後、検証器15を用いて、転写箔転写部14を観察した結果、目視では確認できないが、図6、図7のような潜像を確認することが出来た。すなわち、第一画像9a及び第二画像9bの2値化処理されたデータがサーマルヘッドを用いて偽造防止媒体14に転写を行うため、人物の顔、識別番号などの自由度の高い潜像を形成することが出来た。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
さらに、上記実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
1…転写箔、2…第一位相差層、3…第二位相差層、4…支持基材、5…反射層、6…接着層、7…人物、8…撮像カメラ、9a…第一画像、9b…第二画像、10…偽造防止媒体、11〜13…画像、14…転写箔転写部、15…検証器、16…サーマルヘッド、17…被転写媒体。

Claims (8)

  1. 薄膜平板状の支持基材と、
    この支持基材の何れか一方の同一面内で、かつ所定方向に沿って交互に配列された光軸の異なる第一位相差層及び第二位相差層と、
    これら第一位相差層及び第二位相差層の上面に形成された接着層とを備え、
    個人認証用元データの2値化処理したネガ画像を第一画像とし、ポジ画像を第二画像とし、前記第一位相差層により前記第一画像を、第二位相差層により第二画像を熱転写できるように構成したことを特徴とする転写箔。
  2. 請求項1に記載の転写箔において、
    前記第一位相差層と第二位相差層との光軸が互いに45°異なっていることを特徴とする転写箔。
  3. 請求項1に記載の転写箔において、
    前記第一位相差層と第二位相差層との光軸が互いに90°異なっていることを特徴とする転写箔。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の転写箔において、
    前記第一位相差層及び前記第二位相差層との位相差値は、1/4λ、1/2λ、1/8λの何れかの値とすることを特徴とする転写箔。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の転写箔において、
    前記第一位相差層及び前記第二位相差層と前記接着層との間に反射層を設けたことを特徴とする転写箔。
  6. 請求項5に記載の転写箔において、
    前記第一位相差層及び前記第二位相差層の上面にレリーフ形成層を形成し、この形成されたレリーフ形成層に沿って前記反射層を設けたことを特徴とする転写箔。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れか一項に記載の転写箔において、
    前記支持基材と前記第一位相差層及び前記第二位相差層との間に剥離層を設けたことを特徴とする転写箔。
  8. 個人認証用元データを2値化処理したネガ画像およびポジ画像を得る工程と
    請求項2から7のいずれかに記載の転写箔の第一位相差層に前記ネガ画像を熱転写して第一画像を形成し、前記転写箔の第二位相差層に前記ポジ画像を熱転写して第二画像を形成する工程と
    を含むことを特徴とする偽造防止媒体の製造方法
JP2012208281A 2012-09-21 2012-09-21 転写箔及び偽造防止媒体 Active JP5991111B2 (ja)

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