JP2011063606A - α−リポ酸ナノ粒子およびその調製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非イオン性界面活性剤と、2価金属イオンと、炭酸イオンまたはリン酸イオンとを特定の順序で使用することにより、α−リポ酸ナノ粒子の製造方法であって、α−リポ酸と非イオン性界面活性剤とを含む水性分散液を調製する工程;該水性分散液に、2価金属塩を添加する工程であって、該2価金属塩が、2価金属ハロゲン化物、2価金属酢酸化物または2価金属グルコン酸化物である、工程;および該2価金属塩を添加した水性分散液に、アルカリ金属炭酸化物またはアルカリ金属リン酸化物を添加して、α−リポ酸ナノ粒子を形成させる工程を包含する方法。
【選択図】なし
Description
(項目1)
α−リポ酸ナノ粒子の製造方法であって、
α−リポ酸と非イオン性界面活性剤とを含む水性分散液を調製する工程;
該水性分散液に、2価金属塩を添加する工程であって、該2価金属塩が、2価金属ハロゲン化物、2価金属酢酸化物または2価金属グルコン酸化物である、工程;および
該2価金属塩を添加した水性分散液に、アルカリ金属炭酸化物またはアルカリ金属リン酸化物を添加して、α−リポ酸ナノ粒子を形成させる工程
を包含する、方法。
前記α−リポ酸と非イオン性界面活性剤とを含む水性分散液を調製する工程が、
液状の非イオン性界面活性剤にα−リポ酸を溶解して界面活性剤溶液を得ること;および該界面活性剤溶液に水または水を含む液体を添加して水性分散液を得ることを含む、項目1に記載の方法。
前記α−リポ酸と非イオン性界面活性剤とを含む水性分散液を調製する工程が、α−リポ酸とアルカリ性物質と水との混合物を作製してα−リポ酸含有水性分散液を調製すること;および該α−リポ酸含有水性分散液に非イオン性界面活性剤を添加することを含む、項目1に記載の方法。
前記2価金属塩が、塩化カルシウム、臭化カルシウム、フッ化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、フッ化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、フッ化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、グルコン酸カルシウム、グルコン酸マグネシウムおよびグルコン酸亜鉛からなる群より選択される、項目1〜3のいずれか1項に記載の方法。
前記2価金属塩が、塩化カルシウム、塩化マグネシウムおよびグルコン酸亜鉛からなる群より選択される、項目1〜4のいずれか1項に記載の方法。
前記アルカリ金属炭酸化物またはアルカリ金属リン酸化物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムからなる群より選択される、項目1〜5のいずれか1項に記載の方法。
前記アルカリ金属炭酸化物またはアルカリ金属リン酸化物が、炭酸ナトリウムおよびリン酸水素二ナトリウムからなる群より選択される、項目1〜6のいずれか1項に記載の方法。
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される、項目1〜7のいずれか1項に記載の方法。
前記非イオン性界面活性剤のHLB値が、10以上である、項目8に記載の方法。
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン(重合度10〜20)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度10〜20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度10〜20)ポリオキシプロピレン(重合度4〜8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度20〜100)硬化ヒマシ油およびショ糖ラウリン酸エステルからなる群より選択される、項目1〜9のいずれか1項に記載の方法。
前記α−リポ酸と非イオン性界面活性剤とを含む水性分散液を調製する工程において、
前記非イオン性界面活性剤にα−リポ酸を溶解する前に、ポリエチレングリコールを該非イオン性界面活性剤中に混合しておくか、または
前記界面活性剤溶液に水を含む液体を添加する際に、該水を含む液体として、ポリエチレングリコールを含む水を用いる、項目2および4〜10のいずれか1項に記載の方法。
α−リポ酸と、非イオン性界面活性剤と、2価金属イオンと、炭酸イオンまたはリン酸イオンとを含む、α−リポ酸ナノ粒子。
前記2価金属イオンがカルシウムイオン、亜鉛イオンまたはマグネシウムイオンである、項目12に記載のα−リポ酸ナノ粒子。
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される、項目12または13に記載のα−リポ酸ナノ粒子。
さらにポリエチレングリコールを含む、項目12〜14のいずれか1項に記載のα−リポ酸ナノ粒子。
項目12〜15のいずれか1項に記載のα−リポ酸ナノ粒子を含有する、皮膚外用剤。
項目12〜15のいずれか1項に記載のα−リポ酸ナノ粒子を含有する、医薬品。
項目12〜15のいずれか1項に記載のα−リポ酸ナノ粒子を含有する、口腔用組成物。
項目12〜15のいずれか1項に記載のα−リポ酸ナノ粒子を含有する、食品。
(項目A1)
α−リポ酸ナノ粒子の製造方法であって、
α−リポ酸とアルカリ性物質と水との混合物を作製してα−リポ酸含有水性分散液を調製する工程;
該水性分散液に非イオン性界面活性剤を添加する工程;
該非イオン性界面活性剤を添加した水性分散液に、2価金属塩を添加する工程であって、該2価金属塩が、2価金属ハロゲン化物、2価金属酢酸化物または2価金属グルコン酸化物である、工程;および
該2価金属塩を添加した水性分散液に、アルカリ金属炭酸化物またはアルカリ金属リン酸化物を添加して、α−リポ酸ナノ粒子を形成させる工程
を包含する、方法。
前記2価金属塩が、塩化カルシウム、臭化カルシウム、フッ化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、フッ化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、フッ化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、グルコン酸カルシウム、グルコン酸マグネシウムおよびグルコン酸亜鉛からなる群より選択される、項目A1に記載の方法。
前記2価金属塩が、塩化カルシウム、塩化マグネシウムおよびグルコン酸亜鉛からなる群より選択される、項目A1に記載の方法。
前記アルカリ金属炭酸化物またはアルカリ金属リン酸化物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムからなる群より選択される、項目A1に記載の方法。
前記アルカリ金属炭酸化物またはアルカリ金属リン酸化物が、炭酸ナトリウムおよびリン酸水素二ナトリウムからなる群より選択される、項目A1に記載の方法。
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される、項目A1に記載の方法。
前記非イオン性界面活性剤のHLB値が、10以上である、項目A6に記載の方法。
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン(重合度10〜20)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度10〜20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度10〜20)ポリオキシプロピレン(重合度4〜8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度20〜100)硬化ヒマシ油およびショ糖ラウリン酸エステルからなる群より選択される、項目A1に記載の方法。
α−リポ酸と、非イオン性界面活性剤と、2価金属イオンと、炭酸イオンまたはリン酸イオンとを含む、α−リポ酸ナノ粒子。
前記2価金属イオンがカルシウムイオン、亜鉛イオンまたはマグネシウムイオンである、項目A9に記載のα−リポ酸ナノ粒子。
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される、項目A9に記載のα−リポ酸ナノ粒子。
項目A9に記載のα−リポ酸ナノ粒子を含有する、皮膚外用剤。
項目A9に記載のα−リポ酸ナノ粒子を含有する、医薬品。
項目A9に記載のα−リポ酸ナノ粒子を含有する、口腔用組成物。
項目A9に記載のα−リポ酸ナノ粒子を含有する、食品。
本発明のα−リポ酸ナノ粒子は、α−リポ酸、非イオン性界面活性剤、2価金属塩、アルカリ金属炭酸化物またはアルカリ金属リン酸化物を使用して製造される。当業者は、本発明の製造法において、アルカリ性水溶液など、必要に応じて他の材料を使用し得る。
本発明において用いられるα−リポ酸は、当該分野で公知の任意のα−リポ酸であり得る。α−リポ酸はチオクト酸としても公知である。α−リポ酸は、R,S−(+/−)−α−リポ酸、R−(+)−α−リポ酸、S−(−)−α−リポ酸のいずれであってもよい。α−リポ酸は、酸の形態であってもよく、塩の形態であってもよい。市販の任意のα−リポ酸が用いられ得る。α−リポ酸は、粉末または結晶の形態であり得る。
本発明において用いられる非イオン性界面活性剤は、非イオン性であれば任意の界面活性剤であり得る。本発明において用いられる非イオン性界面活性剤の例としては、特に限定はないが、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられる。本発明において用いられる非イオン性界面活性剤としては特に、HLB値が約10以上であるものが好ましい。本発明において用いられる非イオン性界面活性剤としては特に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群より選択される非イオン性界面活性剤であって、かつHLB値が約10以上であるものが好ましい。本発明においてはさらに、非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン(重合度10〜20)オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度10〜20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度10〜20)ポリオキシプロピレン(重合度4〜8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(重合度20〜100)硬化ヒマシ油およびショ糖ラウリン酸エステルからなる群より選択されることが特に好ましい。本発明においては、1種類の非イオン性界面活性剤を使用してもよく、または2種類以上の非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのHLB値は、約10以上であることが好ましく、約12以上であることがより好ましく、約14以上であることが最も好ましい;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのHLB値は、約20以下であることが好ましく、約18以下であることがより好ましく、約16以下であることが最も好ましい。
本発明においては、2価金属塩が使用される。使用され得る2価金属塩の例としては、2価金属ハロゲン化物、2価金属酢酸化物および2価金属グルコン酸化物が挙げられる。
本発明においては、アルカリ金属炭酸化物またはアルカリ金属リン酸化物が使用される。アルカリ金属炭酸化物またはアルカリ金属リン酸化物中のアルカリ金属の例としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウム、セシウムおよびフランシウムが挙げられる。アルカリ金属は、ナトリウムまたはカリウムであることが好ましく、ナトリウムであることがさらに好ましい。本発明において使用され得るアルカリ金属炭酸化物の例としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムが挙げられ、炭酸ナトリウムが好ましい。本発明において使用され得るアルカリ金属リン酸化物の例としては、例えば、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムが挙げられる。リン酸ナトリウムは、メタリン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムまたはピロリン酸水素ナトリウムであり得、好ましくはリン酸水素二ナトリウムである。リン酸カリウムは、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムまたはリン酸三カリウムであり得、好ましくはリン酸水素二カリウムである。
本発明においては、添加剤を使用することができる。添加剤は、水溶性高分子であることが好ましい。添加剤の例としては、ポリエチレングリコール、植物系高分子、微生物系高分子、動物系高分子、デンプン類およびデキストリン類、セルロース類、ビニル系高分子およびアクリル系高分子が挙げられる。
本発明のα−リポ酸ナノ粒子の製造方法は、α−リポ酸と非イオン性界面活性剤とを含む水性分散液を調製する工程;該水性分散液に、2価金属塩を添加する工程であって、該2価金属塩が、2価金属ハロゲン化物、2価金属酢酸化物または2価金属グルコン酸化物である、工程;および該2価金属塩を添加した水性分散液に、アルカリ金属炭酸化物またはアルカリ金属リン酸化物を添加して、α−リポ酸ナノ粒子を形成させる工程を包含する。
α−リポ酸を非イオン性界面活性剤に最初に溶解させる実施形態を説明する。この実施形態においては、非イオン性界面活性剤を溶媒として用いる。すなわち、界面活性剤溶液を調製する。この実施形態においては、まず、液状の非イオン性界面活性剤にα−リポ酸を溶解して界面活性剤溶液を得る。このα−リポ酸は、非イオン性界面活性剤に直接添加してもよく、間接的に添加してもよい。「間接的に添加する」とは、他の物質と混合してから添加することをいう。例えば、α−リポ酸を添加剤と混合した後に非イオン性界面活性剤に添加してもよい。α−リポ酸は、通常、結晶または粉末の形態で市販されている。この実施形態では、α−リポ酸は、液状の非イオン性界面活性剤にほぼ完全に溶解する。非イオン性界面活性剤が室温で液状であれば、室温でこの溶解操作を行うことができるが、必要に応じて、加熱してこの溶解操作を行っても良い。非イオン性界面活性剤が室温で固体であれば、加熱して非イオン性界面活性剤を液状にして、この溶解操作を行う。この界面活性剤溶液を調製する際、必要に応じて、非イオン性界面活性剤に上述した添加剤を加えておいても良い。
次いで、非イオン性界面活性剤とα−リポ酸との混合物に水を添加して、α−リポ酸含有水性分散液が得られる。α−リポ酸含有水性分散液の作製の際に、α−リポ酸と非イオン性界面活性剤との混合(ミセル形成)に実質的に悪影響を及ぼさない限り、他の物質をまた混合してもよい。
α−リポ酸とアルカリを最初に混合する実施形態の本発明の方法においては、まず、α−リポ酸とアルカリ性物質と水との混合物を作製してα−リポ酸含有水性分散液が調製される。α−リポ酸は、通常、結晶または粉末の形態で市販されている。α−リポ酸を水に添加すると、分散はするが、完全に溶解することはない。α−リポ酸はアルコールには溶解するが、本発明においてはアルコールを使用しないことが好ましい。アルコールを使用するとα−リポ酸のミセル形成効率に悪影響を及ぼし得る。アルカリ性物質は、任意のアルカリ性物質であり得るが、好ましくは、強塩基であり、より好ましくは水酸化ナトリウムである。
次いで、このα−リポ酸含有水性分散液に非イオン性界面活性剤を添加する。α−リポ酸のミセルの表面は、マイナス荷電で覆われた状態となっているため、容易に2価金属イオン、たとえばカルシウムイオン(Ca2+)が吸着(結合)し、ナトリウムイオンとの交換反応が生じ得る。この場合、2価金属イオンはナトリウムイオンに比較して吸着力(結合力)が高いことから、2価金属イオンを吸着したミセルは、その表面の荷電は解離しにくくなり、水に不溶化して、ミセルが沈澱する。沈澱を生じると、粒子同士の凝集が生じ、非常に大きな粒子を形成することとなる。この段階での粒子同士の凝集を防ぐために、非イオン性界面活性剤が添加される。非イオン性界面活性剤は、α−リポ酸と共に混合ミセルを形成し、ミセル表面上に親水基を突出させるために、多価金属イオンがミセル表面に吸着(結合)しても、ミセル表面に突出した親水基の存在により、ミセルの沈澱が生じないこととなると考えられる。
次いで、上記2b−1または2b−2で調製された水性分散液に、2価金属塩が添加される。2価金属塩は、この水性分散液に直接添加されてもよく、水溶液として添加されてもよいが、好ましくは、2価金属塩の水溶液として添加される。
次いで、この2価金属塩を添加した水性分散液に、アルカリ金属炭酸化物またはアルカリ金属リン酸化物が添加される。
上記の各工程を行うことにより、水性分散液中でα−リポ酸のナノ粒子が形成される。この水性分散液を必要に応じて乾燥させて粉末を得ることができる。乾燥は、当該分野で公知の任意の方法によって行われ得る。乾燥は、例えば、凍結乾燥、スプレードライ、ドラムドライなどによって行われる。凍結乾燥が好ましい。本発明の方法に従って製造されたα−リポ酸ナノ粒子を含む粉末は、水に添加したときに容易に分散して透明な液を形成する。
本発明のα−リポ酸ナノ粒子は、α−リポ酸と、非イオン性界面活性剤と、2価金属イオンと、炭酸イオンまたはリン酸イオンとを含む。
本発明のα−リポ酸ナノ粒子は、従来α−リポ酸が使用されてきた種々の用途に使用され得る。このような用途の例としては、皮膚外用剤、医薬品(注射液を含む)、口腔用組成物および食品が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤は、本発明のα−リポ酸ナノ粒子を含有する。
本発明の皮膚外用剤は、徐放性製剤であり得る。徐放性製剤は、固体であっても、半固体であっても、液体であってもよいが、好ましくは液体である。
本発明の口腔用組成物は、本発明のα−リポ酸ナノ粒子を含有する。口腔用組成物は、任意の口腔用組成物であり得る。口腔用組成物は、固体であっても、半固体であっても、液体であってもよいが、好ましくは液体である。口腔用組成物の例としては、歯磨剤(例えば、練り歯磨、粉歯磨きなど)、歯用クリーム、含嗽剤(マウスウォッシュを含む)、マウススプレー、崩壊性フィルム、ゲル、トローチが挙げられる。
本発明の食品は、本発明のα−リポ酸ナノ粒子を含有する。食品は、任意の食品であり得る。食品は、固体であっても、半固体であっても、液体であってもよいが、好ましくは液体である。食品は、好ましくは、健康食品であり、より好ましくは健康飲料であるが、これらに限定されない。健康食品は、その健康食品に含まれるα−リポ酸と同じ通常の用途に用いられ得る。健康食品の用途・効能の例としては、シワ、シミ、ソバカス、色素沈着などが挙げられる。
本発明の医薬品は、本発明のα−リポ酸ナノ粒子を含有する。医薬品は、任意の医薬品であり得る。医薬品の形態は、任意であり得る。本発明の医薬品は、散剤、顆粒剤、錠剤(タブレット)、カプセル剤、丸剤、液剤、分散剤、軟膏、クリームなどであり得る。本発明の医薬品が経口投与用途に使用される場合、本発明の医薬品は好ましくは、タブレット、粉末製剤、内服液、カプセル剤などの形態である。本発明の医薬品が非経口投与用途に使用される場合、好ましくは、注射剤、軟膏またはクリーム剤であるが、これに限定されない。本発明の医薬品を用いることにより、α−リポ酸ナノ粒子が体内で徐々に分解することによって徐放効果が得られ得る。
α−リポ酸:和光純薬社製 α−リポ酸 特級(純度98%以上、粉末状);
ショ糖ラウリン酸エステル:三菱化学フーズ株式会社製リョートーシュガーエステルL−1695(HLB値約15;結合脂肪酸約99%;モノエステル約80%;ジ・トリ・ポリエステル約20%);
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油:日光ケミカルズ社製NIKKOL HCO−60(HLB約14;白色〜微黄色のペースト〜固体);
ポリオキシエチレンオクチドデシルエーテル:花王株式会社製エマルゲン2020G−HA(HLB値13.0);
POE(20)POP(8)セチルエーテル:日光ケミカルズ社製NIKKOL PBC44(HLB約12.5;白色〜微黄色の固体)
POE(20)ステアリルエーテル:日光ケミカルズ社製NIKKOL BS−20(HLB18.0;白色〜微黄色の固体);
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレイン酸エステル:日油株式会社製ポリソルベート(80)(HLB約15;無色透明の液体);
MgCl2:市販品、試薬グレード;
CaCl2:市販品、試薬グレード;
グルコン酸亜鉛:市販品、試薬グレード;
Na2CO3:市販品、試薬グレード;
Na2HPO4:市販品、試薬グレード。
(実施例1A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを7.2に調整した。pHが7.2になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをリョートーシュガーエステルL−1695 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、この溶液に0.5M MgCl2を20μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を20μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。この透明な分散液を一昼夜(24時間)攪拌した後、分散液を1晩かけて凍結乾燥させてペーストを得た。このα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を他の試験に使用する際は、凍結乾燥後のペーストを蒸留水で所定の濃度に再分散させて使用した。この凍結乾燥後のペーストを蒸留水に添加したところ、よく再分散し、透明な分散液が得られた。これは、凍結乾燥後に対してα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子が安定であることを示す。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例1Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含むペーストを得た。このα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を他の試験に使用する際は、凍結乾燥後のペーストを蒸留水で所定の濃度に再分散させて使用した。この凍結乾燥後のペーストを蒸留水に添加したところ、よく再分散し、透明な分散液が得られた。これは、凍結乾燥後に対してα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子が安定であることを示す。
(実施例2A)
α−リポ酸 0.25gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを7.1に調整した。pHが7.1になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをリョートーシュガーエステルL−1695 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、この溶液に0.5M MgCl2を20μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を20μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。この透明な分散液を一昼夜(24時間)攪拌した後、分散液を1晩かけて凍結乾燥させてペーストを得た。このα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を他の試験に使用する際は、凍結乾燥後のペーストを蒸留水で所定の濃度に再分散させて使用した。この凍結乾燥後のペーストを蒸留水に添加したところ、よく再分散し、透明な分散液が得られた。これは、凍結乾燥に対してα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子が安定であることを示す。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例2Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含むペーストを得た。このα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を他の試験に使用する際は、凍結乾燥後のペーストを蒸留水で所定の濃度に再分散させて使用した。この凍結乾燥後のペーストを蒸留水に添加したところ、よく再分散し、透明な分散液が得られた。これは、凍結乾燥に対してα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子が安定であることを示す。
(比較例1A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを7.2に調整した。pHが約7.2になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをリョートーシュガーエステルL−1695 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。この分散液を一昼夜(24時間)攪拌した後、分散液を1晩かけて凍結乾燥させてペーストを得た。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は比較例1Aと同じ手順でペーストを得た。
実施例1Aで使用した作製したα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子のペーストと、塩化マグネシウムと炭酸ナトリウムを添加しないで作製した比較例1Aのα−リポ酸ナノ粒子のペーストそれぞれ0.3gを3mLの水に添加し、3時間程度4℃で放置した後、1分間攪拌することによって分散させ、光散乱光度計(大塚電子 ELS−710TY)によって粒子径を測定した。その結果、実施例1Aで作製したα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子の粒子径が約10nmであり、塩化マグネシウムと炭酸ナトリウムを添加しないで作製した比較例1Aのα−リポ酸ナノ粒子の粒子径が約760nmであることが確認できた。蒸留水を使用した場合もイオン交換水を使用した場合も粒子径はほぼ同じであった。実施例1Aで蒸留水を使用して作製したα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子の粒子径分布を(大塚電子 ELS−710TY)によって測定した結果を、図1に示し、比較例1Aで蒸留水を使用して作製したα−リポ酸ナノ粒子の粒子径分布を光散乱光度計(大塚電子 ELS−710TY)によって測定した結果を図2に示す。
(実施例3A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを7.0に調整した。pHが7.0になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをHCO−60 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、この溶液に0.5M MgCl2を20μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を20μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例3Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例4A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを7.3に調整した。pHが7.3になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として50μL採取し、これをエマルゲン2020G−HA 0.02gを含む蒸留水0.95mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、この溶液に0.5M MgCl2を10μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を5μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例4Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例5A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを7.1に調整した。pHが7.1になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として50μL採取し、これをHCO−60 0.05gを含む蒸留水0.95mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClまたは0.1M NaOHでこの溶液のpHを6.6に調整し、その後、0.5M CaCl2を10μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を10μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。この透明な分散液を一昼夜(24時間)攪拌した後、分散液を1晩かけて凍結乾燥し、ペーストとした。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例5Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含むペーストを得た。
(実施例6A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを7.0に調整した。pHが7.0になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として20μL採取し、これをエマルゲン2020G−HA 0.02gを含む蒸留水0.98mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClまたは0.1M NaOHでこの溶液のpHを6.2に調整し、その後、0.5M CaCl2を5μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を5μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例6Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例7A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを6.9に調整した。pHが6.9になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として20μL採取し、これをHCO−60 0.02gを含む蒸留水0.98mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClまたは0.1M NaOHでこの溶液のpHを6.4に調整し、その後、0.5M CaCl2を5μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2HPO4を5μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−CaPO4ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。この透明な分散液を一昼夜(24時間)攪拌した後、分散液を1晩かけて凍結乾燥し、ペーストとした。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例7Aと同じ手順でα−リポ酸−CaPO4ナノ粒子を含むペーストを得た。
(実施例8A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に1M NaOHを加えて混合液のpHを11.7に調整した。pHが11.7になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをPOE(20)POP(8)セチルエーテル(PBC44)0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClまたは0.1M NaOHでこの溶液のpHを11.0に調整し、その後、0.5M CaCl2を40μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を4μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例8Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例9A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に1M NaOHを加えて混合液のpHを11.5に調整した。pHが11.5になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mL)にメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをPOE(20)ステアリルエーテル 0.02gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClまたは0.1M NaOHでこの溶液のpHを10.8に調整し、その後、0.5M CaCl2を40μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を4μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例9Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例10A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを6.8に調整した。pHが6.8になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをHCO−60 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClでこの溶液のpHを5.0に調整し、その後、5% グルコン酸亜鉛溶液を20μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を20μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−ZnCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例10Aと同じ手順でα−リポ酸−ZnCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例11A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを6.9に調整した。pHが6.9になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをHCO−60 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClでこの溶液のpHを5.0に調整し、その後、0.5M 酢酸亜鉛溶液を20μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を20μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−ZnCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例11Aと同じ手順でα−リポ酸−ZnCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例12A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを6.9に調整した。pHが6.9になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをリョートーシュガーエステルL−1695 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClでこの溶液のpHを6.8に調整し、その後、0.5M 塩化マグネシウム溶液を40μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を80μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例12Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例13A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを6.9に調整した。pHが6.9になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをHCO−60 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClでこの溶液のpHを3.9に調整し、その後、0.5M 酢酸亜鉛溶液を20μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を20μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−ZnCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例13Aと同じ手順でα−リポ酸−ZnCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例14A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを10.9に調整した。pHが10.9になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをHCO−60 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClでこの溶液のpHを6.4に調整し、その後、0.5M 塩化カルシウム溶液を40μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を40μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例14Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例15A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを8.7に調整した。pHが8.7になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをHCO−60 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClでこの溶液のpHを6.3に調整し、その後、0.5M 塩化カルシウム溶液を40μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を40μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例15Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例16A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを6.9に調整した。pHが6.9になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをHCO−60 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClでこの溶液のpHを6.4に調整し、その後、0.5M 塩化カルシウム溶液を20μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を40μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例16Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例17A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを6.9に調整した。pHが6.9になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをエマルゲン2020G−HA 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClでこの溶液のpHを6.7に調整し、その後、0.5M 塩化カルシウム溶液を20μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を40μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例17Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例18A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを11.8に調整した。pHが11.8になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをHCO−60 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClでこの溶液のpHを10.9に調整し、その後、0.5M CaCl2を20μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を20μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例18Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例19A)
α−リポ酸 0.5gを9mLのイオン交換水に添加して混合し、この混合液に5M NaOHを加えて混合液のpHを9.1に調整した。pHが9.1になると、α−リポ酸の粉末が消滅し、溶液のような透明な外観になった。この溶液をイオン交換水で10mLにメスアップした。この溶液を母液として100μL採取し、これをリョートーシュガーエステルL−1695 0.1gを含む蒸留水0.9mLに加え、よく攪拌した。攪拌を約30分間行った後、0.1M HClでこの溶液のpHを8.5に調整し、その後、0.5M MgCl2溶液を20μL加えて攪拌した。攪拌を30分間行った後、この溶液に0.1M Na2CO3を20μL加えてさらに攪拌した。これにより、α−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
母液の調製のためにイオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例19Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例20A)
α−リポ酸0.05gに0.28gの1M NaOHを添加して混合し、完全に溶解するまで攪拌した。そこに注射用水(大塚製薬製 日本薬局方注射用水)を9.328ml添加し混合した。この混合液にPOE(20)ステアリルエーテルを0.3g加えて30分以上攪拌した後、5N HClでこの溶液のpHを7.0に調整した。そこに2.5M MgCl2を40μL添加しよく攪拌した後、1M Na2CO3を2μL加えてさらに攪拌し、注射用水を加えて10mlとした。これによりα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
注射用水の代わりにイオン交換水を用いたこと以外は実施例20Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例21A)
α−リポ酸0.05gに950μLの0.26M NaOHを添加して混合し、完全に溶解するまで攪拌した。そこにPOE(20)ステアリルエーテルを0.25g加えよく攪拌した後、そこにイオン交換水を3.626ml添加して30分以上攪拌した。5N HClでこの溶液のpHを5.5に調整した。そこに2.5M MgCl2を48μL添加してよく攪拌した後、1M Na2CO3を48μL加えてさらに攪拌し、イオン交換水を加えて5mlとした。これによりα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例21Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(比較例22−1A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)4.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを6.8に調整した後、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は比較例22−1Aと同じ手順でα−リポ酸分散液を得た。
(比較例22−2A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)5.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを7.0に調整した後、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は比較例22−2Aと同じ手順でα−リポ酸分散液を得た。
(実施例22A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)4.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.6に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.48mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.96ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.7に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例22Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例23A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)4.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.6に調整した。ここに、2.5M MgCl2水溶液0.96mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.96ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.8に調整し、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これによりα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例23Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例24A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)4.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.3に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.24ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.7に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例24Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例25A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)3.5gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.5に調整した。ここに、2.5M MgCl2水溶液0.48mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.24ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.3に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これによりα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例25Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例26A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)3.5gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.2に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.72ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.9に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例26Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例27A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)4.5gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.5に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.24ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.8に調整し、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例27Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例28A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)4.5gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.5に調整した。ここに、2.5M MgCl2水溶液0.48mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.48ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.8に調整し、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これによりα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例28Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例29A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)5.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.6に調整した。ここに、2.5M MgCl2水溶液0.96mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を1.44ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.8に調整し、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これによりα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例29Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例30A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)5.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.6に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.48mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.48ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.6に調整し、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例30Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例31A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル4.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.3に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.48ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.9に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例31Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例32A)
あらかじめ加温して融解したエマルゲン2020G−HA 7.0gへα−リポ酸粉末1.0gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約70mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.6に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.24ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.8に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例32Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例33A)
あらかじめ加温して融解したポリソルベート(80)7.0gへα−リポ酸粉末0.25gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.3に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.12mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.12ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.5に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例33Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例34A)
あらかじめ加温して融解したポリソルベート(80)7.0gへα−リポ酸粉末0.25gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.5に調整した。ここに、2.5M MgCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.12ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.8に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これによりα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例34Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例35A)
あらかじめ加温して融解したポリソルベート(80)7.0gへα−リポ酸粉末0.25gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.3に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.48ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.5に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例35Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例36A)
あらかじめ加温して融解したポリソルベート(80)7.0gへα−リポ酸粉末0.25gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.5に調整した。ここに、2.5M MgCl2水溶液0.48mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.48ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.9に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これによりα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例36Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例37A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル4.0gとポリエチレングリコール(1000)1.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.5に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.24ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.6に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例37Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例38A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル4.0gとポリエチレングリコール(4000)1.5gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.3に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.24ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.8に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例38Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例39A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル4.0gとポリエチレングリコール(4000)2.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.5に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.24ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.5に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例39Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例40A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル4.0gとポリエチレングリコール(1000)2.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlの蒸留水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.4に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.24ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.9に調整し、さらに蒸留水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりに同量のイオン交換水を用いたこと以外は実施例40Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例41A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル4.0gとポリエチレングリコール(1000)1.5gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.5に調整した。ここに、2.5M MgCl2水溶液0.48mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.24ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.4に調整し、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例41Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例42A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル4.0gとポリエチレングリコール(4000)1.5gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.6に調整した。ここに、2.5M MgCl2水溶液0.48mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.24ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.8に調整し、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例42Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例43A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル5.0gとポリエチレングリコール(1000)1.5gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.5に調整した。ここに、2.5M MgCl2水溶液0.48mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.48ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.7に調整し、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例43Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例44A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル5.0gとポリエチレングリコール(1000)1.5gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.6に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.72ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.8に調整し、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例44Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例45A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル5.0gとポリエチレングリコール(1000)1.5gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。この混合物に約35mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.5に調整した。ここに、2.5M MgCl2水溶液0.48mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.72ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.6に調整し、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例45Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例46A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル5.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。ここにポリエチレングリコール(1000)10gをイオン交換水に溶解して100mlとした溶液を15ml添加して混合し、さらに約20mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.5に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.24ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.7に調整し、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例46Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例47A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル5.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。ここにポリエチレングリコール(4000)10gをイオン交換水に溶解して100mlとした溶液を15ml添加して混合し、さらに約20mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.3に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.24ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.6に調整し、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例47Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例48A)
あらかじめ加温して融解したポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル5.0gへα−リポ酸粉末0.5gを加えて混合し、α−リポ酸を溶解した。ここにポリエチレングリコール(6000)10gをイオン交換水に溶解して100mlとした溶液を15ml添加して混合し、さらに約20mlのイオン交換水を加えて30分以上混合し、5M NaOHでpHを4.4に調整した。ここに、5M CaCl2水溶液0.24mlを添加して混合した後、1M Na2CO3水溶液を0.24ml加えてさらに混合した。この溶液のpHを測定し、1M NaOH又は1M HClでpH6.8に調整し、さらにイオン交換水を加えて50mlとした。これにより、α−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
イオン交換水の代わりに同量の蒸留水を用いたこと以外は実施例48Aと同じ手順でα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例49A)
α−リポ酸0.15gに2.85mlの0.26M NaOHを添加して混合し、完全に溶解するまで攪拌した。そこにPOE(20)ステアリルエーテルを0.75g加えよく攪拌した後、そこに蒸留水を0.5ml添加して30分以上攪拌した。5N HClでこの溶液のpHを5.5に調整した。そこに2.5M MgCl2を144μL添加して12時間以上攪拌した後、1M Na2CO3を144μL加えてさらに12時間以上攪拌した。そこに蒸留水を加えて5.0mlとした。これによりα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
蒸留水の代わりにイオン交換水を用いたこと以外は実施例49Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
(実施例50A)
α−リポ酸0.05gに0.28gの1M NaOHを添加して混合し、完全に溶解するまで攪拌した。そこに注射用水(大塚製薬製 日本薬局方注射用水)を9.35ml添加し混合した。この混合液にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)を0.3g加えて30分以上攪拌した後、5N HClでこの溶液のpHを7.0に調整した。そこに2.5M MgCl2を40μL添加しよく攪拌した後、1M Na2CO3を20μL加えてさらに攪拌し、注射用水を加えて10mlとした。これによりα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液が得られた。
注射用水の代わりにイオン交換水を用いたこと以外は実施例50Aと同じ手順でα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子を含む透明な分散液を得た。
実施例1Aで作製したα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子と、比較例1Aで作製した、塩化マグネシウムと炭酸ナトリウムを添加しないα−リポ酸ナノ粒子をそれぞれ60℃にて加温し、加熱1時間後および加熱3時間後のサンプル中のα−リポ酸の量をHPLCで分析した。対照として試薬のα−リポ酸を用いた。加熱後のα−リポ酸の量を加熱前のα−リポ酸の量で除算して100を乗算することにより、α−リポ酸の残存率を計算した。α−リポ酸の残存率の結果を以下の表2および図3に示す。△は対照である試薬のα−リポ酸の結果であり、■は比較例1のα−リポ酸分散液の結果であり、□は実施例1Aのα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子の結果である。
実施例1Aで作製したα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子の凍結乾燥後のペーストと、比較例1Aで作製した、塩化マグネシウムと炭酸ナトリウムを添加しないα−リポ酸ナノ粒子の凍結乾燥後のペーストをそれぞれ、α−リポ酸が最終濃度0.1%となるように蒸留水に分散させ、透明な樹脂製の試験管に入れ、太陽光の届く室内で放置した。対照として、試薬のα−リポ酸にアルカリ(5M NaOH)を加えてpHを7〜7.5にすることによってα−リポ酸を水に溶解した水性分散液(α−リポ酸の最終濃度0.1%)も同様に放置した。
メラニン色素産生細胞を持つ有色モルモット(Weiser Maples、5週齢、雄)の背部を2cm×2cmの面積で毛剃りし、実施例3Aにおいて得られたα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子分散液(α−リポ酸を350μg含有する)を一日あたり80mgずつ1日1回、5日/週(月曜日〜金曜日)、塗布した。塗布後、塗布開始日(月曜日)および、2、4、7日後(水曜日、金曜日、次週の月曜日)にそれぞれUV−Aを8J/cm2、UV−Bを12mJ/cm2照射した。モルモット皮膚でのメラニン産生の指標として色差計を用いて皮膚の明度(L*値)を測定し、明度の減少量を黒色化の程度の指標とした。明度はL*値が大きいほど、色が白いことを示す。メラニン産生による試験開始日からの明度の変化量(ΔL*値)の絶対値を比較した。α−リポ酸を含まない水のみを塗布したモルモットをコントロール区として比較を行った。
ヘアレスマウス(Hos:HR−1、7週齢、雄)の背部に一日あたり55mJ/cm2のUV−Bを週5日(すなわち、月曜日〜金曜日のみ照射し、土曜日および日曜日には照射しなかった)、2ヶ月間照射し、光老化モデルマウスを作製した。このマウスに(実験3Aにより得られたα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子分散液(α−リポ酸を350μg含有する)を一日あたり80mgずつ1日1回、週5日(すなわち、月曜日〜金曜日のみ塗布し、土曜日および日曜日には塗布しなかった)、1ヶ月間塗布した。塗布開始時と塗布終了時のマウス皮膚について目視による皮膚状態観察および、角層水分量、経皮水分蒸散量(TEWL)の測定を行い、シワおよび角層水分、皮膚バリア機能の状態をチェックした。
実施例22Aで作製したα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子の溶液を、光散乱光度計(大塚電子 FPAR1000)によって粒子径を測定した。その結果、実施例22Aで作製したα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子の粒子径が約20nmであることが確認できた。蒸留水を使用した場合もイオン交換水を使用した場合も粒子径はほぼ同じであった。実施例22Aで蒸留水を使用して作製したα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子の粒子径分布を(大塚電子 FPAR1000)によって測定した結果を、図7に示す。
実施例29Aで作製したα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子の溶液を、光散乱光度計(大塚電子 FPAR1000)によって粒子径を測定した。溶液が完全に透明であること及び粒子径測定の結果から、実施例29Aで作製したα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子は平均粒子径が約12nmである一次粒子が平均粒径200nmおよび1700nmの、弱いクラスターを形成していることが確認できた。蒸留水を使用した場合もイオン交換水を使用した場合も粒子径はほぼ同じであった。実施例29Aでイオン交換水を使用して作製したα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子の粒子径分布を(大塚電子 FPAR1000)によって測定した結果を、図8に示す。
実施例24A、24B、25A、25B、33A、33B、36Aおよび36Bで作製したα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子の溶液のそれぞれについても、光散乱光度計(大塚電子 FPAR1000)によって粒子径を測定した。
実施例22Aで作製したα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子と、比較例22−1Aで作製したα−リポ酸分散液(塩化カルシウムも炭酸ナトリウムも添加しないもの)をそれぞれ60℃にて保存(加熱保存)し、3週間まで1週間ごとに溶液中のα-リポ酸の量をHPLCで分析した。加熱保存後のα−リポ酸の量を加熱前のα−リポ酸の量で除算して100を乗算することにより、α−リポ酸の残存率を計算した。α−リポ酸の残存率の結果を以下の表6および図9に示す。■は比較例22−1Aのα−リポ酸分散液の結果であり、□は実施例22Aのα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子の結果である。
実施例29Aで作製したα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子と、比較例22−2Aで作製した塩化マグネシウムと炭酸ナトリウムを添加しないα−リポ酸ナノ粒子をそれぞれ60℃にて保存し、3週間まで1週間ごとに溶液中のα-リポ酸の量をHPLCで分析した。加熱保存後のα−リポ酸の量を加熱前のα−リポ酸の量で除算して100を乗算することにより、α−リポ酸の残存率を計算した。α−リポ酸の残存率の結果を以下の表7および図10に示す。■は比較例22−2Aのα−リポ酸ナノ粒子の結果であり、△は実施例29Aのα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子の結果である。
直径3.5cmのプラスチックシャーレにD−MEM培地(D−MEM培地に終濃度10% FCS、100ユニット/mlのペニシリン(penicillin)と100μg/mlのストレプトマイシン(streptomycin)になるように添加したもの)を1.5ml添加した。そこに脂肪前駆細胞である3T3−L1細胞を5.0×104個接種し、3日間前培養を行いコンフルエント状態にした。その後、培地を脂肪細胞分化誘導培地(D−MEMに終濃度10%FCS、100ユニット/mlのペニシリンと100μg/mlのストレプトマイシン、5μg/mlのインスリン、0.25μMのデキサメタソン(dexamethasone)、0.5mMのイソブチル−メチルキサンチン(isobutyl−methylxanthine)(IBMX)になるように添加したもの)3mlに交換した。さらに2日後、同じ組成の脂肪細胞分化誘導培地3mlと交換し、そして2日間培養し、合計して4日間脂肪細胞分化誘導培地で培養した。この培養の際に、脂肪細胞分化誘導培地にはα−リポ酸溶液あるいは実施例20Aのα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子溶液を、α−リポ酸濃度で0、100、250または500μMになるように添加した。培養は全て5%CO2、37°Cの条件で行った。
直径3.5cmのプラスチックシャーレにD−MEM培地(D−MEM培地に終濃度10%FCS、100ユニット/mlのペニシリンと100μg/mlのストレプトマイシンになるように添加したもの)を1.5ml添加した。そこに脂肪前駆細胞である3T3−L1細胞を5.0×104個接種し、3日間前培養を行いコンフルエント状態にした。その後、培地を脂肪細胞分化誘導培地(D−MEM培地に終濃度10%FCS、100ユニット/mlのペニシリンと100μg/mlのストレプトマイシン、5μg/mlのインスリン、0.25μMのデキサメタゾン、0.5mMのイソブチル−メチルキサンチンになるように添加したもの)3mlに交換して4日間培養し、脂肪細胞への分化を誘導した。さらにその後、脂肪細胞成熟化培地(D−MEM培地に終濃度10%FCS、100ユニット/mlのペニシリンと100μg/mlのストレプトマイシン、5μg/mlのインスリンになるように添加したもの)に交換し、7日間培養した。その後、試験培地に交換して更に4日間培養した。試験培地には脂肪細胞成熟化培地にα−リポ酸溶液あるいは実施例20Aのα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子溶液をα−リポ酸濃度で0、100、250または500μMになるように添加した。それぞれの培地は培養2日毎に同じものに交換した。培養は全て5%CO2、37°Cの条件で行った。
試験例7と同様の方法で培養を行った。α−リポ酸および実施例20Aのα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子はそれぞれ終濃度250μMで添加した。この細胞の培養上清を全量回収し培養上清画分とした。さらに細胞をPBS緩衝液で洗浄後、常法にて回収・洗浄を行い遠心処理で沈殿させ、500μLの精製水で懸濁し超音波処理にて破砕した。この破砕液を毎分15000回転、4℃で15分間遠心し、上清を回収し、これを細胞破砕液画分とした。各画分の残存α−リポ酸濃度を高速液体クロマトグラフ質量分析計を用いて定量した。
ヘアレスマウス(Hr/kud、9週齢、雄)に紫外線を照射し皺モデルマウスを作製した。この皺モデルの作製においては、紫外線を13週間(5日間/週、月曜から金曜まで)にわたって、UVA、UVBがそれぞれ合計148.99J/cm2、3.49J/cm2の照射量になるように照射した。皺モデルを作製後、マウス背部に0.01%α−リポ酸を含有する市販品化粧品と実施例21Aの0.01%α−リポ酸−MgCO3ナノ粒子含有水性分散液をそれぞれ30mg/cm2/dayの量で5回/週(月曜から金曜まで)で塗布し、これを6週間行った。対照区としては何も製剤を塗布せず6週間飼育した無塗布群およびUV照射による皺形成を行わずに同時に飼育した無処置区を用いた。作製した皺モデルはレプリカ法によって評価し、図15に示す独自に設定した点数化基準を元に、目視によって皺の程度を比較し、皺モデルマウスの点数化を行った。また、マウス背部皮膚のパラフィン包埋切片を作製し、ヒアルロン酸の染色をすることでその量を比較した。ヒアルロン酸の染色は、ビオチンで標識化したヒアルロン酸結合タンパク質(ビオチン標識HABP、生化学工業)をプローブとして用い、ストレプトアビジン標識した蛍光色素(Cy3ストレプトアビジン(Cy3 streptavidin)、Jackson ImmunoResearch LABORATORIES)により検出する方法を用いた。
30代男性被験者(被験者1)に一方の半顔には0.01%α−リポ酸含有水性分散液を、他方の半顔には実施例21Aの0.01%α−リポ酸−MgCO3ナノ粒子含有水性分散液を、1日2回、連日、ムラなく塗布してもらった。また、50代女性被験者(被験者2)には半顔だけに実施例21Aの0.01%α−リポ酸−MgCO3ナノ粒子含有水性分散液を連日ムラなく塗布してもらい、半顔は無塗布とした。それぞれの試験期間は16週間行い、皺の評価は試験前と16週間後に眼尻からレプリカを作製して行った。
直径6.0cmのプラスチックシャーレにD−MEM培地(D−MEM培地に終濃度10%FCS、100ユニット/mlのペニシリンと100μg/mlのストレプトマイシンになるように添加したもの)を3ml添加した。そこに脂肪前駆細胞である3T3−L1細胞を1.5×105個接種し、3日間前培養を行いコンフルエント状態にした。その後、培地を脂肪細胞分化誘導培地(D−MEMに終濃度10%FCS、100ユニット/mlのペニシリンと100μg/mlのストレプトマイシン、5μg/mlのインスリン、0.25μMのデキサメタゾン、0.5mMのイソブチル−メチルキサンチンになるように添加したもの)3mlに交換した。さらに2日後、同じ組成の脂肪細胞化誘導培地3mlと交換し2日間培養し、合計4日間脂肪細胞分化誘導培地で培養した。脂肪細胞分化誘導培地にはα−リポ酸溶液と実施例50Aのα−リポ酸−MgCO3ナノ粒子溶液がそれぞれα−リポ酸濃度で0、100、250、500μMになるように添加した。培養後、培養上清を除いたシャーレにPBS緩衝液を1ml添加し、細胞をセルスクレーパーで回収した。こうして回収した細胞を超音波破砕したものを細胞破砕液とし、これに含まれるヒアルロン酸量を酵素免疫測定法(ELISA)により定量した。ヒアルロン酸ELISAの実験方法はAnnica Jacobsonら、Int. J. Cancer. 102:212−219(2002)に記載される方法に従って行った。また、培養は全て5%CO2、37°C条件で行った。
当該分野で通常行われる方法に従って以下の表9に示す配合の材料を混合して外用剤軟膏を製造する。
当該分野で通常行われる方法に従って以下の表10に示す配合の材料を混合して化粧用乳液を製造する。
当該分野で通常行われる方法に従って以下の表11に示す配合の材料を混合して練り歯磨きを製造する。
当該分野で通常行われる方法に従って以下の表12に示す配合の材料を混合してタブレットを製造する。
当該分野で通常行われる方法に従って以下の表13に示す配合の材料を混合して注射液を製造する。
当該分野で通常行われる方法に従って以下の表14に示す配合の材料を混合して化粧水を製造する。
当該分野で通常行われる方法に従って以下の表15に示す配合の材料を混合して皮膚外用ローションを製造した。
ヘアレスマウス(Hos:HR−1、25週齢、雄)の背部に70mJ/cm2のUV−Bを単回照射した。紫外線照射後、このマウスに実施例57により得られたα−リポ酸−CaCO3ナノ粒子含有皮膚外用ローションを一日あたり100μlずつ1日1回、連続4日間塗布した。紫外線照射直前および紫外線照射日から4日目および5日目に経皮水分蒸散量(TEWL)の測定を行い、皮膚バリア機能の状態をチェックした。紫外線照射日から各測定日における紫外線照射直前のTEWLに対する増加量をΔTEWLとし皮膚バリア機能低下の目安とした。
当該分野で通常行われる方法に従って以下の表17に示す配合の材料を混合してドリンク剤を製造した。
当該分野で通常行われる方法に従って以下の表18に示す配合の材料を混合して清涼飲料水を製造した。
Claims (4)
- α−リポ酸と、非イオン性界面活性剤と、2価金属イオンと、炭酸イオンまたはリン酸イオンとを含む、α−リポ酸ナノ粒子を含有する、皮膚外用剤。
- α−リポ酸と、非イオン性界面活性剤と、2価金属イオンと、炭酸イオンまたはリン酸イオンとを含む、α−リポ酸ナノ粒子を含有する、医薬品。
- α−リポ酸と、非イオン性界面活性剤と、2価金属イオンと、炭酸イオンまたはリン酸イオンとを含む、α−リポ酸ナノ粒子を含有する、口腔用組成物。
- α−リポ酸と、非イオン性界面活性剤と、2価金属イオンと、炭酸イオンまたはリン酸イオンとを含む、α−リポ酸ナノ粒子を含有する、食品。
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