JP2019131490A - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

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大樹 久保村
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Abstract

【課題】使用に際して、きしみやべたつきの少ない使用感を有し、優れた皮膚親和性により保湿効果を飛躍的に向上し、肌にはりを与えるとともに、小じわ等の肌の凹凸を目立たなくすることができる水中油型乳化化粧料を提供する。【解決手段】N−アセチルグルコサミンと水添レシチンとを含有し、他の界面活性剤を実質的に含有しないことを特徴とする水中油型乳化化粧料を提供する。前記N−アセチルグルコサミンを1.0〜5.0質量%、前記水添レシチンを0.1〜5.0質量%含有することが好ましく、前記N−アセチルグルコサミンと前記水添レシチンの含有比が質量比で1:5〜50:1であることが好ましい。また、N−アセチルグルコサミンと水添レシチンを含有し、他の界面活性剤を実質的に含有しない組成物を、高圧乳化法により乳化して製造されることを特徴とする、水中油型乳化化粧料の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、使用に際し、きしみやべたつきの少ない使用感を有し、優れた皮膚親和性により保湿効果を飛躍的に向上し、肌にはりを与えるとともに、小じわ等の肌の凹凸を目立たなくすることができる水中油型乳化化粧料に関する。
近年、化粧ステップの簡便性の観点から化粧水、美容液、乳液、クリーム等の機能が一つのゲル(ジェル)状クリーム等に凝縮されたオールインワン化粧料が数多く上市されてきている。このような化粧料は水溶性高分子化合物等を利用し、高粘度でありながら化粧水特有のみずみずしい使い心地を残し、水の蒸散速度を遅延させ、保湿効果の持続時間を向上させると考えられる。しかしながら、これらの化粧料は水溶性高分子化合物等のいわゆる高分子増粘剤を比較的多量に配合しているため、使用に際してべたついたり、皮膚上での化粧料のよれ(化粧カス)が生じたり、ぬるつき感やきしみ感がある等の欠点があった。
一方、加齢に伴う肌の老化により、しみやしわ、たるみ、くすみ、乾燥等の肌トラブルが起こる。その原因は、年齢とともに肌の弾力性や保湿性を維持するためのコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン等の皮膚内部の成分が減少したり、変性したりするためと言われている。このようなことから、オールインワン化粧料等は、心地よい使用感や保湿効果に加え、肌にはりを与え、小じわ等の肌の凹凸を目立たなくする機能を持つことが強く求められている。
このような要求に対して、いくつかの保湿剤を配合した化粧料が提案なされている。化粧料の保湿剤として、ヒアルロン酸等の水溶性多糖類を用いたジェル状皮膚化粧料(特許文献1)やN−アセチルグルコサミンを用いた化粧料(特許文献2〜5)、この他にもコラーゲン、エラスチン等を用いた化粧料が多数上市されている。
特開2013−107862号公報 特開2013−136533号公報 特開2012−41302号公報 特開2011−42589号公報 特開2016−50185号公報
しかしながら、このような化粧料は使用感と効果の両面において、上述の欠点や要求を根本的に解決していないのが現状である。
従って、本発明の目的は、使用に際して、きしみやべたつきの少ない使用感を有し、優れた皮膚親和性により保湿効果を飛躍的に向上し、肌にはりを与えるとともに、小じわ等の肌の凹凸を目立たなくすることができる水中油型乳化化粧料を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、N−アセチルグルコサミンと水添レシチンとを併用することにより、べたつき、ぬるつき感、きしみ感、皮膚上での化粧カスの発生等の不快な使用感がなく、肌にはりを与え小じわを改善できる水中油型乳化化粧料が得られることを予想外にも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一つは、N−アセチルグルコサミンと水添レシチンとを含有し、他の界面活性剤を実質的に含有しないことを特徴とする水中油型乳化化粧料を提供するものである。
本発明の水中油型乳化化粧料においては、前記N−アセチルグルコサミンを1.0〜5.0質量%、前記水添レシチンを0.1〜5.0質量%含有することが好ましい。
また、前記N−アセチルグルコサミンと前記水添レシチンの含有比が質量比で1:5〜50:1であることが好ましい。
また、本発明のもう一つは、N−アセチルグルコサミンと水添レシチンを含有し、他の界面活性剤を実質的に含有しない組成物を、高圧乳化法により乳化する工程を含むことを特徴とする水中油型乳化化粧料の製造方法を提供するものである。
本発明の水中油型乳化化粧料の製造方法においては、前記組成物は、前記N−アセチルグルコサミンを1.0〜5.0質量%、前記水添レシチンを0.1〜5.0質量%含有することが好ましい。
また、前記組成物の前記N−アセチルグルコサミンと前記水添レシチンの含有比が、質量比で1:5〜50:1であることが好ましい。
本発明によれば、使用に際してべたつきやぬるつき感やきしみ感が少なく、皮膚上で化粧料のよれが生じることなく、さらには、優れた皮膚親和性により保湿効果を飛躍的に向上し、肌にはりを与え、小じわ等の肌の凹凸を目立たなくする特性を有する水中油型化粧料を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明に係る水中油型乳化化粧料は、N−アセチルグルコサミンと水添レシチンとを含有する。
(1)N−アセチルグルコサミン
本発明に用いるN−アセチルグルコサミンは、天然アミノ糖の一種であり、医薬品、医薬部外品、化粧品において通常用いられているものを用いることができ、合成物、発酵産物、カニやエビ等のキチン分解物等、いずれのものも用いることができる。低分子で皮膚浸透性に優れており、表皮中のヒアルロン酸量を増強させる成分として注目されている。市販品として、例えば、焼津水産化学工業社製の「マリンスウィート(登録商標)F」(製品名)を用いることができる。
本発明に係る水中油型乳化化粧料は、N−アセチルグルコサミンを、好ましく1.0〜5.0質量%含有し、より好ましくは2.0〜4.0質量%含有する。水中油型乳化化粧料におけるN−アセチルグルコサミンの含有量を1.0〜5.0質量%とすることにより、優れた使用感を付与し、肌にはりを与えるとともに、小じわ等の肌の凹凸を目立たなくすることができる。
(2)水添レシチン
水添レシチンは、水素添加レシチンとも称され、化粧料の乳化安定性を保つために特に重要である。本発明に用いる水添レシチンとしては、卵黄レシチンや大豆レシチン等のレシチン中の不飽和炭素鎖を水素添加により飽和結合に変えた水添大豆レシチンや水添卵黄レシチン等が使用できる。市販品として、例えば、日清オイリオグループ社製の「ベイシスLS−60HR」(製品名)、キューピー社製の「卵黄レシチンPL−100P」(製品名)、日本精化社製の「Phytocompo−PP」(製品名)等を用いることができる。
本発明に係る水中油型乳化化粧料は、水添レシチンを、好ましくは0.1〜5.0質量%含有し、より好ましくは0.3〜3.0質量%含有する。水中油型乳化化粧料における水添レシチンの含有量を0.1〜5.0質量%とすることにより、乳化安定性が良好であり、きしみ感やべたつき感を抑えることができる。
(3)界面活性剤
本発明に係る水中油型乳化化粧料は、水添レシチン以外の、他の界面活性剤を実質的に含有しない。「界面活性剤を実質的に含有しない」とは、化粧料を製造する際に界面活性剤を意図的に添加しないという意味であり、化粧料を製造中又は保管中に不可避的に混入又は発生する微量の界面活性剤を含んでいても構わない。「実質的に含有しない」の具体的な基準としては、他の界面活性剤の含有量が、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下であることを意味している。界面活性剤の含有量を「実質的に含有しない」とすることにより、皮膚刺激性の少ない化粧料となる。
このような界面活性剤の具体例としては、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール等が挙げられる。
(4)その他の成分
本発明に係る水中油型乳化化粧料は、その他の配合成分として、油成分をさらに含有することが好ましい。油成分をさらに含有させることにより、より高い保湿効果を得ることができる。
油成分は特に制限はなく、一般的に化粧品に使用されているものを用いることができる。油成分としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素類;オリーブ油、ホホバ油、アボカド油、ダイズ油、メドウホーム油、ラノリン等の天然動植物油脂;2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸ステアリル等の脂肪酸エステル類;トリ(カプリル・カプリル酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等のトリグリセライド、及び多価アルコール脂肪酸のエステル油類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン油;デカメチルシクロペンタンシロキサン等の環状シリコーン油;シリコーンゲル、シリコーンパウダー等の液体又は固体のシリコーン油等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明に係る水中油型乳化化粧料は、油成分を含有することが好ましい。油成分の含有量は、特に限定されないが、0.1〜30.0質量%が好ましく、2.0〜20.0質量%がより好ましい。油成分の含有量が0.1質量%未満では、保湿効果や肌のはり感を感じづらい傾向にあり、30.0質量%を超えると、油性感やべたつきが強くなり不快な使用感となる傾向がある。
本発明に係る水中油型乳化化粧料は、その他の配合成分として、油成分以外にも、多価アルコール、保湿剤、糖類、防腐剤、抗菌剤、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子のような高分子増粘剤、中和剤、pH調整剤、粉体成分、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤等をさらに含有させることができる。また、ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、抗炎症剤、美白剤等の他の化粧成分及び薬効成分、生理活性成分、香料、色素をさらに含有させることもできる。これらの成分としては、化粧品に一般的に使用されているものを用いることができ、その含有量は、本発明の水中油型乳化化粧料の効果を損なわない限り、当業者が適宜決定することができる。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジグリセリン等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、ブドウ糖、果糖、加水分解エラスチン、乳酸ナトリウム、シクロデキストリン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、セラミド類等が挙げられる。
防腐剤及び抗菌剤としては、例えば、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩等が挙げられる。
水溶性高分子のような高分子増粘剤としては、例えば、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、デキストラン、デキストリン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、ベントナイト等が挙げられる。
中和剤としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニ
ウム等が挙げられる。
粉体成分としては、例えば、タルク、マイカ、カオリン、シリカ、セリサイト、ゼオライト、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、セルロース粉末、ナイロンパウダー、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイト、無機白色顔料、無機赤色顔料、無機黄色顔料、黒酸化鉄、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ等のパール顔料、赤色201号、赤色202号等の有機顔料等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
紫外線遮断剤としては、例えば、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等が挙げられる。
薬効成分としては、例えば、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩等のB6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等のビタミンC類、トラネキサム酸及びその誘導体、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD2、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類等が挙げられる。また、アルブチン、プラセンタエキス、グルタチオン、ユキノシタ抽出物、油溶性甘草エキス等の美白剤、ローヤルゼリー、ブナノキエキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン、アライトイン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類等が挙げられる。さらに、カミツレ花エキス、ソウハクヒエキス、ボタンエキス、パセリエキス、ブナノキエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、ケイヒエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス、オウゴンエキス、オトギリソウエキス、セイヨウサンザシエキス、ツボクサエキス等の各種抽出物が挙げられる。
前述したように、本発明に係る水中油型乳化化粧料は、N−アセチルグルコサミンを好ましくは1.0〜5.0質量%、より好ましくは2.0〜4.0質量%含有し、水添レシチンを好ましくは0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.3〜3.0質量%含有し、場合により、その他の成分をさらに含有し、残部が水である。水は、好ましくは40〜99.9質量%、より好ましくは50〜90質量%含有する。
本発明に係る水中油型乳化化粧料は、N−アセチルグルコサミンと水添レシチンの含有比が質量比で1:5〜50:1であることが好ましく、1:2〜20:1であることがより好ましい。
[調製方法]
上記水中油型乳化化粧料は、水添レシチンに任意に油相を攪拌・混合したものに、N−アセチルグルコサミンを含む水相を攪拌・混合し、この混合物をさらに攪拌・混合することにより調製する。油相、及び水相のそれぞれの温度は、60〜90℃としておくことが好ましい。
油相には、上記の油成分を用いることができ、また、親油性の紫外線吸収剤、親油性の薬効成分、疎水化処理した粉体成分等のその他の親油性成分を用いることができる。
水相は、水にN−アセチルグルコサミンを混合させることにより調製することができる。水相には、多価アルコール、保湿剤、糖類、防腐剤、抗菌剤、金属イオン封鎖剤、高分子増粘剤、中和剤、粉体成分、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、ビタミン類等のその他の親水性成分を用いることができる。
攪拌・混合は、パドルミキサー、ホモミキサー、ディスパーミキサー等の一般的な機器による方法で行うことができる。さらに、混合物の攪拌・混合は、高圧乳化法、超音波分散法、連続相成分に分散相成分を直接注入するジェット注入法等の公知の攪拌・混合方法で行うことができ、好ましくは高圧乳化法で行う。
ここで、高圧乳化法とは、油相と水相との混合物を、細い隙間を、10MPa以上の非常に高い圧力で通過させることによって、乳化粒子径をより細かくし、安定な乳化組成物を作り出す方法をいう。この方法で調製された乳化組成物中の液滴の粒子径は、通常の方法で調製された乳化組成物中のそれと比較して極めて小さい。粒子径は小さければ小さい程、表面積は増え、皮膚への浸透性も上昇し、皮膚に対する生理作用も上昇する。
高圧乳化法に用いる高圧乳化機としては、特に限定されないが、ゴーリンホモジナイザータイプ、マイクロフルイダイザータイプ等が挙げられ、マイクロフルイダイザータイプとしては、マイクロフルイディックス社製の「マイクロフルイダイザー」(製品名)、プライミクス社製の「T.Kフィルミックス」(製品名)、エム・テクニック社製の「クレアミックス」(製品名)、吉田機械興業社製の「ナノマイザー」(製品名)等が挙げられる。
水中油型乳化化粧料を、高圧乳化法によって調製する具体的な一例として、効率を考慮し、乳化前の油相と水相の混合物が液状に融解する温度である60〜90℃程度まで加熱融解した後、高圧乳化機に投入し、処理時は30〜80℃程度の温度で反応させる。処理回数は、効率と調製される乳化組成物の乳化状態を考慮すると2〜5回、処理する。高圧乳化処理部にかかる圧力は、10MPa以上で処理することが好ましく、100〜200MPaの圧力で処理することがより好ましい。
なお、高圧乳化法によって乳化することにより、水添レシチン以外の界面活性剤を実質的に含有しない場合でも、得られる乳化組成物の透視度を0.2以上、好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上、最も好ましくは0.5以上にすることができる。ここで、透視度とは、試料溶液の透き通り度合いを示す指標であり、透視度計(標準型/5型 柴田科学製)により測定できる数値を意味する。透視度計に二十重字の標識板を沈め、下部の流出口から排水していき、標識板の2重線が確認できた時の試料溶液の高さ(cm)を「度」として表した数値である。
このようにして得られた本発明の水中油型乳化化粧料は、使用に際してべたつきやぬるつき感やきしみ感が少なく、皮膚上で化粧料のよれが生じることなく、さらには、優れた皮膚親和性により保湿効果を飛躍的に向上し、肌にはりを与え、小じわ等の肌の凹凸を目立たなくする特性を有する。
本発明に係る水中油型乳化化粧料は、皮膚に適用される化粧料であり、例えば、クリーム、美容液、パック、ハンドクリーム、メイクアップクレンジング、ファンデーション、メイクアップ下地、ほほ紅、アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、口紅等の製品として用いることができる。好ましくは、化粧水、美容液、乳液、クリーム等の機能を兼ね備えた化粧料、いわゆるオールインワン化粧品として用いることができる。なお、本発明の水中油乳化型化粧料は、通常の化粧料はもちろんのこと、医薬部外品の範疇の化粧料等も含む。
以下、実施例を含む試験例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。
[水中油型乳化化粧料の調製]
・実施例1〜6、及び比較例1
表1に示す組成で、油相と水相は、それぞれ80℃となるように、別々に加熱融解し、80℃で混合して高圧乳化機のマイクロフルイダイザー(製品名:LM20、マイクロフルイディックス社製)を使用して乳化した。処理部にかかる圧力は150Mpaに設定し、この高圧乳化処理を3回行い、半透明な液状の水中油型乳化化粧料(以下、「化粧料」という。)を得た。
・比較例2,3
表1に示す組成で、油相と水相を別々に加熱融解し、80℃で混合してから真空乳化攪拌装置(PVQ−5UN、みずほ工業社製)を使用して攪拌し、白色の乳液状の化粧料を得た。
なお、界面活性剤として水添レシチンを用いた組成で(モノステアリン酸ソルビタンとポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は用いない)、真空乳化攪拌装置を使用して得た化粧料では、乳化安定性等の物性が満足できるものではなかったため、後述する実使用テストは行わなかった。
Figure 2019131490
[実使用テスト]
20〜40代の女性パネラー計10名による2週間の実使用テストを行い、実施例1〜6、及び比較例1〜3の化粧料をブラインドにて使用させ、塗布後の「べたつきの有無」、「きしみ感の有無」、「肌のはり感の有無」、「目尻等の小じわ目立ちにくさ」について以下の方法により評価した。
(1)べたつきの有無に関する実使用テスト
各化粧料が、「べたつかない」「べたつきが感じられる」「べたつく」のうちのいずれの評価区分に該当するかを判定した。「べたつかない」と判定した人数に基づいて「べたつきのなさ」を次のように評価した。
(評価基準)
◎・・「べたつかない」の評価をした人が9名以上
○・・「べたつかない」の評価をした人が7〜8名
△・・「べたつかない」の評価をした人が4〜6名
×・・「べたつかない」の評価をした人が3名以下
(2)きしみ感の有無に関する実使用テスト
各化粧料が、「きしまない」、「きしみが感じられる」、「きしむ」のうちのいずれの評価区分に該当するかを判定した。「きしまない」と判定した人数に基づいて「きしみ感のなさ」を次のように評価した。
(評価基準)
◎・・「きしまない」の評価をした人が9名以上
○・・「きしまない」の評価をした人が7〜8名
△・・「きしまない」の評価をした人が4〜6名
×・・「きしまない」の評価をした人が3名以下
(3)肌のはり感の有無に関する実使用テスト
各化粧料が、「はり感がある」、「はり感が感じられる」、「はり感がない」のうちのいずれの評価区分に該当するかを判定した。「はり感がある」と判定した人数に基づいて「肌のはり感」を次のように評価した。
(評価基準)
◎・・「はり感がある」の評価をした人が9名以上
○・・「はり感がある」の評価をした人が7〜8名
△・・「はり感がある」の評価をした人が4〜6名
×・・「はり感がある」の評価をした人が3名以下
(4)目尻等の小じわの目立ちにくさに関する実使用テスト
各化粧料が、「小じわが目立ちにくい」、「小じわが目立ちにくいと感じられる」、「変化がない」のうちのいずれの評価区分に該当するかを判定した。「小じわの目立ちにくい」と判定した人数に基づいて「小じわの目立ちにくさ」を次のように評価した。
(評価基準)
◎・・「小じわが目立ちにくい」の評価をした人が9名以上
○・・「小じわが目立ちにくい」の評価をした人が7〜8名
△・・「小じわが目立ちにくい」の評価をした人が4〜6名
×・・「小じわが目立ちにくい」の評価をした人が3名以下
[保湿性試験]
専門パネルの前腕部に実施例1〜6、及び比較例1〜3の化粧料を一定量塗布し、0〜8時間後(初期、30分後、4時間後、8時間後)の水分量を皮表角層水分量測定装置SKICON−200EX(IBS社製)による単回保湿試験(n=5)により測定し、その平均値を保湿効果とした。
Figure 2019131490
実使用テスト、および保湿性試験の結果を表2に示した。
実使用テストの結果、表2より明らかなように、N−アセチルグルコサミンと水添レシチンとを含有する実施例1〜6は、全ての項目について良好な結果が得られた。対して、N−アセチルグルコサミンを含有しない比較例1は、べたつき感やきしみ感はなかったものの、はり感や小じわの目立ちにくさの項目で劣る結果となった。水添レシチンを含有しない比較例2,3は、全ての項目で実施例より顕著に劣る結果となった。
保湿性試験の結果、表2より明らかなように、N−アセチルグルコサミンと水添レシチンとを含有する実施例1〜6は、それぞれ化粧料において飛躍的に保湿効果が向上し、その持続性も高いことが明らかとなった。その結果として、はり感や小じわの目立ちにくさの項目に寄与したものと考えられる。N−アセチルグルコサミンと水添レシチンのいずれかを含有しない比較例1〜3は、保湿効果およびその持続性において実施例1〜6と比較し、劣る結果となった。
以上のように、N−アセチルグルコサミンと水添レシチンとを含有する実施例1〜6の化粧料は、使用性、保湿性の全ての項目において優れる結果となった。これに対して、N−アセチルグルコサミンを含有しない比較例1は、べたつき感やきしみ感は良好であったが、保湿性が認められない結果となった。また、水添レシチンを含有しない比較例2,3は、使用性、保湿性ともに劣る結果となった。また、N−アセチルグルコサミンと水添レシチンを併用し高圧乳化法にて水中油型乳化化粧料を調製することで、さらに、使用性、および保湿性に優れた化粧料を得ることができることが明らかとなった。

Claims (6)

  1. N−アセチルグルコサミンと水添レシチンとを含有し、他の界面活性剤を実質的に含有しないことを特徴とする水中油型乳化化粧料。
  2. 前記N−アセチルグルコサミンを1.0〜5.0質量%、前記水添レシチンを0.1〜5.0質量%含有する、請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
  3. 前記N−アセチルグルコサミンと前記水添レシチンの含有比が質量比で1:5〜50:1である、請求項1又は2に記載の水中油型乳化化粧料。
  4. N−アセチルグルコサミンと水添レシチンを含有し、他の界面活性剤を実質的に含有しない組成物を、高圧乳化法により乳化する工程を含むことを特徴とする水中油型乳化化粧料の製造方法。
  5. 前記組成物は、前記N−アセチルグルコサミンを1.0〜5.0質量%、前記水添レシチンを0.1〜5.0質量%含有する、請求項4に記載の水中油型乳化化粧料の製造方法。
  6. 前記組成物の前記N−アセチルグルコサミンと前記水添レシチンの含有比が、質量比で1:5〜50:1である、請求項4又は5に記載の水中油型乳化化粧料の製造方法。
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