JP5024924B2 - 皮膚バリヤ機能改善剤 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧品、医薬品分野において、保湿効果が優れ、荒れ肌、敏感肌、乾燥肌等のダメージ肌を改善する外用剤において、経皮水分蒸散量の回復を促し、かつ使用感が良好で、取り扱い性が優れる皮膚バリヤ機能改善剤に関するものである。
セロオリゴ糖は、セロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースの総称であり、グルコピラノース単位1〜6個が、β−1,4結合した少糖類である。
人間の皮膚の中でも、角層は生体の外界環境に対する障壁(バリヤ)として機能している。皮膚のバリヤ機能は、皮膚の経皮水分蒸散量と密接に関係し、この経皮水分蒸散を抑えることが、皮膚の柔軟性、潤いを保つ上で重要である(非特許文献1、2参照)。
これまで、糖類またはオリゴ糖類を有効成分とし、角層のラメラ構造の再生に着目した発明がなされている。
特許文献1には、グルコース及び/又はラフィノースを含有する皮膚の角層細胞におけるラメラ構造再生剤、およびグルコースと少糖類を含有することを特徴とする皮膚の角層細胞におけるラメラ構造再生剤が記載されている。
かかる文献には、ラメラ構造再生剤として、グルコースを必須成分として含み、少糖類としてラフィノース、メリビオース、トレハロース、スクロース、マルトース、セロビオース、ゲンチアノース、スタキオース、シクロデキストリンから選ばれる1種以上を含む外用剤の記載がある。該文献によると、確かに、ラフィノース、メリビオース、トレハロース、スクロース、シクロデキストリンについて、ラメラ構造の再生効果が認められ、さらにグルコースとラフィノースを併用することで、「べたつき」を低減する効果が認められている。
しかしながら、該文献には、セロビオースを含む上記セロオリゴ糖類の経皮水分蒸散量の回復についての記載がなく、特にセロオリゴ糖が、グルコースを含まずとも、使用感に優れ、かつ経皮水分蒸散量の回復促進に優れ、皮膚バリヤ機能が向上することについては全く知られていない。
また、該文献のラメラ構造改善剤は、グルコースを、ラフィノースまたは少糖類に対し7.4モル%以上と多量に含む必要があるため、アミノ酸、蛋白質等のアミノ基含有成分と併用し、加熱工程を経た場合、メイラード反応により褐変・変色が生じ、商品価値を著しく低下させる問題があった。本発明は、グルコースを必須成分とせずとも、「べたつき」、褐変が少なく、肌のバリヤ機能を改善できる点で、上述の発明と本質的に異なるものである。
従って、本発明の如く、特定範囲のセロビオース含量を有するセロオリゴ糖を有効成分とし、グルコースを併用せずとも、使用感が良好で、褐変が少なく、経皮水分蒸散量の回復を促進する皮膚バリヤ機能改善剤は知られていなかった。
「化粧品の有用性 評価技術の進歩と将来展望」薬事日報社発行,82−101(2001) 「機能性化粧品」日本化粧品科学会編 株式会社ジスク発行,235−252(1991) 特開2006−45186号公報
本発明は、皮膚の保湿機能を高め、荒れ肌、敏感肌、乾燥肌等のダメージ肌を改善でき、使用感が良好で、褐変し難い皮膚バリヤ機能改善剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定の糖組成のセロオリゴ糖を含有する皮膚バリヤ機能改善剤が、経皮水分蒸散量の回復を促進し、皮膚の保湿性を高めることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下に記載する通りの皮膚バリヤ機能改善剤である。
(1)セロビオース含量が70質量%以上、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上を0.1〜30質量%を含み、グルコース含量が3.8質量%未満であるセロオリゴ糖を含有することを特徴とする皮膚バリヤ機能改善剤。
(2)経皮水分蒸散量の回復促進率が10%以上であることを特徴とする上記(1)に記載の皮膚バリヤ機能改善剤。
(3)上記(1)又は(2)に記載の皮膚バリヤ機能改善剤を含有する外用剤
本発明の皮膚バリヤ機能改善剤は、褐変し難く、使用感が良好であり、これを外用剤として使用することで、経皮水分蒸散量の回復を促し、ダメージ肌のバリヤ機能を改善できる。
本発明について、特にその好ましい態様を中心に、以下具体的に説明する。
本発明の皮膚バリヤ機能改善剤は、セロビオース含量が70質量%以上、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上を0.1〜30質量%含み、グルコース含量が3.8質量%未満であるセロオリゴ糖を含有する必要がある。上述のセロオリゴ糖を含有することで、ダメージ肌の経皮水分蒸散量の回復率が高められ、グルコースを併用せずとも、「べたつき」がなく、「滑り(なめらか)」感を有し、使用感が良好なバリヤ機能改善剤が得られる。
本発明におけるセロオリゴ糖のセロビオース含量は70質量%以上である。このセロビオース含量は、高いほど経皮水分蒸散量の回復促進率が向上する。従って、該セロビオース含有量は、80質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。セロビオース含量が高いほど、上述の効果が大きくなる為、その上限は特に設定されないが、簡便な操作で得られる範囲としては、99.9質量%以下である。
本発明におけるセロオリゴ糖は、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上を0.1−30質量%含むものである。セロオリゴ糖が、上述の範囲のセロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上を含有することで、経皮水分蒸散量の回復に優れ、かつ、「滑り(なめらかさ)」に優れ、「べたつき」が少なくなる。但し、これらの成分の含有率が高すぎると、バリヤ機能改善剤の「滑り(なめらか)」感が低減するため、その含有率は0.1−10質量%が好ましく、0.1−5質量%以下がより好ましく、0.1−3質量%以下が特に好ましい。
本発明のバリヤ機能改善剤におけるグルコース含量は3.8質量%未満である。グルコースは、アミノ酸、蛋白質糖のアミノ基を揺する構成成分と反応し、皮膚バリヤ機能改善剤の褐変、および有効成分の失活の原因となる。従って、このグルコース含量は、低い程、上述の褐変および有効成分の失活を抑制できるため好ましい。グルコース含量は、3.5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。下限は特に設定されないが、簡便な操作で得られる範囲としては、0.1質量%以上である。
以下に、本発明のバリヤ機能改善剤におけるセロオリゴ糖、グルコース含量の分析法を記す。本発明のセロオリゴ糖は、純水に1質量%濃度で溶解させた後、高速液体クロマトグラフィー(クロマトグラフィーシステム:島津製作所(株)製 商品名 SCL−10A、カラム:島津製作所製 商品名 Asahipak NHP−50、移動相:アセトニトリル/水=75/25(容積比))で分析できる。セロオリゴ糖の糖組成は、上述の方法で得られたクロマトグラムにおけるセロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースのピーク面積を質量換算し、総質量に占める、それぞれの質量百分率で表される。グルコースの含有率も、同様の方法で求められ、セロビオースとグルコースのピーク面積から算出される総質量に対するグルコースの質量の百分率で表される。
次に、本発明のバリヤ機能は、経皮水分蒸散量の回復促進率で表され、本発明のバリヤ機能改善剤における経皮水分蒸散量の回復促進率は10%以上である。ここでいう回復促進率とは、荒れ肌にセロオリゴ糖水溶液を塗布した2時間後の相対経皮水分蒸散量と、精製水により得られた相対経皮水分蒸散量を用い、精製水の相対経皮水分蒸散量に対するセロオリゴ糖の相対経皮水分蒸散量の低下率で表される。この値は以下の式で求められるものである。
回復促進率(%)=[(水の相対経皮水分蒸散量)−(セロオリゴ糖の相対経皮水分蒸散量)]/(水の相対経皮水分蒸散量)×100
この回復促進率は高いほど、上述のバリヤ機能改善への効果が高く、20%以上が好ましく、25%以上がより好ましい。
また、上記の経皮水分蒸散量の相対値(相対経皮水分蒸散量)は、荒れ肌における経皮水分蒸散量(TEWL)により測定できる。測定方法は、まず、ヒトの前腕内側(被検部位)を70%エタノールでふき取った後、恒温恒湿室(室温22℃、湿度45%)で15分間馴化し、被検部位を2チャンネル水分蒸散モニター(アサヒバイオメッド社製 TW−AS型)で測定し、初期TEWL値(TEWL0)を求める。初期TEWLの測定後、被検部位を水洗し、フィンチャンバー(Epitest社製)を用いて、2質量%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を被検部位に閉塞貼付塗布し、水洗後、上述と同様にTEWLを測定(TEWL荒れ肌)する。次に、同部位に、精製水または本発明のセロオリゴ糖水溶液を塗布し、塗布の2時間後に、同部位を上述の方法でTEWL測定(TEWL2)を行う。荒れ肌を100としたTEWL相対値は、以下の式で求められる。相対経皮水分蒸散量(%)=(TEWL2−TEWL0)/(TEWL荒れ肌−TEWL0)x100
次に、本発明におけるセロオリゴ糖の製造方法について説明する。
本発明のセロオリゴ糖の起源には、特に制限はなく、セルロース系物質の加水分解で製造されたもの、グルコース等の単糖類またはその誘導体を縮合または糖転移させ製造されたものでもよいが、酵素分解法で得られたものが、安全性の点で好ましい。
酵素分解に使用するセルロース系物質としては、植物性でも、動物性でもよく、例えば、木材、竹、コットン、ラミー、ホヤ、バガス、ケナフ、麦、稲、バクテリアセルロース等の含有する天然物由来の繊維質物質、またそれらを一旦溶剤に溶解させ再生させた再生セルロースでも、それらの化学処理を施しセルロース誘導体としたものでもよく、上記のうち、1種または2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶解または化学処理を経ない、天然セルロース系物質を用いると、得られたセロオリゴ糖に人体に有害な溶剤または化学物質が含まれないため好ましい。また、セルロース系物質は精製パルプの状態で使用することが好ましく、パルプの精製方法には特に制限はなく、サルファイトパルプ、クラフトパルプ、NBKPパルプ等のいずれのパルプを使用してもよい。
また、セルロース系物質を酵素分解する場合には、使用するセルロース系物質としては、一旦加水分解し、平均重合度を700以下に部分加水分解したセルロース系物質を用いると、セロオリゴ糖の収率を向上させる上で好ましい。さらに、該特定の重合度を有するセルロース系物質は、平均粒子径を100μm以下、コロイド状セルロース成分含有量を10質量%以上に制御したものを用いることが、酵素分解速度の向上、セロオリゴ糖選択率が向上するため好ましい。
本発明では、セルロース系物質の加水分解に用いる酵素をセルラーゼといい、本発明で使用するセルラーゼとは、セルロースを分解する酵素の総称であり、セルロースへの分解活性を有していれば、本発明でいうセルラーゼに含まれる。セルラーゼ酵素源としては、例えば、セルラーゼ産生生菌体そのもの、セルラーゼ産生菌が分泌する酵素を精製したもの、精製酵素を賦形剤、安定化剤等の添加剤ともに製剤化したもの等が挙げられる。セルラーゼ製剤品の場合、それに添加される添加剤にも特に制限はなく、その剤形は、粉末、顆粒、液体等いずれでもよい。
セルラーゼの起源についても、特に制限はないが、例えば、公知のセルラーゼを生産する微生物としては、トリコデルマ(Tricoderma)属、アクレモニウム(Acremonium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ペニシリウム(Penicillium)属、アエロモナス(Aeromonus)属、イルペックス(Irpex)属、スポロトリクム(Sporotrichum)属、フミコーラ(Humicola)属、セロビブリオ(Cellovibrio)属等の「セルラーゼ」(講談社サイエンティフィック発行(1987))、「セルロースの事典」(朝倉書店発行(2000))に記載される菌が生産するセルラーゼを挙げることができるが、セルロースを分解する酵素であれば、上記公知の菌由来の酵素に限らず、新規の菌由来の酵素も、本発明のセルラーゼに含まれる。
酵素分解方法は、公知の方法を使用すればよく、特に制限されるものではないが、一例としては、セルロース系物質を水性媒体中に懸濁させ、セルラーゼを添加し、攪拌または振とうしながら、加温して糖化反応を行う方法が挙げられる。
上記方法において、懸濁方法、攪拌方法、セルラーゼ・基質の添加方法・添加順序、それらの濃度等の反応条件は、セロオリゴ糖がより高収率で得られるよう適宜調整されるものである。その際の、反応液のpH及び温度は、酵素が失活しない範囲内であればよく、一般的には、常圧で反応を行う場合、温度は5〜95℃、pHは1〜11の範囲でよい。また、この圧力、温度、pHについても、上記同様、セロオリゴ糖がより高収率で得られるよう適宜調整されるものである。
上述の酵素分解により得られたセロオリゴ糖水溶液は、必要に応じて、脱色、脱塩、酵素除去等の精製処理を施すことができる。精製方法は、公知の方法であれば特に制限されないが、例えば、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、クロマトグラフィー処理、精密ろ過、限外ろ過、逆浸透ろ過等の濾過処理、晶析処理等を使用してもよく、これらを単独で使用しても、2種以上を組み合わせてもよい。
セロオリゴ糖の精製方法の中でも、晶析処理は、セロオリゴ糖の組成を制御しやすいため好ましい。
酵素分解法の一例としては、例えば、特願2004−218902、特願2004−323579、特願2005−125966、特願2005−125975、特願2006−041149(いずれも出願人:旭化成ケミカルズ株式会社)に開示される方法で製造されたセロオリゴ糖を使用することが好ましい。
次に本発明のセロオリゴ糖を含有する皮膚バリヤ機能改善剤について説明する。
本発明のセロオリゴ糖を含有するバリヤ機能改善剤は、本発明のセロオリゴ糖を単独で使用しても、水溶液または分散液として使用しても、本発明のセロオリゴ糖に加え、化粧品素材、医薬品薬効成分、またはそれらで使用される添加物の中から選択される1種以上の構成成分に含有され、顆粒、成型体、水溶液、水分散体、ペースト、ゲル状の化粧品/医薬部外品/医薬品として使用してもよい。特に、上記組成物の内、水溶液、水分散体、ペースト、ゲル状のものを、化粧品/医薬部外品/医薬品の皮膚外用剤として使用してもよい。
本発明の皮膚バリヤ機能改善剤におけるセロオリゴ糖の配合量は、0.01〜99.9質量%が好ましい。セロオリゴ糖の配合量が、0.01質量%未満では、経皮水分蒸散量の回復において充分な効果が得られないため好ましくない。
本発明の皮膚バリヤ機能改善剤は、本発明のセロオリゴ糖に加え、グルコース以外の少糖類を含んでもよい。セロオリゴ糖と少糖類の配合比は、本発明の効果が得られれば制限されるものではないが、例えばセロオリゴ糖/少糖類の質量比で、0.1/99.9〜99.9/0.1である。
この少糖類としては、例えば、ガラクトース、フラクトース、マンノース、アラビノース、ラムノース、リボース、キシロース、ソルボース等の単糖類およびそれらの還元物、スクロース、メリビオース、トレハロース、ラクトース、マルトース、ゲンチオビオース、ラミナリビオース、ラクチュロース、キシロビオース等の2糖類およびそれらの還元物、ラクトスクロース、ラフィノース、マルトトトリオース、イソマルトース、パラチノース、ケストース、ゲンチオシルセロビオース等の3糖類およびそれらの還元物、マルトテトラオース、ゲンチオシルセロトリオース、ニストース等の4糖類およびそれらの還元物、マルトペンタオース、マルトヘキサオース等の5または6糖類およびそれらの還元物、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、デキストラン等の環状少糖類、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、カードラン等の水溶性多糖類およびそれらの還元物、ソルビトール、キシリトール、マルチロール、マンニトール、ラクチトール等の糖アルコールが含まれる。これらの少糖類は、少糖類そのままのものであっても、溶解性等を改善する目的で、その化学構造内の水酸基を、カルボキシル化、エチル化、メチル化、硫酸エステル化等の化学処理を施し、誘導体としたものを使用してもよい。
本発明でいう構成成分とは、セロオリゴ糖以外の少糖類、化粧品素材、医薬品薬効成分、色素、香料、金属、セラミックス又は賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、矯味剤、着色剤、甘味剤、溶剤、油脂、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤等の添加剤のことであり、粉体状、結晶状、油状、液状、半固形状などいずれの形態でもよく、例えば「日本薬局方」(廣川書店発行)、「医薬品添加剤事典」(薬事日報社発行)、「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)に記載のものを用いることが可能である。
また、それらは種々の目的でコーティング、リポソーム化等の加工を施したものであってもよい。これらの構成成分は単独で使用しても、複数を併用してもよい。構成成分の添加量としては、0.01質量%−99質量%である。
本発明の皮膚バリヤ機能改善剤は、溶解、混合、分散、造粒、溶融・固化、圧縮、乾燥等の公知の方法で加工できる。
以下に、本発明のセロオリゴ糖を含有する皮膚バリヤ機能改善剤と、化粧品素材、医薬品薬効成分、またはそれらで使用される添加物の中から選択される1種以上の構成成分を含む化粧品/医薬品部外品/医薬品の製造方法について記述するが、本発明の効果は、以下の方法に制限されるものではない。
各成分の添加方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、1)セロオリゴ糖と構成成分を同時に添加し、混合/分散しても、2)セロオリゴ糖と特定の構成成分を予め混合/分散した後に、別の構成成分を添加し、混合/分散しても、3)2種以上の構成成分を予め混合/分散した後、セロオリゴ糖を添加し、混合/分散しても、これらの添加方法を組み合わせた方法でもよい。
ここで用いる装置としては、小型吸引輸送装置、空気輸送装置、バケットコンベヤ、圧送式輸送装置、バキュームコンベヤ、振動式定量フィーダー、スプレー、漏斗等を用いて連続的に添加しても、一括投入してもよい。また、各成分の混合方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、V型、W型、ダブルコーン型、コンテナタック型混合機などの容器回転式混合機、あるいは高速撹拌型、万能撹拌型、リボン型、パグ型、ナウター型混合機などの撹拌式混合機、高速流動式混合機、ドラム式混合機、流動層式混合機を使用してもよい。またシェーカー等の容器振とう式混合機を使用することもできる。
分散方法としては、通常行われる分散方法であれば特に制限はないが、ポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式、管路式等の撹拌翼を使用する撹拌混合方法、ラインミキサー等の噴流式撹拌混合方法、気体吹き込み式の撹拌混合方法、高剪断ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等を使用する混合方法でも、シェーカーを使用する容器振とう式混合方法等を用いてもよく、これらを組み合わせた方法でもよい。
また、上述の混合、分散において、水又は水/有機溶剤に必要に応じて界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤を添加した水系媒体を添加する順序には特に制限はないが、1)セロオリゴ糖に予め水系媒体を添加し、溶解/分散させた後に、他の構成成分を添加しても、2)構成成分に予め水系媒体を添加し、溶解/分散させた後に、セロオリゴ糖を添加しても、3)セロオリゴ糖と構成成分を予め混合/分散させた後に、水系媒体を添加してもよく、これらを組み合わせた方法でもよい。ここで得られた水溶液、分散体、乳液等の各液状、ペースト、ゲル等の各半固形状の化粧品/医薬部外品/医薬品は、必要に応じて乾燥し、造粒、コーティング、成型等の加工を施してもよい。
造粒・コーティング方法としては、公知の方法であれば特に制限はないが、攪拌式または流動層式のいずれでもよく、それらを組み合わせた方法でもよい。攪拌式造粒機としては、例えばポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式の攪拌機、流動層式としては上部噴霧式、中央噴霧式、下部噴霧式、攪拌併用式、中央缶噴流式、ワースター式等が挙げられる。また、ローラーコンパクタを使用した乾式造粒を施してもよい。
コーティングについては、予め造粒物を得、それに公知のコーティングを施してもよく、コーティングを施した後、さらに別のコーティングを施し多層状としてもよい。コーティング剤の噴霧方法としては、圧力ノズル、二流体ノズル、四流体ノズル、回転ディスク、超音波ノズル等を使用し活性成分溶液/分散液を噴霧する方法、管状ノズルから活性成分溶液/分散液を滴下する方法のいずれでもよい。活性成分溶液/分散液を添加する際には、セロオリゴ糖粒子表面に活性成分を積層させるようなレイヤリング、コーティングを施しても、セロオリゴ糖に担持させてもよく、構成成分溶液/分散液を結合液としてセロオリゴ糖と他の構成成分の混合物をマトリックス状に造粒させてもよい。レイヤリング、コーティングは湿式であっても、乾式であっても効果は同様である。
成型方法としては、通常行われている方法であれば特に制限はないが、型枠を用いてもよく、圧縮、溶融、射出、圧延等の公知の成型方法が適用でき、これらを組み合わせた方法でもよい。ここで用いられる成型機としては、圧縮成型機、溶融成型機、射出成型機、圧延成型機等が挙げられ、製菓用/化粧品/医薬品用成型機、米飯成型機、コンプレスド成型機、包あん機、蒲鉾製造装置、餃子・包子成型機、ファンデーション基材用圧縮成型機等の公知の成型機が使用できる。特に圧縮成型に関しては、型枠を使用し所望の形状に圧縮成形する方法、予めシート状に圧縮成形した後所望の形状に割断する方法でもよい。圧縮成形機としては、例えば、静圧プレス機、ブリケッティングローラー型プレス機、平滑ローラー型プレス機等のローラー式プレス機、シングルパンチ打錠機、ロータリー打錠機等の圧縮機を使用できる。
次に、上述の皮膚バリヤ機能改善剤の製造において使用される構成成分の一例を記す。
例えば、化粧品素材またはそこで使用される添加剤としては、本発明のセロオリゴ糖に加え、必要に応じて、保湿剤、アミノ酸、ビタミン類、炭化水素、高級脂肪酸、エステル類、シリコーン、界面活性剤、pH調整剤、水を添加してもよい。これらの化粧品素材または添加剤は、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
例えば、保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、コラーゲン、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸、ヨクイニン抽出物、大豆レシチン等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)に保湿剤として分類されるものが挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、トリプトファン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルタミン、アスパラギン等の中性アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、ヒドロキシリジン等の塩基性アミノ酸等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)にアミノ酸として分類されるものが挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンCを使用することができる。ビタミンAとしては、レチノール、レチナール、レチノイン酸、3−デヒドロレチノール、3−デヒドロレチナール、3−デヒドロレチノイン酸、β−カテキンが挙げられ、ビタミンDとしては、エルゴカルシフェロール(D2)、コレカルシフェロール(D3)、エルゴステロール、7−ヒドロコレステロールが挙げられ、ビタミンEとしてはα−トコフェロールが挙げられ、ビタミンKとしては、フィロキノン(K1)、メナキノン(K2)、メナジオン(K3)が挙げられ、ビタミンBとしてはチアミン(アノイリン)が挙げられ、ビタミンBとしてはリボフラビンが挙げられ、ビタミンBとしてはピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンが挙げられ、ビタミンB12としてはコバラミンが挙げられ、葉酸としてはプテロイルグルタミン酸が挙げられ、ナイアシンとしてはニコチン酸、ニコチンアミド(ニコチン酸アミド)が挙げられ、ビタミンCとしてはアスコルビン酸が挙げられる。これらのビタミンは、1種を単独で用いても、2種以上を併用することも自由である。また、これらのビタミンは、脂溶性であっても、水溶性であってもよく、通常、化粧品、医薬品、医薬部外品、食品に用いられるものを使用することが好ましい。「日本薬局方」(廣川書店発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)に分類されるものを用いることが好ましい。
炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィン、スクラワン、ワセリン等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)に炭化水素として分類されるものが挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベへリン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)に高級脂肪酸として分類されるものが挙げられる。
エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミスチリン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、鳥居素ステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油四郷産メチルエステル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)にエステルとして分類されるものが挙げられる。
シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、度デカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シロキサン、架橋した編み目構造のシリコーン樹脂等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)に記載されるシリコーン類が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アシルグルタミン酸塩等のアシルアミノ酸塩、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸塩等のアニオン性界面活性剤に加え、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化(N,N‘−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピチジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のアルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体等のカチオン性界面活性剤、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホバタイン等のベタイン系両性界面活性剤等の両性界面活性剤、ソルビタンノモオレエート、ソルビタンモノモイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、パンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビタンテトラオレエート等のポリオキシエチレン−ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン−ソルビットモノラウレート、ポリオキシエチレン−ソルビットモノオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビットペンタオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビットモノステアレート、ポリオキシエチレン−グリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレン−グリセリントリイソステアレート等のポリオキシエチレン−グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンモノジオレエート、システアリン酸エチレングリコール等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸等のポリオキシエチレンヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体等の非イオン性界面活性剤等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)に界面活性剤として分類されるものが挙げられる。
pH調整剤としては、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、リン酸−リン酸ナトリウム、酢酸−酢酸ナトリウム、Mclvine試薬等の「化粧品原料基準」、「化粧品種別配合成分規格」(いずれも薬事日報社発行)に記載される緩衝剤が挙げられる。
医薬品薬効成分としては、例えば、解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、眠気防止薬、鎮暈薬、小児鎮痛薬、健胃薬、制酸薬、消化薬、強心薬、不整脈用薬、降圧薬、血管拡張薬、利尿薬、抗潰瘍薬、整腸薬、骨粗鬆症治療薬、鎮咳去痰薬、抗喘息薬、抗菌剤、頻尿改善剤、滋養強壮剤、ビタミン剤など、経皮または経口で投与されるものが対象となる。薬効成分は、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
次に、医薬品/医薬部外品において使用する添加剤について記載する。
賦形剤としては、アクリル酸デンプン、L−アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノ酢酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、イノシトール、エチルセルロース、エチレン・酢酸ビニルコポリマー、塩化ナトリウム、オリーブ油、カオリン、カカオ脂、カゼイン、果糖、軽石粒、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥酵母、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸ナトリウム、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテン末、キシリトール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリセリン、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン、クレー、クレー粒、クロスカルメロースナトリウム、クロスポリビニルピロリドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、結晶セルロース(粒)、ゲンマイコウジ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ゴマ油、小麦粉、コムギデンプン、小麦胚芽粉、コメコ、コメデンプン、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、サフラワー油、サラシミツロウ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、β―シクロデキストリン、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム・ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化マグネシウム、スクラワン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、ステロテックスHM、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、精製白糖球状顆粒、セトステアリルアルコール、セトポリエチレングリコール、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、第三リン酸カルシウム、ダイズ油、大豆不ケン化物、大豆レシチン、脱脂粉乳、タルク、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、中性無水硫酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、トウモロコシデンプン、トラガント末、二酸化ケイ素、乳酸カルシウム、乳糖、白色ワセリン、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦芽葉青汁乾燥粉末、ハチミツ、パラフィン、バレイショデンプン、半消化体デンプン、人血清アルブミン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フィチン酸、ブドウ糖、ブドウ糖水和物、部分アルファー化デンプン、プルラン、プロピレングリコール、粉末還元麦芽糖水飴、粉末セルロース、ペクチン、ベントナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリエチレングリコール、マルチトール、マルトース、D−マンニトール、水アメ、ミリスチン酸イソプロピル、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸カルシウム造粒物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、綿実粉、綿実油、モクロウ、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、ラッカセイ油、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、粒状トウモトコシデンプン、流動パラフィン、dl−リンゴ酸、リン酸−水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に賦形剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン類、クロスポリビニルピロリドン、クロスポリビニルピロリドンコポリマー等の合成高分子等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に崩壊剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
結合剤としては、白糖、ブドウ糖、乳糖、果糖等の糖類、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール類、ゼラチン、プルラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、グルコナンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性多糖類、結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類、アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子類、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機化合物類等「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に結合剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
流動化剤としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等のケイ素化合物類等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に流動化剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、タルク等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に滑沢剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
矯味剤としては、グルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、1−メントール等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に矯味剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
香料としては、オレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール、ウイキョウ油、ケイヒ油、トウヒ油、ハッカ油等の油類、緑茶末等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に着香剤、香料として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
着色剤としては、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等の食用色素、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン、リボフラビン等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に着色剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン酸二カリウム、ステビア、マルトース、マルチトール、水飴、アマチャ末等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に甘味剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
溶剤としては、医薬品/医薬部外品に使用されるものであれば、特に制限されるものでは、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に溶剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
油脂としては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステア リン酸ショ糖エステル、流動パラフィン等のパラフィン類、カルナウバロウ,硬化ヒマシ油等の硬化油類、ヒマシ油、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に記載される油脂が挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
増粘剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、デンプン糊等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に記載される増粘剤が挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
界面活性剤としては、例えば、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンサンモノラウレート、ポリソルベート、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリド、モノオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、モノオキシエチレンソルビタンモノステアレート、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、ラウリル硫酸ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に界面活性剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン等の動物性ゲル化剤、寒天、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、カードラン、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、微結晶セルロース等植物性多糖類、ポリビニルピロリドン等の化学合成高分子等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)にゲル化剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
以下に、本発明の皮膚バリヤ機能改善剤を用いた化粧品/医薬部外品/医薬品の例を挙げる。
化粧品としては、例えば、香油、ヘアオイル、つや出し油、スキ油、びん油、セットローション、ヘアスティック、ヘアクリーム、ポマード、ヘアスプレー、ヘアリキッド等の整髪料、ヘアトニック、ヘアトリートメント、ヘアローション等の養毛料、カラースプレー、カラーリンス等の毛髪着色料、頭皮料、髪洗粉、シャンプー等の洗髪料、ヘアリンス、オイルリンス、クリームリンス、ボディリンス、フェイシャルリンス等のリンス、クレンジングクリーム、洗顔クリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、洗粉等の洗顔料、パック、油性クリーム、中性クリーム、弱酸性クリーム等のクリーム、ミルクローション、スキンミルク等の乳液、乾性肌用化粧水、普通肌用化粧水、脂肌用化粧水、男性用化粧水、男性ローション、アフターシェーブローション等の化粧水、メイクアップベース、ファンデーション、おしろい、口紅、リップスティック、リップルージュ、リップグロス、リップクリーム等の口紅類、アイシャドー、アイライナー、アイクリーム、眉墨、まつげ化粧料、アイメイクアップリムーバー、アイメイクアップ、頬紅、アイブロウペンシル、アイブロウブラッシュ、マスカラ等の眉目頬化粧料、ネイルエナメル、ネイルクリーム、マニキュア、ペディキュア、エナメルリムーバー、除光液等の美爪料、香水、オーデコロン、パヒュームコロン、オードトワレ等のオーデコロン、バスソルト、バスオイル等の浴用化粧品、オリーブ油、椿油、ベビーオイル等を配合した化粧油、日焼け用化粧品、コールドクリーム、日焼けどめ化粧品、ひげそりクリーム、シェービングフォーム等のシェービングクリーム、プレシェーブ化粧品、タルカムパウダー、ボディパウダー、バスパウダー、パヒュームパウダー等の打粉等の「化粧品科学ガイドブック」(日本化粧品技術者会編、薬事日報社発行)に記載される化粧品が挙げられ、これらに分類されるものに使用してもよい。
医薬部外品/医薬品としては、例えば、エキス剤、懸濁剤、乳剤、酒精剤、浸剤、煎剤、チンキ剤、芳香剤、流エキス剤、液剤、エアゾール剤等の液状製剤/ガレヌス製剤、浣腸剤、洗口剤、吸入剤、湿布剤、消毒剤、耳鼻用液剤、清拭剤、注入剤、塗布剤、噴霧剤、浴剤、油脂性、乳剤性、懸濁性、水溶性、ヒドロゲル性、リオゲル性等の軟膏剤、硬膏剤、パップ剤、ローション剤、リニメント剤等の外用剤、点眼剤等の「薬剤学マニュアル第二版」(南山堂発行)に記載される液剤、外用剤、点眼剤等の剤形が挙げられ、これらに分類されるものに使用してもよい。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例1]
普通寒天培地にトリコデルマ リーセイ(Tricoderma reeesei)を接種し、37℃で7日間培養後、その培地表面から胞子を1白金耳取り、ポリペプトン1g、酵母エキス0.5g、リン酸1カリウム2g、硫酸アンモニウム1.5g、硫酸マグネシウム0.3g、塩化カルシウム0.3g、トレースエレメント1mL(硼酸6mg、モリブデン酸アンモニウム4水和物26mg、塩化鉄(3)6水和物100mg、硫酸銅5水和物40mg、硫酸マンガン4水和物8mg、硫酸亜鉛7水和物200mgを全量100mLの精製水に溶解させたもの)、アデカノール1mL、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製 商品名PH−101)10gを全量1Lの精製水に懸濁および溶解させた培地に植菌し、28℃で5日間通気攪拌培養した。培養中は、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、培地のpHを2.8−4.7となるように調節した。培養後の液を遠心分離し、上清を目開き0.46μmの精密ろ過膜で除菌し、ろ液を分画分子量13000の限外ろ過膜(旭化成ケミカルズ製 商品名マイクローザペンシル型モジュール ACP−0013)で体積比で10倍濃縮し粗酵素を得た。
次に、市販針葉樹由来の溶解パルプを使用し、加水分解条件を塩酸濃度0.4%塩酸水溶液、120℃、1時間として、加水分解し、酸不溶性残渣を洗浄、ろ過し、ウェットケークを得た。このウェットケークをセルロース10%濃度の水分散体とし、超高性能分散機・湿式微粉砕機(アシザワ(株)製、商品名 パールミルRL φ1mmジルコニアビーズ使用 充填率80%)を使用し、圧密・摩砕処理を施し、セルロース微粒子分散体を得た(平均重合度220、ジエチルエーテル可溶物含有率0.7%、平均粒子径0.7μm、コロイド状成分含有率51.5%)。
この摩砕セルロースが2質量%、粗酵素をタンパク質濃度0.25%になるように50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に懸濁溶解させ、全量1000mLとし、ガラス製フラスコに仕込んだ。このガラス製フラスコを、55℃の水槽に仕込み、内部を攪拌しながら4時間反応させた。反応終了後、反応液を懸濁状態で300μL分注し、限外ろ過モジュール(分画分子量10000)を使用し、酵素、未分解セルロースを取り除いた後、高速液体クロマトグラフィーで糖濃度を分析した。該反応液の糖濃度は、セロトリオース〜セロヘキサオース0.2質量%、セロビオース1.5質量%、グルコース0.3質量%であった。
該反応液を、分画分子量13000の限外ろ過膜(旭化成ケミカルズ製 商品名マイクローザペンシル型モジュール ACP−0013)でろ過し、得られたろ液を陽・陰イオン交換樹脂で脱イオン処理し、70℃、減圧下で蒸留し、20倍の糖濃度の水溶液を得た。
[製造例2]
製造例1で得られたセロオリゴ糖水溶液100mLを、200mLのガラス製フラスコに導入し、攪拌しながら、毎時10℃の速度で、70℃から5℃まで冷却した後、エタノールを水に対し60質量%となるよう、毎分10gの速度で加え晶析した。水溶液中に晶出したセロオリゴ糖を、製造例2と同様に、減圧ろ過、乾燥、粉砕、篩下し、セロオリゴ糖粉末CE−1を得た。CE−1の糖組成は、セロビオース含有率が94.9質量%、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースを併せた含有率が2.6質量%、グルコース含有率が2.5質量%であった。
[製造例3]
製造例2で得られたCE−1を、固形分25質量%の水溶液として、製造例2のセロオリゴ糖水溶液の代わりに用い、製造例2と同様の操作を繰り返し、CE−2を得た。CE−1の糖組成は、セロビオース含有率が96.3質量%、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースを併せた含有率が1.7質量%、グルコース含有率が2.0質量%であった。
[製造例4]
製造例2で得られたCE−1を、固形分25質量%の水溶液として、製造例2のセロオリゴ糖水溶液の代わりに用い、製造例2と同様の操作を繰り返し、CE−3を得た。CE−3の糖組成は、セロビオース含有率が99.1質量%、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースを併せた含有率が0.9質量%であった。CE−3に、市販のグルコース(和光純薬製 特級を粉砕したもの)をCE−3に対し2.0質量%分追加し、CE−4を得た。
[製造例5]
CE−1に、市販のグルコース(和光純薬製 特級を粉砕したもの)を、セロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースの総量に対し11.5質量%となるよう追加し、CE−5を得た。
[製造例6]
製造例1の菌株を、セロビブリオ ギルバス(Cellovibrio gilvus)に代え、培養時のpHを調整せず、酵素反応時の緩衝液をpH6.5のリン酸緩衝液に変更する以外は、製造例1と同様の方法でセロオリゴ糖水溶液を作成した。
得られたセロオリゴ糖水溶液を、活性炭を充填したカラムに通してセロビオースリッチの画分を除去し、製造例2と同様の操作でセロオリゴ糖粉末CE−6を得た。CE−6の糖組成は、セロビオース含有率が74.5質量%、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースを併せた含有率が21.8質量%、グルコース含有率が3.7質量%であった。
[実施例1〜5]
製造例1〜6で得られたCE−1、2、4、5、6を用い、セロオリゴ糖水溶液として表1に示す組成の水溶液を用いて以下の試験を行った。
男性3名、女性2名(平均年齢36歳)の被験者による経皮水分蒸散量回復試験を行った。まず、各被験者が、前腕内側(被検部位)を70%エタノールでふき取った後、恒温恒湿室(室温22℃、湿度45%)で15分間馴化した後、被検部位を2チャンネル水分蒸散モニター(アサヒバイオメッド社製 TW−AS型)で3回測定し、その平均値で初期TEWL値(TEWL0)を求めた。次に、初期TEWLの測定後、被検部位を水洗し、フィンチャンバー(Epitest社製)を用いて、2質量%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を被検部位に閉塞貼付塗布し、水洗後、上述と同様にTEWL(TEWL荒れ肌)を測定した。さらに、同部位に、精製水または本発明のセロオリゴ糖水溶液を塗布し、塗布の2時間後に、同部位を上述の方法でTEWL(TEWL2)を測定した。荒れ肌を100としたTEWL相対値を、以下の式(1)で求めた。また、上記のTEWL相対値に基づき、経皮水分蒸散量の回復率を以下の式(2)により求めた。得られた結果は表1に示した。
Figure 0005024924
[比較例1]
セロオリゴ糖水溶液の代わりに、糖を添加しない精製水を使用し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
セロオリゴ糖水溶液の代わりに、ラフィノース(旭化成ケミカルズ製 オリゴGGF)を用い、結晶水を省いた糖質が固形分5%となるよう水溶液を使用し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
表1の結果より、本発明のセロオリゴ糖を用いることで、TEWLの相対値が低減し、経皮水分蒸散量の回復促進率が高くなり、皮膚のバリヤ機能が改善していることが分かる。
また、ラフィノースは、精製水に対しTEWL相対値が悪く、回復率はマイナスを示した。
Figure 0005024924
[実施例6〜8、比較例3〜6]
実施例6〜8、比較例3、4は、セロオリゴ糖およびグルコースを表2に示す処方で水溶液(全糖濃度5質量%)とし、「べたつき」、「滑り(なめらかさ)」、および褐変性を評価した。比較例5は、5質量%のワセリン水溶液を作成し、比較例6は、5質量%のラフィノース水溶液を作成し、上述と同様に評価した。(尚、比較例5について、実施例1〜5と同様に測定したTEWL相対値は、26.4%であった。比較例6のTEWL相対値は、42.1%であった。)
<評価方法>
実施例及び比較例で得たサンプルについて、1)べたつき、2)滑り及び3)褐変性についての評価を行った。なお、1)べたつき及び2)滑りについては、年齢24〜55歳の健常者(男6名、女6名)に、実施例6〜8、比較例3〜6の水溶液および水を内腕部に塗布し、以下の評価基準でアンケートをとった。
1)「べたつき」の評価方法
(べたつき)
1点:べたつく
2点:ややべたつく
3点:どちらともいえない
4点:ややべたつかない
5点:べたつかない
※判断基準は全て水に対してのものである。
2)滑り(なめらかさ)の評価方法
1点:悪い
2点:やや悪い
3点:どちらともいえない
4点:やや良い
5点:良い
・ 判断基準は全て水に対してのものである。
3)褐変性の評価方法
表3の実施例6〜8、比較例3、4の糖組成で全糖濃度が10質量%であり、さらにグリシンを0.5質量%含み、pHが7になるようMclvine水溶液を作成した。作成した各水溶液を100℃で1時間加熱し、20℃に冷却後、λ=480nmの吸光度を測定した。
Figure 0005024924
表2より、実施例6〜8を比較すると、セロオリゴ糖中のセロビオース含量が高いほど「滑り(なめらかさ)」が良くなった。また、実施例と比較例4を比較するとセロオリゴ糖中のセロトリオース〜セロヘキサオースの高分子量成分が増加すると、「滑り(なめらかさ)」が悪化した。褐変性については、実施例と比較例3を比較すると、評価サンプルの吸光度が顕著に増加し、溶液の変色は増した。尚、今回の評価系では、グルコース量に関わらず、「べたつき」に変化はなかった。
実施例と比較例5を比較すると、ワセリンは、TEWL相対値がセロオリゴ糖並であるが、「べたつき」、「なめらかさ」等の感触が悪く、比較例6では、ラフィノースは単独では、TEWL相対値、感触がいずれも、セロオリゴ糖に至らない結果を示した。
[処方例1]
ビューティースキンローションの処方例を以下表3に記す。
Figure 0005024924
[処方例2]
ホワイトスキンローションの処方例を以下表4に記す。
Figure 0005024924
[処方例3]
スキンローションジェルの処方例を以下表5に記す。
Figure 0005024924
[処方例4]
ボディフレッシュローションの処方例を以下表6に記す。
Figure 0005024924
尚、上述の処方例1〜4のセロオリゴ糖は、上述の処方を作成するときに同時に添加してもよく、セロオリゴ糖以外の成分を混和後、セロオリゴ糖を添加してもよく。セロオリゴ糖分散体に、その他成分を添加してもよい。また、感触改善、保湿性改善等の目的で、必要に応じ上述の少糖類を添加してもよい。
本発明のセロオリゴ糖を主成分とする皮膚バリヤ機能改善剤は、荒れ肌の経皮水分蒸散量の回復を促進し、ダメージ肌を改善でき、かつ「べたつき」がなく、「滑り(なめらか)」感を有する為、化粧品、医薬部外品/医薬品分野で好適に利用できる。

Claims (3)

  1. セロビオース含量が70質量%以上、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上を0.1〜30質量%含み、グルコース含量が3.8質量%未満であるセロオリゴ糖を含有することを特徴とする皮膚バリヤ機能改善剤。
  2. 経皮水分蒸散量の回復促進率が10%以上であることを特徴とする請求項1記載の皮膚バリヤ機能改善剤。
  3. 請求項1又は2に記載の皮膚バリヤ機能改善剤を含有する外用剤
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