JP2009269844A - 頭髪用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】極めて低いアルコール濃度にも関わらず、疎水成分を含有しかつ、低粘度である頭髪用組成物を提供すること。
【解決手段】1重量%以上50重量%以下のアルコールを含有し、かつ疎水性の頭髪有効成分を含有する、粘度30P以下の頭髪用組成物。
【選択図】なし
【解決手段】1重量%以上50重量%以下のアルコールを含有し、かつ疎水性の頭髪有効成分を含有する、粘度30P以下の頭髪用組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、1重量%以上50重量%以下のアルコールを含有し、かつ疎水性の頭髪有効成分を含有する頭髪用組成物に関する。
栄養、生理、薬理機能を持った化合物には、疎水性物質が多数存在する。そのような疎水性物質を食品や医薬品の成分として経口又は経皮で摂取する際には、容易に摂取できる水溶液に可溶化されていることが望まれる。しかし、疎水性物質を水溶液にする場合は、水に対する溶解度が低いという課題がある。また、水溶液の調製時に一旦溶解しても、その後経時的に沈澱を生じ、疎水性物質含有水溶液としての保存安定性を保つことができず、品質低下の原因となっている。そのため、これらの疎水性物質の配合量が制限され、機能を満足に発揮できる製品を得ることが困難な場合がある。
疎水性成分を可溶化するためには、エタノールやイソプロピルアルコールなどの比較的毒性の低い有機溶媒で溶解、混合されているが、エタノールは、ヒトあるいは頭皮の状態によっては不快となる刺激を与え、更に継続使用した場合、頭皮に炎症などが発生する場合があるといった不具合、欠点を有しており、アルコールフリータイプの製剤が望まれる。
疎水性の高い化合物を水中に高濃度に且つ均一に可溶化するための技術としては、界面活性剤を用いた乳化技術、硬化剤を巧みに使用したマイクロカプセル技術、高分子ポリマーなどによる可溶化などが開発されている。本発明の頭髪用組成物の分野では、例えば塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体を用いて疎水成分の可溶化をおこなっている(特許文献1)。また、株式会社加美乃素本舗製カミノ21ではメタアクリル酸アルキル共重合体を用いてノンアルコールジェルタイプの育毛剤を提供している。
水または水−エタノール系液体に可溶である化合物としては、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルヒドロキシセルロース、エチルヒドロキシセルロース、プロピルヒドロキシセルロース、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、ヒアルロン酸塩、ビーガム、カラギーナン、カルボキシメチルキチン、ポリエチレンイミン、アクリル酸系樹脂、ポリアクリル酸塩等があり、増粘性のある可溶化能を有する。ベミュレン(アクリル酸・メタアクリル酸アルキル共重合体)など水溶性高分子鎖に疎水性基鎖を有する化合物もこれら同様な働きをする。
しかし、これらの高分子ポリマーを用いても、アルコール濃度を30%以下にする為には溶解性を維持するために水溶性ポリマーを添加する必要があり、そのため製剤の粘度が高くなり、爽快感の減退やべた付きという弊害が生じていた。
カゼインは乳タンパク質の主体をなす不溶性のタンパク質であり、疎水性部分が外に面しているため、集合体を作りやすく、10〜100個のカゼインが集まり、20nm程のサブミセルを形成し、更には100〜1000個のカゼインが集まって90〜150nmのカゼインミセルを形成する。カゼインミセルがさらに集まって、500nm程のミセル会合体を形成する。したがって、カゼインミセルのサイズは分布が広く、ナトリウムやマグネシウムなどの塩の添加や、pHを酸性にすると凝集が起こる。
近年、疎水性物質を架橋されたカゼインミセル内部に吸着保持し、粒径がナノサイズの構造体を得られ、疎水性物質をその溶解度以上の濃度、すなわち過飽和濃度においても、透明で安定に可溶化することを開示した(特許文献2)。しかし、該文献には、タンパク質、特にカゼインを架橋しなければならない事、カゼイン成分を単一にしなければ50nm以下のサイズを実現できないなど、制約が大きかった。
疎水性物質を含むマイクロカプセルの製造方法としては、例えばコンプレックスコアセルベーション法(特許文献3)が代表的であるが、疎水性物質を可溶化するための溶剤や食用に適さないアルデヒド等の硬化剤が用いられることが多い。そこで、蛋白質と多糖類からなるコンプレックスコアセルベーション法において、蛋白架橋酵素であるトランスグルタミナーゼを被膜硬化剤として用いることを特徴とする可食性のマイクロカプセルの製造方法(特許文献4)や、蛋白と塩類の組合せにより塩析法で壁膜を形成し、トランスグルタミナーゼで壁膜を硬化するマイクロカプセルの製造方法(特許文献5)等、食用に適さない硬化剤を用いずにマイクロカプセルを製造する方法が開示されている。しかしながら、これらの文献に開示されているマイクロカプセルの大きさは、平均粒径が数10〜数100μmの大きさであり、疎水性物質を過飽和濃度においても透明で安定に可溶化させることはできなかった。
本発明は、上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、極めて低いアルコール濃度にも関わらず、疎水成分を含有しかつ、低粘度である頭髪用組成物(例えば、育毛剤、シャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、ヘアパック、ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアスプレー等)を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、1重量%以上50重量%以下のアルコールを含有し、かつ疎水性の頭髪有効成分を含有する粘度30P以下の頭髪用組成物において、疎水性の頭髪有効成分を含有するタンパク質ナノ粒子を分散できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、1重量%以上50重量%以下のアルコールを含有し、かつ疎水性の頭髪有効成分を含有する、粘度30P以下の頭髪用組成物が提供される。
好ましくは、アルコールはエタノールである。
好ましくは、疎水性の頭髪有効成分は、育毛効果、発毛効果、抗炎症作用又は細胞賦活作用を有する、医薬品、医薬部外品又は化粧品として使用可能な成分である。
好ましくは、本発明の頭髪用組成物は、疎水性の頭髪有効成分の基材として、タンパク質ナノ粒子を含む。
好ましくは、アルコールはエタノールである。
好ましくは、疎水性の頭髪有効成分は、育毛効果、発毛効果、抗炎症作用又は細胞賦活作用を有する、医薬品、医薬部外品又は化粧品として使用可能な成分である。
好ましくは、本発明の頭髪用組成物は、疎水性の頭髪有効成分の基材として、タンパク質ナノ粒子を含む。
好ましくは、本発明の頭髪用組成物は、下記の工程(a)から(c)によって作製されるカゼインナノ粒子を含む。
(a)カゼイン又その塩をpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
(b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の疎水性の頭髪有効成分を添加する工程;及び
(c)工程(b)で得た溶液を pH3.5〜7.5の酸性水性媒体に注入する工程:
(a)カゼイン又その塩をpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
(b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の疎水性の頭髪有効成分を添加する工程;及び
(c)工程(b)で得た溶液を pH3.5〜7.5の酸性水性媒体に注入する工程:
好ましくは、本発明の頭髪用組成物は、下記の工程(a)から(c)によって作製されるカゼインナノ粒子を含む。
(a)カゼイン又その塩をpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
(b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の疎水性の頭髪有効成分を添加する工程;及び
(c)工程(b)で得た溶液を攪拌しながら、該溶液のpH を等電点からpH1以上離れたpHまで下降させる工程:
(a)カゼイン又その塩をpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
(b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の疎水性の頭髪有効成分を添加する工程;及び
(c)工程(b)で得た溶液を攪拌しながら、該溶液のpH を等電点からpH1以上離れたpHまで下降させる工程:
本発明では、極めて低いアルコール濃度にも関わらず、疎水性の頭髪有効成分を含有しかつ、低粘度である製剤を実現した。例えば、カゼインナノ粒子を用いて本発明の製剤を製造することができる。即ち、本発明の頭髪用組成物は、多量のエタノールを含む必要がないため頭皮へのエタノールによる刺激が少なく、また低粘度であるために爽快感が向上し、べた付きが少ないという利点を有している。
以下、本発明の実施の形態についてさらに具体的に説明する。
本発明の頭髪用組成物に使用できるアルコールとしては、エタノールやイソプロピルアルコールなどの比較的毒性の低い有機溶媒が例にあげられ、エタノールが特に好ましい。本発明の頭髪用組成物中のアルコールの含有量は重量換算で、1重量%以上50重量%以下であり、好ましくは1重量%以上30重量%以下であり、さらに好ましくは1重量%以上20重量%以下である。
本発明の頭髪用組成物に使用できるアルコールとしては、エタノールやイソプロピルアルコールなどの比較的毒性の低い有機溶媒が例にあげられ、エタノールが特に好ましい。本発明の頭髪用組成物中のアルコールの含有量は重量換算で、1重量%以上50重量%以下であり、好ましくは1重量%以上30重量%以下であり、さらに好ましくは1重量%以上20重量%以下である。
本発明の頭髪用組成物の粘度は30P以下である。より好ましくは10P以下であり、さらに好ましくは5P以下であり、最も好ましくは2P以下である。
本発明の頭髪用組成物は、合成高分子を含まない。ここでいう合成高分子とは、水または水−エタノール系液体に可溶である合成高分子(カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルヒドロキシセルロース、エチルヒドロキシセルロース、プロピルヒドロキシセルロース、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、ヒアルロン酸塩、ビーガム、カラギーナン、カルボキシメチルキチン、ポリエチレンイミン、アクリル酸系樹脂、ポリアクリル酸塩等)、ベミュレン(アクリル酸・メタアクリル酸アルキル共重合体)などの水溶性高分子鎖に疎水性基鎖を有する化合物である。
共重合体には、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、ブロック共重合体など4種類の構造があるがいずれの高分子のおいてもその立体構造により、高粘度化を犠牲にして製剤としての可溶化性を増大している。具体的には、(A)アクリル酸及び/又はメタクリル酸(B)アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる一種又は二種以上(C)ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとアクリル酸のエステル、又はポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとメタクリル酸のエステル上記の3種成分を共重合して得られる共重合体なども上述の合成高分子に含まれる。
本発明で用いられる疎水性の頭髪有効成分としては、医薬品、医薬部外品又は化粧品として使用可能な素材であることが好ましい。具体的には、例えば、保湿剤、紫外線吸収剤、活性酸素除去剤、抗酸化剤、抗炎症剤、血行促進剤、育毛剤、毛髪栄養剤、アンチエイジング剤、コラーゲン合成促進剤、ビタミン剤、ミネラル、又はアミノ酸類などから選ぶことができ、これらの具体例については後記する。
本発明の頭髪用組成物は、具体的には頭髪有効成分を内包したタンパク質ナノ粒子を含むことで達成できる。ここで、本発明で用いるタンパク質の種類は特に限定されないが、リジン残基およびグルタミン残基を有するタンパクが好ましく、分子量1万から100万程度のタンパク質を用いることが好ましい。タンパク質の由来は特に限定されないが、ヒト由来のタンパク質を用いることが好ましい。タンパク質として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。コラーゲン、ゼラチン、酸処理ゼラチン、アルブミン、オバルブミン、カゼイン、トランスフェリン、グロブリン、フィブロイン、フィブリン、ラミニン、フィブロネクチン、又はビトロネクチンからなる群より選ばれる少なくとも一種を使用することができる。また、タンパク質の由来は特に限定するものではなく、牛、豚、魚、および遺伝子組み換え体のいずれも用いることができる。遺伝子組み換えゼラチンとしては、例えばEP1014176A2号、米国特許6,992,172号に記載のものを用いることができるがこれらに限定されるものではない。その中で好ましいものは、カゼイン、酸処理ゼラチン、コラーゲン、又はアルブミンであり、最も好ましいものはカゼインである。
本発明でカゼインを用いる場合、カゼインの由来は特に限定されず、乳由来であっても、豆由来であってもよく、α−カゼイン、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼインおよびそれらの混合物を使用することができる。遺伝子組み換え体を使用することもできる。好ましくは、カゼインナトリウムを用いることができる。カゼインは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明に使用されるカゼインは、αカゼイン、βカゼイン、κカゼインのうち少なくとも2種以上からなり、混合している場合は、αカゼインを30%以上、より好ましくはαカゼインを40%以上。βカゼインを15%以上、より好ましくはβカゼインを20%以上、κカゼインを3%以上、より好ましくはκカゼインを5%以上含んでいることが好ましい。αカゼインは、α(S1)カゼイン、α(S2)カゼインから構成されていても、それぞれ単品でも構わない。
本発明のナノ粒子は、特許文献特開平6−79168号公報、又はC.Coester著、ジャ
ーナル・ミクロカプスレーション、2000年、17巻、p.187−193に記載の方法に準じて作製することができるが、架橋方法としてグルタルアルデヒドの代わりに酵素を用いることが好ましい。
ーナル・ミクロカプスレーション、2000年、17巻、p.187−193に記載の方法に準じて作製することができるが、架橋方法としてグルタルアルデヒドの代わりに酵素を用いることが好ましい。
ナノ粒子を構成するタンパク質は、架橋していても、架橋していなくとも構わない。架橋する場合、化学的架橋、物理的架橋、生物学的架橋のどれを用いても構わない。架橋剤を用いる場合は、カゼインまたはその塩に対して、0.1〜100質量%添加することが好ましいが、ナノ粒子を構成する量であれば添加量は限定されない。
化学架橋させる場合は、架橋剤としては、無機または有機の架橋剤を用いることができる。無機または有機の架橋剤の具体例としては、クロム塩(クロム明ばん、酢酸クロムなど);カルシウム塩(塩化カルシウム、水酸化カルシウムなど);アルミニウム塩(塩化アルミニウム、水酸化アルミニウムなど);カルボジイミド類(EDC,WSC、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド(HONB)、N-ヒドロキシコハク酸イミド(HOSu)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)など);N−ヒドロキシスクシイミド;オキシ塩化リン、ビニルスルホンなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。上記した架橋剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。架橋剤を使用する場合、タンパク質の重量に対して、好ましくは0.1〜100重量%の架橋剤を添加して架橋処理を行うことができる。
また、反応性基を導入したタンパク質を用いても良い。反応性基として例えば、光反応性基(例えば、シンナミル基)、ラジカル発生基(例えば、ジチオカルバミル基、カンファキノン基)、ビニル基(例えば、スチレン基)が挙げられる。さらに、反応性基と反応する化合物と混合して使用することもできる。
物理的に架橋させる場合は、光反応性基を有するモノマー用いUV照射する方法、パルス照射により局所的にラジカルを発生させ架橋する方法などを用いても構わない。
酵素としては、タンパク質の架橋作用を有するものであれば特に限定されないが、好ましくはトランスグルタミナーゼを用いることができる。トランスグルタミナーゼは、哺乳類由来のものであっても、微生物由来のものであってもよく、具体的には、味の素(株)製アクティバシリーズ、試薬として発売されている哺乳類由来のトランスグルタミナーゼ、例えば、オリエンタル酵母工業(株)製、Upstate USA Inc.製、Biodesign International製などのモルモット肝臓由来トランスグルタミナーゼ、ヤギ由来トランスグルタミナーゼ、ウサギ由来トランスグルタミナーゼなどが挙げられる。
本発明において架橋処理のために用いられる酵素の量は、タンパク質の種類に応じて適宜設定することが出来るが、標準的には、タンパク質の重量に対して、0.1〜100重量%程度を添加することができ、好ましくは、1〜50重量%程度を添加することができる。
酵素による架橋反応の時間は、タンパク質の種類、ナノ粒子サイズに応じて適宜設定することができるが、標準的には、1時間から72時間反応することができ、好ましくは、2時間から24時間反応することができる。
酵素による架橋反応の温度は、タンパク質の種類、ナノ粒子サイズに応じて適宜設定することができるが、標準的には、0℃から80℃で反応することができ、好ましくは、25℃から60℃で反応することができる。
本発明に用いられる酵素を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明においては、酵素架橋処理を有機溶媒中で行うことが好ましい。ここで用いる有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、アセトン、THFなどの水溶性有
機溶媒が好ましい。さらに、本発明においては、架橋処理後に有機溶媒を留去し、水分散することが好ましい。有機溶媒を留去前に水を加えてもよく、留去後に水を加えても良い。
機溶媒が好ましい。さらに、本発明においては、架橋処理後に有機溶媒を留去し、水分散することが好ましい。有機溶媒を留去前に水を加えてもよく、留去後に水を加えても良い。
本発明におけるナノ粒子とは、体積平均粒径は、通常は1〜1000nmであり、好ましくは10〜1000nmであり、より好ましくは10〜200nmであり、さらに好ましくは10〜100nmであり、特に好ましくは20〜50nmである。
本発明に用いられるタンパク質は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明に用いられるタンパク質は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明におけるナノ粒子には、脂質(リン脂質など)、アニオン性多糖、カチオン性多糖、アニオン性タンパク質、カチオンタンパク質、又はシクロデキストリンから選択される1種以上の成分を添加することもできる。脂質(リン脂質など)、アニオン性多糖、カチオン性多糖、アニオン性タンパク質、カチオンタンパク質、及びシクロデキストリンの添加量は特に限定されないが、一般的にはタンパク質の重量に対して0.1〜100重量%の量で添加することができる。本発明の育毛用製剤においては、上記成分とタンパク質の比を変えることよって、徐放速度を調整することができる。
本発明に用いることができるリン脂質として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリンなどが挙げられる。
本発明に用いることができるアニオン性多糖とはカルボキシル基、硫酸基又はリン酸基等の酸性極性基を有する多糖類である。以下に具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、フコイダン、アガロペクチン、ポルフィラン、カラヤガム、ジェランガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸類等が挙げられる。
本発明に用いることができるカチオン性多糖とは、アミノ基等の塩基性極性基を有する多糖類である。以下に具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。キチン、キトサンなどのグルコサミンやガラクトサミンを構成単糖として含むものなどが挙げられる。
本発明に用いることができるアニオン性タンパク質とは等電点が生理的pHよりも塩基性側にあるタンパク質およびリポタンパク質である。具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、リゾチーム、チトクロムC、リボヌクレアーゼ、トリプシノーゲン、キモトリプシノーゲン、α−キモトリプシンなどが挙げられる。
本発明に用いられるカチオンタンパク質とは等電点が生理的pHよりも酸性側にあるタンパク質およびリポタンパク質である。具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。ポリリジン、ポリアルギニン、ヒストン、プロタミン、オバルブミンなどが挙げられる。
本発明においては、下記の工程(a)から(c)によって作製される、疎水性の頭髪有効成分を内包したカゼインナノ粒子(好ましくは平均粒経10nm以上100nm未満である)を用いることができる。
(a)カゼイン又その塩をpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
(b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の疎水性の頭髪有効成分を添加する工程;及び
(c)工程(b)で得た溶液を pH3.5〜7.5の酸性水性媒体に注入する工程:
(a)カゼイン又その塩をpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
(b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の疎水性の頭髪有効成分を添加する工程;及び
(c)工程(b)で得た溶液を pH3.5〜7.5の酸性水性媒体に注入する工程:
さらに本発明においては、下記の工程(a)から(c)によって作製される、疎水性の頭髪有効成分を内包したカゼインナノ粒子(好ましくは平均粒経10nm以上100nm未満である)を用いることができる
(a)カゼイン又その塩をpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
(b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の疎水性の頭髪有効成分を添加する工程;及び
(c)工程(b)で得た溶液を攪拌しながら、該溶液のpH を等電点からpH1以上離れたpHまで下降させる工程:
(a)カゼイン又その塩をpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
(b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の疎水性の頭髪有効成分を添加する工程;及び
(c)工程(b)で得た溶液を攪拌しながら、該溶液のpH を等電点からpH1以上離れたpHまで下降させる工程:
本発明においては、所望のサイズのカゼインナノ粒子を作製できる。また、疎水性の頭髪有効成分とカゼイン疎水性部分の相互作用を利用して、カゼインナノ粒子内に頭髪有効成分を内包できる。さらに、これらの粒子は水溶液中で安定に存在することが見出された。
また、カゼインまたはその塩とイオン性多糖または別種のイオン性タンパク質との混合粒子により、イオン性活性成分を内包することも見出された。
また、カゼインまたはその塩とイオン性多糖または別種のイオン性タンパク質との混合粒子により、イオン性活性成分を内包することも見出された。
本発明の分散物の作製方法は、カゼインまたはその塩を塩基性水性媒体液に混合し、塩基性水性媒体中に注入する方法と、カゼインまたはその塩を塩基性水性媒体液に混合し、攪拌しながら、pHを下降させる方法が挙げられる。
カゼインまたはその塩を塩基性水性媒体液に混合し、塩基性水性媒体中に注入する方法としては、シリンジによるのが簡便で好ましいが、注入速度、溶解性、温度、撹拌状態を満足する方法であれば特に限定しない。一般的には、注入速度は、1mL/minから100mL/minで注入することができる。塩基性水性媒体の温度は、適宜設定することができるが、標準的には、0℃から80℃にすることができ、好ましくは、25℃から70℃にすることができる。水性媒体の温度は、適宜設定することができるが、標準的には、0℃から80℃にすることができ、好ましくは、25℃から60℃ですることができる。攪拌速度は、適宜設定することができるが、標準的には、100rpmから3000rpmにすることができ、好ましくは、200rpmから2000rpmである。
カゼインまたはその塩を塩基性水性媒体液に混合し、攪拌しながら、pHを下降させる方法としては、酸を滴下するのが簡便で好ましいが、溶解性、温度、撹拌状態を満足する方法であれば特に限定しない。塩基性水性媒体の温度は、適宜設定することができるが、標準的には、0℃から80℃にすることができ、好ましくは、25℃から70℃にすることができる。攪拌速度は、適宜設定することができるが、標準的には、100rpmから3000rpmにすることができ、好ましくは、200rpmから2000rpmである。
本発明に用いる水性媒体は、有機酸または塩基、無機酸または無機塩基の水溶液、又は緩衝液を用いることができる。
具体的には、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、カルボン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸またはフタル酸、トリフルオロ酢酸、モルホリノエタンスルホン酸、2-〔4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル〕エタンスルホン酸のような有機酸;トリス(ヒドロキシメチル)、アミノメタン、アンモニアのような有機塩基;塩酸、過塩素酸、炭酸のような無機酸;燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムのような無機塩基を用いた水溶液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
具体的には、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、カルボン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸またはフタル酸、トリフルオロ酢酸、モルホリノエタンスルホン酸、2-〔4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル〕エタンスルホン酸のような有機酸;トリス(ヒドロキシメチル)、アミノメタン、アンモニアのような有機塩基;塩酸、過塩素酸、炭酸のような無機酸;燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムのような無機塩基を用いた水溶液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いる水性媒体の濃度は、約10mMから約1Mが好ましい。より好ましくは、約20mMから約200mMである。
本発明に用いる塩基性水性媒体のpHは、8以上が好ましく、8から12が好ましい。より好ましくはpH10〜12である。pHが高すぎると加水分解の懸念や取り扱い上の危険性があるため、上述の範囲が好ましい。
本発明において、カゼインまたはその塩をpH8以上の塩基性水性媒体に混合させる温度は、0〜80℃が好ましく、10〜70℃が好ましい。より好ましくは、30〜70℃である。
本発明に用いる酸性水性媒体のpHは、好ましいpHは3.5〜7.5である。より好ましくはpHは5から7.5である。前述の範囲外では、粒子サイズが大きくなる傾向が見られる。
本発明で用いる頭髪有効成分の種類は、特に限定されないが、例えば、化粧品用成分、医薬部外品成分、又は医薬品成分から選ぶことができる。本発明において、タンパク質ナノ粒子に内包される頭髪有効成分の具体例としては、保湿剤、紫外線吸収剤、活性酸素除去剤、抗酸化剤、抗炎症剤、血行促進剤、育毛剤、毛髪栄養剤、アンチエイジング剤、コラーゲン合成促進剤、ビタミン剤、ミネラル、又はアミノ酸類など下記に列挙するもののうちで疎水性成分を選ぶことができる。本発明においては、脂溶性の頭髪有効成分とカゼイン疎水性部分の相互作用を利用して、カゼインナノ粒子内に頭髪有効成分を内包できることが見出された。さらに、これらの粒子は水溶液中で安定に存在することが見出された。脂溶性の物質としては、好ましくはClogPが0より大きく、より好ましくはClogPが1以上である。
保湿剤としては、例えば、カンテン、ジグリセリン、ジステアリルジモニウムヘクトライト、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール、ヨクイニンエキス、ワセリン、尿素、ヒアルロン酸、セラミド、リピジュア、イソフラボン、アミノ酸、コラーゲン、ムコ多糖、フコダイン、ラクトフェリン、ソルビトール、キチン・キトサン、リンゴ酸、グルクロン酸、プラセンタエキス、海藻エキス、ボタンピエキス、アマチャエキス、オトギリソウエキス、コレウスエキス、マサキ抽出物、コウカエキス、マイカイ花エキス、チョレイエキス、サンザシエキス、ローズマリーエキス、デュークエキス、カミツレエキス、オドリコソウエキス、レイシエキス、セイヨウノコギリソウエキス、アロエエキス、マロニエエキス、アスナロエキズ、ヒバマタエキス、オスモインエキス、オーツ麦エキス、チューベロースポリサッカライド、冬虫夏草エキス、大麦エキス、オレンジ抽出物、ジオウエキス、サンショウエキス、ヨクイニンエキスなどを挙げることができる。また、カゼインナノ粒子の場合は、カゼイン自体が保湿性を有する。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸ホモメンチル、4−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、酸化チタンおよび酸化亜鉛等が挙げられる。
活性酸素除去剤としては、スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)、マンニトール、ベータカロチン等のカロテノイド類、アスタキサンチン、ルチン及びその誘導体、ビリルビン、コレステロール、トリプトファン、ヒスチジン、クエルセチン、クエルシトリン、カテキン、カテキン誘導体、没食子酸、没食子酸誘導体、オウゴン抽出物、イチョウ抽出物、ユキノシタ抽出物、メリッサ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ボタンピ抽出物、パセリ抽出物、トルメンチラ抽出物、羅漢果抽出物、海藻抽出物、ヤシャジツ抽出物、ジコッピ抽出物等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、カロテン類、レチノイン酸、レチノール、ビタミンC及びその誘導体、カイネチン、アスタキサンチン、トレチノイン、ビタミンEおよびその誘導体、セサミン、α−リポ酸、コエンザイムQ10、フラボノイド類、エリソルビン酸、没食子酸プロピル、BHT(ジ-n-ブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニ
ソール)、コウキエキス、大豆エキス、紅茶エキス、茶エキス、エイジツエキスなどを挙げることができる。
ソール)、コウキエキス、大豆エキス、紅茶エキス、茶エキス、エイジツエキスなどを挙げることができる。
抗炎症剤が、アズレン、グアイアズレン、塩酸ジフェンヒドラミン、酢酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、メフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン及びケトプロフェンから選ばれる化合物並びにそれらの誘導体並びにそれらの塩、オウゴンエキス、カワラヨモギエキス、キキョウエキス、キョウニンエキス、クチナシエキス、クマザサ抽出液、ゲンチアナエキス、コンフリーエキス、シラカバエキス、ゼニアオイエキス、トウニンエキス、桃葉エキス並びにビワ葉エキスから選ばれる植物抽出物から選ばれるもの。
血行促進剤が、ニコチン酸、センブリ抽出物、γ-オキサゾール、アルコキシカルボニ
ルピリジンN-オキシド、塩化カルプロニウム、及びアセチルコリン又はその誘導体から選ばれるもの。
ルピリジンN-オキシド、塩化カルプロニウム、及びアセチルコリン又はその誘導体から選ばれるもの。
育毛剤が、グリチルレチン酸又はその誘導体、グリチルリチン酸又はその誘導体、ヒノキチオール、ミノキシジルまたはその類縁体、アデノシン、ビタミンE又はその誘導体、
ビタミンC誘導体、6-ベンジルアミノプリン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸トコフェ
ロール、ニコチン酸β-ブトキシエステル、イソプロピルメチルフェノール、ペンタデカ
ン酸又はその誘導体、セファラチン、フィナステリド、t-フラバノン、パントテニルエチルエーテルなどを挙げることができる。特に好ましいのはヒノキチオール、ミノキシジルまたはその類縁体である。
ビタミンC誘導体、6-ベンジルアミノプリン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸トコフェ
ロール、ニコチン酸β-ブトキシエステル、イソプロピルメチルフェノール、ペンタデカ
ン酸又はその誘導体、セファラチン、フィナステリド、t-フラバノン、パントテニルエチルエーテルなどを挙げることができる。特に好ましいのはヒノキチオール、ミノキシジルまたはその類縁体である。
毛髪栄養剤、アンチエイジング剤、コラーゲン合成促進剤、ビタミン剤、ミネラル、又はアミノ酸類にも、それぞれ公知の成分を用いることができる。
上記した頭髪有効成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、タンパク質とイオン性多糖または別種のイオン性タンパク質との混合粒子により、イオン性頭髪有効成分を内包することも見出された。
本発明の頭髪用組成物は、0.01〜50重量%のタンパク質ナノ粒子を含有することが好ましく、0.1〜10重量%のタンパク質ナノ粒子を含有することがさらに好ましい。
本発明の頭髪用組成物は、タンパク質の重量に対して、0.1〜100重量%の頭髪有
効成分を含有することが好ましく、タンパク質の重量に対して、0.1〜50重量%の頭
髪有効成分を含有することがさらに好ましい。
本発明の頭髪用組成物は、タンパク質の重量に対して、0.1〜100重量%の頭髪有
効成分を含有することが好ましく、タンパク質の重量に対して、0.1〜50重量%の頭
髪有効成分を含有することがさらに好ましい。
本発明において、頭髪有効成分は、タンパク質ナノ粒子の形成時に添加してもよいし、ナノ粒子の作成後に添加してもよい。
さらに本発明の頭髪用組成物は、添加剤としての頭髪有効成分を含有していてもよい。添加剤としての頭髪有効成分の具体例としては、以下のものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。パントテン酸、パンテノール、カンゾウ抽出物、キンセイソウ抽出物、クジン抽出物、センブリ抽出物、トウガラシ抽出物、トウチャ抽出物、ニンジン抽出物、ホウコウエイ抽出物、ボタン抽出物、ミカン抽出物などを挙げることができる。
本発明の頭髪用組成物はさらに、特定の効果を得ることのできる添加物を含むことができる。添加物としては特に限定することはないが、殺菌剤、抗炎症剤、血行促進剤、清涼剤、保湿剤、柔軟剤、経皮吸収促進剤、酸化防止剤、色素剤、増粘剤、香料、又はpH調整剤から選択される1種以上のものを使用することができる。
本発明で用いることができる殺菌剤の具体例を以下に示すが、殺菌の効果を示すものであれば、特に限定されない。殺菌剤は、化粧品用成分、医薬部外品成分、又は医薬品成分から適宜選択することができる。また、殺菌とは、その広範な抗菌スペクトルにより抗菌作用を有することをさす。
殺菌剤は、イオン性物質または脂溶性物質であることが好ましく、脂溶性物質であることが特に好ましい。種類としては、合成物、植物抽出物等などが挙げられる。
具体的に、アクリノール、イオウ、グルコン酸カルシウム、グルコン酸クロルヘキシジン、スルファミン、マーキュロクロム、ラクトフェリン又はその加水分解物、塩化アルキルジアミノエチルグリシン液、トリクロサン、次亜塩素酸ナトリウム、クロラミンT、サラシ粉、ヨウ素化合物、ヨードホルム、ソルビン酸又はその塩、プロピオン酸又はその塩、サルチル酸、レゾルシン、デヒドロ酢酸、パラヒドロキシ安息香酸エステル類、ウンデシレン酸、チアミンラウリル硫酸塩、チアミンラウリル硝酸塩、フェノール、2,2,4-トリクロル-2-ヒドロキシフェノール、クレゾール、p-クロロフェノール、p-クロロ-m-キシレノール、p-クロロ-m-クレゾール、チモール、フェネチルアルコール、O-フェニルフェノール、イルガサンCH3565、ハロカルバン、ヘキサクロロフェン、クロロヘキシジン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2-フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、ジンクピリジオン、クロロブタノール、イソプロピルメチルフェノール、非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等)、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンカリウム等)、カチオン界面活性剤(臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルロザニリン)、ホルムアルデヒド、ヘキサミン、ブリリアントグリーン、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレット、ジャーマル、感光素101号、感光素201号、感光素401号、N-長鎖アシル塩基性アミノ酸誘導体及びその酸附加塩、酸化亜鉛、ヒノキチオール、クジン、プロポリスなどが挙げられる。好ましくは 安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、過酸化水素、ギ酸、ギ酸エチル、ジ亜塩素酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、ペクチン分解物、ポリリジン、フェノール、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、フェノキシエタノール、レゾルシン、チモール、チラム、ティーツリー油が挙げられる。より好ましくは、フェノキシエタノール、チモール、シネオール、イソプロピルメチルフェノール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチルである。
本発明で用いる抗炎症剤は、イオン性物質または脂溶性物質であることが好ましい。本発明で用いることができる抗炎症剤の具体例としては、アズレン、グアイアズレン、塩酸ジフェンヒドラミン、酢酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、メフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン及びケトプロフェンから選ばれる化合物並びにそれらの誘導体並びにそれらの塩、オウゴンエキス、カワラヨモギエキス、キキョウエキス、キョウニンエキス、クチナシエキス、クマザサ抽出液、ゲンチアナエキス、コンフリーエキス、シラカバエキス、ゼニアオイエキス、トウニンエキス、桃葉エキス並びにビワ葉エキスから選ばれる植物抽出物、タンパク質、多糖類、動物抽出物等などが挙げられる。
本発明で用いることができる血行促進剤の具体例を以下に示すが、血行促進の効果を示すものであれば、特に限定されない。また、血行促進とは、毛細血管の弛緩、増強、刺激および温度上昇による血管拡張などの作用による、血流量を増加させる作用をさす。本発明で用いる血行促進剤は、イオン性物質または脂溶性物質であることが好ましい。また、本発明で用いることができる血行促進剤としては、合成物、植物抽出物、ビタミン類、糖類等などが挙げられる。
合成物としては、高血圧用薬剤としての効能が周知されているミノキシジル、前立腺肥大用薬剤として効能が周知されているフィナステリド、円形脱毛症用薬剤として効能が周知されている塩化カルプロニウムなどが挙げられる。
植物抽出物として、リンドウ科植物の根茎および走根から得られるセンブリエキス、ウコギ科植物の根茎および走根から得られるニンジンエキス、マメ科植物の根茎および走根から得られるクララエキスまたは、セイヨウハッカなどの葉から得られるハッカエキスまたは、ツヅラフジ科植物のアルカノイドであるセファランチン、トウガラシから得られるトウガラシチンキまたは、生姜から得られるショウキョウチンキまたは、ニンニクから抽出される、ニンニクエキスが挙げられる。
ビタミン類としては、ビタミンB、ビタミンE及びその誘導体が好ましい。ビタミンE及びその誘導体として、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロールなどが挙げられ、それらは天然型のα‐トコフェロールであるほうが好ましい。また、ビタミンB及びその誘導体として、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジルなどが挙げられ、親水性から疎水性物質と、幅広く存在する。
糖類としては、ムコ多糖類が好ましく、その具体例としては血液凝固抑制能を有するヘパリンがあげられる。
本発明で用いられる血行促進剤はトコフェノール誘導体、ニコチン酸誘導体、セファランチン、フィナステリド、ミノキシジル、センブリエキスであることが好ましい。
本発明で用いられる清涼剤としてはメント−ル、カンファー、ミント、ユーカリ油等を挙げることができる。特にこれらの中でメント−ルを用いることが好ましく、L−メントールを用いることが更に好ましい。
本発明で用いることができる保湿剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。カンテン、ジグリセリン、ジステアリルジモニウムヘクトライト、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール、ヨクイニンエキス、ワセリン、尿素、ヒアルロン酸、セラミド、リピジュア、イソフラボン、アミノ酸、コラーゲン、ムコ多糖、フコダイン、ラクトフェリン、ソルビトール、キチン・キトサン、リンゴ酸、グルクロン酸、プラセンタエキス、海藻エキス、ボタンピエキス、アマチャエキス、オトギリソウエキス、コレウスエキス、マサキ抽出物、コウカエキス、マイカイ花エキス、チョレイエキス、サンザシエキス、ローズマリーエキス、デュークエキス、カミツレエキス、オドリコソウエキス、レイシエキス、セイヨウノコギリソウエキス、アロエエキス、マロニエエキス、アスナロエキズ、ヒバマタエキス、オスモインエキス、オーツ麦エキス、チューベロースポリサッカライド、冬虫夏草エキス、大麦エキス、オレンジ抽出物、ジオウエキス、サンショウエキス、ヨクイニンエキスなどが挙げられる。
本発明で用いることができる柔軟剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。グリセリン、ミネラルオイル、エモリエント成分(例えば、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ポリグリセリル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチル、オレイン酸、オレイン酸グリセリル、カカオ脂、コレステロール、混合脂肪酸トリグリセリド、コハク酸ジオクチル、酢酸ステアリン酸スクロース、シクロペンタシロキサン、ジステアリン酸スクロース、パルミチン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ベヘン酸アラキル、ポリベヘン酸スクロース、ポリメチルシルセスキオキサン、ミリスチルアルコール、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシルなど)が挙げられる。
本発明で用いることができる経皮吸収促進剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。エタノール、ミリスチン酸イソプロピル、クエン酸、スクワラン、オレイン酸、メントール、N-メチル-2-ピロリドン、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、尿素、植物油、動物油が挙げられる。
本発明で用いることができる酸化防止剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。ビタミンA、レチノイン酸、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、レチニルアセテート、レチニルパルミテート、レチノイン酸トコフェリル、ビタミンCおよびその誘導体、カイネチン、β−カロテン、アスタキサンチン、ルテイン、リコピン、トレチノイン、ビタミンE、α−リポ酸、コエンザイムQ10、ポリフェノール、SOD、フィチン酸などが挙げられる。
本発明で用いることができる色素剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。オキアミ色素、オレンジ色素、カカオ色素、カオリン、カルミン類、グンジョウ、コチニール色素、酸化クロム、酸化鉄、二酸化チタン、タール色素、クロロフィルなどが挙げられる。
本発明で用いることができる増粘剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。クインスシード、カラギーナン、アラビアガム、カラヤガム、キサンタンガム、ジェランガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、ペクチン、デンプン、シクロデキストリン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明で用いることができる香料として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。ジャコウ、アカシア油、アニス油、イランイラン油、シナモン油、ジャスミン油、スウィートオレンジ油、スペアミント油、ゼラニウム油、タイム油、ネロリ油、ハッカ油、ヒノキ油、フェンネル油、ペパーミント油、ベルガモット油、ライム油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ローズ油、ローズウッド油、アニスアルデヒド、ゲラニオール、シトラール、シベトン、ムスコン、リモネン、バニリンなどが挙げられる。
本発明で用いることができるpH調整剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸、コハク酸及びそれらの塩が挙げられる。
本発明の頭髪用組成物は、上述のナノ粒子を水性基材中に分散して用いることが好ましい。分散物の剤型は特に限定されないが、例えば、外用液剤、エアゾール剤、ローション剤、トニック剤、リニメント剤、乳剤、懸濁剤、飽和剤、泡剤、化粧水、パック、シート状外用剤などを挙げることができる。
本発明の頭髪用組成物に含有する成分は、特に限定されないが、例えば、化粧品用成分又は医薬品成分から選ぶことができる。化粧品用成分としては、例えば、保湿剤、育毛剤、養毛剤、発毛剤、抗白髪剤、アンチエイジング剤、抗酸化剤、コラーゲン合成促進剤、ビタミン剤、香料、色素剤、制汗剤、冷感剤、温感剤などを挙げることができる。また、医薬品成分としては、育毛剤、養毛剤、発毛剤、抗生剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤、ホルモン剤、皮膚疾患治療薬、抗真菌薬、鎮痒剤、発汗剤、止汗剤、血管収縮剤、血管拡張剤、ビタミン剤、ポリペプチド、ホルモン又は皮膚軟化剤などを挙げることができる。上記した活性成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の頭髪用組成物は、含有する成分により、単一もしくは複数の効果を有する育毛剤または頭髪用化粧料として使用できる。
本発明の頭髪用組成物の剤型は特に限定されないが、例えば、外用液剤、湿布剤、塗布剤、清拭剤、浴剤、消毒剤、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、泥膏剤、パップ剤、硬膏剤、創面被覆剤、創面被覆剤-ガーゼ型、止血剤、接着剤、粘着テープ剤、経皮吸収型粘着テ
ープ、創傷保護剤、エアゾール剤、ローション剤、トニック剤、リニメント剤、乳剤、懸濁剤、飽和剤、チンキ剤、粉剤、泡剤、化粧水、マッサージクリーム、栄養クリーム、パック、シート状外用剤、メーキャップ化粧料、皮膚着色用外用剤、皮膚粘着タイプの化粧料、シャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、ヘアパック、ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアスプレー、パーマネントウエーブ用組成物、染毛剤、ボディーソープ、石鹸、浴用剤、サンケア(サンスクリーン、サンオイル、アフターサンローション)、フレグランスなどを挙げることができる。
ープ、創傷保護剤、エアゾール剤、ローション剤、トニック剤、リニメント剤、乳剤、懸濁剤、飽和剤、チンキ剤、粉剤、泡剤、化粧水、マッサージクリーム、栄養クリーム、パック、シート状外用剤、メーキャップ化粧料、皮膚着色用外用剤、皮膚粘着タイプの化粧料、シャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、ヘアパック、ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアスプレー、パーマネントウエーブ用組成物、染毛剤、ボディーソープ、石鹸、浴用剤、サンケア(サンスクリーン、サンオイル、アフターサンローション)、フレグランスなどを挙げることができる。
本発明の頭髪用組成物の投与方法は特に限定されないが、例えば、頭皮に直接塗布して投与することができる。
本発明の頭髪用組成物の投与量は、頭髪有効成分の種類及び使用量、使用者の体重、状態などに応じて適宜設定することができるが、一般的には、1回の投与につき、1μg〜50mg/cm2程度を投与することができ、好ましくは2.5μg〜10mg/cm2程度を投与することができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:
カゼインNa(乳由来・和光純薬製)30mgをpH9、50mMリン酸バッファー1mLに混合させる。グリチルレチン酸(和光純薬製)1.7mgをエタノール0.25mLに溶解させる。カゼイン溶液に攪拌下、グリチルレチン酸溶液を滴下し、この混合液を、外設40℃、800rpmの攪拌条件で、1mLをマイクロシリンジを用いて、pH5、200mMのリン酸バッファー水10mL中に注入したところ、グリチルレチン酸を内包したカゼインナノ粒子の水分散液が得られた。上記粒子の体積平均粒経は、Sysmex社製「Zetasizer Nano」を用いて測定したところ、18nmであった。
カゼインNa(乳由来・和光純薬製)30mgをpH9、50mMリン酸バッファー1mLに混合させる。グリチルレチン酸(和光純薬製)1.7mgをエタノール0.25mLに溶解させる。カゼイン溶液に攪拌下、グリチルレチン酸溶液を滴下し、この混合液を、外設40℃、800rpmの攪拌条件で、1mLをマイクロシリンジを用いて、pH5、200mMのリン酸バッファー水10mL中に注入したところ、グリチルレチン酸を内包したカゼインナノ粒子の水分散液が得られた。上記粒子の体積平均粒経は、Sysmex社製「Zetasizer Nano」を用いて測定したところ、18nmであった。
実施例2〜9及び比較例1〜5
以下同様にして、表1及び表2に示す疎水成分をエタノールに溶解、混合しサンプルを作製した。また、粒子の体積平均粒経は、Sysmex社製「Zetasizer Nano」を用いて測定した。さらに、粘度はCBC社製 ビスコメイトVM-10A 振動式粘度計にて測定した。結果を表1及び表2に示す。
以下同様にして、表1及び表2に示す疎水成分をエタノールに溶解、混合しサンプルを作製した。また、粒子の体積平均粒経は、Sysmex社製「Zetasizer Nano」を用いて測定した。さらに、粘度はCBC社製 ビスコメイトVM-10A 振動式粘度計にて測定した。結果を表1及び表2に示す。
上記表1及び表2に示す通り、本発明によって、疎水性成分であるグリチルレチン酸を低粘度でかつ低エタノール濃度で水性分散液とすることができた。
Claims (6)
- 1重量%以上50重量%以下のアルコールを含有し、かつ疎水性の頭髪有効成分を含有する、粘度30P以下の頭髪用組成物。
- アルコールがエタノールである、請求項1に記載の頭髪用組成物。
- 疎水性の頭髪有効成分が、育毛効果、発毛効果、抗炎症作用又は細胞賦活作用を有する、医薬品、医薬部外品又は化粧品として使用可能な成分である、請求項1又は2に記載の頭髪用組成物。
- 疎水性の頭髪有効成分の基材として、タンパク質ナノ粒子を含む、請求項1から3のいずれかに記載の頭髪用組成物。
- 下記の工程(a)から(c)によって作製されるカゼインナノ粒子を含む、請求項1から4の何れかに記載の頭髪用組成物。
(a)カゼイン又その塩をpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
(b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の疎水性の頭髪有効成分を添加する工程;及び
(c)工程(b)で得た溶液を pH3.5〜7.5の酸性水性媒体に注入する工程: - 下記の工程(a)から(c)によって作製されるカゼインナノ粒子を含む、請求項1から4の何れかに記載の頭髪用組成物。
(a)カゼイン又その塩をpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
(b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の疎水性の頭髪有効成分を添加する工程;及び
(c)工程(b)で得た溶液を攪拌しながら、該溶液のpH を等電点からpH1以上離れたpHまで下降させる工程:
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