JP2011105573A - ハイドロタルサイト型粒子粉末及びMg−Al系複合酸化物粒子粉末、並びに該ハイドロタルサイト型粒子粉末を含有する樹脂組成物 - Google Patents

ハイドロタルサイト型粒子粉末及びMg−Al系複合酸化物粒子粉末、並びに該ハイドロタルサイト型粒子粉末を含有する樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 吸湿性、調湿性に優れ、且つ、酢酸などの酸性分アニオンを含有する樹脂の加水分解、劣化により発生する酸をトラップする受酸能に優れたハイドロタルサイト型粒子粉末、及び該ハイドロタルサイト型粒子粉末を含有する樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 Mg−Al系ハイドロタルサイト粒子を芯粒子とし、該粒子表面にアルミニウムと2価金属Mから構成されるハイドロタルサイト層を形成したコア−シェル構造を有するMg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末を150℃〜350℃で熱処理を行い、層間水を脱水することを特徴とするハイドロタルサイト型粒子粉末である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、吸湿性、調湿性に優れ、且つ、酢酸などの酸性分アニオンを含有する樹脂の加水分解、劣化により発生する酸をトラップする受酸能に優れたハイドロタルサイト型粒子粉末、及び該ハイドロタルサイト型粒子粉末を熱処理するMg−Al系複合酸化物粒子粉末、並びに該ハイドロタルサイト型粒子粉末を含有する樹脂組成物を提供する。
近年、資源の有効活用や環境汚染の防止等エコロジーの面から、太陽光を電気エネルギーに変換する太陽電池の開発が盛んに行われている。
太陽電池の構成は、一般に、受光面側保護層のガラス基板と、裏面側保護層のPETを主体とする保護部材(バックシート)との間に、ポリマーによって封止されたシリコンセルモジュールを挟み込み、さらにアルミフレームによってシールされた構造となっている。受光面保護層のガラス基板と裏面保護層のバックシート、およびシール材に使用されるアルミフレームは、屋外に設置される太陽電池を過酷な自然環境(風雨など)から保護する目的で使用されている。
しかしながら、太陽電池は高温高湿や風雨に暴露される屋外で、長期にわたり使用されるため、上述の保護層(ガラス基板、バックシート、アルミフレーム)を水分が通過し、水分が封止材に浸透してしまう場合がある。太陽電池内部(封止材)にまで浸透した水分は、太陽電池内部のセルモジュールを腐食させ、太陽電池の発電効率、耐久性を著しく低下させてしまう。
また、太陽電池内部に使用されるセルモジュールの封止材としては、耐水性にすぐれ、且つ、太陽光を透過させるものを使用することが好ましいため、現在ではほとんどエチレン酢酸ビニル共重合体が使用されている。
しかしながら、エチレン酢酸ビニル共重合体は耐水性に優れるものの、保護層を透過した水分によって加水分解が徐々に進行し、酢酸が発生してしまう。発生した酢酸は太陽電池内部のセルモジュールを腐食させ、太陽電池の耐久性を著しく低下させてしまう。
従来、水分による電子部品の腐食を防止する手法として、ポリエチレン系樹脂組成物に、モレキュラーシーブや硫酸マグネシウムなどの吸水性フィラーを含有させる手法が知られている(特許文献1)。この手法により、樹脂組成物に浸透した水分は吸水性フィラーにより吸水される。
また、酸によるセルモジュールの侵食、腐食を防止する手法として、封止材に使用されるエチレン酢酸ビニル共重合体中に、水酸化マグネシウムなどの酸を中和するための受酸剤を含有させる手法が知られている(特許文献2及び特許文献3)。この手法によって発生した酢酸は中和することが可能であり、酢酸によるセルモジュールの腐食を防止することが出来る。
また、樹脂練り込み用のMg−Al系ハイドロタルサイト粒子粉末として、樹脂練り込み時の分散性を考慮し、板面径が大きく、適度な厚みを有する粒子粉末が知られている(特許文献4)。
特開2009−29964号公報 特開2009−179810号公報 特開2008−52277号公報 特開2001−164042号公報
従来の技術では、特許文献1においては、封止材に浸透した水分によるセルモジュールの腐食は防止することは出来るが、水分の浸透によって引き起こされるエチレン酢酸ビニル共重合体の加水分解により発生した酢酸を除去する能力には乏しく、酢酸によるセルモジュールの腐食を十分に防止できるとは言い難いものであった。
また、特許文献2及び特許文献3においては、水酸化マグネシウムなどの受酸剤を含有しているためエチレン酢酸ビニル共重合体から発生した酢酸を中和することが可能であり、酢酸によるセルモジュールの腐食を防止することができるが、封止材中に浸透した水分を直接除去する能力に乏しく、エチレン酢酸ビニル共重合体の水分による加水分解を未然に防止することも困難であるため、水分による腐食を十分に防止できるとは言い難いものであった。
さらに、従来の技術においては、屈折率を任意に変化させることは難しく、屈折率が大きく離れた樹脂と混合した際には、光の透過性が低下してしまい、太陽電池の発電効率が著しく低下してしまうものと考えられる。
また、特許文献4記載のハイドロタルサイト型粒子粉末ではハイドロタルサイト型粒子粉末の受酸能により、樹脂の加水分解によって発生する酢酸などの酸成分をトラップする能力には長けているが、樹脂中に浸透した水分を吸湿する能力には乏しく、樹脂の加水分解を防止することが困難であると考えられる。
そこで、本発明の目的は、吸湿性、調湿性に優れ、且つ、酢酸などの酸性分アニオンを含有する樹脂の加水分解、劣化により発生する酸をトラップする受酸能に優れたハイドロタルサイト型粒子粉末、及び該ハイドロタルサイト型粒子粉末を含有する樹脂組成物を提供することである。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、Mg−Al系ハイドロタルサイトを芯粒子とし、該粒子表面にアルミニウムと2価金属Mから構成されるハイドロタルサイト層を形成したコア−シェル構造を有するMg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末であり、該Mg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末を150℃〜350℃で熱処理を行い、層間水を脱水することによって、下記組成式(I)で表されることを特徴とするハイドロタルサイト型粒子粉末である(本発明1)。
(Mg1−y1−x・Al・(OH)・Ann− ・mHO (I)
(但し、式中、xとyとmはそれぞれ0.2≦x≦0.5、0.003≦y≦0.6、0≦m<1の範囲にある)
また、本発明は、前記記載のハイドロタルサイト型粒子粉末の脱水率が、粉末X線回折により2θが8〜18°付近に現れるハイドロタルサイトの厚み方向[003]面の2つにスプリットしたピークにおいて、低角側に現れるピークと高角側に現れるピークの回折強度の相対強度比が下記式(II)
相対強度比=低角側[003]面回折強度/高角側[003]面回折強度 (II)
で表され、相対強度比が0.1〜1000であることを特徴とするハイドロタルサイト型粒子粉末である(本発明2)。
また、本発明は、前記記載の式(I)中の2価金属Mが、Mg、Ca、Fe、Ni、Co、Mnから選択される1種以上の元素であって、少なくとも1種以上の2価金属がシェル層に含有されることを特徴とするハイドロタルサイト型粒子粉末である(本発明3)。
また、本発明は、前記記載のハイドロタルサイト型粒子粉末のシェル層に存在する2価金属Mの含有量が、コア粒子に含有されるマグネシウムとシェル層の2価金属Mとのモル等量比M/Mgで0.05〜0.6であり、前記粒子の屈折率が1.48〜1.70であることを特徴とするハイドロタルサイト型粒子粉末である(本発明4)。
また、本発明は、前記いずれかに記載のハイドロタルサイト型粒子粉末を400℃以上で熱処理することにより得られるMg−Al系複合酸化物粒子粉末である(本発明5)。
また、本発明は、前記いずれかに記載のハイドロタルサイト型粒子粉末又はMg−Al系複合酸化物粒子粉末とエチレン酢酸ビニル共重合体を含み、且つ、該ハイドロタルサイト型粒子粉末又は該Mg−Al系複合酸化物粒子粉末をエチレン酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、0.1質量部〜80質量部含む樹脂組成物である(本発明6)。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末は、吸湿性、調湿性に優れ、且つ、酢酸などの酸性分アニオンを含有する樹脂の加水分解、劣化により発生する酸をトラップする受酸能に優れているので、樹脂組成物のフィラーとして好適である。
また、本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末を用いた樹脂組成物は、フィルム化の際に樹脂への成形性及び吸湿性を高いレベルで両立する。
本発明の構成をより詳しく説明すれば以下の通りである。
まず、本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末について述べる。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末の構造は、Mg−Al系ハイドロタルサイトを芯粒子とし、該粒子の粒子表面にアルミニウムと2価金属Mとから構成されるハイドロタルサイト層を形成したコア−シェル構造を有するMg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末の熱処理を行い、層間水を脱水したハイドロタルサイト型粒子粉末である。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末の組成式は下記式(I)に表される化合物である。
(Mg1−y1−x・Al・(OH)・Ann− ・mHO(I)
0.2≦x≦0.5、
0.003≦y≦0.6、
0≦m<1、
p=x/n、
An:n価のアニオン
上記Mで表される2価金属の種類は、Mg、Ca、Fe、Ni、Cu、Co、Mnから選ばれる1種以上が挙げられ、2価金属の中から少なくとも一種含有しておればよく、必要であれば2種以上の2価金属を含有させることもできる。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末のBET比表面積が5〜150m/gが好ましい。より好ましくは7〜125m/gであり、更により好ましくは8〜100m/gである。BET比表面積が5m/g未満のハイドロタルサイト粒子では比表面積が小さすぎるため、十分な受酸能、吸湿能を得ることが難しく、BET比表面積が150m/gを超える場合には、粒子同士の凝集が激しくなり、樹脂中への均一な分散が困難となる。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末は平均板面径が0.01〜1.0μmである。好ましくは0.02〜0.8μmであり、より好ましくは0.02〜0.7μmである。平均板面径が0.01μm未満の場合には、樹脂中の分散性が不十分である。1.0μmを超える場合には、工業的に生産することが困難である。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末は、厚みが0.005〜0.1μmであることが好ましい。
また、本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末の脱水率は、粉末X線回折により2θが8〜18°付近に現れるハイドロタルサイトの厚み方向[003]面の2つにスプリットしたピークにおいて、低角側に現れるピーク(層間水を含むハイドロタルサイト)と高角側に現れるピーク(層間水が脱水されたブルーサイト構造の複酸化物)の回折強度の相対強度比により表すことができる。脱水率は下記式(II)の相対強度比で表される。
相対強度比=低角側[003]面回折強度/高角側[003]面回折強度(II)
その際の本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末の相対強度比は0.1〜1000であることが好ましい。より好ましくは0.2〜800であり、更により好ましくは0.25〜500である。0.1未満である場合、層間水が必要以上に脱水された状態となり、樹脂中に発生した酢酸を層間の中に導く水分まで失われた状態となっており、十分な受酸能が発揮できない。また、1000を超える場合には層間水の含有量が多量であり、樹脂中の水分を吸湿、調湿する機能が低くなる。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末のシェル層に存在する2価金属Mの含有量が、コア粒子に含有されるマグネシウムとシェル層の2価金属Mとのモル等量比M/Mgで0.05〜0.6であり、前記粒子の屈折率が1.48〜1.70の範囲に調整されている。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末において、後述する評価方法による溶液中の残存酢酸濃度は、150ppm未満であることが好まく、より好ましくは100ppm未満である。150ppm以上の場合は受酸能が不十分である。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末に含有されているアニオンの種類は特に限定されるものでないが、例えば水酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、ケイ酸イオン、有機カルボン酸イオン、有機スルフォン酸イオン、有機リン酸イオンなどが挙げられる。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末は、必要に応じ、粒子表面が高級脂肪酸、アニオン系界面活性剤、高級脂肪酸リン酸エステル、カップリング剤および多価アルコールエステル類から選ばれる少なくとも一種の表面処理剤で被覆されても良い。表面被覆物で被覆することによってハイドロタルサイト型粒子粉末の樹脂中への分散性が向上するほか、さらなる樹脂の高機能化、安定化が可能である。
高級脂肪酸としては、例としてラウリル酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸などであり、高級脂肪酸リン酸エステルとしては、例えば、ステアリルエーテルリン酸、オレイルエーテルリン酸、ラウリルエーテルリン酸などであり、多価アルコールエステルとしては、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ステアリン酸モノグリセライドなどである。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ひまし油カリウムなどの塩類などが挙げられる。
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、チタン系、ジルコニウム系カップリング剤などを使用できる。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末に表面処理剤を被覆する場合の量は、ハイドロタルサイト粒子に対してC換算で0.2〜20.0重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜18.0重量%である。被覆量が0.2重量%未満の場合には、被覆による機能や分散性などの向上は認められない。20.0重量%を超える場合には、被覆効果が飽和するため、必要以上に被覆する意味がない。
次に、本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末の製造法について述べる。
アニオンを含有したアルカリ性水溶液とマグネシウム塩水溶液とアルミニウム塩水溶液とを混合し、pH値が10〜14の範囲の混合溶液とした後、該混合溶液を40〜105℃の温度範囲で熟成してMg−Al系ハイドロタルサイト型粒子の芯粒子を生成させ(1次反応)、次いで、該芯粒子を含む水性懸濁液に、該芯粒子の生成時に添加した前記マグネシウムと前記アルミニウムとの合計モル数に対して、合計モル数が0.50以下となる割合で2価金属M及びアルミニウムを含有する水溶液を添加した後、pH値が8〜11の範囲、温度が60〜200℃の範囲で熟成すること(2次反応)により得ることができる。
本発明におけるアニオンを含むアルカリ性水溶液としては、アニオンを含む水溶液と水酸化アルカリ水溶液との混合アルカリ水溶液が好ましい。
アニオンを含む水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、有機カルボン酸塩、有機スルフォン酸塩、有機リン酸塩などの水溶液が好ましい。
水酸化アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、尿素水溶液などが好ましい。
本発明におけるマグネシウム塩水溶液としては、硫酸マグネシウム水溶液、塩化マグネシウム水溶液及び硝酸マグネシウム水溶液などを使用することができ、好ましくは硫酸マグネシウム水溶液、塩化マグネシウム水溶液である。また、酸化マグネシウム粉末や水酸化マグネシウム粉末のスラリーを代用しても良い。
本発明におけるアルミニウム塩水溶液としては、硫酸アルミニウム水溶液、塩化アルミニウム水溶液及び硝酸アルミニウム水溶液などを使用することができ、好ましくは硫酸アルミニウム水溶液、塩化アルミニウム水溶液である。また、酸化アルミニウム粉末や水酸化アルミニウム粉末のスラリーを代用しても良い。
1次反応において、アニオンを含有するアルカリ水溶液、マグネシウム及びアルミニウムの混合順序は、特に限定されるものではなく、また、各水溶液あるいはスラリーを同時に混合してもよい。好ましくは、アニオンを含有するアルカリ水溶液に、あらかじめマグネシウム及びアルミニウムを混合した水溶液若しくはスラリーを添加する。
また、各水溶液を添加する場合には、該水溶液を一度に添加する場合、又は連続的に滴下する場合のいずれで行ってもよい。
1次反応におけるアニオンを含有するアルカリ水溶液、マグネシウム及びアルミニウムを混合した反応溶液中の濃度は、マグネシウムは0.1〜1.5mol/lが好ましく、より好ましくは0.1〜1.2mol/l、アルミニウムは0.03〜1.0mol/lが好ましく、より好ましくは、0.04〜0.8mol/l、アニオンは0.05〜1.4mol/lが好ましく、より好ましくは、0.06〜1.2mol/l、アルカリは0.5〜8mol/lが好ましく、より好ましくは0.8〜6mol/lである。添加するマグネシウムとアルミニウムとの比(Mg/Al)は0.8〜5.0が好ましく、より好ましくは0.9〜4.5である。
1次反応における熟成反応中の温度は40〜105℃であり、好ましくは45〜105℃である。40℃未満の場合にもハイドロタルサイト型粒子粉末は生成するが、板面径の大きなハイドロタルサイト型粒子の芯粒子を得ることができない。
1次反応における熟成反応中のpH値は10〜14であり、好ましくは11〜14である。pH値が10未満の場合、板面径が大きく、適度な厚みを有したハイドロタルサイト型粒子の芯粒子が得られない。
1次反応における熟成反応の反応時間は2〜24時間が好ましい。熟成時間が2時間未満の場合には、板面径が大きく、適度な厚みを有したハイドロタルサイト型粒子の芯粒子が得られ難い。24時間を超える熟成は経済的ではない。
1次反応終了時点で、マグネシウムとアルミニウムは反応懸濁液中に残存しておらず、全てハイドロタルサイト型芯粒子の生成に寄与している。従って、芯粒子の組成は仕込み組成と同一になるものと推定される。
1次反応で得られたハイドロタルサイト型芯粒子は、平均板面径は0.008〜0.9μmが好ましく、厚みは0.004〜0.07μmが好ましく、BET比表面積値は5〜150m/gが好ましい。
2次反応において、2価金属M及びアルミニウムの合計モル数は、1次反応で添加したマグネシウムとアルミニウムの合計モル数に対して0.50以下である。好ましくは0.45以下である。1次反応の合計モル数に対し0.50を超えて添加した場合には、シェル層を形成する以外に、形外粒子が単独で多数発生してしまい、均一なコア−シェル構造を有するハイドロタルサイト粒子が得られない。
2次反応において、2価金属M及びアルミニウムの添加順序は、特に限定されるものではなく、また、各水溶液あるいはスラリーを同時に添加してもよい。好ましくは、あらかじめ2価金属M及びアルミニウムを混合した水溶液若しくはスラリーを添加する。
また、各水溶液を添加する場合には、該水溶液を一度に添加する場合、又は連続的に滴下する場合のいずれで行ってもよい。
2次反応における2価金属M及びアルミニウムを混合した溶液中の金属濃度の合計は、0.1〜1.5mol/lが好ましく、より好ましくは0.1〜1.2mol/lである。
2次反応における熟成反応中の温度は45℃〜105℃であり、好ましくは60〜105℃である。45℃未満の場合にも粒子成長を促進することは可能であるが、安定した合成が難しく、微細な粒子径の形外粒子が多数生成してきてしまう。その後に所望の粒子を得るために、反応時間の延長、または105℃以上の温度へ昇温して、エージングを行うことが効果的であり、その温度範囲は105℃〜200℃である。
2次反応における熟成反応中のpH値は8〜11であり、好ましくは8〜10である。pH値が8未満の場合、板面径が大きく、適度な厚みを有したハイドロタルサイト粒子が得られない。またpHが11を超えると添加した2価金属の一部が析出せずに水溶液中に残ってしまう場合があるため経済的でも工業的でもない。
2次反応における熟成反応の反応時間は2〜24時間が好ましい。熟成時間が2時間未満の場合には、板面径が大きく、適度な厚みを有したハイドロタルサイト粒子が得られ難い。24時間を超える熟成は経済的ではない。
2次反応終了時点で、2価金属及びアルミニウムは反応懸濁液中に残存しておらず、全てハイドロタルサイト粒子の生成に寄与している。従って、芯粒子の表面に被覆されたハイドロタルサイト層の組成は、成長反応における仕込み組成と同一になるものと推定される。
反応終了後に、常法により濾別、水洗、乾燥すれば、Mg−Al系ハイドロタルサイトを芯粒子とし、該芯粒子の粒子表面(外殻)にM−Al系ハイドロタルサイトを形成したMg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末が得られる。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末は、前記Mg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末を150〜350℃、好ましくは180〜320℃の温度範囲で熱処理する。熱処理時間は熱処理温度によって調整すればよい。また、熱処理時の雰囲気は酸化雰囲気、非酸化雰囲気いずれでも構わないが、水素のような強い還元作用を持つガスは使用しないほうが良い。
表面処理剤による被覆は、乾式表面処理、湿式表面処理のいずれでも行うことができる。乾式表面処理を行う場合は、Mg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末をヘンシェルミキサー、サンドミル、エッジランナー、タニナカ式粉砕機、らいかい機等に入れ、表面処理剤を添加して乾式混合及び粉砕する。
湿式表面処理を行う場合は、Mg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末を分散して得られる水性懸濁液に、高級脂肪酸塩等の水溶液を添加して温度を20〜95℃に調整して混合攪拌することにより、又は、必要により、混合攪拌後にpH値を調整することにより、前記Mg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子の粒子表面を被覆し、次いで、濾別、水洗、乾燥、粉砕する。さらに続けて熱処理を行う場合は、熱処理温度において分解しない任意の表面処理剤を選択する。
所望の熱処理温度で表面処理剤が分解してしまう場合には、熱処理後にヘンシェルミキサーなどを使用した乾式表面処理を行えばよい。乾式表面処理を行う場合は、Mg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末と表面処理剤とを粉砕及び混合しながら、必要で有れば外部より加熱すれば良い。
表面処理剤としては、前述したとおりの高級脂肪酸、高級脂肪酸リン酸エステル、多価アルコールエステル、アニオン系界面活性剤、カップリング剤等が使用できる。
粒子表面の被覆量は、Mg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末に対し、C換算で0.2〜20.0重量%である。0.2重量%未満である場合には、粒子表面に充分な量の高級脂肪酸を被覆することが困難である。20.0重量%を超える場合には、被覆効果が飽和するため、必要以上に添加する意味がない。
次に、本発明に係るMg−Al系複合酸化物粒子粉末について述べる。
本発明に係るMg−Al系複合酸化物粒子粉末は、平均板面径が0.05〜1.0μm、厚みが0.005〜0.1μm、BETが5〜150m/gが好ましい。また溶液中の残存濃度は150ppm未満であり、屈折率は1.48〜1.70が好ましい。
本発明に係るMg−Al系複合酸化物粒子粉末は、前記ハイドロタルサイト型粒子粉末を400℃以上で熱処理することにより得られる。熱処理時の雰囲気は酸化雰囲気、非酸化雰囲気いずれでも構わないが、水素のような強い還元作用を持つガスは使用しないほうが良い。
次に、本発明に係るMg−Al系複合酸化物粒子粉末の製造法について述べる。
本発明のMg−Al系複合酸化物粒子粉末は、ハイドロタルサイト型粒子粉末を400℃以上の熱処理をすることにより得ることができる。好ましくは400〜900℃の温度範囲で熱処理する。
次に、本発明に係る樹脂組成物について述べる。
本発明に係る前記ハイドロタルサイト型粒子粉末を含有した、受酸能および調湿能を有する樹脂組成物である。樹脂としてはエチレン酢酸ビニル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂等である。好ましくはエチレン酢酸ビニル共重合体であり、必要に応じて前記樹脂を混合することも出来る。
本発明に係る樹脂組成物は樹脂100質量部に対して、前記ハイドロタルサイト型粒子粉末を0.1質量部〜80質量部含有することが好ましい。前記ハイドロタルサイト粒子の含有量が0.1未満の場合には、受酸剤、調湿剤としての効果が低い。80質量部を超える場合には樹脂の透明性が悪くなり、太陽電池の発電効率に悪影響を及ぼしてしまう。
本発明の樹脂組成物には必要に応じて、種々の添加物を配合することが出来る。このような添加剤としては、周知の架橋剤、接着向上剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等を例示することができる。
架橋剤としては有機過酸化物、光重合開始剤を添加することが出来る。有機過酸化物として、例えば、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、第3ブチルパーオキシアセテート、第3ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン等があげられる。
接着向上剤としてはシランカップリング剤を添加することが出来る。例えば、ビニル基、アクリロキシ基のような不飽和基、アミノ基、エポキシ基、アルコキシ基を備える基を有するシランカップリング剤があげられる。具体的にはN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプ ロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどである。
酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、リン系が、光安定剤としてはヒンダートアミン系、ベンゾエート系が、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系が挙げられる。
次に、本発明に係る樹脂組成物の製造法について述べる。
本発明の樹脂組成物は、エチレン酢酸ビニル共重合体等の樹脂、ハイドロタルサイト型粒子粉末、及び必要に応じて架橋剤などの添加物を用いて、公知の方法で混練することにより得ることが出来る。例えばフィルム状成形物を得る場合には通常の押し出し機、熱間ロールなどを用いて混練した後フィルム成型すればよい。フィルムの成型は従来のインフレーション法、Tダイ法等も使用することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げる。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末及び樹脂組成物の諸特性は、下記の方法により評価した。
コアシェル構造を有したMg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末の構成相同定はX線回折装置(理学電気株式会社製、RINT−2500)で行った。回折角2θが3〜80°、ステップ角0.03°、FT0.3secの条件で測定した。線源種はCuを使用した。
コアシェル構造を有したMg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末の板面径は透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JEM−1200EXII)を用いて測定した数値の平均値で示したものである。
コアシェル構造を有したMg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末の粒子の厚みは、構成相同定同様に、X線回折装置から測定した。線源種はCuを使用し、管電圧40kV、管電流:300mA、ステップ角0.01°、FT0.1secの条件で、ハイドロタルサイト型粒子粉末の[006]結晶面の回折ピーク曲線から、シェラーの式を用いて計算した値で示した。
コアシェル構造を有したMg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末における組成は、該ハイドロタルサイト型粒子粉末を酸で溶解し、プラズマ発光分光分析装置(サーモエレクトロン株式会社製、iCAP6500)でイットリウムを内部標準として用いて分析して求めた。
比表面積値は、窒素を用いたBET法により測定した。測定装置は「モノソーブ MS−21(QUANTA CHROME製)を使用した。
なお、アニオン(Ann−)として炭酸イオン(CO 2−)用いた場合の炭酸イオン含有量、及び粒子表面の高級脂肪酸、高級脂肪酸リン酸エステル、多価アルコールエステル、アニオン系界面活性剤、カップリング剤等による被覆量は、「カーボン・サルファーアナライザー:EMIA−2200(HORIBA製)」により、炭素含有量(重量%)測定して評価した。粒子表面の高級脂肪酸、高級脂肪酸リン酸エステル、多価アルコールエステル、アニオン系界面活性剤、カップリング剤等による被覆量は、表面処理の前後での炭素含有量の増加分から評価した。
ハイドロタルサイト型粒子粉末の溶液中の残存濃度は、酢酸濃度1000ppmの水溶液を用意し、その水溶液100mlに対してハイドロタルサイト粒子1gを添加したものを48時間静置し、その溶液をろ過したろ液に含有される酢酸の含有量をイオンクロマトグラフを用いて測定した。
ハイドロタルサイト型粒子粉末の屈折率は、JIS K0062に基づいて測定した。即ち、α−ブロモナフタレンとDMFを溶媒として23℃にて「アッベ屈折計:3T(アタゴ製)」を用いベッケ法により測定した。
ハイドロタルサイト型粒子粉末の重量減少率は、以下計算式によって算出した。
重量減少率(wt%)=({熱処理前重量−熱処理後重量}/熱処理前重量)×100
ハイドロタルサイト型粒子粉末を含有する樹脂組成物の成形性は、フィルムの全光線透過率(透明性)を測定することによって評価した。樹脂中へのハイドロタルサイト型粒子粉末の分散が不十分な場合、凝集した粒子によって全光線透過率(透明性)が低下するため、前記評価を成形性の判断基準とした。全光線透過率評価による成形性の判断基準は以下のように設定した。なお、下記の全光線透過率は、エチレン酢酸ビニル共重合体のみの全光線透過率を100%とした場合の相対的な全光線透過率である。
○:全光線透過率が90%以上
△:全光線透過率が85%以上90%未満
×:全光線透過率が85%未満
ハイドロタルサイト型粒子粉末を含有する樹脂組成物の吸湿性は、上記フィルムを5cm×5cmに切り分けたものを試料として、25℃、80%RHにおける48時間後の吸湿量変化を吸湿前後の質量変化で求めた。
次に、樹脂組成物の作製方法について述べる。
エチレン酢酸ビニル100重量部に対して、ハイドロタルサイト型粒子粉末を所定量混合し、通常の熱間ロールに供給し、混練した後成形し、厚さ1mmのフィルム状樹脂組成物を作成した。
実施例1
CO 2−イオン濃度が0.84mol/lの炭酸ナトリウム水溶液500mlと18.4mol/lの水酸化ナトリウム水溶液341ml(pH値=14.2)及び水500mlを混合し、60℃に保持して、反応容器中で撹拌しておく。これに1.92mol/lの硫酸マグネシウム水溶液750mlと0.96mol/lの硫酸アルミニウム水溶液250mlの混合溶液を添加し、全量を1.5lとした。反応容器内を撹拌しながらpH値が12.8、60℃で2時間熟成して白色沈殿物を生成した(コア粒子1)。得られたハイドロタルサイト粒子の板面径は0.15μm、厚みは0.030μm、比表面積は18.6m/gであった。
次いで、1.35mol/lの硫酸マグネシウム溶液250mlと0.47mol/lの硫酸アルミニウム水溶液250mlの混合溶液を30分かけて添加し、全量を2lとし反応容器内を攪拌しながらpH値が9.7、60℃で1時間熟成して白色沈殿物を生成した。上記反応で添加したマグネシウムとアルミニウムの合計モル数に対する、シェル反応で添加したマグネシウムとアルミニウムの合計モル数の比は0.15である。この懸濁液をオートクレーブに移して160℃にて6h撹拌しながらエージングし、コアシェル構造のMg−M−Al系ハイドロタルサイトの粒子成長を促進させた。得られたハイドロタルサイト型粒子粉末の板面径は0.14μm、厚みは0.040μm、比表面積は19.2m/gであった。
この白色沈殿物を含むスラリーを濾過、水洗の後、120℃にて乾燥することにより白色粒子粉末を得た。この白色粒子粉末をX線回折により結晶相を同定した結果、ハイドロタルサイト型粒子粉末であることが認められた。
次いで、得られたハイドロタルサイト型粒子粉末を260℃、1時間熱処理を行い、層間水の脱水を行った。得られたハイドロタルサイト型粒子粉末の板面径は0.14μm、厚みは0.033μm、比表面積は45.3m/gであった。さらに粉末X線回折により分析し、スプリットした[003]面の相対強度比を求めると、1.2であった。未脱水ハイドロタルサイトと脱水されたハイドロタルサイトがほぼ1:1で存在していることが認められた。また、熱処理後の重量減少率は12.1wt%であった。
次いで、ハイドロタルサイト型粒子粉末10重量部、エチレン酢酸ビニル共重合体(商品名:LV−440)90重量部を混合して通常の熱間ロールで145℃、10分間混練した後、厚さ1mmのフィルム状樹脂組成物を得た。得られたフィルム状樹脂組成物の成形性はよく、吸湿率は3.4%であった。
実施例2〜5、比較例1〜3
マグネシウム化合物および2価金属の種類、濃度、アルミニウム化合物の種類、濃度、炭酸ナトリウム塩の濃度、アルカリ水溶液の濃度、及び熟成温度、熱処理温度を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にしてMg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子を得た。また、同様に得られたハイドロタルサイト粒子を用いて、フィルム状樹脂組成物を得た。
実施例6
実施例1のハイドロタルサイト型粒子粉末を再度700℃の温度で1時間熱処理し、Mg−Al系複合酸化物粒子粉末を得た。得られたMg−Al系複合酸化物粒子粉末の平均板面径は0.14μm、厚みは0.033μm、比表面積は75.4m/gであった。また実施例1を再度熱処理することによって重量減少率は、12.1wt%から40.1wt%となった。
実施例及び比較例の合成条件を表1及び表2に、得られたハイドロタルサイト粒子の諸特性を表3に、Mg−Al系複合酸化物粒子粉末の合成方法及び特性を表4に、得られた樹脂組成物の特性を表5に示す。
Figure 2011105573
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表5に示すとおり、本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末又はMg−Al系複合酸化物粒子粉末を含有する樹脂組成物は、全光線透過率が90%以上であり、しかも吸湿率が0.1〜5%と低いので、高い透明性を有するとともに吸湿性に優れることが確認された。
本発明に係るハイドロタルサイト型粒子粉末は、吸湿性、調湿性に優れ、且つ、酢酸などの酸性分アニオンを含有する樹脂の加水分解、劣化により発生する酸をトラップする受酸能に優れているため、樹脂組成物のフィラーとして好適である。

Claims (6)

  1. Mg−Al系ハイドロタルサイト粒子を芯粒子とし、該粒子表面にアルミニウムと2価金属Mから構成されるハイドロタルサイト層を形成したコア−シェル構造を有するMg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子であり、該Mg−M−Al系ハイドロタルサイト型粒子粉末を150℃〜350℃で熱処理を行い、層間水を脱水することによって、下記式(I)
    (Mg1−y1−x・Al・(OH)・Ann− ・mHO (I)
    (但し、式中、xとyとmはそれぞれ0.2≦x≦0.5、0.003≦y≦0.6、0≦m<1の範囲にある)で表されることを特徴とするハイドロタルサイト型粒子粉末。
  2. 請求項1記載のハイドロタルサイト型粒子粉末の脱水率が、粉末X線回折により2θが8〜18°付近に現れるハイドロタルサイトの厚み方向[003]面の2つにスプリットしたピークにおいて低角側に現れるピークと高角側に現れるピークの回折強度の相対強度比が下記式(II)
    相対強度比=低角側[003]面回折強度/高角側[003]面回折強度 (II)
    で表され、相対強度比が0.1〜1000であることを特徴とするハイドロタルサイト粒子粉末。
  3. 請求項1記載の式(I)中の2価金属Mが、Mg、Ca、Fe、Ni、Co、Mnから選択される1種以上の元素であって、少なくとも1種以上の2価金属がシェル層に含有されることを特徴とするハイドロタルサイト型粒子粉末。
  4. 請求項1記載のハイドロタルサイト型粒子粉末のシェル層に存在する2価金属Mの含有量が、コア粒子に含有されるマグネシウムとシェル層の2価金属Mとのモル等量比M/Mgで0.05〜0.6であり、前記粒子の屈折率が1.48〜1.70であることを特徴とするハイドロタルサイト型粒子粉末。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のハイドロタルサイト粒子粉末を400℃以上で熱処理することにより得られるMg−Al系複合酸化物粒子粉末。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載のハイドロタルサイト型粒子粉末又は請求項5記載のMg−Al系酸化物粒子粉末とエチレン酢酸ビニル共重合体を含み、且つ、該ハイドロタルサイト型粒子粉末又はMg−Al系複合酸化物粒子粉末をエチレン酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、0.1質量部〜80質量部含む樹脂組成物。
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