JP2011167362A - 生体状態推定装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

生体状態推定装置及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 人の状態をより正確に把握する技術を提供する。
【解決手段】 人の上体から採取した生体信号の時系列波形から周波数の時系列波形を求め、さらに、周波数傾きの時系列波形、周波数変動の時系列波形を求めてこれらを周波数解析する手段を有する。周波数解析の際には、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求める。そして、各パワースペクトルの時系列変化から人の状態を判定する。疲労受容信号は、通常の活動状態における疲労の進行度合いを示すため、これに併せて、機能調整信号や活動調整信号の優性度合いをそれらの分布率として比較することにより、人の状態(リラックス状態、疲労状態、交感神経優位の状態、副交感神経優位の状態など)をより正確に判定することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、人の上体から得られる生体信号の時系列波形を用いて生体の状態を推定する技術に関する。
運転中の運転者の生体状態を監視することは、近年、事故予防策等として注目されている。本出願人は、特許文献1〜3において、シートクッション部に圧力センサを配置し、臀部脈波を採取して分析し、入眠予兆現象を判定する手法を開示している。
具体的には、脈波の時系列波形を、それぞれ、SavitzkyとGolayによる平滑化微分法により、極大値と極小値を求める。そして、5秒ごとに極大値と極小値を切り分け、それぞれの平均値を求める。求めた極大値と極小値のそれぞれの平均値の差の二乗をパワー値とし、このパワー値を5秒ごとにプロットし、パワー値の時系列波形を作る。この時系列波形からパワー値の大域的な変化を読み取るために、ある時間窓Tw(180秒)について最小二乗法でパワー値の傾きを求める。次に、オーバーラップ時間Tl(162秒)で次の時間窓Twを同様に計算して結果をプロットする。この計算(移動計算)を順次繰り返してパワー値の傾きの時系列波形を得る。一方、脈波の時系列波形をカオス解析して最大リアプノフ指数を求め、上記と同様に、平滑化微分によって極大値を求め、移動計算することにより最大リアプノフ指数の傾きの時系列波形を得る。
そして、パワー値の傾きの時系列波形と最大リアプノフ指数の傾きの時系列波形が逆位相となっており、さらには、パワー値の傾きの時系列波形で低周波、大振幅の波形が生じている波形を、入眠予兆を示す特徴的な信号と判定し、その後に振幅が小さくなったポイントを入眠点と判定している。
また、特許文献4として、内部に三次元立体編物を挿入した空気袋(エアパック)を備え、このエアパックを人の背部に対応する部位に配置し、エアパックの空気圧変動を測定し、得られた空気圧変動の時系列データから人の生体信号を検出し、人の生体の状態を分析するシステムを開示している。また、非特許文献1及び2においても、腰腸肋筋に沿うようにエアパックセンサを配置して人の生体信号を検出する試みを報告している。このエアパックの空気圧変動は、心臓の動きに伴う下行大動脈の揺れによるものであり、特許文献1及び2の臀部脈波を利用する場合よりも、心臓の動きにより近い状態変化を捉えることができる。
特開2004−344612号公報 特開2004−344613号公報 WO2005/092193A1公報 特開2007−90032号公報
「原著・指尖容積脈波情報を用いた入眠予兆現象計測法の開発」藤田悦則(外8名)、人間工学 Vol41、No.4(’05) 「非侵襲型センサによって測定された生体ゆらぎ信号の疲労と入眠予知への応用」、落合直輝(外6名)、第39回日本人間工学会 中国・四国支部大会 講演論文集、平成18年11月25日発行、発行所:日本人間工学会 中国・四国支部事務局 「非侵襲生体信号センシング機能を有する車両用シートの試作」、前田慎一郎(外4名)、第39回日本人間工学会 中国・四国支部大会 講演論文集、平成18年11月25日発行、発行所:日本人間工学会 中国・四国支部事務局
特許文献1〜4及び非特許文献1〜3の技術は、上記したように、パワー値の傾きの時系列波形と最大リアプノフ指数の傾きの時系列波形が逆位相となり、かつ、パワー値の傾きの時系列波形で低周波、大振幅の波形が生じた時点をもって入眠予兆現象と捉えている。
また、本出願人は、特願2009−237802として次のような技術も提案している。すなわち、生体信号測定手段により得られる生体信号の時系列波形から周波数の時系列波形を求め、この周波数の時系列波形から求められる周波数傾き時系列波形と周波数変動時系列波形を用いた技術であり、周波数傾き時系列波形の正負、周波数傾き時系列波形の積分波形の正負、周波数傾き時系列波形と周波数変動時系列波形とを重ねて出力した場合における逆位相の出現(逆位相の出現が入眠予兆を示す)等を組み合わせて人の状態を判定する技術である。
本出願人は、上記のように生体信号を用いた人の状態を把握する技術を提案しているが、人の状態をより正確に把握する技術の提案が常に望まれている。また、人の状態を把握する手法が複数あれば、それらを併用することにより、さらに、正確に人の状態を把握することが可能となる。本発明は上記に鑑みなされたものである。
ここで、上記の非特許文献1に示されているように、指尖容積脈波の傾き時系列波形の解析から、心房細動でゆらぎの特性が切り替わる周波数は0.0033Hzであることが確認できた。また、傾き時系列波形を求める際に180秒間のスライド計算を適用することが、0.0055Hzの成分を中心周波数とするフィルタになり、高周波成分(HF)から0.0033Hz未満の極超低周波成分(ULF)までを網羅でき、入眠予兆現象を示す振幅スペクトルがこのULFで発現することも確認できた。なお、0.0055Hz近傍では活動時に揺動波形が出現し、リラックス、安静状態では0.0033Hz近傍に揺動波形が出現する。
そこで、本発明者はこれらの知見から、0.0033Hz近傍(0.002〜0.0052Hzの範囲)の信号(以下、「疲労受容信号」という)を基本として、これを通常の活動状態における疲労の進行度合いを示す信号とし、0.0055Hz近傍(0.004〜0.007Hzの範囲)の信号(以下、「活動調整信号」という)を、活動時において脳や自律神経系の制御による影響の度合いが出現する信号とし、急激な非線形特性を示すULF領域の代表的な信号成分として0.0033Hzの約1/2に相当する周波数の近傍(0.0027Hz以下)の信号(以下、機能調整信号)を、活動−安静−睡眠の各状態間の遷移状態を示す機能調整(例えば、入眠予兆)の実施度合いが出現する信号とし、これらの信号のパワースペクトルの時系列変化から人の状態を判定することに着目し、本発明を完成するに至った。
また、生体信号としては、指尖容積脈波ではなく、心房と大動脈の揺れ具合を捉えることに着目した。これは、大動脈の壁は、動脈の中でも弾力性に富んでおり、心臓から直接送り出される血液の高い圧力を受け止めることができ、また、心臓の左心室からでたばかりのところには逆流防止の弁である大動脈弁がある。このため、心房と大動脈の揺れ具合を捉えた生体信号を解析することで、生体の定常性維持のための脳と自律神経系の負のフィードバック機構の調節環をよく捉えることができ、それにより、自律神経の活動だけでなく脳機能の活性化状態を併せて把握し、より正確に生体状態を推定できるからである。
すなわち、本発明の生体状態推定装置は、生体信号測定手段により人の上体から採取した生体信号を用いて、人の状態を推定する生体状態推定装置であって、
前記生体信号測定手段により得られる生体信号の時系列波形において、正から負に切り替わるゼロクロス地点を求め、このゼロクロス地点を用いて生体信号の周波数の時系列波形を求める第1周波数演算手段と、
前記第1周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する第1周波数傾き時系列解析演算手段と、
前記第1周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求めるパワースペクトル演算手段と、
前記パワースペクトル演算手段により求められた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの時系列変化から人の状態を判定する判定手段と
を有することを特徴とする。
さらに、前記第1周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列波形を周波数変動時系列波形として求める第1周波数変動時系列解析演算手段を有し、
前記パワースペクトル演算手段は、さらに、前記第1周波数変動時系列解析演算手段から得られる周波数変動時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求める手段を有することが好ましい。
さらに、前記生体信号測定手段により得られる生体信号の原波形を平滑化微分して極大値を求め、この極大値を用いて生体信号の周波数の時系列波形を求める第2周波数演算手段と、
前記第2周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する第2周波数傾き時系列解析演算手段とを有し、
前記パワースペクトル演算手段は、さらに、前記第2周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求める手段を有することが好ましい。
さらに、前記第2周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列波形を周波数変動時系列波形として求める第2周波数変動時系列解析演算手段を有し、
前記パワースペクトル演算手段は、さらに、前記第2周波数変動時系列解析演算手段から得られる周波数変動時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求める手段を有することが好ましい。
前記判定手段は、前記第1周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの時系列変化を求め、各信号の相対的な優勢度合いを分布率として求めて人の状態を判定する手段であることが好ましい。
前記判定手段は、前記第1周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの時系列変化を求め、各信号の相対的な優勢度合いを分布率として求めて人の状態を判定することに加えて、
前記第1周波数変動時系列解析演算手段から得られる周波数変動時系列波形、前記第2周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形、及び前記第2周波数変動時系列解析演算手段から得られる周波数変動時系列波形のうちの少なくとも一つから求めた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの分布率の時系列変化を加味して人の状態を判定することが好ましい。
前記判定手段は、前記第1周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記疲労受容信号のパワースペクトルが低下傾向の時系列変化を示している時間帯を、人の状態変化の出現時期であると判定する手段を有することが好ましい。
前記判定手段は、前記第1周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記疲労受容信号のパワースペクトルが低下傾向の時系列変化を示している時間帯において、前記第1周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記機能調整信号のパワースペクトルが上昇傾向の時系列変化を示した場合に、眠気関連現象出現期と判定する手段を有することが好ましい。
前記判定手段は、さらに、前記第1周波数変動時系列解析演算手段から得られる周波数変動時系列波形、前記第2周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形、及び前記第2周波数変動時系列解析演算手段から得られる周波数変動時系列波形のうちの少なくとも一つから求めた前記機能調整信号が上昇傾向の時系列変化を示した場合に、前記眠気関連現象出現期と判定する手段を有することが好ましい。
前記パワースペクトル演算手段に用いる前記機能調整信号は周波数0.0027Hz以下であり、前記疲労受容信号は周波数0.002〜0.0052Hzの範囲内であり、前記活動調整信号は周波数0.004〜0.007Hzの範囲内であることが好ましい。
また、本発明のコンピュータプログラムは、生体信号測定手段により人の上体から採取した生体信号を用いて、人の状態を推定する生体状態推定装置に組み込まれるコンピュータプログラムであって、
前記生体信号測定手段により得られる生体信号の時系列波形において、正から負に切り替わるゼロクロス地点を求め、このゼロクロス地点を用いて生体信号の周波数の時系列波形を求める第1周波数演算ステップと、
前記第1周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する第1周波数傾き時系列解析演算ステップと、
前記第1周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求めるパワースペクトル演算ステップと、
前記パワースペクトル演算ステップにより求められた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの時系列変化から人の状態を判定する判定ステップと
を有することを特徴とする。
さらに、前記第1周波数演算ステップにより得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列波形を周波数変動時系列波形として求める第1周波数変動時系列解析演算ステップを有し、
前記パワースペクトル演算ステップは、さらに、前記第1周波数変動時系列解析演算ステップから得られる周波数変動時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求めるステップを有することが好ましい。
さらに、前記生体信号測定手段により得られる生体信号の原波形を平滑化微分して極大値を求め、この極大値を用いて生体信号の周波数の時系列波形を求める第2周波数演算ステップと、
前記第2周波数演算ステップにより得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する第2周波数傾き時系列解析演算ステップとを有し、
前記パワースペクトル演算ステップは、さらに、前記第2周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求めるステップを有することが好ましい。
さらに、前記第2周波数演算ステップにより得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列波形を周波数変動時系列波形として求める第2周波数変動時系列解析演算ステップを有し、
前記パワースペクトル演算ステップは、さらに、前記第2周波数変動時系列解析演算ステップから得られる周波数変動時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求めるステップを有することが好ましい。
前記判定ステップは、前記第1周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの時系列変化を求め、各信号の相対的な優勢度合いを分布率として求めて人の状態を判定するステップであることが好ましい。
前記判定ステップは、前記第1周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの時系列変化を求め、各信号の相対的な優勢度合いを分布率として求めて人の状態を判定することに加えて、
前記第1周波数変動時系列解析演算ステップから得られる周波数変動時系列波形、前記第2周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形、及び前記第2周波数変動時系列解析演算ステップから得られる周波数変動時系列波形のうちの少なくとも一つから求めた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの分布率の時系列変化を加味して人の状態を判定することが好ましい。
前記判定ステップは、前記第1周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記疲労受容信号のパワースペクトルが低下傾向の時系列変化を示している時間帯を、人の状態変化の出現時期であると判定するステップを有することが好ましい。
前記判定ステップは、前記第1周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記疲労受容信号のパワースペクトルが低下傾向の時系列変化を示している時間帯において、前記第1周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記機能調整信号のパワースペクトルが上昇傾向の時系列変化を示した場合に、眠気関連現象出現期と判定するステップを有することが好ましい。
前記判定ステップは、さらに、前記第1周波数変動時系列解析演算ステップから得られる周波数変動時系列波形、前記第2周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形、及び前記第2周波数変動時系列解析演算ステップから得られる周波数変動時系列波形のうちの少なくとも一つから求めた前記機能調整信号が上昇傾向の時系列変化を示した場合に、前記眠気関連現象出現期と判定するステップを有することが好ましい。
前記パワースペクトル演算ステップに用いる前記機能調整信号は周波数0.0027Hz以下であり、前記疲労受容信号は周波数0.002〜0.0052Hzの範囲内であり、前記活動調整信号は周波数0.004〜0.007Hzの範囲内であることが好ましい。
本発明は、人の上体から採取した生体信号の時系列波形から周波数の時系列波形を求め、さらに、周波数傾きの時系列波形、周波数変動の時系列波形を求めてこれらを周波数解析する手段を有する。周波数解析の際には、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求める。そして、各パワースペクトルの時系列変化から人の状態を判定する。疲労受容信号は、通常の活動状態における疲労の進行度合いを示すため、これに併せて、機能調整信号や活動調整信号の優性度合いをそれらの分布率として比較することにより、人の状態(リラックス状態、疲労状態、交感神経優位の状態、副交感神経優位の状態など)をより正確に判定することができる。
図1は、本発明の一の実施形態において用いた生体信号測定手段を示した図である。 図2は、上記実施形態に係る生体信号測定手段の他の態様を示した図である。 図3は、上記生体信号測地手段をシートに組み込む過程を示した図である。 図4は、本発明の一の実施形態に係る生体状態推定装置の構成を示した図である。 図5は、生体信号測定手段により検出した生体信号のピーク値又はゼロクロス地点を用いて、周波数変動時系列波形、周波数変動時系列波形の基線、周波数変動の傾き時系列である周波数傾き時系列波形を求める方法を説明するための図である。 図6(a),(b)は、睡眠導入実験Aにおいて、22名の被験者のデータから眠気の無い時間帯の心部揺動波の原波形を連結して周波数分析した結果を示した図である。 図7(a),(b)は、睡眠導入実験Aにおいて、22名の被験者のデータから眠気の生じた時間帯の心部揺動波の原波形を連結して周波数分析した結果を示した図である。 図8(a)〜(d)は、睡眠導入実験Aの被験者22名中の一人のデータの全測定時間に亘る測定結果を示した図である。 図9(a)〜(d)は、図8の0秒から800秒までの測定結果を示した図である。 図10(a)〜(d)は、図8の900秒から1600秒までの測定結果を示した図である。 図11(a)〜(d)は、図8の1800秒から2600秒までの測定結果を示した図である。 図12(a)〜(d)は、図8の3000秒から3600秒までの測定結果を示した図である。 図13は、「覚醒/活動状態における実験」における6000名分の心部揺動波を連結した波形の周波数分析結果を示す図である。 図14は、図13の0.1Hz以下において破線で囲んだ領域を拡大して示した図である。 図15は、6000名の心部揺動波を連結したデータの周波数傾き時系列波形を用いた周波数解析結果を示した図である。 図16は、周波数傾き時系列波形のパワースペクトルの周波数成分比を示した図である。 図17は、周波数変動時系列波形を用いた周波数解析結果を示した図である。 図18は、6000名中の37名のデータを用いたピーク検出法による周波数傾き時系列波形及び周波数変動時系列波形の周波数解析結果を示した図である。 図19は、6000名中の37名のデータを用いたゼロクロス法による周波数傾き時系列波形及び周波数変動時系列波形の周波数解析結果を示した図である。 図20は、睡眠導入実験における36名のデータを用いたピーク検出法による周波数傾き時系列波形及び周波数変動時系列波形の周波数解析結果を示した図である。 図21は、睡眠導入実験における36名のデータを用いたゼロクロス法による周波数傾き時系列波形及び周波数変動時系列波形の周波数解析結果を示した図である。 図22は、覚醒/活動状態にある人の心部揺動波のゼロクロス法による周波数傾き時系列波形の周波数分析結果を示した図である。 図23は、覚醒/活動状態にある人の心部揺動波のピーク検出法による周波数傾き時系列波形の周波数分析結果を示した図である。 図24は、覚醒/活動状態にある人の心部揺動波のゼロクロス法による周波数変動時系列波形の周波数分析結果を示した図である。 図25は、覚醒/活動状態にある人の心部揺動波のピーク検出法による周波数変動時系列波形の周波数分析結果を示した図である。 図26は、睡眠導入実験Aの被験者22名の心部揺動波のゼロクロス法による周波数傾き時系列波形の周波数分析結果を示した図である。 図27は、睡眠導入実験Aの被験者22名の心部揺動波のピーク検出法による周波数傾き時系列波形の周波数分析結果を示した図である。 図28は、睡眠導入実験Aの被験者22名の心部揺動波のゼロクロス法による周波数変動時系列波形の周波数分析結果を示した図である。 図29は、睡眠導入実験Aの被験者22名の心部揺動波のピーク検出法による周波数変動時系列波形の周波数分析結果を示した図である。 図30は、睡眠導入実験A後半に眠れなかったグループの心部揺動波のゼロクロス法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図31は、睡眠導入実験A後半に眠れなかったグループの心部揺動波のピーク検出法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図32は、睡眠導入実験A後半に眠れなかったグループの心部揺動波のゼロクロス法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図33は、睡眠導入実験A後半に眠れなかったグループの心部揺動波のピーク検出法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図34は、睡眠導入実験A後半に睡眠に入ったグループの心部揺動波のゼロクロス法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図35は、睡眠導入実験A後半に睡眠に入ったグループの心部揺動波のピーク検出法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図36は、睡眠導入実験A後半に睡眠に入ったグループの心部揺動波のゼロクロス法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図37は、睡眠導入実験A後半に睡眠に入ったグループの心部揺動波のピーク検出法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図38は、睡眠導入実験A後半に少し寝たグループの心部揺動波のゼロクロス法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図39は、睡眠導入実験A後半に少し寝たグループの心部揺動波のピーク検出法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図40は、睡眠導入実験A後半に少し寝たグループの心部揺動波のゼロクロス法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図41は、睡眠導入実験A後半に少し寝たグループの心部揺動波のピーク検出法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図42は、睡眠導入実験A前半に覚醒していたグループの心部揺動波のゼロクロス法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図43は、睡眠導入実験A前半に覚醒していたグループの心部揺動波のピーク検出法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図44は、睡眠導入実験A前半に覚醒していたグループの心部揺動波のゼロクロス法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図45は、睡眠導入実験A前半に覚醒していたグループの心部揺動波のピーク検出法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図46は、睡眠導入実験A前半に話をしていたグループの心部揺動波のゼロクロス法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図47は、睡眠導入実験A前半に話をしていたグループの心部揺動波のピーク検出法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図48は、睡眠導入実験A前半に話をしていたグループの心部揺動波のゼロクロス法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図49は、睡眠導入実験A前半に話をしていたグループの心部揺動波のピーク検出法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図50は、睡眠導入実験A前半に終始眠気のあったグループの心部揺動波のゼロクロス法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図51は、睡眠導入実験A前半に終始眠気のあったグループの心部揺動波のピーク検出法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図52は、睡眠導入実験A前半に終始眠気のあったグループの心部揺動波のゼロクロス法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図53は、睡眠導入実験A前半に終始眠気のあったグループの心部揺動波のピーク検出法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図54は、睡眠導入実験Bの被験者の心部揺動波のゼロクロス法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図55は、睡眠導入実験Bの被験者の心部揺動波のピーク検出法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図56は、睡眠導入実験Bの被験者の心部揺動波のゼロクロス法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図57は、睡眠導入実験Bの被験者の心部揺動波のピーク検出法による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図58(a),(b)は、睡眠導入実験Bの日勤グループの心部揺動波のゼロクロス法(a)、ピーク検出法(b)による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図59(a),(b)は、睡眠導入実験Bの夜勤グループの心部揺動波のゼロクロス法(a)、ピーク検出法による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図60(a),(b)は、睡眠導入実験Bの日勤グループの心部揺動波のゼロクロス法(a)、ピーク検出法(b)による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図61(a),(b)は、睡眠導入実験Bの夜勤グループの心部揺動波のゼロクロス法(a)、ピーク検出法(b)による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図62(a),(b)は、睡眠導入実験Bの起きていたグループの心部揺動波のゼロクロス法(a)、ピーク検出法(b)による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図63(a),(b)は、睡眠導入実験Bの起きていたグループの心部揺動波のゼロクロス法(a)、ピーク検出法(b)による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図64(a),(b)は、睡眠導入実験Bの眠気はあったが寝ていないグループの心部揺動波のゼロクロス法(a)、ピーク検出法(b)による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図65(a),(b)は、睡眠導入実験Bの眠気はあったが寝ていないグループの心部揺動波のゼロクロス法(a)、ピーク検出法(b)による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図66(a),(b)は、睡眠導入実験Bの少し寝たグループの心部揺動波のゼロクロス法(a)、ピーク検出法(b)による周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す図である。 図67(a),(b)は、睡眠導入実験Bの少し寝たグループの心部揺動波のゼロクロス法(a)、ピーク検出法(b)による周波数変動時系列の周波数分析結果を示す図である。 図68は、眠気発現時の周波数分析結果の基本パターンを示すもので、(a)はゼロクロス法による周波数傾き時系列波形の周波数解析結果を、(b)は ゼロクロス法による周波数変動時系列波形の周波数解析結果を、(c)はピーク検出法による周波数傾き時系列波形の周波数解析結果を、(d)はピーク検出法による周波数変動時系列波形の周波数解析結果をそれぞれ示した図である。 図69は、眠気発現時から入眠予兆現象発現時に進行していく場合に眠気に抵抗する際の周波数解析結果のパターンを示すもので、(a)はゼロクロス法による周波数傾き時系列波形の周波数解析結果を、(b)は ゼロクロス法による周波数変動時系列波形の周波数解析結果を、(c)はピーク検出法による周波数傾き時系列波形の周波数解析結果を、(d)はピーク検出法による周波数変動時系列波形の周波数解析結果をそれぞれ示した図である。 図70は、眠気発現時から入眠予兆現象発現時に進行していく場合に眠気を受け入れる際の周波数解析結果のパターンを示すもので、(a)はゼロクロス法による周波数傾き時系列波形の周波数解析結果を、(b)は ゼロクロス法による周波数変動時系列波形の周波数解析結果を、(c)はピーク検出法による周波数傾き時系列波形の周波数解析結果を、(d)はピーク検出法による周波数変動時系列波形の周波数解析結果をそれぞれ示した図である。 図71(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおける一の被験者の実験結果を示した図である。 図72(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおける他の被験者の実験結果を示した図である。 図73(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図74(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図75(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図76(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図77(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図78(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図79(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図80(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図81(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図82(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図83(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図84(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図85(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図86(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図87(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図88(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図89(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図90(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図91(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。 図92(a)〜(j)は、睡眠導入実験Aにおけるさらに他の被験者の実験結果を示した図である。
以下、図面に示した本発明の実施形態に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る生体状態推定装置60の分析対象である生体信号、ここでは心房の動きに伴う背部の大動脈の揺れを採取する生体信号測定手段1を示した図であり、図3は、該生体信号測定手段1を自動車用のシート100に組み込む過程を示した図である。まず、この生体信号測定手段1について説明する。生体信号測定手段1は、三次元立体編物10、三次元立体編物支持部材15、フィルム16、板状発泡体21,22、振動センサ30を有して構成される。
三次元立体編物10は、例えば、特開2002−331603号公報に開示されているように、互いに離間して配置された一対のグランド編地と、該一対のグランド編地間を往復して両者を結合する多数の連結糸とを有する立体的な三次元構造となった編地である。
一方のグランド編地は、例えば、単繊維を撚った糸から、ウェール方向及びコース方向のいずれの方向にも連続したフラットな編地組織(細目)によって形成され、他方のグランド編地は、例えば、短繊維を撚った糸から、ハニカム状(六角形)のメッシュを有する編み目構造に形成されている。もちろん、この編地組織は任意であり、細目組織やハニカム状以外の編地組織を採用することもできるし、両者とも細目組織を採用するなど、その組み合わせも任意である。連結糸は、一方のグランド編地と他方のグランド編地とが所定の間隔を保持するように、2つのグランド編地間に編み込んだものである。本実施形態では、三次元立体編物の固体振動、特に、連結糸の弦振動を検出するものであるため、連結糸はモノフィラメントから構成することが好ましいが、採取する生体信号の種類に応じて共振周波数を調整するため、連結糸もマルチフィラメントから構成することもできる。
また、三次元立体編物10は、厚み方向の荷重−たわみ特性が、測定板上に載置して直径30mm又は直径98mmの加圧板で加圧した際に、荷重100Nまでの範囲で、人の臀部の筋肉の荷重−たわみ特性に近似したバネ定数を備えることが好ましい。具体的には直径30mmの加圧板で加圧した際の当該バネ定数が0.1〜5N/mmの範囲、又は、直径98mmの加圧板で加圧した際の当該バネ定数が1〜10N/mmであるものを用いることが好ましい。人の臀部の筋肉の荷重−たわみ特性に近似していることにより、三次元立体編物と筋肉とが釣り合い、心拍、呼吸、心房や大動脈の揺動などの生体信号が伝播されると、三次元立体編物が人の筋肉と同様の振動を生じることになり、生体信号を大きく減衰させることなく伝播できる。
このような三次元立体編物としては、例えば、以下のようなものを用いることができる。なお、各三次元立体編物は、必要に応じて複数枚積層して用いることもできる。
(1)製品番号:49076D(住江織物(株)製)
材質:
表側のグランド編地・・・300デシテックス/288fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸と700デシテックス/192fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸との撚り糸
裏側のグランド編地・・・450デシテックス/108fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸と350デシテックス/1fのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントとの組み合わせ
連結糸・・・・・・・・・350デシテックス/1fのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント
(2)製品番号:49011D(住江織物(株)製)
材質:
グランド編地(縦糸)・・・600デシテックス/192fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸
グランド編地(横糸)・・・300デシテックス/72fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸
連結糸・・・・・・・・・800デシテックス/1fのポリエチレンテレフタレートモノフィラメント
(3)製品番号:49013D(住江織物(株)製)
材質:
表側のグランド編地・・・450デシテックス/108fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸の2本の撚り糸
裏側のグランド編地・・・450デシテックス/108fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸の2本の撚り糸
連結糸・・・・・・・・・350デシテックス/1fのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント
(4)製品番号:69030D(住江織物(株)製)
材質:
表側のグランド編地・・・450デシテックス/144fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸の2本の撚り糸
裏側のグランド編地・・・450デシテックス/144fのポリエチレンテレフタレート繊維仮撚加工糸と350デシテックス/1fのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメントとの組み合わせ
連結糸・・・・・・・・・350デシテックス/1fのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント
(5)旭化成せんい(株)製の製品番号:T24053AY5−1S
板状発泡体21,22は、ビーズ発泡体により構成することが好ましい。ビーズ発泡体としては、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンのいずれか少なくとも一つを含む樹脂のビーズ法による発泡成形体が用いることができる。ビーズ発泡体からなる板状発泡体21,22は、個々の微細なビーズを構成している発泡により形成された球状の樹脂膜の特性により、微小な振幅を伴う生体信号を膜振動として伝播する。この膜振動が三次元立体編物に弦振動として伝わり、これらの膜振動と弦振動が重畳され、生体信号は、膜振動と弦振動が重畳されることによって増幅された機械振動として、後述する振動センサ30により検出される。従って、生体信号の検出が容易になる。
板状発泡体21,22をビーズ発泡体から構成する場合、発泡倍率は25〜50倍の範囲で、厚さがビーズの平均直径以下に形成されていることが好ましい。例えば、30倍発泡のビーズの平均直径が4〜6mm程度の場合では、板状発泡体21,22の厚さは3〜5mm程度にスライスカットする。これにより、板状発泡体21,22に柔らかな弾性が付与され、振幅の小さな振動に共振した固体振動を生じやすくなる。なお、板状発泡体21,22は、本実施形態のように、三次元立体編物10を挟んで両側に配置されていても良いが、いずれか片側、好ましくは、シートバック側のみに配置した構成とすることもできる。
ここで、三次元立体編物10は、幅40〜100mm、長さ100〜300mmの範囲の短冊状のものが用いられる。この大きさのものだと、三次元立体編物10に予備圧縮(連結糸に張力が発生する状態)を生じやすくなり、人と三次元立体編物10との間で平衡状態が作りやすい。本実施形態では、人が背部が当接した際の違和感軽減のため、脊柱に対応する部位を挟んで対象に2枚配設するようにしている。三次元立体編物10を簡単に所定位置に配置するようにするため、図1に示したように、三次元立体編物10は三次元立体編物支持部材15に支持させた構成とすることが好ましい。三次元立体編物支持部材15は、板状に成形され、脊柱に対応する部位を挟んで対称位置に、縦長の配置用貫通孔15a,15aが2つ形成されている。三次元立体編物支持部材15は、上記板状発泡体21,22と同様に、板状に形成されたビーズ発泡体から構成することが好ましい。三次元立体編物支持部材15をビーズ発泡体から構成する場合の好ましい発泡倍率、厚さの範囲は上記板状発泡体21,22と同様である。但し、生体信号により膜振動をより顕著に起こさせるためには、三次元立体編物10,10の上下に積層される板状発泡体21,22の厚さが、三次元立体編物支持部材15の厚さよりも薄いことが好ましい。
三次元立体編物支持部材15に形成した配置用貫通孔15a,15aに、2つの三次元立体編物10,10を挿入配置した状態で、三次元立体編物10,10の表側及び裏側にフィルム16,16を積層する。本実施形態では、配置用貫通孔15a,15aの周縁部にフィルム16,16の周縁部を貼着して積層する。なお、配置用貫通孔15a,15aの形成位置(すなわち、三次元立体編物10,10の配設位置)は、心房と大動脈(特に、「下行大動脈」)の拍出に伴う動きによって生じる揺れ及び大動脈弁の動きを検知可能な領域に相当する位置とすることが好ましい。この結果、三次元立体編物10,10は、上下面が板状発泡体21,22によりサンドイッチされ、周縁部が三次元立体編物支持部材15によって取り囲まれており、板状発泡体21,22及び三次元立体編物支持部材15が共振箱(共鳴箱)の機能を果たす。なお、大動脈の壁は、動脈の中でも弾力性に富んでおり、心臓から直接送り出される血液の高い圧力を受け止めることができ、また、心臓の左心室からでたばかりのところには逆流防止の弁である大動脈弁がある。このため、三次元立体編物の位置を上記の位置にすると、生体の定常性維持のための脳と自律神経系の負のフィードバック機構の動きをよく捉えることができる。
また、三次元立体編物支持部材15よりも、三次元立体編物10,10の方が厚いものを用いることが好ましい。つまり、三次元立体編物10,10を配置用貫通孔15a,15aに配置した場合には、三次元立体編物10,10の表面及び裏面が、該配置用貫通孔15a,15aよりも突出するような厚さ関係とする。これにより、フィルム16,16の周縁部を配置用貫通孔15a,15aの周縁部に貼着すると、三次元立体編物10,10は厚み方向に押圧されるため、フィルム16,16の反力による張力が発生し、該フィルム16,16に固体振動(膜振動)が生じやすくなる。一方、三次元立体編物10,10にも予備圧縮が生じ、三次元立体編物の厚さ形態を保持する連結糸にも反力による張力が生じて弦振動が生じやすくなる。なお、フィルム16,16は、三次元立体編物10,10の表側及び裏側の両側に設けることが好ましいが、いずれか少なくとも一方に設けた構成とすることも可能である。
三次元立体編物10,10の連結糸は、一対のグランド編地間に掛け渡されるため、いわばコイル状に巻かれた長い弦となり、上下の節点に共振箱(共鳴箱)の機能を果たすフィルム16,16及び板状発泡体21,22が配設されている。心拍変動に代表される生体信号は、低周波であるため、このような長い弦と多数の節点を備えた共振システムにより増幅される。つまり、連結糸の弦振動が多数の節点を介してフィルム16,16の膜振動及び板状発泡体21,22のビーズの膜振動を起こさせ、これらが重畳して作用し、増幅される。なお、三次元立体編物の連結糸の節点間の間隔、すなわち、連結糸の配置密度は高いほど好ましい。
また、フィルム16,16を板状発泡体21,22側に予め貼着して一体化しておき、板状発泡体21,22を三次元立体編物支持部材15に積層するだけで、フィルム16,16を三次元立体編物10,10の表側及び裏側に配置できる構成とすることも可能である。但し、三次元立体編物10,10に予備圧縮を付与するためには、上記のように、フィルム16,16を三次元立体編物支持部材15の表面に固着することが好ましい。また、図1のように、三次元立体編物10毎に対応してフィルムを配設するのではなく、図2に示したように、2つの三次元立体編物10,10を両方とも覆うことのできる大きさのフィルム16を用いるようにしてもよい。
フィルム16,16としては、例えば、心拍変動を捉えるには、ポリウレタンエラストマーからなるプラスチックフィルム(例えば、シーダム株式会社製、品番「DUS605−CDR」)を用いることが好ましい。但し、フィルム16,16は固有振動数が合致すれば共振による膜振動を生じるため、これに限るものではなく、採取する対象(心拍、呼吸、心房や大動脈の揺動等)に応じた固有振動数を有するものを使用することが好ましい。例えば、後述の試験例で示したように、伸縮性の小さい素材、例えば、熱可塑性ポリエステルからなる不織布(例えば、帝人(株)製のポリエチレンナフタレート(PEN)繊維(1100dtex)から形成した2軸織物(縦:20本/inch、横:20本/inch))を用いることも可能である。また、例えば、伸度2 0 0 % 以上、1 0 0 % 伸長時の回復率が8 0 % 以上である弾性繊維不織布( 例えば、K B セーレン( 株) 製、商品名「エスパンシオーネ」) を用いることも可能である。
振動センサ30は、上記したフィルム16,16を積層する前に、いずれか一方の三次元立体編物10に固着して配設される。三次元立体編物10は一対のグランド編地と連結糸とから構成されるが、各連結糸の弦振動がグランド編地との節点を介してフィルム16,16及び板状発泡体21,22に伝達されるため、振動センサ30は感知部30aを三次元立体編物10の表面(グランド編地の表面)に固着することが好ましい。振動センサ30としては、マイクロフォンセンサ、中でも、コンデンサ型マイクロフォンセンサを用いることが好ましい。本実施形態では、マイクロフォンセンサを配置した部位(すなわち、三次元立体編物10を配置した配置用貫通孔15a)の密閉性を考慮する必要がないため、マイクロフォンセンサのリード線の配線は容易に行うことができる。本実施形態では、上記したように、生体信号に伴う人の筋肉を介した体表面の振動は、三次元立体編物10だけでなく、板状発泡体21,22、フィルム16にも伝播され、それらが振動(弦振動、膜振動)して重畳されて増幅する。よって、振動センサ30は、三次元立体編物10に限らず、振動伝達経路を構成する板状発泡体21,22及びフィルム16に、その感知部30aを固定することもできる。なお、本実施形態では、三次元立体編物10、三次元立体編物支持部材15、板状発泡体21,22、フィルム16が生体信号を機械的に増幅させるため、これらが機械的増幅デバイスを構成する。
上記した生体信号測定手段1は、例えば、図3に示したように、自動車用シート100のシートバックフレーム110に被覆される表皮120の内側に配置される。なお、配置作業を容易にするため、生体信号測定手段1を構成する三次元立体編物10、三次元立体編物支持部材15、フィルム16、板状発泡体21,22、振動センサ30等は予めユニット化しておくことが好ましい。
上記した生体信号測定手段1は、三次元立体編物10と三次元立体編物10の周辺に積層される板状発泡体21,22とを備えた機械的増幅デバイス、好ましくは、三次元立体編物10と板状発泡体21,22との間にフィルム16が配設された機械的増幅デバイスを有し、この機械的増幅デバイスに振動センサが取り付けられた構成である。心拍、呼吸、心房や大動脈の揺動などの人の生体信号による体表面の微小振動は、板状発泡体21,22、フィルム16及び三次元立体編物10に伝播されるが、板状発泡体21,22及びフィルム16では膜振動を生じ、三次元立体編物には糸の弦振動を生じさせる。
さらに言えば、三次元立体編物10は、一対のグランド編地間に連結糸が配設されてなるが、人の筋肉の荷重−たわみ特性に近似した荷重−たわみ特性を備えている。従って、三次元立体編物10を含んだ機械的増幅デバイスの荷重−たわみ特性を筋肉のそれに近似させたものにして、それを筋肉に隣接して配置されることで、筋肉及び三次元立体編物間の内外圧差が等しくなり、心拍、呼吸、心房や大動脈の揺動などの生体信号を正確に伝えることができ、これにより、三次元立体編物10を構成する糸(特に、連結糸)に弦振動を生じさせることができる。また、三次元立体編物10に積層された板状発泡体21,22、好ましくはビーズ発泡体は、ビーズの有する柔らかな弾性と小さな密度により各ビーズに膜振動が生じやすい。フィルム16は、周縁部を固定し、人の筋肉の荷重−たわみ特性に近似する三次元立体編物で弾性支持することにより、所定の張力が生じるため、膜振動が生じやすい。すなわち、生体信号測定手段1によれば、心拍、呼吸、心房や大動脈の揺動などの生体信号により、筋肉の荷重−たわみ特性に近似する荷重−たわみ特性をもつ機械的増幅デバイス内の板状発泡体21,22やフィルム16に膜振動が生じると共に、人の筋肉の荷重−たわみ特性に近似した荷重−たわみ特性を有する三次元立体編物10に弦振動が生じる。そして、三次元立体編物10の弦振動は再びフィルム16等の膜振動に影響を与え、これらの振動が重畳して作用する。その結果、生体信号に伴って体表面から入力される振動は、弦振動と膜振動との重畳によって増幅された固体振動として直接振動センサ30により検出されることになる。
本発明で使用する生体信号測定手段1としては、従来のように密閉袋内の空気圧変動を検出する構成としたものを用いることも可能であるが、体積と圧力が反比例関係にあるため、密閉袋の体積を小さくしないと圧力変動を検出しにくい。これに対し、上記した生体信号測定手段1によれば、空気圧変動ではなく、上記のように、機械的増幅デバイス(三次元立体編物10、板状発泡体21,22、フィルム16)に伝播される増幅された固体振動を検出するものであるため、その容積(体積)が検出感度の観点から制限されることはほとんどなく、心拍、呼吸、心房や大動脈の揺動等に伴う振幅の小さな振動を感度良く検出できる。このため、多様な体格を有する人に対応できる。従って、上記生体信号測定手段1は、乗物用シートのように、多様な体格を有する人が利用し、さらに多様な外部振動が入力される環境下においても感度良く生体信号を検出できる。また、密閉構造を作る必要がないため、製造工程が簡素化され、製造コストも下げることができ、量産に適している。
なお、上記した生体信号測定手段1は、シート100の表皮120の内側に組み込んでいるが、表皮120の表面に後付で取り付けるシート用クッションに組み込むようにしてもよい。但し、後付で取り付ける場合は、三次元立体編物が体重により予備圧縮が生じやすいように、シートと三次元立体編物との間に、硬い面を設けることが、例えば、面剛性の高い三次元立体編物、あるいは、ポリプロピレンなどの合成樹脂製の厚さ1〜2mm程度のプレートを挿入するなどすることが好ましい。例えば、柔らかい圧縮特性をもつシートの場合、三次元立体編物が予備圧縮されず、そのために生体信号が反射されずに吸収されてしまうが、上記のような硬い面を設けることにより、このようなシート側の圧縮特性のばらつきが吸収され、振幅の大きな生体信号がとりやすくなる。
次に、生体状態推定装置60の構成について図4に基づいて説明する。生体状態推定装置60には、ハードディスク等の記憶部に設定されるコンピュータプログラムからなる、第1周波数演算手段(第1周波数演算ステップ)610と、第2周波数演算手段(第2周波数演算ステップ)620と、第1周波数傾き時系列解析演算手段(第1周波数傾き時系列解析演算ステップ)630と、第2周波数傾き時系列解析演算手段(第2周波数傾き時系列解析演算ステップ)640と、第1周波数変動時系列解析演算手段(第1周波数変動時系列解析演算ステップ)650と、第2周波数変動時系列解析演算手段(第2周波数変動時系列解析演算ステップ)660と、パワースペクトル演算手段(パワースペクトル演算ステップ)670と、判定手段(判定ステップ)680等を有して構成される。なお、コンピュータプログラムは、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体へ記憶させて提供することもできるし、通信回線を通じて伝送することも可能である。
第1及び第2周波数演算手段(第1及び第2周波数演算ステップ)610,620は、生体信号測定手段1の振動センサ30から得られ出力信号の時系列データ(好ましくは、フィルタリング処理された所定の周波数領域の時系列データ)における周波数の時系列波形を求める。このうち、第1周波数演算手段610は、交感神経機能の指標として用いられるLF/HFに関するもので、第2周波数演算手段620は、副交感神経機能の指標として用いられるHFに関するものである。
具体的には、第1周波数演算手段610は、生体信号測定手段1の振動センサから得られる出力信号の時系列波形において、正から負に切り替わる地点(以下、「ゼロクロス地点」という)を用いて周波数の時系列波形を求める方法(以下、「ゼロクロス法」という)である。このゼロクロス法は、生体信号の周波数の基本成分を捉えるものであり、周波数調節における負のフィードバック機構である中枢における調節機能の作用により周波数平衡状態となっているか否かを示すもので、LF/HFの発現の強弱レベルを示す。この方法では、まず、ゼロクロス地点を求めたならば、それを例えば5秒毎に切り分け、その5秒間に含まれる時系列波形のゼロクロス地点間の時間間隔の逆数を個別周波数fとして求め、その5秒間における個別周波数fの平均値を当該5秒間の周波数Fの値として採用する(図5の[1]のステップ)。そして、この5秒毎に得られる周波数Fをプロットすることにより、周波数の時系列波形を求める(図5の[2]のステップ)。
第2周波数演算手段620は、生体信号測定手段1の振動センサから得られる出力信号の時系列波形を平滑化微分して極大値(ピーク)を用いて時系列波形を求める方法(以下、「ピーク検出法」という)である。ピーク検出法は、基本的にはHFの機能に相当する時系列波形である。例えば、SavitzkyとGolayによる平滑化微分法により極大値を求める。次に、例えば5秒ごとに極大値を切り分け、その5秒間に含まれる時系列波形の極大値(波形の山側頂部)間の時間間隔の逆数を個別周波数fとして求め、その5秒間における個別周波数fの平均値を当該5秒間の周波数Fの値として採用する(図5の[1]のステップ)。そして、この5秒毎に得られる周波数Fをプロットすることにより、周波数の時系列波形を求める(図5の[2]のステップ)。
第1及び第2周波数傾き時系列解析演算手段(第1及び第2周波数傾き時系列解析演算ステップ)630,640は、第1及び第2周波数演算手段610,620によって、ゼロクロス法又はピーク検出法を用いて得られた生体信号測定手段1の振動センサの出力信号の周波数の時系列波形から、所定の時間幅の時間窓を設定し、時間窓毎に最小二乗法により振動センサの出力信号の周波数の傾きを求め、その時系列波形を出力する構成である。具体的には、まず、ある時間窓Tw1における周波数の傾きを最小二乗法により求めてプロットする(図5の[3],[5]のステップ)。次に、オーバーラップ時間Tl(図5の[6]のステップ)で次の時間窓Tw2を設定し、この時間窓Tw2における周波数の傾きを同様に最小二乗法により求めてプロットする。この計算(移動計算)を順次繰り返し、エアパック信号の周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する(図5の[8]のステップ)。なお、時間窓Twの時間幅は180秒に設定することが好ましく、オーバーラップ時間Tlは162秒に設定することが好ましい。これは、本出願人による上記特許文献3(WO2005/092193A1公報)において示したように、時間窓Twの時間幅及びオーバーラップ時間Tlを種々変更して行った睡眠実験から、特徴的な信号波形が最も感度よく出現する値として選択されたものである。
なお、第1周波数傾き時系列解析演算手段(第1周波数傾き時系列解析演算ステップ)630は、ゼロクロス法を用いた第1周波数演算手段610の周波数の時系列波形から周波数傾き時系列波形を求める手段であり、第2周波数傾き時系列解析演算手段(第2周波数傾き時系列解析演算ステップ)640は、ピーク検出法を用いた第2周波数演算手段620の周波数の時系列波形から周波数傾き時系列波形を求める手段である。ゼロクロス法を用いた第1周波数傾き時系列解析演算手段630により得られる周波数傾き時系列波形は、交感神経及び副交感神経の発現のバランスを捉えた生体のゆらぎを示すものであり、ピーク検出法を用いた第2周波数傾き時系列解析演算手段640により求めた時系列波形は、副交感神経の状態を捉えた生体のゆらぎを示すものである。
第1及び第2周波数変動時系列解析演算手段(周波数変動時系列解析演算ステップ)650,660は、第1及び第2周波数演算手段610,620により得られた生体信号測定手段1の振動センサの出力信号の周波数の時系列波形(図5の[2]のステップ)に、所定の時間幅の時間窓(好ましくは180秒)を設定し、周波数の平均値を求める(図5の[3],[4]のステップ)。次に、所定のオーバーラップ時間(好ましくは162秒)で設定した所定の時間窓(好ましくは180秒)毎に振動センサの出力信号の周波数の平均値を求める移動計算を行い、プロットする。そして、時間窓毎にプロットされた周波数の平均値の時系列変化を周波数変動時系列波形として出力する(図5の[7]のステップ)。そして、周波数傾き時系列波形と周波数変動時系列波形とを併せて出力すると図5[9]のステップのようになる。なお、周波数変動時系列波形から心拍数も求められる。
なお、第1周波数変動時系列解析演算手段(第1周波数変動時系列解析演算ステップ)650は、ゼロクロス法を用いた第1周波数演算手段610の周波数の時系列波形から周波数変動時系列波形を求める手段であり、第2周波数変動時系列解析演算手段(第2周波数変動時系列解析演算ステップ)660は、ピーク検出法を用いた第2周波数演算手段620の周波数の時系列波形から周波数傾き時系列波形を求める手段である。
パワースペクトル演算手段(パワースペクトル演算ステップ)670は、第1周波数傾き時系列解析演算手段630から得られる周波数傾き時系列波形、第2周波数傾き時系列解析演算手段640から得られる周波数傾き時系列波形、第1周波数変動時系列解析演算手段650から得られる周波数変動時系列波形、第2周波数変動時系列解析演算手段660から得られる周波数変動時系列波形をそれぞれ周波数解析し、上記した機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求める手段である。
ここで、上記したように、疲労受容信号は、0.0033Hz近傍(0.002〜0.0052Hzの範囲)の信号で、活動調整信号は、0.0055Hz近傍(0.004〜0.007Hzの範囲)の信号で、機能調整信号は、疲労受容信号の約1/2の周波数の近傍(0.0027Hz以下の範囲)の信号である。但し、本発明者らが多数のデータを周波数解析して調整した結果、機能調整信号の条件である0.0027Hz以下の範囲である0.00179Hzを機能調整信号の基軸周波数とし、疲労受容信号の条件である0.002〜0.0052Hzの範囲である、0.00179Hzの2倍の0.00358Hzを疲労受容信号の基軸周波数とし、活動調整信号の条件である0.004〜0.007Hzの範囲である、0.00179Hzの3倍の0.00537Hzを活動調整信号の基軸周波数としている。これについては、後述の試験例において詳細に説明する。
判定手段(判定ステップ)680は、パワースペクトル演算手段670により求められた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの大きさの時系列の推移を比較判定する。パワースペクトルは、値が大きいほど亢進していることを示す。
判定手段680は、まず、第1周波数傾き時系列解析演算手段630から得られる周波数傾き時系列波形(以下、「第1周波数傾き時系列波形」という)を用いてパワースペクトル演算手段670により求めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの時系列変化を出力し、各信号の相対的な優勢度合いを分布率として求めて人の状態を判定する手段(ステップ)を有する。第1周波数傾き時系列波形は、ゼロクロス法を用いた周波数時系列波形から求めたものであり、交感神経及び副交感神経の発現のバランスを捉えた生体のゆらぎを示すものであるため、生体状態を判定する基本的な指標と考えられるからである。そして、判定手段680は、各信号のパワースペクトルが時間経過に伴ってどのように推移するか、すなわち、分布率がどのように変化するかにより、人の状態を判定する。
後述の試験結果から、頑張ったり、疲労の進行に抵抗したりするような活動時であれば、時間経過に伴って疲労が進行していくため、疲労受容信号の分布率が徐々にあるいは急に上昇していくか、ゆらぎを伴いながらほぼ水平に推移していく(例えば、図77(g)では、24〜31分付近が後述する「眠気関連現象出現期」であるが、その前の時間帯では疲労受容信号の分布率はゆらぎを伴いながらほぼ水平に推移している)。そして、活動時においては、脳や自律神経系の制御による影響度合いが高いため、活動調整信号は非活動時(例えば、睡眠移行時や睡眠時)と比較して相対的に高いレベルで推移する(例えば、図77(g)の24〜31分付近の眠気関連現象出現期より前の時間帯よりも、後の時間帯の方が、パワースペクトルのレベルが小さくなっている)。一方、機能調整信号は、非活動時の方が活動時よりも相対的に高いレベルで推移する(例えば、図77(g)の24〜31分付近の眠気関連現象出現期(非活動時)の時間帯の方が、その前の活動時の時間帯よりもパワースペクトルのレベルが高くなっている。また、45分以降も、睡眠に入ってはいけないと感じながらも眠気に負けて睡眠に入っている)。
中でも、特徴的な変化として、疲労受容信号が低下傾向の時系列変化を示している時間帯において、機能調整信号のパワースペクトルが上昇傾向の時系列変化を示す場合があるが(例えば、図77(g)では、24〜31分付近)、これは、後述の試験結果から、被験者に眠気に関する何らかの兆候(睡眠に至る前に出現する入眠予兆現象、一時的な眠気現象(短時間で覚醒する眠気)、あるいは、浅い睡眠状態等の兆候であるが、本明細書では、これらをまとめて「眠気関連現象出現期」とする)を示すと判定できる。
また、眠気関連現象出現期においては、機能調整信号のパワースペクトルが、疲労受容信号や活動調整信号に対して相対的に上昇傾向を示すが、この傾向は、後述の試験結果から、第2周波数傾き時系列解析演算手段640から得られる周波数傾き時系列波形(以下、「第2周波数傾き時系列波形」という)、第1周波数変動時系列解析演算手段650から得られる周波数変動時系列波形(以下、「第1周波数変動時系列波形」という)、第2周波数変動時系列解析演算手段660から得られる周波数変動時系列波形(以下、第2周波数変動時系列波形」という)における機能調整信号のうちいずれかのパワースペクトルも、疲労受容信号や活動調整信号に対して相対的に上昇傾向を示すケースが多い(例えば、図73(g)において35〜40分付近において眠気関連現象出現期が見られるが、その時間帯に、(h)〜(j)に示した第2周波数傾き時系列波形、第1周波数変動時系列波形、第2周波数変動時系列波形における機能調整信号の上昇傾向が見られる)。これらは、副交感神経活動が亢進したことを示すものであり、第1周波数傾き時系列波形における機能調整信号のパワースペクトルの上昇に加えて、第2周波数傾き時系列波形、第1周波数変動時系列波形、第2周波数変動時系列波形における各機能調整信号が上昇した場合には、眠気関連現象出現期をより確実に特定できる。すなわち、上昇傾向を示す機能調整信号の数が多いほど、眠気関連現象出現期の判断の確実性が高まる。従って、眠気関連現象出現期の判断には、第1周波数傾き時系列波形における機能調整信号のパワースペクトルの上昇に加えて、第2周波数傾き時系列波形、第1周波数変動時系列波形、第2周波数変動時系列波形における各機能調整信号のいずれか一つ以上の変化を併せて見ることが好ましい。
試験例
(試験内容)
「覚醒/活動状態における実験」と「睡眠導入実験」を行った。
「覚醒/活動状態における実験」
図1に示した生体信号測定手段1を、(株)デルタツーリング製、商品名「ツインランバー」の背部の裏側に積層し、屋内に設置した自動車用シートに取り付け、無作為抽出の10〜70歳代の男女のべ6000名の人の座位姿勢での心房や大動脈の揺動による生体信号(以下、「心部揺動波」という)を3日間かけて採取した。計測時間は1.5分間〜30分間でる。なお、生体信号測定手段1を構成する板状発泡体21,22及び三次元立体編物支持部材15は、ビーズの平均直径が約5mmで、厚さ3mmにスライスカットしたビーズ発泡体を用いた。三次元立体編物10は、住江織物(株)製、製品番号:49011Dで、厚さ10mmのものであった。フィルム16は、シーダム株式会社製、品番「DUS605−CDR」を用いた。
「睡眠導入実験」
睡眠導入実験はA,Bの2種類の実験条件で行った。いずれも、上記の「覚醒/活動状態における実験」で用いたものと同じ自動車用シートに被験者を着座させて行った。睡眠導入実験Aは、人通りの無い屋内の隔離された空間で、実験開始30分間は眠気に耐えて覚醒状態を維持することを義務付けた。その後、30分間以降は各自に意志に任せ、眠たい人は眠りに入り、まだ頑張り続けられる人は頑張っても良いというものである。ただし、入眠すると即起床させた。睡眠導入実験Bは、各人自由意志に任せて、自由に睡眠に入ってもらう午前9時〜午後8時にかけての睡眠実験である。睡眠導入実験Aの被験者は20〜50歳代の健常な男女22名である。睡眠導入実験Bの被験者は20歳代の健常な男性14名で、サーカディアンリズムの影響を調べるために日勤者だけでなく夜勤者も被験者にした。
睡眠導入実験A,B実験では、心部揺動波の採取に併行して、従来の医学的指標、脳波・心電図・指尖容積脈波の採取も行った。脳波は、脳波測定器(睡眠導入実験Aでは、「日本光電工業(株)、EEG−9100、ニューロファックスμ」を使用、睡眠導入実験Bでは、「フューテックエレクトロニクス(株)、FM−515A」を使用)を装着して測定し、指尖容積脈波は、指尖容積脈波計((株)アムコ製、フィンガークリッププローブ SR−5C)を装着して測定した。
(特徴的な信号周波数の確認)
図6(a)は、睡眠導入実験Aにおいて、22名の被験者のデータから眠気の無い時間帯の心部揺動波の原波形を連結して周波数分析結果を示したものである。眠気の無い被験者には0.6〜0.7Hzにピークが生じ、そして心拍変動を示す1.0〜1.3Hzにピークが生じる。図7(a)は睡眠導入実験Aにおいて、22名の被験者のデータから眠気の生じた時間帯の心部揺動波の原波形を連結して周波数分析結果を示したものである。眠気の有る被験者には0.6〜0.7Hzにはピークは無いが、心拍変動を示す1.0〜1.3Hzにピークが生じる。以上の実験結果から、覚醒状態にある時間帯(眠気の無い時間帯)の心部揺動波は心拍変動(1.0〜1.3Hz)の約1/2の周波数帯域に揺らぎを生じる。一方眠気を生じた時間帯には、この帯域の揺らぎは無くなることを示す。これは原波形上では小さな差としてしか認められず判別がし難い。そこで、図6(a)、図7(a)の0.007Hz以下の領域を拡大して見たものが図6(b)、図7(b)である。図6(b)と図7(b)との比較から、図6(a)の0.6〜0.7Hzに生じる揺らぎは、図6(b)に示される0.0015Hz、0.002Hz、0.003Hz、0.0042Hz、0.0053Hzに揺らぎを生じさせることが分かった。本実施形態の生体状態推定装置60に設定される上記のプログラムは、このウルトラ、超低周波領域の揺らぎを出現させるものであり、この解析手法を適用することにより、眠気の有無、入眠予兆現象といった睡眠関連現象を同定できる。
図8〜図12は、睡眠導入実験Aの被験者22名中の一人のデータを表示したものである。この被験者は不整脈が出現し易い体質である。図9に示した0秒から800秒までは覚醒状態を維持し、図10に示した900秒から1600秒の間は眠気に抵抗していた状態である。図11に示した1800秒から2600秒の間は、「眠っても良いよ」という指示の元に安心して眠りに入った状態で、睡眠段階で言えばS1からS2に移行した状態である。図12に示した3000秒から3600秒の間はS1の状態である。睡眠導入実験Aの脈波原波形周波数分析結果(全測定結果(図8))では、0.5Hz〜0.8Hzに1次のピークがあり、1.2Hzに2次の大きなピークが出現した。前者が揺らぎの周波数帯を示し、後者は心拍変動の周波数を示す。これは図6に示す状態を再現したものである。0秒から800秒間の覚醒状態については0.5Hzから0.8Hzの間で揺らぎが生じている。心拍変動の周波数は1.2Hzである。図8〜図10の時系列波形においては(a)は心部揺動波の原波形を示し、(b)は0.5Hz〜0.8Hzの揺らぎの波形を示し、(c)の波形は1.2Hzの心拍変動を示す。すなわち心部揺動波は1.2Hzの心拍変動と0.5〜0.8Hzの心房と大動脈の揺れによって作られる波形との合算と考えられる。図9〜図12の(d)に示した各周波数分析結果を見ると、0.5Hz〜0.8Hzの揺らぎの波形を比較すると、図9(b)に示した覚醒状態における揺らぎ波形が一番大きいパワー値を示し、睡眠深度が進行するに連れてパワー値は低下していく。この状態は周波数分析結果の0.5Hzから0.8Hzのパワースペクトルの大小として出現している。心拍変動については覚醒状態では周期的な揺らぎを生じ、睡眠が深くなるに連れて揺らぎは小さくなる。昼寝に相当する状態では、覚醒から睡眠への状態変化の中では周波数、パワー値ともに変化は見られない。心部揺動波についても、同じ傾向が出現している。ただし睡眠が深くなると、揺らぎの減少とともにパワー値が30%程度低下している。
一方、図13は、「覚醒/活動状態における実験」における6000名分の心部揺動波を連結した波形の周波数分析結果を示す。この周波数分析から、心部揺動波として採取される周波数帯は、1.5Hz以下で、0.3〜1.5Hz近傍に集中することが分かる。これらの周波数分析結果は図6に示す揺らぎ波形と心拍変動と捉えたものと考えられる。つまり覚醒状態あるいは活動状態にある人には心拍変動の1/2に相当する揺らぎ波形が存在することがここでも示唆された。そこで、この揺らぎ波形を捉えるために図14に示したようにウルトラ、超低周波成分を検証してみた。すると、0.0015Hz以下、0.0015〜0.0027Hzと0.0027〜0.0052Hzおよび0.0052〜0.007Hzに、0.3〜1.5Hz近傍の呼吸と心・循環系の揺動に関与する揺らぎ成分が存在することが示唆された。
図15は、6000名の心部揺動波を連結したデータについて、ゼロクロス(0x)法を利用した第1周波数傾き時系列波形を用いてパワースペクトル演算手段670による周波数解析の結果、ピーク(peak)検出法を利用した第2周波数傾き時系列波形を用いてパワースペクトル演算手段670による周波数解析の結果を示したものである。周波数解析の際の窓を32点から2048点まで変化させ、分解性能差によるパワースペクトルの水準を見ている。
ここで、状態推定するに有効と認められる周波数を同定するために、基軸となる周波数を0.00179Hz,0.00358Hz,0.00537Hzに、仮に決定しておく。これは、上記したように、0.0015〜0.0027Hz、0.0027〜0.0052Hzおよび0.0052〜0.007Hzに、呼吸と心・循環系の揺動に関与する周波数帯が存在することが示唆されるからであり、図15で均等に割り振った横軸の数値の中で、0.00179Hz,0.00358Hz,0.00537Hzがそれぞれこれらの範囲に属するからである。図16は、周波数傾き時系列波形の0.00179Hz、0.00358Hz、0.00537Hzにおけるパワースペクトルの周波数成分比を示す。ここでは周波数の傾き時系列波形と周波数変動の時系列波形の周波数分析の分解能差による傾向も示している。周波数成分比の結果から、分解能は周波数特性差に与える影響は小さく、パワースペクトルの差に影響を与えるのがわかる。そして、周波数分析の特徴を捉えるために、基軸周波数として設定した0.00179Hz、0.00358Hz、0.00537Hzの有効性が示唆される。これらの基軸周波数は、図14に示される呼吸と心・循環系の揺動に関与する可能性があるウルトラ、あるいは超低周波数帯の0.0015〜0.0027Hzと0.0027〜0.0052Hzおよび0.0052〜0.007Hzの範囲内に存在する。
ここで図17は、ゼロクロス(0x)法を利用した第1周波数変動時系列波形を用いてパワースペクトル演算手段670により求めた周波数解析の結果、ピーク(peak)検出法を利用した第2周波数変動時系列波形を用いてパワースペクトル演算手段670による周波数解析の結果を示す。この周波数変動の周波数分析結果は、周波数変動に関与するゆらぎが、ウルトラ、あるいは超低周波数帯の0.00537Hz以下に存在する可能性を示唆する。
図18及び図19は、周波数分析を行った心部揺動波として、10〜70歳代の6000名の被験者の中から37名分を無作為に抽出・連結し、時系列波形を構成して示したものである。ここに周波数分析結果から、覚醒/活動状態にある人の心部揺動波の周波数の傾き時系列波形は、ゼロクロス法、ピーク検出法共に0.007Hz以下で、パワースペクトルに大きな変動が生じた。また、覚醒/活動状態にある人の心部揺動波の周波数変動の時系列波形の周波数分析結果もゼロクロス法、ピーク検出法共に0.0055Hz以下で、パワースペクトルに目立った変動が生じた。
次に睡眠導入実験A,Bの計36名分の心部揺動波を同様に解析したものを、図20、図21に示す。睡眠導入実験被験者の心部揺動波の周波数の傾き時系列波形の周波数分析結果は、覚醒/活動状態にある人と同じようにパワースペクトルの変動は0.007Hz以下に認められるが、パワースペクトルの大きさは半減した。一方、睡眠導入実験被験者の心部揺動波の周波数変動の時系列波形の周波数分析結果では、パワースペクトルの変動が大きい部分は低周波側にシフトし、パワースペクトルも30%減の状態になった。
以上の実験・分析結果から、心部揺動波の揺らぎの変動が生じている周波数成分範囲が0.007Hz以下に特定できる。
次に、図18及び図19で示した覚醒/活動状態にある37名のデータを連結せずに個別に示した。
図22、図23は、覚醒/活動状態にある人の心部揺動波の周波数の傾き時系列波形のゼロクロス法・ピーク検出法による各周波数分析結果を示し、図24、図25は、覚醒/活動状態にある人の心部揺動波の周波数変動の時系列波形のゼロクロス法・ピーク検出法による各周波数分析結果を示す。図22のゼロクロス法における周波数の傾き時系列波形の周波数分析結果から、覚醒/活動状態にある人の基本となる揺らぎ周波数は、0.001〜0.002Hz間の0.0017Hz近傍、0.002〜0.003Hz間の0.0033Hz近傍、0.005〜0.006Hz間の0.0055Hz近傍の3つあることが読み取れ、これらのパワースペクトルは0.0003であった。これは図23のピーク検出法でも同様のことがいえた。人はこれら3つの周波数を揺らぎの中心周波数として、ある幅を持った各周波数帯でゆらぎながら、恒常性を維持していくと考えた。そして、疲れが促進していくと、0.0033Hzが中心の領域の波形が強くなり、パワースペクトルも3倍弱まで強くなると考えた。強くなり過ぎると両サイドの周波数帯に揺らぎながら変化していく。この変化をいち早く見せてくれるのが周波数変動である。
図24及び図25の周波数変動の時系列波形の周波数分析では、ゼロクロス法・ピーク検出法共に0.0017Hz、0.0033Hz近傍にピークが存在し、パワースペクトルも0.04〜0.02(0.0017Hz、0.0033Hz)まで立ち上がる。低いところでは、0.02〜0.01(0.0017Hz、0.0033Hz)のところにあった。ここに、心部揺動波の周波数の傾き時系列波形は、0.0017Hz、0.0033Hz、0.0055Hzの周波数成分のバランス、パワースペクトルをパワー値とした周波数成分の分布率が、人の状態を推定する成分として支配的であり、心部揺動波の周波数変動の時系列波形では、各周波数成分の分布率と0.0017Hzの周波数成分のパワースペクトルのパワー値の変動の様子が人の状態を推定する成分として支配的であると考えられる。
図26、図27は、睡眠導入実験Aの被験者22名の心部揺動波の周波数の傾き時系列波形のゼロクロス法・ピーク検出法による各周波数分析結果を示し、図28、図29は、睡眠導入実験Aの被験者の心部揺動波の周波数変動の時系列波形のゼロクロス法・ピーク検出法による各周波数分析結果を示す。覚醒状態を維持した後に睡眠に至る場合は、ゼロクロス法・ピーク検出法共に基本となる揺らぎ周波数は3つで覚醒/活動状態と同じで、周波数成分の0.0017Hzは一緒であるが、0.0033Hzは0.003Hzに、0.0055Hzは0.0045Hzに変化していった。一方、パワースペクトルも0.0002が最も高く、活動状態の約半分に目減りしていった。周波数変動の時系列波形の周波数分析結果では0.0017Hz〜0.0022Hzに基本成分が集まっていき、パワースペクトルは0.02となり30%減の状態となった。ここでも各周波数成分のパワースペクトルによって規定されるパワー値の分布率が状態推定の重要な要素であることがわかった。
以上のことから、3つの周波数帯に属する信号、すなわち、0.0027Hz以下の機能調整信号、0.002〜0.0052Hzの範囲に属する疲労受容信号、及び0.004〜0.007Hzの範囲に属する活動調整信号を人の状態を判定する際の3つの特徴的信号として抽出することが妥当であると言える。なお、以下においては、これらの周波数帯に属する0.00179Hz、0.00358Hz、及び0.00537Hzを、それぞれ機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号とする。
(睡眠導入実験Aの考察)
「特徴的信号の状態別の出現の仕方について」
睡眠導入実験Aの結果、眠気に耐えて覚醒状態を維持する実験開始30分間(前半)、その後の各自の意志に任せた30分間以降(後半)のそれぞれにおいて、状態別に機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号の出現の仕方をまとめた。
・睡眠導入実験A後半において眠れなかったグループ
図30、図31は、睡眠導入実験A後半の眠れなかったグループの心部揺動波の周波数傾き時系列の周波数分析結果を示す。ゼロクロス法では3名とも0.00358Hzのパワースペクトルが高くなり、0.00179Hz、0.00537Hzのパワースペクトルが低くなり、比較的緩やかな凸形状となった。ピーク検出法についても同様の傾向を示した。パワースペクトルの高さはゼロクロス法・ピーク検出法ともに0.0002を示した。これは、前述の覚醒/活動状態の各周波数のパワースペクトルの分布率のバランスに近似した。
周波数変動の時系列波形の周波数分析結果(図32、図33)ではゼロクロス法・ピーク検出法共に0.00179Hz、0.00358Hz、及び0.00537Hzの成分が小さくなり、パワースペクトルの分布率は平準化された。ここでも各周波数成分のパワースペクトルによって規定されるパワー値の分布率は、覚醒/活動状態に近似した。
・睡眠導入実験A後半において睡眠に入ったグループ
図34、図35は、睡眠導入実験A後半の睡眠に入ったグループの心部揺動波の周波数傾き時系列波形の周波数分析結果を示す。ゼロクロス法では0.00179Hzでは、パワースペクトルが0.00025〜0.0003と高くなり、0.00358Hz、0.00537Hzとパワースペクトルが半減していった。ピーク検出法では、0.00179Hzと0.00358Hzのパワースペクトルは、ほぼ同等となり、0.00537Hzのパワースペクトルは1/3に急激に小さくなった。周波数傾き時系列波形では、0.00179Hz成分の上昇と0.00358Hz、0.00537Hz成分の下降が生じ、各周波数成分のパワースペクトルの分布率のバランスが支配的であると考えた。ここでは、前述の覚醒/活動状態の各周波数のパワースペクトルの分布率のバランスに近似せずに、睡眠時に出現する独特のパワースペクトルの分布率の可能性、右肩下がりの傾向を示唆した。
周波数変動の時系列波形の周波数分析結果(図36、図37)では、ゼロクロス法・ピーク検出法共に0.00179Hzのパワースペクトルが強力になり、0.00358Hz、0.00537Hzの成分が激減し、パワースペクトルの分布率に特徴的な変化、急激な右肩下がりの分布率が現れた。
・睡眠導入実験A後半において少し(一瞬)寝たグループ
図38、図39は、睡眠導入実験A後半の少し(一瞬)寝たグループの心部揺動波の周波数傾き時系列波形の周波数分析結果を示す。ゼロクロス法では寝たときの1/2減、0.0001以下にパワースペクトルが全体的に低下し、揺らぎが無くなったグループと眠れなかったグループの特徴に近似し、その中心となる0.003Hz近傍のパワースペクトルが2〜3倍、0.0003〜0.00055にパワースペクトルが成長するものが現れた。これは、眠気に抵抗するか否かによるものと考えた。ところが、0.00179Hz、0.00358Hz、0.00537Hzの三つの周波数に絞るとパワースペクトルの分布率は一様に同じ傾向になり、右肩下がりの傾向を示した。一方、ピーク検出法では、0.00179Hz、0.00358Hz、0.00537Hzの三つの周波数のパワースペクトルが0.0001に全体的に沈んだグループと0.00179Hz、0.00358Hz、0.00537Hzのパワースペクトルは前者と同一の0.0001〜0.0002にあるが、0.00179と0.00358Hzの間と0.00358Hzと0.00537Hzの間にパワースペクトルが大きく成長したものに分類できた。ここでも対象周波数というフィルターを課すことで、中間の周波数帯で大きな変動があるものの、一つのパターンである右肩下がりの傾向に集約することができた。
周波数変動の時系列波形の周波数分析結果(図40、図41)では、ゼロクロス法・ピーク検出法共に0.00179Hzのパワースペクトルが強力になり、0.00358Hz、0.00537Hzの成分が激減し、パワースペクトルの分布率に特徴的な変化、急激な右肩下がりの分布率が現れた。
すなわち、覚醒/活動状態と眠気から入眠に至る状態では、図30〜図41に示されるように、三つの周波数で示されるパワースペクトルの分布率がおのおの特徴的な傾向を示すことが示唆された。
・睡眠導入実験A前半において覚醒状態を維持していたグループ
次に眠気に抵抗することを強いられた睡眠導入実験A前半の周波数分析結果について検証する。覚醒状態を維持していたグループは、図42と図43で示す心部揺動波の周波数の傾き時系列波形の周波数分析結果では、ゼロクロス法ではパワースペクトルが0.0001〜0.0002の間で、0.00179Hz、0.00358Hz、0.00537Hzの間を揺らいでいた。この穏やかな変化が、覚醒状態の中での恒常性の維持の特徴と考えた。そして、ピーク検出法でも、0.00179Hz、0.00358Hz、0.00537Hzのフィルターを通すことで、パワースペクトルも0.00005〜0.0002間を穏やかに変化して、ゆらぎながら恒常性を維持している様子が示唆された。
図44と図45で示す周波数変動の時系列波形の周波数分析結果ではゼロクロス法・ピーク検出法共に0.00179Hz、0.00358Hz、0.00537Hzの成分が小さくなり、パワースペクトルの分布率は平準化された。ここでも各周波数成分のパワースペクトルによって規定されるパワー値の分布率は、覚醒/活動状態に近似した。
・睡眠導入実験A前半において話をしていたグループ
話をしていたグループの心部揺動波の周波数の傾き時系列波形の周波数分析結果を図46と図47に示す。話をしていたグループは、覚醒状態を維持していたグループと比べて、ゼロクロス法では、0.00537Hzのパワースペクトルは、0.00005〜0.0002以下の同じレベルにあるが、0.00179Hz、0.00358Hzのパワースペクトルは0.00005〜0.00045の範囲で、さらに変動の幅が大きくなった。そして、ピーク検出法では、0.00179Hz、0.00358Hz、0.00537Hzの各周波数のパワースペクトルの変動幅は、0.00005〜0.0004以下と似たような傾向を示した。なお、一時期眠気が生じた人は眠気に抵抗したためかパワースペクトルが30%前後高めにでた。
図48と図49に示す周波数変動の時系列波形の周波数分析結果ではゼロクロス法・ピーク検出法共に0.00179Hz、0.00358Hz、0.00537Hzの成分が小さくなり、パワースペクトルの分布率は平準化された。ここでも各周波数成分のパワースペクトルによって規定されるパワー値の分布率は、覚醒/活動状態に近似した。
・睡眠導入実験A前半において終始眠気のあったグループ
終始眠気があったグループの心部揺動波の周波数の傾き時系列波形の周波数分析結果を図50と図51に示す。終始眠気があったグループは、ゼロクロス法では0.00179Hzと0.00358Hzのパワースペクトルの変化が0.00005〜0.0004と大きく、0.00537Hzのパワースペクトルは0.00005〜0.00016の間で変動が小さく、入眠に抵抗している様子が伺えた。一方、ピーク検出法では、パワースペクトルの変動が0.00179Hzでは0.00005〜0.00025、0.00358Hzでは0.00002〜0.0004以下、0.00537Hzでは0.00002〜0.0002以下の間にあり、眠気を含んでいるため、0.00179Hzと0.00358Hzの値が高くなった以外は、覚醒時と同一の傾向を示した。すなわち、眠気が生じるとゼロクロス法は0.00179Hzが高くなる群と0.00358Hzと0.00537Hzが高くなる群に分かれた。前者は入眠に抵抗しない人たちで、後者は入眠に抵抗しようとする人たちと考えた。また、ピーク検出法では、0.00179Hz、0.00358Hz、0.00537Hzが全体的に高くなった。パワースペクトルの変動幅は眠気の無いときに比べて2倍弱になる人もいた。
図52と図53に示す周波数変動の時系列波形の周波数分析結果では、ゼロクロス法・ピーク検出法共に0.00179Hzのパワースペクトルが強力になり、0.00358Hz、0.00537Hzの成分が激減し、パワースペクトルの分布率に特徴的な変化、急激な右肩下がりの分布率が現れた。
(睡眠導入実験Bの考察)
図54,図55は、睡眠導入実験Bの被験者の心部揺動波の周波数の傾き時系列波形のゼロクロス法・ピーク検出法による各周波数分析結果を示す。睡眠導入実験Aの被験者群に比べて、0.006Hz以下のパワースペクトルの変動の幅やばらつきが大きい。図56,図57は、心部揺動波の周波数の変動の時系列波形のゼロクロス法・ピーク検出法による各周波数分析結果を示す。ここでもパワースペクトルの変動の幅やばらつきが大きい。図58(a),(b)及び図59(a),(b)は、日勤者と夜勤者の各グループ別の心部揺動波のゼロクロス法、ピーク検出法の傾き時系列波形の周波数分析結果を比較したものである。日勤者のゼロクロス法のパワースペクトルは0.006Hz以下で、パワースペクトルも0.00025以下で推移し、ピーク検出法では一部0.004Hzに大きな山が存在するも、その多くは、0.006Hz以下でパワースペクトルは0.0003以下で推移している。一方、夜勤者は日勤者に比べて、発現する周波数帯が低周波によりパワースペクトルも大きくなる傾向にある。図60(a),(b)及び図61(a),(b)は、日勤者と夜勤者の各グループ別の周波数変動の時系列波形のゼロクロス法・ピーク検出法による各周波数分析結果を示す。ここでも夜勤者は日勤者に比べて、全体的にパワースペクトルが大きくなる傾向にある。
図62(a),(b)及び図63(a),(b)は起きていたグループのゼロクロス法、ピーク検出法の傾き時系列波形と周波数変動の周波数分析結果を示す。図62(a),(b)の傾き時系列波形を見ると、0.00358Hz、0.00537Hz近傍のパワースペクトルの変動よりも0.00179Hz近傍の変動幅が大きい。
図64(a),(b)及び図65(a),(b)は眠気があったが寝てないグループのゼロクロス法、ピーク検出法の傾き時系列波形と周波数変動の周波数分析結果を示す。眠気に耐えているせいからか、ゼロクロス法では0.00179Hzと0.00358Hzおよび0.00537Hzのパワースペクトルの変動の幅は小さく、各周波数帯でのパワースペクトルの絶対値も0.0002以下と小さい(図64(a))。ところが、ピーク検出法では、0.00358Hzのパワースペクトルの変化が大きい(図64(b))。この領域の変動は、眠気に起因するものと考えられる。
図66(a),(b)及び図67(a),(b)は少し寝たグループのゼロクロス法、ピーク検出法の傾き時系列波形と周波数変動の周波数分析結果を示す。0.00179Hz、0.00537Hz近傍のパワースペクトルの変動は小さく、それらよりも0.00358Hz近傍の変動幅が大きくなるか、0.00179Hz、0.00358Hz、0.00537Hz全てのパワースペクトルが小さくなる(図66(a),(b))。この極端な二つの変動の様子は、眠気に起因するものと考えられる。
したがって、眠気が生じるとゼロクロス法の傾き時系列波形の0.00358Hzのパワースペクトルの変動が大きくなる。ゼロクロス法、ピーク検出法の周波数変動の時系列波形の0.00179Hzの変動が大きくなり、0.00358Hz、0.00537Hzのパワースペクトルが小さくなる。覚醒状態にあると三つの各基軸周波数の間で、安定的に盛んに変動し、恒常性を維持すると考えられる。入眠予兆現象の発現時の変化には、二種類の状態があると考えられる。これまでの実験をまとめると、図68〜図70に示すように、眠気発現時の基本パターンと二種類の入眠予兆現象発現時のパターンがあると考えられる。眠気発現時から、入眠予兆現象発現時に進行していく場合に、一つは、眠気に抵抗するときで、二つは眠気を受け入れるときである。これらは異なる変化を見せる。前者では、0.00179Hzと0.00537Hzのパワースペクトルが大きくなり、0.00358Hzのパワースペクトルが小さくなる(図69(a)参照)。後者では0.00179Hz、0.00358Hzのパワースペクトルは大きくなるが、0.00537Hzのパワースペクトルが小さくなる(図70(a)参照)。さらにゼロクロス法、ピーク検出法の周波数変動の時系列波形の0.00179Hzのパワースペクトルが大きくなることが共通していえる(図68〜図70参照)。また、夜勤者は0.00179Hzと0.00358Hzで極端な差が生じており(図59参照)、これは、サーカディアンリズムの乱れが、この二つの周波数帯の制御能力を低下させる可能性がある。
以上の結果から、0.00179Hzの信号は状態が大きく変わるときや機能低下のときに変動する波形(機能調整信号)であり、0.00358Hzの信号は通常状態で疲労が進行するときに変動する周波数帯(疲労受容信号)であり、0.00537Hzの信号は、活動状態にあるときや機能が活性状態にあるときに変動する傾向にある信号(活動調整信号)であることがわかる。次に、これらの三つの基軸周波数のパワースペクトルの比を用いた分布率の時系列の変化と従来の医学的指標との比較で、眠気と入眠予兆現象の同定の検証試験について説明する。
(試験結果)
図71〜図92は、睡眠導入実験Aにおけるのべ22名の被験者の各結果を示した図であり、図71〜図92の各(g)〜(i)は、生体信号推定装置60による出力結果である。図71〜図92の(g)は、ゼロクロス(0x)法を利用した第1周波数傾き時系列波形を用いてパワースペクトル演算手段670により求めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する分布率の時系列変化を示し、図71〜図92の(h)は、ゼロクロス(0x)法を利用した第1周波数変動時系列波形を用いてパワースペクトル演算手段670により求めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する分布率の時系列変化を示し、図71〜図92の(i)は、ピーク(peak)検出法を利用した第2周波数傾き時系列波形を用いてパワースペクトル演算手段670により求めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する分布率の時系列変化を示し、図71〜図92の(j)は、ピーク(peak)検出法を利用した第2周波数変動時系列波形を用いてパワースペクトル演算手段670により求めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する分布率の時系列変化を示す。
なお、図71〜図92の各(a)は、脳波測定器の睡眠深度の出力結果を示し、各(b)の図は、指尖容積脈波のパワー値の傾き時系列波形と最大リアプノフ指数の傾き時系列波形を示したものである。各(b)の図は、本出願人が提案した特許文献1に記載のパワー値の傾きの時系列波形と最大リアプノフ指数の傾きの時系列波形とが逆位相状態で現れている場合に入眠予兆現象と判定する際に利用するものである。各(c)の図は、指尖容積脈波から求めた交感神経の指標であるLF/HFのパワースペクトルの時系列波形と副交感神経の指標であるHFのパワースペクトルの時系列波形を示したものである。これは、本出願人の特開2008−264138号公報に開示された技術であり、交感神経(LF/HF)のバースト波(一時的な上昇変化の波形)の出現をもって入眠予兆現象と判定する際に利用するものである。各(d)の図は、生体信号測定手段1により得られた生体信号をゼロクロス法を利用して処理した上記第1周波数傾き時系列波形と第1周波数変動時系列波形を示したものであり、各(e)の図は、ゼロクロス法を利用した第1周波数傾き時系列波形とピーク検出法を利用した第2周波数傾き時系列波形をそれぞれ絶対値処理して示した図である。
また、図71〜図92の各(f)の図は、本出願人が先に提案した特願2009−237802の技術に基づくものであり、ゼロクロス法を用いた第1周波数傾き時系列波形の正負、第1周波数傾き時系列波形を積分した積分波形の正負、ゼロクロス法を利用した第1周波数傾き時系列波形とピーク検出法を利用した第2周波数傾き時系列波形をそれぞれ絶対値処理して得られた周波数傾き時系列波形の絶対値の比較、第1周波数傾き時系列波形と第1周波数変動時系列波形とを重ねて出力した場合における逆位相の出現(逆位相の出現が入眠予兆を示す)等を組み合わせて行った人の状態の総合判定結果を表示したグラフである。縦軸の上側の3段階は疲労感を感じている状態で、緊張状態から中立そしてリラックス状態(元気状態)を示し、下側の3段階は交換代償作用が機能している状態で下にいくほど疲労の度合い(疲労状態)が高くなり、集中力が低下することを示す。周波数傾き時系列波形の正負積分波形の正負、絶対値の比較等について、いずれの条件の場合に疲労と感じるか、リラックス状態と感じるか等を、多数の被験者の官能評価と整合させて設定させたものである。
(考察)
図71〜図92の(a)〜(f)の図は、脳波測定器によるものと、本出願人が今までに提案した技術による人の状態の判定結果を示したものであり、これらによる判定結果と、本発明の試験結果である図71〜図92の(g)〜(i)を用いた判定結果とが一致するか否かを検討する。(a)の図には、観察者による被験者の様子を併せて記載している。
各(g)の図において、疲労受容信号(0.00358Hz)が低下傾向を示す中で、機能調整信号(0.00179Hz)が上昇傾向を示すか否かを検討し、その条件に当てはまった場合に「眠気関連現象出現期」とする。また、さらに、各(h)〜(i)の図において、機能調整信号(0.00179Hz)が上昇傾向を示すか否かも併せて検討する。
・図71
(g)では、21〜23分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯において機能調整信号の上昇傾向が見られるため、眠気関連現象出現期と判定できる。(h)〜(i)では、機能調整信号の急激な上昇傾向が見られる。
一方、(a)において17分頃に睡眠段階1に至っているが、(c)において15分頃に入眠予兆を示す交感神経のバースト波が生じている。(a)に示したように、15分以降、被験者の頭が時々ふらついていたという観察結果がある。また、27分頃に瞬眠に入っているが、(b)では25分頃に入眠予兆信号が見られる。
よって、(g)〜(j)の本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の特定は、27分頃の瞬眠の前兆である入眠予兆現象を捉えているものといえ、妥当な判定である。
・図72
(g)では、29〜35分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、32分以降に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、30分前後から眠気を感じ、眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h)〜(j)においてもその時間帯における機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(b)では、25〜37分頃に逆位相、大振幅、長周期の入眠予兆現象を示す信号が出現し、(c)では、32分頃にバースト波が生じ、(f)では28〜29分頃にエネルギーレベルの急激な変化を示す指標の2段階以上の低下が見られる。(a)に示したように、32分頃には被験者が寝ているように見えるという観察結果がある。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図73
(g)では、35〜40分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、35分前後から眠気を感じ、眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h)と(j)においてもその時間帯における機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(b)では、27〜35分頃に入眠予兆現象を示す2つの時系列波形の逆位相、大振幅、長周期の状態が出現しており、(c)では23〜24分頃にバースト波が生じ、(f)においても、36分頃に指標の2段階以上の低下が見られる。(a)に示したように、32分頃には被験者が寝ているように見えるという観察結果がある。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図74
(g)では、25〜30分付近において疲労受容信号の急峻な低下があり、その後、低下状態が維持され、さらに37〜42分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、25分前後から眠気を感じ、眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h),(j)においてもその時間帯における機能調整信号の上昇が見られるため、ここが入眠予兆現象を捉えたものと考えられる。
一方、(a)では、35分以降睡眠段階2に至っている。(a)に示したように、32分頃には頭がふらつき、36分に頭が後方に傾き、39分に被験者が寝ているように見えるという観察結果がある。(e)では、25分以降、副交感神経優位の状態にあり、(f)でも30分以降に副交感神経優位の状態にあり、眠気が25分頃発現し、眠気に抵抗しながら、抵抗できなくなたのが30分以降と判定できる。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図75
(g)では、疲労受容信号の顕著な低下とその間における機能調整信号の上昇傾向が見られないため、眠気関連現象出現期は生じていないと判定される。(a)における、「眠れなかった」という観察結果と一致しており、本発明の手法を用いた判定はほぼ妥当である。
・図76
(g)では、26〜42分付近において数回に亘って疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、26分前後から眠気を感じ、眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h),(j)においてもその時間帯における機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(a)では、24分以降、睡眠段階2,3,1が断続的に生じており、観察結果も、33分前後には寝たような所見が見られ、41分に一旦起きた後、再び寝たような所見となっている。(f)においても、33分付近に指標の2段階の低下が生じ、その後、39分、41分等において、指標の急低下が生じている。(d)では、20分前後に逆位相、大振幅、長周期の状態が生じ、(c)では16分、17分にバースト波が生じ、(e)では16分における副交感神経優位になった後の20分における交感神経優位の状態が生じており、これらが入眠予兆現象を示している。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図77
(g)では、24〜31分付近及び33〜37分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h),(j)では35分以降に機能調整信号の上昇が見られ、(j)では27分〜30分にかけて機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(b)では、入眠予兆現象を示す逆位相、大振幅、長周期の状態が10分前後で見られ、(c)では入眠予兆現象を示すバースト波が10分前後に出現している。(f)では20分付近で指標の急低下が見られる。(a)では、23〜30分付近、35〜42分付近において睡眠段階1に断続的に突入している。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図78
(g)では、28〜33分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h)〜(j)でもその時間帯において機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(b)では27〜30分付近で入眠予兆現象が生じていると特定できる。(c)では23分にバースト波が生じ、(f)では、20分、24分において指標の急低下が生じている。被験者が、実験開始から30分に至るまで眠そうにしており、30分で目が覚めたという観察結果がある。しかし、(a)の脳波の測定結果としては、これらの現象が捉えられていない。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当であると共に、ノイズの発生により脳波計で特定できなかった現象を捉えることもできる。
・図79
(g)では、35〜44分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h)〜(j)でもその時間帯において機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(b)では32〜35分付近で入眠予兆現象が生じていると特定できる。(c)では27分にバースト波が生じ、(f)では、25分において指標の急低下が生じている。37分に被験者が寝ているように見え、39分に寝息を生じていたという観察結果がある。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図80
(g)では、27〜32分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h),(i)でもその時間帯において機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(b)では、入眠予兆現象を示す逆位相、大振幅、長周期の状態が10〜20分にかけて見られ、(c)では入眠予兆現象を示すバースト波が13分前後に出現している。(f)では27分、34分付近において指標の急低下が生じている。よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定は、(f)との一致は見られる。観察結果は、37分になって目を閉じ、40分頃からこっくりし始めたということであり、観察結果から見られる眠気の兆候よりも、若干早いタイミングで眠気関連現象出現期という判定となっている。
・図81
(g)では、21〜26分付近及び33〜36分において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h)でもその時間帯において機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(b)では20〜24分付近で入眠予兆現象が生じていると特定できる。(c)では12分、20分にバースト波の出現がある。(f)では15〜20分、29分、34分付近において指標の急低下が生じている。22分に被験者が一瞬寝たという観察結果があり、32分に頭がふらつき、33分に頭が後ろに傾き、34分にいびきをかいて寝ているという観察結果がある。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図82
(g)では、疲労受容信号の顕著な低下と機能調整信号の上昇が同時に見られる時間帯がない。よって、眠気関連現象出現期は生じていないと判定される。(f)では、34分、36分、42分にエネルギーレベルの急激な変化が見られる。このエネルギーレベルの低下は、入眠予兆現象が生じるときに現れる付随的な現象であり必然的な現象ではない。この被験者は副交感神経優位な状態が出やすいと考えられ、(g)の判定結果とは必ずしも一致していない。但し、被験者は、実験中、ほとんど寝ていない観察結果となっており、結果的には、本発明の手法を用いた判定結果がほぼ妥当といえる。
・図83
(g)では、30〜38分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h)〜(j)でもその時間帯において機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(c)では12分と25分前後にバースト波が出現している。(f)では、16分、17分、32分、36分、38分付近において指標の急低下が生じている。(a)の脳波からは、14分に睡眠段階1に至った後、32分以降においては睡眠段階1〜2に突入している。(b)では10分前後から入眠予兆現象が見られる。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図84
(g)では、37〜42分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。(h)は機能調整信号の上昇があり、(i)と(j)では41〜42分以降に機能調整信号の上昇が認められる。
一方、(b)では、26分前後に入眠予兆現象が現れており、(f)では、24分以降、断続的にエネルギーレベルの急低下が見られる。被験者のコメントとして、40分頃に意識が飛んでいたように感じ、45分以降はうつらうつらしていたことから、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図85
(g)では、20〜27分付近及び35〜42分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h),(j)でもその時間帯において機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(a)の脳波では、30分までの間、断続的に睡眠段階1に至っており、35分以降においても睡眠段階1,2に至っている。(c)では21分付近でバースト波が出現している。(f)では、27分、34分、38分付近で指標の急低下が生じている。実験開始から30分まで被験者が眠気を感じているというコメントがあり、37分に頭が大きく後ろに傾くという観察結果がある。
従って、本発明の手法により特定された前半の眠気関連現象は、眠気に抵抗していた時期を捉えたものであり、後半の眠気関連現象は、睡眠に至る前の入眠予兆現象を捉えたものであると言える。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図86
(g)では、25〜30分付近、37〜42分付近、48〜50分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。そして、分布率のパワースペクトルの低下状態での安定が睡眠状態に入ったことを示し、40〜45分でより深い睡眠に入り、48〜50分で浅い睡眠に移行し、55分に目覚めたものと考えられる。また、(h),(j)でもその時間帯において機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(b)からは、10〜35分の間で入眠予兆現象が発生し、38分以降、眠気が生じて睡眠状態に移っていったものと判定できる。(c)では24分付近で入眠予兆現象を示すバースト波が出現している。(f)では、21分、23分、27分、50分付近で指標の急低下が生じている。実験開始から被験者が眠気を感じているというコメントがあり、38分に頭が前へ揺れ、44〜54分に頭がうつむき、眠っているように見えたという観察結果がある。なお、(a)の脳波測定による睡眠の同定ができなかったのは、睡眠中の頭部の揺れによりノイズが入ったことが原因と考えられる。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図87
(g)では、35〜45分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h)〜(j)でもその時間帯において機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(b)では17〜36分付近において入眠予兆現象が出現しており、(c)では、20分、26分、27分、34分付近でバースト波が出現している。そして(f)では、16分と45分付近で指標の急低下が生じている。37分に頭が前後に少し揺れ、41分からはその揺れが大きくなったという観察結果がある。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
ここで、(f)では、45分付近での指標の急低下が生じた後、指標が上昇し、回復している状態が示されていることから、45分の急低下は状態の急変化(この場合、睡眠から覚醒への遷移状態)を示したものであると言える。このことから、本発明の(g)に示された45分付近における疲労受容信号の顕著な低下は、眠気関連現象出現期を含む、このような人の状態変化の出現時期を示すものと言える。
・図88
(g)では、35分から機能調整信号の上昇傾向と疲労受容信号の安定化があり、42〜50分付近において疲労受容信号の顕著な低下がある。そして、これらの時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h),(j)でもその時間帯において機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(b)では0〜16分と25〜37分で入眠予兆現象の波形が見られ、その後は入眠に抵抗し、57分に入眠したと判定できる。(c)では5分付近、10分付近、20分付近、32分付近、37分付近でバースト波が出現している。(f)では、38分付近で指標の急低下が生じている。43〜50分に、頭が前方に大きく揺れた旨の観察結果がある。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図89
(g)では、33〜35分、42〜45分、48〜55分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(i)でもその時間帯において機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(b)では0〜13分と19〜26分で入眠予兆現象の波形が見られ、26分以降、寝たり起きたりを繰り返した後、55分前後に睡眠に至っていると判定できる。(c)では27分付近、44分付近でバースト波が出現している。(f)では、25分、28分、41分、45分、51分、53分、57分付近で指標の急低下が生じている。被験者及び観察者のコメントによると、15分、25分に眠気を感じ、36分に寝て38分に起き、その後45分から寝て49分に起き、53分から再び寝ている。
また、本発明の手法によれば、(g)〜(j)において、24分〜34分の入眠に抵抗している時間帯において機能調整信号の上昇が見られる。よって、本発明による睡眠関連現象の特定は妥当である。
・図90
(g)では、35〜40分及び50〜58分でゆらぎの少ない入眠に抵抗している状態であり、また、その前後の21〜29分付近及び42〜47分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、それらの時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られる。そのため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。つまり、30分より前は入眠予兆現象を示すものといえ、30分より後半は寝たり起きたりしている。また、(h)〜(j)でもその時間帯において機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(c)では15分付近、22分付近でバースト波が出現している。(f)では、16分、21分、24分、26分、39分、46分、48分付近で指標の急低下が生じている。被験者のコメントでは、28分において「無理して起きている感覚がある」となっている。32分以降は(a)の脳波では睡眠段階1〜2になっている。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図91
(g)では、15〜25分付近及び31〜37分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(h)〜(j)でもその時間帯において機能調整信号の上昇が見られる。また、(g)では、45〜53分においても疲労受容信号の低下が見られ、眠気関連現象が生じているが、その時間帯において、(h)〜(j)では各信号がいずれもレベルの低い状態にある。但し、レベルの低い状態の中で53分以降に機能調整信号の上昇が見られ、53分以降、マイクロスリープに入ったものと思われる。
一方、(a)の脳波では、3分、7分、12分、17分、22分、23分、25分付近において睡眠段階1〜2に至っている。(b)では、実験開始から45分に至るまで、全て入眠予兆信号と思われる波形が続いており、55分前後に睡眠に入ったと判定される。(c)では、30分と47分に入眠予兆信号を示すバースト波が出現している。被験者のコメントでは、20分に「少し眠気あり」となっている。そして、実験全体としては寝たような寝てないような感じであったとなっており、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
・図92
(g)では、15〜22分付近、25〜30分付近及び40〜45分付近において疲労受容信号の顕著な低下があり、その時間帯に機能調整信号の上昇傾向が見られるため、それらの時間帯において眠気関連現象出現期に入ったと判定できる。また、(i)、(j)では、15〜20分付近で機能調整信号の上昇が見られ、(h)では、40分付近で機能調整信号の上昇が見られる。
一方、(a)の脳波では、5〜30分の間、断続的に睡眠段階1に至っており、46分付近では睡眠段階2に至っている。(f)では、18分、22分、43分、49分、56分、57分付近において指標の急低下が生じている。被験者のコメントでは、開始から30分まで眠気を感じており、37分頃には寝ているように見え、48分に頭を動かし起きたという観察結果がある。
よって、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定はほぼ妥当である。
なお、上記試験例から、本発明の手法を用いた眠気関連現象出現期の判定が被験者の様子やコメントと一致しない場合もある。また、本出願人が先に提案しているパワー値の傾きの時系列波形と最大リアプノフ指数の傾きの時系列波形とが逆位相状態で現れているか否かで入眠予兆現象を判定する手法、交感神経のバースト波が出現するか否かで入眠予兆現象と判定する手法等は、入眠ポイントよりも5〜10分前後前に生じる入眠予兆現象を捉えている。これに対し、本出願における眠気関連現象出現期は、上記のようにこのような入眠予兆現象も含む一時的な眠気や浅い睡眠状態も捉えるものである。従って、両者の間に多少のずれが生じている場合もあるが、本発明の手法は、眠気に関連する生体情報をほぼ確実に捉えることができる。より正確な判定を行うために、本出願人が提案した、パワー値の傾きの時系列波形と最大リアプノフ指数の傾きの時系列波形とが逆位相状態で現れているか否かで入眠予兆現象を判定する手法、交感神経のバースト波が出現するか否かで入眠予兆現象と判定する手法等を併用し、それらがどの程度一致するか否かにより、眠気関連現象出現期を判定するようにしてもよい。
本発明は、自動車などの乗物のシートに生体信号測定手段を配置して、乗員の眠気などの状態を推定する場合に限らず、家庭内に配置される椅子、事務用椅子等に生体信号測定手段を配置して状態推定を行うことに適用することもできる。また、ベッドなどの寝具に生体信号測定手段を配置し、背部の大動脈の揺動を捉え、上記した生体信号測定装置により解析して、人の状態推定を行うことに適用することもできる。これにより、寝ている人(特に、病人、介護を要する人)の健康状態を表示手段のモニタに示される画面により容易に把握することができる。
1 生体信号測定手段
10 三次元立体編物
15 三次元立体編物支持部材
15a 配置用貫通孔
16 フィルム
21,22 板状発泡体
30 振動センサ
100 シート
110 シートバックフレーム
120 表皮
60 生体状態推定装置
610 第1周波数演算手段(第1周波数演算ステップ)
620 第2周波数演算手段(第2周波数演算ステップ)
630 第1周波数傾き時系列解析演算手段(第1周波数傾き時系列解析演算ステップ)
640 第2周波数傾き時系列解析演算手段(第2周波数傾き時系列解析演算ステップ)
650 第1周波数変動時系列解析演算手段(第1周波数変動時系列解析演算ステップ)
660 第2周波数変動時系列解析演算手段(第2周波数変動時系列解析演算ステップ)
670 パワースペクトル演算手段(パワースペクトル演算ステップ)
680 判定手段(判定ステップ)

Claims (20)

  1. 生体信号測定手段により人の上体から採取した生体信号を用いて、人の状態を推定する生体状態推定装置であって、
    前記生体信号測定手段により得られる生体信号の時系列波形において、正から負に切り替わるゼロクロス地点を求め、このゼロクロス地点を用いて生体信号の周波数の時系列波形を求める第1周波数演算手段と、
    前記第1周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する第1周波数傾き時系列解析演算手段と、
    前記第1周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求めるパワースペクトル演算手段と、
    前記パワースペクトル演算手段により求められた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの時系列変化から人の状態を判定する判定手段と
    を有することを特徴とする生体状態推定装置。
  2. さらに、前記第1周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列波形を周波数変動時系列波形として求める第1周波数変動時系列解析演算手段を有し、
    前記パワースペクトル演算手段は、さらに、前記第1周波数変動時系列解析演算手段から得られる周波数変動時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求める手段を有する請求項1記載の生体状態推定装置。
  3. さらに、前記生体信号測定手段により得られる生体信号の原波形を平滑化微分して極大値を求め、この極大値を用いて生体信号の周波数の時系列波形を求める第2周波数演算手段と、
    前記第2周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する第2周波数傾き時系列解析演算手段とを有し、
    前記パワースペクトル演算手段は、さらに、前記第2周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求める手段を有する請求項1又は2記載の生体状態推定装置。
  4. さらに、前記第2周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列波形を周波数変動時系列波形として求める第2周波数変動時系列解析演算手段を有し、
    前記パワースペクトル演算手段は、さらに、前記第2周波数変動時系列解析演算手段から得られる周波数変動時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求める手段を有する請求項1〜3のいずれか1に記載の生体状態推定装置。
  5. 前記判定手段は、前記第1周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの時系列変化を求め、各信号の相対的な優勢度合いを分布率として求めて人の状態を判定する手段である請求項1〜4のいずれか1に記載の生体状態推定装置。
  6. 前記判定手段は、前記第1周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの時系列変化を求め、各信号の相対的な優勢度合いを分布率として求めて人の状態を判定することに加えて、
    前記第1周波数変動時系列解析演算手段から得られる周波数変動時系列波形、前記第2周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形、及び前記第2周波数変動時系列解析演算手段から得られる周波数変動時系列波形のうちの少なくとも一つから求めた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの分布率の時系列変化を加味して人の状態を判定する請求項5記載の生体状態推定装置。
  7. 前記判定手段は、前記第1周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記疲労受容信号のパワースペクトルが低下傾向の時系列変化を示している時間帯を、人の状態変化の出現時期であると判定する手段を有する請求項5記載の生体状態推定装置。
  8. 前記判定手段は、前記第1周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記疲労受容信号のパワースペクトルが低下傾向の時系列変化を示している時間帯において、前記第1周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記機能調整信号のパワースペクトルが上昇傾向の時系列変化を示した場合に、眠気関連現象出現期と判定する手段を有する請求項7記載の生体状態推定装置。
  9. 前記判定手段は、さらに、前記第1周波数変動時系列解析演算手段から得られる周波数変動時系列波形、前記第2周波数傾き時系列解析演算手段から得られる周波数傾き時系列波形、及び前記第2周波数変動時系列解析演算手段から得られる周波数変動時系列波形のうちの少なくとも一つから求めた前記機能調整信号が上昇傾向の時系列変化を示した場合に、前記眠気関連現象出現期と判定する手段を有する請求項8記載の生体状態推定装置。
  10. 前記パワースペクトル演算手段に用いる前記機能調整信号は周波数0.0027Hz以下であり、前記疲労受容信号は周波数0.002〜0.0052Hzの範囲内であり、前記活動調整信号は周波数0.004〜0.007Hzの範囲内である請求項1〜9のいずれか1に記載の生体状態推定装置。
  11. 生体信号測定手段により人の上体から採取した生体信号を用いて、人の状態を推定する生体状態推定装置に組み込まれるコンピュータプログラムであって、
    前記生体信号測定手段により得られる生体信号の時系列波形において、正から負に切り替わるゼロクロス地点を求め、このゼロクロス地点を用いて生体信号の周波数の時系列波形を求める第1周波数演算ステップと、
    前記第1周波数演算手段により得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する第1周波数傾き時系列解析演算ステップと、
    前記第1周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求めるパワースペクトル演算ステップと、
    前記パワースペクトル演算ステップにより求められた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの時系列変化から人の状態を判定する判定ステップと
    を有することを特徴とするコンピュータプログラム。
  12. さらに、前記第1周波数演算ステップにより得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列波形を周波数変動時系列波形として求める第1周波数変動時系列解析演算ステップを有し、
    前記パワースペクトル演算ステップは、さらに、前記第1周波数変動時系列解析演算ステップから得られる周波数変動時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求めるステップを有する請求項11記載のコンピュータプログラム。
  13. さらに、前記生体信号測定手段により得られる生体信号の原波形を平滑化微分して極大値を求め、この極大値を用いて生体信号の周波数の時系列波形を求める第2周波数演算ステップと、
    前記第2周波数演算ステップにより得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の傾きを求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する第2周波数傾き時系列解析演算ステップとを有し、
    前記パワースペクトル演算ステップは、さらに、前記第2周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求めるステップを有する請求項11又は12記載のコンピュータプログラム。
  14. さらに、前記第2周波数演算ステップにより得られた前記生体信号の周波数の時系列波形において、所定のオーバーラップ時間で設定した所定の時間窓毎に前記周波数の平均値を求める移動計算を行い、時間窓毎に得られる前記周波数の平均値の時系列波形を周波数変動時系列波形として求める第2周波数変動時系列解析演算ステップを有し、
    前記パワースペクトル演算ステップは、さらに、前記第2周波数変動時系列解析演算ステップから得られる周波数変動時系列波形を周波数解析し、予め定めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルを求めるステップを有する請求項11〜13のいずれか1に記載のコンピュータプログラム。
  15. 前記判定ステップは、前記第1周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの時系列変化を求め、各信号の相対的な優勢度合いを分布率として求めて人の状態を判定するステップである請求項11〜14のいずれか1に記載のコンピュータプログラム。
  16. 前記判定ステップは、前記第1周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの時系列変化を求め、各信号の相対的な優勢度合いを分布率として求めて人の状態を判定することに加えて、
    前記第1周波数変動時系列解析演算ステップから得られる周波数変動時系列波形、前記第2周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形、及び前記第2周波数変動時系列解析演算ステップから得られる周波数変動時系列波形のうちの少なくとも一つから求めた前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号に相当する各周波数のパワースペクトルの分布率の時系列変化を加味して人の状態を判定する請求項15記載のコンピュータプログラム。
  17. 前記判定ステップは、前記第1周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記疲労受容信号のパワースペクトルが低下傾向の時系列変化を示している時間帯を、人の状態変化の出現時期であると判定するステップを有する請求項15記載の生体状態推定装置。
  18. 前記判定ステップは、前記第1周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記疲労受容信号のパワースペクトルが低下傾向の時系列変化を示している時間帯において、前記第1周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形から求めた前記機能調整信号のパワースペクトルが上昇傾向の時系列変化を示した場合に、眠気関連現象出現期と判定するステップを有する請求項17記載のコンピュータプログラム。
  19. 前記判定ステップは、さらに、前記第1周波数変動時系列解析演算ステップから得られる周波数変動時系列波形、前記第2周波数傾き時系列解析演算ステップから得られる周波数傾き時系列波形、及び前記第2周波数変動時系列解析演算ステップから得られる周波数変動時系列波形のうちの少なくとも一つから求めた前記機能調整信号が上昇傾向の時系列変化を示した場合に、前記眠気関連現象出現期と判定するステップを有する請求項18記載のコンピュータプログラム。
  20. 前記パワースペクトル演算ステップに用いる前記機能調整信号は周波数0.0027Hz以下であり、前記疲労受容信号は周波数0.002〜0.0052Hzの範囲内であり、前記活動調整信号は周波数0.004〜0.007Hzの範囲内である請求項11〜19のいずれか1に記載のコンピュータプログラム。
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