本発明について、特にその好ましい態様を中心に、以下に具体的に説明する。
本発明のリパーゼ阻害剤は、2分子以上の糖がβ結合した水溶性糖類を含有する。上述の糖としては、グルコース、フラクトース、ガラクトースまたはマンノース等の公知のヘキソースまたはその異性体もしくは誘導体、キシロースまたはアラビノース等のペントースまたはその異性体もしくは誘導体、エリトロースまたはトレオース等のテトロースまたはその異性体もしくは誘導体が挙げられる。
本発明で用いる2分子以上の糖がβ結合した水溶性糖類で、公知のものとしては、例えば、2分子以上のグルコースがβ結合したセロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオース等のセロオリゴ糖類またはゲンチオオリゴ糖類、複数のグルコースおよび/又はガラクトースがβ結合したガラクトオリゴ糖類、複数のキシロースがβ結合したキシロオリゴ糖類、グルコース誘導体であるN−アセチルグルコサミンが複数β結合したキチンオリゴ糖類、グルコース誘導体であるN−グルコサミンが複数β結合したキトサンオリゴ糖類等が挙げられる。但し、2分子以上の糖がβ結合したものであり、本発明の効果が得られるものについては、上記の公知の水溶性糖類以外に、新規に発見または合成されたものを、水溶性糖類として本発明で用いることもできる。また、本発明におけるβ結合としては、β1−4結合、β1−6結合、β1−3結合を挙げることができる。
上記の2分子以上の糖がβ結合した水溶性糖類の中でも、最も本発明の効果が発揮される態様としては、複数のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類が、適している。
2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類としては、化粧品医薬品分野の組成物として容易に溶解しやすい分子量を持つという観点から、オリゴ糖類が好ましく、さらには二糖類であるセロビオースが好ましい。
乾いた時の髪感触としてさっぱり感や滑り感を付与するためには、セロビオース含量が60質量%以上であり、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオースおよびセロヘキサオースから選ばれる1種以上の糖の含量が40質量%以下であるセロオリゴ糖であることが好ましい。2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合したオリゴ糖類の中で、セロビオースの含量が、60質量%に達しないと、乾いた時の髪感触としてさっぱり感や滑り感を付与できない。より好ましいセロビオース含有量としては、70質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、95質量%以上が好ましい。
本発明におけるセロオリゴ糖は、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上を40質量%以下含むことができる。これらの糖類も、セロビオースと同様に、リパーゼ阻害効果がある。しかしながら、グルコース残基が増えるとともに、水性媒体への溶解度が低くなるため、セロオリゴ糖として、本発明の効果を得るには、これらの含量は上述の範囲を満たすことが好ましい。より好ましい含量範囲としては30質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以下である。
また、セロビオースを、単糖であるグルコースにまで分解してしまうと、遊離したグルコースは、有害菌に容易に資化されてしまうし、乾いた時の髪感触としてさっぱり感や滑り感が減じてしまう。従って、遊離したグルコース含量は、セロオリゴ糖とグルコースの全体量において30質量%以下であることが好ましく。10質量%以下がより好ましく、4質量%以下であることが、特に好ましい。
以下に、本発明のリパーゼ阻害剤の好適な例として、2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類を例にとって、水溶性糖類およびグルコース含量の分析法を記す。本発明で用いることができる2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類およびグルコースは、純水に1質量%濃度で溶解させた後、高速液体クロマトグラフィー(クロマトグラフィーシステム:島津製作所(株)製 商品名 SCL−10A、カラム:島津製作所製 商品名 Asahipak NH2P−50、移動相:アセトニトリル/水=75/25(容積比))で分析できる。2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類およびグルコースの糖組成は、上述の方法で得られたクロマトグラムにおける各単一糖類のピーク面積を質量換算し、総質量に占める、それぞれの質量百分率で表される。グルコースの含有率も、同様の方法で求められ、複数のグルコースがβ1−4グルコシド結合した糖類の構成成分の総質量に対するグルコースの質量の百分率で表される。
次に、本発明で用いる2分子以上の糖がβ1−4結合した水溶性糖類の製造方法の例として、2分子以上の糖がβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類の製造方法について説明する。
本発明で用いる2分子以上の糖がβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類の起源には、特に制限はなく、セルロース系物質の加水分解で製造されたもの、グルコース等の単糖類またはその誘導体を縮合または糖転移させ製造されたものでもよいが、酵素分解法で得られたものが、安全性の点で好ましい。
酵素分解に使用するセルロース系物質としては、植物性でも、動物性でもよく、例えば、木材、竹、コットン、ラミー、ホヤ、バガス、ケナフ、麦、稲、バクテリアセルロース等の含有する天然物由来の繊維質物質、またそれらを一旦溶剤に溶解させ再生させた再生セルロースでも、それらの化学処理を施しセルロース誘導体としたものでもよく、上記のうち、1種または2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶解または化学処理を経ない、天然セルロース系物質を用いると、得られた2分子以上の糖がβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類中に、人体に有害な溶剤または化学物質が含まれないため好ましい。また、セルロース系物質は精製パルプの状態で使用することが好ましく、パルプの精製方法には特に制限はなく、サルファイトパルプ、クラフトパルプ、NBKPパルプ等のいずれのパルプを使用してもよい。
また、セルロース系物質を酵素分解する場合には、使用するセルロース系物質としては、一旦加水分解し、平均重合度を700以下に部分加水分解したセルロース系物質を用いると、2分子以上の糖がβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類の収率を向上させる上で好ましい。さらに、該特定の重合度を有するセルロース系物質は、平均粒子径を100μm以下、コロイド状セルロース成分含有量を10質量%以上に制御したものを用いることが、酵素分解速度の向上、2分子以上の糖がβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類の選択率が向上するため好ましい。
本発明では、セルロース系物質の加水分解に用いる酵素をセルラーゼといい、本発明で使用するセルラーゼとは、セルロースを分解する酵素の総称であり、セルロースへの分解活性を有していれば、本発明でいうセルラーゼに含まれる。セルラーゼ酵素源としては、例えば、セルラーゼ産生生菌体そのもの、セルラーゼ産生菌が分泌する酵素を精製したもの、精製酵素を賦形剤、安定化剤等の添加剤ともに製剤化したもの等が挙げられる。セルラーゼ製剤品の場合、それに添加される添加剤にも特に制限はなく、その剤形は、粉末、顆粒、液体等いずれでもよい。
セルラーゼの起源についても、特に制限はないが、例えば、公知のセルラーゼを生産する微生物としては、トリコデルマ(Tricoderma)属、アクレモニウム(Acremonium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ペニシリウム(Penicillium)属、アエロモナス(Aeromonus)属、イルペックス(Irpex)属、スポロトリクム(Sporotrichum)属、フミコーラ(Humicola)属、セロビブリオ(Cellovibrio)属等の「セルラーゼ」(講談社サイエンティフィック発行(1987))、「セルロースの事典」(朝倉書店発行(2000))に記載される菌が生産するセルラーゼを挙げることができるが、セルロースを分解する酵素であれば、上記公知の菌由来の酵素に限らず、新規の菌由来の酵素も、本発明でいうセルラーゼに含まれる。
酵素分解方法は、公知の方法を使用すればよく、特に制限されるものではないが、一例としては、セルロース系物質を水性媒体中に懸濁させ、セルラーゼを添加し、攪拌または振とうしながら、加温して糖化反応を行う方法が挙げられる。
上記方法において、懸濁方法、攪拌方法、セルラーゼ・基質の添加方法・添加順序、それらの濃度等の反応条件は、2分子以上の糖がβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類がより高収率で得られるよう適宜調整されるものである。その際の、反応液のpH及び温度は、酵素が失活しない範囲内であればよく、一般的には、常圧で反応を行う場合、温度は5〜95℃、pHは1〜11の範囲でよい。また、この圧力、温度、pHについても、上記同様、2分子以上の糖がβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類がより高収率で得られるよう適宜調整されるものである。
上述の酵素分解により得られた2分子以上の糖がβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類の水溶液は、必要に応じて、脱色、脱塩、酵素除去等の精製処理を施すことができる。精製方法は、公知の方法であれば特に制限されないが、例えば、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、クロマトグラフィー処理、精密ろ過、限外ろ過、逆浸透ろ過等の濾過処理、晶析処理等を使用してもよく、これらを単独で使用しても、2種以上を組み合わせてもよい。
2分子以上の糖がβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類の精製方法の中でも、晶析処理は、2分子以上の糖がβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類の糖組成を制御しやすいため好ましい。
次に、本発明による2分子以上の糖がβ結合している水溶性糖類を含有するリパーゼ阻害剤について説明する。2分子以上の糖がβ結合している水溶性糖類を含有する本発明のリパーゼ阻害剤は、化粧品素材、医薬品薬効成分、またはそれらで使用される添加物の中から選択される1種以上の構成成分に含有することができ、顆粒、成型体、水溶液、水分散体、ペースト、ゲル状の化粧品/医薬部外品/医薬品/医薬品として用いることができる。特に、上記組成物の内、水溶液、水分散体、ペースト、ゲル状のものを、化粧品/医薬部外品/医薬品の皮膚外用剤として使用できることが好ましい。
また、本発明のリパーゼ阻害剤は、経口摂取でも特性を発揮することが期待されるため、食事と併用して、消化管内の油分の分解・吸収を抑制し、ダイエット用、高脂血症用の服用剤として利用することも可能である。
本発明のリパーゼ阻害剤は、例えば、2分子以上の糖がβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類が、化粧品素材、医薬品薬効成分、またはそれらで使用される添加物の中から選択される1種以上の構成成分と水に含有されたものでもよく、2分子以上の糖がβ1−4グルコシド結合している水溶性糖類の含有率は0.01〜20質量%であることが好ましい。
本発明でいう構成成分とは、化粧品素材、医薬品薬効成分、色素、香料、金属、セラミックス又は賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、矯味剤、着色剤、甘味剤、溶剤、油脂、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤等の添加剤のことであり、粉体状、結晶状、油状、液状、半固形状などいずれの形態でもよく、例えば「日本薬局方」(廣川書店発行)、「医薬品添加剤事典」(薬事日報社発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)記載のものを用いることが可能である。
また、これらの構成成分は種々の目的でコーティング等の加工を施したものであってもよい。これらの構成成分は単独で使用しても、複数を併用してもよい。構成成分の添加量としては、0.01質量%〜99質量%である。
本発明のリパーゼ阻害剤は、溶解、混合、分散、造粒、溶融・固化、圧縮、乾燥等の公知の方法で加工できる。
本発明の2分子以上の糖がβ結合している水溶性糖類を含有するリパーゼ阻害剤は、2分子以上の糖がβ結合した水溶性糖類を含有することにより、皮膚外用剤や毛髪用剤として使用することができ、化粧品、医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤分野において、安全で無刺激のリパーゼ阻害剤として使用することができる。特に、本発明のリパーゼ阻害剤は、皮膚常在菌であるアクネ菌(プロピオニバクテリウム・アクネス、Propionibacterium acnes)の生育には影響せず、アクネ菌由来のリパーゼに対して阻害作用を示すため、アクネ菌による皮脂の分解を抑制し、ニキビ、肌荒れを予防/改善し、体臭を防止/改善し、さらに乾いた時の髪感触としてさっぱり感や滑り感を付与することができる。
本発明でいうリパーゼは、脂質分解酵素のことであり、すなわち脂質を基質としてそのエステル結合を加水分解する酵素のことを指す。本発明でいうリパーゼは、特に、トリグリセリド(グリセロールの脂肪酸エステル)を分解して脂肪酸を遊離するトリアシルグリセリドリパーゼ、あるいはリン脂質を分解するホスホリパーゼを指す。上記の性質を有する酵素であれば、菌もしくは動植物等の由来に関わらず、本発明でいうリパーゼに含まれる。
また、リパーゼ阻害とは、脂質を基質としてそのエステル結合を加水分解する反応において、本発明のリパーゼ阻害剤を反応系に共存させるで、共存しない場合に対し、脂質分解活性を低下させる作用のことをいう。酵素活性は一般的に、特定の反応時間において、基質の分解により生成した化合物を定量することで求められる。
本発明のリパーゼ阻害剤は、特に、アクネ菌(プロピオニバクテリウム・アクネス、Propionibacterium acnes)由来のリパーゼを阻害する効果に優れている。ここでいうアクネ菌とは、プロピオニバクテリウム属に属し、アクネスとして分類される微生物のことであり、学名ではプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)呼ばれる。本発明のアクネ菌は、例えば微生物株保存バンクから分譲される菌株(例えばATCCによる保存番号では、ATCC11827、11828、11930、29399、33179、6919、6921、6923等)が挙げられるが、ヒト皮脂から分離された臨床分離株も、同定できれば、本発明でいうアクネ菌に含まれる。以下に、一例として、ヒト皮脂から分離された臨床分離株についての簡易的な同定基準を記す。
<アクネ菌の簡易的な同定基準>
1.GAM寒天培地(日水製薬)上で培養したときのコロニーの形状が、クリーム状 (白, 帯黄)の盛り上がった形状であること。
2.上記のコロニーをグラム染色し、グラム陽性であること。
3.顕微鏡下での観察の特徴的な桿菌の形状をしていること。
4.単一コロニーの嫌気培養および好気培養での生育差異がある。
(1.と同様の培養を行った場合、嫌気培養が、好気培養より、旺盛な発育が見られること)
5.カタラーゼ活性が陽性であること。(15%過酸化水素液中での発泡を目視で確認)
また、上記以外に、アクネ菌の分離方法、同定方法としては、以下の公知文献に記載される方法を用いてもよく、遺伝子の相同性から同定してもよい。
参考文献1:日本病理学会会誌,Vol.96,No.1,Page.213 (2007)
参考文献2:日本化粧品技術者会誌,Vol.35,No.1,Page.34-41 (2001)
参考文献3:臨床検査,Vol.38,No.5,Page.581-584 (1994)
参考文献4:和漢医薬学会誌,Vol.6,No.3,Page.512-513 (1989)
参考文献5:愛知学院大学歯学会誌,Vol.25,No.4,Page.496-509 (1987)
参考文献6:岐阜大学医学部紀要,Vol.33,No.3,Page.500-523 (1985)
参考文献7:Appl Environ Microbiol,Vol.40,No.6,Page.1100-1105 (1980)
以下に、本発明の2分子以上のグルコースがβ結合している水溶性糖類を含有するリパーゼ阻害剤と、化粧品素材、医薬品薬効成分、またはそれらで使用される添加物の中から選択される1種以上の構成成分を含む化粧品/医薬品部外品/医薬品の製造方法について記述するが、当該製造方法は、以下の方法に制限されるものではない。
各成分の添加方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、1)2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類と構成成分を同時に添加し、混合/分散しても、2)2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類と特定の構成成分を予め混合/分散した後に、別の構成成分を添加し、混合/分散しても、3)2種以上の構成成分を予め混合/分散した後、2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類を添加し、混合/分散しても、これらの添加方法を組み合わせた方法でもよい。
ここで用いる装置としては、小型吸引輸送装置、空気輸送装置、バケットコンベヤ、圧送式輸送装置、バキュームコンベヤ、振動式定量フィーダー、スプレー、漏斗等を用いて連続的に添加しても、一括投入してもよい。また、各成分の混合方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、V型、W型、ダブルコーン型、コンテナタック型混合機などの容器回転式混合機、あるいは高速撹拌型、万能撹拌型、リボン型、パグ型、ナウター型混合機などの撹拌式混合機、高速流動式混合機、ドラム式混合機、流動層式混合機を使用してもよい。またシェーカー等の容器振とう式混合機を使用することもできる。
分散方法としては、通常行われる分散方法であれば特に制限はないが、ポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式、管路式等の撹拌翼を使用する撹拌混合方法、ラインミキサー等の噴流式撹拌混合方法、気体吹き込み式の撹拌混合方法、高剪断ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等を使用する混合方法でも、シェーカーを使用する容器振とう式混合方法等を用いてもよく、これらを組み合わせた方法でもよい。
また、上述の混合、分散において、水又は水/有機溶剤に必要に応じて界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤を添加した水系媒体を添加する順序には特に制限はないが、1)2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類に予め水系媒体を添加し、溶解/分散させた後に、他の構成成分を添加しても、2)構成成分に予め水系媒体を添加し、溶解/分散させた後に、2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類を添加しても、3)2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類と構成成分を予め混合/分散させた後に、水系媒体を添加してもよく、これらを組み合わせた方法でもよい。ここで得られた水溶液、分散体、乳液等の各液状、ペースト、ゲル等の各半固形状の化粧品/医薬部外品/医薬品は、必要に応じて乾燥し、造粒、コーティング、成型等の加工を施してもよい。
造粒・コーティング方法としては、公知の方法であれば特に制限はないが、攪拌式または流動層式のいずれでもよく、それらを組み合わせた方法でもよい。攪拌式造粒機としては、例えばポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式の攪拌機、流動層式としては上部噴霧式、中央噴霧式、下部噴霧式、攪拌併用式、中央缶噴流式、ワースター式等が挙げられる。また、ローラーコンパクタを使用した乾式造粒を施してもよい。
コーティングについては、予め造粒物を得、それに公知のコーティングを施してもよく、コーティングを施した後、さらに別のコーティングを施し多層状としてもよい。コーティング剤の噴霧方法としては、圧力ノズル、二流体ノズル、四流体ノズル、回転ディスク、超音波ノズル等を使用し活性成分溶液/分散液を噴霧する方法、管状ノズルから活性成分溶液/分散液を滴下する方法のいずれでもよい。活性成分溶液/分散液を添加する際には、2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類粒子表面に活性成分を積層させるようなレイヤリング、コーティングを施しても、2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類に担持させてもよく、構成成分溶液/分散液を結合液として、2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類と他の構成成分の混合物をマトリックス状に造粒させてもよい。レイヤリング、コーティングは湿式であっても、乾式であっても効果は同様である。
成型方法としては、通常行われている方法であれば特に制限はないが、型枠を用いてもよく、圧縮、溶融、射出、圧延等の公知の成型方法が適用でき、これらを組み合わせた方法でもよい。ここで用いられる成型機としては、圧縮成型機、溶融成型機、射出成型機、圧延成型機等が挙げられ、製菓用/化粧品/医薬品用成型機、米飯成型機、コンプレスド成型機、包あん機、蒲鉾製造装置、餃子・包子成型機、ファンデーション基材用圧縮成型機等の公知の成型機が使用できる。特に圧縮成型に関しては、型枠を使用し所望の形状に圧縮成形する方法、予めシート状に圧縮成形した後所望の形状に割断する方法でもよい。
圧縮成形機としては、例えば、静圧プレス機、ブリケッティングローラー型プレス機、平滑ローラー型プレス機等のローラー式プレス機、シングルパンチ打錠機、ロータリー打錠機等の圧縮機を使用できる。
次に、上述のリパーゼ阻害剤の製造方法において使用される構成成分の一例を記す。
例えば、化粧品素材またはそこで使用される添加剤としては、本発明の2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類に加え、必要に応じて、保湿剤、アミノ酸、ビタミン類、炭化水素、高級脂肪酸、エステル類、シリコーン、界面活性剤、pH調整剤、水を添加してもよい。これらの化粧品素材または添加剤は、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
例えば、保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、コラーゲン、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸、ヨクイニン抽出物、大豆レシチン等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に保湿剤として分類されるものが挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、トリプトファン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルタミン、アスパラギン等の中性アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、ヒドロキシリジン等の塩基性アミノ酸等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)にアミノ酸として分類されるものが挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンCを使用することができる。ビタミンAとしては、レチノール、レチナール、レチノイン酸、3−デヒドロレチノール、3−デヒドロレチナール、3−デヒドロレチノイン酸、β−カテキンが挙げられ、ビタミンDとしては、エルゴカルシフェロール(D2)、コレカルシフェロール(D3)、エルゴステロール、7−ヒドロコレステロールが挙げられ、ビタミンEとしてはα−トコフェロールが挙げられ、ビタミンKとしては、フィロキノン(K1)、メナキノン(K2)、メナジオン(K3)が挙げられ、ビタミンB1としてはチアミン(アノイリン)が挙げられ、ビタミンB2としてはリボフラビンが挙げられ、ビタミンB6としてはピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンが挙げられ、ビタミンB12としてはコバラミンが挙げられ、葉酸としてはプテロイルグルタミン酸が挙げられ、ナイアシンとしてはニコチン酸、ニコチンアミド(ニコチン酸アミド)が挙げられ、ビタミンCとしてはアスコルビン酸が挙げられる。これらのビタミンは、1種を単独で用いても、2種以上を併用することも自由である。また、これらのビタミンは、脂溶性であっても、水溶性であってもよく、通常、化粧品、医薬品、医薬部外品、食品に用いられるものを使用することが好ましい。「日本薬局方」(廣川書店発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)に分類されるものを用いることが好ましい。
炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィン、スクラワン、ワセリン等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に炭化水素として分類されるものが挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベへリン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に高級脂肪酸として分類されるものが挙げられる。
エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミスチリン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、鳥居素ステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油四郷産メチルエステル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)にエステルとして分類されるものが挙げられる。
シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シロキサン、架橋した編み目構造のシリコン樹脂等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アシルグタミン酸塩等のアシルアミノ酸塩、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸塩等のアニオン性界面活性剤に加え、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化(N,N'−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピチジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のアルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体等のカチオン性界面活性剤、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホバタイン等のベタイン系両性界面活性剤等の両性界面活性剤、ソルビタンノモオレエート、ソルビタンモノモイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、パンタ−2−エチルヘキシル酸時グリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸グリセリン、α,α'−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビタンテトラオレエート等のポリオキシエチレン−ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン−ソルビットモノラウレート、ポリオキシエチレン−ソルビットモノオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビットペンタオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビットモノステアレート、ポリオキシエチレン−グリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレン−グリセリントリイソステアレート等のポリオキシエチレン−グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンモノジオレエート、システアリン酸エチレングリコール等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸等のポリオキシエチレンヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体等の非イオン性界面活性剤等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に界面活性剤として分類されるものが挙げられる。
pH調整剤としては、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、リン酸−リン酸ナトリウム、酢酸−酢酸ナトリウム、Mclvine試薬等の緩衝剤が挙げられる。
医薬品薬効成分としては、例えば、解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、眠気防止薬、鎮暈薬、小児鎮痛薬、健胃薬、制酸薬、消化薬、強心薬、不整脈用薬、降圧薬、血管拡張薬、利尿薬、抗潰瘍薬、整腸薬、骨粗鬆症治療薬、鎮咳去痰薬、抗喘息薬、抗菌剤、頻尿改善剤、滋養強壮剤、ビタミン剤など、経皮または経口で投与されるものが対象となる。薬効成分は、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
賦形剤としては、アクリル酸デンプン、L−アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノ酢酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、イノシトール、エチルセルロース、エチレン・酢酸ビニルコポリマー、塩化ナトリウム、オリーブ油、カオリン、カカオ脂、カゼイン、果糖、軽石粒、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥酵母、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸ナトリウム、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテン末、キシリトール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリセリン、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン、クレー、クレー粒、クロスカルメロースナトリウム、クロスポリビニルピロリドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、結晶セルロース(粒)、ゲンマイコウジ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ゴマ油、小麦粉、コムギデンプン、小麦胚芽粉、コメコ、コメデンプン、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、サフラワー油、サラシミツロウ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、β―シクロデキストリン、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム・ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化マグネシウム、スクラワン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、ステロテックスHM、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、精製白糖球状顆粒、セトステアリルアルコール、セトポリエチレングリコール、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、第三リン酸カルシウム、ダイズ油、大豆不ケン化物、大豆レシチン、脱脂粉乳、タルク、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、中性無水硫酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、トウモロコシデンプン、トラガント末、二酸化ケイ素、乳酸カルシウム、乳糖、白色ワセリン、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦芽葉青汁乾燥粉末、ハチミツ、パラフィン、バレイショデンプン、半消化体デンプン、人血清アルブミン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フィチン酸、部分アルファー化デンプン、プルラン、プロピレングリコール、粉末還元麦芽糖水飴、粉末セルロース、ペクチン、ベントナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリエチレングリコール、マルチトール、マルトース、D−マンニトール、水アメ、ミリスチン酸イソプロピル、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸カルシウム造粒物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、綿実粉、綿実油、モクロウ、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、ラッカセイ油、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、粒状トウモトコシデンプン、流動パラフィン、dl−リンゴ酸、リン酸−水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に賦形剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン類、クロスポリビニルピロリドン、クロスポリビニルピロリドンコポリマー等の合成高分子等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に崩壊剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
結合剤としては、白糖、乳糖、果糖等の糖類、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール類、ゼラチン、プルラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、グルコナンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性多糖類、結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類、アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子類、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機化合物類等「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に結合剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
流動化剤としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等のケイ素化合物類等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)および「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に流動化剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、タルク等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に滑沢剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
矯味剤としては、グルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、1−メントール等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に矯味剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
香料としては、オレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール、ウイキョウ油、ケイヒ油、トウヒ油、ハッカ油等の油類、緑茶末等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に着香剤、香料として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
着色剤としては、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等の食用色素、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン、リボフラビン等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、(廣川書店発行)に着色剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン酸二カリウム、ステビア、マルトース、マルチトール、水飴、アマチャ末等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)および「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に甘味剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
溶剤としては、医薬品に使用されるものであれば、特に制限されるものでは、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に溶剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
油脂としては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリ ン酸トリグリセリド、ステアリン酸ショ糖エステル、流動パラフィン等のパラフィン類、カルナウバロウ,硬化ヒマシ油等の硬化油類、ヒマシ油、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に記載される油脂が挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
増粘剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、デンプン糊等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に記載される増粘剤が挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
界面活性剤としては、例えば、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンサンモノラウレート、ポリソルベート、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリド、モノオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、モノオキシエチレンソルビタンモノステアレート、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、ラウリル硫酸ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に界面活性剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン等の動物性ゲル化剤、寒天、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、カードラン、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、微結晶セルロース等植物性多糖類、ポリビニルピロリドン等の化学合成高分子等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)にゲル化剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
本発明の2分子以上の糖がβ結合した水溶性糖類を含有するリパーゼ阻害剤の化粧品/医薬部外品/医薬品の例としては、以下のものが挙げられる。
化粧品としては、例えば、香油、ヘアオイル、つや出し油、スキ油、びん油、セットローション、ヘアスティック、ヘアクリーム、ポマード、ヘアスプレー、ヘアリキッド等の整髪料、ヘアトニック、ヘアトリートメント、ヘアローション等の養毛料、カラースプレー、カラーリンス等の毛髪着色料、頭皮料、髪洗粉、シャンプー等の洗髪料、ヘアリンス、オイルリンス、クリームリンス、ボディリンス、フェイシャルリンス等のリンス、クレンジングクリーム、洗顔クリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、洗粉等の洗顔料、パック、油性クリーム、中性クリーム、弱酸性クリーム等のクリーム、ミルクローション、スキンミルク等の乳液、乾性肌用化粧水、普通肌用化粧水、脂肌用化粧水、男性用化粧水、男性ローション、アフターシェーブローション等の化粧水、メイクアップベース、ファンデーション、おしろい、口紅、リップスティック、リップルージュ、リップグロス、リップクリーム等の口紅類、アイシャドー、アイライナー、アイクリーム、眉墨、まつげ化粧料、アイメイクアップリムーバー、アイメイクアップ、頬紅、アイブロウペンシル、アイブロウブラッシュ、マスカラ等の眉目頬化粧料、ネイルエナメル、ネイルクリーム、マニキュア、ペディキュア、エナメルリムーバー、除光液等の美爪料、香水、オーデコロン、パヒュームコロン、オードトワレ等のオーデコロン、バスソルト、バスオイル等の浴用化粧品、オリーブ油、椿油、ベビーオイル等を配合した化粧油、日焼け用化粧品、コールドクリーム、日焼けどめ化粧品、ひげそりクリーム、シェービングフォーム等のシェービングクリーム、プレシェーブ化粧品、タルカムパウダー、ボディパウダー、バスパウダー、パヒュームパウダー等の打粉等の「化粧品科学ガイドブック」(日本化粧品技術者会編、薬事日報社発行)に記載される化粧品が挙げられ、これらに分類されるものに使用してもよい。
以下に、本発明のリパーゼ阻害剤を化粧水、ヘアシャンプー又は乳液として用いる場合の処方例を例示する。
(処方例1) 化粧水
(原料名) 含量(質量%)
セロビオース 0.5%
ベタイン 1.0%
グリセリン 5.0%
1,3−ブチレングリコール 10.0%
カルボキシメチルデキストリンナトリウム 0.1%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1%
精製水 残余
(処方例2) ヘアシャンプー
(原料名) 含量(質量%)
セロビオース 0.5%
ベタイン 0.5%
ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム液 45.0%
ラウロイルアラニンナトリウム 12.5%
ポリオキシエチレンセチルステアリルジエーテル 1.0%
ラウレス−1,5グリセリン 1.0%
クエン酸 0.5%
ポリクオタニウム−10 0.8%
メチルパラベン 0.2%
EDTA−2Na 0.1%
精製水 残余
(処方例3) 乳液
(原料名) 含量(質量%)
セロビオース 1.0%
ベタイン 1.0%
グリセリン 8.0%
1,3−ブチレングリコール 5.0%
スクワラン 3.0%
オリーブオイル 1.0%
オクタン酸セチル 5.0%
ステアリン酸 0.3%
ポリジメチルシロキサン 0.5%
ポリソルベート60 0.5%
モノステアリン酸グリセリル 1.0%
カルボッキシビニルポリマー 0.1%
水酸化カリウム 0.01%
精製水 残余
医薬部外品/医薬品としては、例えば、エキス剤、懸濁剤、乳剤、酒精剤、浸剤、煎剤、チンキ剤、芳香剤、流エキス剤、液剤、エアゾール剤等の液状製剤/ガレヌス製剤、浣腸剤、洗口剤、吸入剤、湿布剤、消毒剤、耳鼻用液剤、清拭剤、注入剤、塗布剤、噴霧剤、浴剤、油脂性、乳剤性、懸濁性、水溶性、ヒドロゲル性、リオゲル性等の軟膏剤、硬膏剤、パップ剤、ローション剤、リニメント剤等の外用剤、点眼剤等の「薬剤学マニュアル第二版」(南山堂発行)に記載される液剤、外用剤、点眼剤等の剤形が挙げられ、これらに分類されるものに使用してもよい。
本発明の皮膚外用剤としては、上記の化粧品/医薬部外品/医薬品の剤形のうち、皮膚に投与しうる剤形のものを指し、本発明の毛髪用剤とは毛髪に投与し得る剤形のことである。形状は、液状、ペースト状、個体状のいずれでもよい。使用方法も、投与した後に皮膚または毛髪に滞留させて使用しても、投与後に、目的が達成できれば、水等で洗い流してもよい。
本発明のリパーゼ阻害剤の投与方法は特に限定されず、非経口投与又は経口投与の何れでもよく、好ましくは非経口投与であり、さらに好ましくは経皮投与を挙げることができる。
本発明のリパーゼ阻害剤の投与量はリパーゼに対する阻害作用を発揮できる限り特に限定されず、当業者であれば適宜設定できる。例えば、2分子以上の糖がβ結合している水溶性糖類を水性組成物とした場合の濃度としては、例えば、0.03質量%以上が好ましく、0.035質量%以上がより好ましく、0.04質量%以上が特に好ましい。特に上限は設定されるものではないが、例えば、99.99質量%以下が好ましい。また、上記濃度の水性組成物の内、例えば化粧水または乳液を想定した場合の投与量としては、皮膚または毛髪への1回の使用当たり、0.01mL以上が好ましく、0.1mL以上がより好ましく、1.0mL以上が特に好ましい。投与量が多い程、効果は高いので、その上限は設定されないが、現実的な投与量としては、1回の使用当たり、1000mL以下である。浴用剤等として使用する際には、上記の投与量を超えてもよい。
本発明を以下の実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。