JP2000265060A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物Info
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- JP2000265060A JP2000265060A JP11375172A JP37517299A JP2000265060A JP 2000265060 A JP2000265060 A JP 2000265060A JP 11375172 A JP11375172 A JP 11375172A JP 37517299 A JP37517299 A JP 37517299A JP 2000265060 A JP2000265060 A JP 2000265060A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温状態において腐食性ガス発生量が著しく
少なく、従って、ガス焼けによる変色が殆どなく、かつ
ヤニの発生量が少なく、加えて寸法精度が著しく良好で
あることから、対物レンズ用駆動装置その他の光学機器
部品に著しく適しているところのポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ポリアリーレンスルフィド100
重量部、及び(B)周期律表の第IIA族及び第IIB
族より成る群から選ばれる元素を含む化合物製品であっ
て、JIS K0557において規定されたA4種の超
純水の20倍量(重量)と混合した時に10.0〜1
2.0のpHを示すもの0.01〜5.0重量部を含む
樹脂組成物。
少なく、従って、ガス焼けによる変色が殆どなく、かつ
ヤニの発生量が少なく、加えて寸法精度が著しく良好で
あることから、対物レンズ用駆動装置その他の光学機器
部品に著しく適しているところのポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ポリアリーレンスルフィド100
重量部、及び(B)周期律表の第IIA族及び第IIB
族より成る群から選ばれる元素を含む化合物製品であっ
て、JIS K0557において規定されたA4種の超
純水の20倍量(重量)と混合した時に10.0〜1
2.0のpHを示すもの0.01〜5.0重量部を含む
樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物、及び該樹脂組成物より成る光学機
器部品に関する。
ルフィド樹脂組成物、及び該樹脂組成物より成る光学機
器部品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気・電子機器部品、自動車機器
部品、あるいは化学機器部品用等の材料として、高い耐
熱性を有し、かつ耐化学薬品性を有する熱可塑性樹脂が
要求されてきている。ポリフェニレンスルフィド(以下
ではPPSと略すことがある)に代表されるポリアリー
レンスルフィド(以下ではPASと略すことがある)が
この要求に応える樹脂の一つとして、近年注目されてき
ている。しかし、PASは、高温状態、特に酸素雰囲気
下における溶融状態において、HCl、SO2、H2S
等の腐食性ガスを生じ易く、従って、PASに近接する
金属金型、インサート部品等に錆を生じさせたり、ま
た、成形用金型に付着するヤニが多いという欠点を有し
ている。
部品、あるいは化学機器部品用等の材料として、高い耐
熱性を有し、かつ耐化学薬品性を有する熱可塑性樹脂が
要求されてきている。ポリフェニレンスルフィド(以下
ではPPSと略すことがある)に代表されるポリアリー
レンスルフィド(以下ではPASと略すことがある)が
この要求に応える樹脂の一つとして、近年注目されてき
ている。しかし、PASは、高温状態、特に酸素雰囲気
下における溶融状態において、HCl、SO2、H2S
等の腐食性ガスを生じ易く、従って、PASに近接する
金属金型、インサート部品等に錆を生じさせたり、ま
た、成形用金型に付着するヤニが多いという欠点を有し
ている。
【0003】腐食性ガスに関する欠点を改善すべく、種
々の方法が提案されてきている。例えば、特開昭59-209
644号公報及び特開昭60-1241号公報には、無機質のガス
スカベンジャーをPASに添加する方法が開示されてい
る。また、特開昭60-115658号公報には、低分子量のポ
リアミン化合物をPASに添加することにより、PAS
から生じる腐食性の酸性ガスを中和する方法が開示され
ている。
々の方法が提案されてきている。例えば、特開昭59-209
644号公報及び特開昭60-1241号公報には、無機質のガス
スカベンジャーをPASに添加する方法が開示されてい
る。また、特開昭60-115658号公報には、低分子量のポ
リアミン化合物をPASに添加することにより、PAS
から生じる腐食性の酸性ガスを中和する方法が開示され
ている。
【0004】しかし、これらの方法では、腐食性の酸性
ガスを十分に除去することができず、PASから生ずる
腐食性ガスによる金属の錆を長期間に亘って防止するこ
とができない。また、PASに近接する金属に対する短
期的で急激な腐蝕及び長期的な腐蝕を解消することがで
きないという問題がある。
ガスを十分に除去することができず、PASから生ずる
腐食性ガスによる金属の錆を長期間に亘って防止するこ
とができない。また、PASに近接する金属に対する短
期的で急激な腐蝕及び長期的な腐蝕を解消することがで
きないという問題がある。
【0005】該問題を解決すべく、特開平6-322271号公
報には、PAS100重量部と、ハイドロタルサイト類
化合物及びMg/Al酸化物固溶体から成る群より選択
される少なくとも一種の無機充填剤0.5〜10重量部
と、ジ(シクロヘキシル)アンモニウムナイトライト
0.05〜3重量部とを有することを特徴とするPAS
樹脂組成物が提案されている。しかし、未だ腐食性ガス
の低減及びヤニ発生の防止について不十分であった。
報には、PAS100重量部と、ハイドロタルサイト類
化合物及びMg/Al酸化物固溶体から成る群より選択
される少なくとも一種の無機充填剤0.5〜10重量部
と、ジ(シクロヘキシル)アンモニウムナイトライト
0.05〜3重量部とを有することを特徴とするPAS
樹脂組成物が提案されている。しかし、未だ腐食性ガス
の低減及びヤニ発生の防止について不十分であった。
【0006】特開昭62-167355号公報には、PASにア
ルミン酸ナトリウムを添加して腐食性ガスの低減を図る
ことが開示されている。しかし、該方法では、ヤニの発
生を十分に防止することはできなかった。
ルミン酸ナトリウムを添加して腐食性ガスの低減を図る
ことが開示されている。しかし、該方法では、ヤニの発
生を十分に防止することはできなかった。
【0007】PASを対物レンズ用駆動装置その他の光
学機器部品に用いることは公知である。特開平10-14389
1号公報には、対物レンズ用駆動装置用軸受体のヒステ
リシス及び寸法精度を高めるために、PPSにPTFE
を20〜60%添加したものを使用することが開示され
ている。また、特開昭62-223822号公報には、対物レン
ズ用駆動装置用レンズホルダーのレンズ保持板及び軸受
部がPPSで一体成形されているものが記載されている
が、PPSで成形された上記の部品は寸法精度が未だ十
分とは言えず、かつガス焼けによる変色防止も十分とは
言えなかった。
学機器部品に用いることは公知である。特開平10-14389
1号公報には、対物レンズ用駆動装置用軸受体のヒステ
リシス及び寸法精度を高めるために、PPSにPTFE
を20〜60%添加したものを使用することが開示され
ている。また、特開昭62-223822号公報には、対物レン
ズ用駆動装置用レンズホルダーのレンズ保持板及び軸受
部がPPSで一体成形されているものが記載されている
が、PPSで成形された上記の部品は寸法精度が未だ十
分とは言えず、かつガス焼けによる変色防止も十分とは
言えなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温状態、
特に酸素雰囲気下における溶融状態において、腐食性ガ
スの発生量が著しく少なく、従って、ガス焼けによる変
色が殆どなく、かつヤニの発生量が少なく、加えて寸法
精度、即ち、同一寸法の成形品を繰り返して成形した際
の寸法の再現性が著しく良好であることから、対物レン
ズ用駆動装置その他の光学機器部品に著しく適している
ところのポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供す
るものである。
特に酸素雰囲気下における溶融状態において、腐食性ガ
スの発生量が著しく少なく、従って、ガス焼けによる変
色が殆どなく、かつヤニの発生量が少なく、加えて寸法
精度、即ち、同一寸法の成形品を繰り返して成形した際
の寸法の再現性が著しく良好であることから、対物レン
ズ用駆動装置その他の光学機器部品に著しく適している
ところのポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供す
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく種々の検討を行った。その結果、下記所定
の化合物製品を所定量でPASに配合すると、高温状態
において、腐食性ガス及びヤニ発生を著しく低減し得、
かつ成形品の寸法精度を著しく良好にし得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。
を解決すべく種々の検討を行った。その結果、下記所定
の化合物製品を所定量でPASに配合すると、高温状態
において、腐食性ガス及びヤニ発生を著しく低減し得、
かつ成形品の寸法精度を著しく良好にし得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、(1)(A)ポリアリー
レンスルフィド 100重量部、及び(B)周期律表の
第IIA族及び第IIB族より成る群から選ばれる元素
を含む化合物製品であって、JIS K0557におい
て規定されたA4種の超純水の20倍量(重量)と混合
した時に10.0〜12.0のpHを示すもの 0.0
1〜5.0重量部を含む樹脂組成物である。
レンスルフィド 100重量部、及び(B)周期律表の
第IIA族及び第IIB族より成る群から選ばれる元素
を含む化合物製品であって、JIS K0557におい
て規定されたA4種の超純水の20倍量(重量)と混合
した時に10.0〜12.0のpHを示すもの 0.0
1〜5.0重量部を含む樹脂組成物である。
【0011】好ましい態様として、(2)化合物製品
(B)のBET比表面積が10m2/g以上であるとこ
ろの上記(1)記載の樹脂組成物、(3)化合物製品
(B)のBET比表面積14m2/g以上であるところ
の上記(1)記載の樹脂組成物、(4)化合物製品
(B)のBET比表面積20m2/g以上であるところ
の上記(1)記載の樹脂組成物、(5)化合物製品
(B)が、0.05〜4.0重量部で含まれるところの
上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成
物、(6)化合物製品(B)のpHが、10.5〜1
1.5であるところの上記(1)〜(5)のいずれか一
つに記載の樹脂組成物、(7)化合物製品(B)が、マ
グネシウム化合物又は亜鉛化合物であるところの上記
(1)〜(6)のいずれか一つに記載の樹脂組成物、
(8)マグネシウム化合物が、酸化マグネシウム、水酸
化マグネシウム及びケイ酸マグネシウムから成る群から
選ばれる一つ又はそれ以上の化合物であるところの上記
(7)記載の樹脂組成物、(9)亜鉛化合物が、塩基性
酢酸亜鉛、リン酸亜鉛、酪酸亜鉛、塩基性塩化亜鉛から
成る群から選ばれる一つ又はそれ以上の化合物であると
ころの上記(7)記載の樹脂組成物、(10)(C)無
機充填剤0〜250重量部を更に含むところの上記
(1)〜(9)のいずれか一つに記載の樹脂組成物、
(11)(C)無機充填剤100〜200重量部を更に
含むところの上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載
の樹脂組成物、(12)上記(1)〜(11)のいずれ
か一つに記載の樹脂組成物より成る光学機器部品、(1
3)上記(1)〜(11)のいずれか一つに記載の樹脂
組成物より成る対物レンズ駆動装置用部品、(14)対
物レンズ駆動装置用部品が、レンズホルダー、保持容器
又は外装体であるところの上記(13)記載の部品を挙
げることができる。
(B)のBET比表面積が10m2/g以上であるとこ
ろの上記(1)記載の樹脂組成物、(3)化合物製品
(B)のBET比表面積14m2/g以上であるところ
の上記(1)記載の樹脂組成物、(4)化合物製品
(B)のBET比表面積20m2/g以上であるところ
の上記(1)記載の樹脂組成物、(5)化合物製品
(B)が、0.05〜4.0重量部で含まれるところの
上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂組成
物、(6)化合物製品(B)のpHが、10.5〜1
1.5であるところの上記(1)〜(5)のいずれか一
つに記載の樹脂組成物、(7)化合物製品(B)が、マ
グネシウム化合物又は亜鉛化合物であるところの上記
(1)〜(6)のいずれか一つに記載の樹脂組成物、
(8)マグネシウム化合物が、酸化マグネシウム、水酸
化マグネシウム及びケイ酸マグネシウムから成る群から
選ばれる一つ又はそれ以上の化合物であるところの上記
(7)記載の樹脂組成物、(9)亜鉛化合物が、塩基性
酢酸亜鉛、リン酸亜鉛、酪酸亜鉛、塩基性塩化亜鉛から
成る群から選ばれる一つ又はそれ以上の化合物であると
ころの上記(7)記載の樹脂組成物、(10)(C)無
機充填剤0〜250重量部を更に含むところの上記
(1)〜(9)のいずれか一つに記載の樹脂組成物、
(11)(C)無機充填剤100〜200重量部を更に
含むところの上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載
の樹脂組成物、(12)上記(1)〜(11)のいずれ
か一つに記載の樹脂組成物より成る光学機器部品、(1
3)上記(1)〜(11)のいずれか一つに記載の樹脂
組成物より成る対物レンズ駆動装置用部品、(14)対
物レンズ駆動装置用部品が、レンズホルダー、保持容器
又は外装体であるところの上記(13)記載の部品を挙
げることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において使用する化合物製
品(B)は、周期律表の第IIA族及び第IIB族より
成る群から選ばれる元素を含む化合物製品である。該化
合物製品として、好ましくはマグネシウム化合物、亜鉛
化合物、バリウム化合物又はベリリウム化合物が挙げら
れる。特に好ましくはマグネシウム化合物又は亜鉛化合
物が使用される。マグネシウム化合物として好ましく
は、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム[Mg
(OH)2]、ケイ酸マグネシウム(2MgO・6SiO2・XH
2O)、塩基性硫酸マグネシウム(MgSO4・5MgO・8H
2O)、次式で示されるハイドロタルサイト類似化合物
{[(M1 2+)y1・(M2 2+)y2]1−x・Mx
3 +(OH)2・Ax/n n−・mH2O}(ここで、M1がMg
であり、M2がZn、Ca又はBaから選ばれる二価の金属で
あり、M3+が三価の金属であり、An−がn価のアニオ
ン例えばCO3 2−、OH−又はHPO2−等である)等を使
用することができる。特に好ましくは、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム及びケイ酸マグネシウムより成
る群から選ばれる一つ又はそれ以上の化合物を使用する
ことができる。亜鉛化合物として好ましくは、酢酸亜鉛
[Zn(CH3CO2)2]、塩基性酢酸亜鉛[Zn
(CH3CO2)2・ZnO、Zn4O(CH3C
O2)6]、リン酸亜鉛[Zn3(PO4)2]、塩基
性塩化亜鉛[Zn(OH)Cl]等を使用することがで
きる。特に好ましくは、塩基性酢酸亜鉛、リン酸亜鉛及
び塩基性塩化亜鉛より成る群から選ばれる一つ又はそれ
以上の化合物を使用することができる。バリウム化合物
としては、好ましくは塩基性酢酸バリウム、塩基性塩化
バリウムが挙げられ、ベリリウム化合物としては、好ま
しくは塩基性酢酸ベリリウム等が挙げられる。
品(B)は、周期律表の第IIA族及び第IIB族より
成る群から選ばれる元素を含む化合物製品である。該化
合物製品として、好ましくはマグネシウム化合物、亜鉛
化合物、バリウム化合物又はベリリウム化合物が挙げら
れる。特に好ましくはマグネシウム化合物又は亜鉛化合
物が使用される。マグネシウム化合物として好ましく
は、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム[Mg
(OH)2]、ケイ酸マグネシウム(2MgO・6SiO2・XH
2O)、塩基性硫酸マグネシウム(MgSO4・5MgO・8H
2O)、次式で示されるハイドロタルサイト類似化合物
{[(M1 2+)y1・(M2 2+)y2]1−x・Mx
3 +(OH)2・Ax/n n−・mH2O}(ここで、M1がMg
であり、M2がZn、Ca又はBaから選ばれる二価の金属で
あり、M3+が三価の金属であり、An−がn価のアニオ
ン例えばCO3 2−、OH−又はHPO2−等である)等を使
用することができる。特に好ましくは、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム及びケイ酸マグネシウムより成
る群から選ばれる一つ又はそれ以上の化合物を使用する
ことができる。亜鉛化合物として好ましくは、酢酸亜鉛
[Zn(CH3CO2)2]、塩基性酢酸亜鉛[Zn
(CH3CO2)2・ZnO、Zn4O(CH3C
O2)6]、リン酸亜鉛[Zn3(PO4)2]、塩基
性塩化亜鉛[Zn(OH)Cl]等を使用することがで
きる。特に好ましくは、塩基性酢酸亜鉛、リン酸亜鉛及
び塩基性塩化亜鉛より成る群から選ばれる一つ又はそれ
以上の化合物を使用することができる。バリウム化合物
としては、好ましくは塩基性酢酸バリウム、塩基性塩化
バリウムが挙げられ、ベリリウム化合物としては、好ま
しくは塩基性酢酸ベリリウム等が挙げられる。
【0013】本発明において使用する化合物製品(B)
は、JIS K0557において規定されたA4種の超
純水の20倍量(重量)と混合した時のpHの上限が1
2.0、好ましくは11.5であり、下限が10.0、
好ましくは10.5である。上記上限を超えては、腐蝕
性ガスの発生量が多くガス焼けを生じ、かつ発生するヤ
ニ量が多く、また、成形品の寸法精度も悪くなる。上記
下限未満では、発生する腐蝕性ガス及びヤニの量が共に
多く好ましくない。水に難溶又は不溶の化合物製品につ
いては、上記水のpHを殆ど変化させない程度にアセト
ン、メタノール又はエタノールを上記水に数滴加えてp
H測定をしたものである。
は、JIS K0557において規定されたA4種の超
純水の20倍量(重量)と混合した時のpHの上限が1
2.0、好ましくは11.5であり、下限が10.0、
好ましくは10.5である。上記上限を超えては、腐蝕
性ガスの発生量が多くガス焼けを生じ、かつ発生するヤ
ニ量が多く、また、成形品の寸法精度も悪くなる。上記
下限未満では、発生する腐蝕性ガス及びヤニの量が共に
多く好ましくない。水に難溶又は不溶の化合物製品につ
いては、上記水のpHを殆ど変化させない程度にアセト
ン、メタノール又はエタノールを上記水に数滴加えてp
H測定をしたものである。
【0014】化合物製品(B)は上記性質に加えて、更
に、そのBET比表面積の下限が、好ましくは10m2
/g、より好ましくは14m2/g、更に好ましくは2
0m 2/g、特に好ましくは50m2/gである。該B
ET比表面積は可能な限り大きいほうが本発明において
有効であり、上記下限未満では、発生する腐食性ガス及
びヤニの量が共に多くなる。
に、そのBET比表面積の下限が、好ましくは10m2
/g、より好ましくは14m2/g、更に好ましくは2
0m 2/g、特に好ましくは50m2/gである。該B
ET比表面積は可能な限り大きいほうが本発明において
有効であり、上記下限未満では、発生する腐食性ガス及
びヤニの量が共に多くなる。
【0015】化合物製品(B)の配合量は、(A)PA
S100重量部に対して、上限が5.0重量部、好まし
くは4.0重量部、特に好ましくは3.0重量部であ
り、下限が0.01重量部、好ましくは0.05重量
部、特に好ましくは0.1重量部である。上記上限を超
えては、腐蝕性ガスの発生量が多くガス焼けを生じ、か
つ発生するヤニ量が多く、また、成形品の寸法精度も悪
くなり、更には成形性の低下をも生ずる。上記下限未満
では、発生する腐食性ガス及びヤニの量が共に多い。
S100重量部に対して、上限が5.0重量部、好まし
くは4.0重量部、特に好ましくは3.0重量部であ
り、下限が0.01重量部、好ましくは0.05重量
部、特に好ましくは0.1重量部である。上記上限を超
えては、腐蝕性ガスの発生量が多くガス焼けを生じ、か
つ発生するヤニ量が多く、また、成形品の寸法精度も悪
くなり、更には成形性の低下をも生ずる。上記下限未満
では、発生する腐食性ガス及びヤニの量が共に多い。
【0016】本発明において(A)PASとしては、実
質的に直鎖状若しくは分岐状PAS又は熱酸化架橋型P
AS等の公知のいずれのPASをも使用することができ
る。これらのPASを製造する方法には特に制限がな
く、通常、有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物と
ジハロ芳香族化合物とを反応させて製造することができ
る。例えば、特公昭45‐3368号公報に記載の方
法、特公昭52‐12240号公報記載のアルカリ金属
カルボン酸塩を使用する方法、米国特許第403826
3号明細書に記載のハロゲン化リチウム等の重合助剤を
使用する方法、特公昭54‐8719号公報に記載のポ
リハロ芳香族化合物等の架橋剤を使用する方法、特公昭
63‐33775号公報に記載の異なる水の存在量下、
多段階反応を使用する方法、特開平5‐222196号
公報に記載された、有機アミド系溶媒中でアルカリ金属
硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてPASを製
造する方法において、反応中に反応缶の気相部分を冷却
することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これ
を液相に還流せしめる方法等により製造し得る。また、
これらの方法により製造したPASを熱酸化架橋するこ
とにより製造することができる。
質的に直鎖状若しくは分岐状PAS又は熱酸化架橋型P
AS等の公知のいずれのPASをも使用することができ
る。これらのPASを製造する方法には特に制限がな
く、通常、有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物と
ジハロ芳香族化合物とを反応させて製造することができ
る。例えば、特公昭45‐3368号公報に記載の方
法、特公昭52‐12240号公報記載のアルカリ金属
カルボン酸塩を使用する方法、米国特許第403826
3号明細書に記載のハロゲン化リチウム等の重合助剤を
使用する方法、特公昭54‐8719号公報に記載のポ
リハロ芳香族化合物等の架橋剤を使用する方法、特公昭
63‐33775号公報に記載の異なる水の存在量下、
多段階反応を使用する方法、特開平5‐222196号
公報に記載された、有機アミド系溶媒中でアルカリ金属
硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてPASを製
造する方法において、反応中に反応缶の気相部分を冷却
することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これ
を液相に還流せしめる方法等により製造し得る。また、
これらの方法により製造したPASを熱酸化架橋するこ
とにより製造することができる。
【0017】PASの製造に使用する有機アミド系溶媒
は、PAS重合のために知られており、たとえばN‐メ
チルピロリドン(NMP)、N,N‐ジメチルホルムア
ミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N‐メチルカプ
ロラクタム等、及びこれらの混合物を使用でき、NMP
が好ましい。
は、PAS重合のために知られており、たとえばN‐メ
チルピロリドン(NMP)、N,N‐ジメチルホルムア
ミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N‐メチルカプ
ロラクタム等、及びこれらの混合物を使用でき、NMP
が好ましい。
【0018】アルカリ金属硫化物も公知であり、たとえ
ば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫
化ルビジウム、硫化セシウム及びこれらの混合物であ
る。これらの水和物及び水溶液であっても良い。又、こ
れらにそれぞれ対応する水硫化物及び水和物を、それぞ
れに対応する水酸化物で中和して用いることができる。
安価な硫化ナトリウムが好ましい。
ば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫
化ルビジウム、硫化セシウム及びこれらの混合物であ
る。これらの水和物及び水溶液であっても良い。又、こ
れらにそれぞれ対応する水硫化物及び水和物を、それぞ
れに対応する水酸化物で中和して用いることができる。
安価な硫化ナトリウムが好ましい。
【0019】ジハロ芳香族化合物は、たとえば特公昭4
5‐3368号公報記載のものから選ぶことができる
が、好ましくはp‐ジクロロベンゼンである。又、少量
(20モル%以下)のジフェニルエーテル、ジフェニル
スルホン又はビフェニルのパラ、メタ又はオルトジハロ
物を1種類以上用いて共重合体を得ることができる。例
えば、m‐ジクロロベンゼン、o‐ジクロロベンゼン、
p,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,p´‐ジ
クロロジフェニルエーテル、m,m´‐ジクロロジフェ
ニルエーテル、p,p´‐ジクロロジフェニルスルホ
ン、m,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,m´
‐ジクロロジフェニルスルホン、p,p´‐ジクロロビ
フェニル、m,p´‐ジクロロビフェニル、m,m´‐
ジクロロビフェニルである。
5‐3368号公報記載のものから選ぶことができる
が、好ましくはp‐ジクロロベンゼンである。又、少量
(20モル%以下)のジフェニルエーテル、ジフェニル
スルホン又はビフェニルのパラ、メタ又はオルトジハロ
物を1種類以上用いて共重合体を得ることができる。例
えば、m‐ジクロロベンゼン、o‐ジクロロベンゼン、
p,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,p´‐ジ
クロロジフェニルエーテル、m,m´‐ジクロロジフェ
ニルエーテル、p,p´‐ジクロロジフェニルスルホ
ン、m,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,m´
‐ジクロロジフェニルスルホン、p,p´‐ジクロロビ
フェニル、m,p´‐ジクロロビフェニル、m,m´‐
ジクロロビフェニルである。
【0020】PASの分子量をより大きくするために、
例えば1,3,5‐トリクロロベンゼン、1,2,4‐
トリクロロベンゼン等のポリハロ化合物を、パラ及びメ
タジハロ芳香族化合物の合計量に対して好ましくは5モ
ル%以下の濃度で使用することもできる。
例えば1,3,5‐トリクロロベンゼン、1,2,4‐
トリクロロベンゼン等のポリハロ化合物を、パラ及びメ
タジハロ芳香族化合物の合計量に対して好ましくは5モ
ル%以下の濃度で使用することもできる。
【0021】また、他の少量添加物として、末端停止
剤、修飾剤としてのモノハロ化合物を併用することもで
きる。
剤、修飾剤としてのモノハロ化合物を併用することもで
きる。
【0022】得られたPASは、当業者にとって公知の
後処理法によって副生物から分離することができる。
後処理法によって副生物から分離することができる。
【0023】本発明のPAS樹脂組成物には、任意成分
として(C)無機充填剤を配合することができる。
(C)無機充填剤としては特に限定されないが、例えば
粉末状/リン片状の充填剤、繊維状充填剤などが使用で
きる。粉末状/リン片状の充填剤としては、例えばアル
ミナ、タルク、マイカ、カオリン、クレー、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、リン酸マグ
ネシウム、窒化ケイ素、ガラス、ハイドロタルサイト、
酸化ジルコニウム、ガラスビーズ、カーボンブラック等
が挙げられる。また、繊維状充填剤としては、例えばガ
ラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シリカ繊維、シ
リカ/アルミナ繊維、チタン酸カリ繊維、ポリアラミド
繊維等が挙げられる。また、この他にZnOテトラポッ
ト、金属塩(例えば塩化亜鉛、硫酸鉛など)、酸化物
(例えば酸化鉄、二酸化モリブデンなど)、金属(例え
ばアルミニウム、ステンレスなど)等の充填剤を使用す
ることもできる。これらを1種単独でまたは2種以上組
合せて使用できる。また、無機充填剤は、その表面が、
シランカップリング剤やチタネートカップリング剤で処
理してあってもよい。
として(C)無機充填剤を配合することができる。
(C)無機充填剤としては特に限定されないが、例えば
粉末状/リン片状の充填剤、繊維状充填剤などが使用で
きる。粉末状/リン片状の充填剤としては、例えばアル
ミナ、タルク、マイカ、カオリン、クレー、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、リン酸マグ
ネシウム、窒化ケイ素、ガラス、ハイドロタルサイト、
酸化ジルコニウム、ガラスビーズ、カーボンブラック等
が挙げられる。また、繊維状充填剤としては、例えばガ
ラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シリカ繊維、シ
リカ/アルミナ繊維、チタン酸カリ繊維、ポリアラミド
繊維等が挙げられる。また、この他にZnOテトラポッ
ト、金属塩(例えば塩化亜鉛、硫酸鉛など)、酸化物
(例えば酸化鉄、二酸化モリブデンなど)、金属(例え
ばアルミニウム、ステンレスなど)等の充填剤を使用す
ることもできる。これらを1種単独でまたは2種以上組
合せて使用できる。また、無機充填剤は、その表面が、
シランカップリング剤やチタネートカップリング剤で処
理してあってもよい。
【0024】成分(C)無機充填剤の配合量は、成分
(A)PAS100重量部当り、上限が250重量部、
好ましくは200重量部である。成分(C)が上記上限
を超えては発生する腐食性ガス及びヤニの量共多くなり
好ましくない。また機械的強度を高めるためには、好ま
しくは0.01重量部以上、より好ましくは100重量
部以上配合するのが好ましい。
(A)PAS100重量部当り、上限が250重量部、
好ましくは200重量部である。成分(C)が上記上限
を超えては発生する腐食性ガス及びヤニの量共多くなり
好ましくない。また機械的強度を高めるためには、好ま
しくは0.01重量部以上、より好ましくは100重量
部以上配合するのが好ましい。
【0025】更に、必要に応じて、上記の成分の他に、
公知の添加剤及び充填剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸
収剤、離型剤、熱安定剤、滑剤、着色剤等を配合するこ
とができる。
公知の添加剤及び充填剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸
収剤、離型剤、熱安定剤、滑剤、着色剤等を配合するこ
とができる。
【0026】本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定
されず、例えば各成分を機械的に混合し、押出機等の慣
用の装置にて溶融混練し、ペレット化することができ
る。また、マスターバッチとして混合し、溶融混練後ペ
レット化して使用することもできる。また、組成物各成
分を別々に押出機に投入して溶融混練してもよい。
されず、例えば各成分を機械的に混合し、押出機等の慣
用の装置にて溶融混練し、ペレット化することができ
る。また、マスターバッチとして混合し、溶融混練後ペ
レット化して使用することもできる。また、組成物各成
分を別々に押出機に投入して溶融混練してもよい。
【0027】本発明の樹脂組成物は、自動車機器部品、
電気・電子機器部品、光学機器部品、化学機器部品、食
品容器、住宅建材等の材料として広く使用し得る。本発
明の樹脂組成物から製造された成形品は、寸法精度が著
しく優れており、かつ腐食性ガスの発生量が著しく少な
くガス焼けによる変色が少ないことから、とりわけ、光
学機器部品としての使用に適している。例えば、特開平
10-143891号公報及び特開昭62-223822号公報に開示され
ているような、光ディスク装置等においてディスクに対
して情報信号を書き込み又はこれを読み取るために、デ
ィスクの情報ピットにレーザービームを正確に集光させ
るための対物レンズ駆動装置の部品、例えば、レンズホ
ルダー、保持容器、該レンズホルダーに挿通された、レ
ンズホルダーを回転若しくは前後移動可能にするための
支持軸又は該軸を保持するための軸受体、あるいはこれ
らを衝撃から守るための外装体等、特開平10-293940号
公報に開示されているような、コンパクトディスク等の
光記録媒体に光ビームを照射し、記録面からの反射光を
受光して、記録面での光ビームの反射状態の変化に対応
した光信号を得、それを電気信号に変換して記録又は再
生するための光ピックアップ装置の部品、例えば、光
源、対物レンズ、受光部等の構成部品を収納する保持容
器等、あるいは特開平8-101329号公報に開示されている
ような、レーザー発生装置から発せられたレーザー光
を、コリメーターレンズに通過させ、続いて走査手段に
より被走査体に走査させる光学装置の部品、例えば、複
写機、プリンター、ファクシミリ等の光学装置に用いる
コリメーターレンズホルダー等に適している。
電気・電子機器部品、光学機器部品、化学機器部品、食
品容器、住宅建材等の材料として広く使用し得る。本発
明の樹脂組成物から製造された成形品は、寸法精度が著
しく優れており、かつ腐食性ガスの発生量が著しく少な
くガス焼けによる変色が少ないことから、とりわけ、光
学機器部品としての使用に適している。例えば、特開平
10-143891号公報及び特開昭62-223822号公報に開示され
ているような、光ディスク装置等においてディスクに対
して情報信号を書き込み又はこれを読み取るために、デ
ィスクの情報ピットにレーザービームを正確に集光させ
るための対物レンズ駆動装置の部品、例えば、レンズホ
ルダー、保持容器、該レンズホルダーに挿通された、レ
ンズホルダーを回転若しくは前後移動可能にするための
支持軸又は該軸を保持するための軸受体、あるいはこれ
らを衝撃から守るための外装体等、特開平10-293940号
公報に開示されているような、コンパクトディスク等の
光記録媒体に光ビームを照射し、記録面からの反射光を
受光して、記録面での光ビームの反射状態の変化に対応
した光信号を得、それを電気信号に変換して記録又は再
生するための光ピックアップ装置の部品、例えば、光
源、対物レンズ、受光部等の構成部品を収納する保持容
器等、あるいは特開平8-101329号公報に開示されている
ような、レーザー発生装置から発せられたレーザー光
を、コリメーターレンズに通過させ、続いて走査手段に
より被走査体に走査させる光学装置の部品、例えば、複
写機、プリンター、ファクシミリ等の光学装置に用いる
コリメーターレンズホルダー等に適している。
【0028】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0029】
【実施例1〜8及び比較例1〜6】該実施例及び比較例
において使用した各物質は下記の通りである。 (A)PPS:T‐4(商標、株式会社トープレン製、
セミリニアタイプ) (B)化合物製品 <マグネシウム化合物> ・酸化マグネシウム(MgO)(I):pH=11.
9、BET比表面積=148m2/g ・水酸化マグネシウム[Mg(OH)2](I):pH
=10.3、BET比表面積=22m2/g ・ケイ酸マグネシウム(2MgO・6SiO2・XH2O)
(I):pH=11.5、BET比表面積=14m2/
g <亜鉛化合物> ・塩基性酢酸亜鉛[Zn(CH3CO2)2・Zn
O]:pH=10.2、BET比表面積=21m2/g ・リン酸亜鉛[Zn3(PO4)2]:pH=10.
2、BET比表面積=14m2/g (C)無機充填剤: ・ガラスファイバー:CS 3J‐961S(商標、日
東紡績株式会社製、直径13μm、表面をアミノシラン
処理したもの) ・チタン酸カリウム:ティスモー D(商標、大塚化学
株式会社製) ・炭酸カルシウム:ホワイトン‐SB(商標、白石カル
シウム株式会社製) <比較物質> ・塩化マグネシウム(MgCl2):pH=7.5、B
ET比表面積=23m2/g ・塩化亜鉛(ZnCl2):pH=6.0、BET比表
面積=10m2/g ・塩化バリウム(BaCl2):pH=5.6、BET
比表面積=12m2/g
において使用した各物質は下記の通りである。 (A)PPS:T‐4(商標、株式会社トープレン製、
セミリニアタイプ) (B)化合物製品 <マグネシウム化合物> ・酸化マグネシウム(MgO)(I):pH=11.
9、BET比表面積=148m2/g ・水酸化マグネシウム[Mg(OH)2](I):pH
=10.3、BET比表面積=22m2/g ・ケイ酸マグネシウム(2MgO・6SiO2・XH2O)
(I):pH=11.5、BET比表面積=14m2/
g <亜鉛化合物> ・塩基性酢酸亜鉛[Zn(CH3CO2)2・Zn
O]:pH=10.2、BET比表面積=21m2/g ・リン酸亜鉛[Zn3(PO4)2]:pH=10.
2、BET比表面積=14m2/g (C)無機充填剤: ・ガラスファイバー:CS 3J‐961S(商標、日
東紡績株式会社製、直径13μm、表面をアミノシラン
処理したもの) ・チタン酸カリウム:ティスモー D(商標、大塚化学
株式会社製) ・炭酸カルシウム:ホワイトン‐SB(商標、白石カル
シウム株式会社製) <比較物質> ・塩化マグネシウム(MgCl2):pH=7.5、B
ET比表面積=23m2/g ・塩化亜鉛(ZnCl2):pH=6.0、BET比表
面積=10m2/g ・塩化バリウム(BaCl2):pH=5.6、BET
比表面積=12m2/g
【0030】<化合物製品(B)及び比較物質のpH測
定>50ミリリットルのビーカーに化合物製品(B)又
は比較物質を1グラム秤量し、それにJIS K055
7において規定されたA4種の超純水を20グラム加
え、スターラーにて攪拌し、5分間放置して更に十分攪
拌した後、自動pH計を使用してpH測定を行った。水
に難溶又は不溶な化合物を測定する場合には、攪拌時に
予め上記水にpHを殆ど変化させない程度にアセトンを
スポイトで数滴加えて攪拌を行った。アセトンを用いて
も十分混合・溶解しない場合には、アセトンに代えてメ
タノール、エタノールを順次試して、十分混合・溶解せ
しめた。ここで、JIS K0557により規定された
A4種の超純水は、日本ミリポア株式会社製超純水製造
装置にて製造した。
定>50ミリリットルのビーカーに化合物製品(B)又
は比較物質を1グラム秤量し、それにJIS K055
7において規定されたA4種の超純水を20グラム加
え、スターラーにて攪拌し、5分間放置して更に十分攪
拌した後、自動pH計を使用してpH測定を行った。水
に難溶又は不溶な化合物を測定する場合には、攪拌時に
予め上記水にpHを殆ど変化させない程度にアセトンを
スポイトで数滴加えて攪拌を行った。アセトンを用いて
も十分混合・溶解しない場合には、アセトンに代えてメ
タノール、エタノールを順次試して、十分混合・溶解せ
しめた。ここで、JIS K0557により規定された
A4種の超純水は、日本ミリポア株式会社製超純水製造
装置にて製造した。
【0031】<発生ガス量の測定>各実施例及び比較例
とも、表1及び2に示す量(重量部)の各成分をヘンシ
ェルミキサーを使用して5分間予備混合して均一にした
後、20mmφの二軸異方向回転押出機を用い、温度3
10℃、回転数400rpmで溶融混練してペレットを
作成し試料とした。発生したガス量は下記のようにして
測定した。図1に測定装置の概略を示す。まず、試料約
1gを精秤してU字管(18mmφ)の底部に入れて図
のようにセットした。次いで、空気を20ミリリットル
/分で流し流量が安定したところで昇温を開始した。試
料部分の温度が330℃に到達した時点から、3時間経
過後にガス洗浄瓶中の液をサンプリングして、イオン交
換クロマトグラフィー[日本ダイオネクス株式会社製、
2000i/sp(カラム Ionpac AS4A使
用)]を用いてCl−及びSO4 2−イオンを定量し
た。ガス洗浄瓶中の液は、0.1モル/リットルのNa
OH水溶液35g、31%のH2O2水溶液35g及び
脱イオン水150gの混合溶液にガスをトラップ後、7
0℃の温水につけ酸素を脱気してイオンクロマトグラフ
ィーで測定した。
とも、表1及び2に示す量(重量部)の各成分をヘンシ
ェルミキサーを使用して5分間予備混合して均一にした
後、20mmφの二軸異方向回転押出機を用い、温度3
10℃、回転数400rpmで溶融混練してペレットを
作成し試料とした。発生したガス量は下記のようにして
測定した。図1に測定装置の概略を示す。まず、試料約
1gを精秤してU字管(18mmφ)の底部に入れて図
のようにセットした。次いで、空気を20ミリリットル
/分で流し流量が安定したところで昇温を開始した。試
料部分の温度が330℃に到達した時点から、3時間経
過後にガス洗浄瓶中の液をサンプリングして、イオン交
換クロマトグラフィー[日本ダイオネクス株式会社製、
2000i/sp(カラム Ionpac AS4A使
用)]を用いてCl−及びSO4 2−イオンを定量し
た。ガス洗浄瓶中の液は、0.1モル/リットルのNa
OH水溶液35g、31%のH2O2水溶液35g及び
脱イオン水150gの混合溶液にガスをトラップ後、7
0℃の温水につけ酸素を脱気してイオンクロマトグラフ
ィーで測定した。
【0032】<ガス焼けの測定>JIS K7152
(ISO 294)に準拠して、溶融樹脂温度/金型表
面温度=320℃/130℃にて住友プラスチックマシ
ーナリー社製サイキップ150射出成形機を使用し、シ
ングルキャビティーにて引張試験(JIS K711
3)用ダンベル1号片をサイドゲートを用いて射出し
た。この時、ゲートから最も離れた腐食性ガスが最も溜
まり易い部分でのダンベル片のガス焼けを観察した。表
1及び2の評価結果の記号は下記の内容を示す。 ○:ガス焼けなし ×:ガス焼けあり
(ISO 294)に準拠して、溶融樹脂温度/金型表
面温度=320℃/130℃にて住友プラスチックマシ
ーナリー社製サイキップ150射出成形機を使用し、シ
ングルキャビティーにて引張試験(JIS K711
3)用ダンベル1号片をサイドゲートを用いて射出し
た。この時、ゲートから最も離れた腐食性ガスが最も溜
まり易い部分でのダンベル片のガス焼けを観察した。表
1及び2の評価結果の記号は下記の内容を示す。 ○:ガス焼けなし ×:ガス焼けあり
【0033】<寸法精度測定>発生ガス量の測定の際に
作成した各ペレットを用いて、成形機温度320℃及び
金型温度90℃で射出成形して、図2に示すような対物
レンズ駆動装置用レンズホルダー様成形物を30個成形
した。図2中の数字は各部分の寸法(単位:mm)を示
す。
作成した各ペレットを用いて、成形機温度320℃及び
金型温度90℃で射出成形して、図2に示すような対物
レンズ駆動装置用レンズホルダー様成形物を30個成形
した。図2中の数字は各部分の寸法(単位:mm)を示
す。
【0034】その中から任意に20個の成形品を選び出
し、各成形品について円の中心から端までの距離(半
径)を測定して、最大値と最小値の差を求めてこれを寸
法精度として評価した。結果を表1及び2に示す。
し、各成形品について円の中心から端までの距離(半
径)を測定して、最大値と最小値の差を求めてこれを寸
法精度として評価した。結果を表1及び2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】 *1:組成物の粘度が著しく高くなり、混練機による混練
ができずサンプル調製ができなかった。
ができずサンプル調製ができなかった。
【0037】実施例1及び2は、(B)酸化マグネシウ
ム(I)の配合量を本発明の範囲内で変化させたもので
ある。(B)の配合量を増加すると発生ガスの量は減少
することが分かった。また、いずれもガス焼けはなく、
かつ寸法精度も良好であった。実施例3は、実施例2の
酸化マグネシウム(I)を、pHがより小さい水酸化マ
グネシウムに代えたものである。酸化マグネシウム
(I)と同程度の効果が認められた。実施例4は、実施
例2の酸化マグネシウム(I)をケイ酸マグネシウムに
代えたものである。塩素の発生が若干見られたが、ガス
焼けはなく、かつ寸法精度も良好であった。実施例5及
び6は、実施例2の酸化マグネシウム(I)を夫々、塩
基性酢酸亜鉛又はリン酸亜鉛に代えたものである。いず
れも発生ガス量は少なく、ガス焼けはなく、かつ寸法精
度も良好であった。
ム(I)の配合量を本発明の範囲内で変化させたもので
ある。(B)の配合量を増加すると発生ガスの量は減少
することが分かった。また、いずれもガス焼けはなく、
かつ寸法精度も良好であった。実施例3は、実施例2の
酸化マグネシウム(I)を、pHがより小さい水酸化マ
グネシウムに代えたものである。酸化マグネシウム
(I)と同程度の効果が認められた。実施例4は、実施
例2の酸化マグネシウム(I)をケイ酸マグネシウムに
代えたものである。塩素の発生が若干見られたが、ガス
焼けはなく、かつ寸法精度も良好であった。実施例5及
び6は、実施例2の酸化マグネシウム(I)を夫々、塩
基性酢酸亜鉛又はリン酸亜鉛に代えたものである。いず
れも発生ガス量は少なく、ガス焼けはなく、かつ寸法精
度も良好であった。
【0038】一方、比較例1は、(B)を配合しなかっ
たものである。発生ガスの量は著しく多く、ガス焼けが
観察され、かつ寸法精度も悪かった。比較例2〜4は、
実施例2の酸化マグネシウム(I)を、夫々、pHが本
発明の範囲未満の塩化マグネシウム、塩化亜鉛又は塩化
バリウムに代えたものである。発生ガス量が著しく多
く、ガス焼けが観察された。
たものである。発生ガスの量は著しく多く、ガス焼けが
観察され、かつ寸法精度も悪かった。比較例2〜4は、
実施例2の酸化マグネシウム(I)を、夫々、pHが本
発明の範囲未満の塩化マグネシウム、塩化亜鉛又は塩化
バリウムに代えたものである。発生ガス量が著しく多
く、ガス焼けが観察された。
【0039】実施例7及び8は、(C)を本発明の範囲
内で配合したものである。(B)を配合しなかった比較
例1に比べて、発生ガス量は少なく、ガス焼けはなく、
かつ寸法精度も良好であった。一方、本発明の範囲を超
えて(C)を配合した比較例5及び6は、いずれも著し
く粘度が高くなり、混練機による混練ができなかった。
内で配合したものである。(B)を配合しなかった比較
例1に比べて、発生ガス量は少なく、ガス焼けはなく、
かつ寸法精度も良好であった。一方、本発明の範囲を超
えて(C)を配合した比較例5及び6は、いずれも著し
く粘度が高くなり、混練機による混練ができなかった。
【0040】
【実施例9〜16及び比較例7〜18】該実施例及び比
較例において使用した各物質は下記の通りである。 (A)PPS:T‐1(商標、株式会社トープレン製、
セミリニアタイプ) (B) <マグネシウム化合物> ・酸化マグネシウム(MgO)(II):pH=11.
5、BET比表面積=40m2/g ・酸化マグネシウム(MgO)(III):pH=11.
9、BET比表面積=148m2/g ・酸化マグネシウム(MgO)(IV):pH=10.
8、BET比表面積=8m 2/g ・水酸化マグネシウム[Mg(OH)2](II):pH
=10.3、BET比表面積=22m2/g ・ケイ酸マグネシウム(2MgO・6SiO2・XH2O)(I
I):pH=11.5、BET比表面積=14m2/g (C)無機充填剤: ・上記と同じガラスファイバー及び炭酸カルシウムを使
用した。 <比較物質> ・タルク(4SiO2・3MgO・H2O):pH=
6.9、BET比表面積=12m2/g ・酸化アルミニウムマグネシウム(Mg0.7Al
0.3O1.15、Mg/Al酸化物固溶体):pH=
9.7、BET比表面積=110m2/g(KW2000、商
標、協和化学工業株式会社製、特開平6-322271号公報記
載のMg/Al酸化物固溶体相当品) ・塩基性アルミニウムマグネシウムカーボネートハイド
レード[Mg4.5Al 2(OH)13CO3・3.5
H2O、ハイドロタルサイト類化合物]:pH=9.
4、BET比表面積=13.1m2/g(DHT-4A、商
標、協和化学工業株式会社製、特開平6-322271号公報記
載のハイドロタルサイト類化合物相当品) ・亜硫酸マグネシウム(MgSO3):pH=13.
0、BET比表面積=15.0m2/g ・水酸化ナトリウム(NaOH):pH=14.0、B
ET比表面積=2.0m 2/g
較例において使用した各物質は下記の通りである。 (A)PPS:T‐1(商標、株式会社トープレン製、
セミリニアタイプ) (B) <マグネシウム化合物> ・酸化マグネシウム(MgO)(II):pH=11.
5、BET比表面積=40m2/g ・酸化マグネシウム(MgO)(III):pH=11.
9、BET比表面積=148m2/g ・酸化マグネシウム(MgO)(IV):pH=10.
8、BET比表面積=8m 2/g ・水酸化マグネシウム[Mg(OH)2](II):pH
=10.3、BET比表面積=22m2/g ・ケイ酸マグネシウム(2MgO・6SiO2・XH2O)(I
I):pH=11.5、BET比表面積=14m2/g (C)無機充填剤: ・上記と同じガラスファイバー及び炭酸カルシウムを使
用した。 <比較物質> ・タルク(4SiO2・3MgO・H2O):pH=
6.9、BET比表面積=12m2/g ・酸化アルミニウムマグネシウム(Mg0.7Al
0.3O1.15、Mg/Al酸化物固溶体):pH=
9.7、BET比表面積=110m2/g(KW2000、商
標、協和化学工業株式会社製、特開平6-322271号公報記
載のMg/Al酸化物固溶体相当品) ・塩基性アルミニウムマグネシウムカーボネートハイド
レード[Mg4.5Al 2(OH)13CO3・3.5
H2O、ハイドロタルサイト類化合物]:pH=9.
4、BET比表面積=13.1m2/g(DHT-4A、商
標、協和化学工業株式会社製、特開平6-322271号公報記
載のハイドロタルサイト類化合物相当品) ・亜硫酸マグネシウム(MgSO3):pH=13.
0、BET比表面積=15.0m2/g ・水酸化ナトリウム(NaOH):pH=14.0、B
ET比表面積=2.0m 2/g
【0041】<化合物製品(B)及び比較物質のpH測
定>上記と同様にして測定した。
定>上記と同様にして測定した。
【0042】<発生ガス及びヤニ量の測定>各実施例及
び比較例とも、表3及び4に示す量(重量部)の各成分
を使用して、上記と同様にしてペレットを作成し試料と
した。発生したガス量は、試料部分の温度が330℃に
到達した時点から3時間経過後において、上記と同様に
して測定した。また、ヤニ量は、ガス量の測定中、U字
管出口側をリボンヒーターにより190℃に加熱して発
生するヤニをU字管出口に接続したPTFEチューブ内
の石英ウールでトラップして定量した。結果を表3及び
4に示す。
び比較例とも、表3及び4に示す量(重量部)の各成分
を使用して、上記と同様にしてペレットを作成し試料と
した。発生したガス量は、試料部分の温度が330℃に
到達した時点から3時間経過後において、上記と同様に
して測定した。また、ヤニ量は、ガス量の測定中、U字
管出口側をリボンヒーターにより190℃に加熱して発
生するヤニをU字管出口に接続したPTFEチューブ内
の石英ウールでトラップして定量した。結果を表3及び
4に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】 *1:組成物の粘度が著しく高くなり、混練機による混練
ができずサンプル調製ができなかった。
ができずサンプル調製ができなかった。
【0045】実施例9〜11は、(B)酸化マグネシウ
ム(II)の配合量を本発明の範囲内で変化させたもので
ある。(B)の配合量を増加すると発生ガス及びヤニの
量はいずれも減少する傾向にあることが分かった。実施
例12は、実施例10の酸化マグネシウム(II)を、B
ET比表面積のより大きい酸化マグネシウム(III)に
代えたものである。発生ガス及びヤニの量はいずれも減
少した。実施例13は、実施例10の酸化マグネシウム
(II)を、pH及びBET比表面積共により小さい水酸
化マグネシウム(II)に代えたものである。酸化マグネ
シウム(II)と同程度の効果が認められた。実施例14
は、実施例10の酸化マグネシウム(II)を、BET比
表面積がより小さいケイ酸マグネシウム(II)に代えた
ものである。発生ガス及びヤニの量は共に少なかった。
ム(II)の配合量を本発明の範囲内で変化させたもので
ある。(B)の配合量を増加すると発生ガス及びヤニの
量はいずれも減少する傾向にあることが分かった。実施
例12は、実施例10の酸化マグネシウム(II)を、B
ET比表面積のより大きい酸化マグネシウム(III)に
代えたものである。発生ガス及びヤニの量はいずれも減
少した。実施例13は、実施例10の酸化マグネシウム
(II)を、pH及びBET比表面積共により小さい水酸
化マグネシウム(II)に代えたものである。酸化マグネ
シウム(II)と同程度の効果が認められた。実施例14
は、実施例10の酸化マグネシウム(II)を、BET比
表面積がより小さいケイ酸マグネシウム(II)に代えた
ものである。発生ガス及びヤニの量は共に少なかった。
【0046】一方、比較例7は、(B)を配合しなかっ
たものである。発生ガス及びヤニの量は著しく多かっ
た。比較例8は、(B)酸化マグネシウム(II)の配合
量を本発明の範囲より多くしたものである。ヤニの量が
増加した。比較例9は、(B)酸化マグネシウム(II)
の配合量を更に多くしたものである。組成物の粘度が著
しく高くなり混練ができなかった。比較例10は、実施
例10における(B)酸化マグネシウム(II)をBET
比表面積がより小さな酸化マグネシウム(IV)に代えた
ものである。発生ガス量及びヤニの量が共に著しく多く
なった。比較例11は、実施例10において、pHが本
発明の範囲未満であるタルクに代えたものである。発生
ガス及びヤニの量は著しく多かった。比較例12及び1
3はいずれもpHが本発明の範囲未満であるところの、
特開平6-322271号公報記載のMg/Al酸化物固溶体及
びハイドロタルサイト化合物を夫々使用したものであ
る。比較例12及び13は、実施例10に比べて、発生
ガス及びヤニの量がいずれも著しく多くなった。比較例
14は、pHが本発明の範囲を超えるマグネシウム化合
物であるところの亜硫酸マグネシウムを使用したもので
ある。ヤニの量が著しく多くなった。比較例15は、p
Hが本発明の範囲を超える水酸化ナトリウムを使用した
ものである。ヤニの量が著しく多くなった。
たものである。発生ガス及びヤニの量は著しく多かっ
た。比較例8は、(B)酸化マグネシウム(II)の配合
量を本発明の範囲より多くしたものである。ヤニの量が
増加した。比較例9は、(B)酸化マグネシウム(II)
の配合量を更に多くしたものである。組成物の粘度が著
しく高くなり混練ができなかった。比較例10は、実施
例10における(B)酸化マグネシウム(II)をBET
比表面積がより小さな酸化マグネシウム(IV)に代えた
ものである。発生ガス量及びヤニの量が共に著しく多く
なった。比較例11は、実施例10において、pHが本
発明の範囲未満であるタルクに代えたものである。発生
ガス及びヤニの量は著しく多かった。比較例12及び1
3はいずれもpHが本発明の範囲未満であるところの、
特開平6-322271号公報記載のMg/Al酸化物固溶体及
びハイドロタルサイト化合物を夫々使用したものであ
る。比較例12及び13は、実施例10に比べて、発生
ガス及びヤニの量がいずれも著しく多くなった。比較例
14は、pHが本発明の範囲を超えるマグネシウム化合
物であるところの亜硫酸マグネシウムを使用したもので
ある。ヤニの量が著しく多くなった。比較例15は、p
Hが本発明の範囲を超える水酸化ナトリウムを使用した
ものである。ヤニの量が著しく多くなった。
【0047】実施例15及び16は、(C)を本発明の
範囲内で配合したものである。(B)を配合しなかった
比較例16及び(C)の配合量が本発明の範囲を超える
比較例17及び18に比べて、発生ガス及びヤニの量は
いずれも著しく少なかった。
範囲内で配合したものである。(B)を配合しなかった
比較例16及び(C)の配合量が本発明の範囲を超える
比較例17及び18に比べて、発生ガス及びヤニの量は
いずれも著しく少なかった。
【0048】
【発明の効果】本発明は、高温状態、特に酸素雰囲気下
における溶融状態において、腐食性ガスの発生量が著し
く少なく、従って、ガス焼けによる変色が殆どなく、及
びヤニの発生量が少なく、かつ寸法精度が著しく良好で
あることから対物レンズ用駆動装置その他の光学機器部
品に使用するために適するポリアリーレンスルフィド樹
脂組成物を提供するものである。
における溶融状態において、腐食性ガスの発生量が著し
く少なく、従って、ガス焼けによる変色が殆どなく、及
びヤニの発生量が少なく、かつ寸法精度が著しく良好で
あることから対物レンズ用駆動装置その他の光学機器部
品に使用するために適するポリアリーレンスルフィド樹
脂組成物を提供するものである。
【図1】発生したガス及びヤニの量を測定するための装
置の概略図である。
置の概略図である。
【図2】実施例において成形した対物レンズ駆動装置用
レンズホルダー様成形物の平面図及び円の中心を通る直
線で切断した際の断面図を示す。
レンズホルダー様成形物の平面図及び円の中心を通る直
線で切断した際の断面図を示す。
1.U字管 2.ヒーター 3.リボンヒーター 4.熱電対 5.石英ウール 6.ガス洗浄瓶 7.スライダック 8.温度コントローラー A.試料 B.空気
Claims (6)
- 【請求項1】(A)ポリアリーレンスルフィド 100
重量部、及び(B)周期律表の第IIA族及び第IIB
族より成る群から選ばれる元素を含む化合物製品であっ
て、JIS K0557において規定されたA4種の超
純水の20倍量(重量)と混合した時に10.0〜1
2.0のpHを示すもの 0.01〜5.0重量部を含
む樹脂組成物。 - 【請求項2】 化合物製品(B)のBET比表面積が1
0m2/g以上であるところの請求項1記載の樹脂組成
物。 - 【請求項3】 化合物製品(B)が、マグネシウム化合
物又は亜鉛化合物であるところの請求項1又は2記載の
樹脂組成物。 - 【請求項4】 (C)無機充填剤 0〜250重量部を
更に含むところの請求項1〜3のいずれか一つに記載の
樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の樹
脂組成物より成る対物レンズ駆動装置用部品。 - 【請求項6】 対物レンズ駆動装置用部品が、レンズホ
ルダー、保持容器又は外装体であるところの請求項5記
載の部品。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11375172A JP2000265060A (ja) | 1999-01-11 | 1999-12-28 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
DE60015910T DE60015910T2 (de) | 1999-12-28 | 2000-07-10 | Teil eines Objektivlinsenantriebsgerätys hergestellt aus einer Polyarylensulfid-Harzzusammensetzung |
EP00202458A EP1114847B1 (en) | 1999-12-28 | 2000-07-10 | Part of an object lens driving unit made from a polyarylene sulfide resin composition |
US09/613,146 US6492448B1 (en) | 1999-12-28 | 2000-07-11 | Polyarylenesulfide resin composition |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP463999 | 1999-01-11 | ||
JP11-4639 | 1999-01-11 | ||
JP11375172A JP2000265060A (ja) | 1999-01-11 | 1999-12-28 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000265060A true JP2000265060A (ja) | 2000-09-26 |
Family
ID=26338453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11375172A Pending JP2000265060A (ja) | 1999-01-11 | 1999-12-28 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000265060A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002188005A (ja) * | 2000-12-20 | 2002-07-05 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物 |
JP2002188006A (ja) * | 2000-12-20 | 2002-07-05 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物 |
EP1400570A1 (en) * | 2001-05-29 | 2004-03-24 | Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. | Resin composition for optical parts and optical parts |
JP2008075055A (ja) * | 2006-09-25 | 2008-04-03 | Dainippon Ink & Chem Inc | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、その製造方法、及び光学系部品 |
JP2008239932A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-09 | Osaka Univ | オキサゾリン基を有する重合体の製造方法 |
US8044142B2 (en) | 2004-12-21 | 2011-10-25 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Polyphenylene sulfide resin composition |
WO2012132429A1 (ja) * | 2011-03-31 | 2012-10-04 | 東レ株式会社 | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびそれからなる成形体 |
KR101551318B1 (ko) * | 2007-12-04 | 2015-09-08 | 스티롤루션 유럽 게엠베하 | 부착물 형성이 감소된 성형물의 제조 방법 |
-
1999
- 1999-12-28 JP JP11375172A patent/JP2000265060A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP1400570A1 (en) * | 2001-05-29 | 2004-03-24 | Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. | Resin composition for optical parts and optical parts |
EP1400570A4 (en) * | 2001-05-29 | 2005-01-26 | Idemitsu Petrochemical Co | RESIN COMPOSITION FOR OPTICAL PARTS AND OPTICAL PARTS |
US8044142B2 (en) | 2004-12-21 | 2011-10-25 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Polyphenylene sulfide resin composition |
JP2008075055A (ja) * | 2006-09-25 | 2008-04-03 | Dainippon Ink & Chem Inc | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、その製造方法、及び光学系部品 |
JP2008239932A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-09 | Osaka Univ | オキサゾリン基を有する重合体の製造方法 |
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WO2012132429A1 (ja) * | 2011-03-31 | 2012-10-04 | 東レ株式会社 | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびそれからなる成形体 |
JP5196076B1 (ja) * | 2011-03-31 | 2013-05-15 | 東レ株式会社 | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物およびそれからなる成形体 |
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