JPH11236510A - 電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物および成形品 - Google Patents

電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物および成形品

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JPH11236510A
JPH11236510A JP10317978A JP31797898A JPH11236510A JP H11236510 A JPH11236510 A JP H11236510A JP 10317978 A JP10317978 A JP 10317978A JP 31797898 A JP31797898 A JP 31797898A JP H11236510 A JPH11236510 A JP H11236510A
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秀之 梅津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波シールド性、流動性に優れ、得られた
成形品の表面平滑性に優れた電磁波シールド性繊維強化
熱可塑性樹脂組成物および成形品の取得を課題とする。 【解決手段】繊維強化熱可塑性樹脂と液晶性樹脂とから
なる繊維強化熱可塑性樹脂組成物であって周波数300
MHzの電界シールド性が30dB以上であることを特
徴とする電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波シールド
性、流動性に優れ、得られた成形品の表面平滑性に優れ
た電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物および
成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報化が推し進められている現代社会に
おいて、情報の効率的な伝達の必要性から情報の処理形
態の主流がアナログ方式からデジタル方式へと移行し、
今日ではデジタル方式が定着しつつある。このデジタル
方式による情報処理においては、更なる情報の高密度化
を目的に、電子回路などの高周波数化がますます推し進
められ、より高度な情報化が達成されている。一般にデ
ジタル回路では、用いられるクロック周波数により電磁
波ノイズを発生するが、その反面、用いられる信号電圧
が低いため外来の電磁波ノイズにより影響を受けやす
い。このため、デジタル回路を用いた電子機器類は、電
磁波ノイズにより容易に誤動作を引き起こす可能性を秘
めていると言える。以上のような理由から、電気・電子
機器には、電磁波ノイズを出さないことと、外来の電磁
波ノイズの影響を受けないようにすることの両方の対策
が求められる。この電磁波ノイズにより引き起こされる
電子機器類の誤動作は深刻な問題としてクローズアップ
され、世界各国で規制が敷かれている。特に米国、独国
では法規制化されており、規格に満たない製品は発売で
きない。電磁波ノイズ対策は電子回路上での対策も必要
だが、電気・電子回路を収納する筐体で電磁波をシール
ドしてやるという考えが多い。1985年以前までは板
金による金属筐体が主流であったが、現在では、コス
ト、量産性、意匠性に優れるプラスチック筐体が多く用
いられている。前述の電磁波ノイズ対策に関する規格で
は、実際に機器から発生する電磁波のレベルを規制して
いるので、筐体材料に求められるシールド性は一概に規
定できないが、電磁波ノイズによる誤動作を防ぐために
電機業界では筐体などに用いる材料に必要な電界シール
ド性を経験的に周波数300MHzで30dB以上と定
めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電磁波シールド性を得
るためには、シールド材の電気抵抗を低くしてやれば良
いことが一般的に知られている。しかしながら、プラス
チック筐体は金属に比べ電磁波シールド性が低いため、
成形品表面に導電性塗料、メッキ処理を施したり、ある
いは各種導電性充填材を添加した導電性プラスチックを
用いて対応している。しかしながら、成形品表面処理で
は処理した膜の剥離により電子回路の短絡を招く恐れが
あったり、コスト、量産性から有利とは言えない。ま
た、導電性プラスチックを用いることが最も望ましいと
考えられるが、短繊維充填材を用いたのでは組成物内で
の充填材同士が接触しにくく導電パスが形成されないこ
とから電磁波シールド性が低い。この対策として長繊維
充填材を用いることでより高い導電性を付与できるが、
反面、成形時の流動性および成形品の表面外観が悪くな
る。例えば電気・電子機器筐体に使用する場合、軽量化
のために薄肉の成形が強く求められ、またこれらは非常
に外観の良し悪しが問題にされる。このため、長繊維充
填材を用いた際の流動性や成形品外観の悪さが、実用化
の大きな課題となっている。
【0004】よって本発明の課題は、上述の問題を解消
し、さらに軽量化のための薄肉成形性と得られた成形品
の表面外観良好な電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹
脂組成物液晶性樹脂および成形品を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は (1)繊維強化熱可塑性樹脂と液晶性樹脂とからなる繊
維強化熱可塑性樹脂組成物であって周波数300MHz
の電界シールド性が30dB以上であることを特徴とす
る電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物、
(2)液晶性樹脂の添加量が熱可塑性樹脂100重量部
に対して0.05〜30重量部であることを特徴とする
上記(1)記載の電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹
脂組成物、(3)繊維強化熱可塑性樹脂の繊維状充填材
の添加量が熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜15
0重量部であることを特徴とする上記(1)または
(2)記載の電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組
成物、(4)繊維強化熱可塑性樹脂の繊維状充填材が炭
素繊維であることを特徴とする上記(1)〜(3)いず
れか記載の電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成
物、(5)繊維強化熱可塑性樹脂の繊維状充填材の組成
物中の重量平均繊維長が0.2mm以上である上記
(1)〜(4)いずれかに記載の電磁波シールド性繊維
強化熱可塑性樹脂組成物。
【0007】(6)液晶性樹脂がp−ヒドロキシ安息香
酸残基を必須成分として含有する樹脂である上記(1)
〜(5)いずれか記載の電磁波シールド性繊維強化熱可
塑性樹脂組成物、(7)液晶性樹脂がエチレンジオキシ
単位を必須成分として含有する樹脂である上記(1)〜
(6)いずれか記載の電磁波シールド性繊維強化熱可塑
性樹脂組成物、(8)液晶性樹脂の数平均分子量が50
00以下であることを特徴とする上記(1)〜(7)い
ずれか記載の電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組
成物、(9)液晶性樹脂が下記構造単位構造単位
(I)、(III)、(IV)からなる液晶性ポリエステ
ルおよび/または(I)、(II)、(III)、(IV)からなる液晶
性ポリエステルである上記(1)〜(8)いずれか記載
の電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物、
【化4】 (ただし式中のR1は
【化5】 から選ばれた一種以上の基を示し、R2 は
【化6】 から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。) (10)構造単位(I)と(II)の合計が(I)と(II)および(I
II)の合計の35〜90モル%、構造単位(III)が(I)と
(II)および(III)の合計の65〜10モル%であり、構
造単位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]が70/30〜
95/5であり、構造単位(IV)は構造単位(II)と(III)
の合計と実質的に等モルである(1)〜(9)いずれか
記載の電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物、
(11)上記(1)〜(10)いずれか記載の電磁波シ
ールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物で構成してなる成
形品、(12)上記(1)〜(11)いずれか記載の電
磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物を成形して
なる箱形成形品、(13)上記(1)〜(12)いずれ
か記載の電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物
を成形してなる厚さ1.5mm以下の薄肉部が20%以
上ある箱形成形品である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明において「重量」とは「質量」を意味す
る。
【0009】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂で用いる熱
可塑性樹脂とは、加熱すると流動性を示し、これを利用
して成形加工できる非液晶性の樹脂のことである。その
具体例としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、全芳香族ポリ
アミド、全芳香族ポリエステル、ポリイミド、ポリベン
ズイミダゾール、ポリケトン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポ
リフェニレンオキシド、フェノキシ樹脂、ポリフェニレ
ンスルフィド、フェノール樹脂、フェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリス
チレンなどのオレフィン系重合体、エチレン/プロピレ
ン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレン
/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アク
リル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシ
ジル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸グ
リシジル共重合体およびエチレン/プロピレン−g−無
水マレイン酸共重合体、ABSなどのオレフィン系共重
合体、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエ
ステルポリエステルエラストマー等のエラストマーから
選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられる。さ
らにポリエステル樹脂の具体例としてはポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート、ポリブチレンナフタレート、ポリ1,4−シク
ロヘキシレンジメチレンテレフタレートおよびポリエチ
レン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−
ジカルボキシレートなどのほか、ポリエチレンイソフタ
レート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカ
ンジカルボキシレートおよびポリシクロヘキサンジメチ
レンテレフタレート/イソフタレートなどの共重合ポリ
エステル等が挙げられる。また、ポリアミドの具体例と
しては、例えば環状ラクタムの開環重合物、アミノカル
ボン酸の重縮合物、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合
物などが挙げられ、具体的にはナイロン6、ナイロン4
・6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン6
・12、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリ
アミド、ポリ(メタキシレンアジパミド)、ポリ(ヘキ
サメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレン
イソフタルアミド)、ポリノナンメチレンテレフタルア
ミド、ポリ(テトラメチレンイソフタルアミド)、ポリ
(メチルペンタメチレンテレフタルアミド)などの脂肪
族−芳香族ポリアミド、およびこれらの共重合体や混合
物として例えばナイロン6/ポリ(ヘキサメチレンテレ
フタルアミド)、ナイロン66/ポリ(ヘキサメチレン
テレフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタル
アミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、
ナイロン6/ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)
/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン
12/ポリ(ヘキサメチレンテレフタラミド)、ポリ
(メチルペンタメチレンテレフタルアミド)/ポリ(ヘ
キサメチレンテレフタルアミド)などを挙げることがで
きる。
【0010】これらのうち機械的性質、成形性などの点
からポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタ
レート、ポリ1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートおよ
びポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナ
イロン6、ナイロン6・6、ナイロン4・6、ポリノナ
ンメチレンテレフタルアミド、ナイロン6/ポリ(ヘキ
サメチレンテレフタルアミド)、ナイロン66/ポリ
(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ヘキサメ
チレンイソフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレ
フタルアミド)、ナイロン6/ポリ(ヘキサメチレンイ
ソフタルアミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルア
ミド)、ナイロン12/ポリ(ヘキサメチレンテレフタ
ルアミド)、ポリ(メチルペンタメチレンテレフタルア
ミド)/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)など
のポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスル
フィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ABS、ポリフェニレンオキシド、フェノキシ樹
脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹
脂から選ばれる1種または2種以上の混合物が好まし
く、さらに好ましくはポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン6・
6、ナイロン4・6、ナイロン6/ポリ(ヘキサメチレ
ンテレフタルアミド)、ナイロン66/ポリ(ヘキサメ
チレンテレフタルアミド)、ポリノナンメチレンテレフ
タルアミド、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)
/ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン
6/ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)/ポリ
(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ナイロン12/
ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(メチ
ルペンタメチレンテレフタルアミド)/ポリ(ヘキサメ
チレンテレフタルアミド)、ポリカーボネート、ポリフ
ェニレンスルフィド、ABS、ポリフェニレンオキシド
から選ばれる1種または2種以上の混合物である。
【0011】好ましく用いられる熱可塑性樹脂のうち、
ポリアミド系樹脂を用いた場合、更に流動性を向上させ
るために酸無水物を添加することが可能である。酸無水
物の例としては、無水安息香酸、無水イソ酪酸、無水イ
タコン酸、無水オクタン酸、無水グルタル酸、無水コハ
ク酸、無水酢酸、無水ジメチルマレイン酸、無水デカン
酸、無水トリメリト酸、無水1,8−ナフタル酸、無水
フタル酸、無水マレイン酸などが挙げられ、中でも無水
コハク酸、無水1,8−ナフタル酸、無水フタル酸、無
水マレイン酸などが好ましく用いられる。
【0012】本発明の酸無水物のポリアミド系樹脂への
配合量は、流動性改良効果の点からポリアミド系樹脂に
対して0.01〜5重量部が好ましく、より好ましくは
0.05〜3重量部、特に好ましくは0.1〜2重量部
である。酸無水物量が多すぎると、コンパウンド時およ
び成形時にガスが発生し、噛み込み不良、成形品のガス
焼けおよびボイド発生の原因となり、得られた成形品も
表面外観のみならず、機械特性も低下する傾向にある。
【0013】本発明において用いる酸無水物のポリアミ
ド樹脂組成物中での存在状態は特に限定されず、酸無水
物、水あるいはポリアミド、液晶性樹脂およびそのモノ
マー・オリゴマーとの反応物のいずれの状態で存在して
いてもかまわない。
【0014】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂に用いる繊
維状充填材としてはガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリ
アミド繊維、チタン酸カリウム繊維、石コウ繊維、ほう
酸アルミニウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチ
ール繊維、セラミックス繊維、ボロンウイスカ繊維、ア
スベスト繊維、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸
バリウムウィスカー、ほう酸アルミウィスカー、窒化ケ
イ素ウィスカーなどの繊維状などの繊維充填材が好まし
く用いられる。また、これらの繊維状充填材の表面にメ
ッキ、化学的蒸着法などの手法で導電性金属、酸化スズ
/酸化アンチモン、炭素などの導電被膜をコーティング
してやることもできる。より好ましいものとして黄銅繊
維、ステンレス繊維、スチール繊維、炭素繊維など、最
も好ましいものとしては炭素繊維が用いられる。これら
繊維状充填材の種類は、一般に樹脂の強化用に用いられ
ているものならば特に限定はなく、例えば長繊維タイプ
や短繊維タイプのチョプドストランド、ミルドファイバ
ーなどから選択して用いることができる。
【0015】繊維状充填材として炭素繊維を用いる場
合、成形時などの繊維折損を抑えるため高強度・高伸度
タイプのものを用いることが望ましい。強度が低いもの
は脆く、コンパウンド、成形時の繊維折損で繊維長が極
めて短くなってしまい、結果として電磁波シールドに必
要な導電性を得にくくなる。繊維方向引張弾性率が30
0GPaを越えるようなものも、強度が格別高い特殊な
ものを除くと、破断伸びが小さくなるため折損しやす
い。望ましい炭素繊維は、引張強度が3500MPa以
上、引張弾性率が300GPa以下、破断伸度が1.4
%以上の、すべて、あるいは少なくともいずれかの特性
を満たす炭素繊維である。これらの特性を得ることので
きるPAN系炭素繊維がより望ましい。
【0016】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂に用いる繊
維状充填材の添加量は組成物の電磁波シールド性、流動
性の点から、熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜1
50重量部、好ましくは10〜120重量部、より好ま
しくは25〜100重量部である。
【0017】本発明で用いる繊維状充填剤の繊維強化熱
可塑性樹脂組成物中の重量平均繊維長は電磁波シールド
性の点から、好ましくは0.2mm以上、より好ましく
は0.25mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上
である。
【0018】組成物中の繊維状充填材の重量平均繊維長
の測定方法は、例えば、組成物約5gをるつぼ中で55
0℃×7時間処理し灰化した後、残存した充填剤のうち
から100mgを採取し、100ccの石鹸水中に分散
させる。ついで、分散液をスポイトを用いて1〜2滴ス
ライドガラス上に置き、顕微鏡下に観察して、写真撮影
する。写真に撮影された充填剤の繊維長を測定する。測
定は500本行い、重量平均繊維長を求める。炭素繊維
の繊維長を求める際には灰化条件を誤ると繊維そのもの
が酸化、燃焼してしまう場合があるので注意が必要であ
り、窒素雰囲気下で灰化することが望ましい。用いる熱
可塑性樹脂が可溶の場合には、溶媒を用いて組成物を溶
かし繊維を取り出して繊維長を測定することもできる。
【0019】また、必要に応じて粉状、粒状あるいは板
状の充填材を添加することも可能である。粉状、粒状あ
るいは板状の充填材としてはマイカ、タルク、シリカ、
炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、
ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルー
ン、ベントナイト、クレー、ワラステナイト、酸化チタ
ン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、グラファイト等が用いら
れる。また、上記の充填剤は2種以上を併用して使用す
ることもできる。
【0020】なお、本発明に使用する上記の繊維状、粉
状、粒状あるいは板状充填剤はその表面を公知のカップ
リング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理
して用いることもできる。
【0021】また、ガラス繊維、炭素繊維はエチレン/
酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、ポリウレタン
樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは
集束されていてもよい。
【0022】本発明おいて、電磁波シールド性は以下の
ように規定する。繊維強化熱可塑性樹脂組成物を150
mm角、厚み1mmの平板に成形し、この平板に電磁波
を透過させた際の減衰率を、10〜1000MHzの周
波数帯域で測定する。測定は、一般にアドバンテスト法
と称される方法で測定する。具体的には(株)アドバン
テスト製シールド材評価器TR17301Aを用い、プ
ローブアンテナを用いて電界波について測定を行うこと
が可能である。電磁波シールド性組成物としては、一般
的な電気・電子機器の筐体などに使用した際の、電磁波
ノイズによる電気回路の誤動作の防止の点から、上記成
形品を用い、上記方法であってかつ周波数300MHz
で測定した場合の電界シールド性(電磁波の電界成分の
減衰)が、30dB以上であり、より望ましい電界シー
ルド性は40dB以上である。
【0023】本発明に用いる液晶性樹脂とは、異方性溶
融相を形成し得る樹脂であり、例えば芳香族オキシカル
ボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル
単位、エチレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位
からなる異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル、
あるいは、上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単
位、芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位など
から選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成する
液晶性ポリエステルアミドなどが挙げられ、これらは1
種または2種以上で用いることができる。
【0024】異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステ
ルの例としては、下記(I)、(II)、(III) および
(IV)の構造単位からなる液晶ポリエステル、または、
(I)、(III) および(IV)の構造単位からなる異方性
溶融相を形成する液晶性ポリエステルなどが挙げられ
る。
【0025】(I)、(II)、(III)および(IV)の構造単
位からなる液晶性ポリエステルである。
【0026】
【化7】 (ただし式中のR1
【化8】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2
【化9】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。) 上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成し
た構造単位であり、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロ
キシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、
t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、
メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−
ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた芳香族ジ
ヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(I
II)は1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジ
オールから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフ
タル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス
(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,
2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−
ジカルボン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸から選ばれた芳香族ジカルボン酸から生成した
構造単位を各々示す。これらのうちR1
【化10】 であり、R2
【化11】 であるものが特に好ましい。
【0027】本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエ
ステルは、上記構造単位(I)、(III)、(IV)お
よび上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重
合体であり、上記構造単位(I)、(II)、(III)および
(IV)の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を
発揮させるためには次の共重合量であることが好まし
い。
【0028】すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(I
II)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)
および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)
の合計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜8
5モル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造
単位(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜1
0モル%が好ましく、60〜15モル%がより好まし
い。また、構造単位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]は
好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましく
は78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は
構造単位(II)および(III)の合計と実質的に等モルであ
ることが好ましい。
【0029】一方、上記構造単位(II) を含まない場合
は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)
および(III)の合計に対して40〜90モル%である
ことが好ましく、60〜88モル%であることが特に好
ましく、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に
等モルであることが好ましい。
【0030】また液晶性ポリエステルアミドとしては、
上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールか
ら生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性
溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0031】上記好ましく用いることができる液晶性ポ
リエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記構造単
位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニ
ルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸な
どの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン
酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジ
ヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安
息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−
アミノ安息香酸などを液晶性を損なわない程度の範囲で
さらに共重合せしめることができる。
【0032】本発明において使用する上記液晶性樹脂の
製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重
縮合法に準じて製造できる。
【0033】例えば、上記液晶ポリエステルの製造にお
いて、次の製造方法が好ましく挙げられる。
【0034】(1)p−アセトキシ安息香酸および4,
4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼン
などの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,
6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応に
よって製造する方法。
【0035】(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの
芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基
をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造する
方法。
【0036】(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニル
エステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハ
イドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6
−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステルから
脱フェノール重縮合反応により製造する方法。
【0037】(4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,
6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカ
ーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステル
とした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイド
ロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フ
ェノール重縮合反応により製造する方法。
【0038】(5)ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス(β−
ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボ
ン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下
で(1)または(2)の方法により製造する方法。
【0039】これらの重縮合反応は無触媒でも進行する
が、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウ
ムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグ
ネシウムなどの金属化合物を使用することもできる。
【0040】本発明において用いられる液晶性樹脂の数
平均分子量は特に限定されないがなかでも400〜50
00が好ましく、特に500〜4500が好ましい。分
子量は、液晶性樹脂が可溶な溶媒を使用してGPC−L
S(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定す
ることが可能である。
【0041】本発明で用いる液晶性樹脂は、ペンタフル
オロフェノール中で対数粘度を測定することが可能なも
のもあり、その際には0.1g/dlの濃度で60℃で
測定した値で0.03以上が好ましく、0.05〜1
5.0dl/gが特に好ましい。
【0042】また、本発明における液晶性樹脂の溶融粘
度は0.5〜100Pa・sが好ましく、特に1〜50Pa・s
がより好ましい。また、流動性により優れた組成物を得
ようとする場合には、溶融粘度を8〜25Pa・sにするこ
とが好ましい。
【0043】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0044】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
m1)の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0045】液晶性樹脂の融点は、特に限定されない
が、熱可塑性樹脂への分散性の点から好ましくは350
℃以下、より好ましくは330℃以下である。
【0046】本発明で用いる繊維強化熱可塑性樹脂に対
する液晶性樹脂の添加量は、流動性、電磁波シールド性
などの実用特性とコストの点から熱可塑性樹脂100重
量部に対して0.05〜30重量部、好ましくは0.0
7〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部であ
る。
【0047】さらに電磁波シールド性を向上させるため
にカーボンブラックを添加することが可能である。用い
るカーボンブラックはチャネルブラック系、ファーネス
ブラック系、ランプブラック系、サーマルブラック系、
ケッチェンブラック系、ナフタレンブラック系などが挙
げられ、これらのうち特にファーネスブラック系のもの
が好ましく使用できる。
【0048】また、比表面積をコントロールまたはその
他の特性を付与するためにカーボンブラック表面を酸処
理あるいはアルカリ処理して使用することもできる。
【0049】また、比表面積をコントロールまたはその
他の特性を付与するためにカーボンブラック表面を酸処
理あるいはアルカリ処理して使用することもできる。
【0050】本発明で用いるカーボンブラックのpHは
3〜11、好ましくは4〜10、特に好ましくは5〜
9.5であり、pHが3未満およびpHが11を越える
と、機械物性が低下するばかりでなく、成形時の滞留安
定性が不良となり、物性低下や分解ガスが発生して成形
品の外観が不良となり好ましくない。
【0051】上記のpHはカーボンブラック1gを蒸留
水20mlに分散せしめた水性懸濁液を作成し、該懸濁
液のpHを測定した値である。
【0052】カーボンブラックの添加量は熱可塑性樹脂
100重量部に対して15重量部以下、好ましくは10
重量部、より好ましくは8重量部以下である。添加量が
多すぎる場合確かに電磁波シールド性は向上するが、表
面外観や機械特性などが低下する傾向にある。
【0053】本発明の液晶性樹脂または熱可塑性樹脂組
成物の難燃性を付加するために赤燐を添加せしめること
ができるが、かかる赤燐は、そのままでは不安定であ
り、また、水に徐々に溶解したりする性質を有するの
で、これを防止する処理を施したものが好ましく用いら
れる。このような赤燐の処理方法としては、赤燐に水酸
化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを微量添加し
て赤燐の酸化を触媒的に抑制する方法、赤リンをパラフ
ィンやワックスで被覆し、水分との接触を抑制する方
法、ε−カプロラクタムやトリオキサンと混合すること
により安定化させる方法、赤燐をフェノール系、メラミ
ン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化
性樹脂で被覆することにより安定化させる方法、赤燐を
銅、ニッケル、銀、鉄、アルミニウムおよびチタンなど
の金属塩の水溶液で処理して、赤燐表面に金属リン化合
物を析出させて安定化させる方法、赤燐を水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の水酸化物あるいは水酸化チタン、水酸
化亜鉛等のその他の金属の水酸化物などで被覆する方
法、赤燐表面に鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、ス
ズなどで無電解メッキ被覆することにより安定化させる
方法およびこれらを組合せた方法が挙げられるが、好ま
しくは、赤燐をフェノール系、メラミン系、エポキシ
系、不飽和ポリエステル系などの熱硬化性樹脂で被覆す
ることにより安定化させる方法や赤燐を水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛
などで被覆することにより安定化させる方法である。特
にフェノール系および水酸化チタンによる被覆が好まし
く用いられる。
【0054】また、液晶性樹脂または熱可塑性樹脂組成
物に配合される前の赤燐の平均粒径は、成形品の難燃
性、機械的強度や表面外観性およびリサイクル使用時の
粉砕による赤燐の科学的・物理的劣化を抑える点からの
点から50〜0.01μmのものが好ましく、さらに好
ましくは、45〜0.1μmのものである。
【0055】なお赤燐の平均粒径は、一般的なレーザー
回折式粒度分布測定装置により測定することが可能であ
る。粒度分布測定装置には、湿式法と乾式法があるが、
いずれを用いてもかまわない。湿式法の場合は、赤リン
の分散溶媒として、水を使用することができる。この時
アルコールや中性洗剤により赤リン表面処理を行っても
よい。また分散剤として、ヘキサメタ燐酸ナトリウムや
ピロ燐酸ナトリウムなどの燐酸塩を使用することも可能
である。また分散装置として超音波バスを使用すること
も可能である。
【0056】また、本発明で使用される赤リンの平均粒
径は上記のごとくであるが、赤リン中に含有される粒径
の大きな赤リン、すなわち粒径が75μm以上の赤リン
は、難燃性、機械的特性、耐湿熱性、リサイクル性を著
しく低下させるため、粒径が75μm以上の赤リンは分
級とうにより除去することが好ましい。粒径が75μm
以上の赤リン含量は、難燃性、機械的特性、耐湿熱性、
リサイクル性の面から、10重量%以下が好ましく、さ
らに好ましくは8重量%以下、特に好ましくは5重量%
以下である。下限に特に制限はないが、0に近いほど好
ましい。
【0057】ここで赤リンに含有される粒径が75μm
以上の赤リン含量は、75μmのメッシュにより分級す
ることで測定することができる。すなわち赤リン100
gを75μmのメッシュで分級した時の残さ量A(g)
より、粒径が75μm以上の赤リン含量はA/100×
100(%)より算出することができる。
【0058】また、本発明で使用される赤燐の熱水中で
抽出処理した時の導電率(ここで導電率は赤燐5gに純
水100mLを加え、オートクレーブ中、121℃で1
00時間抽出処理し、赤燐ろ過後のろ液を250mLに
希釈して測定することができる)は、得られる成形品
の、難燃性、耐湿性、機械的強度、耐トラッキング性お
よび非着色性性の点から通常0.1〜1000μS/c
mであり、好ましくは0.1〜800μS/cm、さら
に好ましくは0.1〜500μS/cmである。
【0059】また、本発明で使用される赤燐のホスフィ
ン発生量(ここでホスフィン発生量は、赤燐5gを窒素
置換した内容量500mLの例えば試験管などの容器に
入れ、10mmHgに減圧後、280℃で10分間加熱
処理し、25℃に冷却し、窒素ガスで試験管内のガスを
希釈して760mmHgに戻したのちホスフィン(リン
化水素)検知管を用いて測定し、つぎの計算式で求め
る。ホスフィン発生量(ppm)=検知管指示値(pp
m)×希釈倍率)は、得られる組成物の発生ガス量、押
出し、成形時の安定性、溶融滞留時機械的強度、成形品
の表面外観性、成形品による端子腐食などの点から通常
100ppm以下のものが用いられ、好ましくは50p
pm以下、さらに好ましくは20ppm以下である。
【0060】このような好ましい赤燐粒径、導電率およ
びホスフィン発生量を示す市販品の赤燐としては、燐化
学工業社製“ノーバエクセル140”、“ノーバエクセ
ルF5”が挙げられる。
【0061】本発明における赤燐の添加量は、液晶性樹
脂と熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して通常0.
01〜30重量部、好ましくは0.05〜20重量部、
より好ましくは0.06〜10重量部、さらに好ましく
は0.08〜5重量部である。赤燐添加量が少なすぎる
と難燃性向上効果が発現せず、多すぎると物性低下する
とともに難燃効果とは逆に燃焼促進剤として働く傾向に
ある。
【0062】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物はさ
らに赤燐の安定剤として金属酸化物を添加することによ
り、押出し、成形時の安定性や強度、耐熱性、成形品の
端子腐食性などを向上させることができる。このような
金属酸化物の具体例としては、酸化カドミウム、酸化亜
鉛、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一鉄、酸化第二
鉄、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸
化スズおよび酸化チタンなどが挙げられるが、なかでも
酸化カドミウム、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタン
などのI族および/またはII族の金属以外の金属酸化物
が好ましく、特に酸化第一銅、酸化第二銅、酸化チタン
が好ましいが、I族および/またはII族の金属酸化物で
あってもよい。押出し、成形時の安定性や強度、耐熱
性、成形品の端子腐食性の他に、非着色性をさらに向上
させるためには酸化チタンが最も好ましい。
【0063】金属酸化物の添加量は機械物性、成形性の
面から液晶性樹脂と熱可塑性樹脂の合計100重量部に
対して0.01〜20重量部が好ましく、特に好ましく
は0.1〜10重量部である。
【0064】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂組成物はさ
らにフッ素系樹脂を添加すると燃焼時の液滴の落下(ド
リップ)が抑制される。そのようなフッ素系樹脂として
は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロ
プロピレン、(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオ
ロプロピレン)共重合体、(テトラフルオロエチレン/
パーフルオロアルキルビニルエーテル)共重合体、(テ
トラフルオロエチレン/エチレン)共重合体、(ヘキサ
フルオロプロピレン/プロピレン)共重合体、ポリビニ
リデンフルオライド、(ビニリデンフルオライド/エチ
レン)共重合体などが挙げられるが、中でもポリテトラ
フルオロエチレン、(テトラフルオロエチレン/パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル)共重合体、(テトラフ
ルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン)共重合
体、(テトラフルオロエチレン/エチレン)共重合体、
ポリビニリデンフルオライドが好ましく、特にポリテト
ラフルオロエチレン、(テトラフルオロエチレン/エチ
レン)共重合体が好ましい。
【0065】フッ素系樹脂の添加量は機械物性、成形性
の面から液晶性樹脂と熱可塑性樹脂の合計100重量部
に対して通常0.01〜10重量部であり、好ましくは
0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.2〜3重量部
である。
【0066】さらに、本発明の電磁波シールド性繊維強
化熱可塑性樹脂組成物には、酸化防止剤および熱安定剤
(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホス
ファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤
(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリ
アゾール、ベンゾフェノンなど)、亜リン酸塩、次亜リ
ン酸塩などの着色防止剤、滑剤および離型剤(モンタン
酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、
ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレ
ンワックスなど)、染料(たとえばニグロシンなど)お
よび顔料(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニンな
ど)を含む着色剤、結晶核剤、可塑剤、難燃剤として赤
燐が好ましく用いられるがその他の難燃剤(例えばブロ
ム化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭
素化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、メラミン
およびシアヌール酸またはその塩など)を使用または、
併用、難燃助剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などの通常
の添加剤を添加して、所定の特性をさらに付与すること
ができる。
【0067】液晶性樹脂、その他の添加剤を添加する方
法および時期は特に限定されず、繊維強化樹脂の製造時
に添加する方法、あるいは用いる熱可塑性樹脂にあらか
じめ所定量練り込み(高濃度マスター法)、その後繊維
充填材およびその他の添加剤を添加する場合はその添加
剤を添加する方法、または繊維強化樹脂、液晶性樹脂、
その他の添加剤を添加する場合はその添加剤を溶融混練
する、成形時にそれぞれ所定量添加するなどの方法を用
いる。熱可塑性樹脂としてポリアミド系樹脂を用い、か
つ酸無水物を添加する場合には好ましい製造方法として
ポリアミド系樹脂と酸無水物を始めに溶融ブレンドし、
ついで液晶性樹脂を添加する方法がより流動性向上効果
を発揮する。また、繊維充填材、その他の添加剤を添加
する場合における添加剤は、ポリアミド系樹脂と酸無水
物を添加する時に同時に添加するか、あるいは液晶性樹
脂と同時に添加を行う。
【0068】また、難燃剤として赤燐を用いる場合に
は、上記のその他添加剤と同様の扱いで添加する方法、
あるいは繊維強化樹脂とは別に熱可塑性樹脂あまたは液
晶性樹脂に所定量練り混み(高濃度マスター法)あとで
ブレンドする方法などを用いる。溶融混練には公知の方
法を用いることができる。たとえば、バンバリーミキサ
ー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機
などを用い、180〜350℃の温度で溶融混練して組
成物とすることができる。
【0069】かくして得られる電磁波シールド性樹脂組
成物は射出成形、押出成形、圧縮成形など通常の成形に
供することができ、各種成形品として電気・電子部品、
精密部品、自動車部品などに極めて有用である。
【0070】本発明の電磁波シールド性樹脂組成物は、
電磁波シールド性、流動性および良表面外観などの特性
を生かし、箱形成形品、特に、軽量性を要求される携帯
電話用ハウジング、ポケベル基盤枠、パソコン用ハウジ
ング等、特に厚み1.5mm以下の部分を20%以上有す
る箱形成形品、特にパソコン用ハウジング等に有用であ
る。軽量性を得るため、好ましくは厚みは1.0mm以
下、より好ましくは、0.8mm以下の部分を20%以
上有する箱形成形品である。
【0071】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
【0072】参考例1(A−1) p−ヒドロキシ安息香酸528重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレ−ト864重量部及び無水酢酸586重量部を
撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行っ
た。芳香族オキシカルボニル単位42.5モル%、芳香
族ジオキシ単位7.5モル%、エチレンジオキシ単位5
0モル%、芳香族ジカルボン酸単位57.5モル%から
なる融点208℃、数平均分子量は約3000、9Pa・s
(218℃、オリフィス0.5φ×10mm、ずり速度
1,000(1/秒))の液晶性樹脂が得られた。
【0073】参考例2(A−2) p−ヒドロキシ安息香酸777重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレ−ト519重量部及び無水酢酸816重量部を
撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行っ
た。芳香族オキシカルボニル単位62.5モル%、芳香
族ジオキシ単位7.5モル%、エチレンジオキシ単位3
0モル%、芳香族ジカルボン酸単位37.5モル%から
なる融点225℃、数平均分子量は約2600、8Pa・s
(235℃、オリフィス0.5φ×10mm、ずり速度
1,000(1/秒))の液晶性樹脂が得られた。
【0074】参考例3(A−3) p−ヒドロキシ安息香酸901重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレ−ト346重量部及び無水酢酸884重量部を
撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行っ
た。芳香族オキシカルボニル単位72.5モル%、芳香
族ジオキシ単位7.5モル%、エチレンジオキシ単位2
0モル%、芳香族ジカルボン酸単位27.5モル%から
なる融点256℃、数平均分子量は約3200、10Pa
・s(266℃、オリフィス0.5φ×10mm、ずり速度
1,000(1/秒))の液晶性樹脂が得られた。
【0075】なお、融点(Tm)とは示差熱量測定にお
いて、液晶性樹脂を室温から40℃/分の昇温条件で測
定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測
後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃
/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃
/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温
度(Tm2)のピークを指す。
【0076】実施例1〜4、比較例1〜3 熱可塑性樹脂、参考例で得た液晶性ポリエステル樹脂(A
-1〜A-3)と平均繊維長6mm炭素繊維を表1に示すよう
にそれぞれ所定量秤量し、ドライブレンドした。30mm
φの単軸押出機でシリンダー温度は表1のように設定
し、スクリュー回転を30〜100r.p.mの条件で溶融
混練してペレットとした。熱風乾燥後、このペレットを
IS55EPN(東芝機械(株)製)に供し、シリンダ
−温度、金型温度を表1のように設定し、以下に示す測
定用テストピースを射出成形して得た。測定方法を以下
に示す。
【0077】実施例5、6 TEX−30 2軸押出機(日本製鋼所製)を用い、熱
可塑性樹脂に表1の酸無水物を所定量ブレンドし、元か
ら重量フィーダーを用いて添加し、サイドフィダーを用
いて参考例の液晶性樹脂および平均繊維長6mmの炭素
繊維を添加し、ペレットを得た。熱風乾燥後、このペレ
ットをIS55EPN(東芝機械(株)製)に供し、シ
リンダ−温度、金型温度を表1のように設定し、以下に
示す測定用テストピースを射出成形して得た。
【0078】(1)流動性 上記の成形機を用いて、射出速度99%、射出圧力50
0kgf/cm2の条件で0.5mm厚×12.7mm
巾の試験片の流動長(棒流動長)を測定した。
【0079】(2)電磁波シールド性 150×150×1mmtの角板を射出成形し、得られ
た成形品を用いてアドバンテスト法に基づいて電界波に
ついてシールド性の測定をおこなった。具体的には
(株)アドバンテスト製シールド材評価器TR1730
1Aとスペクトルアナライザを用い、プローブアンテナ
を用いることにより、この平板に電磁波を透過させた際
の減衰率を、10〜1000MHzの周波数帯域で測定
し、測定チャートより周波数300MHzでの電界シー
ルド性を読みとった。
【0080】(3)表面外観 80x80x3mmtの角板を射出成形し、得られた成
形品表面で蛍光灯の反射像の鮮明度を肉眼観察し、平滑
性の指標とした。
【0081】◎:蛍光灯の反射像が明瞭に観察される。
【0082】○:蛍光灯の反射像が不明瞭ながらも観察
される。
【0083】△:蛍光灯の反射像が観察できない。
【0084】(4)充填材繊維長 成形品約5gをるつぼ中で550℃×7時間処理し灰化
した後、残存した充填剤のうちから100mgを採取
し、100ccの石鹸水中に分散させる。ついで、分散
液をスポイトを用いて1〜2滴スライドガラス上に置
き、顕微鏡下に観察して、写真撮影する。写真に撮影さ
れた充填剤の繊維長を測定する。測定は500本以上行
い、重量平均繊維長を求めた。
【0085】
【表1】
【0086】表1の結果から本発明の電磁波シールド性
熱可塑性樹脂組成物は、電磁波シールド性および流動性
に優れ、表面外観の優れた成形品を得ることができる。
【0087】
【発明の効果】本発明の電磁波シールド性熱可塑性樹脂
組成物はハウジング等で課題であった電磁波シールド性
を改良でき、さらに軽量化のための薄肉成形性、良外観
な成形品を得ることができ、成形品では電気・電子関連
機器、精密機械関連機器、事務用機器、自動車・車両関
連部品など、その他各種用途に好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 9/00 H01F 1/00 C //(C08L 101/00 67:00) B29K 105:06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維強化熱可塑性樹脂と液晶性樹脂とから
    なる繊維強化熱可塑性樹脂組成物であって周波数300
    MHzの電界シールド性が30dB以上であることを特
    徴とする電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】液晶性樹脂の添加量が熱可塑性樹脂100
    重量部に対して0.05〜30重量部であることを特徴
    とする請求項1記載の電磁波シールド性繊維強化熱可塑
    性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】繊維強化熱可塑性樹脂の繊維状充填材の添
    加量が熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜150重
    量部であることを特徴とする請求項1または2記載の電
    磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】繊維強化熱可塑性樹脂の繊維状充填材が炭
    素繊維であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記
    載の電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】繊維強化熱可塑性樹脂の繊維状充填材の組
    成物中の重量平均繊維長が0.2mm以上である請求項
    1〜4いずれかに記載の電磁波シールド性繊維強化熱可
    塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】液晶性樹脂がp−ヒドロキシ安息香酸残基
    を必須成分として含有する樹脂である請求項1〜5いず
    れか記載の電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】液晶性樹脂がエチレンジオキシ単位を必須
    成分として含有する樹脂である請求項1〜6いずれか記
    載の電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】液晶性樹脂の数平均分子量が5000以下
    であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の電
    磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】液晶性樹脂が下記構造単位(I)、(II
    I)、(IV)からなる液晶性ポリエステルおよび/ま
    たは(I)、(II)、(III)、(IV)からなる液晶性ポリエステ
    ルである請求項1〜8いずれか記載の電磁波シールド性
    繊維強化熱可塑性樹脂組成物。 【化1】 (ただし式中のR1は 【化2】 から選ばれた一種以上の基を示し、R2 は 【化3】 から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
    原子または塩素原子を示す。)
  10. 【請求項10】構造単位(I)と(II)の合計が(I)と(II)お
    よび(III)の合計の35〜90モル%、構造単位(III)が
    (I)と(II)および(III)の合計の65〜10モル%であ
    り、構造単位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]が70/
    30〜95/5であり、構造単位(IV)は構造単位(II)と
    (III)の合計と実質的に等モルである請求項1〜9いず
    れか記載の電磁波シールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成
    物。
  11. 【請求項11】請求項1〜10いずれか記載の電磁波シ
    ールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物で構成してなる成
    形品。
  12. 【請求項12】請求項1〜11いずれか記載の電磁波シ
    ールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物を成形してなる箱
    形成形品。
  13. 【請求項13】請求項1〜12いずれか記載の電磁波シ
    ールド性繊維強化熱可塑性樹脂組成物を成形してなる厚
    さ1.5mm以下の薄肉部が20%以上ある箱形成形
    品。
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