JP2011047294A - 自動二輪車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体フレーム11と、車体フレーム11の前部上方に配置される燃料タンク35と、燃料タンク35の後方かつ車体フレーム11の上方に配置されるシート36と、燃料タンク35の下方かつ車体フレーム11の下方に懸架されるエンジン12と、エアクリーナケース61と、エアクリーナケース61内に配置される板状エレメント70と、板状エレメント70の着脱の際に利用されるメンテナンスリッド72とを備えた自動二輪車10において、エアクリーナケース61が燃料タンク35下方に配置されると共に、車両側面視で、板状エレメント70が後ろ上がりに傾斜して配置され、メンテナンスリッド72がシート36の下方でシート36に対向して設けられた。
【選択図】図2
Description
この構成によれば、板状エレメントが後ろ上がりに傾斜して配置され、板状エレメントの大きさがエアクリーナケースの高さ方向の大きさに影響しないため、エアクリーナケースを高さ方向にコンパクトに配置できる。これにより、エアクリーナケースをエンジンに近接させて配置できるとともに、シート高を低減できる。また、メンテナンスリッドが燃料タンクの後方のシートに対向して設けられたため、エアクリーナケースをエンジンに近接させて配置した場合においても燃料タンクが邪魔になることが無く、シートの側から板状エレメントを着脱してメンテナンスをすることができる。さらに、シートの下方はメンテナンスリッドが臨む空間が形成されるだけであるため、シート高を低減させて自動二輪車の取り廻し性を向上できる。
この場合、上下2分割で構成されたエアクリーナケースの下部エアクリーナケースに板状エレメントを配置したため、板状エレメントの着脱の際に、板状エレメントに付着した塵埃が、上部エアクリーナケース側、すなわち、クリーンサイド側に落ちることを防止でき、メンテナンス性を向上できる。また、下部エアクリーナケース側、すなわち、外気が導入されるダーティーサイド側にメンテナンスリッドを配置したため、メンテナンスリッドと下部エアクリーナケースの間の気密性の管理が比較的容易になり、生産性を向上できる。
この場合、板状エレメントをメンテナンスリッドから挿入する際に、エレメントホルダのエレメントガイド部を利用できるため、板状エレメントの着脱性を向上できる。
この場合、メンテナンスリッドをエアクリーナケースに固定すると、リッド側ガイド部によって板状エレメントが押し上げられて板状エレメントも同時に固定されるため、メンテナンス性を向上できる。また、メンテナンスリッドを取り外すと板状エレメントが自重によりエレメントガイド部の位置まで下がることが可能なため、板状エレメントが抜き易くなる。
この場合、上部に引っ掛け部を設け、上部を締結等により固定しないため、上部を支点にしてメンテナンスリッドを回動させながらエアーナケースに取り付けできるため、リッド側ガイド部で板状エレメントを持ち上げることができ、板状エレメントを固定位置まで押し上げることができる。また、メンテナンスリッドの上部に引っ掛け部を設けたため、上部に締結部品を設ける必要が無く、締結部品の点数を削減して生産性の向上及び軽量化を図ることができる。
この場合、エアクリーナケースの車体フレームへの全てのケース側締結部を上部エアクリーナケースに一体的に形成するため、各ケース側締結部の位置精度を向上させることができ、生産性が向上する。また、車体フレームの上方側からケース側締結部を締め付けてエアクリーナケースを組み付けできるため、組み付け作業が容易になり、さらに生産性が向上する。
この場合、エンジンの吸気負圧が作用する上部エアクリーナケースの壁部を球状に形成し、壁部の剛性が増加したため、吸気音を低減できる。
また、前記車体フレームは少なくとも左右一対のフレーム部材で構成され、前記燃料タンクは、後部に後面視でアーチ状に形成された後方締結部を備え、該後方締結部の車幅方向両端部を介して左右一対の前記フレーム部材に固定されても良い。
この場合、燃料タンクの後部にアーチ状の後方締結部を備えたため、燃料タンクの後方にメンテナンスリッドを配置する空間を確保できる。また、後方締結部は、左右一対のフレーム部材を連結する部材としても機能するため、フレーム部材の強度及び剛性を向上できる。
また、エレメントホルダのエレメントガイド部を利用して板状エレメントを挿入できるため、板状エレメントの着脱性を向上できる。
さらにまた、メンテナンスリッドの上部を支点にしてメンテナンスリッドを回動させながらエアーナケースに取り付けでき、リッド側ガイド部で板状エレメントを持ち上げることで、板状エレメントを固定位置まで押し上げることができる。また、メンテナンスリッドの上部に引っ掛け部を設けたため、上部に締結部品を設ける必要が無く、締結部品の点数を削減して生産性の向上及び軽量化を図ることができる。
さらに、エンジンの吸気負圧が作用する上部エアクリーナケースの壁部を球状に形成し、壁部の剛性が増加したため、吸気音を低減できる。
また、燃料タンクの後部にアーチ状の後方締結部を備えたため、燃料タンクの後方にメンテナンスリッドを配置する空間を確保できる。また、後方締結部は、左右一対のフレーム部材を連結する部材としても機能するため、フレーム部材の強度及び剛性を向上できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車10の左側面図である。
自動二輪車10は、車体フレーム11の中央部にエンジン12(内燃機関)が配置され、車体フレーム11の前端にフロントフォーク13が操舵可能に支持され、車体フレーム11の後部の下部に上下に揺動可能なスイングアーム14が支持された鞍乗り型の車両である。
シートレール20の中間部には、左右のシートレール20を連結するシート下クロスメンバ26が設けられている。また、センターフレーム19の上部には、左右のセンターフレーム19を連結する上部クロスメンバ27が設けられ、センターフレーム19の下部には、左右のセンターフレーム19の下部を連結する下部クロスメンバ28が設けられている。
スイングアーム14は、前後に延びる左右一対のアーム7を有し、左右のアーム7を、前部に設けられた前クロス部7Aと、後輪WRの前方に設けられた後クロス部7Bとで連結して構成されている。
スイングアーム14の前端部14Aには、ピボット軸30が貫通され、スイングアーム14は前端部14Aを揺動中心として後方へ延びている。駆動論としての後輪WRは、スイングアーム14の後端に支持されている。
スイングアーム14の下部には、下部クロスメンバ28に連結されるリンク機構31が連結されている。スイングアーム14を弾性支持するリアクッション32は、上端が上部クロスメンバ27に連結され、下端がリンク機構31に連結されて取り付けられている。リアクッション32は、スイングアーム14の前クロス部7Aと後クロス部7Bとの間を通って上下に延在している。
左右のシートレール20に跨って設けられる乗員用のシート36は、燃料タンク35の後端に連続してシートレール20の上方に配置され、シートレール20に沿うように後方に延びている。シート36は、シート36の後部に設けられたロック機構(図示略)によりロックされ、乗員等がこのロック機構を解除することで着脱自在に設けられている。また、シート36の後部の下方において、左右のシートレール20とサブフレーム21で囲まれた部分には、バッテリー9が配置されている。
また、左側のセンターフレーム19の下端には、折り畳み自在なサイドスタンド39が取り付けられている。自動二輪車10は左側にサイドスタンド39を有するため、サイドスタンド39を使用して駐車する場合には、車両が左側に所定の角度だけ傾いた状態で駐車される。ヘッドパイプ16の前方にはヘッドライト40が設けられている。
また、エンジン12は、クランクケース41の前部に連結された前ハンガ46が、ダウンフレーム18の下端に締結されるとともに、クランクケース41の後側の上部がセンターフレーム19の上部から延びる後ハンガ47に締結されて車体フレーム11に支持されている。また、エンジン12は、後側の下部が下部クロスメンバ28から延びる下部ハンガ48によっても車体フレーム11に固定されている。エンジン12は、全体として、車体フレーム11の下方に吊り下げられるようにして懸架されている。
シリンダヘッド43の前部には、排気管49が接続され、排気管49はクランクケース41の前方から下方を通って後方へ延び、排気管49の後端には後ろ上がりに延びるマフラー50が接続されている。
また、ダウンフレーム18の前部には、ラジエター51が取り付けられている。
吸気装置60は、吸い込んだ外気を清浄化する箱型のエアクリーナケース61と、エアクリーナケース61から前方へ突出したコネクティングチューブ62とを有している。コネクティングチューブ62の前端には、エンジン12に供給される空気量を調節するスロットルボディ52が接続され、スロットルボディ52は、シリンダヘッド43後部の吸気口43Aに接続されている。スロットルボディ52にはインジェクター34が設けられ、燃料タンク35の燃料は、燃料ポンプ53によってインジェクター34に供給される。
また、エアクリーナケース61は、シリンダヘッド43に対して後側の上方に位置し、コネクティングチューブ62及びスロットルボディ52は、シリンダヘッド43の吸気口43Aに向かって前下がりに直線的に配置されている。
また、前輪WFは、フロントフォーク13に取り付けられたフロントフェンダ8によって上方を覆われている。
図2に示すように、エアクリーナケース61は、上下2分割で構成され、下面が開口した箱状の上部エアクリーナケース64と、上面が開口した箱状の下部エアクリーナケース65とを有している。エアクリーナケース61は、上部エアクリーナケース64と下部エアクリーナケース65とを、互いの開口を合わせる様に組み立てられて箱型に構成される。
上部エアクリーナケース64の前部には、コネクティングチューブ62が接続されるコネクティングチューブ用開口63が形成されている。下部エアクリーナケース65の後壁部65Aには、車両後方側に開口した吸気ダクト用開口66が形成され、この吸気ダクト用開口66には、外気をエアクリーナケース61に導入する吸気口としての吸気ダクト67が後方側に突出した状態で接続されている。吸気ダクト67は、チューブ状に形成され、下部エアクリーナケース65の後壁部65Aにおいて下部エアクリーナケース65の内外に突出した状態で設けられている。
エレメントホルダ68は、その下面側、すなわち、組み付けられた状態において下部エアクリーナケース65の内部側に、エレメント保持部69を有し、このエレメント保持部69には、吸気ダクト67から吸い込まれた外気に含まれる塵埃等を吸着する板状エレメント70が保持されている。板状エレメント70は、その板形状の上下面にそれぞれ上側清浄化面70Aと下側清浄化面70Bとを有し、上側清浄化面70A及び下側清浄化面70Bは、板状エレメント70における最大面積を有する面となっている。板状エレメント70は、上側清浄化面70Aが上方向を指向して上部エアクリーナケース64の内部に面し、下側清浄化面70Bが下方向を指向して下部エアクリーナケース65の内部に面するように取り付けられる。
エレメントホルダ68は枠状に形成されており、吸気ダクト67から下部エアクリーナケース65内に導入された外気の全ては、下側清浄化面70Bから板状エレメント70内に入って浄化され、上側清浄化面70Aから上部エアクリーナケース64側に流入する。
また、エレメントホルダ68は、後端側ほど板厚が薄くなるように形成されており、エレメント保持部69が形成された下面側が上面側に対して後ろ上がりに傾斜している。このため、板状エレメント70は、エレメントホルダ68の上面に対して後ろ上がりに傾斜した状態で保持される。
メンテナンス用開口71は、後壁部65Aにおいて吸気ダクト用開口66の上方に設けられており、着脱自在なメンテナンスリッド72によって塞がれている。
メンテナンスリッド72は、メンテナンス用開口71を塞ぐ板状の蓋部72Aと、蓋部72Aからメンテナンスリッド72内に向かって立設されたリッド側ガイド部72Bと、メンテナンス用開口71の上部に引っ掛けられる引っ掛け部72Cと、下部エアクリーナケース65に締結されるリッド締結部72D(締結部)と、取付部71Aに嵌め込まれる溝部72Eとを有している。引っ掛け部72Cは蓋部72Aの上部に設けられ、リッド締結部72Dは引っ掛け部72Cと対向して蓋部72Aの下部に設けられている。
このように、本実施の形態では、板状エレメント70を後ろ上がりに傾斜(例えば、水平に対して45°以下の後ろ上がりに傾斜)して配置したため、板状エレメント70の大きさがエアクリーナケース61の高さ方向の大きさに大きく影響しない。これにより、エアクリーナケース61をエンジン12に近接させて配置でき、エンジン12の要求特性に応じてエアクリーナケース61を近接させて配置できるため、エンジン12の特性を向上できる。
また、前傾して配置されたエンジン12に対応させて、エアクリーナケース61も前傾させて配置したため、図1に示すように、コネクティングチューブ62及びスロットルボディ52をシリンダヘッド43の吸気口43Aに向かって前下がりに直線的に配置できる。これにより、吸気抵抗が低減されるため、吸気効率を向上できる。
さらに、スロットルボディ52とエアクリーナケース61とに囲まれた部分において側面視で左右のメインフレーム17に重なる部分には、燃料タンク35から発生する蒸発燃料を吸着する筒状のキャニスタ59が配置されている。このように、キャニスタ59をメインフレーム17、スロットルボディ52及びエアクリーナケース61で囲まれる空間に配置したため、外観性に影響することなくキャニスタ59を設けることができる。
図3及び図4に示すように、コネクティングチューブ用開口63は、段部64Aにおいて上部エアクリーナケース64の幅方向中央に設けられ、コネクティングチューブ62には、左側面側に開口したレゾネータ接続部62Bが設けられている。また、上部エアクリーナケース64の前部において、レゾネータ接続部62Bの反対側には、コネクティングチューブ62の右側面を覆う側壁部64Eが形成されている。
レゾネータ73は、段部64A内に収まるように配置され、レゾネータ接続部62Bから車両左側に膨出した側室73Aと、コネクティングチューブ62の上方に回りこんで側壁部64Eの近傍まで車両右側へ延びた上室73Bとを有している。また、レゾネータ73は、側壁部64Eの上面に設けられたレゾネータ固定部64Fに締結固定されている。
図2、図5及び図6に示すように、燃料タンク35には、後部から後方に突出した板状のステー固定部35Bが形成され、ステー固定部35Bは、シートレール20及びサイドカバー54の上方に位置している。このステー固定部35Bには、燃料タンク35をシートレール20に固定するタンク側ステー78(後方締結部)が溶接によって固定されている。
各腕部78Bの下端には、腕部78Bを幅方向外側に折り曲げて平らに形成した座部78Cが設けられている。左右の座部78Cは、各シートレール20の上方に突出したサイドカバー54の下方に潜り込むようにして各シートレール20の上面まで延びている。そして、燃料タンク35は、左右の座部78Cにそれぞれ挿通されるタンク固定ボルト79によってシートレール20に固定される。
図6に示すように、リッド側ガイド部72B及び引っ掛け部72Cは、蓋部72Aの裏面側に設けられ、リッド側ガイド部72Bは、蓋部72Aの幅方向中央に位置し、引っ掛け部72Cは蓋部72Aの幅方向の両端側の2箇所に位置している。
このように、本構成では、タンク側ステー78及びシート36の下方に空間Kが確保されていると共に、シート下クロスメンバ26がリッド締結部72D及び板状エレメント70を着脱する際の邪魔にならないため、簡単に板状エレメント70のメンテナンスを行うことができる。また、空間Kはシート36の下方に位置する空間であり、空間Kには他の部品が配置されていないため、他の部品を設けない分だけシート36の高さを低く設定することができる。
また、バッテリー9は、シート下クロスメンバ26の後方において、空間Kの外側に配置されている。
図7は、吸気装置60の一部断面側面図である。図8は、下部エアクリーナケース65の平面図である。ここで、図8では、下部エアクリーナケース65と共に、エレメントホルダ68を2点鎖線で示している。
図8に示すように、下部エアクリーナケース65は平面視で略矩形に形成され、後部ほど幅狭に形成されている。また、2点鎖線で示すように、エレメントホルダ68は平面視において下部エアクリーナケース65と略同一形状に形成され、下部エアクリーナケース65の上部に取り付けられている。
エアクリーナケース61は、下部エアクリーナケース65と上部エアクリーナケース64との間にエレメントホルダ68を狭持した状態で、下部ケース固定部81と上部ケース固定部82とを締結するねじ83を締め込むことで組み立てられる。
下部エアクリーナケース65の上縁部には、エレメントホルダ68の下面凸部84が係合する係合溝86Aが形成されている。また、上部エアクリーナケース64の下縁部には、エレメントホルダ68の上面凸部85が係合する係合溝86Bが形成されている。
このように、エレメントホルダ68を、下面凸部84及び上面凸部85を係合溝86A、86Bにそれぞれ係合させて組み立てるため、エレメントホルダ68を確実に位置決めできると共に、エアクリーナケース61の密閉性を向上できる。
図2、図9及び図10に示すように、板状エレメント70は、板状エレメント70の上部に設けられた板状の枠部87と、枠部87から下方に膨出するように設けられた板状のエレメント本体部88とを有している。
また、枠部87の後端には、枠部87の後端を下方に屈曲して形成された板状の可撓部87Bが設けられ、この可撓部87Bの後面には、後方へ突出した後部突起87Cが形成されている。可撓部87Bは、後方から押圧等によって前方側への力を受けた場合、前方側に撓むことができる。図10に示すように、可撓部87B及び後部突起87Cは、板状エレメント70の幅方向の2箇所に設けられている。
また、図9及び図10に示すように、枠部87の幅方向の両側面には、外側に突出したガイドレール87Dがそれぞれ形成されている。ガイドレール87Dは、枠部87の前後方向に連続してレール状に設けられている。
エレメントホルダ68の前係合部89には、板状エレメント70の前部突起87Aが係合する前孔部89Aが形成されており、後係合部90には、板状エレメント70の後部突起87Cが係合する後孔部90Aが形成されている。図10に示すように、前係合部89及び後係合部90は、エレメントホルダ68の幅方向の2箇所にそれぞれ設けられている。
エレメントガイド部91は、図10に示すように、幅方向に左右一対で設けられ、エレメントホルダ68の左右の端部から下方に延びる延出部91Aと、各延出部91Aの下端が幅方向内側に屈曲されて形成されたガイド部91Bとを有している。このガイド部91Bは、後ろ上がりに傾斜した状態で前後に延在しており、図2に示すように、その傾斜角度は、板状エレメント70の傾斜角度よりも小さく設定されている。
エレメントホルダ68に押し込まれた板状エレメント70は、前部突起87Aがエレメントホルダ68の前係合部89の前孔部89Aに係合され、その後、メンテナンスリッド72のリッド側ガイド部72Bによって固定位置まで押し上げられて、可撓部87Bの後部突起87Cが後係合部90の後孔部90Aに係合することで固定される。詳細には、板状エレメント70は、前部突起87Aが前係合部89の前孔部89Aに係合した状態で、リッド側ガイド部72Bによって押し上げられ、前孔部89Aを中心として上方に回動して固定位置に達する。この固定位置では、板状エレメント70は、リッド側ガイド部72Bの先端72Fによって前係合部89に押し付けられると共に、リッド側ガイド部72Bの上面部72Gによってエレメントホルダ68の下面に押し付けられている。これにより、板状エレメント70をエレメントホルダ68に密着させることができ、ダーティーサイドとクリーンサイドとの間を確実に密閉できる。
また、可撓部87Bはリッド側ガイド部72Bによって押し上げられた際に、後部突起87Cが後係合部90に当接することで前側に撓み、板状エレメント70がさらに押し上げられることによって後部突起87Cが後孔部90Aに係合すると元の状態に戻る。
また、メンテナンスリッド72の上部は、引っ掛け部72Cが吸気ダクト用開口66の上部の内壁66Bに引っ掛かることで固定されるため、ねじ等を使用する締結部を削減できる。
板状エレメント70を取り付ける場合、まず、上述したシート36のロック機構を解除してシート36を取外し、メンテナンスリッド72を空間Kを介して外側に露出させる。次いで、空間Kに手を入れてリッド締結部72Dの締結を解除し、リッド締結部72D及びメンテナンスリッド72を取り外す。次に、メンテナンス用開口71から板状エレメント70を挿入し、板状エレメント70をエレメントホルダ68にセットする。この際、板状エレメント70は、ガイドレール87Dがガイド部91Bによって位置を規制されるため、図9に示す矢印の方向に真直ぐにガイドされ、前部突起87Aが確実に前孔部89Aに係合する。このため、板状エレメント70を確実に、かつ、簡単に正しい位置へセットすることができる。
そして、メンテナンスリッド72をメンテナンス用開口71に取り付けることで、板状エレメント70はリッド側ガイド部72Bによって固定位置に押し上げられ、後部突起87Cが後孔部90Aと係合することで完全に固定される。その後、リッド締結部72Dを締結し、シート36を取り付ければ良い。
また、シート36が取り付けられた状態では、メンテナンスリッド72がシート36の下に位置しており、外側から視認されないため、外観性を向上できる。
さらに、メンテナンスリッド72をメンテナンス用開口71に固定すると、リッド側ガイド部72Bによって板状エレメント70が押し上げられて板状エレメント70も同時に固定されるため、メンテナンス性を向上できる。また、メンテナンスリッド72を取り外すと、板状エレメント70が、エレメントガイド部91によって保持される位置まで自重によって下がることが可能なため、板状エレメント70が抜き易くなる。
さらに、燃料タンク35の後部のステー固定部35Bにアーチ状のタンク側ステー78を備えたため、燃料タンク35の後方に、メンテナンスリッド72及び板状エレメント70が通過可能な空間Kを確保できる。また、タンク側ステー78は、左右一対のシートレール20を連結する部材としても機能するため、シートレール20の強度及び剛性を向上できる。
上記実施の形態では、エアクリーナケース61は上下2分割で構成され、上部エアクリーナケース64と下部エアクリーナケース65とを有するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、一体的に構成されたエアクリーナケース内に板状エレメント70を設け、板状エレメント70が後ろ上がりに傾斜するようにエアクリーナケースを配置し、エアクリーナケースの後部に設けたメンテナンスリッドをシート36に対向させて設けても良い。また、その他の自動二輪車10の細部構成についても任意に変更可能であることは勿論である。
11 車体フレーム
12 エンジン(内燃機関)
20 シートレール(フレーム部材)
20A フレーム側締結部
35 燃料タンク
36 シート
61 エアクリーナケース
61A、61B 分割面
62 コネクティングチューブ
63 コネクティングチューブ用開口
64 上部エアクリーナケース
64B 後壁部(壁部)
65 下部エアクリーナケース
66 吸気ダクト用開口
68 エレメントホルダ
70 板状エレメント
70A 上側清浄化面(清浄化面)
70B 下側清浄化面(清浄化面)
72 メンテナンスリッド
72B リッド側ガイド部
72C 引っ掛け部
72D リッド締結部(締結部)
75 ケース側締結部
78 タンク側ステー(後方締結部)
91 エレメントガイド部
WF 前輪
WR 後輪
Claims (8)
- 前輪を操舵可能に保持すると共に、後輪を揺動可能に保持する車体フレームと、前記車体フレームの前部上方に配置される燃料タンクと、該燃料タンクの後方かつ前記車体フレームの上方に配置されるシートと、前記燃料タンクの下方かつ前記車体フレームの下方に懸架される内燃機関と、取り込んだ外気を清浄化して前記内燃機関に供給するエアクリーナケースと、該エアクリーナケース内に配置される板状エレメントと、前記エアクリーナケースの一部を形成し、前記板状エレメントの着脱の際に利用されるメンテナンスリッドとを備えた自動二輪車において、
前記エアクリーナケースが前記燃料タンク下方に配置されると共に、車両側面視で、前記板状エレメントがその清浄化面を上下方向を指向して後ろ上がりに傾斜して配置され、前記メンテナンスリッドが前記シートの下方で前記シートに対向して設けられたこと、
を特徴とする自動二輪車。 - 前記エアクリーナケースが上下2分割で構成され、
上部エアクリーナケースに、前記内燃機関へ吸気を供給するコネクティングチューブ用開口が形成され、下部エアクリーナケースに、外気を前記エアクリーナケースに導入する吸気ダクト用開口が形成され、
前記板状エレメント及び前記メンテナンスリッドが前記下部エアクリーナケースに配置されたこと、
を特徴とする請求項1記載の自動二輪車。 - 前記上部エアクリーナケースと前記下部エアクリーナケースとの分割面にエレメントホルダを狭持し、
前記エレメントホルダの下部に前記板状エレメントを保持するエレメントガイド部を形成したこと、
を特徴とする請求項2記載の自動二輪車。 - 前記エレメントガイド部は、前記板状エレメントが固定される位置より下方側に形成され、前記メンテナンスリッドに前記エアクリーナケースの内側に突出するリッド側ガイド部が形成され、
前記リッド側ガイド部は、前記メンテナンスリッドが前記エアクリーナケースに固定された状態で、前記板状エレメントを固定位置まで押し上げるように形成されたこと、
を特徴とする請求項3記載の自動二輪車。 - 前記メンテナンスリッドは、その上部に引っ掛け部を有すると共に、下部に締結部を有すること、
を特徴とする請求項4記載の自動二輪車。 - 前記上部エアクリーナケースに、前記エアクリーナケースを前記車体フレームへ固定する全てのケース側締結部を形成すると共に、前記エアクリーナケースが固定される前記車体フレーム側のフレーム側締結部は、該車体フレームの上面に配置されたこと、
を特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の自動二輪車。 - 前記コネクティングチューブ用開口に接続されるコネクティングチューブと対向する前記上部エアクリーナケースの壁部を球状に形成したこと、
を特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の自動二輪車。 - 前記車体フレームは少なくとも左右一対のフレーム部材で構成され、
前記燃料タンクは、後部に後面視でアーチ状に形成された後方締結部を備え、該後方締結部の車幅方向両端部を介して左右一対の前記フレーム部材に固定されたこと、
を特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の自動二輪車。
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