JP2011020399A - 剥離性ポリイミドフィルム積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール骨格を有する芳香族ジアミン類との反応によって得られるポリイミドのフィルムと芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類との反応によって得られるポリイミドのフィルムとが、接着剤層を介することなく積層した積層体であって、積層体を構成するフィルム間の初期剥離強度が、0.02〜2.0N/cmであることを特徴とする剥離性ポリイミドフィルム積層体。
【選択図】なし
Description
薄膜化したFPCを製造する際の加工性を改良する方法としては、FPC補強用フィルムを予めFPCに貼り付けて保持することで、全体として加工時の剛性を持たせる方法が用いられている。その際、加工時の取り扱いを簡便にし、かつ加工終了後には剥離・除去できるような微粘着性の補強フィルムが用いられるようになっている。従来は、この目的で、アクリル系やゴム系の粘着シートが使用されていたが、これらのシートは粘着力が大きく、またその粘着力が温度、圧力により著しく変化するため、FPC製造工程の加工条件によっては使用できないことがあった。このような補強を目的とした技術として、例えば、片面のみに金属箔を配したフレキシブル積層板において、反りの発生防止と製造効率の低下防止のために、金属箔、熱可塑性ポリイミド層、非熱可塑性ポリイミド層、およびイミド化促進剤の共存下においてポリアミド酸を転化することにより得られるポリイミド樹脂裏打ち層、をこの順で積層してなるフレキシブル積層板(特許文献1参照)、フレキシブルプリント回路基板の加工時に用いられる、ポリエステル(A)とポリイミド (B)を含有し、かつ熱収縮率が0.25%以下、熱膨張係数が13×10−6/℃以上50×10−6/℃以下の補強用ポリエステルフィルム(特許文献2参照)などが提案されている。
そこで、本発明は、フレキシブルプリント回路(以降、FPCと記す)などの加工・製造時に用いられる極薄のポリイミドフィルムの取扱いに好適な、適度な剛性、熱寸法安定性、剥離性を有する補強用裏打フィルムが予め積層されたポリイミドフィルムを提供せんとするものである。
なお、ポリイミドフィルム積層体としては、プラズマ表面処理されたポリイミドフィルムを少なくとも2枚重ねて熱圧着させ、該フィルム間の剥離強度0.3kgf/cm以上のポリイミドフィルム積層体が提案されている(特許文献3参照)が、このように層間の剥離強度が強固なものは、本発明が目的とする層間剥離できる積層体の提供には適していない。
そこで本発明は、特定の引張弾性率および引張破断強度を保有し、かつ特定の低い線膨張係数を有する極薄ポリイミドフィルムに、当該フィルムと同等の特性を有し、かつ皺の発生のない補強用裏打フィルムが積層されたポリイミドフィルム積層体を提供することを目的とするものである。
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1)芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール骨格を有する芳香族ジアミン類との反応によって得られるポリイミドのフィルムと芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類との反応によって得られるポリイミドのフィルムとが、接着剤層を介することなく積層した積層体であって、積層体を構成するフィルム間の初期剥離強度が、0.02〜2.0N/cmであることを特徴とする剥離性ポリイミドフィルム積層体。
(2)300℃1hrの熱処理後の剥離強度が、初期の剥離強度の0.2〜2.0倍の範囲である上記(1)の剥離性ポリイミドフィルム積層体。
(3)芳香族ジアミン類がベンゾオキサゾール骨格を有する芳香族ジアミン類を主成分とするものである上記(1)または(2)の剥離性ポリイミドフィルム積層体。
(4)いずれのポリイミドフィルムも面方向での線膨張係数が−5ppm/℃〜+7ppm/℃である上記(1)〜(3)のいずれかの剥離性ポリイミドフィルム積層体。
(5)積層体を構成するポリイミドフィルムの剥離面の平均表面粗さRaが10nm未満である上記(1)〜(4)のいずれかの剥離性ポリイミドフィルム積層体。
(6)積層体を構成するポリイミドフィルムの剥離面の表面元素比率O/Cが0.25〜0.40である上記(1)〜(5)のいずれかの剥離性ポリイミドフィルム積層体。
本発明の剥離性ポリイミドフィルム積層体は、好ましくは300℃1hrの熱処理後の剥離強度が、初期の剥離強度の0.2〜2.0倍の範囲である剥離性ポリイミドフィルム積層体である。またいずれのポリイミドフィルムも面方向での線膨張係数が−5ppm/℃〜+7ppm/℃である剥離性ポリイミドフィルム積層体であり、さらに好ましくは積層体を構成するポリイミドフィルムの剥離面の平均表面粗さRaは10nm未満である。
当該ポリイミドフィルムとしては、ピロメリット酸残基を有する芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類との組み合わせが好ましい。
本発明に特に好ましく使用されるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、特に限定されるものではなく、通常、置換基を有してもよいアミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、置換基を有してもよいフェニレンビスアミノベンゾオキサゾール、置換基を有してもよいビスアミノベンゾオキサゾロベンゼン、置換基を有してもよいジアミノジフェニルベンゾビスオキサゾールが挙げられ、具体的には以下のものが挙げられる。
本発明においては、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンを、全芳香族ジアミンの70モル%以上使用することが好ましい。
本発明で用いられる芳香族テトラカルボン酸類としては、無水物が好ましく、特に、二無水物が好ましい。具体的には、以下のものが挙げられる。
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが3.0dl/g以上が好ましく、4.0dl/g以上がさらに好ましい。この範囲の還元粘度とすることで、得られるポリイミドベンゾオキサゾールの線膨張係数が−5から+7(ppm/℃)と制御し易くなる。
−5ppm/℃〜+7ppm/℃の範囲を超える場合は、所定温度以上に曝された場合に、積層体の寸法が膨張または収縮して積層体の寸法安定性が求められないことになる。
低い線膨張率を実現するためには、高配向が期待できる芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール構造(骨格)を有する芳香族ジアミン類とを選定することが重要である。ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類では、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体などが適しており、また、酸無水物ではピロメリット酸無水物や3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物が適する。
すなわち、本発明のポリイミド積層体の製造方法の重要な特徴の一つは、芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール骨格を有する芳香族ジアミン類との反応によって得られるポリイミドフィルムの表面を、積層前の時点で、表面元素比率O/Cが0.45〜0.65となるようにプラズマ処理の条件を制御することであり、上記のプラズマ処理方法の採用によってそのような表面処理が可能となる。
また、このようにして作成された積層体を構成するポリイミドフィルムの剥離面の表面元素比率O/Cは0.25〜0.40である。言い換えると、本発明の積層体の製造方法は、積層体の厚さ方向に、元素比率O/Cが0.25〜0.40の接合層を形成する。そのような接合層は、n枚のポリイミドフィルムを積層した場合には、(n−1)層形成される。
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドン(または、N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。なお、ポリアミド酸溶液の調製に使用した溶媒がN,N−ジメチルアセトアミドの場合は、N,N−ジメチルアセトアミドを使用してポリマーを溶解し、測定した。
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて異なる5点を測定し、その平均値を表す。
補強用裏打フィルムを剥がした時にポリイミドフィルムに皺、歪などの異常が起きていないか目視確認判定し、皺、歪などの異常が殆ど見られないものを○、皺、歪などの異常が多く見られるものを×とした。
本発明においては、ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度は以下の方法で測定した。
測定対象のポリイミドフィルムを、流れ方向(以下、MD方向とも記す)および幅方向(以下、TD方向とも記す)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機((株)島津製作所製、オートグラフ(登録商標)機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向のそれぞれについて、引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度を測定した。測定したサンプル数は、N=3で、測定結果はそれらの平均値を示す。
測定対象のポリイミドフィルムについて、下記条件にてMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、40〜50℃、50〜60℃、などのように10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を450℃まで繰り返し行った。50℃から400℃までの全測定値の平均値を、それぞれMD方向のCTE(平均値)、TD方向のCTE(平均値)として算出した。フィルム面または積層体の面方向での値は、MD値とTD値の平均値を以って面方向での線膨張係数(CTE)とし、一方、厚さ方向の値を厚さ方向での線膨張係数(CTE)とした。測定したサンプル数は、N=3で、測定結果はそれらの平均値を示す。
熱機械分析装置 : ブルカーAXS社製 TMA4000S
サンプル長さ : 10mm
サンプル幅 : 2mm
昇温開始温度 : 25℃
昇温終了温度 : 450℃
昇温速度 : 5℃/min
雰囲気 : アルゴン
酸素/炭素比(O/C比)、および珪素/炭素比(Si/C比)については、光電子分光法(ESCA)で測定した。プラズマ処理を施した直後のポリイミドフィルムを、試料ホルダー上に両面テープで固定し、予備排気室で十分に排気した。その後、試料を測定室のチャンバー内に投入し、表面組成を分析した。X線源としてMg Kαを用い、出力は10kV、20mAに設定した。検出器のパスエネルギーは75eV、光電子の脱出角度は90度とした。測定は0.1eVピッチで行い,測定時間は1ピッチあたり200msとし7回以上積算を行った。また測定中試料チャンバー内の真空度を3×10−5Pa以下とした。測定時の帯電に伴うピークの補正として、C1sの主ピークの結合エネルギー値を285.0eVに合わせた。
C1sピーク面積は結合エネルギー281〜295eVの範囲、O1sピーク面積は528〜541eVの範囲で、それぞれShirley法のバックグラウンドを引くことにより求めた。バックグラウンドを引く際の2端点強度はそれぞれの端点付近の10点の強度を数値平均した値を用いた。
酸素/炭素比(O/C比)は、上記O1sピーク面積に対するC1sピーク面積の比を、装置固有の感度補正値で割ることにより算出した原子数比で表した。なお、本実施例ではX線光電子分光測定装置として Shimazu−Kratos社製、「ESCA3400」を用いた。
積層体の接着性の評価(積層体構成の各フィルム間の接着性の評価)は、熱処理する前の300℃、1時間の熱処理を行ない下記の条件で、180度剥離試験を行うことで剥離強度を測定した。測定したサンプル数は、N=3で、測定結果はそれらの平均値を示す。
試験機 : (株)島津製作所製 オートグラフAG−IS
サンプル長さ: 100mm
サンプル幅 : 3mm
測定温度 : 25℃
剥離速度 : 50mm/min
雰囲気 : 大気
積層体構成の各フィルムの剥離面の突起の観測方法:直接位相干渉型顕微鏡VertScan((株)菱化システム製)を用いフィルムの表面観察(モード:wave560M、観察視野:75×75μm2)を実施して、平均表面粗さ(Ra)を算出した。平均表面粗さ(Ra)は、JIS B0601−1994の算術平均粗さ(Ra)と同等である。
(無機粒子の予備分散)
アモルファスシリカの球状粒子シーホスターKE−P10(日本触媒株式会社製)1.22質量部とN−メチル−2−ピロリドン420質量部を、接液部および輸液用配管がオーステナイト系ステンレス鋼SUS316L製である容器に入れ、ホモジナイザーT−25ベイシック(IKA Labor technik社製)にて、回転数1000回転/分で1分間攪拌し予備分散液を得た。予備分散液中の平均粒子径は0.11μmであった。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた接液部、および輸液用配管を備える反応容器内を窒素置換した後、223質量部の5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールを入れた。なお、容器の接液部および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316L製である。次いで、4000質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、先に得た予備分散液を421.2質量部と217質量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて24時間攪拌することで、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Aが得られた。この還元粘度(ηsp/C)は3.8であった。
(無機粒子の予備分散)
アモルファスシリカの球状粒子シーホスターKE−P10(日本触媒株式会社製)を7.6質量部、N−メチル−2−ピロリドン390質量部を、接液部および輸液用配管がオーステナイト系ステンレス鋼SUS316L製である容器に入れホモジナイザーT−25ベイシック(IKA Labor technik社製)にて、回転数1000回転/分で1分間攪拌し予備分散液を得た。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた容器の接液部、および輸液用配管はオーステナイト系ステンレス鋼SUS316Lである反応容器内を窒素置換した後、200質量部のジアミノジフェニルエーテルを反応容器内に入れた。次いで、3800質量部のN−メチル−2−ピロリドンを加えて完全に溶解させてから、先に得た予備分散液を397.6質量部と217質量部のピロメリット酸二無水物を加えて、25℃にて5時間攪拌することで、褐色の粘調なポリアミド酸溶液Bが得られた。この還元粘度(ηsp/C)は3.7であった。
参考例1〜2で得たポリアミド酸溶液を、ダイコーターを用いて鏡面仕上げしたステンレススチール製の無端連続ベルト上に塗布し(塗工幅1240mm)、90〜115℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性となったポリアミド酸フィルムを支持体から剥離して両端をカットし、ポリアミド酸溶液AおよびBからなるグリーンフィルムを得た。
得られたこれらのグリーンフィルムを、ピンシートが並んだ際にピン間隔が一定となるようにピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンにさしこむ事により把持した。フィルムが破断しないように、かつ不必要なタルミ生じないようにピンシート間隔を調整し、最終ピンシート間隔が1140mm、となるように搬送し、第1段が170℃で2分、第2段として230℃で2分、第3段485で6分の各条件で段階的に加熱を施して、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端部の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、褐色を呈するフィルム1〜フィルム4(表1)のポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルム1〜4について、特性測定結果を表1に記載する。
気圧0.2トル(Torr)、二酸化炭素雰囲気下で内部電極方式のプラズマ源に高周波電圧を印加し、放電電力密度(E値)2500W・min/m2で、ポリイミドフィルムNO.1(厚さ38μm)とポリイミドフィルムNO.3(厚さ5μm)とにそれぞれ、片面プラズマ処理を施した。放電電力密度は、装置に依存して異なるが本発明では、実施例、比較例を通して同一の装置でプラズマ処理を実施している。
これらのフィルムを20cmに裁断後、フィルムNO.1とフィルムNO.3のプラズマ処理面同士を重ね合わせて、上下にガラステフロン(登録商標)製の厚さ3mmのクッション板を置いて、真空プレス装置を用いて280℃、130kg/cm2の条件で30分プレスし、100℃に冷却後圧力を開放し、積層体1を取り出した。
得られた積層体1は厚さ43μmの板状体であった。積層体のCTE特性及び積層に使用したフィルムの元素比率を表2、積層体の初期の180度剥離強度および300℃、1時間処理後の180度剥離強度、剥離面の表面粗さ、剥離面の元素比率の結果を表3に示す。
気圧0.2トル、二酸化炭素雰囲気下で内部電極方式のプラズマ源に高周波電圧を印加し、放電電力密度(E値)3500W・min/m2で、ポリイミドフィルムNO.1(厚さ38μm)とポリイミドフィルムNO.3(厚さ5μm)とにそれぞれ、片面プラズマ処理を施した。
これらのフィルムを20cmに裁断後2枚、フィルムNO.1とフィルムNO.3のプラズマ処理面同士を重ね合わせて、上下にガラステフロン(登録商標)製の厚さ3mmのクッション板を置いて、真空プレス装置を用いて280℃、130kg/cm2の条件で30分プレスし、100℃に冷却後圧力を開放し、積層体2を取り出した。
得られた積層体2は、厚さ43μmの板状体であった。積層体のCTE特性及び積層に使用したフィルムの元素比率を表2、積層体の初期の180度剥離強度および300℃、1時間処理後の180度剥離強度、剥離面の表面粗さ、剥離面の元素比率の結果を表3に示す。
気圧0.2トル、二酸化炭素雰囲気下で内部電極方式のプラズマ源に高周波電圧を印加し、放電電力密度(E値)5000W・min/m2で、ポリイミドフィルムNO.1(厚さ38μm)とポリイミドフィルムNO.3(厚さ5μm)とにそれぞれ、片面プラズマ処理を施した。
これらのフィルムを20cmに裁断後2枚、フィルムNO.1とフィルムNO.3のプラズマ処理面同士を重ね合わせて、上下にガラステフロン(登録商標)製の厚さ3mmのクッション板を置いて、真空プレス装置を用いて280℃、130kg/cm2の条件で30分プレスし、100℃に冷却後圧力を開放し、積層体3を取り出した。
得られた積層体3は、厚さ43μmの板状体であった。積層体のCTE特性及び積層に使用したフィルムの元素比率を表2、積層体の初期の180度剥離強度および300℃、1時間処理後の180度剥離強度、剥離面の表面粗さ、剥離面の元素比率の結果を表3に示す。
気圧0.2トル、二酸化炭素雰囲気下で内部電極方式のプラズマ源に高周波電圧を印加し、放電電力密度(E値)3500W・min/m2で、ポリイミドフィルムNO.1(厚さ38μm)とポリイミドフィルムNO.3(厚さ5μm)とにそれぞれ、片面プラズマ処理を施した。
これらのフィルムを20cmに裁断後、フィルムNO.1とフィルムNO.3のプラズマ処理した面同士を重ね合わせて、上下にガラステフロン(登録商標)製の厚さ3mmのクッション板を置いて、真空プレス装置を用いて200℃、130kg/cm2の条件で30分プレスし、100℃に冷却後圧力を開放し、積層体4を取り出した。
得られた積層体4は、厚さ43μmの板状体であった。積層体のCTE特性及び積層に使用したフィルムの元素比率を表2、積層体の初期の180度剥離強度および300℃、1時間処理後の180度剥離強度、剥離面の表面粗さ、剥離面の元素比率の結果を表3に示す。
気圧0.2トル、二酸化炭素雰囲気下で内部電極方式のプラズマ源に高周波電圧を印加し、放電電力密度(E値)2500W・min/m2で、ポリイミドフィルムNO.1(厚さ38μm)とポリイミドフィルムNO.3(厚さ5μm)とにそれぞれ、片面プラズマ処理を施した。
これらのフィルムを20cmに裁断後、フィルムNO.1とフィルムNO.3のプラズマ処理した面同士を重ね合わせて、上下にガラステフロン(登録商標)製の厚さ3mmのクッション板を置いて、真空プレス装置を用いて280℃、30kg/cm2の条件で30分プレスし、100℃に冷却後圧力を開放し、積層体5を取り出した。
得られた積層体5は、厚さ43μmの板状体であった。積層体のCTE特性及び積層に使用したフィルムの元素比率を表2、積層体の初期の180度剥離強度および300℃、1時間処理後の180度剥離強度、剥離面の表面粗さ、剥離面の元素比率の結果を表3に示す。
プラズマ処理をしていないポリイミドフィルムNO.1(厚さ38μm)とプラズマ処理をしていないポリイミドフィルムNO.3(厚さ5μm)とを20cmに裁断後2枚重ね合わせて、上下にガラステフロン(登録商標)製の厚さ3mmのクッション板を置いて、真空プレス装置を用いて280℃、130kg/cm2の条件で30分プレスし、100℃に冷却後圧力を開放し、積層体6を取り出した。
得られた積層体6は厚さ43μmの板状体であった。
積層体6は、微粘着性を有するものの外力により容易に剥離するものであった。
プラズマ処理をしていないポリイミドフィルムNO.2(厚さ38μm)とプラズマ処理をしていないポリイミドフィルムNO.4(厚さ5μm)とを20cmに裁断後2枚重ね合わせて、上下にガラステフロン(登録商標)製の厚さ3mmのクッション板を置いて、真空プレス装置を用いて280℃、130kg/cm2の条件で30分プレスし、100℃に冷却後圧力を開放し、積層体7を取り出した。
得られた積層体7は厚さ43μmの板状体であった。
積層体7は、微粘着性を有するものの外力により容易に剥離するものであった。
気圧0.2トル、二酸化炭素雰囲気下で内部電極方式のプラズマ源に高周波電圧を印加し、放電電力密度(E値)10,000W・min/m2で、ポリイミドフィルムNO.1(厚さ38μm)とポリイミドフィルムNO.3(厚さ5μm)とにそれぞれ、片面プラズマ処理を施した。
これらのフィルムを20cmに裁断後2枚、フィルムNO.1とフィルムNO.3のプラズマ処理した面同士を重ね合わせて、上下にガラステフロン(登録商標)製の厚さ3mmのクッション板を置いて、真空プレス装置を用いて280℃、130kg/cm2の条件で30分プレスし、100℃に冷却後圧力を開放し、積層体8を取り出した。
得られた積層体8は、厚さ43μmの板状体であった。
積層体8は、微粘着性を有するものの外力により容易に剥離するものであった。
気圧0.2トル、二酸化炭素雰囲気下で内部電極方式のプラズマ源に高周波電圧を印加し、放電電力密度(E値)500W・min/m2で、ポリイミドフィルムNO.1(厚さ38μm)とポリイミドフィルムNO.3(厚さ5μm)とにそれぞれ、片面プラズマ処理を施した。
これらのフィルムを20cmに裁断後2枚、フィルムNO.1とフィルムNO.3のプラズマ処理した面同士を重ね合わせて、上下にガラステフロン(登録商標)製の厚さ3mmのクッション板を置いて、真空プレス装置を用いて280℃、130kg/cm2の条件で30分プレスし、100℃に冷却後圧力を開放し、積層体9を取り出した。
得られた積層体9は、厚さ43μmの板状体であった。積層体のCTE特性及び積層に使用したフィルムの元素比率を表2、積層体の初期の180度剥離強度および300℃、1時間処理後の180度剥離強度、剥離面の表面粗さ、剥離面の元素比率の結果を表3に示す。
気圧0.2トル、二酸化炭素雰囲気下で内部電極方式のプラズマ源に高周波電圧を印加し、放電電力密度(E値)2500W・min/m2で、ポリイミドフィルムNO.1(厚さ38μm)とポリイミドフィルムNO.3(厚さ5μm)とにそれぞれ、片面プラズマ処理を施した。
これらのフィルムを20cmに裁断後、フィルムNO.1とフィルムNO.3のプラズマ処理した面同士を重ね合わせて、上下にガラステフロン(登録商標)製の厚さ3mmのクッション板を置いて、真空プレス装置を用いて50℃、130kg/cm2の条件で30分プレス後圧力を開放し、積層体10を取り出した。
得られた積層体10は、厚さ43μmの板状体であった。
積層体10は、微粘着性を有するものの外力により容易に剥離するものであった。
Claims (6)
- 芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール骨格を有する芳香族ジアミン類との反応によって得られるポリイミドのフィルムと芳香族テトラカルボン酸類と芳香族ジアミン類との反応によって得られるポリイミドのフィルムとが、接着剤層を介することなく積層した積層体であって、積層体を構成するフィルム間の初期剥離強度が、0.02〜2.0N/cmであることを特徴とする剥離性ポリイミドフィルム積層体。
- 300℃1hrの熱処理後の剥離強度が、初期の剥離強度の0.2〜2.0倍の範囲である請求項1に記載の剥離性ポリイミドフィルム積層体。
- 芳香族ジアミン類がベンゾオキサゾール骨格を有する芳香族ジアミン類を主成分とするものである請求項1または2のいずれかに記載の剥離性ポリイミドフィルム積層体。
- いずれのポリイミドフィルムも面方向での線膨張係数が−5ppm/℃〜+7ppm/℃である請求項1〜3のいずれかに記載の剥離性ポリイミドフィルム積層体。
- 積層体を構成するポリイミドフィルムの剥離面の平均表面粗さRaが10nm未満である請求項1〜4のいずれかに記載の剥離性ポリイミドフィルム積層体。
- 積層体を構成するポリイミドフィルムの剥離面の表面元素比率O/Cが0.25〜0.40である請求項1〜5のいずれかに記載の剥離性ポリイミドフィルム積層体。
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