JP7344947B2 - 鞍乗り型車両におけるエアクリーナ構造 - Google Patents
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Description
特許文献1では、略半球形状のカバー部を燃料タンクの下方に備えるエアクリーナを開示する。このエアクリーナにおいては、コネクティングチューブが浄化室に挿入されてすぐの位置に開口部が設けられた態様が開示されている。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、エアクリーナにおける吸気効率の向上を目的とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
コネクティングチューブ43の下流端部には、スロットルボディ45が接続され、スロットルボディ45には燃料噴射弁47が付設される。スロットルボディ45の下流端部にはシリンダー部24が接続される。また、コネクティングチューブ43には、レゾネーター50が接続されていてもよい。
第1仮想平面VHと第2仮想平面VVとの交線と、エアクリーナ31の縦断面の交点を中心に球面Cを仮定する。球面Cは第1ケース部37の内周面の少なくとも一部を含んでよい。コネクティングチューブ43の上流端開口部57の中心M4は、球面Cと第1仮想平面VHと第2仮想平面VVに囲まれた立体内にある。球面Cに対向する内周面Pにおいて、第1仮想平面VHと第2仮想平面VVで囲まれた部分である頂部39に、コネクティングチューブ43の上流端開口部57が臨む。
第2象限にあたる場所にコネクティングチューブ43の上流端開口部57の全体が入っていることが望ましい。
この構成によれば、半球体状の第1ケース部37の頂部39に集まる吸気を、より効率的に内燃機関に導入することができる。
この構成によれば、吸気ダクトを未浄化室32内で最大限長く配置できる。このため中低速領域において、吸気の脈動効果を最大限に活用することができ、吸気量を増大させてドライバビリティを向上させる。
この構成によれば、コネクティングチューブ43が直線形状である構造と比べて、より長く延伸することができる。そして半球体状の第1ケース部37の頂部39に集まる空気を、効率的に内燃機関に導入することができる。またコネクティングチューブ43が長いため脈動効果が生じやすくなり、吸気量を向上することができる。
この構成によれば、屈曲箇所による吸気抵抗を減らすことができる。そのため低中速のドライバビリティを向上させることができる。
第2ケース部35の車両後方側から吸気ダクト40が未浄化室32へ挿入される。吸気ダクト40は、コネクティングチューブ43と対向する方向から取り付けられており、図3中のM3とM2の距離を吸気ダクト40のエアクリーナ31内に挿入される挿入部の長さL1と定義する。また図3中のM4とM1の距離を、コネクティングチューブ43の上流端開口部57の中心と、第1ケース部の壁面72との間隔の長さL2とする。L1とL2の長さは略同一である。
この構成によれば、吸気効率を向上し得る。このため吸気量が増大し、ドライバビリティを向上させる。
吸気ダクト40の上流端開口部54の外周63に沿って二重管部67が設けられる。外気は反射板49に反射された後、二重管部67で整流され吸気ダクト40の上流端開口部54から未浄化室32へと導入される。
上流端開口部54に直接入る向きの吸気と、吸気ダクト40の外周に沿った方向から吸気ダクト40の上流端開口部54に入ろうとする吸気が衝突して乱流が起きることを防ぐ整流作用が生じる。
二重管部67によって吸気を整流することができるので吸気ダクト40からの吸気効率を向上させることができる。そのため出力が向上する。
吸気ダクトの下流端開口部55の外周63に沿って二重管部69が設けられる。言い換えれば二重管部69は、吸気ダクト40の下流端開口部55を取り囲むように弧状に設けられる。図8は、図7のVIII-VIII断面図である。
この構成によれば、二重管部69によって、上記開口部55後方へ流れる吸気の流れを抑制し、上記開口部55近傍での乱流発生を抑制する整流作用及び吸気騒音低減作用を高める。また、このような構成によれば、吸気効率を向上し得る。このため吸気量を増大させてドライバビリティを向上させる。
吸気ダクト40の上流端開口部54から吸気された外気は、吸気ダクト40から未浄化室32へと導かれる。
このとき外気は斜面80に衝突して未浄化室32内で拡散する流れや、吸気ダクトの下流端開口部55からエアクリーナエレメント41方向に拡散する流れもあり、また吸気ダクト40の下流端開口部55の裏手に廻り込む流れもある。それらの外気は、エアクリーナエレメント41によって濾過されて浄化室33へ導入される。
頂部39の近傍に開口されたコネクティングチューブの上流端開口部57から、外気はパワーユニット12へと導かれるため、吸気効率が従来の構成よりもよくなるという優れた効果を奏する。
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
エアクリーナ構造は、未浄化室と、浄化室とがエアクリーナエレメントによって仕切られ、前記浄化室には、パワーユニットに外気を導入するコネクティングチューブが挿入されるとともに、前記浄化室を形成する第1ケース部と前記未浄化室を形成する第2ケース部とを有するエアクリーナにおいて、前記第1ケース部は略半球形状であり、前記コネクティングチューブは前記第1ケース部の略半球形状の頂部に向けて、その上流端開口部を臨ませることを特徴とする鞍乗り型車両におけるエアクリーナ構造。
車両側面視において、前記コネクティングチューブの前記上流端開口部の中心は、前記コネクティングチューブが前記第1ケース部に挿入される前記基端部の中心から、前記エアクリーナエレメントと平行に延びた第1仮想平面よりも前記頂部側に設けられることを特徴とする(構成1)に記載の鞍乗り型車両におけるエアクリーナ構造。
車両側面視において、前記エアクリーナエレメントに対して垂直な第2仮想平面を前記第1ケース部の前後長の中間位置に仮定したときに、前記コネクティングチューブの前記上流端開口部の少なくとも一部は、第2仮想平面よりも前記基端部から遠ざかる位置に設けられることを特徴とする(構成1)または(構成2)に記載の鞍乗り型車両におけるエアクリーナ構造。
前記コネクティングチューブの外周に沿って二重管部が設けられることを特徴とする(構成1)から(構成3)のうちのいずれかに記載の鞍乗り型車両におけるエアクリーナ構造。
前記コネクティングチューブは、前記基端部から前記第1ケース部の前記頂部に向かって延びる屈曲部を有することを特徴とする(構成1)から(構成4)のうちのいずれかに記載の鞍乗り型車両におけるエアクリーナ構造。
前記コネクティングチューブの屈曲部の内径は、その上流側の内径よりも径が大きいことを特徴とする(構成5)に記載の鞍乗り型車両におけるエアクリーナ構造。
前記第2ケース部(35)には外気を導入するための吸気ダクトが挿入され、前記気ダクトの外周に沿って二重管部が設けられることを特徴とする(構成1)から(構成6)のいずれかに記載の鞍乗り型車両におけるエアクリーナ構造。
例えば、コネクティングチューブ43が挿入される浄化室33と、吸気ダクト40が挿入される未浄化室32の位置関係が、鉛直方向について、上記したものと逆に置かれてもよい。換言すれば、頂部39と表現した半球形状の浄化室33の部分が、車両の下方側に位置してもよい。
31 エアクリーナ
32 未浄化室
33 浄化室
35 第2ケース部
37 第1ケース部
39 頂部
40 吸気ダクト
41 エアクリーナエレメント
43 コネクティングチューブ
55 吸気ダクトの下流端開口部
57 コネクティングチューブの上流端開口部
59 屈曲部
61 基端部
63 外周
65 外周
67 二重管部
71 二重管部
72 壁面
D1 第1内径
D2 第2内径
L1 長さ
L2 長さ
M1 中心
M4 中心
P 内周面
VH 第1仮想平面
VV 第2仮想平面
VC 第3仮想平面
Claims (6)
- 未浄化室(32)と、浄化室(33)とがエアクリーナエレメント(41)によって仕切られ、前記浄化室(33)には、パワーユニット(12)に外気を導入するコネクティングチューブ(43)が挿入されるとともに、前記浄化室(33)を形成する第1ケース部(37)と前記未浄化室(32)を形成する第2ケース部(35)とを有するエアクリーナにおいて、
前記第1ケース部(37)は略半球形状であり、
前記コネクティングチューブ(43)は前記第1ケース部(37)の略半球形状の頂部(39)に向けて、その上流端開口部(57)を臨ませ、
車両側面視において、前記エアクリーナエレメント(41)に対して垂直な第2仮想平面(VV)を前記第1ケース部(37)の前後長の中間位置に仮定したときに、前記コネクティングチューブ(43)の前記上流端開口部(57)の少なくとも一部は、第2仮想平面(VV)よりも、前記コネクティングチューブ(43)が前記第1ケース部(37)に挿入される基端部(61)から遠ざかる位置に設けられ、
前記第1ケース部(37)は第2仮想平面(VV)に対して前後方向の両側に球状壁面を有していることを特徴とする鞍乗り型車両におけるエアクリーナ。 - 車両側面視において、前記コネクティングチューブ(43)の前記上流端開口部(57)の中心(M4)は、前記コネクティングチューブ(43)が前記第1ケース部(37)に挿入される基端部(61)の中心(M1)から、前記エアクリーナエレメント(41)と平行に延びた第1仮想平面(VH)よりも前記頂部(39)側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両におけるエアクリーナ。
- 前記コネクティングチューブ(43)の外周(65)に沿って二重管部(71)が設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鞍乗り型車両におけるエアクリーナ。
- 前記コネクティングチューブ(43)は、前記基端部(61)から前記第1ケース部(37)の前記頂部(39)に向かって延びる屈曲部(59)を有することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の鞍乗り型車両におけるエアクリーナ。
- 前記コネクティングチューブ(43)の屈曲部(59)の第1内径(D1)は、その上流側の第2内径(D2)よりも径が大きいことを特徴とする請求項4に記載の鞍乗り型車両におけるエアクリーナ。
- 前記第2ケース部(35)には外気を導入するための吸気ダクト(40)が挿入され、前記吸気ダクト(40)の外周(63)に沿って二重管部(67)が設けられることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれかに記載の鞍乗り型車両におけるエアクリーナ。
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