JP5024924B2 - 皮膚バリヤ機能改善剤 - Google Patents
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Description
人間の皮膚の中でも、角層は生体の外界環境に対する障壁(バリヤ)として機能している。皮膚のバリヤ機能は、皮膚の経皮水分蒸散量と密接に関係し、この経皮水分蒸散を抑えることが、皮膚の柔軟性、潤いを保つ上で重要である(非特許文献1、2参照)。
特許文献1には、グルコース及び/又はラフィノースを含有する皮膚の角層細胞におけるラメラ構造再生剤、およびグルコースと少糖類を含有することを特徴とする皮膚の角層細胞におけるラメラ構造再生剤が記載されている。
かかる文献には、ラメラ構造再生剤として、グルコースを必須成分として含み、少糖類としてラフィノース、メリビオース、トレハロース、スクロース、マルトース、セロビオース、ゲンチアノース、スタキオース、シクロデキストリンから選ばれる1種以上を含む外用剤の記載がある。該文献によると、確かに、ラフィノース、メリビオース、トレハロース、スクロース、シクロデキストリンについて、ラメラ構造の再生効果が認められ、さらにグルコースとラフィノースを併用することで、「べたつき」を低減する効果が認められている。
また、該文献のラメラ構造改善剤は、グルコースを、ラフィノースまたは少糖類に対し7.4モル%以上と多量に含む必要があるため、アミノ酸、蛋白質等のアミノ基含有成分と併用し、加熱工程を経た場合、メイラード反応により褐変・変色が生じ、商品価値を著しく低下させる問題があった。本発明は、グルコースを必須成分とせずとも、「べたつき」、褐変が少なく、肌のバリヤ機能を改善できる点で、上述の発明と本質的に異なるものである。
すなわち、本発明は、以下に記載する通りの皮膚バリヤ機能改善剤である。
(2)経皮水分蒸散量の回復促進率が10%以上であることを特徴とする上記(1)に記載の皮膚バリヤ機能改善剤。
(3)上記(1)又は(2)に記載の皮膚バリヤ機能改善剤を含有する外用剤。
本発明の皮膚バリヤ機能改善剤は、セロビオース含量が70質量%以上、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上を0.1〜30質量%含み、グルコース含量が3.8質量%未満であるセロオリゴ糖を含有する必要がある。上述のセロオリゴ糖を含有することで、ダメージ肌の経皮水分蒸散量の回復率が高められ、グルコースを併用せずとも、「べたつき」がなく、「滑り(なめらか)」感を有し、使用感が良好なバリヤ機能改善剤が得られる。
回復促進率(%)=[(水の相対経皮水分蒸散量)−(セロオリゴ糖の相対経皮水分蒸散量)]/(水の相対経皮水分蒸散量)×100
この回復促進率は高いほど、上述のバリヤ機能改善への効果が高く、20%以上が好ましく、25%以上がより好ましい。
本発明のセロオリゴ糖の起源には、特に制限はなく、セルロース系物質の加水分解で製造されたもの、グルコース等の単糖類またはその誘導体を縮合または糖転移させ製造されたものでもよいが、酵素分解法で得られたものが、安全性の点で好ましい。
酵素分解に使用するセルロース系物質としては、植物性でも、動物性でもよく、例えば、木材、竹、コットン、ラミー、ホヤ、バガス、ケナフ、麦、稲、バクテリアセルロース等の含有する天然物由来の繊維質物質、またそれらを一旦溶剤に溶解させ再生させた再生セルロースでも、それらの化学処理を施しセルロース誘導体としたものでもよく、上記のうち、1種または2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶解または化学処理を経ない、天然セルロース系物質を用いると、得られたセロオリゴ糖に人体に有害な溶剤または化学物質が含まれないため好ましい。また、セルロース系物質は精製パルプの状態で使用することが好ましく、パルプの精製方法には特に制限はなく、サルファイトパルプ、クラフトパルプ、NBKPパルプ等のいずれのパルプを使用してもよい。
上記方法において、懸濁方法、攪拌方法、セルラーゼ・基質の添加方法・添加順序、それらの濃度等の反応条件は、セロオリゴ糖がより高収率で得られるよう適宜調整されるものである。その際の、反応液のpH及び温度は、酵素が失活しない範囲内であればよく、一般的には、常圧で反応を行う場合、温度は5〜95℃、pHは1〜11の範囲でよい。また、この圧力、温度、pHについても、上記同様、セロオリゴ糖がより高収率で得られるよう適宜調整されるものである。
セロオリゴ糖の精製方法の中でも、晶析処理は、セロオリゴ糖の組成を制御しやすいため好ましい。
本発明のセロオリゴ糖を含有するバリヤ機能改善剤は、本発明のセロオリゴ糖を単独で使用しても、水溶液または分散液として使用しても、本発明のセロオリゴ糖に加え、化粧品素材、医薬品薬効成分、またはそれらで使用される添加物の中から選択される1種以上の構成成分に含有され、顆粒、成型体、水溶液、水分散体、ペースト、ゲル状の化粧品/医薬部外品/医薬品として使用してもよい。特に、上記組成物の内、水溶液、水分散体、ペースト、ゲル状のものを、化粧品/医薬部外品/医薬品の皮膚外用剤として使用してもよい。
本発明の皮膚バリヤ機能改善剤は、本発明のセロオリゴ糖に加え、グルコース以外の少糖類を含んでもよい。セロオリゴ糖と少糖類の配合比は、本発明の効果が得られれば制限されるものではないが、例えばセロオリゴ糖/少糖類の質量比で、0.1/99.9〜99.9/0.1である。
本発明の皮膚バリヤ機能改善剤は、溶解、混合、分散、造粒、溶融・固化、圧縮、乾燥等の公知の方法で加工できる。
例えば、化粧品素材またはそこで使用される添加剤としては、本発明のセロオリゴ糖に加え、必要に応じて、保湿剤、アミノ酸、ビタミン類、炭化水素、高級脂肪酸、エステル類、シリコーン、界面活性剤、pH調整剤、水を添加してもよい。これらの化粧品素材または添加剤は、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
賦形剤としては、アクリル酸デンプン、L−アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノ酢酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、イノシトール、エチルセルロース、エチレン・酢酸ビニルコポリマー、塩化ナトリウム、オリーブ油、カオリン、カカオ脂、カゼイン、果糖、軽石粒、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥酵母、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸ナトリウム、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテン末、キシリトール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリセリン、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン、クレー、クレー粒、クロスカルメロースナトリウム、クロスポリビニルピロリドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、結晶セルロース(粒)、ゲンマイコウジ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ゴマ油、小麦粉、コムギデンプン、小麦胚芽粉、コメコ、コメデンプン、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、サフラワー油、サラシミツロウ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、β―シクロデキストリン、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム・ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化マグネシウム、スクラワン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、ステロテックスHM、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、精製白糖球状顆粒、セトステアリルアルコール、セトポリエチレングリコール、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、第三リン酸カルシウム、ダイズ油、大豆不ケン化物、大豆レシチン、脱脂粉乳、タルク、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、中性無水硫酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、トウモロコシデンプン、トラガント末、二酸化ケイ素、乳酸カルシウム、乳糖、白色ワセリン、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦芽葉青汁乾燥粉末、ハチミツ、パラフィン、バレイショデンプン、半消化体デンプン、人血清アルブミン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フィチン酸、ブドウ糖、ブドウ糖水和物、部分アルファー化デンプン、プルラン、プロピレングリコール、粉末還元麦芽糖水飴、粉末セルロース、ペクチン、ベントナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリエチレングリコール、マルチトール、マルトース、D−マンニトール、水アメ、ミリスチン酸イソプロピル、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸カルシウム造粒物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、綿実粉、綿実油、モクロウ、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、ラッカセイ油、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、粒状トウモトコシデンプン、流動パラフィン、dl−リンゴ酸、リン酸−水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「日本薬局方」(廣川書店発行)に賦形剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
以下に、本発明の皮膚バリヤ機能改善剤を用いた化粧品/医薬部外品/医薬品の例を挙げる。
[製造例1]
普通寒天培地にトリコデルマ リーセイ(Tricoderma reeesei)を接種し、37℃で7日間培養後、その培地表面から胞子を1白金耳取り、ポリペプトン1g、酵母エキス0.5g、リン酸1カリウム2g、硫酸アンモニウム1.5g、硫酸マグネシウム0.3g、塩化カルシウム0.3g、トレースエレメント1mL(硼酸6mg、モリブデン酸アンモニウム4水和物26mg、塩化鉄(3)6水和物100mg、硫酸銅5水和物40mg、硫酸マンガン4水和物8mg、硫酸亜鉛7水和物200mgを全量100mLの精製水に溶解させたもの)、アデカノール1mL、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製 商品名PH−101)10gを全量1Lの精製水に懸濁および溶解させた培地に植菌し、28℃で5日間通気攪拌培養した。培養中は、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、培地のpHを2.8−4.7となるように調節した。培養後の液を遠心分離し、上清を目開き0.46μmの精密ろ過膜で除菌し、ろ液を分画分子量13000の限外ろ過膜(旭化成ケミカルズ製 商品名マイクローザペンシル型モジュール ACP−0013)で体積比で10倍濃縮し粗酵素を得た。
この摩砕セルロースが2質量%、粗酵素をタンパク質濃度0.25%になるように50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に懸濁溶解させ、全量1000mLとし、ガラス製フラスコに仕込んだ。このガラス製フラスコを、55℃の水槽に仕込み、内部を攪拌しながら4時間反応させた。反応終了後、反応液を懸濁状態で300μL分注し、限外ろ過モジュール(分画分子量10000)を使用し、酵素、未分解セルロースを取り除いた後、高速液体クロマトグラフィーで糖濃度を分析した。該反応液の糖濃度は、セロトリオース〜セロヘキサオース0.2質量%、セロビオース1.5質量%、グルコース0.3質量%であった。
該反応液を、分画分子量13000の限外ろ過膜(旭化成ケミカルズ製 商品名マイクローザペンシル型モジュール ACP−0013)でろ過し、得られたろ液を陽・陰イオン交換樹脂で脱イオン処理し、70℃、減圧下で蒸留し、20倍の糖濃度の水溶液を得た。
製造例1で得られたセロオリゴ糖水溶液100mLを、200mLのガラス製フラスコに導入し、攪拌しながら、毎時10℃の速度で、70℃から5℃まで冷却した後、エタノールを水に対し60質量%となるよう、毎分10gの速度で加え晶析した。水溶液中に晶出したセロオリゴ糖を、製造例2と同様に、減圧ろ過、乾燥、粉砕、篩下し、セロオリゴ糖粉末CE−1を得た。CE−1の糖組成は、セロビオース含有率が94.9質量%、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースを併せた含有率が2.6質量%、グルコース含有率が2.5質量%であった。
製造例2で得られたCE−1を、固形分25質量%の水溶液として、製造例2のセロオリゴ糖水溶液の代わりに用い、製造例2と同様の操作を繰り返し、CE−2を得た。CE−1の糖組成は、セロビオース含有率が96.3質量%、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースを併せた含有率が1.7質量%、グルコース含有率が2.0質量%であった。
製造例2で得られたCE−1を、固形分25質量%の水溶液として、製造例2のセロオリゴ糖水溶液の代わりに用い、製造例2と同様の操作を繰り返し、CE−3を得た。CE−3の糖組成は、セロビオース含有率が99.1質量%、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースを併せた含有率が0.9質量%であった。CE−3に、市販のグルコース(和光純薬製 特級を粉砕したもの)をCE−3に対し2.0質量%分追加し、CE−4を得た。
CE−1に、市販のグルコース(和光純薬製 特級を粉砕したもの)を、セロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースの総量に対し11.5質量%となるよう追加し、CE−5を得た。
製造例1の菌株を、セロビブリオ ギルバス(Cellovibrio gilvus)に代え、培養時のpHを調整せず、酵素反応時の緩衝液をpH6.5のリン酸緩衝液に変更する以外は、製造例1と同様の方法でセロオリゴ糖水溶液を作成した。
得られたセロオリゴ糖水溶液を、活性炭を充填したカラムに通してセロビオースリッチの画分を除去し、製造例2と同様の操作でセロオリゴ糖粉末CE−6を得た。CE−6の糖組成は、セロビオース含有率が74.5質量%、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースを併せた含有率が21.8質量%、グルコース含有率が3.7質量%であった。
製造例1〜6で得られたCE−1、2、4、5、6を用い、セロオリゴ糖水溶液として表1に示す組成の水溶液を用いて以下の試験を行った。
男性3名、女性2名(平均年齢36歳)の被験者による経皮水分蒸散量回復試験を行った。まず、各被験者が、前腕内側(被検部位)を70%エタノールでふき取った後、恒温恒湿室(室温22℃、湿度45%)で15分間馴化した後、被検部位を2チャンネル水分蒸散モニター(アサヒバイオメッド社製 TW−AS型)で3回測定し、その平均値で初期TEWL値(TEWL0)を求めた。次に、初期TEWLの測定後、被検部位を水洗し、フィンチャンバー(Epitest社製)を用いて、2質量%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を被検部位に閉塞貼付塗布し、水洗後、上述と同様にTEWL(TEWL荒れ肌)を測定した。さらに、同部位に、精製水または本発明のセロオリゴ糖水溶液を塗布し、塗布の2時間後に、同部位を上述の方法でTEWL(TEWL2)を測定した。荒れ肌を100としたTEWL相対値を、以下の式(1)で求めた。また、上記のTEWL相対値に基づき、経皮水分蒸散量の回復率を以下の式(2)により求めた。得られた結果は表1に示した。
セロオリゴ糖水溶液の代わりに、糖を添加しない精製水を使用し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
セロオリゴ糖水溶液の代わりに、ラフィノース(旭化成ケミカルズ製 オリゴGGF)を用い、結晶水を省いた糖質が固形分5%となるよう水溶液を使用し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
表1の結果より、本発明のセロオリゴ糖を用いることで、TEWLの相対値が低減し、経皮水分蒸散量の回復促進率が高くなり、皮膚のバリヤ機能が改善していることが分かる。
また、ラフィノースは、精製水に対しTEWL相対値が悪く、回復率はマイナスを示した。
実施例6〜8、比較例3、4は、セロオリゴ糖およびグルコースを表2に示す処方で水溶液(全糖濃度5質量%)とし、「べたつき」、「滑り(なめらかさ)」、および褐変性を評価した。比較例5は、5質量%のワセリン水溶液を作成し、比較例6は、5質量%のラフィノース水溶液を作成し、上述と同様に評価した。(尚、比較例5について、実施例1〜5と同様に測定したTEWL相対値は、26.4%であった。比較例6のTEWL相対値は、42.1%であった。)
実施例及び比較例で得たサンプルについて、1)べたつき、2)滑り及び3)褐変性についての評価を行った。なお、1)べたつき及び2)滑りについては、年齢24〜55歳の健常者(男6名、女6名)に、実施例6〜8、比較例3〜6の水溶液および水を内腕部に塗布し、以下の評価基準でアンケートをとった。
1)「べたつき」の評価方法
(べたつき)
1点:べたつく
2点:ややべたつく
3点:どちらともいえない
4点:ややべたつかない
5点:べたつかない
※判断基準は全て水に対してのものである。
1点:悪い
2点:やや悪い
3点:どちらともいえない
4点:やや良い
5点:良い
・ 判断基準は全て水に対してのものである。
表3の実施例6〜8、比較例3、4の糖組成で全糖濃度が10質量%であり、さらにグリシンを0.5質量%含み、pHが7になるようMclvine水溶液を作成した。作成した各水溶液を100℃で1時間加熱し、20℃に冷却後、λ=480nmの吸光度を測定した。
実施例と比較例5を比較すると、ワセリンは、TEWL相対値がセロオリゴ糖並であるが、「べたつき」、「なめらかさ」等の感触が悪く、比較例6では、ラフィノースは単独では、TEWL相対値、感触がいずれも、セロオリゴ糖に至らない結果を示した。
ビューティースキンローションの処方例を以下表3に記す。
ホワイトスキンローションの処方例を以下表4に記す。
スキンローションジェルの処方例を以下表5に記す。
ボディフレッシュローションの処方例を以下表6に記す。
Claims (3)
- セロビオース含量が70質量%以上、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上を0.1〜30質量%含み、グルコース含量が3.8質量%未満であるセロオリゴ糖を含有することを特徴とする皮膚バリヤ機能改善剤。
- 経皮水分蒸散量の回復促進率が10%以上であることを特徴とする請求項1記載の皮膚バリヤ機能改善剤。
- 請求項1又は2に記載の皮膚バリヤ機能改善剤を含有する外用剤。
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