JP2001348478A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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JP2001348478A
JP2001348478A JP2000171617A JP2000171617A JP2001348478A JP 2001348478 A JP2001348478 A JP 2001348478A JP 2000171617 A JP2000171617 A JP 2000171617A JP 2000171617 A JP2000171617 A JP 2000171617A JP 2001348478 A JP2001348478 A JP 2001348478A
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JP
Japan
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carbon black
weight
polyphenylene sulfide
resin composition
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JP2000171617A
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English (en)
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Atsushi Ishio
敦 石王
Kazuki Miyamoto
和樹 宮本
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱による寸法変化が小さく、かつ高い剛性を有
するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物及びその射出
成形品の取得。 【解決手段】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂10
0重量部に対して、(B)カーボンブラック0.5〜1
5重量部、(C)非繊維状フィラー50〜200重量部
を配合してなる樹脂組成物であって、(B)カーボンブ
ラックが、そのpH値が8以上のカーボンブラックであ
ることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱による寸法変化
が小さく、かつ高い剛性を有するポリフェニレンスルフ
ィド樹脂組成物に関し、特に光学系部品に適した樹脂組
成物及びその射出成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下P
PS樹脂と略す。)は優れた耐熱性、難燃性、耐薬品
性、寸法安定性、剛性および電気絶縁性などエンジニア
リングプラスチックとしては好適な性質を有しているこ
とから、射出成形用を中心として各種電気・電子部品、
機械部品および自動車部品などの用途に使用されてい
る。
【0003】かかる用途では、従来用いられている金属
材料に替わり、軽量化や金属加工コスト低減化の方策と
してエンジニアリングプラスチックの射出、押出成形に
よる樹脂製品が広く利用されており、これら樹脂材料に
対する要求性能レベルが益々高まっている。
【0004】金属材料をPPS樹脂で代替する場合、特
に精密部品において、寸法安定性、特に熱による寸法変
化の抑制及び高剛性がしばしば重要となる。PPS樹脂
は、この点で比較的優れた樹脂組成物を提供し得るが、
超精密化に伴い、その要求はますます高まっており、従
来の材料では十分に対応できない場合が生じているのが
現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状を鑑み、本
発明は従来技術で達成されているレベルよりも一段と寸
法安定性に優れ、かつ高い剛性を有する材料及びその射
出成形品の取得を課題とする。
【0006】本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検
討を行った結果、PPS樹脂に、カーボンブラック、特
に特定のカーボンブラック及び非繊維状フィラー及び必
要に応じ繊維状フィラーを特定量添加することにより、
寸法安定性と剛性の両面でより優れた材料及びその射出
成形品を得られることを見出し本発明に到達した。
【0007】なお、PPS樹脂とカーボンブラックを配
合した組成物は、例えば特開昭59−100139号公
報、特開昭60−53560号公報に開示されている。
【0008】特開昭59−100139号公報には、耐
候性の改良を目的として、PPS樹脂、平均粒子径30
nm以下のカーボンブラックからなる組成物が開示され
ているものの、PPSとカーボンブラック及び特定のフ
ィラーを配合することで、優れた寸法安定性、特に熱に
よる寸法変化の抑制及び高剛性が得られることについて
は何ら記載されていない。
【0009】特開昭60−53560号公報には、PP
S樹脂と導電性カーボンブラックからなる導電性PPS
樹脂組成物が開示されているものの、PPSとカーボン
ブラック及び特定のフィラーを配合することで、優れた
寸法安定性、特に熱による寸法変化の抑制及び高剛性が
得られることについては何ら記載されていない。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
組成物及び成形品を提供するものである。 1.(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部
に対して、(B)カーボンブラック0.5〜15重量
部、(C)非繊維状フィラー50〜200重量部を配合
してなる樹脂組成物であって、(B)カーボンブラック
が、そのpH値が8以上のカーボンブラックであること
を特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 2.(B)カーボンブラックが、そのDBP吸油量が3
00ml/100g未満のカーボンブラックであること
を特徴とする上記1項のポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物。 3.(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部
に対して、(B)カーボンブラック0.5〜15重量
部、(C)非繊維状フィラー50〜200重量部を配合
してなる樹脂組成物であって、(B)カーボンブラック
が、アセチレンブラックであることを特徴とするポリフ
ェニレンスルフィド樹脂組成物。 4.(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部
に対して、(B)カーボンブラック0.5〜15重量
部、(C)非繊維状フィラー50〜200重量部、
(D)繊維状フィラー20〜150重量部を配合してな
る樹脂組成物であって、かつ(C)非繊維状フィラーの
配合量が(D)繊維状フィラーの配合量より多いことを
特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 5.(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部
に対して、(B)カーボンブラック0.5〜15重量
部、(C)非繊維状フィラー50〜200重量部を配合
してなる光学系部品用ポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物。 6.上記1〜4項のいずれか記載のポリフェニレンスル
フィド樹脂組成物を射出成形してなる射出成形品。 7.上記1〜5項のいずれか記載のポリフェニレンスル
フィド樹脂組成物を射出成形してなる光学系部品。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリフェニレン
スルフィド樹脂とは、下記構造式で示される繰り返し単
位を含む重合体であり、
【0012】
【化1】
【0013】耐熱性の点から、上記構造式で示される繰
返し単位を70モル%以上、特に90モル%以上を含む
重合体であることが好ましい。またPPS樹脂はその繰
り返し単位の30モル%以下を、下記の構造式を有する
繰り返し単位等で構成することが可能である。
【0014】
【化2】
【0015】本発明で用いられるPPS樹脂は、通常公
知の方法即ち特公昭45−3368号公報に記載される
比較的分子量の小さな重合体を得る方法或は特公昭52
−12240号公報や特開昭61−7332号公報に記
載される比較的分子量の大きな重合体を得る方法などに
よって製造できる。本発明において上記の様に得られた
PPS樹脂を空気中加熱による架橋/高分子量化、窒素
などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、
有機溶媒、熱水、酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、
アミン、イソシアネート、官能基含有ジスルフィド化合
物などの官能基含有化合物による活性化など種々の処理
を施した上で使用することも可能であり、さらに、これ
らの処理を2種類以上行うことももちろん可能である。
また、これらの処理を行ったPPS樹脂を、2種類以上
の混合で使用することももちろん可能であり、2種類以
上の混合で使用する場合の具体的方法として、空気中加
熱により架橋したPPSと熱処理を行っていないPPS
の混合、酸水溶液による洗浄を行ったPPSと有機溶媒
による洗浄を行ったPPSの混合、有機溶媒で洗浄した
PPSと有機溶媒で洗浄を行っていないPPSの混合な
どが例示できる。
【0016】本発明で用いられるPPS樹脂の溶融粘度
は、溶融混練が可能であれば特に制限はなく、通常50
〜10,000ポアズ(320℃、剪断速度1000s
ec -1)のものが使用されるが、中でも100〜500
0ポアズのものが好ましい。また、粘度レベルの異なる
2種以上のPPS樹脂を混合して用いることも可能であ
る。
【0017】PPS樹脂の加熱による架橋/高分子量化
する場合の具体的方法としては、空気、酸素などの酸化
性ガス雰囲気下あるいは前記酸化性ガスと窒素、アルゴ
ンなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気下で、所定の温
度において希望する溶融粘度が得られるまで加熱を行う
方法が例示できる。加熱処理温度は通常、170〜28
0℃が選択され、好ましくは200〜270℃であり、
時間は通常0.5〜100時間が選択され、好ましくは
2〜50時間であるが、この加熱処理温度と時間を適宜
コントロールすることにより目標とする粘度レベルを得
ることができる。加熱処理の装置は減圧仕様、またはシ
ール性の高い仕様の通常の熱風乾燥機でもまた回転式あ
るいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よく
しかもより均一に処理する場合は回転式あるいは撹拌翼
付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
【0018】PPS樹脂を窒素などの不活性ガス雰囲気
下あるいは減圧下で熱処理する場合の具体的方法として
は、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で、
加熱処理温度150〜280℃、好ましくは200〜2
70℃、加熱時間は0.5〜100時間、好ましくは2
〜50時間加熱処理する方法が例示できる。加熱処理の
装置は静置型の加熱装置でもまた回転式あるいは撹拌翼
付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均
一に処理する場合は回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置
を用いるのがより好ましい。
【0019】PPS樹脂を有機溶媒で洗浄する場合の具
体的方法としては以下の方法が例示できる。すなわち、
洗浄に用いる有機溶媒としては、PPS樹脂を分解する
作用などを有しないものであれば特に制限はないが、例
えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミドなどの含窒素極性溶媒、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルスルホンなどのスルホキシド・ス
ルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチ
ルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチ
ルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン
などのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、
トリクロロエチレン、2塩化エチレン、ジクロルエタ
ン、テトラクロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲ
ン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレ
ングリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶
媒などがあげられる。これらの有機溶媒のなかでN−メ
チルピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ク
ロロホルムなどの使用が好ましい。また、これらの有機
溶媒は、1種類または2種類以上の混合で使用すること
もできる。有機溶媒による洗浄の方法としては、有機溶
媒中にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必
要により適宜撹拌または加熱することも可能である。有
機溶媒でPPS樹脂を洗浄する際の洗浄温度については
特に制限はなく、常温〜300℃程度の任意の温度が選
択できる。洗浄温度が高くなるほど洗浄効率が高くなる
傾向があるが、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分
効果が得られる。
【0020】また有機溶媒洗浄を施されたPPS樹脂は
残留している有機溶媒を除去するため、水または温水で
数回洗浄することが好ましい。
【0021】PPS樹脂を熱水で処理する場合の具体的
方法としては以下の方法が例示できる。すなわち熱水洗
浄によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現
するため、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であ
ることが好ましい。熱水処理の操作は、通常、所定量の
水に所定量のPPS樹脂を投入し、常圧で或いは圧力容
器内で加熱、撹拌することにより行われる。PPS樹脂
と水との割合は、水の多いほうが好ましいが、通常、水
1リットルに対し、PPS樹脂200g以下の浴比が選
択される。
【0022】PPS樹脂を酸処理する場合の具体的方法
としては以下の方法が例示できる。
【0023】すなわち、酸または酸の水溶液にPPS樹
脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹
拌または加熱することも可能である。用いられる酸はP
PSを分解する作用を有しないものであれば特に制限は
なく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの脂肪族飽
和モノカルボン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸などのハ
ロ置換脂肪族飽和カルボン酸、アクリル酸、クロトン酸
などの脂肪族不飽和モノカルボン酸、安息香酸、サリチ
ル酸などの芳香族カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コ
ハク酸、フタル酸、フマル酸などのジカルボン酸、硫
酸、リン酸、塩酸、炭酸、珪酸などの無機酸性化合物な
どがあげられる。中でも酢酸、塩酸がより好ましく用い
られる。酸処理を施されたPPS樹脂は残留している酸
または塩などを除去するため、水または温水で数回洗浄
することが好ましい。また洗浄に用いる水は、酸処理に
よるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を損なわな
い意味で蒸留水、脱イオン水であることが好ましい。
【0024】本発明における(B)カーボンブラック添
加の目的は寸法安定性、特に熱による寸法変化抑制効果
と、高い剛性の付与である。制電性、導電性の付与では
なく、特に電子部品用途では場合によっては電気抵抗の
低下は好ましくなく、PPS樹脂の電気絶縁性を保持す
るためには、PPS樹脂組成物中の体積固有抵抗値が少
なくとも1×1010Ω・cm以上であることが好まし
い。この意味から、DBP吸油量が300ml/100
g未満のカーボンブラックを用いることが好ましい。
【0025】かかるカーボンブラックの一次粒子の平均
粒子径には特に制限はないが、優れた寸法安定性及び高
い剛性を得る上で、通常一次粒子の平均粒子径は10〜
100nmの範囲が好ましく用いられる。
【0026】また、特に優れた本発明の効果を得る意味
で、pH値が8以上のカーボンブラックを用いることが
好ましい。また、特にpH値が8以上であり、DBP吸
油量が300ml/100g未満のカーボンブラックを
用いることも有効である。
【0027】かかるカーボンブラックは、一次粒子同士
がつながって鎖状構造をとっていてもかまわない。一次
粒子の平均粒子径の測定は、フィラーハンドブック(大
成社刊、昭和60年発行初版、42頁)に記載されてい
るように電子顕微鏡を用いて、通常数百個から数千個の
粒子について個々の大きさを測定することによる計数法
によって求めることができる。カーボンブラックの形状
については、特に制限はなく、生成したままの軽い粉状
のもの、粉状品を圧縮して比重を高くしたプレス品のも
の、粉状品を半径0.3〜1.5mmの粒状にしたもの
いずれでもかまわない。製造法については、特に制限は
ないが、通常天然ガスないし液状炭化水素の不完全燃焼
または熱分解によって得ることができ、炭素含有率につ
いても特に制限はないが、通常95%以上のものが好ま
しい。
【0028】また、本発明における(B)カーボンブラ
ックとして(B−1)アセチレンブラックを用いること
は、特に優れた本発明の効果を得る上で、また同時に射
出成形時のバリ削減効果を得る上で好ましい。
【0029】本発明における(B−1)アセチレンブラ
ックとは、アセチレンの不完全燃焼によって得られるカ
ーボンブラックの一種である。製造法については特に制
限はないが、通常熱分解、爆発分解あるいは燃焼法によ
り製造される。
【0030】又、アセチレンブラックの一次粒子の平均
粒子径については、通常10〜100nmのものが好ま
しく用いられ、中でも15〜50nmのものが特に好ま
しく用いられ、さらに好ましくは20〜50nmのもの
が用いられる。またアセチレンブラックの高次構造につ
いては、特に制限はないが、通常一次粒子同士がつなが
って鎖状構造をとっているものが好ましく用いられる。
【0031】アセチレンブラックの好ましい具体例とし
て、デンカブラック(粉状)、デンカブラック(50%
プレス品)、デンカブラック(75%プレス品)、デン
カブラック(100%プレス品)、デンカブラック(H
S−100)、デンカブラック(粒状品)、デンカブラ
ック(FX−35)(以上電気化学工業社製)などが挙
げられ、中でもデンカブラック(粒状品)、デンカブラ
ック(FX−35)が好適に用いられる。
【0032】また上記においてDBP吸油量が300m
l/100g未満のカーボンブラックとは、ASTM−
D2424−79に規定された吸油量が300ml/1
00g未満のカーボンブラックを意味する。
【0033】本発明におけるこれら(B)カーボンブラ
ックの添加量は、PPS樹脂100重量部に対し、0.
5〜15重量部の範囲が選択され、1〜12重量部の範
囲がより好ましく、2〜10重量部の範囲が特に好まし
い。
【0034】添加量が少なすぎると、十分な寸法安定化
効果、高剛性化効果が得られず、また多すぎるとPPS
組成物の溶融流動性を損ない、射出成形性を損なうため
好ましくない。
【0035】本発明に用いられる(C)非繊維状フィラ
ーとは、真球、略真球、立方体、略立方体、板状などの
様々な形状を有するフィラーを指し、また繊維状ではあ
ってもアスペクト比が20未満の場合には非繊維状フィ
ラーとする。但し、カーボンブラックは除くものとす
る。かかるフィラーとしては、粉末状の、例えばゼオラ
イト、セリサイト、カオリン、パイロフィライト、ベン
トナイト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、
アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニ
ウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、
硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムな
どの水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化
ホウ素、チタン酸カリウィスカーおよび炭化珪素などが
挙げられ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、
ガラス微粒子等が特に好ましく用いられる。 これらは
中空であってもよく、さらにはこれらフィラーを2種類
以上併用することも可能である。また、これらフィラー
をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機
チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化
合物などのカップリング剤で予備処理して使用すること
は、より優れた機械的強度を得る意味において好まし
い。
【0036】なおここでアスペクト比とは、平均直径
(d)と重量平均長さ(l)の比(l/d)を示す。
【0037】かかるフィラーの代表的な形状は、例えば
真球、略真球、立方体、略立方体等の様な形状のもので
ある。後述する様な繊維は、チョップドファイバーであ
ってもアスペクト比は20以上であり、(C)非繊維状
フィラーには属さない。
【0038】本発明において、(D)繊維状フィラーを
配合することは、より優れた強度、剛性を得る意味で好
ましい。かかる(D)繊維状フィラーとは、繊維状の形
状を有し、かつ、アスペクト比が少なくとも20以上で
あるフィラーを指す。かかる繊維状フィラーとしては、
例えばガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、金属酸化物繊
維、アラミド繊維等が挙げられ、それを単独または複数
種混合して使用する方法が挙げられる。
【0039】これら繊維状フィラーをイソシアネート系
化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合
物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップ
リング剤で予備処理して使用することは、より優れた機
械的強度を得る意味において好ましい。
【0040】本発明における(C)非繊維状フィラーの
配合量は、PPS樹脂100重量部に対し50〜200
重量部の範囲が選択され、70〜150重量部の範囲が
より好ましい。配合量が少なすぎると、(B)カーボン
ブラックを添加しても十分な寸法安定化効果、高剛性化
効果が得られず、また多すぎるとPPS組成物の溶融流
動性を損ない、射出成形性を損なうため好ましくない。
【0041】本発明において(D)繊維状フィラーを配
合する場合の配合量はPPS樹脂100重量部に対し2
0〜150重量部の範囲が選択され、30〜100重量
部の範囲がより好ましい。配合量が多すぎるとPPS組
成物の溶融流動性を損ない、かつ寸法変化に異方性が生
じる、即ち繊維配向方向と繊維配向に垂直な方向の寸法
変化の差が大きくなるため好ましくない。
【0042】特に、熱による寸法変化の度合い、すなわ
ち熱膨張係数の異方性が生じると、成形品にねじれなど
が生じるため好ましくない。これを抑制するため、C)
非繊維状フィラーが(D)繊維状フィラーより過剰であ
ることがより好ましい。
【0043】本発明において、アルコキシシラン化合物
を併用することは、優れた機械強度を得るために有効で
ある。かかるアルコキシシラン化合物としては、例えば
エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メ
ルカプト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1
種の官能基を有するアルコキシシラン化合物が挙げられ
る。その具体例としては、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有ア
ルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、
γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイ
ドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイド
エチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレ
イド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナト
プロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジ
メトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエ
トキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシ
ランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合
物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメト
キシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合
物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含
有アルコキシシラン化合物などが挙げられ、中でもγ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランな
どのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレ
イドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピ
ルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)
アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含
有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピル
トリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシ
シラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシ
ラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなど
のイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物等が好ま
しい。特に好ましくは、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコ
キシシラン化合物が挙げられる。
【0044】かかるエポキシ基、アミノ基、イソシアネ
ート基、水酸基、メルカプト基、ウレイド基の中から選
ばれた少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシラ
ン化合物は、より優れた機械的強度を得るために用いら
れ、その添加量は(A)PPS樹脂100重量部に対し
て、0.05〜5重量部の範囲が選択され、0.2〜3
重量部の範囲がより好ましく選択される。少なすぎる
と、アルコキシシラン化合物添加による機械的強度の向
上効果が十分発現しなく、また多すぎると、上記改良効
果が飽和に達するばかりでなく、組成物のガス発生量を
増加させる傾向にある。
【0045】本発明のPPS樹脂組成物には本発明の効
果を損なわない範囲において、ポリアルキレンオキサイ
ドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル
系化合物、有機リン化合物などの可塑剤、タルク、カオ
リン、有機リン化合物、ポリエーテルエーテルケトンな
どの結晶核剤、ポリオレフィン系化合物、シリコーン系
化合物、長鎖脂肪族エステル系化合物、長鎖脂肪族アミ
ド系化合物などの離型剤、炭酸亜鉛、炭酸マンガン、炭
酸マグネシウム、炭酸カルシウム、微粒子状酸化亜鉛、
ハイドロタルサイト(Mg0.7・Al0.3(OH)2・CO3・0.55H2
O)、金属固溶体(Mg0.4・Zn0.3・Al(OH)2(CO3)0.15・0.5
5H2O、Mg0.5・Pb0.22・Al0.28(OH)2・I0 .28・0.16H2O)
等の金型腐食防止剤、着色防止剤、酸化防止剤、熱安定
剤、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム
などの滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤な
どの通常の添加剤を添加することができる。
【0046】また、本発明のPPS樹脂組成物は本発明
の効果を損なわない範囲で、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、四フッ化
ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスル
ホン、ポリエーテルケトン、ポリチオエーテルケトン、
ポリエーテルエーテルケトン、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ABS樹脂、ポリアミドエラストマ、ポリエステル
エラストマ、ポリアルキレンオキサイド、あるいはカル
ボキシル基等を含有するオレフィン系共重合体等の樹脂
を含んでも良い。なかでもポリフェニレンオキシド、ポ
リスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、
ポリイミド、ポリエーテルスルホンなどのTgが140
℃以上の高Tg非晶性ポリマーを併用することは、優れ
た低バリ効果を同時に得る意味において好ましい。
【0047】本発明において、各成分を配合してPPS
樹脂組成物を調製する方法は特に制限はないが、原料の
混合物を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサ
ー、ニーダーおよびミキシングロールなど通常公知の溶
融混合機に供給して280〜380℃の温度で溶融混練
する方法などを代表例として挙げることができる。原料
の混合順序にも特に制限はなく、全ての原材料を配合後
上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を混
合し、この混合物と残りの原材料を配合後、上記の方法
により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の
方法により溶融混練し更に残りの原材料を配合し溶融混
練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるい
は2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを
用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法
を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他
の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、成
形前に添加して成形に供することももちろん可能であ
る。
【0048】本発明により得られるPPS樹脂組成物
は、PPS樹脂組成物の本来有する熱安定性、電気特
性、機械特性などを大きく損なうことなく、より優れた
寸法安定性、高剛性が付与されたPPS樹脂組成物であ
る。
【0049】かくして得られたPPS樹脂組成物は、特
に射出成形用途に好適であり、中でも熱による寸法変化
の抑制や高弾性率化が特に重要視される、CDやCD−
ROM、DVDなどに用いられる光ピックアップ部品
(レンズホルダー、スライドベース)などの光学系部品
に特に好適に用い得る。
【0050】本発明のPPS樹脂組成物の成形体は、上
記光学系部品の他に、センサー、LEDランプ、ソケッ
ト、抵抗器、リレーケース、小型スイッチ、コイルボビ
ン、コンデンサー、バリコンケース、発振子、各種端子
板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピ
ーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モータ
ー、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液
晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラ
ッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関
連部品等に代表される電子部品用途に適している他、発
電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、
インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、
ナイフスイッチ、他極ロッド、電気部品キャビネットな
どの電気機器部品用途、VTR部品、テレビ部品、アイ
ロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部
品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商
標)等の音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコ
ン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品
等に代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコン
ピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関
連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、
ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部
品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学
機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、
オルタネーターコネクター,ICレギュレーター、ライ
トディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバル
ブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイ
プ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマ
ニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、
キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサ
ー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサ
ー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジ
ションセンサー、クランクシャフトポジションセンサ
ー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサ
ー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フロー
コントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシ
ュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベ
イン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュータ
ー、スタータースイッチ、スターターリレー、トランス
ミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャー
ノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気
弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナ
ル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ラン
プソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、
ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイル
フィルター、点火装置ケース等の自動車・車両関連部品
等々、各種用途に適用できる。
【0051】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0052】実験方法 (1)線膨張係数の測定方法 PPS樹脂ペレットを、シリンダー温度280(ホッパ
ー下側)〜320℃(ノズル側)、金型温度140℃の
条件で住友-ネスタール社製射出成形機(SG-75HIPRO MI
II)を用いて、射出成形を行い、ASTM1号試験片を
得た。これを120℃で1時間アニールし、残留歪みを
除いた。
【0053】この試験片の中央部付近から、樹脂の流動
方向(以下MD方向と略す)、厚み方向(以下ZD方向
と略す)、及び両者に垂直な方向(以下TD方向と略
す)のサンプルを切り出した。MD及びTD方向のサン
プルは長さ約10mm、幅は約3mmの角柱、ZD方向
のサンプルは約3mm角の直方体とした。
【0054】測定には、セイコーインスツルーメンツ
(株)社製のTMA100を用い、30〜90℃の範囲
で線膨張係数を測定した。
【0055】(2)曲げ弾性率 PPS樹脂ペレットを、シリンダー温度280(ホッパ
ー下側)〜320℃(ノズル側)、金型温度140℃の
条件で住友-ネスタール社製射出成形機(SG-75HIPRO MI
II)を用いて射出成形を行い、127mm×12.7m
m×6.35mmの直方体試験片を得た。この試験片を
用い、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、オリ
エンテック社製テンシロンRTA−1T試験機を用い、
12.7mm×127mmの面を支点に接する方向に試
験片を置き、支点間距離100mm、クロスヘッド3m
mにて曲げ試験を行って歪み量と応力の関係を求め、弾
性率を計算した。
【0056】原材料 (A)PPS樹脂 PPS−1:東レ(株)社製、M3910 PPS−2:上記M3910を、空気存在下、210℃
で熱架橋処理を行って得られた、 溶融粘度
40Pa・s(316℃、せん断速度1000/秒)の
ポリマー。
【0057】(B)カーボンブラック B−1:カーボンブラック(ケッチェン・ブラック・イン
ターナショナル社製、ケッチェンブラックEC−600
JD、平均粒子径:30nm、DBP吸油量:495m
l/100g)、pH=9 B−2:カーボンブラック(電気化学工業社製、デンカ
ブラック(FX−35) 平均粒子径:23nm、アセチレンブラック、DBP吸
油量:220ml/100g)、pH=9〜10 B−3:カーボンブラック(三菱化学工業社製、#10
B 平均粒子径:84nm、DBP吸油量:83ml/10
0g)、pH=7 なお、カーボンブラックのpH値の測定方法はつぎのと
おりである。カーボンブラック試料約5gを蒸留水15
0ccにて5分間煮沸した後放置し、室温まで冷却し、
遠心分離器にて3分間遠心分離(2,000RPM)を
行い、上澄液を排除してスラッジを分離し、測定試料と
する。このスラッジをビーカーに入れpHメーターにて
測定する。
【0058】(C)非繊維状フィラー C−1:炭酸カルシウム(金平鉱業社製、KSS−10
00、無定型フィラー) C−2:ガラスビーズ(東芝バロディーニ社製、EGB
731B、球状フィラー) C−3:アルミナ(昭和電工(株)製、AL−43P
C、無定型フィラー) (D)繊維状フィラー D−1:ガラス繊維 長さ3mm、直径10μmのチョ
ップドストランド。
【0059】実施例1〜9 (A)PPS樹脂、(B)カーボンブラック、およびそ
の他の充填材を表1に示す割合でドライブレンドし、タ
ンブラーにて2分間予備混合したのち、シリンダー温度
280(ホッパー下側)〜340℃(吐出口側)に設定
した2軸押出機で溶融混練し、ストランドカッターによ
りペレット化し、120℃で1晩乾燥した。かかるペレ
ットを用い線膨張係数、曲げ弾性率を測定した。結果を
表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】比較例1、2 (B)カーボンブラックを添加しないこと以外は実施例
1、9と同様にして、表1に示す割合でドライブレンド
し、タンブラーにて2分間予備混合したのち、シリンダ
ー温度300(ホッパー下側)〜340℃(吐出口側)
に設定した2軸押出機で溶融混練し、ストランドカッタ
ーによりペレット化し、120℃で1晩乾燥した。かか
るペレットを用い線膨張係数、曲げ弾性率を測定した。
結果を表1に示す。
【0062】実施例1〜3と比較例1の比較から、カー
ボンブラックの添加により、線膨張係数が低下する、即
ち熱による寸法変化が抑制されていることがわかる。
【0063】実施例2、4、5の比較から、カーボンブ
ラックB−2が特に有効であることがわかる。
【0064】実施例2では実施例6に比べ、非繊維状フ
ィラーの割合が繊維状フィラーに比べ多い例であるが、
実施例2は実施例6に比べTD/MD比率、ZD/MD
比率が小さい。これは寸法変化の異方性が小さいことを
意味しており、より好ましい傾向である。
【0065】
【発明の効果】本発明のPPS樹脂組成物は、熱による
寸法変化が小さく、かつ高い剛性を有するポリフェニレ
ンスルフィド樹脂組成物に関し、特に光学系部品に適し
た樹脂組成物及びその射出成形品を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/02 C08K 7/02 G02B 1/04 G02B 1/04 // B29K 81:00 B29K 81:00 105:16 105:16 B29L 11:00 B29L 11:00 Fターム(参考) 4F071 AA62 AB03 AD01 AE17 AF14 AF54 AH07 AH12 AH19 BB05 4F072 AA02 AA05 AA08 AD46 AF01 AL01 AL11 AL16 4F206 AA34 AB11 AB12 AH73 JA07 JF02 4J002 CL062 CN011 DA018 DA036 DA068 DE048 DE077 DE097 DE117 DE137 DE147 DE187 DE237 DG047 DJ007 DJ017 DJ037 DJ047 DK007 DL007 DL008 DM007 FA017 FA042 FA048 FA067 FA087 FB087 FB088 FB098 FB168 FD012 FD016 FD017 FD018 FD030 FD170 FD200 GM00 GN00 GP00 GQ00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂10
    0重量部に対して、(B)カーボンブラック0.5〜1
    5重量部、(C)非繊維状フィラー50〜200重量部
    を配合してなる樹脂組成物であって、(B)カーボンブ
    ラックが、そのpH値が8以上のカーボンブラックであ
    ることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】(B)カーボンブラックが、そのDBP吸
    油量が300ml/100g未満のカーボンブラックで
    あることを特徴とする請求項1記載のポリフェニレンス
    ルフィド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂10
    0重量部に対して、(B)カーボンブラック0.5〜1
    5重量部、(C)非繊維状フィラー50〜200重量部
    を配合してなる樹脂組成物であって、(B)カーボンブ
    ラックが、アセチレンブラックであることを特徴とする
    ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂10
    0重量部に対して、(B)カーボンブラック0.5〜1
    5重量部、(C)非繊維状フィラー50〜200重量
    部、(D)繊維状フィラー20〜150重量部を配合し
    てなる樹脂組成物であって、かつ(C)非繊維状フィラ
    ーの配合量が(D)繊維状フィラーの配合量より多いこ
    とを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂10
    0重量部に対して、(B)カーボンブラック0.5〜1
    5重量部、(C)非繊維状フィラー50〜200重量部
    を配合してなる光学系部品用ポリフェニレンスルフィド
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれか記載のポリフェニ
    レンスルフィド樹脂組成物を射出成形してなる射出成形
    品。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれか記載のポリフェニ
    レンスルフィド樹脂組成物を射出成形してなる光学系部
    品。
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JP2011032319A (ja) * 2009-07-30 2011-02-17 Dic Corp ポリアリーレンスルフィド樹脂の伸びを高める方法、及びポリアリーレンスルフィド成形体
WO2012121075A1 (ja) * 2011-03-08 2012-09-13 ポリプラスチックス株式会社 射出成形品の製造方法

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