JPH09291213A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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JPH09291213A
JPH09291213A JP3531897A JP3531897A JPH09291213A JP H09291213 A JPH09291213 A JP H09291213A JP 3531897 A JP3531897 A JP 3531897A JP 3531897 A JP3531897 A JP 3531897A JP H09291213 A JPH09291213 A JP H09291213A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】靭性、耐熱水性、耐トラッキング表面光沢性に
優れたPPS樹脂組成物を得ることを課題とする。 【解決手段】(A)特定の酸化架橋処理を施されたポリ
フェニレンスルフィド樹脂99.9〜95重量%および
(B)シリコーンオイル0.1〜5重量%を溶融混練し
てなる、実質的に繊維状充填材、非繊維状充填材を含有
しないポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衝撃強度、引張伸び
などに代表される靭性に優れ、かつ熱水に長時間さらさ
れても優れた靭性が保持される、さらに耐トラッキング
性にも優れた、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物お
よび成形体に関するものであり、熱水と直接接触する用
途などに特に好適である他、電気、電子部品、自動車部
品、一般機械部品など種々の広い分野に適用できる。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下P
PS樹脂と略す)は優れた耐熱性、難燃性、剛性、耐薬
品性、電気絶縁性などエンジニアリングプラスチックと
しては好適な性質を有しており、射出成形用を中心とし
て各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品など
に使用されている。しかしPPS樹脂はポリアミド樹脂
等の他のエンジニアリングプラスチックに比べ、靭性面
で十分に優れているとは言い難い。
【0003】従来PPS樹脂は多くの場合ガラス繊維な
どの補強材を併用し、強度を向上させて用いられてき
た。しかし近年、軽量性や表面平滑性などの要求から、
PPS樹脂においても、ガラス繊維などを用いない非強
化材料の需要が高まり、靭性の優れた非強化PPS材料
が求められている。
【0004】非強化PPS材料の靭性を向上させる方法
として例えば、エラストマーなどの靭性に優れる材料と
のアロイ化により靭性を向上させる試みは多々検討され
ているが、エラストマーとのアロイ化は多くの場合、P
PSが有する高弾性率、燃焼性などの優れた特性を損な
う問題がある。
【0005】一方、特開昭62−197422号公報に
は、ウェルドクラック発生の抑制された機械的強度に優
れた酸化架橋PPS樹脂が開示されているが、引張伸び
や衝撃強度などの靭性面では必ずしも十分優れていると
は言い難い。
【0006】また例えば射出成形時に、金型温度を下げ
て成形を行うことによって、結晶化度を低下させること
により靭性を向上させることは可能であるが、かかる方
法では熱水などと接触すると結晶化が進行し靭性を低下
させる問題点がある。
【0007】さらに電気部品用途に適用する場合、耐ト
ラッキング性が要求される場合が多々あるが、PPS樹
脂は耐トラッキング性が必ずしも優れているとは言え
ず、特に非強化PPS材料はこの傾向が強く、耐トラッ
キング性も備えた非強化PPS材料の開発が望まれてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、引張
伸び、衝撃強度などの靭性に優れ、かつ耐熱水性、耐ト
ラッキング性にも優れた実用価値の高い、非強化PPS
高靭性材料の取得を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 ( 1) (A)ゲル浸透クロマトグラフ法で求められた分
子量分布のピーク分子量が45000〜90000であ
り、かつ酸化架橋処理を施されたポリフェニレンスルフ
ィド樹脂99.9〜95重量%および(B)シリコーン
オイル0.1〜5重量%を溶融混練してなる、実質的に
繊維状充填材、非繊維状充填材を含有しないポリフェニ
レンスルフィド樹脂組成物、 (2)酸化架橋処理がポリフェニレンスルフィド樹脂の
融点以下で行なわれたものである上記(1)記載のポリ
フェニレンスルフィド樹脂組成物、 (3)(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂として、酸
化架橋前のポリフェニレンスルフィド樹脂が実質的に下
記構造式(I)で示される繰り返し単位のみから構成さ
れるポリフェニレンスルフィド樹脂であり、かつ酸化架
橋後のポリフェニレンスルフィド樹脂の示差走査熱量計
で求められた融解ピーク温度が266〜276℃である
ポリフェニレンスルフィド樹脂を用いる上記(1)また
は(2)記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、
【化2】 (4)(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂として、酸
化架橋後のポリフェニレンスルフィド樹脂の融解ピーク
温度(Tm2)が266〜276℃であり、かつ酸化架
橋前のポリフェニレンスルフィド樹脂の融解ピーク温度
(Tm1)との差(Tm1−Tm2)が2℃以上であ
る、酸化架橋ポリフェニレンスルフィド樹脂を用いる上
記(1)〜(3)のいずれか記載のポリフェニレンスル
フィド樹脂組成物、 (5)(B)シリコーンオイルとして、25℃における
粘度が10〜10000mm2/sのシリコーンオイル
を用いる上記(1)〜(4)いずれか記載のポリフェニ
レンスルフィド樹脂組成物、 (6)(B)シリコーンオイルがジメチルシリコーンオ
イルを用いる上記(1)〜(5)いずれか記載のポリフ
ェニレンスルフィド樹脂組成物、 (7)(B)シリコーンオイルとして、メチル基の一部
がフェニル基で置換されたメチルフェニルシリコーンオ
イルを用いる上記(1)〜(5)いずれか記載のポリフ
ェニレンスルフィド樹脂組成物、 (8)(B)メチルフェニルシリコーンオイルの、屈折
率が1.45〜1.60である上記(7)記載のポリフ
ェニレンスルフィド樹脂組成物、 (9)(B)シリコーンオイルが、エポキシ基、アミノ
基、ヒドロキシル基、ポリアルキレンオキシド基、カル
ボキシル基、チオール基などの官能基で変性されていな
いシリコーンオイルである上記(1)〜(8)いずれか
記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、 (10)(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂の全灰分
量が0.1〜1.0wt%である上記(1)〜(9)い
ずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、 (11)(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂が、アル
カリ土類金属を50〜1500ppm含有するものであ
る上記(1)〜(10)いずれか記載のポリフェニレン
スルフィド樹脂組成物、 (12)さらに第3成分として(C−1)炭素数12〜
40の脂肪族カルボン酸と多価アルコールからなるエス
テル化合物、(C−2)炭素数12〜40の脂肪族モノ
カルボン酸とジアミンからなるアミド化合物、(C−
3)炭素数12〜40の脂肪族モノカルボン酸と炭素数
2〜20の多塩基酸とジアミンからなるアミド化合物、
から選ばれる少なくとも1種の添加剤を、(A)ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂と(B)シリコーンオイルの合
計量100重量部に対し、0.05〜1.5重量部添加
してなる上記(1)〜(11)いずれか記載のポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物、 (13)添加剤が、(C−3)炭素数12〜40の脂肪
族モノカルボン酸と炭素数2〜20の多塩基酸とジアミ
ンからなるアミド化合物である上記(12)記載のポリ
フェニレンスルフィド樹脂組成物、 (14)(D)平均粒子径が10〜100nmのカーボ
ンブラックを(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂と
(B)シリコーンオイルの合計量100重量部に対し、
0.05〜2重量部さらに添加してなる上記(1)〜
(13)いずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物、 (15)(D)カーボンブラックの平均粒子径が10〜
50nmである上記(14)載のポリフェニレンスルフ
ィド樹脂組成物、 (16)(D)カーボンブラックがファーネスブラック
である上記(13)〜(15)いずれか記載のポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物、 (17)(D)カーボンブラックが酸性ファーネスブラ
ックである上記(16)記載のポリフェニレンスルフィ
ド樹脂組成物、および (18)ASTM−D−256に準じて測定したノッチ
無しアイゾット衝撃強度が120kJ/m2以上である
上記(1)〜(17)いずれか記載のポリフェニレンス
ルフィド樹脂組成物である。
【0010】本発明はまた、 (19)上記(1)〜(18)いずれか記載のポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物からなる120℃以下の熱
水と直接接触する成形品用のポリフェニレンスルフィド
樹脂成形材料、 (20)上記(1)〜(18)いずれか記載のポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物を射出成型してなる成形
体、および (21)成形体が120℃までの熱水と直接接触する用
途に用いられるものである上記(20)記載の成形体で
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリフェニレン
スルフィド樹脂(PPS樹脂)は、ゲル浸透クロマトグ
ラフ法で求められた分子量分布のピーク分子量が450
00〜90000、より好ましくは55000〜800
00であり、かつ酸化架橋処理を施されたポリフェニレ
ンスルフィド樹脂である必要がある。分子量分布のピー
ク分子量が45000未満のPPSを用いても優れた靭
性を得ることは困難であり、一方90000を越えるP
PSを用いても、より靭性を向上させる効果は少なく、
むしろ溶融流動性の低下や重合コストの上昇等の問題を
生じるため好ましくない。
【0012】かかる酸化架橋処理を施されたポリフェニ
レンスルフィド樹脂(PPS樹脂)の前駆体である酸化
架橋前のPPS樹脂は、実質的に構造式(I)で示され
る繰り返し単位のみから構成されるPPS樹脂が好まし
いが、
【化3】 PPS樹脂はその繰り返し単位の一部、例えば30モル
%以下を、下記の構造式を有する繰り返し単位等で構成
することも可能である。
【0013】
【化4】 かかる酸化架橋前のPPS樹脂は通常公知の方法、すな
わち特公昭52−12240号公報や特開昭61−73
32号公報に記載される比較的分子量の大きな重合体を
得る方法などによって製造できる。
【0014】また、上記の様にして得られたPPS樹脂
を本発明の効果を損なわない範囲で、窒素などの不活性
ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、熱水などによ
る洗浄、酸無水物、アミン、イソシアネート、官能基含
有ジスルフィド化合物などの官能基含有化合物による活
性化など種々の処理を施した上で使用することはもちろ
ん可能である。
【0015】次に酸化架橋の方法としては、PPS樹脂
の融点以下で加熱処理することにより行なう方法が挙げ
られる。具体的には、例えばオーブン、スパイラル攪拌
翼付釜、流動層、容器回転式混合機などを用い、空気、
酸素、オゾンの存在下、150℃以上PPS樹脂の融点
以下の温度で好ましくは0.5時間以上、より好ましく
は1時間以上加熱処理する方法が挙げられる。また酸化
架橋速度を制御するために空気、酸素、オゾンに窒素、
アルゴン等の不活性ガスを混合した雰囲気下で上記加熱
処理を行っても良い。
【0016】本発明で用いられる酸化架橋処理を施され
たPPS樹脂の溶融粘度は、酸化架橋処理前の分子量に
もよるが、通常メルトフローレイト(5000g荷重、
315.5℃)が1〜300g/10分であることが好
ましく、特に1〜150g/10分、さらに3〜80g
/10分が好ましい。また酸化架橋前のメルトフロ−レ
イト(MF1)と酸化架橋後のメルトフローレイト(M
F2)の比(MF2/MF1)は1/2〜1/30の範
囲が好ましい。
【0017】PPS樹脂は重合時に食塩などの無機塩を
副生し、これを除去するために酸性水溶液などで処理し
て用いられる場合があるが、本発明で使用される酸化架
橋処理を施されたPPS樹脂は、全灰分量が0.1〜
1.0wt%に制御されたPPS樹脂であることが好ま
しく、さらに0.2〜0.8重量%が好ましい。
【0018】通常、PPSを酸化架橋しても、通常全灰
分量はかわらず、酸化架橋前のPPSが上記範囲内にあ
る場合、酸化架橋をより均一に行い得る点で好ましい。
【0019】なお、全灰分量は150℃で1時間乾燥し
たPPS樹脂5gをるつぼに入れ、540℃で有機物を
燃焼除去させて残渣重量を測定し、乾燥後の樹脂(5
g)に対する残渣重量の割合を算出したものである。
【0020】かかるPPS樹脂の全灰分量の調整方法は
PPS樹脂の性状により異なるが、例えば80℃以上、
好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上
の熱水で重合後のPPSを一定時間処理し、乾燥後酸化
架橋処理する方法などが挙げられる。また例えばかかる
熱水処理時に、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムなどのアルカリ
土類金属塩を溶解した水溶液を用いることにより、アル
カリ土類金属を50〜1500ppm、より好ましくは
300〜1200ppm含有する酸化架橋処理を施され
たPPS樹脂を得ることも可能であり、かかるPPSを
用いることもまた均一に酸化架橋を行う意味で好まし
い。なおアルカリ土類金属含有量は上記と同様の方法で
PPS樹脂を灰化した後、原子吸光法により求める。
【0021】また本発明において、粒子径が5mm以
下、より好ましくは3mm以下の微粉末PPS樹脂を用
いることは、酸化架橋を均一に行う意味でより好まし
い。
【0022】上記の如く本発明で用いられるPPS樹脂
は、ゲル浸透クロマトグラフ法で求められた分子量分布
のピーク分子量が45000〜90000であり、かつ
酸化架橋処理を施されたPPS樹脂である必要がある。
ゲル浸透クロマトグラフ法による分子量分布の測定方法
としては、例えば、溶媒として1−クロロナフタレンを
用い、ポリスチレン系カラムで分離し、紫外可視吸光度
検出器、溶媒蒸発−光散乱検出器、水素炎イオン化検出
器、示差屈折率検出器などの検出器を用いて検出する方
法が挙げられる。かかる方法により分子量分布を求め、
そのピーク分子量を求めることができる。ゲル浸透クロ
マトグラフ法で求められた分子量分布のピーク分子量が
45000〜90000は、PPS樹脂としては比較的
高い分子量であり、より低分子量のPPS樹脂に比較す
れば高い靭性を示すが、それ単独では本発明が目的とす
る十分な靭性向上効果は得られない。また分子量分布の
ピーク分子量が45000〜90000であっても酸化
架橋処理を施されていないPPS樹脂に(B)シリコー
ンオイルを適用しても、十分な靭性向上効果は得られな
い。
【0023】何故分子量分布のピーク分子量が4500
0〜90000であり、かつ酸化架橋処理を施されたP
PS樹脂に(B)シリコーンオイルを適用することで、
優れた靭性向上効果が得られるのかについては判然とは
しないが、示差走査熱量計にて本発明の組成物の測定を
行ったところ、酸化架橋の度合が増すに従いPPS樹脂
の融点、融解熱量の低下が認められた。但し、単に酸化
架橋を行っただけでは安定した靭性、耐熱水性の向上は
認められないが、これにシリコーンオイルを添加するこ
とにより、明らかに靭性、耐熱水性の向上が認められ、
融点の低下に伴い靭性がより向上する傾向が認められ
た。かかる融点、融解熱量の変化は、酸化架橋によりP
PS樹脂の結晶化度、結晶構造が変化していることを示
しており、そこにシリコーンオイルが作用して本発明の
効果が得られたものと推定される。
【0024】通常、実質的に直鎖状のPPS樹脂の融点
のピーク温度は278℃以上であるが、本発明において
は上記理由から、酸化架橋処理により融点のピーク温度
が266〜276℃に低下せしめたPPS樹脂が好まし
く、270〜275℃がより好ましい。また酸化架橋後
のポリフェニレンスルフィド樹脂の融解ピーク温度(T
m2)が266〜276℃であり、かつ酸化架橋前のポ
リフェニレンスルフィド樹脂の融解ピーク温度(Tm
1)との差(Tm1−Tm2)が2℃以上、好ましくは
3〜8℃である、酸化架橋ポリフェニレンスルフィド樹
脂がより好ましい。
【0025】本発明において優れた靭性、耐熱水性、耐
トラッキング性を得るためには(B)シリコ−ンオイル
の添加が必須であり、(B)シリコーンオイルの添加量
は(A)PPS樹脂99.9〜95重量%に対し(B)
シリコーンオイル0.1〜5重量%、好ましくは(A)
PPS樹脂99.7〜97重量%に対し(B)シリコー
ンオイル0.3〜3重量%、より好ましくは(A)PP
S樹脂99.5〜98重量%に対し(B)シリコーンオ
イル0.5〜2重量%である。添加量が0.1重量%未
満では靭性、耐熱水性、耐トラッキング性向上効果に乏
しく、5.0重量部を越えると成形品外観などを損なう
ため好ましくない。
【0026】シリコーンオイルとは一般に直鎖シロキサ
ン構造を骨格とし、そのケイ素に有機基などが直接結合
した有機ケイ素化合物である。ケイ素に直接結合した有
機基としては、メチル基、エチル基、フェニル基、ビニ
ル基、トリフルオロプロピル基およびそれらの併用など
が知られており、また有機基の一部がエポキシ基、アミ
ノ基、ヒドロキシル基、ポリアルキレノキシド基、カル
ボキシル基、チオール基などを有する置換基で置換され
たシリコーンオイルも知られている。本発明ではそのい
ずれも使用可能であるが、上記ケイ素に直接結合した有
機基が全てメチル基であるシリコーンオイルあるいはメ
チル基の一部がフェニル基で置換されたメチルフェニル
シリンーンオイルがより優れた靭性、耐熱水性、耐トラ
ッキング性向上効果を得る意味において好ましい。
【0027】シリコーンオイルは、その粘度が0.65
〜100万mm2/s(25℃)と広範なものが知られ
ている。本発明ではシリコーンオイルの粘度に特に制限
は無いが、10〜10000mm2/s(25℃)のも
のが好ましく、特に10〜5000mm2/s(25
℃)のものが、より優れた靭性、耐熱水性、耐トラッキ
ング性向上効果を得る意味においておよび生産性の点で
好ましい。
【0028】またメチル基の一部がフェニル基で置換さ
れたメチルフェニルシリコーンオイルを用いる場合も、
25℃における粘度は10〜10000mm2/sが好
ましく、10〜1000mm2/sが特に好ましい。ま
た屈折率が1.45〜1.60のフェニル基含有量の比
較的多いメチルフェニルシリコーンオイルはより優れた
靭性向上効果を得る意味において特に好ましい。
【0029】本発明において、本発明の効果を損なうこ
と無く、離型性、表面光沢性を向上させる目的で、(C
−1)炭素数12〜40の脂肪族カルボン酸と多価アル
コールからなるエステル化合物、(C−2)炭素数12
〜40の脂肪族モノカルボン酸とジアミンからなるアミ
ド化合物、(C−3)炭素数12〜40の脂肪族モノカ
ルボン酸と炭素数2〜20の多塩基酸とジアミンからな
るアミド化合物、から選ばれる少なくとも1種の添加剤
を加えることは有効であり、中でも(C−3)炭素数1
2〜40の脂肪族モノカルボン酸と炭素数2〜20の多
塩基酸とジアミンからなるアミド化合物が、より少量で
靭性向上効果を損なうこと無く、離型性、表面光沢性を
向上できる点でより好ましい。
【0030】(C−1)炭素数12〜40の脂肪族カル
ボン酸と多価アルコールからなるエステル化合物におけ
る炭素数12〜40の脂肪族カルボン酸の具体例として
は、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリ
ル酸、モンタン酸などが挙げられ、また多価アルコール
としてはエチレングリコール、1,2−プロパンジオー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール
などが挙げられる。
【0031】(C−2)炭素数12〜40の脂肪族モノ
カルボン酸とジアミンからなるアミド化合物における炭
素数12〜40の脂肪族モノカルボン酸の具体例として
は(C−1)と同様のものが例示でき、ジアミンの具体
例としてはエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパ
ン、1,4−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミ
ン、メタキシリレンジアミン、トリレンジアミン、パラ
キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロン
ジアミンなどが挙げられる。
【0032】(C−3)炭素数12〜40の脂肪族モノ
カルボン酸と炭素数2〜20の多塩基酸とジアミンから
なるアミド化合物における炭素数12〜40の脂肪族モ
ノカルボン酸の具体例としては(C−1)と同様のもの
が例示でき、ジアミンの具体例としては(C−2)と同
様のものが例示できる。また多塩基酸とは2塩基酸以上
のカルボン酸であり、具体例としては、マロン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸、シクロヘキシルコハク酸などが
例示できる。かかるアミド化合物は、原料である脂肪族
モノカルボン酸および多塩基酸をジアミンとともに、1
80〜300℃、好ましくは200〜270℃で加熱反
応させる方法などによって合成することができる。
【0033】かかる(C−1)炭素数12〜40の脂肪
族カルボン酸と多価アルコ−ルからなるエステル化合
物、(C−2)炭素数12〜40の脂肪族モノカルボン
酸とジアミンからなるアミド化合物、(C−3)炭素数
12〜40の脂肪族モノカルボン酸と炭素数2〜20の
多塩基酸とジアミンからなるアミド化合物、から選ばれ
る少なくとも1種の添加剤の添加量は、(A)PPSと
(B)シリコ−ンオイルからなる樹脂組成物100重量
部に対し、0.05〜1.5重量部、好ましくは0.1
〜0.8重量部が選択される。またこれら(C−1)、
(C−2)、(C−3)はその合計量が1.5重量部を
越えない範囲で2種以上を併用して用いてもよい。
【0034】かかる添加剤は、本発明の効果を損なうこ
と無く、離型性を向上させ、さらに射出成形体の表面光
沢性を向上させる上で大きな効果が認められる。かかる
添加剤がなぜ表面光沢性を向上させるかは定かではない
が、本発明のごとく比較的高い溶融粘度を有する非強化
PPS組成物を射出成形する際、金型内の樹脂の流動挙
動を安定化させる働きがあるのではないかと推察され
る。
【0035】本発明において、本発明の靭性向上効果を
損なうこと無く、優れた表面光沢性を得る目的で(E)
平均粒子径が10〜100nmのカーボンブラックを添
加することは有効である。カーボンブラックは一般に、
その平均粒子径が5nmから300nmのものまで広範
なものが知られているが、本発明でカーボンブラックを
添加する場合は、靭性および表面光沢の点から平均粒子
径が10〜100nmであるものが好ましく、10〜8
0nmがさらに好ましく、10〜50nmのものが特に
好ましい。
【0036】またカーボンブラックはその製法による分
類から、チャンネルブラック、ロールブラック、デスク
ブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、ラ
ンプブラック等が知られている。本発明ではそのいずれ
も使用可能であるが、中でもファーネスブラックが靭
性、表面光沢性の点で有効であり、更に酸性ファーネス
ブラックが特に好適である。
【0037】かかる(E)平均粒子径が10〜100n
mのカーボンブラックの添加量としては、(A)PPS
と(B)シリコ−ンオイルからなる樹脂組成物100重
量部に対し、0.05〜2重量部が有効であり、0.1
〜1.0重量部が特に好適である。
【0038】かかるカーボンブラックは、組成物中への
分散性を高めるため、例えばPPS90〜50重量%と
カーボンブラック10〜50重量%を予め溶融混練する
などしてマスターペレット化し、本発明に適用すること
も可能であり、生産性の点で有効な方法である。
【0039】本発明は実質的に非強化PPS樹脂組成物
であるが、本発明の効果を損なわない範囲で、少量の繊
維状および/または非繊維状充填材を適用することは可
能である。かかる繊維状および/または非繊維状充填材
の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カ
リウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミウィスカ、
アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミッ
ク繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの
繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイ
ト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベ
ントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケート
などの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属
化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイ
トなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの
硫酸塩、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ
素、炭化珪素、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ムおよびシリカなどの非繊維状充填剤が挙げられる。
【0040】また本発明は、本発明の効果を損なわない
範囲で少量の他樹脂を添加することは可能であり、その
具体例として例えばポリエステル、ポリフェニレンオキ
シド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミド
イミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリチオ
エーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドエラストマ、ポリ
エステルエラストマ、ポリアルキレンオキサイド、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンゴ
ム、エチレン/ブテン−1ゴムなどのポリオレフィン、
エポキシ基やカルボキシル基を含有するポリオレフィ
ン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂等
の樹脂を挙げることができる。
【0041】また本発明のPPS樹脂組成物には本発明
の効果を損なわない範囲において、ポリアルキレンオキ
サイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エス
テル系化合物、有機リン化合物などの可塑剤、タルク、
カオリン、有機リン化合物などの結晶核剤、酸化防止
剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、
発泡剤、エポキシシラン、アミノシラン、メルカプトシ
ラン、ウレイドシラン、イソシアネートシランなどの強
度向上剤など、公知の添加剤を添加することも可能であ
る。
【0042】本発明のPPS樹脂組成物の調製方法は特
に制限はないが、原料の混合物を単軸あるいは2軸の押
出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシング
ロールなど通常公知の溶融混合機に供給して270〜3
80℃の温度で30秒以上混練する方法などを代表例と
して挙げることができるが、ベント孔を有した2軸の押
出機にて溶融混練する方法が特に好ましい。
【0043】原料の混合順序にも特に制限はなく、全て
の原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、
一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し更に
残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部
の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により溶融
混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合
する方法など、いずれの方法を用いてもよい。また、少
量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで
混練しペレット化した後、成形前に添加して成形に供す
ることももちろん可能である。
【0044】本発明のPPS樹脂組成物は、射出成形、
押出成形、圧縮成形、吹込成形、射出圧縮成形など各種
公知の成形法を用いた成形体、フィルム、パイプ、繊維
などへの適用が可能であるが、特に射出成形には好適な
樹脂組成物である。
【0045】本発明により得られるPPS樹脂組成物
は、PPS樹脂組成物の本来有する剛性、難燃性、電気
絶縁性などを大きく損なうことなく、靭性が向上し、か
つ耐熱水性、耐トラッキング性、表面光沢性等に優れた
樹脂組成物である。かくして得られたPPS樹脂組成物
は特に熱水、なかでも120℃以下の熱水と直接接触す
る用途の用いる成形品、例えば給湯機や生ゴミ処理機用
途などに特に適している他、発電機、電動機、変圧器、
変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、
電力用接点、開閉器、機遮断機、ナイフスイッチ、他極
ロッド、電気部品キャビネットなどの電気機器部品用
途、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、
抵抗器、リレーケース、小型スイッチ、コイルボビン、
コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振
子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チュ
ーナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、
小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、
半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モ
ーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピ
ューター関連部品等に代表される電子部品;VTR部
品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器
部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザ
ーディスク・コンパクトディスク等の音声機器部品、照
明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部
品、ワードプロセッサー部品等に代表される家庭、事務
電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話
器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、
洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライター
などに代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメ
ラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部品;
オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクタ
ー,ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオ
メーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料
関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノ
ズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポン
プ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボ
ディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、
冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェア
ーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランク
シャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、
ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタッ
トベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエ
ーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポン
プインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係
部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、ス
ターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネ
ス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイ
ッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネ
クター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップ
モーターローター、ランプソケット、ランプリフレクタ
ー、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイド
ボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース等
の自動車・車両関連部品等々、各種用途に適用できる。
【0046】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。なお本実施例、比較例における各種物性の測定
方法は以下の通りである。
【0047】引張試験:ASTM−D−638に準じて
行った。
【0048】曲げ試験:ASTM−D−790に準じて
行った。
【0049】ノッチ無しアイゾット衝撃試験:ASTM
−D−256に準じ、サンプルとして、長さ約63m
m、幅約12.7mm、厚み約1/8インチの射出成形
片を用い、側面から打撃を行った。
【0050】熱水処理:耐圧容器中に、試験片をお互い
に接触しないように仕込み、試験片が完全に浸るまで水
を入れ、耐圧容器の蓋をし、150℃のオーブン中で7
2時間処理した。
【0051】離型性:強度測定用試験片を射出成形する
際に、成形片の型離れの難易を観察し、次の基準で評価
した。◎:成形片突き出し時に成形片が全て落下する、
○:成形片突出し時に成形片が落下しない場合がある、
△:成形片突出し時に半分以上が落下しない。
【0052】表面光沢性:強度測定用試験片を射出成形
片の表面を目視観察し、次の基準で評価した。◎:成形
片表面全体に光沢がある、○:成形片表面の一部に光沢
がない、△:成形片表面の半分以上に光沢がない、×:
成形片全体に光沢がない。
【0053】融点ピーク温度:下記に示した方法で得ら
れたペレットを用い、ホットプレス機にて、320℃、
4分間加圧して、厚み約20μmのシートを得た。これ
を150℃にて1時間かけて結晶化させた後、約7mg
を切り出し測定サンプルとした。測定にはパーキンエル
マー社製DSC−7を用い、2点校正(インジウム、
鉛)、ベースライン補正を行った後、40℃から20℃
/分の速度で昇温し、その際に認められた融点のピーク
温度を測定した。
【0054】耐トラッキング性:IEC 112法(A
液)に従って、比較トラッキング指数(CTI)を測定
した。CTIが大きいほど耐トラッキング性に優れてい
る事を示す。
【0055】ゲル浸透クロマトグラフ測定:WATER
S社製(GPC−244)の装置を用い、カラム:Sh
odexK−80M(昭和電工社製)、溶媒:1−クロ
ロナフタレン、検出器:溶媒蒸発−光散乱検出器を用
い、6種類の単分散ポリスチレンを校正に用いて分子量
分布を測定し、縦軸がd(重量)/dLog(分子
量)、横軸がLog(分子量)の微分重量分子量分布を
得、そのピ−ク分子量を横軸から読み取った。
【0056】PPSの製造方法 PPS−1:オ−トクレ−ブ中に、Na2S・9H2O
を1モル、酢酸ナトリウム0.35モル、N−メチル−
2−ピロリドン2.5モルを仕込み、N2気流下、23
0℃に昇温し、水152mlと一部溶媒を留出した。こ
こに1,4−ジクロルベンゼン1.01モル、N−メチ
ル−2−ピロリドン0.5モルからなる溶液を仕込み、
2時間かけて270℃に昇温し、3時間保持した。次に
260℃から冷却しつつ高圧ポンプにて系内へ水と溶媒
の混合物をゆっくり滴下し、200℃まで冷却後、生成
物を水中へあけた。これをイオン交換水の熱湯2リット
ルで5回洗浄し、さらに150℃にて酢酸カルシウム水
溶液で3時間処理し、再びイオン交換水の熱湯2リット
ルで2回洗浄した後、10時間真空乾燥し、MFR17
0g/10分、分子量分布のピーク分子量が6500
0、融解ピーク温度が278℃、全灰分量が0.56w
t%、カルシウム含有量が980ppmのPPS−1を
得た。
【0057】PPS−2:PPS−1をオーブン中、2
50℃で2時間処理し、MFR50g/10分、分子量
分布のピーク分子量が65000、融解ピーク温度が2
75.5℃、全灰分量が0.56wt%、カルシウム含
有量が980ppmのPPS−2を得た。
【0058】PPS−3:PPS−1をオーブン中、2
50℃で6時間処理し、MFR10g/10分、分子量
分布のピーク分子量が65000、融解ピーク温度が2
74℃、全灰分量が0.56wt%、カルシウム含有量
が980ppmのPPS−3を得た。
【0059】PPS−4:オートクレーブ中に、Na2
S・9H2Oを1モル、酢酸ナトリウム0.32モル、
N−メチル−2−ピロリドン2.5モルを仕込み、N2
気流下、230℃に昇温し、水152mlと一部溶媒を
留出した。ここに1,4−ジクロルベンゼン1.025
モル、N−メチル−2−ピロリドン0.5モルからなる
溶液を仕込み、1.5時間かけて270℃に昇温し、2
時間保持した。次に260℃から冷却しつつ高圧ポンプ
にて系内へ水と溶媒の混合物をゆっくり滴下し、200
℃まで冷却後、生成物を水中へあけた。これをイオン交
換水の熱湯2リットルで7回洗浄し、さらに150℃に
てpH4酢酸水溶液で3時間処理し、再びイオン交換水
の熱湯2リットルで濾液が中性になるまで洗浄した後、
10時間真空乾燥し、MFR1000g/10分のPP
Sを得た。これをオーブン中、250℃で6時間処理
し、MFR50g/10分、、分子量分布のピーク分子
量が40000、融解ピーク温度が275℃のPPS−
4を得た。
【0060】本実施例、比較例で用いた添加剤は以下の
通りである。
【0061】シリコーン化合物 B−1:ジメチルシリコーンオイル(東レ・ダウコーニ
ングシリコーン(株)社製、SH200、粘度(25
℃)1000mm2/s) B−2:メチルフェニルシリコーンオイル(東レ・ダウ
コーニングシリコーン(株)社製、SH710、粘度
(25℃)500mm2/s、屈折率1.533) B−3:ジメチルシリコーンオイル(東レ・ダウシリコ
ーン(株)社製、SH200、粘度(25℃)2000
0mm2/s) エステル化合物 C−1:エチレングリコールのジモンタネート アミド化合物 C−2:エチレンジアミンのジステアリルアミド C−3:コンデンサー付き検水管、攪拌機の付いた反応
容器にステアリン酸2モルとセバシン酸1モルを仕込
み、加熱溶融後、エチレンジアミン2モルを滴下し、窒
素気流中160℃より脱水反応を開始し、250〜26
0℃にてアミン価が5以下になるまで約7時間反応して
得られるアミド化合物。
【0062】カ−ボンンブラック D−1:酸性ファーネスブラック(平均粒子径20n
m) D−2:サーマルブラック(平均粒子径149nm) (平均粒子径は電子顕微鏡写真より粒子径、数を求め計
算) 実施例1〜9、比較例1〜5 (A)PPS樹脂、(B)シリコーン化合物、およびそ
の他の添加剤を表1、2に示す割合でドライブレンドし
た後、タンブラーにて2分間予備混合したのち、シリン
ダー温度290〜300℃に設定した2軸押出機で滞留
時間約3分で溶融混練し、ストランドカッターによりペ
レット化し、120℃で1晩乾燥した。かかるペレット
を用い降温結晶化熱量を測定した。さらにかかるペレッ
トを用い、シリンダー温度310℃に設定した射出成形
機を用いて、140℃の金型により、物性測定用の試験
片を射出成形した。得られた試験片について測定した物
性値を表1、2に示す。なお表中、添加剤C、D、の添
加量は、(A)PPS樹脂と(B)シリコーン化合物か
らなる組成物100重量部に対する配合量である。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物は、靭性、耐熱水性、耐トラッキグ性、表面光沢
性に優れたPPS樹脂である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 81/02 83:04) B29K 79:00

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ゲル浸透クロマトグラフ法で求めら
    れた分子量分布のピーク分子量が45000〜9000
    0であり、かつ酸化架橋処理を施されたポリフェニレン
    スルフィド樹脂99.9〜95重量%および(B)シリ
    コーンオイル0.1〜5重量%を溶融混練してなる、実
    質的に繊維状充填材、非繊維状充填材を含有しないポリ
    フェニレンスルフィド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】酸化架橋処理がポリフェニレンスルフィド
    樹脂の融点以下で行なわれたものである請求項1記載の
    ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂とし
    て、酸化架橋前のポリフェニレンスルフィド樹脂が実質
    的に下記構造式(I)で示される繰り返し単位のみから
    構成されるポリフェニレンスルフィド樹脂であり、かつ
    酸化架橋後のポリフェニレンスルフィド樹脂の示差走査
    熱量計で求められた融解ピーク温度が266〜276℃
    であるポリフェニレンスルフィド樹脂を用いる請求項1
    または2記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 【化1】
  4. 【請求項4】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂とし
    て、酸化架橋後のポリフェニレンスルフィド樹脂の融解
    ピーク温度(Tm2)が266〜276℃であり、かつ
    酸化架橋前のポリフェニレンスルフィド樹脂の融解ピー
    ク温度(Tm1)との差(Tm1−Tm2)が2℃以上
    である、酸化架橋ポリフェニレンスルフィド樹脂を用い
    る請求項1〜3いずれか記載のポリフェニレンスルフィ
    ド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(B)シリコーンオイルとして、25℃に
    おける粘度が10〜10000mm2/sのシリコーン
    オイルを用いる請求項1〜4いずれか記載のポリフェニ
    レンスルフィド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(B)シリコーンオイルがジメチルシリコ
    ーンオイルを用いる請求項1〜5いずれか記載のポリフ
    ェニレンスルフィド樹脂組成物。
  7. 【請求項7】(B)シリコーンオイルとして、メチル基
    の一部がフェニル基で置換されたメチルフェニルシリコ
    ーンオイルを用いる請求項1〜5いずれか記載のポリフ
    ェニレンスルフィド樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(B)メチルフェニルシリコーンオイル
    の、屈折率が1.45〜1.60である請求項7記載の
    ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  9. 【請求項9】(B)シリコーンオイルが、エポキシ基、
    アミノ基、ヒドロキシル基、ポリアルキレンオキシド
    基、カルボキシル基、チオール基などの官能基で変性さ
    れていないシリコーンオイルである請求項1〜8いずれ
    か記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  10. 【請求項10】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂の
    全灰分量が0.1〜1.0wt%である請求項1〜9い
    ずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  11. 【請求項11】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂
    が、アルカリ土類金属を50〜1500ppm含有する
    ものである請求項1〜10いずれか記載のポリフェニレ
    ンスルフィド樹脂組成物。
  12. 【請求項12】さらに第3成分として(C−1)炭素数
    12〜40の脂肪族カルボン酸と多価アルコールからな
    るエステル化合物、(C−2)炭素数12〜40の脂肪
    族モノカルボン酸とジアミンからなるアミド化合物、
    (C−3)炭素数12〜40の脂肪族モノカルボン酸と
    炭素数2〜20の多塩基酸とジアミンからなるアミド化
    合物、から選ばれる少なくとも1種の添加剤を、(A)
    ポリフェニレンスルフィド樹脂と(B)シリコーンオイ
    ルの合計量100重量部に対し、0.05〜1.5重量
    部添加してなる請求項1〜11いずれか記載のポリフェ
    ニレンスルフィド樹脂組成物。
  13. 【請求項13】添加剤が、(C−3)炭素数12〜40
    の脂肪族モノカルボン酸と炭素数2〜20の多塩基酸と
    ジアミンからなるアミド化合物である請求項12記載の
    ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  14. 【請求項14】(D)平均粒子径が10〜100nmの
    カーボンブラックを(A)ポリフェニレンスルフィド樹
    脂と(B)シリコーンオイルの合計量100重量部に対
    し、0.05〜2重量部さらに添加してなる請求項1〜
    13いずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成
    物。
  15. 【請求項15】(D)カーボンブラックの平均粒子径が
    10〜50nmである請求項14載のポリフェニレンス
    ルフィド樹脂組成物。
  16. 【請求項16】(D)カーボンブラックがファーネスブ
    ラックである請求項13〜15いずれか記載のポリフェ
    ニレンスルフィド樹脂組成物。
  17. 【請求項17】(D)カーボンブラックが酸性ファーネ
    スブラックである請求項16記載のポリフェニレンスル
    フィド樹脂組成物。
  18. 【請求項18】ASTM−D−256に準じて測定した
    ノッチ無しアイゾット衝撃強度が120kJ/m2以上
    である請求項1〜17いずれか記載のポリフェニレンス
    ルフィド樹脂組成物。
  19. 【請求項19】請求項1〜18いずれか記載のポリフェ
    ニレンスルフィド樹脂組成物からなる120℃以下の熱
    水と直接接触する成形品用のポリフェニレンスルフィド
    樹脂成形材料。
  20. 【請求項20】請求項1〜18いずれか記載のポリフェ
    ニレンスルフィド樹脂組成物を射出成型してなる成形
    体。
  21. 【請求項21】成形体が120℃までの熱水と直接接触
    する用途に用いられるものである請求項20記載の成形
    体。
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