JP2000159999A - 筐体用繊維強化樹脂組成物および筐体 - Google Patents

筐体用繊維強化樹脂組成物および筐体

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JP2000159999A
JP2000159999A JP10340774A JP34077498A JP2000159999A JP 2000159999 A JP2000159999 A JP 2000159999A JP 10340774 A JP10340774 A JP 10340774A JP 34077498 A JP34077498 A JP 34077498A JP 2000159999 A JP2000159999 A JP 2000159999A
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Japan
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resin composition
fiber
red phosphorus
weight
parts
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JP10340774A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Umetsu
秀之 梅津
Koji Tachikawa
浩司 立川
Yoshiki Makabe
芳樹 真壁
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】流動性、耐衝撃性、離型性、表面外観および薄
肉難燃性が改良された筐体用繊維強化樹脂組成物および
その成形品を提供する。 【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)99.5〜7
0重量%と下記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)か
らなる液晶性ポリエステルおよび/または下記構造単位
(I)、(II)、(III)および(IV)を主成分とするポリエステ
ルアミド樹脂(B)0.5〜30重量%からなる樹脂組
成物100重量部および炭素繊維5〜300重量部から
なる筐体用繊維強化樹脂組成物。 (ただし式中のR1は一般式(V)等 の基を示し、R2は一般式(VI)等

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動性、耐衝撃
性、表面外観、離型性および薄肉難燃性が改良された筐
体用繊維強化樹脂組成物およびその成形品に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートをはじめとする熱可塑
性樹脂は、その優れた諸特性を生かし、射出成形材料と
して機械機構部品、電気電子部品、自動車部品などの幅
広い分野に利用されつつある。一方、成形品への要求が
技術の進歩と共に高くなり、より複雑形状のものが要求
され、そのため流動性向上が望まれるようになってき
た。
【0003】そこで分子鎖の平行な配列を特徴とする光
学異方性の液晶性ポリマーが優れた流動性と機械的性質
を有する点で注目され、熱可塑性樹脂の流動性および機
械特性を向上させるために数々のアロイ化技術が検討さ
れている。末端基濃度を規定したポリカーボネートの例
として特開平6−200129号公報がある。また、熱
可塑性樹脂とのアロイが数々検討されており、例えばPO
LYMER ENGINEERING AND SCIENCE,1991,Vol.31,No.6やJo
urnal of applied Polymer Science,Vol.62,(1996)など
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−200129号公報のようにポリカーボネートの末
端基をコントロールしたものを用いても確かに流動性は
若干向上するものの、衝撃強度が改良されず、筐体(ハ
ウジング)などの衝撃性が必要とされる用途では使用が
限定されてしまう。
【0005】また、上記文献記載の液晶ポリエステルで
は、多量に液晶性樹脂を添加した場合には、確かに流動
性が向上するものの熱可塑性樹脂の従来の特性を損な
う。また、相溶性を上げすぎた場合、熱可塑性樹脂と反
応が起こるためと推察されるが、衝撃性の低下は抑制さ
れるものの、熱可塑性樹脂と混ざりすぎ流動性向上効果
が発現しないことがわかった。よって本発明は、上述の
問題を解消し、従来の熱可塑性樹脂の加工温度で加工可
能であり、かつ熱可塑性樹脂の従来の特性を損なうこと
なく、新規に流動性、耐衝撃性、離型性、得られた成形
物の良表面外観などの特性を付加した筐体用繊維強化樹
脂組成物の取得を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は(1)ポリカーボネー
ト樹脂(A)99.5〜70重量%と下記構造単位
(I)、(II)、(III)および(IV)からなる液晶性ポリエステ
ルおよび/または下記構造単位(I)、(II)、(III)および
(IV)を主成分とする液晶性ポリエステルアミド樹脂
(B)0.5〜30重量%からなる樹脂組成物100重
量部および炭素繊維5〜300重量部からなる筐体用繊
維強化樹脂組成物、
【化5】 (ただし式中のR1
【化6】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2
【化7】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。) (2)構造単位(I) および(II)の合計が構造単位(I) 、
(II)および(III) の合計に対して30〜95モル%、構
造単位(III) が構造単位(I) 、(II)および(III)の合計
に対して70〜5モル%であり、構造単位(I) と(II)の
モル比[(I)/(II)]が75/25〜95/5であり、構
造単位(IV)と構造単位(II)および(III) の合計とが実質
的に等モルである上記(1)記載の筐体用繊維強化樹脂
組成物、(3)(A)成分と(B)成分の合計100重
量部に対して導電率が0.1〜1000μS/cmであ
る赤リン(ただし、導電率は赤リン5gに純水100m
Lを加え、121℃で100時間抽出処理し、赤リンを
ろ過した後ろ液を250mLに希釈した抽出水の導電率
とする。)および/または下記一般式(1)で表される
燐酸エステル0.1〜30重量部を配合せしめてなる上
記(1)または(2)記載の筐体用繊維強化樹脂組成
物、
【化8】 (上記式中、R3〜R10は、同一または相異なる水素原
子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。またA
1、Ar2、Ar3、Ar4は同一または相異なる芳香族
基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換された
芳香族基を表す。また、Yは直接結合、O、S、S
2、C(CH32、CH2、CHPhを表し、Phはフ
ェニル基を表す。またnは0以上の整数である。また
k、mはそれぞれ0以上2以下の整数であり、かつk+
mは0以上2以下の整数である。)。
【0008】(4)ポリカーボネート樹脂(A)の一部
もしくは全部、または液晶性樹脂(B)の一部もしくは
全部または、最終的に含有せしめる(A)および(B)
のうちの一部と赤燐および/またはリン酸エステルを一
旦溶融混練して実際に熱可塑性樹脂組成物に配合される
べき赤燐および/またはリン酸エステル配合量よりも濃
度の高い樹脂組成物を作製した後、上記(3)記載の筐
体用繊維強化樹脂組成物を製造することを特徴とする筐
体用繊維強化樹脂組成物の製造方法、(5)請求項1〜
4のいずれか記載の筐体用繊維強化樹脂組成物の成形品
からなる筐体であって、該成形品が板状あるいは箱形で
かつ厚み1.2mm以下の薄肉部を成形品全表面積に対
して10%以上有することを特徴とする上記(5)記載
の成形品を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いるポリカーボネート
樹脂(A)とは、カーボネート結合を有し、芳香族二価
フェノール系化合物とホスゲン、または炭酸ジエステル
とを反応させることにより得られる熱可塑性樹脂であ
り、該芳香族ホモまたはコポリカーボネート樹脂は、メ
チレンクロライド中1.0g/dlの濃度で20℃で測
定した対数粘度が0.2〜3.0dl/g、特に0.3
〜1.5dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
ここで二価フェノール系化合物としては、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエ
チルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使用でき、
これら単独あるいは混合物として使用することができ
る。
【0010】また、ポリカーボネート(A)はその他の
特性を付与させるために、その一部(通常、(A)成分
の70重量%以下、好ましくは60重量%以下、特に好
ましくは50重量%以下)を他の樹脂に置き換えること
も可能である。かかる他の樹脂として、具体的には、A
BS樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
テレフタレートなどのポリエステル樹脂が挙げられる。
【0011】本発明の液晶性ポリエステルおよび/また
は液晶性ポリエステルアミド(B)とは、溶融時に異方
性を形成し得る構造単位(I)、(II)、(III)および(I
V)からなる液晶性ポリエステルおよび/または構造単位
(I)、(II)、(III)および(IV)を主成分とする液晶性
ポリエステルアミドである。
【0012】
【化9】 (ただし式中のR1
【化10】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2
【化11】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。)
【0013】上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香
酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−
テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハ
イドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒド
ロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよ
び4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ば
れた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した
構造単位を、構造単位(III)はエチレングリコールから
生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イ
ソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボ
ン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸
から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成し
た構造単位を各々示す。これらのうちR1
【化12】 であり、R2
【化13】 であるものが特に好ましい。
【0014】本発明の液晶性ポリエステルは、上記構造
単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体である
が、その共重合量は任意である。しかし、本発明の特性
を発揮させるためには次の共重合量であることが好まし
い。
【0015】すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(II
I)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)
および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合
計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜90モ
ル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位
(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が
好ましく、60〜10モル%がより好ましい。また、構
造単位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]は好ましくは7
5/25〜95/5であり、より好ましくは78/22
〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)
および(III)の合計と実質的に等モルであることが好ま
しい。
【0016】また液晶性ポリエステルアミドとしては、
上記構造単位(I)〜(IV)を主成分とするものであり、か
かる構造単位以外にp−アミノフェノールから生成した
p−イミノオキシ単位、p−アミノ安息香酸から生成し
たアミノカルボキシ単位などのエステルアミド形成性単
位を含有した異方性溶融相を形成するポリエステルアミ
ドが好ましい。本発明で用いる液晶性ポリエステルアミ
ドは、上記構造単位(I)〜(IV)を主成分とするものであ
るが、上記構造単位(I)〜(IV)の含有量は液晶性ポリエ
ステルアミドを構成する全単位に対し、5〜50モル%
であることが好ましく、10〜30モル%であることが
特に好ましい。
【0017】上記好ましく用いることができる液晶性ポ
リエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記構造単
位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニ
ルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸な
どの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン
酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジ
ヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安
息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸などを液晶性を損なわない程度の範
囲でさらに共重合せしめることができる。
【0018】本発明で使用する液晶性樹脂(B)は、ペ
ンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定することが
可能である。その際、0.1g/dlの濃度で60℃で
測定した値で0.5〜15.0dl/gが好ましく、
1.0〜3.0dl/gが特に好ましい。
【0019】また、本発明における液晶性ポリエステル
またはポリエステルアミド(B)の溶融粘度は0.5〜
200Pa・sが好ましく、特に1〜100Pa・sがより好ま
しい。また、流動性により優れた組成物を得ようとする
場合には、溶融粘度を50Pa・s以下とすることが好まし
い。
【0020】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0021】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分
の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度
(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保
持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し
た後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測さ
れる吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0022】液晶性樹脂の融点は、特に限定されない
が、熱可塑性樹脂への分散性の点から好ましくは330
℃以下、より好ましくは320℃以下である。
【0023】本発明において使用する上記液晶性樹脂の
基本的な製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエス
テルの重縮合法に準じて製造できる。
【0024】例えば、上記液晶性ポリエステルの製造に
おいて、次の製造方法が好ましく挙げられる。
【0025】(1)p−ヒドロキシ安息香酸などオキシ
カルボニル単位形成性単量体を除く成分のみから得られ
たポリエステルとp−アセトキシ安息香酸とを乾燥窒素
気流下で加熱溶融し、アシドリシス反応によって共重合
ポリエステルフラグメントを生成させ、次いで減圧し増
粘させる方法。
【0026】(2)p−アセトキシ安息香酸および4,
4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼン
などの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,
6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応に
よって製造する方法。
【0027】(3)p−ヒドロキシ安息香酸および4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの
芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基
をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造する
方法。
【0028】(4)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニル
エステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6
−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステルから
脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
【0029】(5)p−ヒドロキシ安息香酸および2,
6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカ
ーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステル
とした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイド
ロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フ
ェノール重縮合反応により製造する方法。
【0030】(6)ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス(β−
ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボ
ン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下
で(2)または(3)の方法により製造する方法。
【0031】液晶性ポリエステルの重縮合反応は無触媒
でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネー
ト、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチ
モン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用するこ
ともできる。
【0032】本発明で用いるポリカーボネート樹脂
(A)と液晶性樹脂(B)の配合比は(A)と(B)の
合計に対し、(A)99.5〜30重量%、(B)0.
5〜70重量%、好ましくは(A)97〜75重量%、
(B)3〜25重量%、より好ましくは(A)95〜8
0重量%、(B)5〜20重量%である。
【0033】液晶性樹脂(B)が少なすぎる場合、本発
明の効果、特に流動性が発揮されず、液晶性樹脂が多す
ぎる場合、特に成形時に樹脂が会合するウエルド部の強
度が低下し、好ましくない。
【0034】本発明に用いる炭素繊維は、PAN系また
はピッチ系の炭素繊維であり、一般に樹脂の強化用に用
いられているものならば特に限定はなく、例えば長繊維
タイプや短繊維タイプのチョプドストランド、ミルドフ
ァイバーなどから選択して用いることができるが、成形
時などの繊維折損を抑えるため高強度・高伸度タイプの
ものを用いることが望ましい。強度が低いものは脆く、
コンパウンド、成形時の繊維折損で繊維長が極めて短く
なってしまい、結果として補強効果、導電性など、また
難燃化処方を施した場合、液滴の落下(ドリップ)によ
り難燃化効果などの特性を得にくくなる。繊維方向引張
弾性率が300GPaを越えるようなものも、強度が格
別高い特殊なものを除くと、破断伸びが小さくなるため
折損しやすい。望ましい炭素繊維は、引張強度が350
0MPa以上、引張弾性率が300GPa以下、破断伸度
が1.4%以上の、すべて、あるいは少なくともいずれ
かの特性を満たす炭素繊維である。これらの特性を得る
ことのできるPAN系炭素繊維がより望ましい。
【0035】本発明の筐体用繊維強化熱可塑性樹脂に用
いる炭素繊維の添加量は組成物の流動性、耐衝撃性の点
から、(A)成分および(B)成分からなる樹脂組成物
(すなわち(A)成分と(B)成分の合計)100重量
部に対して5〜300重量部、好ましくは10〜200
重量部、より好ましくは25〜100重量部である。
【0036】また、筐体用繊維強化樹脂組成物の機械強
度その他の特性を付与するために炭素繊維以外の充填剤
を使用することが可能であり、特に限定されるものでは
ないが、繊維状、板状、粉末状、粒状など非繊維状の充
填剤を使用することができる。具体的には例えば、ガラ
ス繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維
などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊
維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジル
コニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊
維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウム
ウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アル
ミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維
状、ウィスカー状充填剤、マイカ、タルク、カオリン、
シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレー
ク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデ
ン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン
酸カルシウム、グラファイトなどの粉状、粒状あるいは
板状の充填剤が挙げられる。
【0037】また、上記の充填剤は2種以上を併用して
使用することもできる。なお、本発明に使用する上記の
充填剤はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シ
ラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤な
ど)、その他の表面処理剤で処理して用いることもでき
る。
【0038】上記の充填剤の添加量は(A)成分および
(B)成分からなる樹脂組成物(すなわち(A)成分と
(B)成分の合計)100重量部に対し0.5〜300
重量部であり、好ましくは10〜250重量部、より好
ましくは20〜150重量部である。
【0039】本発明において筐体用繊維強化樹脂組成物
に薄肉難燃性などの特性を付与するために赤リンおよび
/または下記一般式(1)で表される燐酸エステルを使
用することができる。
【0040】本発明で使用される赤リンは、そのままで
は不安定であり、また、水に徐々に溶解したり、水と徐
々に反応する性質を有するので、これを防止する処理を
施したものが好ましく用いられる。このような赤リンの
処理方法としては、特開平5−229806号公報に記
載の如く赤リンの粉砕を行わず、赤リン表面に水や酸素
との反応性が高い破砕面を形成させずに赤リンを微粒子
化する方法、赤リンに水酸化アルミニウムまたは水酸化
マグネシウムを微量添加して赤リンの酸化を触媒的に抑
制する方法、赤リンをパラフィンやワックスで被覆し、
水分との接触を抑制する方法、ε−カプロラクタムやト
リオキサンと混合することにより安定化させる方法、赤
リンをフェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和
ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆することによ
り安定化させる方法、赤リンを銅、ニッケル、銀、鉄、
アルミニウムおよびチタンなどの金属塩の水溶液で処理
して、赤リン表面に金属リン化合物を析出させて安定化
させる方法、赤リンを水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛などで被覆する方
法、赤リン表面に鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、
スズなどで無電解メッキ被覆することにより安定化させ
る方法およびこれらを組合せた方法が挙げられるが、好
ましくは、赤リンの粉砕を行わずに赤リン表面に破砕面
を形成させずに赤リンを微粒子化する方法、赤リンをフ
ェノール系、メラミン系、エポキシ系、不飽和ポリエス
テル系などの熱硬化性樹脂で被覆することにより安定化
させる方法、赤リンを水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛、などで被覆する
ことにより安定化させる方法であり、特に好ましくは、
赤リンの粉砕を行わず、表面に破砕面を形成させずに赤
リンを微粒子化する方法、赤リンをフェノール系、メラ
ミン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬
化性樹脂で被覆することにより安定化させる方法あるい
はこれらの両者を組み合わせた方法である。これらの熱
硬化性樹脂の中で、フェノール系熱硬化性樹脂、エポキ
シ系熱硬化性樹脂で被覆された赤リンが耐湿性の面から
好ましく使用することができ、特に好ましくはフェノー
ル系熱硬化性樹脂で被覆された赤リンである。
【0041】なお、本発明において用いる赤燐として好
ましい赤燐である未粉砕赤燐は、破砕面を形成させずに
製造された赤燐を指す。
【0042】また樹脂に配合される前の赤リンの平均粒
径は、難燃性、機械特性、耐湿熱特性およびリサイクル
使用時の粉砕による赤燐の化学的・物理的劣化を抑える
点から35〜0.01μmのものが好ましく、さらに好
ましくは、30〜0.1μmのものである。
【0043】なお赤燐の平均粒径は、一般的なレーザー
回折式粒度分布測定装置により測定することが可能であ
る。粒度分布測定装置には、湿式法と乾式法があるが、
いずれを用いてもかまわない。湿式法の場合は、赤リン
の分散溶媒として、水を使用することができる。この時
アルコールや中性洗剤により赤リン表面処理を行っても
よい。また分散剤として、ヘキサメタ燐酸ナトリウムや
ピロ燐酸ナトリウムなどの燐酸塩を使用することも可能
である。また分散装置として超音波バスを使用すること
も可能である。
【0044】また本発明で使用される赤リンの平均粒径
は上記のごとくであるが、赤リン中に含有される粒径の
大きな赤リン、すなわち粒径が75μm以上の赤リン
は、難燃性、機械的特性、耐湿熱性、リサイクル性を著
しく低下させるため、粒径が75μm以上の赤リンは分
級とうにより除去することが好ましい。粒径が75μm
以上の赤リン含量は、難燃性、機械的特性、耐湿熱性、
リサイクル性の面から、10重量%以下が好ましく、さ
らに好ましくは8重量%以下、特に好ましくは5重量%
以下である。下限に特に制限はないが、0に近いほど好
ましい。
【0045】ここで赤リンに含有される粒径が75μm
以上の赤リン含量は、75μmのメッシュにより分級す
ることで測定することができる。すなわち赤リン100
gを75μmのメッシュで分級した時の残さ量A(g)
より、粒径が75μm以上の赤リン含量はA/100×
100(%)より算出することができる。
【0046】また、本発明で使用される赤リン(B)の
熱水中で抽出処理した時の導電率(ここで導電率は赤リ
ン5gに純水100mLを加え、例えばオートクレーブ
中で、121℃で100時間抽出処理し、赤リンろ過後
のろ液を250mLに希釈した抽出水の導電率を測定す
る)は、得られる成形品の耐湿性、機械的強度、耐トラ
ッキング性、およびリサイクル性の点から0.1〜10
00μS/cmが好ましく、より好ましくは0.1〜8
00μS/cm、さらに好ましくは0.1〜500μS
/cmである。
【0047】このような好ましい赤リンの市販品として
は、燐化学工業社製“ノーバエクセル”140、“ノー
バエクセル”F5が挙げられる。
【0048】本発明に使用される燐酸エステルとは、下
記式(1)で表されるものである。
【0049】
【化14】
【0050】まず前記式(1)で表される難燃剤の構造
について説明する。前記式(1)の式中nは0以上の整
数であり、好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜5
である。上限は難燃性の点から40以下が好ましい。
【0051】またk、mは、それぞれ0以上2以下の整
数であり、かつk+mは、0以上2以下の整数である
が、好ましくはk、mはそれぞれ0以上1以下の整数、
特に好ましくはk、mはそれぞれ1である。
【0052】また前記式(1)の式中、R3〜R10は同
一または相異なる水素または炭素数1〜5のアルキル基
を表す。ここで炭素数1〜5のアルキル基の具体例とし
ては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−
ブチル基、n−イソプロピル、ネオペンチル、tert
−ペンチル基、2ーイソプロピル、ネオペンチル、te
rt−ペンチル基、3−イソプロピル、ネオペンチル、
tert−ペンチル基、ネオイソプロピル、ネオペンチ
ル、tert−ペンチル基などが挙げられるが、水素、
メチル基、エチル基が好ましく、とりわけ水素が好まし
い。
【0053】またAr1、Ar2、Ar3、Ar4は同一ま
たは相異なる芳香族基あるいはハロゲンを含有しない有
機残基で置換された芳香族基を表す。かかる芳香族基と
しては、ベンゼン骨格、ナフタレン骨格、インデン骨
格、アントラセン骨格を有する芳香族基が挙げられなか
でもベンゼン骨格、あるいはナフタレン骨格を有するも
のが好ましい。これらはハロゲンを含有しない有機残基
(好ましくは炭素数1〜8の有機残基)で置換されてい
てもよく、置換基の数にも特に制限はないが、1〜3個
であることが好ましい。具体例としては、フェニル基、
トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ナフ
チル基、インデニル基、アントリル基などの芳香族基が
挙げられるが、フェニル基、トリル基、キシリル基、ク
メニル基、ナフチル基が好ましく、特にフェニル基、ト
リル基、キシリル基が好ましい。
【0054】またYは直接結合、O、S、SO2、C
(CH32、CH2、CHPhを表し、Phはフェニル
基を表す。
【0055】このような燐酸エステルとしては、大八化
学社製PX−200、PX−201、PX−130、C
R−733S、TPP、CR−741、CR747、T
CP、TXP、CDPから選ばれる1種または2種以上
が使用することができ、好ましくはPX−200、TP
P、CR−733S、CR−741、CR747から選
ばれる1種または2種以上、特に好ましくはPX−20
0、CR−733S、CR−741を使用することがで
きるが、この中で特に好ましくはPX−200である。
【0056】本発明において赤燐および燐酸エステルの
いずれか1種、または2種以上の混合物であってもよ
い。
【0057】上記赤燐および/または燐酸エステルの添
加量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に
対して0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜25重
量部、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましく
は2〜20重量部である。なかでも4〜15重量部が、
特に好ましい。
【0058】赤燐の添加量が少なすぎた場合、添加によ
る難燃性付与効果が小さく、また多すぎると、かえって
燃焼促進剤として働く、または機械物性が低下する傾向
にある。
【0059】燐酸エステルの添加量が本発明の範囲より
多すぎる場合、機械物性の低下およびガス発生による噛
み込み不良あるいはガス焼け等が発生しやすくなる傾向
にあり、少なすぎる場合、添加による難燃性付与効果が
小さい。
【0060】また、赤燐を添加した場合、難燃性の他に
成形時の熱安定性が向上するなどの効果も同時に発現
し、燐酸エステルを添加した場合には、流動性がさらに
向上する。
【0061】本発明の筐体用繊維強化樹脂組成物はさら
に赤燐の安定剤として金属酸化物を添加することによ
り、押出し、成形時の安定性や強度、耐熱性、成形品の
端子腐食性などを向上させることができる。このような
金属酸化物の具体例としては、酸化カドミウム、酸化亜
鉛、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一鉄、酸化第二
鉄、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸
化スズおよび酸化チタンなどが挙げられるが、なかでも
酸化カドミウム、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタン
などのI族および/またはII族の金属以外の金属酸化物
が好ましく、特に酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタン
が好ましいが、I族および/またはII族の金属酸化物で
あってもよい。押出し、成形時の安定性や強度、耐熱
性、成形品の端子腐食性の他に、非着色性をさらに向上
させるためには酸化チタンが最も好ましい。
【0062】金属酸化物の添加量は機械物性、成形性の
面からポリカーボネート樹脂(A)と液晶性樹脂(B)
からなる樹脂組成物100重量部に対して0.01〜2
0重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜10重量
部である。
【0063】さらに、本発明の筐体用繊維強化樹脂組成
物には、酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダー
ドフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこ
れらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシ
ノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフ
ェノンなど)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防
止剤、滑剤、染料(たとえばニグロシンなど)および顔
料(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を
含む着色剤、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその
塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルア
ルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスな
ど)、導電剤あるいは着色剤としてカーボンブラック、
結晶核剤、可塑剤、難燃剤としては赤燐および/または
燐酸エステルが好ましく用いられるが他の難燃剤(例え
ばブロム化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテ
ル、臭素化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、メ
ラミンおよびシアヌール酸またはその塩など)、難燃助
剤、摺動性改良剤(グラファイト、フッ素樹脂)、帯電
防止剤などの通常の添加剤を添加して、所定の特性をさ
らに付与することができる。
【0064】また、更なる特性改良の必要性に応じて無
水マレイン酸などによる酸変性オレフィン系重合体、エ
チレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共
重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合
体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/
メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニ
ル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/
プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、ABSなど
のオレフィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエ
ラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマー等
のエラストマーから選ばれる1種または2種以上の混合
物を添加して所定の特性をさらに付与することができ
る。
【0065】本発明の筐体用繊維強化樹脂組成物はさら
に燃焼時の液滴の落下(ドリップ)抑制剤としてフェノ
ール系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂を用いてさ
らに難燃性を付与することができる。特にフッ素系樹脂
がその効果を好ましく発揮する。そのようなフッ素系樹
脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサ
フルオロプロピレン、(テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン)共重合体、(テトラフルオロエ
チレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル)共重合
体、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体、
(ヘキサフルオロプロピレン/プロピレン)共重合体、
ポリビニリデンフルオライド、(ビニリデンフルオライ
ド/エチレン)共重合体などが挙げられるが、中でもポ
リテトラフルオロエチレン、(テトラフルオロエチレン
/パーフルオロアルキルビニルエーテル)共重合体、
(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン)共重合体、(テトラフルオロエチレン/エチレン)
共重合体、ポリビニリデンフルオライドが好ましく、特
にポリテトラフルオロエチレン、(テトラフルオロエチ
レン/エチレン)共重合体が好ましい。
【0066】上記の落下(ドリップ)抑制剤の添加量
は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し
て、0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜25
重量部が好ましく、中でもフッ素系樹脂を用いる場合に
は、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは
0.1〜3重量部である。
【0067】本発明の筐体用繊維強化樹脂組成物は通常
公知の方法で製造される。例えば、ポリカーボネート樹
脂(A)および液晶性樹脂(B)成分、炭素繊維、およ
びその他必要に応じて用いられる赤燐および/またはリ
ン酸エステルなどのその他の添加剤および充填材を予備
混合して、またはせずに押出機などに供給して十分溶融
混練することにより調製される。また、炭素繊維の配合
は、いわゆるマスターチップ法によりマスターチップを
予め作製して製造することが好ましい。さらに、赤燐お
よび/または燐酸エステルを配合する場合には、これら
もマスターチップ法によりマスターチップを予め作製し
て配合に供することが好ましい。これらマスターチップ
法を採用することはハンドリング性や生産性の面から好
ましい。かかる方法の具体例を下記に例示する。
【0068】ポリカーボネート樹脂(A)、液晶性樹脂
(B)の一部(例えば(A)の一部もしくは全部、、
(B)成分の一部もしくは全部、または、最終的に含有
せしめる(A)および(B)のうちの一部)を一旦溶融
混練して実際に筐体用繊維強化樹脂組成物に配合される
べき赤燐および/またはリン酸エステル添加量よりも濃
度の高い樹脂組成物(D)を製造し、残りのポリカーボ
ネート樹脂(A)もしくは液晶性樹脂(B)成分中に赤
燐および/またはリン酸エステル濃度の高い樹脂組成物
(D)、炭素繊維およびその他の任意に用いることがで
きる添加剤および充填材を溶融混練することにより調製
される。
【0069】あるいは、ポリカーボネート樹脂(A)、
液晶性樹脂(B)の一部(例えば(A)の一部もしくは
全部、(B)成分の一部もしくは全部、または、最終的
に含有せしめる(A)および(B)のうちの一部)を一
旦溶融混練して実際に筐体用繊維強化樹脂組成物に配合
されるべき炭素繊維の添加量よりも高い炭素繊維高濃度
品(C)を製造し、赤燐および/またはリン酸エステル
およびその他の任意に用いることができる添加剤および
充填材を溶融混練することにより調製される。
【0070】あるいは、ポリカーボネート樹脂(A)、
液晶性樹脂(B)の一部(例えば(A)の一部もしくは
全部、(B)成分の一部もしくは全部、または、最終的
に含有せしめる(A)および(B)のうちの一部)を一
旦溶融混練して実際に筐体用繊維強化樹脂組成物に実際
に配合されるべき炭素繊維の添加量よりも高い繊維強化
樹脂組成物(C)を製造し、それとは別にポリカーボネ
ート樹脂(A)、液晶性樹脂(B)の一部(例えば
(A)の一部もしくは全部、(B)成分の一部もしくは
全部、または、最終的に含有せしめる(A)および
(B)のうちの一部)を一旦溶融混練して実際に筐体用
繊維強化樹脂組成物に配合されるべき赤燐および/また
はリン酸エステル添加量よりも濃度の高い樹脂組成物
(D)を製造し、残りのポリカーボネート樹脂(A)も
しくは液晶性樹脂(B)成分中に炭素繊維の添加量の高
い繊維強化樹脂組成物および赤燐および/またはリン酸
エステル濃度の高い樹脂組成物(D)およびその他の任
意に用いることができる添加剤および充填材を溶融混練
することにより調製される。
【0071】あるいは、ポリカーボネート樹脂(A)の
一部もしくは全部、液晶性樹脂(B)成分の一部もしく
は全部、または、最終的に含有せしめる(A)および
(B)のうちの一部と炭素繊維およびその他の任意に用
いることができる添加剤を一旦溶融混練して、実際に配
合されるべき炭素繊維の添加量よりも高い炭素繊維高濃
度品(C)を製造し、赤燐および/または燐酸エステ
ル、残りのポリカーボネート樹脂(A)もしくは液晶性
樹脂(B)成分中および実際に配合されるべき炭素繊維
の添加量よりも高い炭素繊維高濃度品(C)の段階で添
加した任意に用いることができる添加剤以外の添加剤お
よび充填材を溶融混練することにより調製される。
【0072】あるいは、ポリカーボネート樹脂(A)の
一部もしくは全部、液晶性樹脂(B)成分の一部もしく
は全部、または、最終的に含有せしめる(A)および
(B)のうちの一部と赤燐および/または燐酸エステル
およびその他の任意に用いることができる添加剤を一旦
溶融混練して、実際に筐体用繊維強化樹脂組成物に配合
されるべき赤燐および/またはリン酸エステル添加量よ
りも濃度の高い樹脂組成物(D)を製造し、炭素繊維、
残りのポリカーボネート樹脂(A)もしくは液晶性樹脂
(B)成分中および赤燐および/またはリン酸エステル
添加量よりも濃度の高い樹脂組成物(D)の段階で添加
した任意に用いることができる添加剤以外の添加剤およ
び充填材を溶融混練することにより調製される。
【0073】上記のように実際に筐体用繊維強化樹脂組
成物に配合されるべき炭素繊維添加量よりも濃度の高い
炭素繊維高濃度品(C)を製造する段階で、その他の任
意に用いることができる添加剤を配合する場合、これら
の任意に用いることができる添加剤はあらかじめポリカ
ーボネート樹脂あるいは液晶性樹脂と混合しておくこと
が好ましい。また、実際に筐体用繊維強化樹脂組成物に
配合されるべき炭素繊維添加量よりも濃度の高い赤燐お
よび/またはリン酸エステル添加量よりも濃度の高い樹
脂組成物(D)を製造する段階で、その他の任意に用い
ることができる添加剤を配合する場合、これらの任意に
用いることができる添加剤はあらかじめ赤燐および/ま
たはリン酸エステルと混合しておくことが好ましい。
【0074】特に任意に用いることができる添加剤の中
でも、赤燐の安定剤として使用される金属酸化物、特に
酸化チタンを添加する場合、酸化チタンは赤燐の高濃度
品を製造する段階で配合することが好ましく、さらにあ
らかじめ赤燐と酸化チタンをヘンシェルミキサー等の機
械的な混合装置を用いて混合しておくと、赤燐の安定
性、赤燐の分散性や得られる樹脂組成物の非着色性を向
上することができる。
【0075】炭素繊維高濃度品(C)および赤燐高濃度
品(D)としては、(1)ポリカーボネート樹脂(A)
のみからなる高濃度品、(2)液晶性樹脂(B)のみか
らなる高濃度品、(3)ポリカーボネート樹脂(A)お
よび液晶性樹脂(B)からなる高濃度品のいずれも、本
効果を発現する。赤燐高濃度品(D)の場合、好ましく
は液晶性樹脂(B)のみからなる赤燐高濃度品を用いた
ものが熱可塑性樹脂組成物中での赤燐の分散性が高く、
薄肉難燃性、耐熱性が向上する。
【0076】このような炭素繊維高濃度品(C)あるい
は赤燐および/またはリン酸エステル高濃度品(D)の
ポリカーボネート樹脂(A)および液晶性樹脂(B)の
配合量は、炭素繊維高濃度品あるいは赤燐および/また
はリン酸エステル高濃度品の製造時の製造性の面、分散
性の面、および最終的に得られる樹脂組成物の難燃性、
機械物性、成形性、耐熱性の面から、ポリカーボネート
樹脂(A)および液晶性樹脂(B)からなる樹脂(組成
物)100重量部に対して、0.5〜250重量部が好
ましく、さらに好ましくは1〜220重量部、より好ま
しくは2〜200重量部である。
【0077】筐体用繊維強化樹脂組成物を製造するに際
し、例えば“ユニメルト”タイプのスクリューを備えた
単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混
練機などを用いて180〜350℃で溶融混練して組成
物とすることができる。
【0078】かくして得られる筐体用繊維強化樹脂組成
物は、流動性、耐衝撃性および離型性に優れた組成物で
あるが、特に薄肉難燃性においては、多くの場合、1/
32インチ厚でもUL−94規格V−0を達成すること
が可能である。
【0079】また、上記筐体用繊維強化樹脂組成物を筐
体に成形するにあたっての成形方法は通常の成形方法
(射出成形、ブロー成形、プレス成形、インジェクショ
ンプレス成形など)により、筐体に加工することがで
き、なかでも射出成形することが特に好適である。特に
本発明の筐体用繊維強化樹脂組成物の優れた流動性を生
かし、薄肉部を有する成形品からなる筐体、特に1.2
mm以下の薄肉部を有する成形品からなる筐体に好まし
く適用できる。具体的には厚みが1.2mm以下の部分
を成形品の全表面積に対して、10%以上有する成形品
からなる筐体、より好ましくは1.2mm以下の部分を
15%以上有する成形品からなる筐体に、さらに好まし
くは1.0mm以下の部分を10%以上有する成形品か
らなる筐体に有効である。
【0080】かくして得られる筐体は、各種機械機構部
品、電気電子部品または自動車部品の筐体に好適であ
る。具体例としては、各種ケース、リレーケース、バリ
コンケース、各種端子板、プリント配線板、磁気ヘッド
ベース、パワーモジュール、ハウジング、液晶ディスプ
レー部品における筐体、FDDキャリッジ、FDDシャ
ーシ、HDD部品における筐体、モーターブラッシュホ
ルダー、コンピューター関連部品における筐体などに代
表される電気・電子部品における筐体;VTR部品にお
ける筐体、テレビ部品における筐体、アイロン、ヘアー
ドライヤー、炊飯器部品などにおける筐体、電子レンジ
部品における筐体、音響部品における筐体、オーディオ
・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機
器部品における筐体、照明部品における筐体、冷蔵庫部
品における筐体、エアコン部品における筐体、タイプラ
イター部品における筐体、ワードプロセッサー部品にお
ける筐体などに代表される家庭、事務電気製品部品にお
ける筐体、オフィスコンピューター関連部品における筐
体、電話機関連部品における筐体、ファクシミリ関連部
品における筐体、複写機関連部品における筐体、ライタ
ー、タイプライターなどに代表される機械関連部品にお
ける筐体、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表さ
れる光学機器、精密機械関連部品における筐体、ライト
ディヤー用ポテンショメーターベース、燃料ポンプの筐
体、キャブレターメインボディー、キャブレタースペー
サー、エアコン用サーモスタットベース、ラジエーター
モーター用ブラッシュホルダー、エアコンパネルスィッ
チ基板、電装部品絶縁板、ランプハウジング、パワーシ
ートギアハウジング、イグニッションコイルにおける筐
体部分、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品、
その他各種用途に有用である。
【0081】特に成形品全体の10%以上の1.2mm以
下の薄肉部を有する各種ケース、ポケベルおよび携帯電
話用ハウジング等の筐体およびパソコンハウジング等、
各種機器の筐体(ハウジング)として特に有用である。
【0082】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0083】参考例1(LCP1) p−ヒドロキシ安息香酸995重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレ−ト216重量部及び無水酢酸969重量部を
撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、100〜2
50℃で5時間、250〜325℃で1.5時間反応さ
せた後、325℃、1.5時間で0.5mmHgに減圧し、
さらに1時間反応させ重縮合を行った。芳香族オキシカ
ルボニル単位80モル%、芳香族ジオキシ単位7.5モ
ル%、エチレンジオキシ単位12.5モル%、芳香族ジ
カルボン酸単位20モル%からなる融点314℃、16
Pa・s(324℃、オリフィス0.5φ×10mm、ずり速
度1,000(1/秒))のペレットを得た。
【0084】参考例2(LCP2) p−ヒドロキシ安息香酸901重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレ−ト346重量部及び無水酢酸884重量部を
撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、100〜2
50℃で5時間、250〜300℃で1.5時間反応さ
せた後、280℃、1.5時間で0.5mmHgに減圧し、
さらに1時間反応させ重縮合を行った。重合を行った。
芳香族オキシカルボニル単位72.5モル%、芳香族ジ
オキシ単位7.5モル%、エチレンジオキシ単位20モ
ル%、芳香族ジカルボン酸単位27.5モル%からなる
融点256℃、10Pa・s(266℃、オリフィス0.5
φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))の液晶性
樹脂が得られた。
【0085】参考例3(LCP3) p−ヒドロキシ安息香酸995重量部、固有粘度が約
0.8dl/g、固有粘度が約0.6dl/gのポリエ
チレンテレフタレ−ト346重量部及び無水酢酸809
重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、1
00〜250℃で5時間、250〜330℃で1.5時
間反応させた後、300℃、1.5時間で0.5mmHgに
減圧し、さらに1時間反応させ重縮合を行った結果、芳
香族オキシカルボニル単位80モル%、エチレンジオキ
シ単位20モル%、芳香族ジカルボン酸単位20モル%
からなる融点280℃、22Pa・s(290℃、オリフィ
ス0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))
のペレットを得た。
【0086】参考例4(LCP4) p−ヒドロキシ安息香酸907重量部、2,6−ヒドロ
キシナフトエ酸457重量部及び無水酢酸872重量部
を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、100〜
250℃で5時間、250〜300℃で1.5時間反応
させた後、300℃、1.5時間で0.5mmHgに減圧
し、さらに1時間反応させ重縮合を行った重合を行っ
た。芳香族オキシカルボニル単位100モル%からなる
融点283℃、60Pa・s(293℃、オリフィス0.5
φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))のペレッ
トを得た。
【0087】各評価については、次に述べる方法にした
がって測定した。
【0088】(1)流動性 下記成形機を用いて、射出速度99%の条件で1.2m
m厚×150mm×150mmの角板の最低充填圧力(M
Pa)を測定した。
【0089】(2)耐衝撃性 下記成形機を用いて5点ピンゲートの箱形成形品(1.
0mm厚×70mm×130mm×20mm)を成形
し、箱の中に500gの重りを入れ、箱形成形品が破壊
する高さを測定した。
【0090】(3)離型性 下記成形機を用いて射出/冷却=5/10(sec)の条
件で5点ピンゲートの箱形成形品(1.0mm厚×70
mm×70mm×20mm)を20個成形し、突き出し
ピンによる箱形成形品の変形および破壊した個数を調べ
た。
【0091】(4)表面外観 下記成形機を用いて表1に示す温度で5点ピンゲートの
箱形成形品(1.0mm厚×70mm×70mm×20
mm)を成形し、樹脂の会合部(ウエルド部の盛り上が
りを目視で観察した。評価は、○:表面が平らなもの、
×:盛り上がりのあるものとした。
【0092】(5)難燃性評価 UL−94に従い、1/32インチ試験片の難燃性評価
を行った。
【0093】実施例1〜4、比較例1〜3 ポリカーボネート樹脂(ユーピロンS−3000(三菱
エンシ゛ニアリンク゛フ゜ラスチック社製))に表1に示した割合で、液
晶性樹脂(B)およびPAN系炭素繊維(6mm長)を
ドライブレンドし、30mmφの2軸押出機を用いて表
1の温度で溶融混練してペレットとした。次いでこのペ
レットをJSW150EII−P(日本製鋼所製)に供
し、シリンダー温度300℃、金型温度90℃の温度条
件で各評価項目ごとの方法で試験片を成形した。
【0094】表1からも明らかなように本発明の組成物
は比較例に比べ、優れた流動性および離型性良好で、か
つ成形品の樹脂会合部(ウエルド部)が目立たず表面外
観が良好であり、また、得られた成形品は衝撃性が高い
ため、薄肉部を有する成形品を取得する場合に非常に優
れていることがわかる。
【0095】
【表1】
【0096】実施例5〜7、比較例4、5、参考例5、
6 LCP1の100重量部に対して赤燐(ノーバエクセル
140)を100重量部ドライブレンドし、30mmφ
の2軸押出機を用いて液晶性ポリエステルの融点+15
℃で溶融混練して赤燐高濃度品(D1)を得た。また、
上記方法と同様にLCP2で赤燐高濃度品(D2)を得
た。
【0097】次いでポリカーボネート樹脂に表2に示し
た割合で液晶性樹脂(B)、赤燐高濃度品(D1、D
2)または燐酸エステル(大八化学社製(レゾルシン型
ビスホスフェート”PX−200”)とポリテトラフル
オロエチレン(三井デュポンフロロケミカル社製“テフ
ロン6J”)、炭素繊維(6mm長)をドライブレンド
し、30mmφの2軸押出機を用いて表2の温度で溶融
混練してペレットとした。次いでこのペレットをJSW
150EII−P(日本製鋼所製)に供し、シリンダー温
度300℃、金型温度90℃の温度条件で各評価項目ご
との方法で試験片を成形した。
【0098】表2から赤燐または燐酸エステルを添加す
ることで本組成物に新たに薄肉難燃性に優れ、特性低下
も参考例に比べほとんどないことがわかる。
【0099】
【表2】
【0100】
【発明の効果】本発明の筐体用繊維強化樹脂組成物は、
優れた流動性、耐衝撃性、良離型性、表面外観および薄
肉難燃性が得られることから、これらの特性が要求され
る電機・電子関連機器、精密機械関連機器、事務用機
器、自動車などその他各種用途に好適な材料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 69/00 67:00) (C08L 69/00 77:12) Fターム(参考) 4F071 AA43 AA50 AA57 AB03 AB05 AC15 AD01 AE15 AE17 AF12 AF23 AF35 AF37Y AF47 AH12 BA01 BB05 BC07 4J002 CF042 CG001 CL082 DA016 DA057 EW047 FA046 FD016 FD117 GQ00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネート樹脂(A)99.5〜7
    0重量%と下記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)か
    らなる液晶性ポリエステルおよび/または下記構造単位
    (I)、(II)、(III)および(IV)を主成分とする液晶性ポリ
    エステルアミド(B)0.5〜30重量%からなる樹脂
    組成物100重量部および炭素繊維5〜300重量部か
    らなる筐体用繊維強化樹脂組成物。 【化1】 (ただし式中のR1は 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2は 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
    原子または塩素原子を示す。)
  2. 【請求項2】構造単位(I) および(II)の合計が構造単位
    (I) 、(II)および(III)の合計に対して30〜95モル
    %、構造単位(III) が構造単位(I) 、(II)および(III)
    の合計に対して70〜5モル%であり、構造単位(I) と
    (II)のモル比[(I)/(II)]が75/25〜95/5であ
    り、構造単位(IV)と構造単位(II)および(III) の合計と
    が実質的に等モルである請求項1記載の筐体用繊維強化
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A)成分と(B)成分の合計100重量
    部に対して導電率が0.1〜1000μS/cmである
    赤リン(ただし、導電率は赤リン5gに純水100mL
    を加え、121℃で100時間抽出処理し、赤リンをろ
    過した後ろ液を250mLに希釈した抽出水の導電率と
    する。)および/または下記一般式(1)で表される燐
    酸エステル0.1〜30重量部を配合せしめてなる請求
    項1記載の筐体用繊維強化樹脂組成物。 【化4】 (上記式中、R3〜R10は、同一または相異なる水素原
    子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。またA
    1、Ar2、Ar3、Ar4は同一または相異なる芳香族
    基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換された
    芳香族基を表す。また、Yは直接結合、O、S、S
    2、C(CH32、CH2、CHPhを表し、Phはフ
    ェニル基を表す。またnは0以上の整数である。また
    k、mはそれぞれ0以上2以下の整数であり、かつk+
    mは0以上2以下の整数である。)。
  4. 【請求項4】ポリカーボネート樹脂(A)の一部もしく
    は全部、または液晶性樹脂(B)の一部もしくは全部ま
    たは、最終的に含有せしめる(A)および(B)のうち
    の一部と赤燐および/またはリン酸エステルを一旦溶融
    混練して実際に熱可塑性樹脂組成物に配合されるべき赤
    燐および/またはリン酸エステル配合量よりも濃度の高
    い樹脂組成物を作製した後、請求項3記載の筐体用繊維
    強化樹脂組成物を製造することを特徴とする筐体用繊維
    強化樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか記載の筐体用繊維
    強化樹脂組成物の成形品からなる筐体であって、かつ厚
    み1.2mm以下の薄肉部を成形品全表面積に対して1
    0%以上有するものである筐体。
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