JP3024235B2 - 表面金属化液晶性ポリマ樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

表面金属化液晶性ポリマ樹脂成形品の製造方法

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JP3024235B2
JP3024235B2 JP3057329A JP5732991A JP3024235B2 JP 3024235 B2 JP3024235 B2 JP 3024235B2 JP 3057329 A JP3057329 A JP 3057329A JP 5732991 A JP5732991 A JP 5732991A JP 3024235 B2 JP3024235 B2 JP 3024235B2
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crystalline polymer
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶性ポリマ成形品を酸
性溶液による処理およびアルカリ溶液による処理を施
して粗表面化した後、メッキ処理により表面金属化する
方法に関するものである。さらに詳しくは、良好な機械
的性質を有し、メッキ膜接着力およびメッキサ−マルサ
イクル性に優れ、かつ表面外観の良好な表面金属化液晶
性ポリマ樹脂成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】種々のプラスチック成形品に対してメッ
キ処理を行うことにより表面金属化を行い、装飾性、導
電性、耐熱性などの機能を付与する試みは従来より行わ
れており、ABS樹脂などについてはすでに実用化され
ている。
【0003】また、近年、電気・電子機器の発達にとも
ない、そこから発生する不要電波が大きな問題になって
おり、プラスチックの表面を導電化することによって電
磁波シ−ルドが行われるに至っている。
【0004】一般にプラスチックのメッキは、(1)前
処理、(2)粗表面化処理(エッチング)(3)感応性
付与(センシタイジング)またはキャタリスト処理、
(4)活性化処理(アクチベ−チング)またはアクセレ
ーター処理、(5)無電解メッキおよび(6)電気メッ
キの各工程を順次経ることにより行われており、上記
(3)工程以降が通常メッキ工程と呼ばれている。中で
も上記(2)の粗表面化処理は以降のメッキ工程で付与
される金属メッキ膜の密着性を左右する重要な工程で、
プラスチックの種類に応じて種々の手段が用いられてお
り、例えばABS樹脂では成形品をクロム酸−硫酸混合
液に浸漬することによる化学エッチング法が確立されて
いる。
【0005】一般の熱可塑性ポリエステル樹脂のメッキ
における粗表面化手段としては、成形品を水酸化アルカ
リ溶液に浸漬する方法(特開昭53−674号公
報)、成形品をフエノ−ル溶液に浸漬後、さらにアルカ
リ水溶液に浸漬する方法(特開昭53−675号公
報)および成形品をアルコ−ル、アルカリ、水の混合溶
液で処理する方法(特開昭54−68877号公報)な
どが知られている。
【0006】一方で、近年プラスチックの高性能化に対
する要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポ
リマが数多く開発され、市場に供されているが、中でも
分子鎖の平行な配列を特徴とする光学異方性を有する液
晶性ポリマが優れた流動性と機械的性質を合せもつ点で
注目されている。
【0007】これら異方性溶融相を形成するポリマとし
ては、例えばp−ヒドロキシ安息香酸にポリエチレンテ
レフタレートを共重合した液晶性ポリエステル(特開昭
49−72393号公報)、p−ヒドロキシ安息香酸と
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を共重合した液晶性ポ
リエステル(特開昭54−77691号公報)、また、
p−ヒドロキシ安息香酸に4,4´−ジヒドロキシビフ
ェニルとテレフタル酸、イソフタル酸を共重合した液晶
性ポリエステル(特公昭57−24407号公報)など
が知られている。
【0008】上記液晶性ポリマをメッキ処理する方法と
しては、成形品をアルカリ金属の水酸化物またはアルカ
リ土類金属の水酸化物を主成分とする水溶液に浸漬して
粗表面化処理する方法(特開平1−92241号公報)
および成形品を80重量%以上の硫酸を含む酸性溶液に
浸漬する方法(特開平1−98637号公報)などが知
られているが上記方法によってえられるメッキ処理後の
成形品はメッキ膜接着強度が低く、特にヒ−トサイクル
後の接着性が十分でないことが分かった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明は、上述
の問題を解決し、液晶性ポリマ成形品の優れた機械特性
を損なうことなく、優れたメッキ膜接着力を有し、かつ
メッキサ−マルサイクル性に優れ、表面外観の良好な表
面金属化液晶性ポリマ成形品を得ることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は(A)異方性溶融相を形成する液晶性
ポリエステルおよび/または液晶性ポリエステルアミド
100重量部に対して、(B)周期律表IIa またはIIb
族元素の酸化物、硫酸塩、リン酸塩および珪酸塩からな
る群より選ばれた1種または2種以上の無機充填剤2〜
200重量部を配合してなる液晶性ポリマ樹脂組成物の
成形品に、硫酸の単独系、又は重クロム酸、無水クロム
酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、ピロリン酸、過
マンガン酸カリウム水溶液から選ばれた1種又は2種以
上と硫酸との複合系の水溶液である酸性溶液による処理
を施し、次いでアルカリ性溶液による処理を施して粗表
面化した後、メッキ処理することを特徴とする表面金属
化液晶性ポリマ成形品の製造方法および前記(A)の液
晶性ポリエステルが下記(I) 、(II)、(IV)または(I) 、
(II)、(III) 、(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエス
テルである前記表面金属化液晶性ポリマ樹脂成形品を提
供するものである。
【0011】
【化4】
【0012】(ただし式中のR1
【0013】
【化5】
【0014】から選ばれた一種以上の基を示し、R2
【0015】
【化6】
【0016】から選ばれた一種以上の基を示す。また、
式中Xは水素原子または塩素原子を示し、構造単位(II)
および(III) の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルで
ある。)本発明でいう液晶性ポリエステルとは、異方性
溶融相を形成するポリエステルであり、芳香族オキシカ
ルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニ
ル単位、エチレンジオキシ単位などから選ばれた構造単
位からなるポリエステルであり、液晶性ポリエステルア
ミドとは上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、
芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノフェノキシ単位など
から選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成する
ポリエステルアミドであり、液晶性ポリエステルの好ま
しい例としては、上記の(I) 、(II)、(IV)または(I) 、
(II)、(III) 、(IV)の構造単位からなるポリエステルで
ある。
【0017】上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香
酸から生成したポリエステルの構造単位であり、構造単
位(II)は4,4´−ジヒドロキシビフェニル、3,3
´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシ
ビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノ
ン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナ
フタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4
´−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた芳香
族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単
位(III)はエチレングリコールから生成した構造単位
を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、
4,4´−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−
4,4´−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフ
ェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸および4,
4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた芳
香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。こ
れらのうちR1
【0018】
【化7】
【0019】であり、R2
【0020】
【化8】
【0021】であるものが特に好ましい。
【0022】また、液晶性ポリエステルアミドポリマと
しては、上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノ
フェノールから生成したp−イミノフェノキシ単位を含
有した液晶性ポリエステルアミドが好ましい。
【0023】本発明で最も好ましく使用できる液晶性ポ
リマは上記構造単位(I) 、(II)、(IV)または(I) 、(I
I)、(III) 、(IV)からなる液晶性ポリエステルであり、
上記構造単位(I) 、(II)、(III) および(IV)の共重合量
は任意である。しかし、流動性の点から次の共重合量で
あることが好ましい。
【0024】すなわち、上記構造単位(III) を含む場合
は、耐熱性、難燃性および機械的特性の点から上記構造
単位(I)および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(I
II)の合計に対して60〜95モル%が好ましく、82
〜93モル%がより好ましい。また、構造単位(III) は
構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して40〜5
モル%が好ましく、18〜7モル%がより好ましい。
また、構造単位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]は耐熱性
と流動性のバランスの点から好ましくは75/25〜9
5/5であり、より好ましくは78/22〜93/7で
ある。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および(III)
の合計と実質的に等モルである。
【0025】一方、上記構造単位(III) を含まない場合
は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および
(II)の合計に対して40〜90モル%であることが好ま
しく、60〜88モル%であることが特に好ましく、構
造単位(IV)は構造単位(II)と実質的に等モルである。
【0026】なお、本発明で好ましく使用できる上記液
晶性ポリエステルを重縮合する際には上記構造単位(I)
〜(IV)を構成する成分以外に3,3´−ジフェニルジカ
ルボン酸、2,2´−ジフェニルジカルボン酸などの芳
香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、ク
ロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4,4´
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4´−ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、4,4´−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン等の芳香族ジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオール
およびm−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ2−ナ
フトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−
アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の
目的を損なわない程度の少割合の範囲でさらに共重合せ
しめることができる。
【0027】本発明において好ましく使用できる上記液
晶性ポリエステルおよび/または液晶性ポリエステルア
ミドの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステ
ルまたはポリエステルアミドの重縮合法に準じて製造で
きる。
【0028】例えば、上記好ましく用いられる液晶性ポ
リエステルの製造において、上記構造単位(III) を含ま
ない場合は(1)および(2)、構造単位(III) を含む
場合は(3)の製造方法が好ましく挙げられる。
【0029】(1)p−アセトキシ安息香酸および4,
4´−ジアセトキシビフェニル、パラジアセトキシベン
ゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と
テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸重縮
合反応によって製造する方法。 (2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4´−ジヒド
ロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸
に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル
化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
【0030】(3)ポリエチレンテレフタレ―トなどの
ポリエステルポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロ
キシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸の
ビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で
(1)または(2)の方法により製造する方法。
【0031】これらの重縮合反応は無触媒でも進行する
が、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウ
ムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグ
ネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましいとき
もある。
【0032】本発明における液晶性ポリエステルおよび
/または液晶性ポリエステルアミドは、ペンタフルオロ
フェノール中で対数粘度を測定することが可能なものも
あり、その際には0.1g/dlの濃度で60℃で測定
した値で0.5dl/g以上が好ましく、特に上記構造
単位(III) を含む場合は1.0〜3.0dl/gが好ま
しく、上記構造単位(III) を含まない場合は2.0〜1
0.0dl/gが好ましい。
【0033】また、本発明における液晶性ポリエステル
および/または液晶性ポリエステルアミドの溶融粘度は
10〜20,000ポイズが好ましく、特に20〜1
0,000ポイズがより好ましい。なお、この溶融粘度
は融点が観測できる場合には融点(Tm)+10℃の条
件で、融点が観測できない場合には液晶開始温度+40
℃で、いずれもずり速度1,000(1/秒)の条件下
で高化式フローテスターによって測定した値である。
【0034】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
m1)の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0035】また、液晶性開始温度は偏光顕微鏡の試料
台に乗せて、昇温加熱し、ずり応力下で乳白光を発する
温度である。
【0036】本発明必須成分として使用する無機充填剤
(B)とは、周期律表IIa 、IIb 族元素の酸化物、硫酸
塩、リン酸塩および珪酸塩からなる群より選ばれた1種
または2種以上が好ましい。
【0037】周期律表IIa、IIb族の酸化物とは、酸化
マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化亜
鉛等の化合物であり、リン酸塩とはリン酸マグネシウ
ム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛、
ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム等の化
合物であり、硫酸塩とは、硫酸マグネシウム、硫酸カル
シウム、硫酸バリウム等の化合物であり、珪酸塩とは、
珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム等の化合物である
が、特にリン酸塩が好ましく用いられる。これらの無機
充填剤(B)の添加量は、液晶性ポリエステルおよび/
または液晶性ポリエステルアミド(A)100重量部に
対して2〜200重量部、好ましくは5〜100重量部
である。添加量が2重量部未満では粗表面化の際、ムラ
が生じメッキ膜の接着力が低下し、200重量部を越え
ると、成形時の流動性が低下し、成形品外観が損なわれ
るばかりか、衝撃強度が低下するためいずれの場合も好
ましくない。
【0038】なお、本発明に使用する上記無機充填剤は
その表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カ
ップリング剤、チタネート系カップリング剤)などで処
理して用いることもできる。
【0039】なお、本発明の組成物には、本発明の効果
を損なわない範囲で他の強化剤、充填剤を併用すること
もできる。他の充填剤、強化剤の例としては、ガラス繊
維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウ
ム繊維、石膏繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチー
ル繊維、セラミック繊維、ボロンウィスカー繊維、マイ
カ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、
ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、ワ
ラステナイト、酸化チタン等の繊維状、粉状、粒状ある
いは板状の無機フィラーが挙げられる。又、これらの充
填剤、強化剤についてもシラン系、チタネート系などの
カップリング剤、その他の表面処理剤で処理されたもの
を用いてもよい。
【0040】また、本発明の液晶性ポリマ樹脂組成物に
は、本発明の目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止
剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒ
ドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体な
ど)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシ
レート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、
滑剤および離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエス
テル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ス
テアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料
(たとえばニグロシンなど)および顔料(たとえば硫化
カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラックなど)
を含む着色剤、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤
などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂を添加して、所
定の特性を付与することができる。
【0041】本発明で用いる液晶性ポリマ樹脂組成物は
溶融混練により製造することが好ましく、溶融混練には
公知の方法を用いることができる。たとえば、バンバリ
ーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二
軸押出機などを用い、200〜400℃の温度で溶融混
練して組成物とすることができる。
【0042】本発明に用いる液晶性ポリマ樹脂組成物の
成形方法としては射出成形、押出成形、、ブロ−成形な
どの通常の熱可塑性樹脂の成形手段が採用でき、所望形
状のメッキ用液晶性ポリマ樹脂成形品を容易に得ること
ができる。
【0043】本発明の方法によりメッキ処理を行うに際
しては、まず必要に応じて成形品表面の油膜を拭き取る
などの予備処理を施し、酸性溶液による処理およびアル
カリ溶液による処理を施して粗表面化を行うことが好ま
しい。
【0044】粗表面化に用いる酸性溶液とは、硫酸の単
独系、又は重クロム酸、無水クロム酸、リン酸、p−ト
ルエンスルホン酸、ピロリン酸、過マンガン酸カリウム
水溶液から選ばれた1種又は2種以上と硫酸との複合系
の水溶液であるが、一般的には硫酸の単独系の水溶液
好ましく用いられる。
【0045】この粗表面化処理(酸エッチング)条件は
30〜95℃の酸性溶液に成形品を1〜90分間浸漬
し、次いで水にて十分洗浄するのが望ましい。
【0046】次に粗表面化に用いるアルカリ溶液と
は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ムなどのアルカリ金属の水酸化物の水溶液、水酸化バリ
ウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水
酸化物の水溶液であり、中でも水酸化カリウムおよび水
酸化ナトリウム水溶液が好ましく用いられる。この際、
必要に応じ界面活性剤などを添加することもできる。
【0047】また、粗表面化処理(アルカリエッチン
グ)条件は25〜85℃のアルカリ溶液に成形品を2〜
120分間浸漬し、次いで水にて十分洗浄するのが望ま
しい。本発明の液晶ポリマは、まず上記酸エッチング処
を施し、次いでアルカリエッチング処理を施す事によ
り、メッキ処理にきわめて適した粗表面が得られ、各一
方のみの処理では本発明の目的を達成することができな
【0048】このように粗表面化した液晶性ポリマにつ
いて通常のメッキ処理を施すことにより、優れたメッキ
膜接着力を有し、メッキサ−マル性が優れ、かつ表面外
観の良好な表面金属化液晶性ポリマ成形品を得ることが
できる。
【0049】メッキ処理も例えば塩化第1スズ溶液によ
るセンシタイジング−塩化バラジウム溶液によるアクチ
ベーチング−無電解銅またはニッケルメッキ−電気メッ
キの各工程またはキャタリスト処理−アクセレーター処
理−無電解メッキ−電気メッキの各工程からなる通常の
化学メッキ方法を適用することができる。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。
【0051】参考例1 p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112
重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレ―ト216重量部および無水酢酸960重量部
を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、次の条件
で脱酢酸重縮合を行った。
【0052】まず、窒素ガス雰囲気下に100〜250
℃で5時間、250〜300℃で1.5時間反応させた
後、315℃、1時間で0.5mmHgに減圧し、さらに
1.25時間反応させ、重縮合を完結させたところ、ほ
ぼ理論量の酢酸が留出し、下記の理論構造式を有する樹
脂(a)を得た。
【0053】
【化10】
【0054】 k/l/m/n=80/7.5/12.5/20 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、
昇温して、光学異方性の確認を行なった結果、液晶開始
温度は293℃であり、良好な光学異方性を示した。ま
た、融点(Tm)は314℃であった。このポリエステ
ルの対数粘度(0.1g/dlの濃度でペンタフルオロ
フェノール中、60℃で測定)は1.98dl/gであ
り、324℃、ずり速度1000/秒での溶融粘度は7
80ポイズであった。
【0055】参考例2 p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル222重量部、2,6−ジアセトキ
シナフタレン147重量部、無水酢酸1078重量部お
よびテレフタル酸299重量部を撹拌翼、留出管を備え
た反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下に100〜25
0℃で5時間、250〜330℃で2.5時間反応させ
た後、330℃、1.5時間で1.0mmHgに減圧し、さ
らに0.75時間反応させ、重縮合を完結させたとこ
ろ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、下記構造式を有する樹
脂(b)を得た。
【0056】
【化11】
【0057】 K/l/m/n=80/13.3/6.7/20 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台にのせ、
昇温して光学異方性の確認を行なったところ、液晶開始
温度は296℃であり、良好な光学異方性を示した。ま
た。融点(Tm)は323℃であった。このポリエステ
ルの対数粘度(参考例1と同一の条件で測定)は4.9
dl/gであり、333℃、ずり速度1000/秒での
溶融粘度は520ポイズであった。
【0058】実施例1〜7,比較例1〜6 参考例1、2で得た液晶性ポリマ(A)と充填剤(B)
を表1の割合でドライブレンドした後、30mmφの2
軸押出機を用いて310〜330℃で溶融混練してペレ
ットとした。このペレットを住友ネスタ−ル射出成形機
プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)に供
し、シリンダ−温度320〜340℃、金型温度90℃
で、70×70×2mmの角板を成形した。
【0059】この角板を用いて、以下に示す方法により
メッキ処理を施した。
【0060】1) 脱脂 試験片を“エ−スクリ−ンA−220”(奥野製薬工業
(株)製)を用い55℃×4分間浸漬。
【0061】2) 水洗 3) エッチング 98重量%硫酸を用い65℃×10分間浸漬。
【0062】4) 水洗 5) アルカリエッチング 40重量%水酸化ナトリウム水溶液を用い65℃×20
分間浸漬。
【0063】6) 中和 5重量%塩酸を用い30℃×2分間浸漬。
【0064】7) 水洗 8) キャタリスト 濃塩酸150ml、キャタリストC50ml(奥野製薬
工業(株)製)および水1000mlからなる溶液に2
5℃×2分間浸漬。
【0065】9) 水洗 10)アクセレ−タ− 10重量%硫酸を用い40℃×3分間浸漬。
【0066】11) 水洗 12) 無電解銅メッキ OPC−750(奥野製薬工業(株)製)を用い40℃
×8分間浸漬。
【0067】13) 水洗 14) 活性化 5重量%の硫酸を用い30秒間浸漬。
【0068】15) 水洗 16) 電気メッキ(光沢銅メッキ) テストピ−スを濃硫酸50g、硫酸銅(5水和物)20
0g、SCB−MU10ml、SCB−I1ml(奥野
製薬工業(株)製)および水1000mlからなる酸性
銅メッキ浴中におき、温度25〜30℃、電流密度4A
/dm2 の条件下で、厚み約30μmの銅メッキ膜を形
成。
【0069】17) 水洗 18) 電気メッキ(光沢ニッケルメッキ) ホウ酸40g、塩化ニッケル・(6水和物)50g、硫
酸ニッケル(7水和物)300g、モノライト1ml
(奥野製薬工業(株)製)、アクナB−I20ml(奥
野製薬工業(株)製)および水1000mlからなるメ
ッキ浴中で、温度50℃、電流密度5A/dm2 の条件
下で、厚み約15μmのニッケルメッキ膜を形成。
【0070】19) 水洗。
【0071】20) 電気メッキ(クロムメッキ) 濃硫酸5g、酸化クロム250gおよび水1000ml
からなるメッキ浴中で温度50℃、電流密度40A/d
2 の条件下で、厚み約0.2μmのクロムメッキ膜を
形成。
【0072】なお、メッキ膜の接着力は上記16)電気
メッキ(光沢銅メッキ)まで施したテストピ−スのメッ
キ膜を10mm巾で長さ20mmにわたってT剥離する
際の力量(g)を測定することによって評価した。
【0073】また、メッキのサ−マルサイクル性テスト
は、20)電気メッキ(クロムメッキ)まで施したテス
トピ−スを下記条件で処理し、100℃(1hr)→
−30℃(1hr)を3サイクル実施。
【0074】、を実施後、続けて130℃(1h
r)←−30℃(1hr)を3サイクル実施。 終了
後、終了後に外観を目視によりメッキ表面の異常(フ
クレ、ハガレ、クラック等)の有無を観察して評価し
た。
【0075】比較例2として、エッチング条件を酸のみ
とした以外は実施例1〜7、比較例1、4〜6と同様の
条件で行なった。また、比較例3として、エッチング条
件をアルカリのみとした以外は実施例1〜7、比較例
1、4〜6と同様の条件で行なった。
【0076】これらの結果を表1に示した。
【0077】
【表1】
【0078】液晶性ポリマに無機充填剤を配合した本発
明の樹脂組成物から得られる成形品を酸性溶液次いでア
ルカリ溶液による処理を施して粗表面化した後、メッ
キ処理を行った表面金属化液晶性ポリマ樹脂成形品は機
械的性質、表面外観、メッキ膜接着強度およびメッキサ
−マルサイクル性が比較例に比べ優れていることが表1
から明らかである。
【0079】
【発明の効果】本発明の液晶性ポリマ樹脂組成物の表面
金属化液晶性ポリマ成形品は機械的性質、表面外観が良
好な上に、メッキ膜接着力およびメッキサ−マルサイク
ル性に優れるためエンジニアリングプラスチックとして
種々の用途に供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−305968(JP,A) 特開 昭61−281874(JP,A) 特開 昭53−6374(JP,A) 特開 昭53−6375(JP,A) 特開 昭53−6376(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/18 - 18/30 C08J 7/12,7/14 C25D 5/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)異方性溶融相を形成する液晶性ポ
    リエステルおよび/または液晶性ポリエステルアミド1
    00重量部に対して、 (B)周期律表IIa またはIIb 族元素の酸化物、硫酸
    塩、リン酸塩、および珪酸塩からなる群より選ばれた1
    種または2種以上の無機充填剤を2〜200重量部配合
    してなる液晶性ポリマ樹脂組成物の成形品に、硫酸の単
    独系、又は重クロム酸、無水クロム酸、リン酸、p−ト
    ルエンスルホン酸、ピロリン酸、過マンガン酸カリウム
    水溶液から選ばれた1種又は2種以上と硫酸との複合系
    の水溶液である酸性溶液による処理を施し、次いでアル
    カリ性溶液による処理を施して粗表面化した後、メッキ
    処理することを特徴とする表面金属化液晶性ポリマ樹脂
    成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、(A)の液晶性ポリ
    エステルが下記(I)、(II)、(IV)または(I) 、(II)、(II
    I) 、(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルであ
    る請求項1記載の表面金属化液晶性ポリマ樹脂成形品の
    製造方法。 【化1】 (ただし式中のR1は 【化2】 から選ばれた一種以上の基を示し、R2は 【化3】 から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素
    原子または塩素原子を示し、構造単位(II)および(III)
    の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)
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