JP2005290069A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザー焦点の光軸安定性に飛躍的に優れ、かつ低バリ性にも均衡して優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】(A−1)ポリフェニレンスルフィド樹脂に対して、(B)(A−2)酸洗浄したポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部と、(B’)アセチレンブラック10〜60重量部とを溶融混練してなるマスターバッチ組成物を配合してなり、(B’)アセチレンブラックの含有量が、ポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量100重量部に対して0.2〜3.5重量部であるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、使用環境温度の変化に対する寸法変化が少なく寸法安定性に優れている点から、レーザー焦点の光軸安定性に優れ、かつ低バリ性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関し、更に詳しくは、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)、レーザーディスク(登録商標)、光磁気ディスクなどに用いられる、レーザー焦点の光軸安定性に優れた光ピックアップ部品に特に適したポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびそれを射出成形してなる光ピックアップ部品に関するものである。
ポリフェニレンスルフィド樹脂は、非常に耐熱性が高く、機械的強度、剛性、難燃性、耐薬品性、電気特性および寸法安定性などを有しており、エンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有していることから、射出成形用を中心として、各種電気・電子部品、家電部品、自動車部品および機械部品などの用途に広く使用されている。
かかる用途の一つとして電気・電子部品である光ピックアップが挙げられる。該用途ではレーザー焦点の光軸安定性(環境温度の変化によってレーザー焦点が安定していること)と言う特殊な特性が要求され、これまで特にCD用途ではフィラーを高充填したポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が用いられてきた。しかし、昨今普及してきたDVD用途では、よりすぐれたレーザー焦点の光軸安定性が要求され、従来のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物ではレーザー焦点の光軸安定性の点で不十分な場合が生じてきた。
ポリフェニレンスルフィド樹脂にポリフェニレンエーテル樹脂およびカーボンブラックを配合した組成物が、例えば特許文献1に開示されている。しかし、特許文献1では具体的に用いられたカーボンブラックがケッチェンブラックECであり、マスターバッチ化されていないため、樹脂分中でのカーボンブラックの分散が非常に悪く、レーザー焦点の光軸安定性の点でより優れた効果が得られなかった。
特許文献2には、特定の粘度を有するポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンオキサイド等の樹脂、アセチレンブラック等のカーボンブラックおよび繊維状充填剤を配合してなる光ピックアップ部品に好適な樹脂組成物が開示されている。しかしながら、同文献において具体的に開示された組成物は、これらの配合成分をドライブレンドし、一括で溶融混練しているために、アセチレンブラックの分散性が悪く、レーザー焦点の光軸安定性およびバリ低減効果は不十分であった。
特許文献3には、特定の粘度を有する実質上直鎖分子構造のポリフェニレンスルフィド樹脂に特定のDBP吸油量を有するカーボンブラックの如き炭素系物質を溶融混練し、分散させた樹脂組成物(マスターバッチ)をポリフェニレンスルフィド樹脂に対して、特定割合で配合することにより、バリの発生が改善されることが記載されているが、マスターバッチに用いるポリフェニレンスルフィド樹脂について単に直鎖状のものを用い、粘度を制御して、カーボンブラックと配合するのみでは、なお十分なバリ低減効果は得られず、また、レーザー焦点の光軸安定性も得られなかった。
特開平4−103658号公報(第1頁、第4〜6頁) 特開2003−147200号公報(第2頁、実施例) 特開平9−100412号公報(第2頁、実施例)
そこで本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
すなわち、本発明は、レーザー焦点の光軸安定性に飛躍的に優れ、かつ低バリ性にも均衡して優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、(A−1)ポリフェニレンスルフィド樹脂に対して、(B)(A−2)酸洗浄したポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部と、(B’)アセチレンブラック10〜60重量部とを溶融混練してなるマスターバッチ組成物を配合してなり、(B’)アセチレンブラックの含有量がポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量100重量部に対して0.2〜3.5重量部であるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が、レーザー焦点の光軸安定性に飛躍的に優れ、かつ低バリ性にも均衡して優れることを見出した。かかる組成物は光ピックアップ部品用途に特に適したものである。
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、レーザー焦点の環境安定性に優れ、かつ低バリ性、機械的強度にも均衡して優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物であり、光ピックアップ部品用途に特に適するものである。
本発明で使用する(A−1)ポリフェニレンスルフィド樹脂は、下記構造式で示される繰り返し単位
Figure 2005290069
を70モル%以上、好ましくは90モル%以上を含む重合体であり、上記繰り返し単位が70モル%未満では、耐熱性が損なわれる傾向にある。また、ポリフェニレンスルフィド樹脂は、その繰り返し単位の30モル%以下を、下記の構造式を有する繰り返し単位などで構成することが可能である。
Figure 2005290069
かかるポリフェニレンスルフィド樹脂は、通常公知の方法、つまり特公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の小さな重合体を得る方法あるいは特公昭52−12240号公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較的分子量の大きな重合体を得る方法などによって製造することができる。
本発明においては、上記のようにして得られたポリフェニレンスルフィド樹脂を、酸水溶液などによる洗浄(酸洗浄)、有機溶媒あるいは熱水による処理、アルカリ土類金属塩を含む水による洗浄、酸無水物、アミン、イソシアネート、官能基含有ジスルフィド化合物などの官能基含有化合物による活性化などの種々の処理、空気中加熱による架橋/高分子量化、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理を施した上で使用すること、およびこれらの処理を複数回繰り返したり、異なる処理を組み合わせたりすることももちろん可能であるが、なかでも少なくとも酸洗浄することは本発明の効果をより顕著に発揮する上で特に有効である。
すなわち(A−1)ポリフェニレンスルフィド樹脂としても酸洗浄したポリフェニレンスルフィド樹脂を用いることにより、ポリフェニレンスルフィド樹脂中でのアセチレンブラックを微分散させることができるためである。
ポリフェニレンスルフィド樹脂を酸洗浄する場合の具体的方法としては、以下の方法を例示することができる。すなわち、酸または酸の水溶液にポリフェニレンスルフィド樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。用いられる酸はポリフェニレンスルフィド樹脂を分解する作用を有しないものであれば特に制限はなく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの脂肪族飽和モノカルボン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸などのハロ置換脂肪族飽和カルボン酸、アクリル酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノカルボン酸、安息香酸、サリチル酸などの芳香族カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸などのジカルボン酸、および硫酸、リン酸、塩酸、炭酸、珪酸などの無機酸性化合物などが挙げられる。これらの酸のなかでも、特に酢酸、塩酸がより好ましく用いられる。また、ポリフェニレンスルフィド樹脂の酸洗浄に用いる酸または酸水溶液について、pHは2.5〜5.5であることが好ましく、使用量は乾燥したポリフェニレンスルフィド樹脂1kgに対して2〜100kgであることが好ましく、4〜50kgであることがより好ましく、5〜15kgであることがさらに好ましい。洗浄温度に特に制限はなく、通常室温で行うことが可能であり、加熱する場合には50〜90℃で行うことが可能である。洗浄時間は通常30分以上であることが好ましく、45分以上であることがさらに好ましい。上限についても特に制限はないが、洗浄効率の点から90分程度であることが好ましい。例えば、酢酸を用いる場合、室温に保持したPH4の水溶液中にポリフェニレンスルフィド樹脂粉末を浸漬し、45〜90分間撹拌することが好ましい。酸処理を施されたポリフェニレンスルフィド樹脂は、残留している酸または塩などを除去するため、水または温水で数回洗浄することが好ましい。上記水洗浄の温度は50〜100℃であることが好ましく、60〜95℃であることが好ましい。また、洗浄に用いる水は、酸洗浄によるポリフェニレンスルフィド樹脂の好ましい化学的変性の効果を損なわない意味で、蒸留水または脱イオン水であることが好ましい。
ポリフェニレンスルフィド樹脂を有機溶媒で洗浄する場合の具体的方法としては、以下の方法を例示することができる。すなわち、洗浄に用いる有機溶媒としては、ポリフェニレンスルフィド樹脂を分解する作用などを有しないものであれば特に制限はなく、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンなどのスルホキシド・スルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、2塩化エチレン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒、およびベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらの有機溶媒のなかでも、特にN−メチルピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミドおよびクロロホルムなどの使用が好ましい。また、これらの有機溶媒は、1種類または2種類以上の混合で使用される。有機溶媒による洗浄の方法としては、有機溶媒中にポリフェニレンスルフィド樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。有機溶媒でポリフェニレンスルフィド樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制限はなく、常温〜300℃程度の任意の温度が選択できる。洗浄温度が高くなるほど洗浄効率が高くなる傾向があるが、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分な効果が得られる。なお、有機溶媒洗浄を施されたポリフェニレンスルフィド樹脂は、残留している有機溶媒を除去するため、水または温水で数回洗浄することが好ましい。
ポリフェニレンスルフィド樹脂を熱水で処理する場合の具体的方法としては、以下の方法を例示することができる。すなわち、熱水洗浄によるポリフェニレンスルフィド樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現するために、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であることが好ましい。熱水処理の操作は、通常、所定量の水に所定量のポリフェニレンスルフィド樹脂を投入し、常圧であるいは圧力容器内で加熱、撹拌することにより行われる。ポリフェニレンスルフィド樹脂と水との割合は、水が多いほうが好ましいが、通常、水1リットルに対し、ポリフェニレンスルフィド樹脂200g以下の浴比が選択される。
ポリフェニレンスルフィド樹脂をアルカリ土類金属塩を含む水で洗浄する場合の具体的方法としては、以下の方法を例示することができる。アルカリ土類金属塩の種類としては特に制限は無いが、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムなどの水溶性有機カルボン酸のアルカリ土類金属塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物が好ましい例として挙げられ、特に酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムなどの水溶性有機カルボン酸のアルカリ土類金属塩が好ましい。水の温度は、室温〜200℃であることが好ましく、50〜90℃であることがより好ましい。上記水中におけるアルカリ土類金属塩の使用量は乾燥ポリフェニレンスルフィド樹脂1kgに対し0.1g〜50gであることが好ましく、0.5g〜30gであることがより好ましい。洗浄時間としては0.5時間以上が好ましく、1.0時間以上がより好ましい。また好ましい洗浄浴比(乾燥ポリフェニレンスルフィド樹脂単位重量当たりのアルカリ土類金属塩を含む温水使用重量)は洗浄時間、温度にもよるが、乾燥ポリフェニレンスルフィド1kg当たり、上記アルカリ土類金属を含む温水を5kg以上用いて洗浄することが好ましく、10kg以上用いて洗浄することがより好ましい。上限としては特に制限はなく、高くてもよいが、使用量と得られる効果の点から100kg以下であることが好ましい。かかる温水洗浄は複数回行っても良い。
ポリフェニレンスルフィド樹脂を加熱により架橋/高分子量化する場合の具体的方法としては、空気、酸素などの酸化性ガス雰囲気下あるいは前記酸化性ガスと窒素、アルゴンなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気下で、加熱容器中で所定の温度において希望する溶融粘度が得られるまで加熱を行う方法を例示することができる。この場合の加熱処理温度としては、通常150〜280℃の範囲が選択され、好ましくは200〜270℃であり、処理時間としては、通常0.5〜100時間の範囲が選択され、好ましくは2〜50時間であるが、この両者をコントロールすることによって目標とする粘度レベルを得ることができる。加熱処理の装置は通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均一に処理する場合は、回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
ポリフェニレンスルフィド樹脂を窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で熱処理する場合の具体的方法としては、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で、加熱処理温度150〜280℃、好ましくは200〜270℃、加熱時間0.5〜100時間、好ましくは2〜50時間の条件で加熱処理する方法を例示することができる。加熱処理の装置は、通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均一に処理する場合は、回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
次に本発明で用いられる(B)マスターバッチ組成物について説明する。
本発明で用いる(A−2)酸洗浄したポリフェニレンスルフィド樹脂は、前記(A−1)ポリフェニレンスルフィド樹脂のなかでも、酸洗浄したポリフェニレンスルフィド樹脂であり、好ましい酸洗浄の方法も前述と同様である。本発明において、マスターバッチ組成物に用いるポリフェニレンスルフィド樹脂として、酸洗浄したものを用いることは、ポリフェニレンスルフィド樹脂中でのアセチレンブラックを微分散させ、本発明の顕著な効果を得るために必要である。
次に(B’)アセチレンブラックについて説明する。本発明における(B’)アセチレンブラック添加の目的は、より優れたレーザー焦点の光軸安定性と低バリ性の付与である。
本発明におけるアセチレンブラックとは、アセチレンの不完全燃焼によって得られるカーボンブラックの一種である。製造法については特に制限はないが、通常熱分解、爆発分解あるいは燃焼法により製造される。
アセチレンブラックの一次粒子の平均粒子径については、優れた寸法安定性を得る上で、通常10〜100nmのものが好ましく用いられ、中でも15〜50nmのものが特に好ましく用いられ、さらに好ましくは20〜50nmのものが用いられる。
又、特に優れた本発明の効果を得る意味でアセチレンブラックは、DBP吸油量が300ml/100g未満のものを用いることが有効である。
本発明におけるカーボンブラックとしてアセチレンブラックを用いることは、特に優れた本発明の効果を得る上で、また同時に射出成形時のバリ削減効果を得る上で好ましい。
アセチレンブラックの好ましい具体例として、“デンカブラック”(粉状)、“デンカブラック”(50%プレス品)、“デンカブラック”(75%プレス品)、“デンカブラック”(100%プレス品)、“デンカブラック”(HS−100)、“デンカブラック”(粒状品)、“デンカブラック”(FX−35)(以上電気化学工業社製)などが挙げられ、中でも“デンカブラック”(粒状品)、“デンカブラック”(FX−35)が好適に用いられる。
本発明で用いられる(B)マスターバッチ組成物における(B’)アセチレンブラックの配合割合は、(A−2)酸洗浄したポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対して、(B’)アセチレンブラック10〜60重量部であり、25〜60重量部であることが好ましい。
本発明において、(B)マスターバッチ組成物は、(A−2)酸洗浄したポリフェニレンスルフィド樹脂および(B’)アセチレンブラックを溶融混練することにより得ることができる。溶融混練は、(A−2)および(B’)成分を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロールなど通常公知の溶融混合機に供給して、280〜380℃の温度で混練する方法などを代表例として挙げることができる。(A−2)および(B’)成分は予めドライブレンドしてもよいし、しなくてもよいが、ポリフェニレンスルフィド樹脂中へのアセチレンブラックの分散性を向上させる点でドライブレンドすることが好ましい。本発明においては上記の如く溶融混練してマスターバッチ組成物を製造することは、酸洗浄により好ましい化学変性が施されたポリフェニレンスルフィド樹脂と、アセチレンブラックの間に反応が生じ、(A−1)ポリフェニレンスルフィド樹脂に(B)マスターバッチ組成物を添加した際にマスターバッチ中の(B)アセチレンブラックの分散性が非常によくなり、レーザー焦点の光軸安定性、低バリ性向上の点でより優れた効果が得られる。
本発明におけるこれら(B)マスターバッチ組成物の添加量は、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物中のポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量((A−1)および(A−2)成分の合計量)100重量部に対する(B’)アセチレンブラックの含有量が0.2〜3.5重量部となる量であり、1.0〜2.5重量部となる量であることが好ましい。
上記ポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量((A−1)および(A−2)の合計量)100重量部に対する(B’)アセチレンブラックの含有量が0.2重量部未満では、レーザー焦点の光軸安定性、低バリ性向上効果の点で不十分であり、3.5重量部を越えると、溶融流動性、コンパウンド安定性が損なわれるだけで、レーザー焦点の光軸安定性の点でより優れた効果は得られない。
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物においては、低バリ性および高靭性をより改良するために、さらに(C)シラン化合物を配合することが可能である。
かかるシラン化合物としては、例えばエポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカプト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシラン化合物が挙げられる。その具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられ、中でもγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物等が好ましい。特に好ましくは、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。
かかるシラン化合物の含有量は、より優れた低バリ性および高靭性を得る点から、ポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量((A−1)および(A−2)成分の合計量)100重量部に対して、0.05〜5重量部の範囲が好ましく選択され、0.2〜1.5重量部の範囲がより好ましく選択される。少なすぎると、シラン化合物添加による低バリ性および高靭性の向上効果が十分発現しなく、また多すぎると、上記改良効果が飽和に達するばかりでなく、組成物のガス発生量を増加させる傾向にある。
本発明においては(B’)アセチレンブラック以外の非繊維状充填材(以下単に、非繊維状充填材という)を併用することは、優れた機械強度ならびに寸法安定性を得るために有効である。かかる非繊維状充填材の具体例としては、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、黒鉛およびシリカなどが例示でき、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用することも可能である。また、これら充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物およびエポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用しても良い。中でも炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、カオリン、クレー、タルクなどの珪酸塩が特に好ましい。
かかる非繊維状充填材の配合量は、ポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量((A−1)および(A−2)成分の合計量)100重量部に対し、25〜250重量部の範囲が好ましく、50〜200重量部の範囲が特に好ましい。
本発明においては、繊維状充填材を併用することは、優れた機械強度ならびに寸法安定性を得るために有効である。かかる繊維状充填材の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などが例示でき、これらは2種類以上併用することも可能である。また、これら充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物およびエポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。中でもガラス繊維、炭素繊維がより好適に用いられる。
かかる繊維状充填材の配合量は、ポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量((A−1)および(A−2)成分の合計量)100重量部に対し、25〜200重量部の範囲が好ましく、50〜180重量部の範囲が特に好ましい。
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、本発明の効果をより顕著にすることを目的として、更にポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンエーテルスルホン、ポリエーテルイミド等の樹脂をブレンドして用いても良い。中でもポリフェニレンオキサイドがより好適に用いられる。
かかるポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンエーテルスルホン、ポリエーテルイミド等の樹脂の配合量は、ポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量((A−1)および(A−2)成分の合計量)100重量部に対し、0.5〜45重量部の範囲が好ましく、5〜25重量部の範囲が特に好ましい。
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに他の樹脂をブレンドして用いてもよい。かかるブレンド可能な樹脂には特に制限はないが、その具体例としては、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、芳香族系ナイロンなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシルジメチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、カルボキシル基やカルボン酸エステル基や酸無水物無水物基やエポキシ基などの官能基を有するオレフィン系コポリマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエーテルエステルエラストマー、ポリエーテルアミドエラストマー、ポリアミドイミド、ポリアセタールおよびポリイミドなどが挙げられる。
また、本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン化合物などの可塑剤、有機リン化合物などの結晶核剤、ポリオレフィン系化合物、シリコーン系化合物、長鎖脂肪族エステル系化合物、長鎖脂肪族アミド系化合物などの離型剤、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物などの酸化防止剤、熱安定剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウムなどの滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤および発泡剤などの通常の添加剤を添加することができる。
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の調製方法には特に制限はないが、(A−1)ポリフェニレンスルフィド樹脂、(B)マスターバッチ組成物および任意に配合し得る成分等の原料を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロールなど通常公知の溶融混合機に供給して、280〜380℃の温度で混練する方法などを代表例として挙げることができる。原料の混合順序にも特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し、さらに残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法などのいずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形に供することももちろん可能である。
このようにして得られる本発明のポリポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、トランスファー成形など各種成形に供することが可能であるが、特に射出成形用途に適している。
また本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、優れたレーザー焦点の環境安定性を有するとともに、機械的強度、溶融流動性、低バリ性にも均衡して優れており、CD、DVD、レーザーディスク、光磁気ディスクの光ピックアップ部品用途に特に好適に用いられる。
その他本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の適用可能な用途としては、例えばセンサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;水道蛇口コマ、混合水栓、ポンプ部品、パイプジョイント、水量調節弁、逃がし弁、湯温センサー、水量センサー、水道メーターハウジングなどの水廻り部品;バルブオルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター,ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、車速センサー、ケーブルライナーなどの自動車・車両関連部品など各種用途が例示できる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
[光軸安定性評価(光軸変動値)の測定]
図1に示す形状の中央切欠部のある光ピックアップモデル成形品を射出成形により作成し、この光ピックアップモデル射出成形品1の中央切欠部分にハーフミラー2を設置し、恒温槽の中で焦点距離200mm、波長650nm、出力0.3mWの半導体レーザーオートコリメーターから発振したレーザー光を当て、反射してくるレーザー光をCCDカメラにて受光した。
23℃における反射レーザー光の位置を原点とし、20分かけて80℃まで昇温し、60分放置後の光軸変動値を測定した。この値が小さいほどレーザー焦点の環境安定性に優れていると言える。
図1は、ハーフミラー2を設置した射出成形品1を示す斜視図であり、射出成形品1の中央切欠部分にはハーフミラー2が設置されている。半導体レーザーオートコリメーターから発振されたレーザー光は、ハーフミラー2の表面に対して直角に入射し(方向a)、反射する(方向b)。
[バリ長さの測定]
円周上に(a)幅4mm×長さ20mm×深さ500μm、(b)幅4mm×長さ20mm×深さ20μmの2つの突起部を有する80mmφ×2mmtの円盤形状金型を用いて射出成形を行い、(a)の突起部がちょうど充填される時の(b)の突起部の充填長さを測定した。
[曲げ強度の測定]
ASTM D790に準じて測定を行った。具体的には次の様に測定を行った。樹脂組成物ペレットをシリンダー温度330℃に設定した住友−ネスタール社製射出成形機(SG75−HIPRO・MIII)に供給し、射出圧力=成形下限圧力+5kgf/cm2 ゲージ圧にて射出成形を行い、幅12.7mm×高さ6.4mm×長さ127mmの試験片を得た。この試験片を用い、23℃、相対湿度50%の雰囲気下、スパン100mm、歪み速度3mm/minの条件で曲げ強度の測定を行った。
[使用原材料]
PPS−1:攪拌機付きオートクレーブに47%水硫化ナトリウム水溶液2.98kg(25モル)、48%水酸化ナトリウム2.17kg(26モル)ならびにN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す。)5kgを仕込み、徐々に205℃まで昇温し、水2.7kgを含む抽出水2.8リットルを除去した。残留混合物に1,4−ジクロロベンゼン3.75kg(25.5モル)ならびにNMP2.5kgを加えて、270℃で1時間加熱した。これを濾過し、pH4の酢酸水溶液25リットル中に投入し、密閉されたオートクレーブ中で192℃で約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、濾液のpHが7になるまで約90℃のイオン交換水で洗浄後、ポリマーを120℃で24時間減圧乾燥してMFR6000(g/10min)のPPS−1を得た。なお、MFRは、315.5℃、5分滞留、荷重5000g(オリフィス直径2.095mm、長さ8.00mm)の条件下でメルトインデクサーを用いて測定した。またポリフェニレンスルフィド樹脂の加熱減量は、0.5重量%であった。なお、加熱減量は、ポリフェニレンスルフィド樹脂を1gをアルミカップに入れ、150℃の雰囲気で1時間予備乾燥した後、重量を測定し、371℃の空気中で1時間処理し、再度重量を測定した。371℃の処理による重量の減量を処理前の重量で徐してパーセント表示して加熱減量とした。
PPS−2:攪拌機付きオートクレーブに硫化ナトリウム9水塩6.005kg(25モル)、NMP5kgを仕込み、窒素を通じながら徐々に205℃まで昇温し、水3.6リットルを留出した。次に反応容器を180℃に冷却後、1,4−ジクロロベンゼン3.763kg(25.6モル)ならびにNMP1.8kgを加えて、窒素下に密閉し、274℃まで昇温後、274℃で0.8時間反応した。オートクレーブ下部に設けた抜き出しバルブを常温常圧下で開放して、内容物を抜き出し、80℃の熱水で洗浄した。これを濾過し、酢酸カルシウムを10.4g入れた水溶液25リットル中に投入し、密閉されたオートクレーブ中で192℃で約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、濾液のpHが7になるまで約90℃のイオン交換水で洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥し、MFR3000(g/10分)のPPS−2を得た。
アセチレンブラック:電気化学工業社製、“デンカブラック”(FX−35)、DBP吸油量:220ml/100g、平均粒子径:23nm、pH=9
ファーネスブラック−1:三菱化学社製、“#3030”、DBP吸油量:130ml/100g、平均粒子径:55nm、pH=6.5
ファーネスブラック−2:ライオン社製、“ケッチェンブラック EC”、DBP吸油量:360ml/100g、平均粒子径:39.5nm、pH=9
なお、カーボンブラックのpH値の測定方法は次の通りである。カーボンブラック試料約5gを蒸留水150ccにて5分間煮沸した後放置し、室温まで冷却し、遠心分離器にて3分間遠心分離(2,000rpm)を行い、上澄液を排除してスラッジを分離し、測定試料とする。このスラッジをビーカーに入れpHメーターにて測定する。
シラン化合物:信越化学工業社製、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン“KBM−303”
ガラス繊維(以下、GFと略す):日本電気硝子社製、ガラスチョップドストランド“ECS 03 T−747H”
炭酸カルシウム(以下、炭カルと略す):同和カルファイン社製、重質炭酸カルシウム“KSS−1000”
ポリフェニレンオキサイド樹脂(以下、PPOと略す):旭化成社製、ポリフェニレンオキサイド樹脂“S202A”。
[実施例1〜2]
(A−2)成分としてのPPS−1と(B’)アセチレンブラックを表1に示す割合で予めドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜310℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて溶融混練、ペレタイズして(B)マスターバッチ組成物を作製した。(A−1)成分としてのPPS−1、(B)マスターバッチ組成物、GF、炭カルおよびPPOを、(B)マスターバッチ組成物は(B’)アセチレンブラックがポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量((A−1)および(A−2)成分の合計量)100重量部に対して、0.2重量部になる割合で、かつGF、炭カル、PPOも表1に示す割合でドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜310℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて溶融混練、ペレタイズを行った。
このペレットを用いて、光軸安定性評価試験片、曲げ強度試験片を射出成形するとともに、バリ長さの測定を行った。
[実施例3〜4]
(A−2)成分としてのPPS−1と(B’)アセチレンブラックを表1に示す割合で予めドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜310℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて溶融混練、ペレタイズして(B)マスターバッチ組成物を作製した。(A−1)成分としてのPPS−1、(B)マスターバッチ組成物、GF、炭カルおよびPPOを、(B)マスターバッチ組成物は(B’)アセチレンブラックがポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量((A−1)および(A−2)成分の合計量)100重量部に対して、3.5重量部になる割合で、かつGF、炭カル、PPOも表1に示す割合でドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜310℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて溶融混練、ペレタイズを行った。
このペレットを用いて、光軸安定性評価試験片、曲げ強度試験片を射出成形するとともに、バリ長さの測定を行った。
[実施例5〜6]
(A−2)成分としてのPPS−1と(B’)アセチレンブラックを表1に示す割合で予めドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜310℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて溶融混練、ペレタイズして(B)マスターバッチ組成物を作製した。(A−1)成分としてのPPS−1、(B)マスターバッチ組成物、(C)シラン化合物、GF、炭カルおよびPPOを、(B’)アセチレンブラックがポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量((A−1)および(A−2)成分の合計量)100重量部に対して、3.5重量部になる割合で、かつ(C)シラン化合物、GF、炭カル、PPOも表1に示す割合でドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜310℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて溶融混練、ペレタイズを行った。
このペレットを用いて、光軸安定性評価試験片、曲げ強度試験片を射出成形するとともに、バリ長さの測定を行った。
[実施例7]
(A−2)成分としてのPPS−1と(B’)アセチレンブラックを表1に示す割合で予めドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜310℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて溶融混練、ペレタイズして(B)マスターバッチ組成物を作製した。(A−1)成分としてのPPS−1、(B)マスターバッチ組成物、(C)シラン化合物、GF、炭カルおよびPPOを、(B’)アセチレンブラックがポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量((A−1)および(A−2)成分の合計量)100重量部に対して、1.5重量部になる割合で、かつ(C)シラン化合物、GF、炭カル、PPOも表1に示す割合でドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜310℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて溶融混練、ペレタイズを行った。
このペレットを用いて、光軸安定性評価試験片、曲げ強度試験片を射出成形するとともに、バリ長さの測定を行った。
[実施例8]
(A−2)成分としてのPPS−1と(B’)アセチレンブラックを表1に示す割合で予めドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜310℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて溶融混練、ペレタイズして(B)マスターバッチ組成物を作製した。(A−1)成分としてのPPS−2、(B)マスターバッチ組成物、(C)シラン化合物、GF、炭カルおよびPPOを、(B’)アセチレンブラックがポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量((A−1)および(A−2)成分の合計量)100重量部に対して、1.5重量部になる割合で、(C)シラン化合物、GF、炭カル、PPOも表1に示す割合でドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜310℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて溶融混練、ペレタイズを行った。
このペレットを用いて、光軸安定性評価試験片、曲げ強度試験片を射出成形するとともに、バリ長さの測定を行った。
実施例1〜8の場合の樹脂組成物は、光軸変動値が小さく、しかも、曲げ強度が高く、低バリ性も良好であった。
Figure 2005290069
[比較例1]
PPS−1、GF、炭カル、PPOを表2に示した割合でドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜310℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて溶融混練、ペレタイズを行った。このペレットを用いて、実施例1と同様に光軸安定性評価試験片、曲げ強度試験片を射出成形するとともに、バリ長さの測定を行った。
アセチレンブラックレスにより、機械的強度は向上するが、光軸変動量値が大きくなり、バリ発生量が増加する傾向にあった。
[比較例2]
アセチレンブラックをマスターバッチ化せず、PPS−1、アセチレンブラック、GF、炭カル、PPOを表2に示した割合でドライブレンドし、シリンダー温度280℃(ホッパー下側)〜310℃(吐出口側)に設定したスクリュー型2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて溶融混練、ペレタイズを行った。このペレットを用いて、実施例1〜2と同様にして評価を行った。
マスターバッチ化せず、一括溶融混練した場合、アセチレンブラックの分散が悪く、光軸変動量値が大きくなり、バリ発生量が増加する傾向にあった。
[比較例3]
アセチレンブラックをマスターバッチ化せず、各成分を表2に示した割合とした以外は、比較例2と同様にして溶融混練、ペレタイズ、評価を行った。
マスターバッチ化せず、一括溶融混練した場合、アセチレンブラックの分散が悪く、光軸変動量値が大きくなり、バリ発生量が増加する傾向にあった。
[比較例4]
マスターバッチ組成物の配合割合を、ポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量((A−1)および(A−2)成分の合計量)100重量部に対する(B’)アセチレンブラックの量が5重量部となるようにした以外は実施例7と同様にして溶融混練、ペレタイズ、評価を行った。
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物中のアセチレンブラックの配合量が多いため、光軸変動値が小さく、低バリではあるが、機械的強度が著しく低下する傾向にあった。
[比較例5]
マスターバッチ組成物の作製時、PPS−1、 100重量部に対する(B’)アセチレンブラックの配合割合を100重量部配合した以外は実施例7と同様にして溶融混練、ペレタイズ、評価を行った。
マスターバッチ組成物におけるアセチレンブラックの配合量が多すぎても、光軸変動値、バリ、機械的強度ともに低下する傾向にあった。
[比較例6〜7]
(B’)アセチレンブラックの代わりにファーネスブラックを使用した以外は実施例7と同様にして溶融混練、ペレタイズ、評価を行った。
アセチレンブラックの代わりにファーネスブラックを使用すると、光軸変動量値が大きくなり、バリ発生量が増加する傾向にあった。
[比較例8]
マスターバッチ作製時、(A−2)成分としてのPPS−1の代わりにPPS−2を用いた以外は実施例7と同様にして溶融混練、ペレタイズ、評価を行った。
酸洗浄したポリフェニレンスルフィド樹脂以外のポリフェニレンスルフィド樹脂を用いてマスターバッチ組成物を作製しても、アセチレンブラックとの相性が悪く、光軸変動値、バリ、機械的強度ともに低下する傾向にあった。
Figure 2005290069
実施例において光軸安定性評価のために使用した、ハーフミラー2を設置した射出成形品1を示す斜視図である。
符号の説明
1.射出成形品、 2.ハーフミラー、
a.半導体レーザーオートコリメーターから発振されたレーザー光の入射方向
b.反射レーザー光の反射方向

Claims (4)

  1. (A−1)ポリフェニレンスルフィド樹脂に対して、(B)(A−2)酸洗浄したポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部と、(B’)アセチレンブラック10〜60重量部とを溶融混練してなるマスターバッチ組成物を配合してなり、(B’)アセチレンブラックの含有量が、ポリフェニレンスルフィド樹脂の合計量100重量部に対して0.2〜3.5重量部であるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  2. (A−1)ポリフェニレンスルフィド樹脂が酸洗浄したポリフェニレンスルフィド樹脂である請求項1記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  3. 更に(C)シラン化合物をポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対して、0.2〜1.5重量部配合してなる請求項1または2に記載のポリフェニレンスルフィイド樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィイド樹脂組成物を射出成形してなる光ピックアップ部品。
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