JP2016112144A - 生体状態分析装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Yoshinori Fujita
悦則 藤田
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Yumi Ogura
由美 小倉
小島 重行
Shigeyuki Kojima
重行 小島
献造 山本
Kenzo Yamamoto
献造 山本
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Abstract

【課題】 入眠予兆現象の出現後に生じる比較的強い眠気を伴うあくびを検出する。【解決手段】 本発明は、生体信号を演算処理した信号処理波形を分析して入眠予兆現象判定し、入眠予兆現象が出現したならば、その後所定時間内に発生するあくびの前兆指標を捉える構成である。入眠予兆現象が出現した後に発するあくびは比較的強い眠気を自覚している状態で生じる生理現象である。本発明によれば、この強い眠気を伴うあくびが発生することを事前に検出することが可能となる。この強い眠気を伴うあくびの前兆指標を捉えたならば、所定の警告を発することで、人の主観により合致したタイミングでの警告が可能となり、居眠り予防等に高い効果が期待できる。【選択図】 図2

Description

本発明は、生体信号から人の状態を分析する生体状態分析装置及びコンピュータプログラムに関し、特に、あくびの発生を予測するための生体状態分析装置及びコンピュータプログラムに関する。
運転中の運転者の生体状態を監視することは、近年、事故予防策等として注目されている。本出願人は、これまでにかかる技術を種々提案している。特許文献1では、人の上体から採取した主に心循環系の波動である生体信号の時系列波形から周波数の時系列波形を求め、さらに、周波数傾きの時系列波形、周波数変動の時系列波形を求めてこれらを周波数解析する手段を有する装置を開示している。
特許文献2は、ULF帯域(極低周波帯域)からVLF帯域(超低周波帯域)に属する機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号を用い、この3つの信号に相当する周波数成分のパワースペクトルの値の合計を100とした際の各周波成分の分布率を時系列に求め、その分布率の時系列変化を利用して人の状態を判定する手法を開示している。
特許文献1又は2の技術はいずれも次のような知見に基づいたものである。すなわち、人の恒常性はゆらぎで維持され、その周波数帯域はULF帯域とVLF帯域にあるとされている。一方、心疾患の一つである心房細動において、心・循環系のゆらぎの特性が切り替わる周波数は、0.0033Hzと言われており、0.0033Hz近傍のゆらぎの変化を捉えることで、恒常性維持に関する情報が得られる。また、0.0033Hz近傍以下と0.0053Hz近傍の周波数帯は、主に体温調節に関連するもので、0.01〜0.04Hzの周波数帯は自律神経の制御に関連するものと言われている。そして、本出願人が実際に、生体信号に内在するこれら低周波のゆらぎを算出する周波数傾き時系列波形を求め、それを周波数解析したところ、0.0033Hzよりも低周波の0.0017Hz、0.0033Hz近傍の0.0035Hzを中心とする周波数帯のゆらぎと、さらにこれらこの2つ以外に、0.0053Hzを中心とする周波数帯のゆらぎがあることが確認できた。
0.0035Hzの信号(疲労受容信号)は、外部より入力されるストレスに適応して恒常性を維持するためのゆらぎで、これは通常の活動状態における疲労の進行度合いを示す信号であり、0.0053Hzの信号(活動調整信号)は、活動時における内分泌系ホルモンの制御による影響の度合いが出現する信号であり、0.0033Hzよりも低周波の0.0017Hzの信号(機能調整信号)は、体の変調や機能低下を制御する信号としてあり、これら3つの周波数帯の信号が、相互に関わり合って体温調節機能として作用している。従って、これらの信号の変化の動向を捉えれば人の状態を推定できる。
特開2011−167362号公報 特開2012−95779号公報
特許文献1及び2に記載のものは、軽い眠気(軽度眠気)、入眠予兆現象、瞬眠、切迫睡眠など眠気に関連する現象を広く捉えることができるとしており、なかでも入眠予兆現象を捉えることができることを強調している。ULF帯域とVLF帯域に属する上記の3つの周波数成分を用いて人の状態を判定することは非常に有効であるが、判定精度のさらなる向上は常に望まれている。例えば、居眠りの予防を目的とした警告システムに適用した場合、入眠予兆現象を発現したときに警告を発する構成とすると、入眠予兆現象は、運転者自らがそのことを認知することなく生じることが多いため、その発現期において眠気を伴っていないことが多い。そのため、運転者は、その警告を誤判定と解釈してしまう場合がある。その一方、運転者への警告が遅れることは当然好ましくない。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、入眠予兆現象の出現後に生じる比較的強い眠気を伴うあくびを検出することができ、また、そのような眠気を伴うあくびを検出することによって居眠り予防等のための警告を、できるだけ確実に必要とされるタイミングで発することができ生体状態分析装置及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の生体状態分析装置は、生体信号測定装置により収集された生体信号に所定の演算処理を施す信号処理部と、前記信号処理部により演算処理された信号処理波形を用いて生体状態を判定する状態判定部とを有する生体状態分析装置であって、前記状態判定部が、前記信号処理部により得られた信号処理波形を分析して、入眠予兆現象の指標を捉える入眠予兆現象判定手段と、前記信号処理部により得られた信号処理波形を分析して、前記入眠予兆現象判定手段により捉えられる入眠予兆現象の指標の出現後に発生するあくびの前兆指標を捉えるあくび予測手段とを有することを特徴とする。
前記あくび予測手段は、前記入眠予兆現象判定手段により捉えられる入眠予兆現象の指標の出現から所定時間内に、心循環系のゆらぎを示す周波数成分の急変現象が出現するか否かを判定し、前記急変現象が出現した場合に、その急変現象を、その後に発生する前記あくびの前兆指標として捉えることが好ましい。
前記信号処理部が、前記生体信号の時系列波形におけるゼロクロス点又はピーク点を用いて周波数の時系列波形を求め、得られた前記周波数の時系列波形をスライド計算して周波数の傾き時系列波形を求める周波数傾き時系列波形演算手段と、前記周波数傾き時系列波形演算手段により得られる周波数傾き時系列波形から、前記心循環系のゆらぎを示す周波数成分として、心循環系のゆらぎの特性が切り替わる周波数よりも低い周波数の機能調整信号、前記機能調整信号よりも高い周波数の疲労受容信号、及び前記疲労受容信号よりも高い周波数の活動調整信号に相当するULF帯域からVLF帯域に属する各周波数成分を抜き出し、これらの周波数成分のそれぞれの分布率を時系列に求める分布率演算手段と
を有することが好ましい。
前記状態判定部の前記あくび予測手段は、前記分布率演算手段により得られる、前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号の分布率のいずれか少なくとも一つの周波数成分の急変現象が、前記入眠予兆現象判定手段により捉えられる入眠予兆現象の指標の出現から所定時間内に出現した場合に、前記あくびの前兆指標として捉えることが好ましい。
前記あくび予測手段は、前記分布率演算手段において、前記疲労受容信号の分布率の所定以上の上昇と前記活動調整信号の分布率の下降とが同時期に出現した場合に、前記急変現象と判定することが好ましい。
前記状態判定部の前記入眠予兆現象判定手段は、前記分布率演算手段において、前記活動調整信号の分布率の上昇と前記機能調整信号の分布率の下降とが同時期に出現した場合に、前記入眠予兆現象の指標として捉えることが好ましい。 前記状態判定部の前記入眠予兆現象判定手段は、前記周波数傾き時系列波形演算手段において、前記周波数傾き時系列波形の振幅が所定の基準に対して拡大傾向を示す場合に、前記入眠予兆現象の指標として捉えることが好ましい。前記生体信号測定装置によって収集される生体信号が、背部体表脈波であることが好ましい。
また、本発明のコンピュータプログラムは、 生体状態分析装置としてのコンピュータに、生体信号測定装置により収集された生体信号を分析させ、生体状態を判定する手順を実行させるコンピュータプログラムであって、生体信号測定装置により収集された生体信号に所定の演算処理を施す信号処理手順と、前記信号処理手順により演算処理された信号処理波形を用いて生体状態を判定する状態判定手順とを前記コンピュータに実行させ、前記状態判定手順として、前記信号処理手順により得られた信号処理波形を分析して、入眠予兆現象の指標を捉える入眠予兆現象判定手順と、前記信号処理手順により得られた信号処理波形を分析して、前記入眠予兆現象判定手順により捉えられる入眠予兆現象の指標の出現後に発生するあくびの前兆指標を捉えるあくび予測手順とを前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
前記あくび予測手順は、前記入眠予兆現象判定手順により捉えられる入眠予兆現象の指標の出現から所定時間内に、心循環系のゆらぎを示す周波数成分の急変現象が出現するか否かを判定し、前記急変現象が出現した場合に、その急変現象を、その後に発生する前記あくびの前兆指標として捉えることが好ましい。
前記信号処理手順として、前記生体信号の時系列波形におけるゼロクロス点又はピーク点を用いて周波数の時系列波形を求め、得られた前記周波数の時系列波形をスライド計算して周波数の傾き時系列波形を求める周波数傾き時系列波形演算手順と、前記周波数傾き時系列波形演算手順により得られる周波数傾き時系列波形から、前記心循環系のゆらぎを示す周波数成分として、心循環系のゆらぎの特性が切り替わる周波数よりも低い周波数の機能調整信号、前記機能調整信号よりも高い周波数の疲労受容信号、及び前記疲労受容信号よりも高い周波数の活動調整信号に相当するULF帯域からVLF帯域に属する各周波数成分を抜き出し、これらの周波数成分のそれぞれの分布率を時系列に求める分布率演算手順とを前記コンピュータに実行させることが好ましい。
前記状態判定手順の前記あくび予測手順は、前記分布率演算手順により得られる、前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号の分布率のいずれか少なくとも一つの周波数成分の急変現象が、前記入眠予兆現象判定手順により捉えられる入眠予兆現象の指標の出現から所定時間内に出現した場合に、前記あくびの前兆指標として捉えることが好ましい。
前記あくび予測手順は、前記分布率演算手順において、前記疲労受容信号の分布率の所定以上の上昇と前記活動調整信号の分布率の下降とが同時期に出現した場合に、前記急変現象と判定することが好ましい。
前記状態判定手順の前記入眠予兆現象判定手順は、前記分布率演算手順において、前記活動調整信号の分布率の上昇と前記機能調整信号の分布率の下降とが同時期に出現した場合に、前記入眠予兆現象の指標として捉えることが好ましい。
前記状態判定手順の前記入眠予兆現象判定手順は、前記周波数傾き時系列波形演算手順において、前記周波数傾き時系列波形の振幅が所定の基準に対して拡大傾向を示す場合に、前記入眠予兆現象の指標として捉えることが好ましい。
本発明は、生体信号を演算処理した信号処理波形を分析して入眠予兆現象を判定し、入眠予兆現象が出現したならば、その後所定時間内に発生するあくびの前兆指標を捉える構成である。入眠予兆現象が出現した後に発するあくびは比較的強い眠気を自覚している状態で生じる生理現象である。従って、本発明によれば、この強い眠気を伴うあくびが発生することを事前に検出することが可能となる。これにより、この強い眠気を伴うあくびの前兆指標を捉えたならば、所定の警告を発することで、人の主観により合致したタイミングでの警告が可能となり、居眠り予防等に高い効果が期待できる。
図1(a)は、本発明の一の実施形態において用いた背部体表脈波を測定する生体信号測定装置である背部体表脈波測定装置の一例を示した分解図であり、図1(b)は、その要部断面図である。 図2は、本発明の一の実施形態に係る生体状態分析装置の構成を模式的に示した図である。 図3は、実験例における主観評価の結果を示した図である。 図4は、実験例における指尖容積脈波の時系列波形を示した図である。 図5は、実験例における心電図のウェーブレット解析の結果を示した図である。 図6は、実験例における睡眠段階を示した図である。 図7は、実験例における脳波計のα波、β波、θ波の分布率の時系列波形を示した図である。 図8は、実験例におけるAPWのゼロクロス点を用いた周波数傾き時系列波形を示した図である。 図9は、実験例におけるAPWのゼロクロス点を用いた周波数傾き時系列波形から求めた機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号の分布率の時系列波形を示した図である。
以下、図面に示した本発明の実施形態に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。本発明において採取する生体信号は、例えば、指尖容積脈波、背部体表脈波(APW)等が挙げられるが、好ましくは、背部体表脈波(APW)である。背部体表脈波(APW)は、人の上体背部から検出される心臓と大動脈の運動から生じる振動であり、心室の収縮期及び拡張期の情報と、血液循環の補助ポンプとなる血管壁の弾性情報及び血圧による弾性情報を含んでいる。そして、心拍変動に伴う信号波形は交感神経系及び副交感神経系の神経活動情報(交感神経の代償作用を含んだ副交感神経系の活動情報)を含み、大動脈の揺動に伴う信号波形には交感神経活動の情報を含んでいる。
生体信号を採取するための生体信号測定装置は、指尖容積脈波であれば指尖容積脈波計を用いることができ、背部体表脈波(APW)であれば、例えば、圧力センサを用いることも可能であるが、好ましくは、(株)デルタツーリング製の居眠り運転警告装置(スリープバスター(登録商標))で使用されている共鳴式体幹音響情報センシングシステム(Sound signal Sensing System from the back by the Resonance stracture))を用いる。図1はこの共鳴式体幹音響情報センシングシステムである背部体表脈波測定装置1の概略構成を示したものである。この背部体表脈波測定装置1は、乗物の運転席に組み込んで使用することができ、手指を拘束することなく生体信号を採取できるため、運転者の居眠り予防等の警告用として適している。
背部体表脈波測定装置1を簡単に説明すると、図1(a),(b)に示したように、上層側から順に、第一層11、第二層12及び第三層13が積層された三層構造からなり、第一層11を生体信号の検出対象である人体側に位置させて用いられる。従って、人体の体幹背部からの生体信号、特に、心室、心房、大血管の振動に伴って発生する生体音(体幹直接音ないしは生体音響信号)を含む心臓・血管系の音・振動情報(背部体表脈波)は、生体信号入力系である第一層11にまず伝播される。
第一層11は、生体音響信号伝播層として、人体との接触面積を広げる役目を果たし、所定の面積を有する立体布帛を用いて構成される。立体布帛は、織物、編物等から構成できるが、好ましくは三次元立体編物を用いて構成される。三次元立体編物は、互いに離間して配置された一対のグランド編地同士を連結糸で結合することにより形成されている。各グランド編地は、例えば、繊維を撚った糸から、ウェール方向及びコース方向のいずれの方向にも連続したフラットな編地組織(細目)に形成したり、ハニカム状(六角形)のメッシュを有する編地組織に形成したりすることができる。連結糸は、一方のグランド編地と他方のグランド編地とが所定の間隔を保持するように、三次元立体編物に所定の剛性を付与している。従って、面方向に張力が付与されることにより、三次元立体編物を構成する対向するグランド編地の糸、あるいは、対向するグランド編地間を連結する連結糸を弦振動させることが可能となる。それにより、生体信号である心臓・血管系の音・振動によって弦振動が生じ、三次元立体編物の面方向に伝播される。このとき、第一層11を構成する三次元立体編物は、人の荷重がかかって張力が付与され、連結糸が振動しやすい状態となる。
第二層12は、第一層11から伝播される生体信号、特に心臓・血管系の音・振動を共鳴現象又はうなり現象によって強調させる共鳴層として機能する。第二層12は、共鳴箱としての筐体121、固有振動子122、フィルム123を有して構成される。筐体121は、ビーズ発泡体により構成することが好ましい。ビーズ発泡体としては、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンのいずれか少なくとも一つを含む樹脂製のビーズ発泡による発泡成形体が用いることができる。ビーズ発泡体からなる筐体121は、ビーズ発泡体を構成している樹脂膜の特性により、微小な振幅を伴う音・振動を膜振動として伝播する。
固有振動子(調和振動子)122は、立体布帛、好ましくは三次元立体編物から構成される。三次元立体編物は、上記の第一層11を構成する三次元立体編物と同様のものを用いることができる。固有振動子122を構成する三次元立体編物は、端部が振動溶着等により厚みが薄くなるように加工されていることが好ましい。それにより、面方向に張力が作用し、弦振動が生じやすくなる。なお、このような端部加工をすることが好ましいことは上記の第一層11を構成する三次元立体編物も同様である。固有振動子122は、背部が当接した際の違和感の軽減のため、脊柱に対応する部位を挟んで対象に2枚配設するようにすることが好ましい。ビーズ発泡体からなる筐体121は、所定の面積の略長方形に形成され、脊柱に対応する部位を挟んで対称位置に、縦長の孔部又は溝部からなる配置用スペース、本実施形態では配置用貫通孔121a,121aが2つ形成されており、この配置用貫通孔121a,121aに、2つの固有振動子122,122が挿入配置される。
固有振動子122,122の表側及び裏側にフィルム123,123が積層されている。すなわち、配置用貫通孔121a,121aの周縁部にフィルム123,123の周縁部を貼着することにより積層されている。この結果、筐体121の配置用貫通孔121a,121a及びフィルム123,123に取り囲まれた内部に三次元立体編物からなる固有振動子122,122が収容されることになり、これらが共鳴層の機能を果たす。なお、フィルム123,123は、固有振動子122,122毎に対応して配設するのではなく、2つの固有振動子122,122の両方とも覆うことのできる大きさのものを用いるようにしてもよい。また、フィルム123,123としては、例えば、ポリウレタンエラストマーからなるプラスチックフィルム(例えば、シーダム株式会社製、品番「DUS605−CDR」)を用いることができる。
ここで、固有振動子122,122は、その固有振動数が、体幹からの収集対象である生体信号、本実施形態では、心臓・血管系の音・振動情報(背部体表脈波)の周波数を含む周波数帯域内に存在するように設定されている。具体的には、体幹から収集される心生体信号は、100Hz以下の周波数帯域であるため、固有振動子122,122は固有振動数が100Hz以下となるように構成されている。生体信号のうち、心臓・血管系の音・振動情報に含まれる心音は25〜50Hz(I音:25〜45Hz、II音:50Hz近傍)であるが、体幹背部から収集される場合、これらの音・振動情報は、骨格、筋肉、皮膚、などにより減衰され、10〜40Hzの周波数帯域、特に20Hz近傍の信号波形となる。そこで、固有振動子122,122は、固有振動数が20〜30Hzの範囲内に設定されていることが好ましく、特に20Hz近傍に設定されている構成とすることがより好ましい。
固有振動子122,122に、その固有振動数近傍の音・振動情報が入力されると、共鳴現象あるいはうなり現象により、その音・振動情報が強調される。従って、体幹背部から第一層11を経由して伝播される心臓・血管系の音・振動情報は、固有振動子122,122の作用によって強調される。また、固有振動子122,122には、後述の第三層13を介して外部振動が入力される。
第二層12内において、本実施形態では、一方の固有振動子122とフィルム123との間に、マイクロフォンセンサ14が配設されている。このマイクロフォンセンサ14は、上記の共鳴搬送波を検出するセンサとして機能する。
第三層13は、第二層12を介して第一層11の反対側に積層され、外部からの音・振動入力を低減するものである。外部振動は、例えば、背部体表脈波測定装置1を乗物用シートのシートバックに組み込んだ場合、車体フロアからバックフレームを介して入力される振動であり、バックフレーム側に第三層13を配置することにより、バックフレームと共鳴層である第二層12との間に空間を作り、外部振動を機械的にフィルタリングして、所定以上の高周波数帯の音・振動情報を伝わり難くする。第三層13としては、このようなフィルタリング機能を果たすために、第一層11と同様に三次元立体編物を用いることが好ましい。なお、三次元立体編物は、グランド編地の編目密度、グランド糸の太さや素材、連結糸の配設密度、連結糸の太さや素材などを調整することにより、必要な除振性能をもたせることができる。
次に、本実施形態の生体状態分析装置1000の構成について図2に基づいて説明する。生体状態分析装置1000は、信号処理部1100と状態判定部1200とを有している。信号処理部1100は、背部体表脈波測定装置1により収集された背部体表脈波(APW)に所定の演算処理を施す手段であり、状態判定部1200は、信号処理部1100により演算処理された信号処理波形を用いて生体状態を判定する手段である。信号処理部1100は、周波数傾き時系列波形演算手段1110と分布率演算手段1120とを有して構成され、状態判定部1200は、入眠予兆現象判定手段1210とあくび予測手段1220とを有して構成される。
生体状態分析装置1000は、コンピュータ(マイクロコンピュータ等も含む)から構成され、このコンピュータの記憶部に、信号処理部1100を構成する周波数傾き時系列波形演算手段1110及び分布率演算手段1120として機能する、信号処理手順である周波数傾き演算手順及び分布率演算手順を実行させ、状態判定部1200を構成する入眠予兆現象判定手段1210及びあくび予測手段1220として機能する、状態判定手順である入眠予兆現象判定手順及びあくび予測手順を実行させるコンピュータプログラムが設定されている。
なお、コンピュータプログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えば上記コンピュータに上記プログラムをインストールすることができる。ここで、上記プログラムを記憶した記録媒体は、非一過性の記録媒体であっても良い。非一過性の記録媒体は特に限定されないが、例えば フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体が挙げられる。また、通信回線を通じて上記プログラムを上記コンピュータに伝送してインストールすることも可能である。
信号処理部1100の周波数傾き時系列波形演算手段1110は、背部体表脈波測定装置1のセンサ14から得られる背部体表脈波(APW)の時系列波形(以下、「原波形」というが、ここでいう原波形には、体動等の分析に使用しない成分をフィルタリング処理した後の波形の場合も含む))から周波数の時系列波形を求めた後、周波数の時系列波形をスライド計算して周波数傾き時系列波形を求める。
周波数傾き時系列波形を求める手法としては、本出願人による上記特許文献1及び2に開示されているように、背部体表脈波(APW)の時系列波形において、正から負に切り替わる点(ゼロクロス点)を用いる手法(ゼロクロス法)と、背部体表脈波(APW)の時系列波形を平滑化微分して極大値(ピーク点)を用いて時系列波形を求める方法(ピーク検出法)の2つの方法がある。
ゼロクロス法では、ゼロクロス点を求めたならば、それを例えば5秒毎に切り分け、その5秒間に含まれる時系列波形のゼロクロス点間の時間間隔の逆数を個別周波数fとして求め、その5秒間における個別周波数fの平均値を当該5秒間の周波数Fの値として採用する。そして、この5秒毎に得られる周波数Fを時系列にプロットすることにより、周波数の変動の時系列波形を求める。
ピーク検出法では、背部体表脈波(APW)の上記原波形を、例えば、SavitzkyとGolayによる平滑化微分法により極大値を求める。次に、例えば5秒ごとに極大値を切り分け、その5秒間に含まれる時系列波形の極大値間の時間間隔の逆数を個別周波数fとして求め、その5秒間における個別周波数fの平均値を当該5秒間の周波数Fの値として採用する。そして、この5秒毎に得られる周波数Fを時系列にプロットすることにより、周波数の変動の時系列波形を求める。
周波数傾き時系列波形演算手段1110は、ゼロクロス法又はピーク検出法により求められた周波数の変動の時系列波形から、所定のオーバーラップ時間(例えば18秒)で所定の時間幅(例えば180秒)の時間窓を設定し、時間窓毎に最小二乗法により周波数の傾きを求め、その傾きの時系列波形を出力する。このスライド計算を順次繰り返し、APWの周波数の傾きの時系列変化を周波数傾き時系列波形として出力する。
背部体表脈波(APW)は、中枢系である心臓の制御の様子を主として含む生体信号、すなわち、動脈の交感神経支配の様子、並びに、交感神経系と副交感神経系の出現情報を含む生体信号であり、ゼロクロス法により求めた周波数傾き時系列波形は、心臓の制御の状態により関連しており、交感神経の出現状態を反映しているが、ピーク検出法により求めた周波数傾き時系列波形は、心拍変動により関連している。従って、入眠予兆現象やあくびなどの生理現象を検出するには、ゼロクロス法を用いて求めた周波数傾き時系列波形を用いることが好ましい。
信号処理部1100の分布率演算手段1120は、まず、周波数傾き時系列波形演算手段1110から得られる周波数傾き時系列波形をそれぞれ周波数分析して、心循環系のゆらぎの特性が切り替わる周波数である上記の0.0033Hzよりも低い周波数の機能調整信号、機能調整信号よりも高い周波数の疲労受容信号、及び疲労受容信号よりも高い周波数の活動調整信号に相当するULF帯域からVLF帯域に属する各周波数成分を抜き出す。次に、これらの周波数成分のそれぞれの分布率を時系列に求める。すなわち、3つの周波数成分のパワースペクトルの値の合計を1とした際の各周波数成分の割合を分布率として時系列に求める。
本実施形態では、機能調整信号として0.0017Hzの周波数成分を用い、疲労受容信号として0.0035Hzの周波数成分を用い、活動調整信号として0.0053Hzの周波数成分を用いている。これらの周波数成分を用いることが適切であることは上記のとおりでが、各信号の周波数成分は個人差等により調整することも可能であり、機能調整信号は0.0033Hz未満の範囲で好ましくは0.001〜0.0027Hzの範囲で、疲労受容信号は0.002〜0.0052Hzの範囲で、活動調整信号は0.004〜0.007Hzの範囲で調整して用いることができる。
状態判定部1200の入眠予兆現象判定手段1210は、信号処理部1100により演算処理された信号処理波形、本実施形態では、周波数傾き時系列波形演算手段1110により得られる周波数傾き時系列波形、又は、分布率演算手段1120により得られる上記3つの周波数成分の分布率の時系列波形を用いて入眠予兆現象の指標の出現を捉える手段である。周波数傾き時系列波形演算手段1110により得られる周波数傾き時系列波形は、睡眠前の所定のタイミングで眠気に対する抵抗として生じる交感神経活動の一時的亢進に伴って振幅が拡大し、長周期化する傾向を示し、これが入眠予兆現象の指標と捉えられることが知られている(本出願人による特開2014−117425号公報参照)。また、入眠予兆現象を示すこの交感神経活動の一時的亢進は、分布率演算手段1120により得られる上記3つの周波数成分の分布率の時系列波形においては、活動調整信号(0.0053Hz)の分布率の上昇と機能調整信号(0.0017Hz)の分布率の下降とが同時期に出現することでも捉えられる。入眠予兆現象の判定は、周波数傾き時系列波形又は分布率の時系列波形のいずれか一方のみを基準として判定することもできるが、両者を併用することもできる。
状態判定部1200のあくび予測手段1220は、入眠予兆現象判定手段1210により、上記の入眠予兆現象の指標の出現が確認された後に発生するあくびである比較的強い眠気を伴うあくびの前兆指標を捉える手段である。具体的には、入眠予兆現象の指標の出現から所定時間内に、心循環系のゆらぎを示す周波数成分の急変現象が出現するか否かを判定する。「入眠予兆現象の指標の出現から所定時間内」とは、上記の周波数傾き時系列波形又は分布率の時系列波形を用いて特定される入眠予兆現象の出現開始時点から所定時間内であり、例えば、入眠予兆現象の指標が出現している時間が短く、入眠予兆現象の指標の出現が短時間で終了するが、その後にあくびの前兆指標が所定時間内に出現する場合、並びに、入眠予兆現象に相当する指標が継続して出現し続けている中で、入眠予兆現象の出現開始時点から所定時間内に出現する場合のいずれも含まれる。また、眠気を伴うあくびは、後述の実験例から入眠予兆現象の指標の出現開始時点から約5分から約10分で発生することが多いため、このあくびの前兆指標を判定する「所定時間」は、入眠予兆現象の出現開始時点から約2分から約8分の間で設定することが適切である。また、「所定時間」は個人毎に設定することもできる。
「心循環系のゆらぎを示す周波数成分の急変現象」は、分布率演算手段1120により得られる、機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号の分布率のいずれか少なくとも一つの周波数成分において急変現象が生じることをもって判定することができる。しかしながら、後述の実験例から、分布率の時系列波形において、入眠予兆現象の指標の出現後に、疲労受容信号の分布率の所定以上に上昇する一方で、それと同時期に、入眠予兆現象によって上昇していた活動調整信号の分布率が下降する場合に「急変現象」と特定し、これをもって「あくびの前兆指標」と判定する構成とすることが好ましい。また、後述の実験例によると、疲労受容信号の分布率の所定以上の上昇としては、分布率が50%以上となることを基準とすることが好ましい。
(実験例)
(実験方法)
90分間の座位姿勢による静的着座実験を行った。被験者は20歳代から30歳代の健常な男性13名であり、実験終了までできる限り覚醒状態を維持させて各データを測定した。
計測項目は、背部体表脈波(APW)、指尖容積脈波((株)アムコ製、フィンガークリッププローブSR−5C)、心電図(日本光電工業(株)製BSM−2301)、脳波(日本光電工業(株)製の脳波計EEG−9100)、並びに、主観評価である。APWは、図1に示した背部体表脈波測定装置1((株)デルタツーリング製、共鳴式体幹音響情報センシングシステム(Sound signal Sensing System from the back by the Resonance stracture))を被験者の背とシートの間に配置して測定した。
主観評価は、計測開始から30分経過までは5分毎に、その後、60分経過時点、90分経過時点で、「眠気度合」及び「疲労度合」を評価することにより行った。また、あくびをした際、手を挙げることを予め決め、被験者のあくびを観察するためにカメラで被験者の様子を撮影した。運転状態を模擬するため、被験者の前方にモニターを設置し、高速道路走行時のドライブレコーダーの動画を流した。
(実験結果・考察)
代表事例として、30歳代の男性被験者Aの実験結果を示す。図3の主観評価より、被験者Aは実験開始後20分間過ぎた時点で疲労感、眠気が生じ始め、60分経過時で眠気がピークを迎えるが、その後も疲労度合が増していることから、回復が十分でない状態であることがわかる。観察では被験者Aは32.3 分(図の△印)にあくびをしている。
図4は、指尖容積脈波の傾き時系列波形を示し、図5は心電図のRRIから検出した心拍数のウェーブレット解析結果を示す。図4から、パワー値の傾きは5分経過時から振幅増大、長周期化しており、これが30分経過の手前まで継続している。これは入眠予兆現象と考えられる。なお、図4では、実験開始後50分、70分経過後にリアプノフ指数の傾きが大きくなっているが、これは体動によるノイズである。また、図5に示したように、5分経過時から30分経過の手前においてLF/HFの上昇が頻出しており、交感神経活動の亢進が見られ、これも入眠予兆現象を示している。
図6は、睡眠段階判定法による睡眠段階を示し、図7は脳波の分布率解析結果を示す。これらの波形からも、被験者Aは、終始眠気に対して抵抗していたと思われる。図6から、計測開始から15分経過後に瞬眠していたことがわかる。図7でも、15分前後にα波、θ波が上昇し、β波が下降し、その後元の状態に戻っているが、これは瞬眠の状態を示すものであり、図6の傾向と一致している。なお、θ波に着目すると、20分経過後は眠気に対して抵抗していたことが推測される。
図8は、周波数傾き時系列波形演算手段1110より求められたAPWの周波数傾き時系列波形を示し、図9は、分布率演算手段1120より求められた、APWのゼロクロス点の周波数傾き時系列波形を用いて算出した分布率の時系列波形である。
図8の周波数傾き時系列波形によれば、21 分から30分にかけて、振幅が増大、長周期化しており、入眠予兆現象判定手段1210は、この時点を入眠予兆現象と判定する。また、図9の分布率の時系列波形では、23分頃に、活動調整信号である00053Hzが上昇し、機能調整信号である0.0017Hzが下降している。これは、覚醒度が低下していることを示すものであり、分布率演算手段112により得られる分布率の時系列波形を用いた場合には、入眠予兆現象判定手段1210はこの時点で入眠予兆現象と判定する。図9の分布率の時系列波形では、この入眠予兆現象の指標が発現された4分後、すなわち、実験開始から27分経過後に、疲労受容信号である0.0035Hzの分布率が50%以上に上昇し、活動調整信号である0.0053Hzが下降したことが認められる。その後、さらに約5分経過した32.3分の時点であくびが発生している。このことから、この27分経過時に生じた疲労受容信号である0.0035Hzの分布率の50%以上への上昇と、活動調整信号である0.0053Hzの下降とが同時期に生じたという条件をもって、あくび予測手段1220において比較的強い眠気を伴うあくびの前兆指標と判定する設定とすることが妥当である。なお、この27分経過時のあくびの前兆現象は、図9の分布率の時系列波形のみから判定すると、入眠予兆現象の指標が発生した後に生じた特有の波形であるが、図8の周波数傾き時系列波形を合わせて見ると、入眠予兆現象の指標が継続している時間帯で出現する波形ということになる。いずれにしても、強い眠気を伴うあくびの発生のタイミングは、入眠予兆現象との関連で求められることがわかる。
表1に、APWのゼロクロス点を用いた周波数傾き時系列波形において、振幅の拡大と長周期化が生じて入眠予兆現象の出現と判定されると共に、これとほぼ同時期において、分布率の時系列波形において、活動調整信号である00053Hzが上昇し、機能調整信号である0.0017Hzが下降して入眠予兆現象と判定され、かつ、その後、2〜8分以内であってあくびを発生する前に、疲労受容信号である0.0035Hzの分布率の50%以上への上昇と、活動調整信号である0.0053Hzの下降とが同時期に生じたという条件(条件A)を満たす急変現象と、その後のあくびの発生との相関性を全被験者13名のデータを用いて2×2クロステーブルを用いて確かめた。
χ二乗検定の結果、P=0.00051(P<0.05)、正答率76%であることから、上記条件が眠気を伴うあくびの発生の前兆指標として適していることがわかる。
1 背部体表脈波測定装置
14 センサ
1000 生体状態分析装置
1100 信号処理部
1110 周波数傾き時系列波形演算手段
1120 分布率演算手段
1200 状態判定部
1210 入眠予兆現象判定手段
1220 あくび予測手段

Claims (15)

  1. 生体信号測定装置により収集された生体信号に所定の演算処理を施す信号処理部と、前記信号処理部により演算処理された信号処理波形を用いて生体状態を判定する状態判定部とを有する生体状態分析装置であって、
    前記状態判定部が、
    前記信号処理部により得られた信号処理波形を分析して、入眠予兆現象の指標を捉える入眠予兆現象判定手段と、
    前記信号処理部により得られた信号処理波形を分析して、前記入眠予兆現象判定手段により捉えられる入眠予兆現象の指標の出現後に発生するあくびの前兆指標を捉えるあくび予測手段と
    を有することを特徴とする生体状態分析装置。
  2. 前記あくび予測手段は、前記入眠予兆現象判定手段により捉えられる入眠予兆現象の指標の出現から所定時間内に、心循環系のゆらぎを示す周波数成分の急変現象が出現するか否かを判定し、前記急変現象が出現した場合に、その急変現象を、その後に発生する前記あくびの前兆指標として捉える請求項1記載の生体状態分析装置。
  3. 前記信号処理部が、
    前記生体信号の時系列波形におけるゼロクロス点又はピーク点を用いて周波数の時系列波形を求め、得られた前記周波数の時系列波形をスライド計算して周波数の傾き時系列波形を求める周波数傾き時系列波形演算手段と、
    前記周波数傾き時系列波形演算手段により得られる周波数傾き時系列波形から、前記心循環系のゆらぎを示す周波数成分として、心循環系のゆらぎの特性が切り替わる周波数よりも低い周波数の機能調整信号、前記機能調整信号よりも高い周波数の疲労受容信号、及び前記疲労受容信号よりも高い周波数の活動調整信号に相当するULF帯域からVLF帯域に属する各周波数成分を抜き出し、これらの周波数成分のそれぞれの分布率を時系列に求める分布率演算手段と
    を有する請求項2記載の生体状態分析装置。
  4. 前記状態判定部の前記あくび予測手段は、
    前記分布率演算手段により得られる、前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号の分布率のいずれか少なくとも一つの周波数成分の急変現象が、前記入眠予兆現象判定手段により捉えられる入眠予兆現象の指標の出現から所定時間内に出現した場合に、前記あくびの前兆指標として捉える請求項3記載の生体状態分析装置。
  5. 前記あくび予測手段は、
    前記分布率演算手段において、前記疲労受容信号の分布率の所定以上の上昇と前記活動調整信号の分布率の下降とが同時期に出現した場合に、前記急変現象と判定する請求項4記載の生体状態分析装置。
  6. 前記状態判定部の前記入眠予兆現象判定手段は、
    前記分布率演算手段において、前記活動調整信号の分布率の上昇と前記機能調整信号の分布率の下降とが同時期に出現した場合に、前記入眠予兆現象の指標として捉える請求項3〜5のいずれか1に記載の生体状態分析装置。
  7. 前記状態判定部の前記入眠予兆現象判定手段は、
    前記周波数傾き時系列波形演算手段において、前記周波数傾き時系列波形の振幅が所定の基準に対して拡大傾向を示す場合に、前記入眠予兆現象の指標として捉える請求3〜6のいずれか1に記載の生体状態分析装置。
  8. 前記生体信号測定装置によって収集される生体信号が、背部体表脈波である請求項1〜7のいずれか1に記載の生体状態分析装置。
  9. 生体状態分析装置としてのコンピュータに、生体信号測定装置により収集された生体信号を分析させ、生体状態を判定する手順を実行させるコンピュータプログラムであって、
    生体信号測定装置により収集された生体信号に所定の演算処理を施す信号処理手順と、前記信号処理手順により演算処理された信号処理波形を用いて生体状態を判定する状態判定手順とを前記コンピュータに実行させ、
    前記状態判定手順として、
    前記信号処理手順により得られた信号処理波形を分析して、入眠予兆現象の指標を捉える入眠予兆現象判定手順と、
    前記信号処理手順により得られた信号処理波形を分析して、前記入眠予兆現象判定手順により捉えられる入眠予兆現象の指標の出現後に発生するあくびの前兆指標を捉えるあくび予測手順と
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  10. 前記あくび予測手順は、前記入眠予兆現象判定手順により捉えられる入眠予兆現象の指標の出現から所定時間内に、心循環系のゆらぎを示す周波数成分の急変現象が出現するか否かを判定し、前記急変現象が出現した場合に、その急変現象を、その後に発生する前記あくびの前兆指標として捉える請求項9記載のコンピュータプログラム。
  11. 前記信号処理手順として、
    前記生体信号の時系列波形におけるゼロクロス点又はピーク点を用いて周波数の時系列波形を求め、得られた前記周波数の時系列波形をスライド計算して周波数の傾き時系列波形を求める周波数傾き時系列波形演算手順と、
    前記周波数傾き時系列波形演算手順により得られる周波数傾き時系列波形から、前記心循環系のゆらぎを示す周波数成分として、心循環系のゆらぎの特性が切り替わる周波数よりも低い周波数の機能調整信号、前記機能調整信号よりも高い周波数の疲労受容信号、及び前記疲労受容信号よりも高い周波数の活動調整信号に相当するULF帯域からVLF帯域に属する各周波数成分を抜き出し、これらの周波数成分のそれぞれの分布率を時系列に求める分布率演算手順と
    を前記コンピュータに実行させる請求項10記載のコンピュータプログラム。
  12. 前記状態判定手順の前記あくび予測手順は、
    前記分布率演算手順により得られる、前記機能調整信号、疲労受容信号及び活動調整信号の分布率のいずれか少なくとも一つの周波数成分の急変現象が、前記入眠予兆現象判定手順により捉えられる入眠予兆現象の指標の出現から所定時間内に出現した場合に、前記あくびの前兆指標として捉える請求項11記載のコンピュータプログラム。
  13. 前記あくび予測手順は、
    前記分布率演算手順において、前記疲労受容信号の分布率の所定以上の上昇と前記活動調整信号の分布率の下降とが同時期に出現した場合に、前記急変現象と判定する請求項12記載のコンピュータプログラム。
  14. 前記状態判定手順の前記入眠予兆現象判定手順は、
    前記分布率演算手順において、前記活動調整信号の分布率の上昇と前記機能調整信号の分布率の下降とが同時期に出現した場合に、前記入眠予兆現象の指標として捉える請求項11〜13のいずれか1に記載のコンピュータプログラム。
  15. 前記状態判定手順の前記入眠予兆現象判定手順は、
    前記周波数傾き時系列波形演算手順において、前記周波数傾き時系列波形の振幅が所定の基準に対して拡大傾向を示す場合に、前記入眠予兆現象の指標として捉える請求項11〜14のいずれか1に記載のコンピュータプログラム。
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