JP6207809B2 - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

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本発明は、塩素原子含有量が低減されたポリアリーレンサルファイド樹脂組成物およびその成形体に関する。
ポリフェニレンサルファイド(以下PPSと略す)樹脂に代表されるポリアリーレンサルファイド(以下PASと略す)樹脂は、高い耐熱性、機械的物性、耐薬品性、寸法安定性、難燃性を有していることから、金属材料の代替材料として、自動車部品、電気電子部品、住宅設備部品を中心に幅広く用いられており、その使用量も拡大している。その中で、電気電子部品用途において環境保護の面から、ハロゲン規制の動きが急速に拡大し、PAS樹脂を含有する組成物(以下、PAS樹脂組成物と略す)中のハロゲン含有量が900ppm以下に規制される状況になっている。
PAS樹脂は、p−ジクロロベンゼンとアルカリ金属硫化物あるいはアルカリ金属水硫化物を原料とした重合により得られるため、ポリマー末端にハロゲン原子の一つである塩素原子が必然的に残存する。上記のとおり、環境問題の観点から、塩素原子含有量がより少ないPAS樹脂が市場から求められているが、PAS樹脂の優れた特性を損なうことなく塩素原子含有量を低減し、かつ成形加工性に優れたPAS樹脂を提供することが求められていた。
そこで、低塩素原子含有量のPAS樹脂と、特定割合の非繊維状フィラーおよび繊維状フィラーとを組合せ、PAS樹脂に対するフィラー合計量を質量比で2〜3倍の範囲とすることで、塩素原子含有量が少なく、溶融流動性に優れ、かつ繰り返し成形時の寸法安定性に優れたPAS樹脂組成物およびその射出成形体が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、該樹脂組成物で用いている塩素原子含有量の低いPAS樹脂は、洗浄工程でオリゴマー等の低分子量物量を低減させることによって得られたものであるため、PAS樹脂の溶融粘度が高く、そのため低粘度の汎用PAS樹脂と併用することによって、組成物全体の溶融粘度を低減させる必要があった。このため、組成物の塩素原子含有量をより低減させようとすると、組成物の溶融粘度が高くなり成形品の寸法安定性に問題があり、さらに、近年電子材料部品の小型化、軽量化に伴って、成形体の薄肉化が求められており、成形品を薄肉化した際の低そり性に問題があった。
特開2010−053356号公報
そこで本発明が解決しようとする課題は、塩素原子含有量が少なく、溶融流動性に優れた、かつ繰り返し成形時の寸法安定性および低そり性に優れたポリアリーレンサルファイド樹脂組成物およびその成形体を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、溶融粘度が低くかつ塩素原子含有量の低いPAS樹脂を用いて充填剤と配合することにより、塩素原子含有量が少なく、溶融流動性に優れた、かつ繰り返し成形時の寸法安定性および低そり性に優れたポリアリーレンサルファイド樹脂組成物およびその成形体を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(α)ポリアリーレンサルファイド樹脂、(β)非繊維状充填材および(γ)繊維状充填材を溶融混練してなるポリアリーレンサルファイド樹脂組成物であって、前記(α)ポリアリーレンサルファイド樹脂は、溶融粘度(30 ℃、剪断速度1000/s)が100〔Pa・s〕未満の範囲かつ塩素原子含有量が2000ppm以下の範囲であり、前記(β)非繊維状充填材と(γ)繊維状充填材の合計量が、前記ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物中の樹脂成分100質量部に対し、100〜300質量部であり、さらに(β)非繊維状充填材の含有量が(γ)繊維状充填材の含有量以上で、かつポリアリーレンサルファイド樹脂組成物中の塩素原子含有量が900ppm以下の範囲であることを特徴とするポリアリーレンサルファイド樹脂組成物ならびに前記ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を成形して得られる成形品に関する。
本発明によれば、塩素原子含有量が少なく、溶融流動性に優れた、かつ繰り返し成形時の寸法安定性および低そり性に優れたポリアリーレンサルファイド樹脂組成物およびその成形体を提供することができる。
本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物は、(α)ポリアリーレンサルファイド樹脂、(β)非繊維状充填材および(γ)繊維状充填材を溶融混練してなるポリアリーレンサルファイド樹脂組成物であって、前記(α)ポリアリーレンサルファイド樹脂は、溶融粘度(30 ℃、剪断速度1000/s)が100〔Pa・s〕未満の範囲かつ塩素原子含有量が2000ppm以下の範囲であり、ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の塩素原子含有量が900ppm以下である。
本発明に用いる(α)PAS樹脂はその溶融粘度(30℃、剪断速度1000/s)が100〔Pa・s〕未満の範囲であり、かつ前記(α)ポリアリーレンサルファイド樹脂中の塩素原子含有量が2000ppm以下である。このようなPAS樹脂は、例えば極性溶媒中でアルカリ金属硫化物(A)とジハロ芳香族化合物(B)とを反応させてポリアリーレンサルファイドを製造する方法において、該ジハロ芳香族化合物(B)の反応率が0〜40%の時点でメルカプト化合物、メルカプト化合物の金属塩、フェノール化合物、フェノール化合物の金属塩およびジスルフィド化合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物(C)を添加することを特徴とする製造方法により得られる(以下、本発明に用いるPAS樹脂の製造方法ということがある)。該ジハロ芳香族化合物(B)の反応率が0〜40%の時点で化合物(C)を添加することにより初めて同様の粘度であってもハロゲンの含有量が少ないポリアリーレンサルファイドが容易に得られるという優れた効果を奏する。化合物(C)の添加するタイミングは、前述したジハロ芳香族化合物(B)の反応率が0〜40%の時点が塩素原子量の低減化効果が高いが、より高い塩素原子量の低減効果を得るためには、ジハロ芳香族化合物(B)の反応率が0〜20%の時点が好ましく、0〜10%がより好ましい。尚、本発明における「ジハロ芳香族化合物(B)の反応率」とは、ある時点のジハロ芳香族化合物(B)の残存量から判断出来る、仕込み量からのジハロ芳香族化合物(B)の減少の割合を指す。
本発明に用いるPAS樹脂の製造方法で用いる極性溶媒としては、例えば、有機アミド化合物、ラクタム化合物、尿素化合物、環式有機リン化合物等を使用することができる。該極性溶媒の具体例として、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジプロピルアセトアミド、N,N−ジメチル安息香酸アミド、カプロラクタム、N−メチルカプロラクタム、N−エチルカプロラクタム、N−イソプロピルカプロラクタム、N−イソブチルカプロラクタム、N−ノルマルプロピルカプロラクタム、N−ノルマルブチルカプロラクタム、N−シクロヘキシルカプロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−イソプロピル−2−ピロリドン、N−イソブチル−2−ピロリドン、N−ノルマルプロピル−2−ピロリドン、N−ノルマルブチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−メチル−3−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−3−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−3,4,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−イソプロピル−2−ピペリドン、N−エチル−2−ピペリドン、N−メチル−6−メチル−2−ピペリドン、N−メチル−3−エチル−2−ピペリドン、テトラメチル尿素、N,N´−ジメチルエチレン尿素、N,N´−ジメチルプロピレン尿素、1−メチル−1−オキソスルホラン、1−エチル−1−オキソスルホラン、1−フェニル−1−オキソスルホラン、1−メチル−1−オキソホスホラン、1−ノルマルプロピル−1−オキソホスホラン及び1−フェニル−1−オキソホスホラン等が挙げられる。これらの溶媒は、夫々単独でもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。上記極性溶媒中、非プロトン性の有機アミド若しくはラクタム類が好ましく、そのなかでもN−アルキルラクタム及びN−アルキルピロリドンが好ましく、N−メチルピロリドンが特に好ましい。
前記アルカリ金属硫化物(A)としては、例えば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及びこれらの混合物等が挙げられる。これらの水和物及び水溶液であっても良い。また、これらにそれぞれ対応する水硫化物及び水和物を、それぞれに対応する水酸化物で中和して用いることができ、安価な硫化ナトリウムが好ましい。
前記ジハロ芳香族化合物(B)としては、例えば、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、p−ジブロモベンゼン、1,4−ジクロロナフタレン、1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼン、4,4’−ジクロロビフェニル、4,4’−ジブロモビフェニル、2,4−ジクロロ安息香酸、2,5−ジクロロ安息香酸、3,5−ジクロロ安息香酸、2,4−ジクロロアニリン、2,5−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、4,4’−ジクロロフェニルエーテル、4,4’−ジクロロジフェニルスルホキシド、4,4’−ジクロロフェニルケトン等の芳香族ジハロゲン化合物、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等の芳香族トリハロゲン化合物、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン等の芳香族テトラハロゲン化合物、及びこれらに類するものならびにこれらの混合物を挙げることができる。なかでもp−ジクロロベンゼンに代表されるパラ位で置換された芳香族ジハロゲン化合物を主成分とするものが好ましく、p−ジクロロベンゼンがより好ましい。
本発明で用いるジハロ芳香族化合物(B)の使用量としては、アルカリ金属硫化物(A)のモル量に対して0.90〜1.10モル比が高分子量化の理由から好ましく、0.95〜1.05モル比がより好ましい。
本発明で用いる化合物(C)は、メルカプト化合物、メルカプト化合物の金属塩、フェノール化合物、フェノール化合物の金属塩およびジスルフィド化合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物である。前記メルカプト化合物としては、例えば、チオフェノール、o−チオクレゾール、m−チオクレゾール、p−チオクレゾール、1−ナフタレンチオール、2−ナフタレンチオール、3,4−ジメルカプトトルエン、1−ヘキサンチオール、1−ヘプタンチオール、1−オクタンチオール、メルカプトシクロペンタン、メルカプトシクロヘキサン、メルカプト酢酸、αーメルカプトプロピオン酸、βーメルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸、チオサリチル酸、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトー2−ブタノール、3−メルカプトー1,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチルアミン、βーメルカプトバリン、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトー1−メチルテトラゾール、2−メルカプトー4−メチルピリミジン、2−メルカプトー4,6−ジメチルピロミジン、5−メルカプトー1−メチルテトラゾール、3−メルカプトー4−メチルー4Hー1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトニコチン酸、6−メルカプトプリン、2−メルカプトー6−ヒドロキシプリン、6−メルカプトー2−アミノプリン、2−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン、2−メルカプトピリジンーN−オキシド、2−メルカプトチアゾリン、3−メルカプト1Hー1,2,4ートリアゾール、2,5−ジメルカプトー1,3,4ーチアジアゾール、5−メルカプトー2ーアミノー1,3,4ーチアジアゾール、1,3,5−トリアジンー2,4,6ートリチオール、2−メルカプトイミダゾリン、2−メルカプトー4−ピリミドン、2−メルカプトー5−チアゾリドン等が挙げられる。前記メルカプト化合物の金属塩としては、前記メルカプト化合物のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
前記フェノール化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、t−ブチルフェノールなどが好適に使用される。前記フェノール化合物の金属塩としては、前記フェノール化合物のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
前記ジスルフィド化合物としては、例えば、ジフェニルジスルフィド、p,p’−ジトリルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、ジベンゾイルジスルフィド、ジチオベンゾイルジスルフィド等が挙げられる。
前記化合物(C)の中でもPAS末端と容易に反応出来ることからメルカプト化合物、メルカプト化合物の金属塩が好ましく、メルカプト化合物がより好ましく、チオフェノールが更に好ましい。
前記化合物(C)の使用量としては、アルカリ金属硫化物(A)のモル量に対して0.1〜2.0モル%が塩素原子低減効果の理由から好ましく、0.1から1.0がより好ましい。
本発明に用いるPAS樹脂の製造方法において、必要に応じて前記ジハロ芳香族化合物以外(B)のポリハロ芳香族化合物(D)を原料の一部に用いる事ができる。前記ポリハロ芳香族化合物としては、例えば、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン及び1,4,6−トリクロロナフタレン等が好ましく、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼンが特に好ましい。
前記ポリハロ芳香族化合物(D)の使用量としては粘度増大効果からアルカリ金属硫化物(A)のモル量に対して0.01〜1.5モル%が好ましく、0.05〜1.0モル%がより好ましい。
上記した(α)ポリアリーレンスフィド樹脂の製造方法としては、通常、ジハロ芳香族化合物、例えばp−ジクロルベンゼンを極性溶媒中で硫化ナトリウムあるいは硫化水素ナトリウムと水酸化ナトリウムと重合させる方法が一般的である。中でもN−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒やスルホラン等のスルホン系溶媒中で硫化ナトリウムとp−ジクロルベンゼンを反応させる方法が適当である。
しかしながら、上述の製造方法は公知の方法で得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、米国特許第2513188号明細書、特公昭44−27671号公報、特公昭45−3368号公報、特公昭52−12240号公報、特開昭61−225217号および米国特許第3274165号明細書、英国特許第1160660号さらに特公昭46−27255号公報、ベルギー特許第29437号明細書、特開平5−222196号公報、等に記載された方法やこれら特許等に例示された先行技術の方法で得ることが出来る。一例を示せば、特公昭45−3368号公報に開示されている方法において、N−メチルピロリドン等の有機アミド溶媒中でジハロ芳香族化合物と含水硫化ナトリウム等のアルカリ金属化合物との求核置換反応による脱塩重縮合させる際に、含水硫化物からの脱水操作を行い脱水混合物を得た後、脱水混合物にジハロ芳香族化合物(B)を添加し、適時好適な温度で重合を行い、PASを得る方法において、該ジハロ芳香族化合物(B)の反応率が0〜40%の時点で化合物(C)を添加すれば、目的の低塩素原子含有PASが得られる。
重合反応で得られたPASを含有する反応スラリーは、常圧または減圧下での濾過により液体と固体を分離して液体部より溶媒を回収し、固体部より食塩等の副生成物や未反応原料等を除去するため、水洗や溶剤洗浄を繰り返し行い最後に乾燥してPASを取り出す事が通常行われる。
具体的な重合反応後のPASを含むスラリーの後処理方法としては、例えば下記の方法が挙げられる。
(1)重合反応終了後、まず反応スラリーをそのまま、あるいは酸または塩基を加えた後、減圧下または常圧下で溶媒を留去し、次いで溶媒流去後の固形物を水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類等の溶媒で1回または2回以上洗浄し、さらに中和、水洗、濾過及び乾燥してPASを分離して取り出す方法。
(2)重合反応終了後、反応スラリーに水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素等の溶媒(本発明で使用する有機極性溶媒に可溶であり、且つ少なくともPASに対しては貧溶媒である溶媒)を沈降剤として添加して、PASや無機塩等の固体性状生成物を沈降させ、これらを濾過してPASを含む固形分を分離し、洗浄、乾燥してPASを分離取得する方法。
(3)重合反応終了後、反応スラリーに最初に加えた物と同じ有機極性溶媒(又は低分子量PASに対して同等の溶解度を有する有機溶媒)を加えて撹拌した後、濾過して低分子量PAS、有機極性溶媒とその溶解物を除いた後、PASを含む固形物を水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類等の溶媒で1回または2回以上洗浄し、その後中和、水洗、濾過及び乾燥してPASを取り出す方法。
なお、前記(1)〜(3)に例示した様な後処理方法において、PASの乾燥は、真空中で行っても良いし、空気中あるいは窒素の様な不活性ガス雰囲気中で行っても良く、特に限定はしない。
この様にして得られたポリアリーレンスフィド樹脂は、そのまま各種成形材料等に利用可能であるが、空気あるいは酸素富化空気中あるいは減圧条件下で熱処理を行うことにより、溶融粘度を上昇させることが可能であり、必用に応じてこの様な増粘操作(通常、この様な操作を「架橋」という。)を行った後、各種成形材料に利用しても良い。この架橋温度は、目標とする架橋処理時間や処理する雰囲気によっても異なるので一概に規定できないが、通常は180℃以上で行われる。また、架橋を押出機等で行う場合、ポリアリーレンスフィド樹脂の融点以上の溶融状態で行っても良いが、ポリアリーレンスフィド樹脂の熱劣化を避けるため、融点プラス100℃以下で行うことが好ましい。
本発明に用いる(α)ポリアリーレンスフィド樹脂は、上記の方法で得られたPAS樹脂から、300 ℃で測定した溶融粘度(V6)が1〔Pa・s〕以上の範囲、より好ましくは2〔Pa・s〕以上の範囲、さらに好ましくは5〔Pa・s〕以上の範囲であり、かつ、100〔Pa・s〕未満、より好ましくは40〔Pa・s〕未満、さらに好ましくは20〔Pa・s〕未満のものを用いる。特に、架橋処理を行わないポリアリーレンスルフィド樹脂の場合には、その溶融粘度(V6)が40〔Pa・s〕未満のものを用いることが好ましい。ただし、300 ℃で測定した溶融粘度(V6)とは、フローテスターを用いて、温度300 ℃、荷重1.96MPa、オリフィス長とオリフィス径との、前者/後者の比が10/1であるオリフィスを使用して6分間保持した後の溶融粘度を表す。
また、本発明に用いる(α)ポリアリーレンスフィド樹脂は、その含有塩素原子量が、2000ppm以下、より好ましくは1500ppm以下、さらに好ましくは1200ppm以下のものを用いる。一方、含有塩素原子量の下限値は少ないものほど良く、特に限定されるものではないが、上記の製造方法によれば500ppm以上、好ましくは900ppm以上、さらに好ましくは1000ppm以上である。
本発明に用いる(α)ポリアリーレンサルファイド樹脂は、優れた強度および低塩素化を得る観点から、クロロホルム抽出量が少ない方が好ましいものの、あまり少ないと溶融粘度が高くなる傾向にあることから、1.0質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、さらに好ましくは2.0質量%以上であり、一方、あまりクロロホルム量が高い場合には付着性ガス発生量が多くなる傾向にあることから、5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以下が好ましい。
かかるクロロホルム抽出量はポリアリーレンスフィド樹脂を製造する際の洗浄工程で、有機溶剤洗浄する方法等で適宜調整すればよい。なお本発明におけるクロロホルム抽出量は、ソックスレー抽出器を用い、PPSサンプル量約10g、クロロホルム200mlを用い5時間抽出し、その抽出液を50 ℃で乾燥し、得られた残さを仕込みPPSサンプル量で割り返し、100をかけて百分率表記としたものである。
本発明においては、(α)ポリアリーレンスフィド樹脂以外に配合可能な非晶性樹脂、非繊維状充填材や繊維状充填材の種類及び配合量等にもよるが、流動性、靱性、バリ、塩素原子量、低そり性のバランスを取るためには2種類以上のポリアリーレンサルファイド樹脂を併用することが好ましい。特に非晶性樹脂、非繊維状充填材や繊維状充填材を配合した場合は、流動性が悪化するため使用するポリアリーレンサルファイド樹脂の溶融粘度が重要となる。
本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物は、(α)ポリアリーレンスフィド樹脂とともに(β)非繊維状充填材と(γ)繊維状充填材を必須成分として含有する。質量
かかる(β)非繊維状充填材の具体例としては、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス粉、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、カーボンブラックおよびシリカ、黒鉛などが挙げられ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用することも可能である。また、これらの充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物およびエポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用してもよい。中でも炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、カオリン、クレー、タルクなどの珪酸塩、アルミナ、黒鉛が特に好ましい。
また、本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の塩素原子含有量測定では、塩素原子含有量の測定値を安定化させる上で非繊維状充填材を配合することが好ましい。本発明においては、コスト、寸法安定性、塩素原子含有量の測定値安定化の観点から、炭酸カルシウムが特に好ましい。本発明における(β)非繊維状充填材の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されるものではないが、本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物中の樹脂成分100質量部に対し、50質量部を超えて150質量部以下が好ましい。
また(γ)繊維状充填材の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、炭酸カルシウムウィスカー、ワラステナイトウィスカー、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などが挙げられ、これらは2種類以上併用することも可能である。また、これら充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物およびエポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。中でもガラス繊維、炭素繊維がより好適に用いられる。エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカプト基およびウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するシラン系化合物がカップリング剤として好ましい。さらにまた、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニルなどの合成樹脂エマルジョン、前記カップリング剤、その他界面活性剤などで構成された集束剤を繊維状フィラーに付与して、数百〜数千本集束させたチョップドストランド等を用いることがより高い機械的強度を得る意味においてさらに好ましい。本発明では、組成物中における塩素原子含有量の低いPAS樹脂の含有率が高いため、(γ)繊維状充填材との相溶性が向上する。このため、マトリックスとの密着性が向上し、耐湿熱性に優れたものとなる。この傾向は(γ)繊維状充填材にカップリング材で予備処理するとより顕著なものとなる。
本発明においては、(β)非繊維状充填材と(γ)繊維状充填材の合計量が、本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物中の樹脂成分100質量部に対し、100質量部以上300質量部以下含有する事が必要であり、135質量部以上250質量部以下の範囲が好ましく、170質量部以上200質量部以下の範囲がより好ましく選択される。
(β)非繊維状充填材と(γ)繊維状充填材の合計量が、本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物中の樹脂成分100質量部に対し、100質量部未満の場合、機械的強度が不十分となり、また300質量部以上の場合、溶融流動性や耐湿熱性が損なわれるため好ましくない。
また本発明において、(β)非繊維状充填材の含有量と(γ)繊維状充填材の含有量の比率は、本発明の効果を損ねない範囲であれば特に限定されないが、寸法安定性、特に低ソリ性の観点からは(β)非繊維状充填材の含有量が(γ)繊維状充填材の含有量以上であることが好ましい。
さらに本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物中では、(δ)ガラス転移温度が110 ℃以上の非晶性樹脂を(α)ポリアリーレンサルファイド樹脂100質量部に対し、3〜50質量部含有することが好ましく、5〜40質量部の範囲がより好ましく、8〜30質量部の範囲が更に好ましい。ここで、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用い、20 ℃/分の速度で昇温して求められた値である。
かかる(δ)ガラス転移温度が110 ℃以上の非晶性樹脂の具体例としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂が例示できるが、なかでもポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂が特に適しており、ポリフェニレンエーテル系樹脂が特に好ましい。
本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに他の樹脂をブレンドして用いてもよい。かかるブレンド可能な樹脂には特に制限はないが、その具体例としては、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、芳香族系ナイロンなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシルジメチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、カルボキシル基やカルボン酸エステル基や酸無水物基やエポキシ基などの官能基を有するオレフィン系コポリマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエーテルエステルエラストマー、ポリエーテルアミドエラストマー、ポリアセタール、ポリイミド、ポリケトン樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、エポキシ基含有ポリオレフィン共重合体、ポリスチレン、シンジオタックチックポリスチレンなどが挙げられる。
但し、本発明の効果を十分に発現させるためには、本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を構成する樹脂成分の内、70質量%以上が(α)ポリアリーレンサルファイド樹脂であることが好ましい。さらに、本発明のPPS樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、機械的強度、靱性などの向上を目的に、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカプト基およびウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するシラン化合物を添加してもよい。かかる化合物の具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、およびγ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。なかでもエポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基を有するアルコキシシランが優れたウェルド強度を得る上で特に好適である。
かかるシラン化合物の好適な添加量は、ポリフェニレンスルフィド樹脂100質量部に対し、0.05〜3質量部の範囲が選択される。
なお、本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(モンタン酸及びその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、着色用カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐、燐酸エステル、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、熱安定剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウムなどの滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤および発泡剤などの通常の添加剤を添加することができる。
本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の調製方法には特に制限はないが、各原料を単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロールなど通常公知の溶融混合機に供給して、280〜380 ℃の温度で混練する方法などを代表例として挙げることができる。原料の混合順序にも特に制限はなく、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し、さらに残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法などのいずれの方法を用いてもよい。また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形に供することももちろん可能である。
中でも、本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の調製方法としては、2軸の押出機により溶融混練する方法を好適な方法として挙げられる。かかる2軸の押出機により溶融混練する際、そのスクリュー回転数を200〜400rpmに制御することが好ましく、230〜350rpmに制御することがより好ましい。
通常、単位時間当たりの吐出量を上げ、生産性を上げる観点からは、押出機のトルク容量が許す限り、スクリュー回転数を高めにする方法が採用される。しかしながら、本発明の樹脂組成物は多量の充填材を含むため、スクリュー回転数を上げすぎると、剪断発熱により樹脂の分解が助長される。本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を、2軸の押出機により溶融混練する方法にて調整する際、そのスクリュー回転数を400rpm以下、好ましくは350rpm未満に制御することがより好ましい。但し、スクリュー回転数を200rpm未満にしても、剪断発熱により樹脂の分解抑制効果は小さく、生産性との兼ね合いから200rpm以上にすることが好ましい。
このようにして得られる本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、トランスファー成形など各種成形に供することが可能であるが、特に射出成形用途に適している。
以上のようにして得られた本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を溶融成形して得られる成形体(以下、本発明の成形品と略す)は、塩素原子含有量が少なく、溶融流動性に優れた、かつ繰り返し成形時の寸法安定性、とくに成形品を薄肉化した際の低そり性に優れ、さらに耐湿熱性にも優れる。
このため本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物は、例えばセンサー、LEDランプ、コネクター、コネクター構成部品、コンデンサー構成部品ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、光ピックアップ部品、再生及び記録両用の光ピックアップ部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;水道蛇口コマ、混合水栓、ポンプ部品、パイプジョイント、水量調節弁、逃がし弁、湯温センサー、水量センサー、水道メーターハウジングなどの水廻り部品;バルブオルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター,ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、車速センサー、ケーブルライナーなどの自動車・車両関連部品など各種用途に用いることができる。
以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
〔溶融粘度〕
フローテスター(島津製作所製高化式フローテスター「CFT−500D型」)を用いて、温度300 ℃、荷重1.96MPa、オリフィス長とオリフィス径との、前者/後者の比が10/1であるオリフィスを使用して6分間保持後の溶融粘度を測定した。
〔曲げ強度〕
ISO 178に準じて測定を行った。具体的には次のように測定を行った。ISOタイプA金型を用いて射出成形を行い、試験片を得た。試験片の中央部分幅10mm×長さ80mm×厚さ4mmの試験片を切り出し、23 ℃、相対湿度50%の雰囲気下、スパン64mm、歪み速度5mm/minの条件で測定を行った。
〔スパイラルフロー長〕
1.6mm厚みのスパイラルフロー金型を用い、シリンダー温度330 ℃、金型温度150 ℃、射出速度60mm/secで成形したときの流動長を測定した。
〔含有塩素原子量〕
ダイアインスツルメンツ燃焼ガス吸収装置でポリマーを燃焼させ発生したガスを純水に吸収させ、吸収液中の塩素イオンをダイオネクスイオンクロマトグラフで定量して換算した。
〔低そり性〕
ISO タイプD1金型(1mm厚み、幅60mm×長さ60mmのフィルムゲート金型)を用いて射出成形を行った。成形後、デシケーター中に無荷重状態で成形品を24時間放置した。水平机上に上向きに反る向きに成形品を置き、ゲート側2頂点を机上に固定したとき、机上から最も離れた頂点と机の距離を測定した。
〔合成例1〕
温度センサー、冷却塔、滴下槽、滴下ポンプを連結した攪拌翼付チタンライニングステンレス製4リットルオートクレーブに、48%水流化ナトリウム(以下NaSH・3.4HOと略す)586.0g(5.0モル)、48%水酸化ナトリウム416g(5.0モル)及びN−メチルピロリドン(以下NMPと略)1586g(16モル)を室温で仕込み、攪拌しながら窒素雰囲気下で205 ℃まで昇温して、水522.0gを留出させた。その後、反応系を密閉し、更に220 ℃まで昇温し、NaSHに対し0.2モル%のチオフェノール1.10g(0.010モル)、p−ジクロルベンゼン(以下p−DCBと略す)735.0g(5.0モル)及びNMP396g(4モル)の混合液を1時間で滴下し、220 ℃で6時間攪拌した後、250 ℃まで昇温し、1時間攪拌した。ここで、チオフェノールは、p−ジクロルベンゼンの反応率が0%の時点で添加している。
反応終了後、冷却して反応スラリーを得た。得られたスラリーに20リットルの水を加えて80 ℃で1時間攪拌した後、濾過した。
得られたケーキを5リットルの水に再分散させ、80 ℃で1時間攪拌した後、濾過した。この操作を3回繰り返して得られたケーキを熱風乾燥機内で120 ℃で一晩乾燥して白色の粉末状のPASを515g(収率95%)得た。溶融粘度は37Pa・Sであった。PAS中の塩素原子含有量は、1800ppmであった。以下、得られたPASをPAS(A1)と記す。
〔合成例2〕
p−DCB及びNMPの混合液を1時間で滴下した直後にNaSHに対し0.5モル%のチオフェノール2.75g(0.025モル)を添加した事以外は、実施例1と同じ操作を行った。チオフェノールを添加した時のp−DCBの反応率は25%であった。得られたPASの溶融粘度は28Pa・Sであった。PASの塩素原子含有量は、1900ppmであった。以下、得られたPASをPAS(A2)と記す。
〔合成例3〕
NaSHに対し1.0モル%のチオフェノール5.50g(0.050モル)を添加し、220 ℃で6時間攪拌した後、250 ℃まで昇温し、3時間攪拌とした以外は、実施例1と同じ操作を行った。得られたPASの溶融粘度は10Pa・Sであった。PASの塩素原子含有量は、1200ppmであった。以下、得られたPASをPAS(A3)と記す。
〔比較合成例1〕
特開2010−53356号公報の合成例1に従ってPASを製造した。すなわち、撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム8267.37g(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2957.21g(70.97モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)11434.50g(115.50モル)、酢酸ナトリウム1722.00g(21.00モル)、及びイオン交換水10500gを仕込み、常圧で窒素を通じながら245 ℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14780.1gおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160 ℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
次に、p−ジクロロベンゼン10235.46g(69.63モル)、NMP9009.00g(91.00モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封し、240rpmで撹拌しながら、0.6 ℃/分の速度で238 ℃まで昇温した。238 ℃で95分反応を行った後、0.8 ℃/分の速度で270 ℃まで昇温した。270 ℃で100分反応を行った後、1260g(70モル)の水を15分かけて圧入しながら250 ℃まで1.3 ℃/分の速度で冷却した。その後200 ℃まで1.0 ℃/分の速度で冷却してから、室温近傍まで急冷した。
内容物を取り出し、26300gのNMPで希釈後、溶剤と固形物をふるい(80mesh)で濾別し、得られた粒子を31900gのNMPで洗浄、濾別した。これを、56000gのイオン交換水で数回洗浄、濾別した後、0.05重量%酢酸水溶液70000gで洗浄、濾別した。70000gのイオン交換水で洗浄、濾別した後、得られた含水PPS粒子を80 ℃で熱風乾燥し、120 ℃で減圧乾燥した。得られたPPSは直鎖状であり、溶融粘度が100Pa・s、塩素原子含有量1300ppmであった。以下、得られたPASをPAS(A4)と記す。
〔比較合成例2〕
特許文献1(特開2010−53356号公報)の合成例3に従ってPASを製造した。東レ株式会社製M3910を熱風オーブン中210 ℃×1時間処理した。得られたPPSは架橋型であり、溶融粘度が15Pa・s、塩素原子含有量3000ppmであった。以下、得られたPASをPAS(A5)と記す。
実施例1〜5/比較例1〜3
表に示す割合で各成分をドライブレンドした後、東芝機械株式会社製TEM−35B2軸押出機を用い、スクリュー回転数250rpm、シリンダー設定温度が320 ℃で溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。140 ℃で3時間乾燥したペレットを用い、成形、評価に供した。
Figure 0006207809
Figure 0006207809
第1〜2表中、成分(A)〜(D)のかっこ内数値の各数値は質量部を表し、各略称は以下の通りである。
非繊維状フィラー(B1):炭酸カルシウム 丸尾カルシウム社製「炭酸カルシウム1級」
ガラス繊維(C1):ガラス繊維チョップドストランド(繊維長3mm、平均繊維直径10μm)
非晶性樹脂(D1): 三菱エンジニアリングプラスチックス社製ポリフェニレンエーテル「PX−100L」

Claims (7)

  1. (α)ポリアリーレンサルファイド樹脂、(β)非繊維状充填材および(γ)繊維状充填材を溶融混練してなるポリアリーレンサルファイド樹脂組成物であって、
    前記(α)ポリアリーレンサルファイド樹脂は、溶融粘度(300℃、剪断速度1000/s)が40〔Pa・s〕未満の範囲かつ塩素原子含有量が2000ppm以下の範囲であり、前記(β)非繊維状充填材と(γ)繊維状充填材の合計量が、前記ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物中の樹脂成分100質量部に対し、100〜300質量部であり、さらに(β)非繊維状充填材の含有量が(γ)繊維状充填材の含有量以上で、かつポリアリーレンサルファイド樹脂組成物中の塩素原子含有量が900ppm以下の範囲であることを特徴とするポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を製造する方法であって、
    (α)ポリアリーレンサルファイド樹脂、(β)非繊維状充填材および(γ)繊維状充填材を溶融混練すること、
    前記(α)ポリアリーレンサルファイド樹脂が、極性溶媒中でアルカリ金属硫化物(A)とジハロ芳香族化合物(B)とを反応させてポリアリーレンサルファイドを製造する方法において、該ジハロ芳香族化合物(B)の反応率が0〜40%の時点でメルカプト化合物、メルカプト化合物の金属塩、フェノール化合物、フェノール化合物の金属塩およびジスルフィド化合物からなる群から選ばれる一種以上の化合物(C)を添加する製造方法により得られたものであることを特徴とする、ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造方法。
  3. ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を構成する樹脂成分の内、70質量%以上が(α)ポリアリーレンスルフィド樹脂であることを特徴とする請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  4. 前記成分に加え、さらに(δ)ガラス転移温度が110℃以上の非晶性樹脂を含有する請求項1および3の何れか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  5. 前記非晶性樹脂が、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂またはポリアミドイミド系樹脂である請求項4に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  6. 請求項1、3〜5の何れか一項記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を溶融成形した成形品。
  7. 請求項2に記載の製造方法により得られたポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を溶融成形する成形品の製造方法。
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