JP5196076B1 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【選択図】なし
Description
本発明の実施形態で使用する(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、PPSと略すことがある)は、下記構造式で示される繰り返し単位
次に、本発明の実施形態で用いる(B)Mg−Al系ハイドロタルサイトを芯粒子とし、該芯粒子の粒子表面にMを2価金属としてMg−M−Al系ハイドロタルサイト層を備えるハイドロタルサイト粒子(以下、Mg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子という)について述べる。
実施形態で用いる(B)Mg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子としては、具体的には、特開2004−299931号公報または特開2011−105573号公報に開示されるハイドロタルサイト型粒子粉末を用いることができる。
(Mg1-yMy)1-x・Alx・(OH)2・Ann- p・mH2O
0.2≦x≦0.5、
0.003≦y≦0.6、
0<m≦1、
p=x/n、
An:n価のアニオン
次に、本発明の実施形態で用いるMg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子の製造法について述べる。
上記の方法で得られたMg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子は、熱処理をして用いることができる。熱処理は、Mg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子を80〜500℃、好ましくは80〜350℃、より好ましくは180〜320℃の温度範囲で行う。熱処理時間は熱処理温度によって調整すればよい。また、熱処理時の雰囲気は酸化雰囲気、非酸化雰囲気いずれでも構わないが、水素のような強い還元作用を持つガスは好ましくない。
上記の方法で得られたMg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子は、表面処理剤により被覆をして用いることができる。
本発明の実施形態では、上記のMg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子を配合することが重要であり、配合量は(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、0.1〜30重量部である。配合量は、0.5重量部以上とすることが好ましく、1.0重量部以上とすることがさらに好ましい。また、配合量は、25重量部以下とすることが好ましく、20重量部以下とすることがさらに好ましい。0.1重量部未満であるとフォギング性(発生ガスによりガラスなどが曇るのを防ぐ効果)が不十分であり、30重量部を超える場合、流動性および機械的強度が不十分となり、強度とフォギング性に優れた樹脂組成物を得難くなる。
本発明の実施形態のPPS樹脂組成物には、さらに、ハイドロタルサイト以外の無機充填材を配合することができ、必要な機械特性、寸法安定性などを付与することができる。無機充填材としては、繊維状充填材、非繊維状充填材を用いることができる。
本発明の実施形態のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物においては、本発明の実施形態の効果を損なわない範囲において、低バリ性および高靭性をより改良するために、さらにシラン化合物を配合することが可能である。かかるシラン化合物としては、例えばエポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカプト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシラン化合物が挙げられる。その具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられ、中でもγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物等が好ましい。特に好ましくは、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。
本発明の実施形態のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の製造方法には特に制限はないが、各原料を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロールなど通常公知の溶融混合機に供給して、280〜380℃の温度で混練する方法などを挙げることができる。原料の混合順序にも特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し、さらに残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法などのいずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形に供することももちろん可能である。
本発明の実施形態のPPS樹脂組成物は、200℃近傍のポリフェニレンスルフィドの融点以下の領域での発生ガスが少ない。また、本発明の実施形態のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を成形した場合には、レンズ等の曇りを防ぐことが出来る成形体を得ることができる。
以上のように、本発明の実施形態のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、200℃近傍のポリフェニレンスルフィドの融点以下の領域での発生ガスが少なく、レンズ等の曇りを防ぐことが出来ることから、例えばレンズホルダー、ケースなどの光学部品、特にプロジェクター部品に好適に用いられる。
300℃、剪断速度1000/sの条件下、東洋精機社製キャピログラフを用いて、PPS樹脂の溶融粘度を測定した。
PPS樹脂を540℃の炉中で6時間加熱し、加熱後の残渣の重量分率を測定し、算出した。
(A−1)PPS樹脂−1:
攪拌機付きオートクレーブに47%水硫化ナトリウム水溶液2.98kg(25モル)、48%水酸化ナトリウム2.17kg(26モル)ならびにN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す。)5kgを仕込み、徐々に205℃まで昇温し、水2.7kgを含む抽出水2.8リットルを除去した。残留混合物に1,4−ジクロロベンゼン3.75kg(25.5モル)ならびにNMP2.5kgを加えて、270℃で1時間加熱した。これを濾過し、pH4の酢酸水溶液25リットル中に投入し、密閉されたオートクレーブ中で192℃で約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、濾液のpHが7になるまで約90℃のイオン交換水で洗浄後、ポリマーを120℃で24時間減圧乾燥してER85(g/10min)(溶融粘度10Pa・s)のPPS樹脂−1を得た。得られたPPS樹脂−1は、灰分が0.21重量%であった。
撹拌機および底栓弁付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2.91kg(69.80モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11.45kg(115.50モル)、酢酸ナトリウム1.89kg(23.10モル)、及びイオン交換水10.5kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14.78kgおよびNMP0.28kgを留出した後、反応容器を200℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。その後200℃まで冷却し、p−ジクロロベンゼン10.45kg(71.07モル)、NMP9.37kg(94.50モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封し、240rpmで撹拌しながら0.6℃/分の速度で200℃から270℃まで昇温した。270℃で100分反応した後、オートクレーブの底栓弁を開放し、窒素で加圧しながら内容物を攪拌機付き容器に15分かけてフラッシュし、250℃でしばらく撹拌して大半のNMPを除去した。得られた固形物およびイオン交換水76リットルを撹拌機付きオートクレーブに入れ、70℃で30分洗浄した後、ガラスフィルターで吸引濾過した。次いで70℃に加熱した76リットルのイオン交換水をガラスフィルターに注ぎ込み、吸引濾過してケークを得た。得られたケークおよびイオン交換水90リットルを撹拌機付きオートクレーブに仕込み、pHが7になるよう酢酸を添加した。オートクレーブ内部を窒素で置換した後、192℃まで昇温し、30分保持した。その後オートクレーブを冷却して内容物を取り出した。内容物をガラスフィルターで吸引濾過した後、これに70℃のイオン交換水76リットルを注ぎ込み吸引濾過してケークを得た。得られたケークを酸素気流下、200℃で熱処理し、乾燥PPS樹脂−2を得た。得られたPPS樹脂−2は、溶融粘度が150Pa・s、灰分が0.16重量%であった。
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8.27kg(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム3.0kg(70.97モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11.43kg(115.50モル)、酢酸ナトリウム0.86kg(10.5モル)、及びイオン交換水10.50kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14.78kgおよびNMP0.28kgを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。次に、p−ジクロロベンゼン10.24kg(69.63モル)、NMP9.01kg(91.00モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封し、240rpmで撹拌しながら、0.6℃/分の速度で238℃まで昇温した。238℃で95分反応を行った後、0.8℃/分の速度で270℃まで昇温した。270℃で100分反応を行った後、1.26kg(70モル)の水を15分かけて圧入しながら250℃まで1.3℃/分の速度で冷却した。その後200℃まで1.0℃/分の速度で冷却してから、室温近傍まで急冷した。内容物を取り出し、26.30kgのNMPで希釈後、溶剤と固形物をふるい(80mesh)で濾別し、得られた粒子を31.90kgのNMPで洗浄、濾別した。これを、56.00kgのイオン交換水で数回洗浄、濾別した後、0.05重量%酢酸水溶液70.00kgで洗浄、濾別した。70.00kgのイオン交換水で洗浄、濾別した後、得られた含水PPS粒子を80℃で熱風乾燥し、120℃で減圧乾燥した乾燥PPS樹脂−3を得た。得られたPPS樹脂−3は、溶融粘度が60Pa・s、灰分が0.04重量%であった。
戸田工業社製、ハイドロタルサイト“NAOX−91N”。平均板面径は、0.15μm(芯粒子;Mg−Al、外層;Mg−Mg−Al、芯粒子におけるMgのモル数(Mg1)に対する、外層におけるMgと2価金属Mとの合計モル数(Mg2+M)の、モル比(Mg2+M)/Mg1は、0.2〜0.3)。
戸田工業社製、ハイドロタルサイト“N−57D”。平均板面径は、0.20μm(芯粒子;Mg−Al、外層;Mg−Zn−Al、芯粒子におけるMgのモル数(Mg1)に対する、外層におけるMgと2価金属Mとの合計モル数(Mg2+M)の、モル比(Mg2+M)/Mg1は、0.2〜0.4)。
協和化学工業社製、ハイドロタルサイト“KW−2100”。(芯粒子、外層は均一組成;Mg−Al)。
ガラス繊維。日本電気硝子社製、ガラスチョップドストランド“ECS 03 T−747H”。
炭酸カルシウム。同和カルファイン社製、重質炭酸カルシウム“KSS−1000”。
上記各材料を表1に示す割合で予めドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜310℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所社製TEX−44)を用いて溶融混練し、ペレタイズしてペレットを得た。このペレットを用い、以降に示す各手段により機械物性の測定を行った。なお、いずれの試験においても、成形前にペレットを130℃に温調した熱風乾燥機中にて3時間予備乾燥を行った。
ポリフェニレンスルフィド樹脂、あるいはポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなるペレットを、熱風乾燥機にて130℃×3hr予備乾燥した。その後、これを500mlのガラスビンに100g秤量、その上にスライドガラスを置き、シャーレで蓋をし、ガラスビンを熱風循環式オーブンに入れ200℃×168hr加熱した。この際に発生したガスをスライドガラス上に付着させ、スライドガラスのヘイズ値を、東洋精機社製直読ヘイズメーターにて測定した。ヘイズ値が小さいほど発生ガスが少なく、曇りが少ないことを示す。
ISO D178に準じて測定を行った。具体的には次のように測定を行った。上記の方法で得たペレットを、シリンダー温度320℃に設定した住友重機械工業社製射出成形機“SE100DU”に供給し、金型温度140℃、射出圧力=充填下限圧力+10MPa、射出速度100mm/secにて射出成形を行い、長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの試験片を得た。この試験片を用い、23℃、相対湿度50%の雰囲気下、スパン64mm、試験速度2mm/minの条件で測定を行った。
1mm厚みのスパイラルフロー金型を用い、シリンダー温度320℃、金型温度140℃、射出速度230mm/sec、射出圧力98MPa、射出時間5sec、冷却時間15secの条件で成形し、流動長を測定した(使用成形機:住友重機械工業社製射出成形機“SE−30D”)。この流動長の値が大きい程、溶融流動性に優れていると言える。
80mm×80mm×3mm厚み(フィルムゲート)の角板金型を用い、シリンダー温度320℃、金型温度130℃、射出速度100mm/sec、射出圧力=充填下限圧力+10MPa、射出時間10sec、冷却時間15secの条件で成形し、角板の流れ方向/直角方向の寸法を測定した(使用成形機:住友重機械工業社製射出成形機“SE100DU”)。この成形収縮率の値が小さく、流れ方向/直角方向の差が小さい程、寸法精度に優れていると言える。
表1に実施例を示す。実施例1〜4は、PPSにMg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子を配合した組成物である。Mg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子が多いほどヘイズ値が小さくなり、発生ガスが少なくなることを示している。
表2に比較例を示す。比較例1はPPSのみであり、ヘイズ値が高く、発生ガスが多いことを示している。比較例2は比較例1にMg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子を45重量部配合したものであり、ヘイズ値は小さいが、曲げ強度、流動性が低下した。比較例3〜5は比較例1に無機充填剤を配合したもの、比較例6〜8は本発明のハイドロタルサイトとは異なる、Mg−Al系ハイドロタルサイトを配合したものであり、本願発明のMg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子を配合したものの方がガス発生量が少ないことがわかる。
表3に2種類のPPS樹脂を混合した場合の実施例を示す。なお、(A−1)PPS樹脂―1を40重量部と(A−2)PPS樹脂―2を60重量部配合したものの溶融粘度は90Pa・sであった。実施例11〜14は、PPS樹脂にMg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子(M=Mg)を配合した組成物である。Mg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子の配合量が多いほどヘイズ値が小さくなり、発生ガスが少なくなることを示している。
表4に2種類のPPS樹脂を混合した場合の比較例を示す。比較例9は2種類のPPS樹脂のみであり、ヘイズ値が高く、発生ガスが多いことを示している。比較例10は比較例1にMg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子を45重量部配合したものであり、ヘイズ値は小さいが、曲げ強度、流動性が低下した。比較例11〜13は比較例9に無機充填剤を配合したもの、比較例14〜18は本発明のハイドロタルサイトとは異なる、Mg−Al系ハイドロタルサイトを配合したものである。比較例11〜18を実施例と比較することで、本願発明のMg−M−Al系ハイドロタルサイト粒子を配合した場合に、流動性および機械的強度を損なうことなく、発生ガス量が少ない、という優れた効果示すことがわかる。
Claims (7)
- (A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し(B)Mg−Al系ハイドロタルサイトを芯粒子とし、該芯粒子の粒子表面にMを2価金属としてMg−M−Al系ハイドロタルサイト層を備えるハイドロタルサイト粒子を0.1〜30重量部配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 2価金属Mが、Mgおよび/またはZnを含むことを特徴とする請求項1記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- ハイドロタルサイト粒子の平均板面径が0.1〜1μmであることを特徴とする請求項1または2記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- (A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に(C)ハイドロタルサイト以外の無機充填材を5〜300重量部配合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなるペレットを200℃、168時間でフォギング試験した後のガラス板のヘイズ値が10%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物からなる成形体。
- 成形体が光学部品であることを特徴とする請求項6記載の成形体。
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