JP2004176062A - 光ピックアップ部品用錠剤、それから得られる光ピックアップ部品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、昇温時の寸法変化が少なく寸法安定性に優れ、かつ熱伝導率が高く、成形性にも優れた光ピックアップ部品用錠剤およびそれからなるレーザー焦点の環境安定性に優れた光ピックアップ部品用錠剤、それからなるレーザー焦点の環境安定性に優れた光ピックアップ部品およびその製造方法の提供。
【解決手段】(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラー合計100容量%に対して(a)熱可塑性樹脂1〜40容量%および(b)フィラー99〜60容量%を含有してなる光ピックアップ部品用錠剤、それからなる光ピックアップ部品およびその製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラー合計100容量%に対して(a)熱可塑性樹脂1〜40容量%および(b)フィラー99〜60容量%を含有してなる光ピックアップ部品用錠剤、それからなる光ピックアップ部品およびその製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、昇温時の寸法変化が少なく寸法安定性に優れ、かつ熱伝導率が高く、摺動性、成形性にも優れた光ピックアップ部品用錠剤およびそれからなるレーザー焦点の環境安定性に優れた光ピックアップ部品用錠剤に関し、更に詳しくは、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタルバーサタイルディスクもしくはデジタルビデオディスク)、レーザーディスク、光磁気ディスクなどに用いられる光ピックアップ部品用として適した光ピックアップ部品用錠剤およびそれを射出成形してなる光ピックアップ部品に関するものである。
近年、レーザー光を利用して情報の書き込みや読み込みを行うCD、DVDといった記録装置が普及しているが、それに使用される各種部品、中でもレーザー発振器、レーザービームを絞り込むためのレンズ、レーザービームの方向を変えるための立ち上げミラー、ビームスプリッター、レーザー光の受光センサーなどが搭載された基盤(光ピックアップスライドベース、光ピックアップボディ)は使用環境温度の変化によって歪みが生じるとレーザー光の光軸がずれてしまい、情報の書き込みや読み取りにエラーが生じてしまう。
記録密度の増加に伴い、レーザー光軸のずれの許容範囲が益々小さくなって来ており、また、記録装置の高性能化・小型化から、蓄熱による温度上昇が起こっており、使用環境温度が変化しても光軸ずれの起こり難く、温度上昇によるレーザー寿命の低下抑制可能な放熱性の優れた材料が求められている。
記録密度の増加に伴い、レーザー光軸のずれの許容範囲が益々小さくなって来ており、また、記録装置の高性能化・小型化から、蓄熱による温度上昇が起こっており、使用環境温度が変化しても光軸ずれの起こり難く、温度上昇によるレーザー寿命の低下抑制可能な放熱性の優れた材料が求められている。
光軸安定性の改良方法としてポリフェニレンスルフィド樹脂にポリフェニレンエーテル樹脂またはこれとポリオレフィン系樹脂との混合物、ガラス繊維、炭酸カルシウム、シラン系カップリング剤を特定の比率で配合し、且つガラス繊維の配合量を炭酸カルシウムの配合量より少なくすることによりレーザー光軸の温度変化を安定させる方法(特許文献1参照)、特定の溶融粘度を有するポリフェニレンスルフィド樹脂にガラス転移温度の高い、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂を配合し、且つガラス繊維、炭素繊維、炭酸カルシウム及びウィスカー状充填材を1種または2種以上配合することでレーザー光軸の温度変化を安定させる方法(特許文献2)、放熱性を改良する方法としてポリフェニレンスルフィド樹脂に無機充填材として金属酸化物粉末を添加する方法(特許文献3参照)などが提案されている。
しかしながら、上記特許文献1および2記載の方法は、用いるフィラーの充填量が少ないために、組成物の熱伝導性が低く、装置内部温度が上昇しても放熱性が低く、蓄熱するためであると考えられるが、レーザー光軸安定性に対する近年のより厳しい要求に対しては未だ十分とは言えず、また、特許文献2記載の方法においてもウイスカー状充填材を用いることで確かに光軸安定性は若干、向上しているが、特許文献1と同様、用いるフィラーの充填量が少ないために要求に対して十分とは言えない。
特許文献3においても具体的に開示された組成物における、フィラー量は多くとも約40容量%程度と考えられ、かかる組成物においても放熱性は十分とは言えず、温度上昇下での光軸安定性は、十分とは言えない。
また、液晶性樹脂に無機フィラーとしてガラス繊維あるいは、ホウ酸アルミニウムウィスカーを充填した樹脂組成物を光ピックアップ部品とすることも提案されている(特許文献4、5参照)。しかしながら、特許文献4および5で提案されている組成物において用いるフィラーの充填量が少ないため、得られた組成物の放熱性が十分とは言えず、また、高温条件下での作動において光軸安定性についても現在の高精度の光軸安定性の要求に対して十分とはいえない。
特開2002−69298号公報(第2頁、実施例)
特開2001−294751号公報(第2頁、4〜5頁、実施例)
特開平10−293940号公報(第2頁、実施例)
特開平8−220407号公報(第2頁、実施例)
特開平10−273554号公報(第2頁、実施例)
そこで、本発明は上述の問題を鑑み、解消すること、即ち、成形性に優れ、得られた成形品は、昇温時の寸法変化が少なく寸法安定性に優れ、高放熱性、摺動特性に優れた光ピックアップ部品用錠剤、それからなる光ピックアップ部品及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計100容量%に対して(a)熱可塑性樹脂1〜40容量%および(b)フィラー99〜60容量%を含有してなる光ピックアップ部品用錠剤、
(2)(b)フィラーが非繊維状フィラーと繊維状フィラーを併用するものであって、非繊維状フィラーの含有量が、繊維状フィラーの含有量より多いことを特徴とする上記(1)記載の光ピックアップ部品用錠剤、
(3)用いるフィラーの一部として酸化亜鉛ウィスカー を(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計量100容量%に対して0.1〜3容量%含有することを特徴とする請求項1または2記載の光ピックアップ部品用錠剤。
(4)さらに25〜250℃の温度範囲で固体から液体または気体に変化する物質(X)を、(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計量100重量部に対し0.1〜30重量部含有してなる上記(1)〜(3)いずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤、
(5)さらに25℃における粘度が1〜5000mPa・sの液状有機化合物を、(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計量100重量部に対し0.1〜30重量部含有してなる上記(1)〜(3)いずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤、
(6)さらにリン酸エステルを、(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計量100重量部に対し0.1〜30重量部含有してなる上記(1)〜(3)いずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤、
(7)(a)熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂、非液晶性ポリエステル樹脂、液晶ポリマーおよびポリアリーレンサルファイド樹脂から選ばれた少なくとも1種である上記(1)〜(6)のいずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤、
(8)上記(1)〜(6)のいずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤を射出成形してなる光ピックアップ部品、
(9)上記(1)〜(6)のいずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤を射出成形することを特徴とする光ピックアップ部品の製造方法である。
(1)(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計100容量%に対して(a)熱可塑性樹脂1〜40容量%および(b)フィラー99〜60容量%を含有してなる光ピックアップ部品用錠剤、
(2)(b)フィラーが非繊維状フィラーと繊維状フィラーを併用するものであって、非繊維状フィラーの含有量が、繊維状フィラーの含有量より多いことを特徴とする上記(1)記載の光ピックアップ部品用錠剤、
(3)用いるフィラーの一部として酸化亜鉛ウィスカー を(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計量100容量%に対して0.1〜3容量%含有することを特徴とする請求項1または2記載の光ピックアップ部品用錠剤。
(4)さらに25〜250℃の温度範囲で固体から液体または気体に変化する物質(X)を、(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計量100重量部に対し0.1〜30重量部含有してなる上記(1)〜(3)いずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤、
(5)さらに25℃における粘度が1〜5000mPa・sの液状有機化合物を、(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計量100重量部に対し0.1〜30重量部含有してなる上記(1)〜(3)いずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤、
(6)さらにリン酸エステルを、(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計量100重量部に対し0.1〜30重量部含有してなる上記(1)〜(3)いずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤、
(7)(a)熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂、非液晶性ポリエステル樹脂、液晶ポリマーおよびポリアリーレンサルファイド樹脂から選ばれた少なくとも1種である上記(1)〜(6)のいずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤、
(8)上記(1)〜(6)のいずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤を射出成形してなる光ピックアップ部品、
(9)上記(1)〜(6)のいずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤を射出成形することを特徴とする光ピックアップ部品の製造方法である。
本発明の光ピックアップ部品用錠剤は、従来得られなかったハイフィラー熱可塑性樹脂組成物の取得が可能となり、また、成形性に優れた溶融加工が可能なことから、用いるフィラーの特性を高効率に発揮することを可能とし、従来得られることができなかった特性、例えば、熱伝導性と寸法安定性を熱可塑性樹脂に付与できることが可能となり、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタルバーサタイルディスク)、レーザーディスク、光磁気ディスクなどに用いられるレーザー焦点の環境安定性に優れ、かつ放熱特性に優れた光ピックアップ部品を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明において(a)熱可塑性樹脂は、溶融成形加工できる合成樹脂のことである。
その具体例としては、例えば、非液晶性半芳香族ポリエステル、非液晶性全芳香族ポリエステルなどの非液晶性ポリエステル樹脂、液晶ポリマー(液晶性ポリエステル樹脂、液晶性ポリエステルアミド樹脂など)、ポリカーボネート、脂肪族ポリアミド、脂肪族−芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミドなどのポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、フェノキシ樹脂、ポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどのオレフィン系重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、ABSなどのオレフィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマー等のエラストマーから選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられる(“/”は共重合を表す。以下同じ)。
上述した熱可塑性樹脂のうち機械的性質、成形性などの点から非液晶性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、液晶性ポリエステル樹脂などの液晶ポリマー、ポリカーボネート、ポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、ポリフェニレンオキシド、フェノキシ樹脂、から選ばれる1種または2種以上の混合物が好ましく用いられ、なかでもポリアミド樹脂、非液晶性ポリエステル樹脂、液晶性ポリエステル樹脂などの液晶ポリマー、ポリアリーレンサルファイド樹脂が特に好ましく用いられる。
さらに非液晶性半芳香族ポリエステルの具体例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートおよびポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどのほか、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレートおよびポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレートなどの共重合ポリエステル等が挙げられる。上記のうち機械的性質、成形性などの点からポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートおよびポリエチレンテレフタレートなどを好ましく用いることができ、なかでもポリブチレンテレフタレートが好ましい。
また、ポリアミド樹脂の具体例としては、例えば環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合物などが挙げられ、具体的にはナイロン6、ナイロン4・6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、ポリ(メタキシレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド、ポリ(テトラメチレンイソフタルアミド)、ポリ(メチルペンタメチレンテレフタルアミド)などの脂肪族−芳香族ポリアミド、およびこれらの共重合体が挙げられ、共重合体として例えばナイロン6/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン6・6/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン6/ナイロン6・6/ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン6/ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン12/ポリ(ヘキサメチレンテレフタラミド)、ポリ(メチルペンタメチレンテレフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)などを挙げることができる。なお、共重合の形態としてはランダム、ブロックいずれでもよいが、ランダムが好ましい。上述したポリアミド樹脂のうち機械的性質、成形性などの点からナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12、ナイロン4・6、ポリノナンメチレンテレフタルアミド、ナイロン6/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン6・6/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン6/ナイロン6・6/ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン6/ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン12/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン6/ナイロン6・6/ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリ(メチルペンタメチレンテレフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)などのポリアミド樹脂を好ましく用いることができ、なかでもナイロン6が好ましい。
また、液晶ポリマーとは、異方性溶融相を形成し得る樹脂であり、エステル結合を有するものが好ましい。例えば芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル、あるいは、上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルアミドなどが挙げられ、具体的には、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物および/または脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸およびイソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボンから生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステルなど、また液晶性ポリエステルアミドとしては、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位以外にさらにp−アミノフェノールから生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性溶融相を形成するポリエステルアミドである。
上述した液晶ポリマーのうち、液晶性ポリエステル樹脂が好ましく、機械的性質、成形性などの点からp−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボンから生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステルが好ましく用いられ、なかでもp−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位の液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位の液晶性ポリエステルが特に好ましく用いられる。
上記液晶性ポリエステルのうち、好ましい構造の具体例としては、下記(I)、(II)、(III) および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、または、(I)、(III) および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
特に好ましいのは(I)、(II)、(III)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルである。
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III)はエチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうちR1が
本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエステル樹脂は、上記したように、構造単位(I)、(III)、(IV)からなる共重合体および上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体から選択される1種以上であり、上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮させるためには次の共重合量であることが好ましい。
すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜85モル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が好ましく、60〜15モル%がより好ましい。また、構造単位(I)の(II)に対するモル比[(I)/(II)]は好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に等モルであることが好ましい。
一方、上記構造単位(II) を含まない場合は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および(III)の合計に対して40〜90モル%であることが好ましく、60〜88モル%であることが特に好ましく、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モルであることが好ましい。
ここで実質的に等モルとは、末端を除くポリマー主鎖を構成するユニットが等モルであるが、末端を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らないことを意味する。
また液晶性ポリエステルアミド樹脂としては、上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールから生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
上記好ましく用いることができる液晶性ポリエステル樹脂、液晶性ポリエステルアミド樹脂は、上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン等の芳香族ジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸などを液晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめることができる。
本発明において使用する上記液晶性ポリエステル樹脂、液晶性ポリエステルアミド樹脂の製造方法は、特に制限がなく、公知の重縮合法に準じて製造できる。
例えば、上記液晶性ポリエステル樹脂の製造において、次の製造方法が好ましく挙げられる。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)または(2)の方法により液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)または(2)の方法により液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
本発明に使用する液晶性ポリエステル樹脂は、フィラーを高充填した場合の流動性低下を抑制するため、溶融粘度は0.5〜80Pa・sが好ましく、特に1〜50Pa・sがより好ましい。また、流動性がより優れた組成物を得ようとする場合には、溶融粘度を40Pa・s以下とすることが好ましい。
なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定において、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
また、ポリアリーレンサルファイド樹脂の代表例としては、ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略す場合もある)、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体およびそれらの混合物などが挙げられ、中でもポリフェニレンスルフィドが特に好ましく使用される。かかるポリフェニレンスルフィドは、下記構造式で示される繰り返し単位を好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上含む重合体であり、上記繰り返し単位が70モル%以上の場合には、耐熱性が優れる点で好ましい。
本発明においては、上記のようにして得られたポリアリーレンサルファイド樹脂を、空気中加熱による架橋/高分子量化、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、有機溶媒、熱水、酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、アミン、イソシアネート、官能基含有ジスルフィド化合物などの官能基含有化合物による活性化などの種々の処理を施した上で使用することも、もちろん可能である。
ポリアリーレンサルファイド樹脂を加熱により架橋/高分子量化する場合の具体的方法としては、空気、酸素などの酸化性ガス雰囲気下あるいは前記酸化性ガスと窒素、アルゴンなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気下で、加熱容器中で所定の温度において希望する溶融粘度が得られるまで加熱を行う方法を例示することができる。この場合の加熱処理温度としては、好ましくは150〜280℃、より好ましくは200〜270℃の範囲が選択して使用され、処理時間としては、好ましくは0.5〜100時間、より好ましくは2〜50時間の範囲が選択されるが、この両者をコントロールすることによって、目標とする粘度レベルを得ることができる。かかる加熱処理の装置は、通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均一に処理する場合は、回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
ポリアリーレンサルファイド樹脂を窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で熱処理する場合の具体的方法としては、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧(好ましくは7,000Nm-2以下)下で、加熱処理温度150〜280℃、好ましくは200〜270℃、加熱時間0.5〜100時間、好ましくは2〜50時間の条件で加熱処理する方法を例示することができる。かかる加熱処理の装置は、通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均一に処理する場合は、回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
ポリアリーレンサルファイド樹脂を有機溶媒で洗浄する場合に、洗浄に用いる有機溶媒としては、ポリアリーレンサルファイド樹脂を分解する作用などを有しないものであれば特に制限はなく使用することができる。例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンなどのスルホキシド・スルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、2塩化エチレン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒、およびベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが使用される。これらの有機溶媒のなかでも、特にN−メチルピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミドおよびクロロホルムなどが好ましく使用される。また、これらの有機溶媒は、1種類または2種類以上の混合で使用される。
かかる有機溶媒による洗浄の具体的方法としては、有機溶媒中にポリアリーレンサルファイド樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。有機溶媒でポリアリーレンサルファイド樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制限はなく、常温〜300℃程度の任意の温度が選択できる。洗浄温度が高くなるほど洗浄効率が高くなる傾向があるが、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分な効果が得られる。なお、有機溶媒洗浄を施されたポリアリーレンサルファイド樹脂は、残留している有機溶媒を除去するため、水または温水で数回洗浄することが好ましい。上記水洗浄の温度は50〜90℃であることが好ましく、60〜80℃であることが好ましい。
ポリアリーレンサルファイド樹脂を熱水で処理する場合の具体的方法としては、以下の方法を例示することができる。すなわち、熱水洗浄によるポリアリーレンサルファイド樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現するために、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であることが好ましい。熱水処理の操作は、通常、所定量の水に所定量のポリアリーレンサルファイド樹脂を投入し、常圧であるいは圧力容器内で加熱、撹拌することにより行われる。ポリアリーレンサルファイド樹脂と水との割合は、水の多い方がよく、好ましくは水1リットルに対し、ポリアリーレンサルファイド樹脂200g以下の浴比で使用される。
ポリアリーレンサルファイド樹脂を酸処理する場合の具体的方法としては、以下の方法を例示することができる。すなわち、酸または酸の水溶液にポリアリーレンサルファイド樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。用いられる酸としては、ポリアリーレンサルファイド樹脂を分解する作用を有しないものであれば特に制限はなく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの脂肪族飽和モノカルボン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸などのハロ置換脂肪族飽和カルボン酸、アクリル酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノカルボン酸、安息香酸、サリチル酸などの芳香族カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸などのジカルボン酸、および硫酸、リン酸、塩酸、炭酸、珪酸などの無機酸性化合物などが用いられる。これらの酸のなかでも、特に酢酸、塩酸がより好ましく用いられる。酸処理を施されたポリアリーレンサルファイド樹脂は、残留している酸または塩などを除去するため、水で数回洗浄することが好ましい。上記水洗浄の温度は50〜90℃であることが好ましく、60〜80℃であることが好ましい。また、洗浄に用いる水は、酸処理によるポリアリーレンサルファイド樹脂の好ましい化学的変性の効果を損なわない意味で、蒸留水または脱イオン水であることが好ましい。
本発明で用いられるポリアリーレンサルファイド樹脂の溶融粘度は、300℃、剪断速度1000/秒の条件下で80Pa・s以下であることが好ましく、50Pa・s以下がより好ましく、20Pa・s以下であることが更に好ましい。溶融粘度の下限については特に制限はないが、5Pa・s以上であることが好ましい。また溶融粘度の異なる2種以上のポリアリーレンサルファイド樹脂を併用して用いてもよい。
ポリアリーレンサルファイド樹脂の溶融粘度が上記の範囲を越えると、溶融流動性の点で不利となる傾向があるばかりでなく、組成物からなる光ピックアップ部品のレーザー焦点の環境安定性が低下する傾向を生じる。溶融粘度が高いと何故レーザー焦点の環境安定性が低下するかについては定かではないが、恐らく成形時の繊維状充填材の配向を促すため、成形体の温度変化による変形の異方性が増すためと推定している。
なお、ポリアリーレンサルファイド樹脂の溶融粘度は、キャピログラフ(東洋精機(株)社製)装置を用い、ダイス長10mm、ダイス孔直径0.5〜1.0mmの条件により測定することができる。
本発明に用いるフィラーとしては、繊維状もしくは、非繊維状(板状、鱗片状、粒状、不定形状、破砕品など)のフィラーが挙げられ、具体的には例えば、繊維状フィラーとしてガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー等が挙げられ、ガラス繊維あるいは炭素繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、ガラス繊維など上記フィラーはエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、シラン化合物、チタネート系化合物、アルミ系化合物で被覆あるいは集束されていてもよい。
非繊維状フィラーとしてマイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、ポリリン酸カルシウム、グラファイト、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属酸化物(アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン等)、カーボン粉末、黒鉛、カーボンフレーク、鱗片状カーボン、ナノカーボンチューブなどが挙げられる。また、金属粉、金属フレーク、金属リボンの金属種の具体例としては銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロム、錫などが例示できる。
中でも特に高い熱伝導性(放熱性)を発揮させるためには、高熱伝導性フィラーが好ましく、具体的には、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属繊維、金属酸化物(アルミナ、酸化亜鉛等)、カーボン粉末、黒鉛、PAN系あるいはピッチ系炭素繊維、カーボンフレーク、鱗片状カーボン、カーボンナノチューブ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素などが挙げられる。
ここで、上記金属粉、金属フレークおよび金属リボンの金属種の具体例としては、銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロムおよび錫などを例示することができる。
かかる金属粉、金属フレーク、金属リボンおよび金属繊維は、いずれもチタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
上記金属酸化物の具体例としては、SnO2(アンチモンドープ)、In2O3(アンチモンドープ)およびZnO(アルミニウムドープ)などを例示することができ、これらはチタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
上記カーボン粉末は、その原料および製造法から、アセチレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、ナフタリンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラックおよびディスクブラックなどに分類される。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、その原料および製造法については特に限定されないが、なかでもアセチレンブラックおよびファーネスブラックが特に好適に用いられる。また、カーボン粉末としては、その粒子径、表面積、DBP(ジブチルフタレート)吸油量および灰分などの特性の異なる種々のカーボン粉末が製造され、市販されている。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、これら特性については特に制限はないが、強度および電気伝導度のバランスの点から、一次粒径の平均粒径が500nm以下、特に5〜100nm、さらには10〜70nmの範囲にあることが好ましい。また、表面積(BET法)が10m2/g以上、さらには30m2/g以上の範囲にあることが好ましい。さらに、DBP給油量が50ml/100g以上、特に100ml/100g以上の範囲にあることが好ましい。さらにまた、灰分が0.5%以下、特に0.3%以下の範囲にあることが好ましい。
かかるカーボン粉末は、チタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。また、樹脂との溶融混練作業性を向上させるために造粒されたものを用いることも可能である。
本発明においては繊維状と非繊維状を2種以上併用することが好ましい。具体的には、(イ)黒鉛と炭素繊維あるいはガラス繊維、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーから選択される一種以上との組み合わせ、あるいは(ロ)アルミナと炭素繊維あるいはガラス繊維、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーから選択される1種以上との組み合わせ、あるいは(ハ)黒鉛と炭素繊維と非繊維状フィラーとの組み合わせが挙げられる。
特に光軸安定性と摺動性の高位でのバランスを求める場合、フィラーの一種として酸化亜鉛ウィスカーを添加することが好ましい。なかでも酸化亜鉛ウィスカーを上記その他のフィラーの一種以上と併用することが好ましく、特に上記(イ)〜(ハ)で挙げた組み合わせにさらに併用することが好ましい。
本発明において(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーとの比率は、用いるフィラーの特性を発揮し、かつ溶融加工性とのバランスの点から、配合される(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計100容量%に対し、(a)熱可塑性樹脂1〜40容量%、(b)フィラー99〜60容量%であることが好ましく、(a)熱可塑性樹脂1〜30容量%、(b)フィラー99〜70容量%がより好ましく、(a)熱可塑性樹脂5〜30容量%、(b)フィラー95〜70容量%であることがさらに好ましい。
また、繊維状フィラーと非繊維状フィラーを併用する場合は、成形流動性、レーザー光軸の安定性から、繊維状フィラーに対して非繊維状フィラーの方が多いことが好ましく、具体的には、2重量部以上多いことが好ましく、5重量部以上多いことがより好ましい。
また、光軸安定性と摺動性のバランスを得るために好ましくは、酸化亜鉛ウィスカーを配合するがその配合量は、配合される(b)フィラーに含まれ、(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計100容量%に対し、0.1〜3容量%、より好ましくは0.2〜2.5容量%、更に好ましくは0.3〜2容量%である。酸化亜鉛ウィスカーを少量添加することで本発明の目的である放熱性を保持しながら、光軸安定性および摺動性が大幅に向上することが可能となる。摺動性向上効果の考察としては、酸化亜鉛ウィスカーは通常、3次元構造を有しているため、摺動する面への本材料の接触状態が変化(面接触から点接触へ)するためと推察されるが、特に本発明の範囲で特異的に効果を発現する。
また、本発明には、錠剤としての形状保持と成形時の錠剤の安定的な圧壊による計量安定性付与効果の両立を図るためにさらに25〜250℃の温度範囲で力学的に固体の状態から液体または気体に変化する物質(X)を添加することが可能である。
本発明に使用される物質(X)とは、すなわち、25〜250℃の温度範囲の中で力学的に固体の状態から流動性に富む液体や気体の状態になる物質であるが、このような物質として、例えば、脂肪酸の一価アルコールエステル、脂肪酸金属塩、多塩基酸の脂肪酸エステル、多価アルコールの脂肪酸エステル、およびそれらの誘導体、エポキシ化合物、グリセリンの脂肪酸エステル、シリコーンレジン、フェノール系化合物、ホスフェート系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アミド基含有化合物、シアヌレート化合物およびその塩等で融点または軟化点が40〜250℃のものが挙げられる。
具体的には、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ステアレートなどの、ステアリン酸エステル、ミリスチン酸ミリスチルなどのミリスチン酸エステル、モンタン酸エステル、メタクリル酸ベヘニルなどのメタクリル酸エステルなどの脂肪酸の1価アルコールエステル、およびその誘導体、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸カリウム、モンタン酸リチウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸バリウム、モンタン酸アルミニウムなどの脂肪酸金属塩、フタル酸ジステアリル、トリメリット酸ジステアリルなどの多塩基酸の脂肪酸エステル、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリプロピレングリコールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどの多価アルコールの脂肪酸エステル、ステアリン酸モノグリセライド、パルミチン酸・ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノ・ジグリセライド、ステアリン酸・オレイン酸・モノ・ジグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライドなどのグリセリンの脂肪酸エステル、ビスフェノール型単官能および多官能エポキシ化合物、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスフェート、ジ(2,4−ジ−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフェート、ビス−(2,6−ジ−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフェートなどのホスフェート化合物、ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのホスファイト系化合物、トリエチレングリコール−ビス(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、2,2−チオ−ジエチレンビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テルペンフェノール、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンなどのフェノール系化合物、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、ステアリルエルカミドなどのアミド基含有化合物、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、メラミン/シアヌレート塩などのシアヌレート化合物およびその塩、2,5−ビス(5’−t−ブチルベンゾオキソザリル(2))チオフェン、エポキシ基または、メタクリル基または、アミノ基含有あるいは未官能のシリコーンレジンが挙げられる。また、分解発泡剤のように25℃以下で固体で、25〜250℃の温度範囲で気体に変化する物質が挙げられる。そのような物質として具体的には、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジン、アゾジカルボン酸バリウム、トリヒドラジノトリアジン、5−フェニルテトラゾール等が挙げられる。
本発明において物質(X)として上記の物質のいずれか1種、または2種以上の混合物であってもよい。
本発明に用いる物質(X)は、ハンドリング性、溶融可塑化特性の点から25〜250℃の温度範囲で固体から液体または気体に変化することが必須であり、好ましくは、40〜230℃、より好ましくは、50〜220℃、さらに好ましくは、60〜200℃で固体から液体または気体に変化することが好ましい。
本発明においては、錠剤を製造する際には物質(X)は固体で存在し、錠剤を溶融成形する際には液体または気体に変化することができる。本発明においては、このような物質(X)を用いることにより、錠剤としての形状保持と成形時の錠剤の安定的な圧壊による計量安定性付与効果の両立が図れるものと推察される。
上記物質(X)の添加量は、熱可塑性樹脂とフィラーの合計量100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜25重量部、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは2〜15重量部である。なかでも3〜10重量部が、特に好ましい。
物質(X)の添加量が本発明の範囲より多すぎる場合、得られた成形品表面にブリードアウトしてくると共に、それによって熱可塑性樹脂とフィラー界面の剥離を引き起こし、機械物性が低下する傾向にあり、少なすぎる場合、添加による成形時の圧壊による計量安定性付与効果が小さい。
また、本発明には、錠剤を製造する際に組成分布(フィラーの偏在化)を低減し、溶融成形する際に錠剤の圧壊性が均一とすることで成形時の計量時間の安定を図るための手法として25℃における粘度が1〜5000mPa・sの液状有機化合物を添加することが可能である。25℃における粘度が1〜5000mPa・sの液状有機化合物とは、25℃で液状で流動性のある有機化合物である。このような物質として、例えば、脂肪酸の一価アルコールエステル、多塩基酸の一価アルコールエステル、多価アルコールの脂肪酸エステル、およびそれらの誘導体、グリセリンの脂肪酸エステル、シリコーンオイル、ホスファイト系化合物等で融点が25℃未満のものが挙げられる。具体的には、2−エチルヘキサン酸セチル、ヤシ脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソトリデシル、カプリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、オレイン酸メチル、オレイン酸オクチル、オレイン酸ラウリル、オレイン酸オレイル、オレイン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチドデシル、オレイン酸イソブチルなどの脂肪酸の一価アルコールエステル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジオレイル、アジピン酸エステル、フタル酸ジトリデシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブチルグリコール、フタル酸2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジデシル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリイソデシル等の多塩基酸の一価アルコールエステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセキスオレート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシメチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシメチレンソルビタンモノパルミネート、ポリオキシメチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシメチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシメチレンソルビタンテトラオレート、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールモノオレートなどの多価アルコールの脂肪酸エステルおよびそれらの誘導体、オレイン酸モノジグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、2−エチルヘキサン酸トリグリセライド、カプリル酸モノジグリセライド、カプリル酸トリグリセライド、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ミリスチル、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチレングリコレート、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、メチルアセチルリシノレート、グリセルトリアセテート、2−エチルヘキシルアセテートなどのグリセリンの脂肪酸エステル、トリフェニルホスファイト、ジブチルハイドロジエンホスファイト、ヘキサトリデシル−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシル−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)−ジ−ホスファイトなどのホスファイト系化合物、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイルなどのシリコーンオイル等が挙げられる。
本発明において25℃における粘度が1〜5000mPa・sの液状有機化合物は、いずれか1種、または2種以上の混合物であってもよい。
本発明に用いる液状有機化合物の25℃における粘度は、組成物中への液状有機化合物の分散性、本発明の効果である成形時の計量時間の安定化の点から、1〜5000mPa・sであることが必須であり、好ましくは、2〜2000mPa・s、より好ましくは10〜500mPa・sである。
なお、25℃における粘度は、回転式粘度計(B型粘度計)により測定する。
本発明においては、このような液状有機化合物を用いることにより、錠剤を製造する際に均一に分散し、錠剤を溶融成形する際に計量時の圧壊が均一となり成形時の計量時間の安定を図れるものと推察される。
上記液状有機化合物を添加する場合の添加量は、熱可塑性樹脂とフィラーの合計量100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜25重量部、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは2〜15重量部である。なかでも3〜10重量部が、特に好ましい。
液状有機化合物の添加量が本発明の範囲より多すぎる場合、得られた成形品表面にブリードアウトしてくると共に、それによって熱可塑性樹脂とフィラー界面の剥離を引き起こし、かえって機械物性の低下する傾向にあり、少なすぎる場合、添加によって得られる、成形時の計量時間の安定化による成形品の特性バラツキ低減付与効果が小さくなる傾向にある。
本発明においては、上記物質(X)あるいは、上記液状有機化合物の中でも、リン酸エステルを選択し、添加することにより錠剤の成形時の易圧壊性と流動性を向上させることが可能である。本発明に使用されるリン酸エステルとしては、リン酸のモノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステルから選ばれ、好ましくは、下記式(1)で表されるものが挙げられる。
またk、mは、それぞれ0以上2以下の整数であり、かつk+mは、0以上2以下の整数であるが、好ましくはk、mはそれぞれ0以上1以下の整数、特に好ましくはk、mはそれぞれ1である。
また前記式(1)の式中、R3〜R10は同一または相異なる水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。ここで炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基などが挙げられるが、水素、メチル基、エチル基が好ましく、とりわけ水素が好ましい。
またAr1、Ar2、Ar3、Ar4は同一または相異なる芳香族基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換された芳香族基を表す。かかる芳香族基としては、ベンゼン骨格、ナフタレン骨格、インデン骨格、アントラセン骨格を有する芳香族基が挙げられ、なかでもベンゼン骨格、あるいはナフタレン骨格を有するものが好ましい。これらはハロゲンを含有しない有機残基(好ましくは炭素数1〜8の有機残基)で置換されていてもよく、置換基の数にも特に制限はないが、1〜3個であることが好ましい。具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基などの芳香族基が挙げられるが、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基が好ましく、特にフェニル基、トリル基、キシリル基が好ましい。
またYは直接結合、O、S、SO2、C(CH3)2、CH2、CHPhを表し、Phはフェニル基を表す。
このようなリン酸エステルの具体例としては、大八化学社製PX−200、PX−201、PX−130、CR−733S、TPP、CR−741、CR−747、TCP、TXP、CDPから選ばれる1種または2種以上が使用することができ、中でも好ましくはPX−200、TPP、CR−733S、CR−741、CR−747から選ばれる1種または2種以上、特に好ましくはPX−200、CR−733S、CR−741を使用することができるが、最も好ましくはPX−200である。
本発明においてリン酸エステルのいずれか1種、または2種以上の混合物であってもよい。
本発明においては、リン酸エステルは成形加工時の可塑化特性に優れるだけでなく、熱可塑性樹脂とフィラーとの馴染みが良いために、リン酸エステルを用いることにより、錠剤としての形状保持と成形時の錠剤の安定的な圧壊による計量安定性付与効果の両立とさらに金型内での流動性向上効果を併せて得られるものと推察される。
上記リン酸エステルを添加する場合の添加量は、熱可塑性樹脂とフィラーの合計量100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜25重量部、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは2〜15重量部である。なかでも3〜10重量部が、特に好ましい。
リン酸エステルの添加量が本発明の範囲より多すぎる場合、得られた成形品表面にブリードアウトしてくると共に、それによって熱可塑性樹脂とフィラー界面の剥離を引き起こし、機械物性が低下する傾向にあり、少なすぎる場合、添加による成形時の計量安定性、流動安定性付与効果が小さい。
本発明における錠剤には、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(モンタン酸及びその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、着色用カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐、燐酸エステル、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、他の重合体を添加することができる。
本発明において錠剤は、粉末状の原料を含む原料を固相状態で押し固めた粒状物をいうが、かかる錠剤は、粉末状の原料を含む原料を固相状態で圧縮成形することにより得ることができる。なお、上記において固相状態とは、原料に含まれる熱可塑性樹脂成分が溶融していない状態であることを意味する。圧縮成形には、打錠機(ロータリー、単発式、2連式、3連式)あるいはブリケットマシンなどの圧縮ロールを有する成形機を用いることが好ましい。上記粉末状の原料としては、樹脂組成物中に含有せしめるべき、熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性樹脂の粉末(熱可塑性樹脂粉末)、フィラーなどが挙げられるが、予め熱可塑性樹脂とフィラーとを溶融混練して得られる組成物の粉末を用いることもでき、これらの一種以上を所望の組成となるよう適宜選択して用いることができる。
本発明の錠剤の製造方法は、たとえば熱可塑性樹脂粉末およびフィラーをバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機などを用い、固相状態で均一ブレンドし、打錠機あるいは圧縮ロールを有する成形機により錠剤(タブレット)化することにより得ることができる。また、熱可塑性樹脂とフィラーとをバンバリーミキサー、ニーダー、ロールを用いて予めドライブレンドし、もしくはドライブレンドしないで、単軸もしくは二軸の押出機などを用い、一度溶融混練し、冷却粉砕して粉末状としたのち、打錠機あるいは圧縮ロールを有する成形機により錠剤(タブレット)化することも可能である。この場合、溶融混練に供する熱可塑性樹脂としては、溶融混練が可能であれば、粉末状でもペレット状でも特に制限はないが、フィラーの分散不良による特性のバラツキを低減する点から粉末状あるいは粉砕品であることが好ましい。また、単軸もしくは2軸押出機を用いて、予め溶融混練した組成物を粉末状とする場合、フィラーの使用量が多いと、流動性が悪化するため、ダイからの押出ができずペレット化が困難になる場合があるが、その場合には、特開平8−1663号公報に記載の如く、押出機のヘッド部を開放した状態で混練・押出すことも可能である。フィラーが多量である場合、フレーク状の組成物が得られることもある。本発明においてはこれらの方法で予め溶融混練して得られたペレットもしくはフレーク状の組成物を必要により、冷却粉砕して粉末状とした後、錠剤化する。また、これらの方法を組み合わせて錠剤化することも可能である。すなわち、熱可塑性樹脂とフィラーを溶融混練してなる組成物と、熱可塑性樹脂粉末および/又はフィラーとを、所望の含有量となるよう調整し、錠剤化することも可能である。上記方法のうち、工程が簡素である点で、熱可塑性樹脂粉末およびフィラーを固相状態で均一ブレンドした混合物を打錠機あるいは圧縮ロールを有する成形機により錠剤(タブレット)化する方法が好ましい。
上記熱可塑性樹脂粉末としては、通常、粉末状で入手できる熱可塑性樹脂の他、ペレットを常温あるいは冷凍粉砕することによっても得ることができる。冷凍粉砕は、ドライアイスあるいは液体窒素等で凍結させた後、一般的に知られている通常のハンマータイプ粉砕機、カッタータイプ粉砕機あるいは石臼型の粉砕機により行うことができる。本発明において用いる熱可塑性樹脂粉末としては、得られる錠剤間の組成の均一化および得られた錠剤のハンドリング性を良好にする点から、レーザー回折式粒度分布測定法に基づき測定した場合の粒子の最大長径の数平均粒子径が1000μm以下であることが好ましく、800μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましい。かかる粒径を有する粉末を得るには、粉砕などにより得られた粉体を適宜所望の大きさの篩を用いてふるい分けすればよい。
また、フィラーについても溶融加工性、得られる成形品の表面外観等を考慮した場合、フィラーのサイズはJIS-K0069に基づく篩分け試験法に基づき測定した場合、1000μmに相当する篩を通過するものであることが好ましく、より好ましくは800μmに相当する篩を通過するもの、特に500μmに相当する篩を通過するものであることが好ましい。また、下限については、5μmに相当する篩は実質的に通過しないものが取り扱い性の点から、好ましい。なお、ここで「実質的に通過しない」とは、95重量%以上が通過しないことを意味する。
かかるフィラーは市販されているものから選択してもよいし、また、篩を用いて分級し、必要なサイズのものを取り出し使用することも可能である。また、用いるフィラーの形状については、組成物のペレットの取得性から、繊維状、板状、鱗片状および破砕品が好ましく用いられ、さらに製造上得られた成形品の強度等の点から繊維状あるいは板状、鱗片状が好ましい。
さらに、必要特性によっては、異なった粒子径のものを2種以上併用しても良い。
本発明において、必要に応じて配合し得る他の成分を配合する場合、その配合方法に特に制限はなく、予め熱可塑性樹脂に溶融混練した熱可塑性樹脂組成物の粉末を熱可塑性樹脂粉末として用いてもよいし、熱可塑性樹脂粉末とフィラーを固相状態で均一にブレンドする際に、かかる他の成分も一緒に添加してブレンドしてもよい。また、予め熱可塑性樹脂とフィラーとを溶融混練した組成物の粉末を用いる場合には、その溶融混練の際に他の成分も一緒に添加してブレンドしてもよい。さらには錠剤のまわりに付着せしめることにより添加してもよい。
本発明の錠剤の錠剤形状としては、輸送時の形状保持性と成形時の易圧壊性を考慮した場合、例えば、円柱状、楕円柱状、円錐台形状、球状、楕円球状、鶏卵型形状、マセック型、円盤状、キュービック状、角柱状のものが挙げられる。なかでも加工時の計量安定性の点から円柱状、楕円柱状、円錐台形状、球状、楕円球状、鶏卵型形状、マセック型が好ましい。
また、錠剤の錠剤サイズとしては、底面15mm直径以下×長さ20mm以下が好ましく、なかでも底面の直径または長さ(高さ)の最大値が15mm未満であることが好ましく、最小値が1mm以上であることが好ましい。なお、底面が円状でないものに関して、最大径、最小径の規定方法としては、外接円の最大直径で特定する場合、その最大直径が15mm未満、1mm以上であることが好ましく、更に好ましくは12mm以下、1.5mm以上であるのがよい。
また、輸送時等の形状を安定に保つために、錠剤における打錠面の側面もしくは圧縮ロールでの圧縮面に対し、垂直に圧力をかけた時の圧縮破壊強度値(圧壊強度値)が、好ましくは5〜100N、より好ましくは15〜80Nである。好ましい圧壊強度値を得るための方法としては、例えば、原料組成によるところが最も大きく、上記の如き物質(X)、液晶有機化合物あるいはリン酸エステルなどを添加することにより、あるいは錠剤化工程において、原料供給ポケットに均一に原料を供給する方法、圧縮ロールを有する成形機において圧縮ロールの回転数を下げ圧縮ロール上での材料への加圧時間を延ばす方法、ホッパー内にフィードスクリューを用い、そのスクリューによりロール圧縮前において効果的な脱気と予備圧縮する方法などにより、高い錠剤密度が得られ、高い圧壊強度が得られる。なお、圧壊強度値の測定は、ロードセルなどの歪ゲージの上に錠剤を置き、その上から圧子を低速(好ましくは0.1〜2.0mm/sec)で降下させ、錠剤の圧縮破壊時に歪ゲージが示す圧力を測定する方法を用い行うことができる。
かかる方法を用いることにより、従来、成し得なかった光ピックアップ部品用錠剤を得ることが可能となる。
かくして得られた樹脂組成物は、射出成形方法(一般射出成形、インジェクションプレス成形、2色成形、サンドイッチ成形など)により、所望の形状のCD、DVD、レーザーディスク、光磁気ディスクなどの光ピックアップ部品用途、特に、放熱性が必要とされるDVD、レーザーディスク、光磁気ディスクの光ピックアップスライドベース、レンズホルダー等に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
参考例1 熱可塑性樹脂
PPS−1(ポリフェニレンスルフィド樹脂):M3910(東レ社製)を、篩にて60メッシュパスのものを使用した。
PPS−2の調製
撹拌機付きの20リットルオートクレーブに、47%水硫化ナトリウム(三協化成)2383g(20.0モル)、96%水酸化ナトリウム848g(20.4モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)3267g(33モル)、酢酸ナトリウム531g(6.5モル)、及びイオン交換水3000gを仕込み、常圧で窒素を通じながら225℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水4200gおよびNMP80gを留出したのち、反応容器を160℃に冷却した。硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.018モルであった。
PPS−1(ポリフェニレンスルフィド樹脂):M3910(東レ社製)を、篩にて60メッシュパスのものを使用した。
PPS−2の調製
撹拌機付きの20リットルオートクレーブに、47%水硫化ナトリウム(三協化成)2383g(20.0モル)、96%水酸化ナトリウム848g(20.4モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)3267g(33モル)、酢酸ナトリウム531g(6.5モル)、及びイオン交換水3000gを仕込み、常圧で窒素を通じながら225℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水4200gおよびNMP80gを留出したのち、反応容器を160℃に冷却した。硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.018モルであった。
次に、p−ジクロロベンゼン(シグマアルドリッチ)2974g(20.2モル)、NMP2594g(26.2モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封し、400rpmで撹拌しながら、227℃まで0.8℃/分の速度で昇温し、その後270℃まで0.6℃/分の速度で昇温し270℃で140分保持した。その後250℃まで1.3℃/分の速度で冷却しながら684g(38モル)のイオン交換水をオートクレーブに圧入した。その後200℃まで0.4℃/分の速度で冷却した後、室温近傍まで急冷した。
内容物を取り出し、10リットルのNMPで希釈後、溶剤と固形物をふるい(80mesh)で濾別し、得られた粒子を20リットルの温水で数回洗浄、濾別した。次いで得られた粒子を9.8gの酢酸を含む20リットルの温水で洗浄、濾別した後、20リットルの温水で洗浄、濾別してPPSポリマー粒子を得た。これを、80℃で熱風乾燥し、120℃で減圧乾燥した。得られたPPS−2は、キャピログラフ(東洋精機(株)社製)装置を用い、ダイス長10mm、ダイス孔直径0.5〜1.0mmの条件により測定した結果、120(Pa・s、剪断速度1000(1/sec))を得た。さらに篩にて60メッシュパスのものを使用した。
PA6(ナイロン6):CM1001(東レ社製)を液体窒素に浸し、サンプルミル(協立理工社製SK−M型)にて粉砕し、篩にて42メッシュパス、80メッシュオンで分級して数平均粒子径300μmのものを得た。
LCP(液晶性ポリエステル樹脂):“シベラス”L201E(東レ社製)を液体窒素に浸し、サンプルミル(協立理工社製SK−M型)にて粉砕し、篩にて80メッシュパス、150メッシュオンで分級して数平均粒子径150μmのものを得た。
PBT(ポリブチレンテレフタレート):1100S(東レ社製)を液体窒素に浸し、サンプルミル(協立理工社製SK−M型)にて粉砕し、篩にて42メッシュパス、80メッシュオンで分級して数平均粒子径300μmのものを得た。
PA6(ナイロン6):CM1001(東レ社製)を液体窒素に浸し、サンプルミル(協立理工社製SK−M型)にて粉砕し、篩にて42メッシュパス、80メッシュオンで分級して数平均粒子径300μmのものを得た。
LCP(液晶性ポリエステル樹脂):“シベラス”L201E(東レ社製)を液体窒素に浸し、サンプルミル(協立理工社製SK−M型)にて粉砕し、篩にて80メッシュパス、150メッシュオンで分級して数平均粒子径150μmのものを得た。
PBT(ポリブチレンテレフタレート):1100S(東レ社製)を液体窒素に浸し、サンプルミル(協立理工社製SK−M型)にて粉砕し、篩にて42メッシュパス、80メッシュオンで分級して数平均粒子径300μmのものを得た。
なお、上記において数平均粒子径は島津社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。
参考例2 フィラー
炭素繊維(CF):MLD30(繊維状フィラー、繊維径7μm、東レ社製)
ガラス繊維(GF):EPDM70M10A(繊維状フィラー、日本電気ガラス社製)
グラファイト(KS):KS−150(鱗片状フィラー、ティムカルジャパン社製)
アルミナ(Al):A−21(粒状フィラー、住友ケミカル社製)
酸化亜鉛ウィスカー(PT):“パナテトラ”WZ−0511(3次元形状フィラー、松下アムテック社製)
後述の表中のフィラーサイズは、500gの試料をとり、そのサイズに相当する粗さの篩を用いて分級した時、篩上に残留しなかったことを表す。
炭素繊維(CF):MLD30(繊維状フィラー、繊維径7μm、東レ社製)
ガラス繊維(GF):EPDM70M10A(繊維状フィラー、日本電気ガラス社製)
グラファイト(KS):KS−150(鱗片状フィラー、ティムカルジャパン社製)
アルミナ(Al):A−21(粒状フィラー、住友ケミカル社製)
酸化亜鉛ウィスカー(PT):“パナテトラ”WZ−0511(3次元形状フィラー、松下アムテック社製)
後述の表中のフィラーサイズは、500gの試料をとり、そのサイズに相当する粗さの篩を用いて分級した時、篩上に残留しなかったことを表す。
参考例3 25〜250℃の温度範囲で固体から液体または気体に変化する物質(X)(篩にて42メッシュパスしたものを使用)
HWE:モンタン酸エステルワックス、“リコワックス”(クラリアントジャパン社製)融点78℃
H334:“ユニスター”H−334R(ネオポリオールオクチル酸エステル、日本油脂社製)
参考例4 液状有機化合物
BPD:ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、“エキセパール”BP−DL(花王社製)、25℃における粘度280mPa・s
参考例5 リン酸エステル
PX:PX−200(大八化学工業社製粉末状芳香族縮合リン酸エステル、CAS No. 139189-30-3)融点95℃(篩にて42メッシュパスしたものを使用)。
HWE:モンタン酸エステルワックス、“リコワックス”(クラリアントジャパン社製)融点78℃
H334:“ユニスター”H−334R(ネオポリオールオクチル酸エステル、日本油脂社製)
参考例4 液状有機化合物
BPD:ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、“エキセパール”BP−DL(花王社製)、25℃における粘度280mPa・s
参考例5 リン酸エステル
PX:PX−200(大八化学工業社製粉末状芳香族縮合リン酸エステル、CAS No. 139189-30-3)融点95℃(篩にて42メッシュパスしたものを使用)。
実施例1〜21
参考例1の熱可塑性樹脂、参考例2に示したフィラーおよび参考例3〜5に示した添加剤をヘンシェルミキサーで表1に示す量でブレンドし、自動原料供給フィーダーを備えた月島機械製ロータリー打錠機を用いて常温タブレット化により、7mm直径×3mm長の円柱状のタブレット(錠剤型樹脂組成物)(最大値7mm、最小値3mm)を得た。ついで140℃の熱風乾燥機で3時間乾燥した後、以下に示す評価を行った。
参考例1の熱可塑性樹脂、参考例2に示したフィラーおよび参考例3〜5に示した添加剤をヘンシェルミキサーで表1に示す量でブレンドし、自動原料供給フィーダーを備えた月島機械製ロータリー打錠機を用いて常温タブレット化により、7mm直径×3mm長の円柱状のタブレット(錠剤型樹脂組成物)(最大値7mm、最小値3mm)を得た。ついで140℃の熱風乾燥機で3時間乾燥した後、以下に示す評価を行った。
比較例1〜9
実施例と同様の処方で参考例1の熱可塑性樹脂、参考例2に示したフィラーおよび参考例3〜5に示した添加剤をヘンシェルミキサーで表1に示す量でブレンドし、ヘッド部をはずしたPCM30(2軸押出機;池貝鉄鋼社製)にて表1に示す樹脂温で溶融混練を行い、不定形状の組成物を得た。ついで140℃の熱風乾燥機で3時間乾燥した後、以下に示す評価を行った。
実施例と同様の処方で参考例1の熱可塑性樹脂、参考例2に示したフィラーおよび参考例3〜5に示した添加剤をヘンシェルミキサーで表1に示す量でブレンドし、ヘッド部をはずしたPCM30(2軸押出機;池貝鉄鋼社製)にて表1に示す樹脂温で溶融混練を行い、不定形状の組成物を得た。ついで140℃の熱風乾燥機で3時間乾燥した後、以下に示す評価を行った。
(1)圧壊強度測定
ロードセルの上に錠剤を打錠面を横にして置き、その上から圧縮面が16mmφの平面である圧子を0.4mm/secで降下させ、錠剤の圧縮破壊時にロードセルが示す圧力を測定した。なお、使用した圧壊強度測定器について以下に示す。
圧力印加部:リニアモーション(オリエンタルモーター社製)、6RK60RGK−AM、60W(モーター部)、6LF13−1A(リニアヘッド部)、MAX140kgf(1373N)、降下速度0.8〜13.0mm/sec
ロードセル:LC4204−K300(A&D社製)、MAX300kgf(2942N)
表示器:ASG−156A−42−17−1(アサヒ計器社製)、0.1〜300kgf(0.98〜2942N)、分解能1/3000
(2)成形性−1(計量性)
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて表1〜4に示す樹脂温度でスクリュー回転数は、負荷圧力律速でシリンダー内に60mm計量した場合の計量時間を測定した(計量時間が短い方が、計量性が優れる)。
ロードセルの上に錠剤を打錠面を横にして置き、その上から圧縮面が16mmφの平面である圧子を0.4mm/secで降下させ、錠剤の圧縮破壊時にロードセルが示す圧力を測定した。なお、使用した圧壊強度測定器について以下に示す。
圧力印加部:リニアモーション(オリエンタルモーター社製)、6RK60RGK−AM、60W(モーター部)、6LF13−1A(リニアヘッド部)、MAX140kgf(1373N)、降下速度0.8〜13.0mm/sec
ロードセル:LC4204−K300(A&D社製)、MAX300kgf(2942N)
表示器:ASG−156A−42−17−1(アサヒ計器社製)、0.1〜300kgf(0.98〜2942N)、分解能1/3000
(2)成形性−1(計量性)
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて表1〜4に示す樹脂温度でスクリュー回転数は、負荷圧力律速でシリンダー内に60mm計量した場合の計量時間を測定した(計量時間が短い方が、計量性が優れる)。
(3)成形性−2(計量時間バラツキ)
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて表1〜4に示す樹脂温度でスクリュー回転数30rpmで10ショット計量した時の計量時間を測定した。そのときの計量時間バラツキを次式により求めた。(計量時間バラツキ)=(10ショット中の計量時間の最大値)−(10ショット中の計量時間の最小値)
(4)成形性−3(計量安定性:負荷トルク)
住友SG75M−III射出成形機(住友重機械工業)を用いて表1〜4にに示す樹脂温度でスクリュー回転数30rpmで計量した時の成形機スクリューモーター負荷圧力を測定した(負荷圧力が低い方が、計量安定性が優れる)。
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて表1〜4に示す樹脂温度でスクリュー回転数30rpmで10ショット計量した時の計量時間を測定した。そのときの計量時間バラツキを次式により求めた。(計量時間バラツキ)=(10ショット中の計量時間の最大値)−(10ショット中の計量時間の最小値)
(4)成形性−3(計量安定性:負荷トルク)
住友SG75M−III射出成形機(住友重機械工業)を用いて表1〜4にに示す樹脂温度でスクリュー回転数30rpmで計量した時の成形機スクリューモーター負荷圧力を測定した(負荷圧力が低い方が、計量安定性が優れる)。
(5)光軸安定性(光軸変動値)評価
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて、表1〜4に示す樹脂温度、金型温度で成形下限圧力+0.49MPa(5Kgf/cm2) ゲージの条件で射出成形し、図1に示す形状の光ピックアップ射出成形品(長さ40mm、幅30mm、厚さ5mmの直方体)1を得た。そして、図1に示したように、上記光ピックアップ射出成形品1の中央切欠部分(一辺6mmの正方形)にハーフミラー2を設置し、恒温槽の中で焦点距離200mm、波長650nm、出力0.3mWの半導体レーザーオートコリメーターから発振したレーザー光aを当て、反射してくるレーザー光bをCCDカメラにて受光した。
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて、表1〜4に示す樹脂温度、金型温度で成形下限圧力+0.49MPa(5Kgf/cm2) ゲージの条件で射出成形し、図1に示す形状の光ピックアップ射出成形品(長さ40mm、幅30mm、厚さ5mmの直方体)1を得た。そして、図1に示したように、上記光ピックアップ射出成形品1の中央切欠部分(一辺6mmの正方形)にハーフミラー2を設置し、恒温槽の中で焦点距離200mm、波長650nm、出力0.3mWの半導体レーザーオートコリメーターから発振したレーザー光aを当て、反射してくるレーザー光bをCCDカメラにて受光した。
30℃における反射レーザー光の位置を原点とし、30分かけて70℃まで昇温し、30分放置後の光軸変動値を測定した。この値が小さいほどレーザー焦点の環境安定性に優れているといえる。
なお、図1は、ハーフミラー2を設置した射出成形品1の斜視図である。
(6)放熱性(熱伝導性)
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて、表1〜4に示す樹脂温度、金型温度の温度条件で、70mm×70mm×厚さ3mmの角形成形品(フィルムゲート)を成形し、成形品中心部を30mm×30mm×厚さ3mmに切り出し、微量融点顕微鏡(YANAKO社製)を用いて70℃に熱したステージの上に載せ、1分後の成形品表面温度を測定した(成形品の上面部表面温度が高い方が、熱をうまく伝え逃し、熱がこもらず、放熱性が、良好といえる)。
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて、表1〜4に示す樹脂温度、金型温度の温度条件で、70mm×70mm×厚さ3mmの角形成形品(フィルムゲート)を成形し、成形品中心部を30mm×30mm×厚さ3mmに切り出し、微量融点顕微鏡(YANAKO社製)を用いて70℃に熱したステージの上に載せ、1分後の成形品表面温度を測定した(成形品の上面部表面温度が高い方が、熱をうまく伝え逃し、熱がこもらず、放熱性が、良好といえる)。
(7)摺動性(実施例14、15、17〜21および比較例10、11で評価)
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて、表4に示す樹脂温度、金型温度で成形下限圧力+0.49MPa(5Kgf/cm2)ゲージの条件で射出成形し、図2に示す形状、サイズの光ピックアップ部品を模した摺動評価用成形品3を得た。図2は上記光ピックアップを模した摺動性評価用成形品3の展開図であり、図2aはその上面図、図2bは図2aにおいてイ方向から見た側面図、図2cは図2aにおいてロ方向から見た側面図、図2dは底面図である。ついで、金属ピンガイド部4および金属ピン挿入軸穴部5により3mmφのSUS420の材質でできた棒で成形品を挟み込み、成形品上に8gの重りをのせ、左右に30mmづつ往復1000回スライドさせた後、成形品軸スライド穴部の内径を万能投影機を用いて測定し、寸法変化率(最大値)を評価した。
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて、表4に示す樹脂温度、金型温度で成形下限圧力+0.49MPa(5Kgf/cm2)ゲージの条件で射出成形し、図2に示す形状、サイズの光ピックアップ部品を模した摺動評価用成形品3を得た。図2は上記光ピックアップを模した摺動性評価用成形品3の展開図であり、図2aはその上面図、図2bは図2aにおいてイ方向から見た側面図、図2cは図2aにおいてロ方向から見た側面図、図2dは底面図である。ついで、金属ピンガイド部4および金属ピン挿入軸穴部5により3mmφのSUS420の材質でできた棒で成形品を挟み込み、成形品上に8gの重りをのせ、左右に30mmづつ往復1000回スライドさせた後、成形品軸スライド穴部の内径を万能投影機を用いて測定し、寸法変化率(最大値)を評価した。
評価は、寸法変化率(%)=(試験前最大内径寸法−試験後最大内径寸法)/試験前内径寸法×100
参考例1のポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS−1)24.2重量%(34.8容量%)とポリフェニレンエーテル樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製YPX−100F)9.9重量%(17.5容量%)、ガラス繊維(旭ファイバーガラス製JA523)30重量%(23.0容量%)、炭酸カルシウム(同和カルファイン製KSS1000)34.7重量%(24.7容量%)、シラン系カップリング剤(β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン)0.5重量%を一括してドライブレンドした後、ストランドダイヘッドを装着したPCM30(2軸押出機;池貝鉄鋼社製)2軸押出機を用いてシリンダー温度300℃で溶融混練した。ついで140℃の熱風乾燥機で3時間乾燥した後、射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)および住友SG75M−III射出成形機(住友重機械工業)を用いてシリンダー温度320℃、金型温度150℃で以下に示す評価を行った。その結果、計量性13秒、計量時間バラツキ0.8秒、計量安定性2.0MPa、光軸安定性は、0.46分、放熱性は34℃、摺動性(寸法変化率)は、1.7%であった。
比較例11
参考例1のポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS−2)22重量%(31.9容量%)とポリフェニレンエーテル樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製YPX−100F)10重量%(18.45容量%)、ガラス繊維(旭ファイバーガラス製JA523)30重量%(23.0容量%)、炭酸カルシウム(同和カルファイン製KSS1000)37重量%(26.31容量%)、酸化亜鉛ウィスカー(“パナテトラ”WZ0511)1重量%(0.34容量%)を一括してドライブレンドした後、ストランドダイヘッドを装着したPCM30(2軸押出機;池貝鉄鋼社製)2軸押出機を用いてシリンダー温度300℃で溶融混練した。ついで140℃の熱風乾燥機で3時間乾燥した後、射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)および住友SG75M−III射出成形機(住友重機械工業)を用いてシリンダー温度320℃、金型温度150℃で以下に示す評価を行った。その結果、計量性13秒、計量時間バラツキ0.7秒、計量安定性2.0MPa、光軸安定性は、0.45分、放熱性は34℃、摺動性(寸法変化率)は、1.6%であった。
参考例1のポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS−2)22重量%(31.9容量%)とポリフェニレンエーテル樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製YPX−100F)10重量%(18.45容量%)、ガラス繊維(旭ファイバーガラス製JA523)30重量%(23.0容量%)、炭酸カルシウム(同和カルファイン製KSS1000)37重量%(26.31容量%)、酸化亜鉛ウィスカー(“パナテトラ”WZ0511)1重量%(0.34容量%)を一括してドライブレンドした後、ストランドダイヘッドを装着したPCM30(2軸押出機;池貝鉄鋼社製)2軸押出機を用いてシリンダー温度300℃で溶融混練した。ついで140℃の熱風乾燥機で3時間乾燥した後、射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)および住友SG75M−III射出成形機(住友重機械工業)を用いてシリンダー温度320℃、金型温度150℃で以下に示す評価を行った。その結果、計量性13秒、計量時間バラツキ0.7秒、計量安定性2.0MPa、光軸安定性は、0.45分、放熱性は34℃、摺動性(寸法変化率)は、1.6%であった。
表1〜4および比較例10、11の結果から明らかなように本発明の光ピックアップ部品用錠剤から得られた成形品はフィラー高充填可能となり、従来得られなかった光軸安定性、熱伝導性が得られることがわかる。また、成形性(流動性、計量安定性)に優れた溶融加工が可能であることから、軽量化目的として光ピックアップ部品への展開を図ることが可能となる。
1:射出成形品
2:ハーフミラー
3:摺動評価用成形品
4:金属ピンガイド部
5:金属ピン挿入部軸穴部
a:半導体レーザーオートコリメーターから発振されたレーザー光の入射方向
b:反射レーザー光の反射方向
2:ハーフミラー
3:摺動評価用成形品
4:金属ピンガイド部
5:金属ピン挿入部軸穴部
a:半導体レーザーオートコリメーターから発振されたレーザー光の入射方向
b:反射レーザー光の反射方向
Claims (9)
- (a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計100容量%に対して(a)熱可塑性樹脂1〜40容量%および(b)フィラー99〜60容量%を含有してなる光ピックアップ部品用錠剤。
- (b)フィラーが非繊維状フィラーと繊維状フィラーを併用するものであって、非繊維状フィラーの含有量が、繊維状フィラーの含有量より多いことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ部品用錠剤。
- 用いるフィラーの一部として酸化亜鉛ウィスカー を(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計量100容量%に対して0.1〜3容量%含有することを特徴とする請求項1または2記載の光ピックアップ部品用錠剤。
- さらに25〜250℃の温度範囲で固体から液体または気体に変化する物質(X)を、(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計量100重量部に対し0.1〜30重量部含有してなる請求項1〜3いずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤。
- さらに25℃における粘度が1〜5000mPa・sの液状有機化合物を、(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計量100重量部に対し0.1〜30重量部含有してなる請求項1〜3いずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤。
- さらにリン酸エステルを、(a)熱可塑性樹脂と(b)フィラーの合計量100重量部に対し0.1〜30重量部含有してなる請求項1〜3いずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤。
- (a)熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂、非液晶性ポリエステル樹脂、液晶ポリマーおよびポリアリーレンサルファイド樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤。
- 請求項1〜6のいずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤を射出成形してなる光ピックアップ部品。
- 請求項1〜6のいずれか記載の光ピックアップ部品用錠剤を射出成形することを特徴とする光ピックアップ部品の製造方法。
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